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2020年02月14日

海自音楽隊だって大変なんだよ〜!!

『音楽隊だって大変なんだぞ〜〜!!』
(2017年投稿記事です。)
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海上自衛隊遠洋練習航海には、練習艦隊音楽隊も同乗します。

常設の編成ではなく、海自の各音楽隊から選抜された20名で編成されます。

しかし国内及び海外で演奏などするため、大変な苦労と面白話が存在します。

今日は、そんな練習艦隊音楽隊についてご紹介!
(前回記事):『 韓国新政権との日韓関係の停滞・紛争の可能性は!
\こちらもご参考に!/
(1)精鋭20名の『練習艦司令部隊音楽隊!!

海上自衛隊の練習艦隊には、遠洋練習航海のときに練習艦隊司令部音楽隊が臨時編成されます。

海上自衛隊にある、6つの音楽隊から選抜された18名と音楽隊士・音楽隊長の20名です。

任務として、
『主な仕事として、遠洋練習航海に参加している隊員の士気高揚のための演奏、航海中に洋上で執り行われる慰霊祭や諸行事での演奏、各寄港地での出入港演奏や各国要人への儀礼演奏、各国軍楽隊との親善交流や各国々の方に海上自衛隊が毎年実施している遠洋練習航海の意義を理解していただくため、演奏会や施設慰問演奏などを実施します。』

引用:大湊音楽隊コラムより
http://www.mod.go.jp/msdf/oominato/butai/daion/column/col8.html

いろいろなところでの演奏が任務としてあり、かなり忙しい部隊になります。

練習艦かしまに乗艦して、遠洋練習航海に臨みます。

航海中でも、次の寄港地での演奏曲の練習などで忙しくしています。

図1 洋上給油中の演奏
kizi7-7 1.jpg
引用URL:http://wedge.ismedia.jp/mwimgs/e/9/320m/img_e964c225858738e712553797f4448cae113486.jpg

その他にも、たまに実習幹部の訓練に動員されて防火部署に参加するなど・・

図2 防火部署中・・・
kizi7-7 2.jpg
引用URL:http://msdfmso.info/wp-content/uploads/2016/09/28912msdf4.jpg

ホントに、いろんなことがいっぱいあって大変なのが練習艦隊司令部音楽隊です!
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(2)練習艦隊音楽隊の苦労話!

練習艦隊の音楽隊では、いろいろなハプニングや面白話が発生します。

2.1 楽譜が無い〜〜〜〜!!!

音楽隊は、日本出国前には必要な楽曲の楽譜を準備していきます。

しかしあるとき、楽譜が無い!という事態が発生しました。

音楽隊は、訪問国に合わせていろんな音楽を演奏するため事前に入手します。

しかし、ある楽曲の楽譜が日本国内に無いことが判明しました。

しかも、現地ではかなり親しまれている楽曲なので何としても演奏したいと頑張りました。

八方手を尽くしものの、結局日本出国まで入手出来ない事態に!

結局、外務省に泣き付いて現地領事館から練習艦隊に衛星FAXにて送信してもらうことに・・・

なんとか間に合い、無事演奏完了となりました。

2.2 『ワン○—ス』を演奏!→怒られる(涙)!

演奏会などでは、子供たちのためにアニメ曲なども演奏します。

ここで気を利かせた音楽隊長が、
『ワン○—スの曲を演奏して、楽しんでもらおう!』
と発案しました。

演奏会は好評のうちに終了しました。

しかし、練習艦隊司令官から音楽隊長に、
『バカも〜ん!海賊対処中に海賊が主役の曲を演奏するとは(怒)!!』
思いっきり大目玉を食らったことがありました。
(海賊対処派遣行動が始まったばかりでしたからね〜)

いろんなことが、練習艦隊司令部音楽隊では発生してました。
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(3)音楽隊も国際交流の担い手だ!

いろいろと、苦労が絶えない音楽隊ですが、寄港地では主役と言ってもいいでしょう!

音楽による交流などで、練習艦隊の顔として登場します。

現地での演奏では、大きな歓声を浴びる存在です。

ドイツキール港での演奏


そんな、練習艦隊司令部音楽隊の活躍を祈って!がんばれー!!
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2020年02月13日

空母より強襲揚陸艦が欲しいのが海自の本音!

『空母より大型揚陸艦がマジで必要なんじゃ〜!』
(2017年投稿記事です。)
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2017年になり海上自衛隊のDDH4隻の更新が完了いたしました。

空母だ!空母導入だ!なんて浮かれている声もありますが、それどころではありません。

本当に必要とされている、陸自水陸機動団への輸送力提供が出来ていないのが現状です。

今回は、空母より本当に必要な強襲揚陸艦についてお話します。
(前回記事):『 防衛省情報公開制度は内部では大変なんだよ〜
\こちらもご参考に!PR/
(1)足りねー!全然輸送・補給能力が足りねーよ!!

現職の時、幕僚になるための教育を受ける時期がきます。

その中で、教育を受けてある課題を提示され、思わず叫んだのがタイトルの言葉です。

自衛隊の統合運用が当たり前の時代になってきたため、陸自や空自との統合作戦を学びます。

その中で、陸自から来た教官による統合作戦の教務である課題が出ました。

『西部方面普通科連隊(WaiR)の戦闘団を所定の島に揚陸せよ。
 作戦期間は2週間、期間中の必要補給物資も輸送・補給させること』


こんな課題が出ました。

そのための必要な輸送艦の手配、補給物資の確保・輸送といった計画を立てていきます。

計画を立てれば立てるほど、
・輸送艦の数が足りね〜!(おおすみ型輸送艦だけでは運べない)
・車両数が多すぎて、全部載せられない!
・陸自用の燃料・弾薬・食糧ってこんなに大量なのかよ〜!
・ましゅう型輸送艦一隻を使っても足りないじゃないか!

