価値の連鎖の活動ごとに配列を決められる
多国籍企業化が進み世界中に拠点ができると
今度は、どこの国にどの活動を配置するのか
ということに関心が向き始めます。
20世紀前半は、各国が自国の産業を守るために
輸入品に関税等を掛けていました。
例えば自動車です。
第一次世界大戦前、アメリカは45%の関税をかけていました。
イギリスは1915年委33.5%、フランスは1922年に45%の関税を課し、
それを1931年には、90%に引き上げています。
ここまで 関税障壁が高くなると、
自動車メーカーは世界各国の国内で自動車工場を持って
現地生産をしなくてはならなくなります。
これを ポーター 氏は マルチドメスティック産業と呼びました。
しかし、戦後になってグローバル化が進み、
関税障壁が低くなると、もっと 価値連鎖の活動ごとに
自由に配置を決める事ができるようになります。
例えば、アメリカの航空機メーカーは、
部品調達やサービスは各国に分散させますが、
規模の経済が効く製造はアメリカ国内に集中。
スタッフに高度の熟練が必要で商談の頻度が低い販売も、
必要な時だけ出張すればいいので集中です。
つまり活動によっては左右されず、
グローバルに集中させるほうが効率的なのです
これを グローバル産業といいます。