2017年5月3日23:00に米国景気指標「ISM非製造業景況指数」が発表されます。今回発表は2017年4月分の集計結果です。
?T.調査・分析
公開情報や既出情報に基づく調査を行い、過去の指標と反応の関係を比較分析しています。方向に関する的中率に比べ、程度に関する的中率は残念ながら低いというのが実情です。
【1. 指標概要】
本指数は、(1) 米国主要経済指標で毎月早い時期に発表されること(第3営業日)、(2) 景況感は景気転換の先行指標と考えられること、(3) 一般論として非製造業の景況感は小売・消費・物価関連の他の指標への影響も大きいと考えられること、から重要度・注目度が高いとされています。
がしかし、後述するように過去のデータを見る限り反応(値動き)はそれほど大きくありません。
本指数の解釈は、50%を上回ると景気拡大・50%を下回ると景気後退、です。
本指数の意義は、景気転換をGDPよりも先行示唆することと、FRBが本指数が50%未満のときに利上げをしたことがないということ、です。
なお、ISMとはInstitute for Supply Management(米国供給管理組合)の省略形です。本指数は、製造業約350社の購買担当役員へのアンケート結果に基づく企業景況感を示した指標です。その内容は、「新規受注」「生産」「雇用」「入荷遅延」「在庫」の項目を、前月比で「良い」「悪い」「同じ」の三択で回答した集計結果に、季節調整を加えたものです。
以下の調査分析範囲は、2015年1月分以降前回までの27回分のデータに基づいています。
(2-1. 過去情報)
(2-2. 過去反応)
過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示しておきます。
【3. 定型分析】
(3-1. 反応性分析)
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。詳細は 「反応性分析」 をご参照願います。
(3-2. 反応一致性分析)
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。詳細は
「反応一致性分析」 をご参照願います。
(3-3. 指標一致性分析)
指標一致性分析は、指標の前回結果と市場予想の差(事前差異)と、発表結果と市場予想の差(事後差異)を求め、そのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。詳細は 「指標一致性分析」
をご参照願います。
【4. シナリオ作成】
以上の調査・分析結果に基づき、以下のシナリオで取引に臨みます。
以上
2017年5月3日23:00発表
以下は2017年5月4日に追記しています。
?U. 結果・検証
【5. 発表結果】
(5-1. 指標結果)
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
4月非製造業総合指数は57.5で、前回結果55.2・市場予想55.8を上回りました。新規受注が63.2(前回結果58.9)で、2005年8月以来の高水準となり、総合指数の伸びの主因です。
非製造業景気指数は62.4(前回結果58.9・市場予想58.4)でした。雇用指数は51.4で昨年8月来の低水準だったものの、50はキープしました。
反応は、直前10-1分足・直前1分足・直後1分足が陽線で、直後11分足は同値となりました。
(5-2. 取引結果)
取引結果は次の通りでした。
直前1分足は損切となりましたが、これはシナリオ通りの取引です。
【6. 分析検証】
(6-1. 分析検証)
事前調査分析内容を、以下に検証します
直前10-1分足は、指標一致性分析の結果、事前差異との方向一致率が73%です。事前差異は、市場予想ー前回結果=プラスですから陽線と捉えていました。結果は陽線でした。
直前1分足は、反応一致性分析の結果、陰線率91%でした。結果は陽線でした。
直後1分足は、指標一致性分析の結果、事前差異との方向一致率が76%でした。結果は陽線でした。
直後11分足は、反応性分析の結果、直後1分足との方向一致率が84%で、方向一致時に反応が伸びたことが52%でした。結果は、跳幅こそ反応を伸ばしたものの、終値は同値終了でした。
(6-2. シナリオ検証)
事前分析通りのシナリオに対し、直前1分足での取引が損切となりました。これは確率上の問題ですから仕方ありません。
下表に、本ブログを始めてからの本指標シナリオでの取引成績を纏めておきます。
以上
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本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は 「1. FXは上達するのか」 をご参照ください。
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ーーー注記ーーー
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以上
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