こんな感じで悲鳴続出する状態になりました。

図1 輸送艦おおすみと補給艦ましゅう
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kizi7-3 2.jpg

一隻一隻ごとだと、とても大きな艦ではあります。しかし計画を立ててみるとその能力に愕然としました。

現状では、まったく陸自の作戦支援要求に対応出来ない現状がありました。

陸自の作戦に必要な燃料弾薬食糧の必要量が、海自にとっては膨大でした。

ただでさえ少ない補給艦を、陸自作戦部隊に同行させるとさらに他で補給が滞るのです。

『ここまで来ると、ワプス級強襲揚陸艦が必要になってくるぞ』

そんなことが、幕僚教育を受けていた仲間での共通認識になってました。
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(2)強襲揚陸艦は空母じゃなくて揚陸・補給拠点艦だ!

強襲揚陸艦は空母と同じだ!と誤解されることが多くあります。

実際に米海軍の強襲揚陸艦は、AV−8Bハリアー?Uが運用できるため、そう思われてしまいます。

図2 米海軍強襲揚陸艦ワプス級
kizi7-3 3.jpg
引用URL:wiki
しかし、米海軍の場合は、海兵隊遠征隊(MEU)の支援という目的があります。

そのため、独自に航空支援が必要となるため艦載機が乗っています。

海上自衛隊が強襲揚陸艦を導入する場合は、水陸機動団を輸送揚陸させるという目的になります。

図3 海上自衛隊の新型輸送艦構想
kizi7-3 4 .jpg
引用URL:http://livedoor.blogimg.jp/corez18c24-mili777/imgs/d/6/d641c369.jpg
むしろ、揚陸・補給拠点艦としての能力を求められます。

併せて、揚陸部隊に対して十分な作戦補給物資を提供する役目を持たせる必要が出てきます。

そのために4万トンクラスの艦が必要になってきます。

空母よりも強襲揚陸艦が、現実的に海上自衛隊必要なものなのです。
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(3)必要なノウハウの習得は発展途上・・・

陸海空自衛隊にとって、部隊を揚陸させて作戦を展開する両用戦のノウハウ習得は、まだ発展途上にあります。

今まで統合運用が行われてきていなかったためです。

米国でも両用戦習得には、かなりの時間とノウハウが必要とされました。

全く別次元での運用能力が必要になってきているのが現状です。

真の意味での、統合運用となるための試金石とも言えます。

そのため、 空母みたいだ!など話よりも大事なことでもあります。

空母を持つより、強襲揚陸艦の方が現実的ですよ!
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海自遠洋練習航海は訪問国に入港する時は礼砲を撃つよ〜!

『訪問国での礼砲交換も結構大変だよ〜!』
(2017年投稿期です。)
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海上自衛隊の遠洋練習航海にて、訪問国に入港するとき礼砲を発射します。

これは、国際儀礼にて慣習的に敵意はありませんということを表します。

しかし、実際やっているときは、双方とも結構大変です。

今日はそんな礼砲について、あまり知られていないこともご紹介!
(前回記事):『 海上自衛隊潜水艦の話は秘密がいっぱい?!
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(1)国際儀礼としての礼砲交換

海上自衛隊の練習艦隊が、外国の港に入港する時は礼砲を発射します。

礼砲なのでむろん実弾ではありません。

発祥は、いくつかの説があります。

大航海時代の軍艦は、先ごめ式の大砲であったため、連射すると砲身が熱を持ち使用不能になります。

これを持って、敵意はありませんよということを相手国に示す国際儀礼です。

現在では、英国海軍が17世紀に定めた礼砲発射回数の規定がそのまま国際儀礼となっています。

慣習を大事にする海軍であるため、大英帝国海軍のやり方が踏襲されます。
最大で、国旗・元首に対して21発するのが礼式となります。

この間、甲板上に乗員が登舷礼として甲板上に整列しています。

図1 礼砲発射と登舷礼(「かしま」にて)
kizi7-1 1.jpg
引用URL:https://pbs.twimg.com/media/CORQ39IU8AEGWi7.jpg

練習艦「かしま」には、2門の40mm礼砲が装備されています。

2〜3隻の船が入港する場合でも、礼砲を発射するのは旗艦1隻のみです。

入港する船が先に礼砲を発射してから、受け入れ国が返礼の礼砲を発射します。

5秒間隔で発射が行われ、相手国の礼砲が終わるまで登舷礼を行います。

ちなみに、登舷礼のときに礼砲の音は非常に大音響で響きます。

そのため、登舷礼中の実習幹部は耳栓をしています。
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(2)何発撃つ気なんじゃぁ〜!!

通常、入港時は21発及び返礼の21発で終わるのが普通です。

動画:ブラジル入港時の礼砲発射

本来は、入港後の歓迎行事などの時間が決まっているため21発で終了します。

2.1 礼砲撃ちまくり!?

私が、遠洋練習航海の時に、珍しいことがありました。

入港する相手国が、独立以来初めて日本の練習艦隊を迎えるので張り切っていたそうです。

そのため、国際儀礼に基づき、規定の礼砲を全て撃ちたい!との要望がありました。

頑張って発射した結果、
・国旗に対して「21発」
・元首の大統領が入港歓迎行事に出席するため「21発」
・その国に駐在する日本大使も参列するため「17発」
・海軍司令官(中将)が参列するため「15発」
・練習艦隊司令官(将補:少将)に対して「13発」


計87発もの礼砲を発射することになりました。

実際に経験したものとして、かなり厳しかったですね。

礼砲は大音響と煙が凄いし、登舷礼の時間は長い〜!

礼砲が21発でたいてい終了する理由が良〜くわかりました。
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(3)OTOメララで発射しよう!出来ないんじゃバカモン!!

