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2006.01.27
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カテゴリ: 米外交史
▼エピローグのエピローグ (今度こそ最終回、たぶん)
数奇な半生を送ったロレンツの物語も、幕を閉じるときが来たようだ。ロレンツの自伝は、この3人の団欒の場面で終わっている。そのため、その後ロレンツたちの間でどのような会話が交わされ、また別れがあったかなどの詳細はわからない。おそらくは、息子とカストロに最後の別れを告げて、そのまま後ろ髪をひかれるようにして、二人の子供が待つアメリカへ戻ったのだろう。

その後のロレンツの足取りについては、点と点をつなげるような断続的な情報しかない。しかし、その中でも特筆すべきは、スタージスの上司である元CIA情報部員ハワード・ハントの民事裁判で果たしたロレンツ証言の役割であろう。

きっかけは、右翼雑誌『スポットライト』が報じたケネディ暗殺事件に関する記事であった。ハントがケネディ暗殺事件にかかわっていたと報じたのだ。これが闇の勢力によるトカゲの尻尾きり作戦の一貫であったのか、あるいは独自取材による本当のスクープであったのかはわからない。

怒ったのは、ケネディ暗殺犯呼ばわりされたハントであった。ハントは早速、発行責任者である右翼団体「リバティ・ロビー」を相手取り、名誉毀損の民事裁判を起こした。ハントがケネディ暗殺事件に関与していたかどうかを審議する前代未聞の裁判である。

メディアが注目する中、1985年2月6日に判決が下された。その判決は、意外であると同時に衝撃的であった。陪審員は被告のリバティ・ロビーの勝訴とし、ハントの訴えを退けたのだ。その際、陪審長のレスリー・アームストロングは被告側が提示した証拠により、CIAがケネディを殺し、ハントがその中心的役割を果たしたと確信したとの意見を述べている。そして、その決定的な証拠の一つが、ハントが反カストロ暗殺団とともにケネディ暗殺直前にダラスにいたとするロレンツ証言であったのだ。

その8年後の1993年、ロレンツはカストロからケネディに至るスパイ活動と愛の遍歴を描いた自叙伝『マリタ』を出版、話題となった。日本でも1997年に訳本『諜報員マリータ』が出版された。

しかし、ロレンツのその後のことはよくわからない。筆者も手を尽くして、ロレンツとコンタクトを取ろうとしたが、今どこで何をしているのか皆目わからない。1997年ごろまで、メリーランド州ボルチモアで、姉のヴァレリー・ロレンツが経営するギャンブル依存症患者の矯正施設で働いていたことが知られている。

その後ロレンツは、森の中の庭付きのコテージで暮すことを夢見て、ニューヨーク州北部か、ヴァーモント州に移り住んだとも聞く。



ロレンツが若いころからあこがれていた「平凡な暮らし」を、ようやく手に入れることができたのであろうか。
(了)





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最終更新日  2006.01.27 09:43:38
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長編シリーズおつかれさまでした。  
静かな森の中の一軒家で、花とたわむれる姿を想い浮かべたりして、その後のロレンツを楽しみたいと思います。 (2006.01.27 09:51:47)

Re:カストロが愛した女スパイ180(01/27)  
カズ姫1  さん
いやいや、素晴らしいお話し、長期にわたってありがとう御座いました。はじめは。う見の写真ばかり見ていたんですが途中から引き込まれ毎日楽しみにしていました。。本当に楽しませて頂きました。ありがとうございました。次は何が始まるんでしょうね。 (2006.01.27 10:01:29)

Re:カストロが愛した女スパイ180(01/27)  
ほわいと さん
白山菊理姫さん、こんにちは。

「了」となりましたね。大変、大変、ありがとうございました。お疲れになられたことと存じます。毎日本当に楽しみでした。通常、知り得ないことも沢山勉強させて頂きました。ロレンツの人生をこれからも折々思い出し、教訓とし、私もしっかり生きていこうとおもいます。穏やかな日々を過ごしているロレンツでありますように! (2006.01.27 10:43:40)

Re:長編シリーズおつかれさまでした。(01/27)  
白山菊理姫  さん
ヤンチャリカ9971さん
こんにちは。

>静かな森の中の一軒家で、花とたわむれる姿を想い浮かべたりして、その後のロレンツを楽しみたいと思います。

バーモントやニューヨーク州北部は紅葉がきれいな森が広がっていますね。ロレンツがいつか再びメディアに登場することもあるのでしょうか。どのような後半生であったかも知りたいところですね。 (2006.01.27 11:29:25)

