そのときです。彼女の脇を別の車が走り抜けて、その車は電柱にぶつかって大破します。キューンという音は、彼女の胸が鳴ったのでなく、その事故車の防犯ブザーが誤作動した音でした。
けれども、その音が自分の気持ちを示すサインでなくても、彼女はちっとも構わなかったのです。なぜなら、彼女とその事故車から降りてきた彼は、お互いの気持ちに気がついて相手を抱きしめたからです。
この映画は「もしサインが正しくなくても、結果との一致率が高ければ、そのサインはFXに使える」ことがテーマでした(ウソです)。
ともあれ、キューンという音を待てば良いほど単純ではないにせよ、指標取引のサインがどんなものか こちら に纏めておきました。
さて、この映画の登場人物は、彼女・彼の2人を除くと、ほぼ全員がそんなサインを信じていません。この2人の他には堺雅人だけがサインを信じていました。だから、彼も最後に救われます。
この映画で救われたのは、結局、サインを信じることができた登場人物だけでした。3人には、それなりの経緯を経てからサインが鳴ったのです。
ちなみに、メソッド(Method)とは「目的達成のための体系的な方法・手段」を意味します。
広末涼子と香川照之は、計画的で緻密な人間なのでメソッドがありました。
でも、堺雅人が演じる鍵泥棒は、本質的に真面目で誠実なものの、凡庸で計画性がない人間として描かれています。メソッドがない彼だけは、運が転がり込んできたときだけ、良い結果が得られました。
やっぱりこの映画はFXの話だったのでしょう。
サインを論じないFX解説記事より、よっぽどFXのメソッドを教えてくれます。
以上
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