そんな感じで礼砲を体験していた実習幹部からこんな疑問が・・・
『OTOメララ76mm砲で撃てばいいんじゃね?』
それに対してかしま砲術長から、
『出来ないんじゃボケえ!出来たら苦労しとらんわ!!』

以前の艦砲の主力であった「54口径5インチ砲(MK42)」での礼砲は存在しました。

動画:5インチ砲での礼砲射撃


この場合は、有人砲であり専用の装薬包(礼砲用空砲)があるため実施可能とのこと。

図2 5インチ砲礼砲用装薬包
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引用URL:http://999p.sakura.ne.jp/999p_blog/wp-content/uploads/2014/07/CIMG24981.jpg

現在は、無人砲が普通のため、急なトラブル対処に対応出来ないという問題があります。

さらにOTOメララ76mm砲の砲は、空砲発射を考慮していない設計です。

そのため、空砲の薬きょうを入れると、異常と判断して自動停止する機構になっています。
(導入当時に(当時の)装備実験隊で実験をやったことがあるそうです)

最近の62口径5インチ砲(MK45)も同様に、空砲は撃てません。

専用の礼砲で射撃した方が安上がりとのこと。

こんな感じで、いろいろ礼砲に関してもいろんな逸話が残ってます。

礼砲射撃は、国際儀礼で重要とされ、失敗したら大変な恥さらしとなるため、各国もいろいろ周到に準備します。

とある国は礼砲発射の大砲が故障した場合、手榴弾で対処するそうです。

そんな話を聞くと、国際儀礼(プロトコル)の重要性が良くわかります。

遠洋練習航海は、いろいろと学ぶことも多いですよ〜!
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2020年02月12日

海上自衛隊潜水艦の話は秘密がいっぱい?!

『潜水艦は秘密・機密の塊だらけだよ!』
(2017年投稿記事です。)
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海上自衛隊に関連して、関心が高いけど情報が出ないのが潜水艦です。

潜水艦に関しては、秘密・機密がいっぱいで、話せることが少ないです。

そんな中でも、これは話して大丈夫というレベルを探してみました。

そんな、秘密のヴェールに包まれた潜水艦について!
(前回記事):『 確実に実戦レベルに発展した北朝鮮新型ミサイルの脅威!
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(1)日本の潜水艦は2社でしか建造できない!
まあまあ知られていることですが、意外と知られていないことです。

日本の潜水艦は、三菱重工と川崎重工の2社でしか建造できません。

建造所はいずれも神戸で本当にすぐ近くに2社の建造所が存在して、歩いていける距離にあります。

現状では、三菱重工・川崎重工2社しか建造できません。

2社とも、戦前から多くの潜水艦を建造しており、建造技術の継承が行なわれています。

潜水艦の建造は、高張力鋼の溶接など本当に高度な技術力が必要になるため、そう簡単に他の会社が建造できるものではないというのが事実です。

また、ほとんど知られていないこととして、
「海上自衛官でも、特別な許可が無いと、建造現場には入れない」
ということが挙げられます。

ほとんど知られていないことですが、建造現場への立ち入りは厳しい制限があります。

そのため関係者以外は幹部自衛官でも、事前に特別な許可が必要です。

これが無いと、同じ海上自衛官でも建造現場に立入が許可されません。
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それほど、秘密・機密の塊ということを御理解していただければ幸いです。
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(2)進水式にも違いがある!

潜水艦であまり知られていないことですが、進水式の違いがあります!

三菱重工建造「じんりゅう」命名進水式


三菱での命名進水式ですが、実はあんまり進水してません。

これは、建造方法の関係もあって、完全に水に浮かべることは現時点ではありません。

さらにぎ装が進んだあとに、実際に水に浮かべます。

川崎重工建造「こくりゅう」命名進水式


川崎重工での命名進水式は、よく見られる船台から一気にスベリ降ります!

派手ですが実は結構、危険と隣り合わせになっています。

そのため船体の前部に箱型の「浮き」を付けて、安全に水上に浮くための補助がされています。

図1 潜水艦の進水式
kizi6-10 1.jpeg
引用URL:http://image.space.rakuten.co.jp/lg01/21/0000355021/15/img45b3d63ezik0zj.jpeg

意外と進水式にも違いがあることは知られていません。

これも潜水艦豆知識としてお話できることです。
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(3)潜水艦を語るときはPMMだ!!

ここで、潜水艦を知ってるよ!という知識を得るのににおススメしたい物があります。

PMM(永久磁石同期電動機)と呼ばれる、そうりゅう型から導入された電動機(モーター)のことです。

図2 そうりゅう型潜水艦の概要
kizi6-10 2.jpg
引用URL:https://rr.img.naver.jp/mig?src=http%3A%2F%2Fimgcc.naver.jp%2Fkaze%2Fmission%2FUSER%2F20150830%2F77%2F7327157%2F144%2F508x320x2ddb75aa37c9b34b9c4f03a5.jpg%2F300%2F600&twidth=300&theight=600&qlt=80&res_format=jpg&op=r
プロペラを回転させる電動機(モーター)は、潜水艦では直流電流で作動させる方式でした。

これがそうりゅう型潜水艦になると、PMMに変更になっています。

世界でも、潜水艦用PMMというのは大変珍しい装備です。

このPMMの導入により、電動機の大きさが小さくなり設計の自由度が増しました。

しかしながら、あまり語られていないのが現状です。

そのため、潜水艦を語る時、このPMMの話は結構良いネタになります。

ただ、詳しく突っ込まれると電動機の原理から説明しなければいけません。

それでも、話の種にはぴったりの代物です!

