今回は同時に住宅着工件数・建設許可件数・新規失業保険申請件数が発表されます。それらの結果次第で本指標結果の影響が見られなくなる可能性があるので、無理にポジションを持つ意味がありません。もともと本指標は大して動く指標ではないからです。
最近の発表結果とその反応を下記の調査・分析に基づき検討した結果、下表のシナリオが成り立ちます。
※ 結果を「追記欄」に記載しています。PCでご覧の方は最下部に、スマホの方は末尾の「続きはこちらから...」でご覧いただけます。
【1. 指標概要】
本指標の過去の反応は、発表直後1分足の跳幅・値幅が9pips・5pipsで、同10分足の跳幅・値幅が16pips・8pipsとなっています。
フィラデルフィア連銀管轄のペンシルバニア州・ニュージャージー州・デラウエア州の製造業の景況感と現状を指数化した指標です。
具体的内容は、仕入価格・販売価格・新規受注・出荷・入荷遅延・在庫水準・受注残・雇用者数・週平均就業時間などの11項目を、1ヶ月前と比較した現状と6ヶ月後の期待を、「良い」「同じ」「悪い」から選択して指数化したものです。
数値は0を分岐点に景気改善(+)・悪化(−)と読みます。
製造業景気指数は、ニューヨーク連銀製造業景気指数→フィラデルフィア連銀製造業景気指数→リッチモンド連銀製造業景気指数→シカゴ購買部協会景気指数→ISM製造業景気指数があります。ISM製造業景気指数の先行指標がフィラデルフィア連銀製造業景気指数で、フィラデルフィア連銀製造業景気指数の先行指標がニューヨーク連銀製造業景気指数、という見方があります。
【2. 既出情報】
本指標について既に公開されている情報を整理します。
以下の調査・分析は、2015年1月分から前回2016年12月分までの24回のデータを集計したものです。
(2-1. 過去情報)
本指標の過去の動きを下図に示します。
図から、全般的には改善傾向と言えるでしょう。但し、今回は前回の21.5から市場予想17.5へと、悪化が予想されています。
(2-2. 過去反応)
過去の直前10-1分足・同1分足・直後1分足・直後10分足を下図に示します。
(2-3. 関連指標)
直近のNY連銀製造業景況指数は1/17.22:30に発表されました。同発表では、前回9.0・予想8.5に対し、発表6.5と悪化していました。但し、反応は陰線側に数pipsのヒゲを残して、1分足・10分足ともに陽線で反応しています。
【3. 反応性分析】
反応性分析では、過去発表直後の1分足と10分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。また逆に、過去の反応の大きさがわかっていれば、ポジションを持ったときに含損がどの程度になれば損切すれば良いか(もう挽回できそうにないか)がわかります。
直後1分足値幅と直後10分足の跳幅・値幅の差が、それぞれ11pips・3pipsとなっていました。
【4. 反応一致性分析】
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べ、ポジションが安全に取れそうな傾向がないかを分析します。
本分析では、過去の指標の発表結果の方向(良否)に特徴的な偏りがないかを調べる指標検証と、発表前後に指標発表の方向とローソク足の向きとの一致に偏りがないかを調べる一致性検証と、を行っています。
直後1分足終値と同10分足跳幅の差が11pipsあります。後述する反応一致性分析では両者の方向一致率が80%あるので、安心してポジションが持てますね。
【5. 指標一致性分析】
指標一致性分析は、指標方向と反応方向に特徴的な偏りがないかを調べ、ポジションが安全に取れそうな傾向がないかを分析します。指標方向とは、市場予想から前回結果を引いた事前差異と、発表結果から市場予想と前回結果を引いた事後差異と、を表します。これらの値がプラスのとき反応がプラス(陽線)となっていれば「方向が一致している」と見なします。
本分析では、過去の指標の発表結果の方向(良否)に特徴的な偏りがないかを調べる指標検証と、発表前後に指標発表の方向とローソク足の向きとの一致に偏りがないかを調べる一致性検証と、を行っています。
直前1分足の陰線率が80%あります。また、直後1分足と10分足の方向一致率が80%あります。
【6. シナリオ作成】
以上の調査・分析結果に基づき、下表のシナリオを念頭に取引に臨むことにしました。
事後差異と直後1分足の方向一致率が75%ありました。市場予想では前回結果をやや下回りますが、数値はかなり良さそうです。
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ーーー注記ーーー
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
以上
※ 以下は2017年1月20日に追記したものです。
2017.1/19.22:30に、米国景気指標「Phil連銀製造業景況指数」が発表されました。
【7. 指標結果】
今回の指標結果を下表に纏めておきました。
【8. 取引結果】
今回の取引結果を下表に纏めておきました。
【9. 検証結果】
分析に反し、直前1分足は陽線となりました。一方、事後差異と直後1分足の方向は一致し、直後1分足と10分足の方向も一致しました。
以上
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