Re[1]:カストロが愛した女スパイ180(01/27)  
白山菊理姫  さん
カズ姫1さん
こんにちは。

>いやいや、素晴らしいお話し、長期にわたってありがとう御座いました。はじめは。海の写真ばかり見ていたんですが途中から引き込まれ毎日楽しみにしていました。。本当に楽しませて頂きました。ありがとうございました。次は何が始まるんでしょうね。

長い間、ご愛読ありがとうございました。とうとう終わってしまいましたね。明日からはしばらく、物語ではなく、ケネディ暗殺事件とロレンツ証言についての考察、つまりあとがきのようなものが始まります。その後は新聞記者の日常を紹介しようかなとも思っています。 (2006.01.27 11:33:31)

Re[1]:カストロが愛した女スパイ180(01/27)  
白山菊理姫  さん
ほわいとさん
こんにちは。

>「了」となりましたね。大変、大変、ありがとうございました。お疲れになられたことと存じます。毎日本当に楽しみでした。

ありがとうございます。ちっとも疲れませんでしたよ。こちらも次がどうなるかと、わくわくしながら書いていました。

>通常、知り得ないことも沢山勉強させて頂きました。ロレンツの人生をこれからも折々思い出し、教訓とし、私もしっかり生きていこうとおもいます。穏やかな日々を過ごしているロレンツでありますように!

このように凄い体験をした女性がいたとは驚きですね。普通の人の10倍ぐらい濃い人生であったのではないかと思います。本当に、穏やかな日々を送っているといいですね。 (2006.01.27 11:39:25)

Re:カストロが愛した女スパイ180(01/27)  
貴重でスリリングな長編どうもありがとうございました。
ロレンツさん、望みどおり森の中のコッテージで穏やかな日々を過ごしていられるといいですね。想像を絶する半生を過ごし、大変な危険を乗り越えたのですもの。 (2006.01.27 14:30:22)

Re[1]:カストロが愛した女スパイ180(01/27)  
白山菊理姫  さん
ヘリオトロープの小部屋さん
こんばんは。

>貴重でスリリングな長編どうもありがとうございました。

いいえ、こちらこそ。長期間にわたり、ご愛読ありがとうございました。

>ロレンツさん、望みどおり森の中のコッテージで穏やかな日々を過ごしていられるといいですね。想像を絶する半生を過ごし、大変な危険を乗り越えたのですもの。

もう一度、行方を捜してみますが、ロレンツは今、どのような暮らしをしているのでしょうね。興味の尽きない人物です。娘や息子たちの消息も知りたいですね。 (2006.01.27 21:41:46)

Re:カストロが愛した女スパイ180(01/27)  
こんばんは
「今度こそ最終回たぶん」に声をあげて笑ってしまいました

白山さんが頭の中にあたためていたこのレポートを
アウトプットしていらっしゃる間に、わくわくしたり考えさせられたり、ロレンツの感情を想像して傷ついてみたり
様々な影響を戴き楽しかったです
本当にありがとうございました


一つのテーマを書ききった後というのはどのようなお気持ちなのでしょうか??
(2006.01.27 22:31:45)

Re[1]:カストロが愛した女スパイ180(01/27)  
白山菊理姫  さん
かめちゃん☆さん
こんばんは。

>「今度こそ最終回たぶん」に声をあげて笑ってしまいました

そのときの気分で、長くなったり短くなったり、足したり削ったりするので「たぶん」と書きました。明日も関連の話が続きます。でも物語の部分は今日で本当におしまいです。

>白山さんが頭の中にあたためていたこのレポートを
>アウトプットしていらっしゃる間に、わくわくしたり考えさせられたり、ロレンツの感情を想像して傷ついてみたり
>様々な影響を戴き楽しかったです
>本当にありがとうございました

こちらこそ、長期間(170回)にわたるご愛読ありがとうございました。

>一つのテーマを書ききった後というのはどのようなお気持ちなのでしょうか??

肩の荷が下りた、でしょうか。次は何を書こうかな、でもあります。 (2006.01.27 22:58:04)

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