潜水艦は、秘密の塊ですが、中身を知ると結構面白いですよ〜!
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海上自衛隊装備品の銃に関するあれこれ雑記

『個人装備の銃に関するあまり外に出ない話を・・・』
(2017年投稿記事です。)
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海上自衛隊では護衛艦等の大型装備の他にも、個人装備として銃もいろいろあります。

現職当時にその関係に一部関与することがあり、いろいろなことがありました。

こちらの方が良いのだけれど、いろんなしがらみでもどかしい思いをしました。

今回は、そんな銃に関する調達や研究の裏話などを紹介!
(前回記事):『 海上自衛隊でパナマ運河に一晩閉じ込められるハプニング!!
\こちらもご参考に!/

(1)新型散弾銃はあれで良かったのか?(ベネリM3T)

海上自衛隊の銃に関する話で、特に現職時代に疑問を覚えたのは新型散弾銃でした。

護衛艦等に装備されている散弾銃が旧式化したため、新型散弾銃の導入が計画されました。

候補として、海幕より提示されたのがベネリM3です。
図1 ベネリM3
kizi6-8 1.JPG
引用URL:https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/2/21/Benelli_m3.JPG

ただ、いろいろ試験や研究をしてみると使いづらい点がいくつも出てくる状況でした。

ベネリM3は狩猟用として国内にも流通しているため、調達が容易ではあります。

現場の部隊からは、ベネリM4(M1014)が要望として出ていました。

当時すでに米海兵隊に大量に調達が始まっておりました

M1014では短縮ストック型であり、艦艇でも使いやすいところがあります。 (M1014は米軍での制式名)

図2 ベネリM4(M1014)
kizi6-8 2.jpg
引用URL:http://mgdb.himitsukichi.com/pukiwiki/?plugin=ref&page=%A5%D9%A5%CD%A5%EA%20M4&src=bm4.jpg

FMS(対外軍事有償援助)によって米国から調達する手法も可能でした。

しかし、決定したのはベネリM3Tになりました。

当時、装備品の調達方法をめぐりいろいろなゴタゴタの影響を受けたところもあります。

いまいち、スッキリしない状況でした。
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(2)自動小銃でのあれやこれや・・・

立入検査隊(MIT)等の整備に伴い、護衛艦搭載の自動小銃についても検討が行われました。

特にインド洋派遣にて、従来から搭載していた64式自動小銃の不便さが現場部隊から上申されています。

そのため、配備する自動小銃についての検討・調達で結構いろんなことがありました。

2.1 米軍NAVSEAよりナイツ社製SR25の提案があった

検討の過程にてNAVSEA(米海軍海洋システムコマンド)から、ナイツ社製SR25の非公式提案がありました。
(NAVSEAの一部が米海軍横須賀基地にある)

図3 ナイツSR25
kizi6-8 3.jpg
引用URL:http://www.f5.dion.ne.jp/~mirage/hypams04/sr25.jpg

当時は米軍でトライアルが行われ、海軍用にMk11として導入する予定があるとのこと。

導入数を増やしたい為に、これはどうですか?という提案が出ました。

検討はされたものの、狙撃用なのであまり自動小銃としては・・・

ということで、あえなくSR25の提案は没になりました。

2.2 海上保安庁のアドバイスから89式自動小銃(折曲銃床)に決定

検討のさなか、海上保安庁側では89式自動小銃(折曲銃床)を使用しているとの情報を得ました。

そのため海保側にアドバイスを求めたところ、十分使用に耐えうるとの返答がありました。

海上保安庁の警備実施等強化巡視船(特別警備隊)では、標準装備化しているとのこと。

図4 海上保安庁特別警備隊の射撃状況
kizi6-8 4.jpeg
引用URL:http://hanataing.up.n.seesaa.net/hanataing/image/image_1-ac90a.jpeg?d=a1
仲が悪いなんて言われている海自と海保ですが結構現場同士では意志疎通ができてます。

その結果最近の海賊対処部隊に配備される護衛艦は、89式自動小銃になってきてます。

(海保との会議ではあくまで海保特別警備隊での使用状況で、SST(特殊警備隊)での使用状況に関しては一切説明されませんでした。)
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(3)海上自衛隊も個人装備の銃について研究する時代になった

検討や装備調達の仕様書(案)作成などを行っているときに、担当科長から・・・
『海自で銃の検討をするようになるとは隔世の感があるなあ・・・』
と呟いていました。

昔の海自では、あまり個人用の銃について真剣に検討されてこなかった所があります。

これも時代の変化なのだなと思ったのが印象に残っています。
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海上自衛隊国内巡航(その2)から遠洋練習航海出発へ!

『実習幹部ペンギン、航海に旅立つ!』
(2016年投稿記事です。)
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海上自衛隊幹部候補生学校を卒業したペンギンはそのまま国内巡航(その2)に出発!

当時は、そんな名称で呼ばれていました。(現在は、卒業後から国内巡航に行く)

実習幹部となったけど、相変わらずキツイ!日々が待ち受けていました。

そのまま、遠洋練習航海になだれ込む航海日程!
(前回記事):『 海上自衛隊多用途支援艦の魅力を知ってくれ〜!
\こちらもご参考に!PR/

(1)実習幹部になっても相変わらずきついよ!

3月下旬に幹部候補生学校を卒業すると、実習幹部となり練習艦隊所属となります。

実習幹部はあくまで実習なので、「○○○乗組」ではありません。

航海手当は付くけど、乗組手当はまだ付きません。
(当時の実習幹部は乗組手当の対象外でしたが、最近は乗員手当が付くとのこと!)

ここでの日々は、幹部候補生学校と変わらずキツイ日々です。

ある意味、船に乗っている分もっとキツイ状況です。

寄港地での上陸、イベントだけが心の救いです。

そりゃもう、これでもかってくらいしごかれます。

乗員海曹士からも厳しくしごかれます。
図1 CPOの熱い教育
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引用URL:http://msdfmso.info/wp-content/uploads/2016/06/28621msdf03.jpg
CPO(先任警衛海曹)は、実習幹部には容赦なく指導を飛ばします。
『艦艇勤務になったとき、ワシら曹士は幹部の命令に従う。だからこそだ。練習艦隊にいる内に、乗員の命を預けられる幹部のレベルに絶対になってもらう』
そういう熱い情熱で指導が飛んできます。

実習幹部のころは、余裕がありませんでしたが、その後の勤務の目標になりました。
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(2)やってしまった最大の失敗!

