今回は10年前のネットブックのOSを最新のWindows10にアップグレードするところを書いてみようと思います。
まず、このネットブック(FRNU507)に搭載されているOSはWindows7Starterというエディションです。
あまり聞いたことのないこのエディションは何なのかについて調べてみました。
どうやらWindows7Starterというエディションはパッケージ販売されておらず、ネットブックという条件を満たしたハードに対して、プリインストールの状態で提供されるエディションのようです。
そして、ネットブック限定との事で、他のWindows7のエディションに対して、いくつかの制限事項が設けられているようです。
主な制限事項は以下の通りです。
・画面サイズは10.2インチまで(これはおそらく配布条件)
・メモリー1GBまで(現物は2Gに増設しても動いているので、これも同じく配布条件かと)
・ストレージは250GBのHDDもしくは64GBまでのSSD(これも同じく配布条件?)
と、ここまではStarterエディションがプリインストール対象にすることが出来る、いわゆる配布条件なので、インストールされた後、ハードウェアの改造などなどによって上記条件から外れてもOSは動作するものと思われます。
ここから下はWIndowsそのものの機能制限にかかわる項目となります
・デスクトップの壁紙変更不能(どおりで画面が殺風景だと思ったら・・・)
・AeroGlass使用不可(Aero:平たく言うとスタートメニューが半透明で背景が透けて見える機能)
・マルチディスプレイ使用不可:ディスプレイポート付いていますが、Starter上では画面複製しか使えませんでした。(プレゼン用特化?)作業効率の上がる拡張ディスプレイモードは使えませんでした。
という風に、Starterというエディションはスペックの低いPCに特化した機能制限型Windows7のようですが、上記に示した以外の機能制限はないので、エディションがこれだからといって、特定のアプリケーションが使えないという事は無いようです(とはいえ、ハード的に処理が重くて動かないというのは多々ありそうですが・・・)
で、このWindows7StarterはWindows10アップグレード対象かどうかが気になる所です。
これについても調べてみたところ、無償アップグレード対象との事でした(良かった・・・)
※ちなみに2020年4月時点でもWindows7→10は無償アップグレード出来ました。
早速Windows10のサイトにアクセスし、USBメモリーを使ってインストールメディアを作成します。
そして、USBから起動してインストールプログラムを走らせたところ、プロダクトキーを求められました。
そうういえばプロダクトキーって、本体の底にシールで貼ってたよね。
と思い、本体を裏返すと・・・
シールが摩耗してプロダクトキーが見えませんでした・・・
これはまずいです。
プロダクトキーはフリーソフトやコマンドで調べる事ができるようです。
早速フリーソフトでプロダクトキーを調べてみました。
使用したソフトは WindowsProductKeyViewer というやつでした。
↓プロダクトキーを調べているところ、エディション名がおかしいですが・・・
そして再度USBからインストールプログラムを起動してこのプロダクトキーを入力したところ、”無効”というエラーが出てしまいました。
このままインストール続行(キーなし)も可能ですが、Windows10のラインセンス認証が出来ず、OSアップデートの一部が受けられなくなったり、テーマや壁紙の変更ができなくなったりと、若干の不具合が発生するようです。
ちなみに今回インストールしようとしているPCについてはWindows7時代はきっちりとライセンス認証されていたので、再度お金を払って再認証なんてことはあほらしくてやってられません。
そして、アップグレードモードでWindows10をインストールするには、ライセンス認証された前OS上からインストーラーを起動しなくてはいけないようでした。
ただ、このPCは前オーナーが仕事で使用されていた関係で、外部のリムーバブルメディアのアクセスにロックが掛かっており、USBメモリーを差した状態でOS起動上からのアップデートができませんでした。
結果的に、一度未認証の状態でクリーンインストールしアクセス制限を外した状態で内蔵HDDにパーティションを切ってインストールメディア領域を設けてUSBからインストーラーをコピーすることにしました。
そして7に戻って内蔵HDDのドライブからインストーラーを起動し、Windows10にアップグレードすることにしました。
この作業をするには、一度10を入れてから7に戻す必要があるので、一旦初期状態でディスクのパーティションデータを丸ごとバックアップすることにしました。
バックアップには MacriumReflect というフリーソフトを使いました。このソフトはかなり優秀で、知人のパソコンをSSD換装するときにHDDのイメージ化に多用していました。
250GBのHDDを丸ごとバックアップするのは時間がかかるので、 EaseusPatitionMaster というフリーソフトを使用し、パーティションのサイズをある程度縮小してからバックアップを行いました。
↓パーティションサイズを変更しているところ。
ちなみにWindows7のディスク管理ユーティリティはバグがあり、パーティションのサイズ変更機能が正しく動作しない場合があるので、そういう作業をする場合、このPatitionMasterは必須だと思います。
結果、バックアップには2時間ほどかかりましたが、とりあえずこれでどんな失敗をしても戻り放題です。
結局、このネットブックにWIndows10を入れた手順はというと・・・
?@パーティション縮小(EaseUSPatitionMaster使用)
?Aパーティションのバックアップ(MacriumReflect使用)
?BUSB起動でWindows10クリーンインストール
?Cインストールデータのドライブ(パーティション)作成、インストーラーコピー
?DWin7復元(MacriumReflectのレスキューディスクを使用)
?EWindows7Starterを起動し、内部ドライブからWIndows10のインストーラー起動
?FWindows10インストール
という複雑な手順を踏んで、ようやくWindwows10に上げる事が出来ました・・・
本来ならばWin7のグループポリシーやセキュリティーソフトを切ったりするともう少し手順は簡略化されたのかもしれませんが、アクセス制限の原因を1つずつ調べていくよりも、おそらくこの方法が手っ取り早いかな?と思い、かなり力技でWin10化を行う事になりました。
とりあえず、これでOSサポート問題はクリアしました。
すかさずこの状態でまたバックアップを取っておきました(MacriumReflect使用)
これで、今後どんな失敗をしてもWin10の状態からロードして再開することが出来ます。(RPGのセーブデータみたいな感覚ですね)
次回は他のOSと動作比較した結果をレビューしようと思います。
↑無事WIndows10化に成功したFNUR507。Windows7Starterの制限が取れてマルチディスプレイ(拡張ディスプレイ)も使用可能になっています。
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