この「内地巡航(その2)」で、私ペンギン実習幹部は訓練中に最大の失敗をしました。

事故にはならなかったものの、一歩間違えれば大変なことになっていました。

対潜戦(ASW)の訓練中、私は「航海指揮官」の配置にいました。
(指導役と安全のため航海長がすぐそばにいます)

対潜戦など、いくつかの動きではCIC操艦として、哨戒長からの指示で操艦します。

CICの哨戒長から、「次は取舵一杯で○○○度まで変針する」と予令がありました。

艦長・航海長など艦橋内に、 「次は取舵一杯で○○○度まで変針します!」 と報告。

艦長・航海長など艦橋内に次の動きを知らせ、了解を得ます。

「取舵一杯!」とCIC変針指示が通信系から流れました!(艦橋内にも通信系で流れます)

その時、私は完全に艦の位置を勘違いしてしまい、
『面舵一杯!』(逆方向)
と号令を出してしまいました!
(艦長)
『戻せ〜!!!!』
(航海長)(操舵員長)
『馬鹿野郎!!もど〜せ〜!!!』『逆ですよ!戻しますよ!』
(哨戒長)
『取舵だ!取舵〜!!』

パニックになってしまったペンギンに代わって、艦長操艦で針路を修正されました。

面舵方向には、他の艦がいたため、危うく針路交錯となるところでした。

交錯されそうになった艦長からは怒りの無線交信が飛んできました。

この時ばかりは、激しい叱責を艦長・哨戒長・航海長などから受けました。

完全に私のミスでした。

候補生学校や、国内巡航(その1)(その2)を通して、操艦に自信がありました。

その自信が慢心を呼び、完全に知らぬ間に天狗になっていたのかもしれません。

慢心を入れ替えて、その後の訓練に励むきっかけになりました。
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(3)晴海ふ頭から遠洋練習航海に出港だ!

国内巡航(その2)の最終寄港地は、東京晴海ふ頭晴海客船ターミナルです。(当時)

ここで出国前の最後の準備やレセプション・講話などがあります。

また、ここは別れの場所ともなり遠洋練習航海前に退職の意志をした同期が艦を降ります。

少なからず、遠洋練習航海の前に退職の道を選ぶものもいます。

彼らとは、ここで別れることになります。

苦楽を共にしてきたものと別れるのはつらいですが、よき別の道を!

昭和のころは、横須賀から出国していましたが、平成になってから東京晴海ふ頭から出国する形になりました。
『時代が変わったんだなあ〜』と船の幹部が感慨にふけっていました。
(最近は、横須賀基地の岸壁が整備され横須賀出発になっています。)

出国行事は『偉い方々』が多く来賓として来ていました。

来賓の祝辞が続いて、内心 「長え〜・・・」と思ってました。
(むろん顔には出さず・・・)

ようやく乗艦して、登舷礼にて出港していきます。

さあ、遠洋練習航海の出発だ!!
図2 晴海より遠洋練習航海に出港!!
kizi6-5 2.jpg
引用URL:https://wordleaf.c.yimg.jp/wordleaf/thepage/images/20140522-00000028-wordleaf/20140522-00000028-wordleaf-066ad79bc753b2b3e997526e3f0724aef.jpg

次は海外に出ての訓練です!
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海上自衛隊多用途支援艦の魅力を知ってくれ〜!

『護衛艦ばかりが海上自衛隊じゃない!』
(2016年投稿記事です。)
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海上自衛隊には、護衛艦・潜水艦などの主力艦艇ばかりに目が行きがちです!

何しろ大きくて格好良いですけどそれ以外にも船はある!

その中であまり知られてないけど、縁の下の力持ちである多用途支援艦はいいぞ!

今日はそんなあまり知られていない、ひうち型多用途支援艦の魅力について!
(前回記事):『 防衛省の華麗なるカレーの乱勃発の記録
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(1)ひうち型多用途支援艦ってどんな船?

まずは、ひうち型多用途支援艦がどんな船か見てみましょう!

図1 「ひうち」型多用途支援艦(1番艦「ひうち」)
図1 ひうち.jpg
引用URL:https://www.mod.go.jp/msdf/equipment/ships/ams/hiuchi/img/main_4301.jpg


・主要寸法:全長65.0m×幅12.0m×深さ5.8m×喫水3.5m
・エンジン:ディーゼル2基2軸 出力:5000PS
・速力:約15kt
・乗員:約40名
・主要装備:艦艇えい航装置一式
      自走式水上標的・管制装置一式
魚雷回収装置一式


2002年に最初の「ひうち」が就役してから、計5艦が建造されました。


訓練支援のために、自走式水上標的の管制や魚雷の回収を行ったりします。

艦艇をえい航するための装置も付いており、ましゅう型補給艦やひゅうが型護衛艦などの大型艦船もえい航可能となっています。

小さいながらパワフルでいろんな支援をしてくれる大事な艦艇です。

大型船のえい航ができるなど、航洋曳船(オーシャンタグボート)といっても良い船です。


設計に関しては商船型「サプライボート」が参考にされました。

図2 サプライボート
kizi6-4 2.jpg
引用URL:http://response.jp/imgs/img_v2/762560.jpg
(石油リグなどに大型荷物を運搬したり、えい航するタイプの船)

そのため、後部は広い甲板スペースがあっていろんな作業や荷物が搭載出来ます。

釣り上げた魚雷や、水上標的などを置いておけます。
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(2)多用途支援艦に乗艦して航海に出たが・・・!!

私も現職時代に1週間ほどこの「ひうち」型多用途支援艦に乗り組んで支援作業に参加しました。

当時としてはまだ新しい、新型の船でしたので結構楽しみに乗り組みました。

艦内は乗員室の他に支援作業用の乗員室もあり、結構居心地の良い空間です。

支援作業員用談話室にテレビなどがあり、長期航海に耐えられるようになっていました。

支援作業隊の責任者(幹部)なので、食事や打ち合わせ、事務などは士官室で行うことに。

艦橋の一層下に士官室があります。

艦長や船の幹部にあいさつして、さあ出港しました!
(艦長が候補生学校時代のベテラン教官だったので気楽にできました)

そして実感したのが・・・
『揺れるよ!めっちゃ揺れるよ!!』
『めっちゃ艦橋構造物がローリングしてるよ〜!!』
『うえええ、船酔いがあああ〜〜〜!!!』

船の構造上、喫水が浅い船の上に艦橋構造物が高くなっているため横揺れが凄いことに!

さらに重いレーダーがマストにあるためもっと揺れる結果に!

「あまくさ」入港シーン


出入港の時はいいのですが、外洋で波が荒れると大変な状況でした。

支援作業は、ベテランの運用の妙により無事に終了しました。

退艦するとき艦長にあいさつにいくと、艦長よりお話が。

『ペンギン〜、この船の特性がよくわかっただろ〜!』
『報告書にちゃんと書いとけよ!横揺れ対策の改良が必要だと!!』

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(3)そして珍しく早期改善が行われた珍しい船に

そんなわけで、1番艦「ひうち」艦長から提出された初年度に提出した、「自衛艦使用実績報告書」(凶器になりそうなくらい分厚い報告書だった)が切っ掛けとなって早期に改善策が取られました。

4番艦以降の艦艇に、減揺タンクが設置されることになりました。

図3 減揺タンクが付いた「げんかい」
図3 げんかい.jpg
引用URL:http://blogs.c.yimg.jp/res/blog-ea-f9/p_no_kimochi/folder/887165/06/34154806/img_0
(煙突と艦橋構造物の間にある、箱型の構造物が減揺タンク)

珍しく改善要望が早くに反映された事例になりました。

そのため、4番艦「げんかい」と5番艦「えんしゅう」の乗りごこちは改善されてます。

もし体験航海などで、多用途支援艦に乗る機会があれば体感してみてください。

かなりの違いがでています。

ただ、5隻しかいない珍しい船ですので、見かけたときはラッキーですよ!
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2020年02月10日

海自幹部候補生になったお話その7(卒業編)

『ようやく卒業・任官がけどすぐに出港だ〜!』
(2016年投稿記事です。)


6回にわたって、海上自衛隊幹部候補生学校時代の記事を書いてまいりました。

ようやく卒業の部分まで、到達することができました。

しかし卒業後も続く出港と航海!すぐに近海練習航海(その2)です!

今日はそんな卒業編について!
前回記事:『 自衛隊装甲車の乗り心地はすんごいぜええ!!
(前記事): 海自幹部候補生になったお話その6(巡航編)
(次記事): 国内巡航(その2)から遠洋練習航海出発へ!
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(1)ようやく卒業だ!けどいろんなことも一杯だ!!

3月に入り、近海練習航海(その1)が終了して、ようやく江田島に戻ってきました。

ようやく一息付けるかと思いきや、3月下旬までの卒業まですぐです!

最終総合試験やら身辺整理、卒業後の近海練習航海(その2)の準備・出国準備など一杯です。

何しろ卒業式の後そのまま近海練習航海(その2)に出発し、その足で遠洋練習航海(略称:遠航)に出港します。

そのため、1年間借りていた下宿も引き払います。

併せて、学生隊舎の大掃除や卒業式の予行練習(立付)も行います。

その間に、急遽始まる総短艇もこなします!
(2日で4回の総短艇はさすがに詰め込み過ぎじゃない?)

そして、卒業・任官後に着用する幹部自衛官の制服が支給されます。

私の所属していた分隊は、大学院卒がペンギン候補生のみでした。

そのため、私のみ2等海尉の制服が支給されます。
(大学院卒は、2等海尉に任官されるため)

図1 2等海尉の階級章
kizi5-10 1-1.gif
引用URL:http://www.mod.go.jp/msdf/formal/about/basic/class/img/lt_jg.gif
http://yamaneko-lynks.up.n.seesaa.net/yamaneko-lynks/image/00610231840.jpg?d=a1


みんなより、階級章の線が1本多くなります。

赤鬼・青鬼こと『幹事付A・B』と同じ階級となることに、責任の重さを感じました。
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(2)江田島の「正門」より旅立ちの日・・・

大講堂での卒業式・幹部任命をもって、江田島を卒業します。

陸空自では幹部候補生学校を卒業後、隊付き教育を経て任官します。

海上自衛隊では、A幹(防大・一般大卒)のみ、卒業と同時に幹部任官になります。
(B幹(部内・飛行課程)は卒業後の7月に3尉昇進)

卒業式を終え、来賓・家族と共に午餐会となります。

そして午後、近海練習航海(その2)に出発のため、卒業式恒例の行進が行われます。

図2 卒業後の目玉行事「行進」
kizi5-10 2.gif
引用URL:http://mebisu924.cocolog-nifty.com/photos/uncategorized/2013/03/20/img_6125.jpg
http://www.jpsn.org/images/topic/05_06.gif

この時候補生から実習幹部となって、表桟橋へ行進します。

ここで、2等海尉になった者が列の先頭集団にまとめられます。

分隊から離れて行進するため、ああ、本当に卒業したんだな・・・と感じました。

江田島に来て、初めて幹部候補生学校の「江田島の正門」を使います。


江田島では表桟橋が、正門とされています。

通常、よく目にする入口は営門です。

図3 江田島の「営門」
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引用URL:http://pds.exblog.jp/pds/1/201003/31/10/f0141310_237437.jpg

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(3)さあ!出港よ〜い!

いよいよ、練習艦隊の「かしま」を始めとした、遠洋練習航海部隊が出港します。

実習幹部は、出港にて登舷礼(船の片舷に整列する礼式)を行います。

結構この登舷礼も、均一にするには結構手間がかかります。

さらに動き出すとそれなりに揺れがあるので、苦労します。

出港は、卒業式のハイライト!

図4 「かしま」他出港する「練習航海部隊」
kizi5-10 4.jpg
引用URL:http://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0b/3e/2bb963e335b7d05206dea5c72e3b2fed.jpg


この出港時には、近海練習航海(その1)にはいなかった人たちも同乗して出港します。

それは、防衛省内局若手キャリアの方々です。

入省3年目ぐらいの内局若手キャリアも、部隊研修で近海練習航海に参加します。

図5 同乗する内局若手キャリア(画像を一部修正)
kizi5-10 5.jpg
引用URL:http://msdfmso.info/wp-content/uploads/2016/04/kinkai2kai3.jpg

長期の部隊研修が、キャリア組の3年目教育にあるそうです。

ここで、海自練習艦隊で研修!というのが一番キツイそうです。

船は揺れる、眠れない・昼夜を問わず訓練見学しなきゃならない、と愚痴をこぼしていました。

食事はかしまの練習艦隊司令部公室でするけど、船酔いで食べられない人が続出!

寝室は実習幹部寝室で、実習幹部と同室になります。

『海自が一番がキツイ仕事してるのが良くわかったわ〜』
若手キャリアがよく言ってました。

ただ、このキャリアとの交流でいろんなことも吸収できました。

最後に私のころは、卒業と同時に幹事付A・Bと離れることができました。

近年は教育幕僚A・Bとして、そのまま幹事付A・Bが同行するそうです・・・
oh・・・No・・・

いま苦労しているだろう実習幹部へ、頑張ってくださいとしかいえません・・・

ホント江田島は卒業しても地獄だぜえぇぇ!!!
幹部候補生学校編はこれで終わりです。
今までの記事もご覧になってみてください!
海自幹部候補生になったペンギンのお話その1(カナヅチ編)
海自幹部候補生になったペンギンのお話その2(総短艇編)
海自幹部候補生になったお話その3(下宿編)
海自幹部候補生になったお話その4(給料編)
海自幹部候補生になったお話その5(航海編)
海自幹部候補生になったお話その6(巡航編)
(次記事): 国内巡航(その2)から遠洋練習航海出発へ!
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海自幹部候補生になったお話その6(巡航編)

『国内巡航で本格的な航海の始まりだぜ!』
(2016年投稿記事です。)
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私が幹部候補生のころは、まだ幹部候補生学校在学中から国内巡航がありました。
(近年、卒業後に国内巡航が開始されるように教育体系が変わりました)

卒業が近づき、本格的な訓練の始まりです!

そんな国内巡航(その1)について書いてみます。
(前記事): 海自幹部候補生になったお話その5(航海編)
(次記事): 海自幹部候補生になったお話その7(卒業編)
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(1)1月中旬から国内巡航(その1)開始!

私ペンギンが候補生のころは、1月中旬から2月一杯まで「国内巡航(その1)」がありました。

練習艦や護衛艦に乗艦して本格的に実習訓練が開始されます。

近年は、陸上での教育期間を確保するため卒業後から国内巡航が開始されます。

国内巡航にて、実地での訓練を積んで遠洋練習航海に備えます。

やはり実習などで1日だけ乗艦しただけではわからないもので、厳しく鍛えられます。

陸上で訓練していても、やはり洋上に出るとうまくいかないことも多くあります。

そんな厳しい訓練を経て、遠洋練習航海への準備訓練となります。

特に冬の間に航海に出るため、非常に船酔いとの戦いにもなります。

しかし、船酔いなんかしている暇もないようなことも多くあります。
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(2)荒天航行でどっひゃ〜〜!!

冬の海といったら付きものなのが、大荒れの波です。

ホントにすぐ外の海に出れば大荒れになります。

その中で航行していきますが、本当に荒れているときは荒天航行部署が発動します。

候補生の訓練もできる状況にならないほどに海が荒れることもありました。

図1 荒天の海を往く
kizi5-8 1.jpg
引用URL:http://www.jpsn.org/images/captain/0826_enkou/13-03.jpg

艦首が波間に突っ込み、大波をかき分けるように進みます。

ピッチング(縦揺れ)が非常に強くなり、無重力で落下するような感覚に襲われます。

また、船のローリング(横揺れ)もひどくなってくると船酔いしている暇がありません!

本当に大荒れの海に出ると、船の動揺が激しくなります。

そんな中、ふと僚艦を見るとそこに信じられない物を見ることに!

図2 大荒れの海での船(参考:海保巡視船)
kizi5-8 2.jpg
引用URL:http://cdn.snsimg.carview.co.jp/minkara/photo/000/001/439/695/1439695/p7.jpg
『船の船底(赤い部分)が見える!!』


通常の航海では、船の船底部分(赤い塗装)が見えることはありません。

荒天航行においては、そんな船底部分が見えるくらいに船が跳ねまわります!

この時私が体験したのが、横傾斜45度というものでした。

『「しらせ」で南極に行くと60度ぐらいまで傾くぞ!』
乗員の方の檄が飛びました。

こんな体験をして、海の本当の怖さを体感することになります。
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(3)ハイラインで向こうの船に逝ってこ〜い!

『ハイライン』は、洋上補給や物資・人員の輸送作業のことを指します。

この国内巡航にて、初めてハイラインの実際を経験することになります。

ただ、候補生はまだ特に注意を要する洋上作業については見学が主体になります。

そして初めてのハイライン作業を体験し、『かしま』から僚艦に向けて候補生を移動させることになりました。

僚艦艦長から物資受領のサインをもらってくるという任務です。

(『かしま』艦長)
『よっしゃ、だれか候補生で行きたい奴はいるかぁ〜〜?』
(候補生たち)
『・・・・え゛ェゑ!!マジ?!』
(『かしま』艦長がこちらを見て)
『よし!おまいが逝ってこ〜い!』
(ペンギン候補生)
『うぎゃ〜〜〜!!』

運悪く?艦橋で艦長の近くにいた、私ペンギン候補生が捕まりました・・・

そのまま、書類を渡されあれよあれよと人員移送用のボースンチェアに載せられ・・・

図3 うぎゃ〜〜!落ちる〜〜!!
kizi5-8 3.jpg
引用URL:http://msdfmso.info/wp-content/uploads/2016/03/27bunai11kai02.jpg

初めてのハイラインをまさに、身を持って体験することになりました!!

揺れるハイライン!かかる波飛沫!!まさに洋上作業の凄さ!!!

なんとか、僚艦にたどり着き、艦長のサインをもらい、またボースンチェアで移動!

最後はへろへろになりながら、かしま艦長に任務終了の報告をしました

この体験は忘れられない体験となりました。

・・・誰だオイラを前に押し出したヤツは!!(怒)

こんな体験をしながら、国内巡航(その1)の訓練が過ぎて行きました。

その中で、結構艦艇勤務も面白いな!と思うようになりました。

特に船を運航する、操艦に手ごたえを感じて行きました。

そんな国内巡航(その1)の日々でした!
(次記事): 海自幹部候補生になったお話その7(卒業編)
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海自幹部候補生になったお話その5(航海編)

『航海に出るには後悔しないよう準備しよう!』
(2016年投稿記事です。)
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幹部候補生学校において、訓練が進むと実際の練習船にて訓練も行います
この練習船実習による航海が楽しく感じるか、苦痛になるか!?

これによって今後の進路が決まるといってもいいでしょう!

そんな練習船実習などの訓練についてお話します。
(前記事): 海自幹部候補生になったお話その4(給料編)
(次記事): 海自幹部候補生になったお話その6(巡航編)
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(1)準備訓練からすでに船酔いになるぜええ!!

練習船実習にて船の航海やその他、船の運航・操艦・見張りなど基礎的なことを学びます。

しかし、いきなり練習船に乗って実際の海に出るわけではありません。

事前訓練を、訓練装置や機動船(モータボート)で訓練します。

その他、航海計画の立案・測距訓練などいろんな訓練の集大成で練習船実習にいけます。

その中で、江田島から出港する前に最大の試練となる訓練があります!

そう、航海訓練装置(NAT)による訓練です!

航海訓練装置(NAT)は、第1術科学校に設置されている航海シミュレーターです。
図1 航海訓練装置の訓練風景
kizi5-5 1.jpg

引用URL:http://www.mod.go.jp/msdf/onemss/about/scene/img/nat.jpg

かなりリアルに作られています!船が行き交う!その中を安全に航海します!

候補生たちにとってはまずこのNATが試練として襲い掛かります!

ただでさえ、緊張でテンパっている状況です。なんとかこなしていくと、別の脅威が発生!

それは、
『船酔い!!』
陸上で、振動や揺れが無いのになぜか船酔いするんです!

訓練中、何人も船酔いで嘔吐するものが続出する恐怖の訓練です。

しまいにゃ、待機中で見学する候補生や、教務を見に来た分隊長(潜水艦乗り)まで!

ある意味地獄の訓練の一つです!
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(2)練習船実習にて初めての航海に出港!!

苦労して、いろんな訓練を経てようやく練習船実習になります!

航海計画を立てて、教官にいろんなダメだしを食らって修正して航海計画作成!

ようやく出港できます!

図2 ありし日の練習船「12号」「13号」
kizi5-5 2.jpg
引用URL:http://pds.exblog.jp/pds/1/201506/11/66/e0150566_20302884.jpg

練習船は第1術科学校に2隻あり、どちらに乗れるかはその時の運によります。

特に卒業生に思い出が深いのは、練習船12号でしょう。

CFRP製の船体で、非常に操舵がしやすい船でした。

そのため、練習船実習で練習船12号に乗れるとなったら喜びました!

別の船だとわかった時はテンションだだ下がりです。

そして航海に出発して、初めて自分で船を動かすという体験をします!
(練習船の乗員の方の多大なサポートを受けながらですが・・・)

この感動は、一言で表せないほどの感動です!!

しかし、感動は長く続きません。
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(3)ミッション「音戸の瀬戸」を通峡せよ!

航海に段々慣れて来ると、候補生にとっての練習船実習最大の試練があります。

それは、音戸の瀬戸通峡!!
図3 音戸の瀬戸(音戸大橋)
kizi5-5 3.JPG
引用URL:http://3.bp.blogspot.com/-iyUV88qdY9A/UvuPtb0XEWI/AAAAAAAAHEg/B5V36PVkxBg/s1600/IMGP9218.JPG
http://blog-imgs-64.fc2.com/h/o/y/hoyatabetai/201405032105205c3.png

通峡可能部分が幅60mほどの江田島の隣り倉橋島と呉市の間にある海峡です。

60mの幅があるといっても、船上からだと狭い!と感じます。

さらに潮の流れも速く、操艦に苦労する場所です!

しかしここを通峡出来るようにならなければ、海上自衛官としてやっていけません!

非常に苦労した末に、なんとかこの試練を乗り越えることができました!

3.1 そして、艦艇勤務志望者が 減少する・・・(笑)

どうにか、音戸の瀬戸通峡という、航海の最大の試練を乗り越えました。

練習船実習にて、実際の航海訓練を体験することによって、幹部自衛官として一歩前進です。

しかし、この音戸の瀬戸通峡のころになると、候補生に出てくるある現象が・・・

それは、一時的に艦艇勤務志望が減少してきます(笑)
「おれ、艦艇でやれる自信が無くなってきた・・・」
と言い出す候補生が出始めます。

たいていすぐに復活してくるのですが、自信喪失するものが出てきます。

逆に、ひゃっは〜〜!!船はやっぱり最高だぜええ!!となる奴もいます。

この航海が切っ掛けで自分の進路を見直す機会となることになります。

私ペンギンも、「艦艇いけるかなあ・・・?」となりました。

こんな、幹部候補生学校の航海を楽しんでいただけたでしょうか?
(次記事): 海自幹部候補生になったお話その6(巡航編)
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