(2018年投稿記事です。)
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イージスアショアの導入に向けて、各方面から反対の声が上がっているようです。
朝鮮半島の緊張緩和が進んでいるのだから!という声があります。
しかし、よく考えてください。北朝鮮は、一度も全ての弾道ミサイル破棄を明言していません。
20年前の二の舞とならないよう、イージスアショア導入は最優先で行うべきです。
(前回記事):『 海上自衛隊の海賊対処派遣準備は大変だ! 』
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(1)北朝鮮が発表したのはミサイル実験の中止のみ!
イージスアショア導入の反対の理由として、北朝鮮が核・ミサイル実験の中止を宣言して朝鮮半島の緊張緩和が進んでいるという主張があります。
図1 南北会談
引用URL:https://s.yimg.com/ny/api/res/1.2/clrU9z3JpeU3HoHsNnUDGA--~A/YXBwaWQ9aGlnaGxhbmRlcjtzbT0xO3c9ODAw/http://media.zenfs.com/zh-Hant-TW/homerun/nownews.com/c0c0a4b606af327579f24fd7e64107d3
確かに、南北首脳会談が開かれるなど一定の進歩はありました。
しかし、その後北朝鮮は弾道ミサイルの破棄を明言したでしょうか?
ミサイル施設の解体などを進めているとの報道がありますが、公式発表が行われていません。
1.1 1994年と同じ構図ではないか!?
北朝鮮は、1994年にも現在と同じ核・ミサイル凍結を打ち出しました。
しかしその結果、何が起こったでしょうか?
結果として起きたのが、1998年のテポドン1号による、日本列島越えのミサイル発射です。
図2 1998年のテポドン1号
引用URL:http://yanden-janai.cocolog-nifty.com/photos/uncategorized/2008/12/10/photo_3.jpg
再び同じことが起きても、北朝鮮の体制から考えてもおかしくはありません。
1.2 北朝鮮は核・ミサイルを放棄しない。
北朝鮮は、1994年、2003年、2008年と同じようなことを繰り返しています。
今度も同じように、ミサイル発射がどこかで起きるでしょう。
アメリカによる体制保障を引き出すため、核・ミサイルを保持し続けるのが北朝鮮の方針でしょう。
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(2)イージスアショアは最高性能のシステムを配備すべき!
イージスアショアの配備反対で、費用の高騰を理由に挙げている例もあります。
当初の見積もり約2000億程度から、周辺施設も含めて約6000億ぐらいになるとの想定が出ています。
元々、最初の想定見積もりはイージスアショア本体のみの価格でした。
最近では、当初のSPY-1D搭載型から、新型レーダーLMSSR搭載のイージスアショアの検討に入っています。
2.1 ロッキードマーチン社が盛り返してきた!
日本へのイージスアショア用レーダーとして、提案されてきたのがLMSSRです。
ロッキードマーチン社が開発中のレーダーです。
図3 SSRの概要
引用URL:https://news.lockheedmartin.com/2018-01-11-Lockheed-Martin-Demonstrates-Next-Generation-Aegis-Ashore-Solution#assets_117:19442
従来のイージスアショアより、長距離の探知が可能となっています・
SSRは全く新規開発ではなく、現在米国でGMD(地上配備型)レーダーとして、配備が進むLRDR(長距離識別レーダー)を改善したものです。
図4 LRDRのイメージ図
引用URL:https://missilethreat.csis.org/wp-content/uploads/2016/11/lrdr.jpg
2.2 アクティブフェーズドアレー化は、技術進歩から考えて当然のこと
ポーランドとルーマニアに配備されたイージスアショアは、SPY-1Dでシステム構成されています。
SPY-1Dは、パッシブフェーズドアレー方式のレーダーです。
現代となっては古い技術となり、世界的にアクティブ型レーダーが主流となっています。
世界で最も高出力となるアクティブ型の開発量産が進んでいるのが日本です。
(GaN素子を使用したレーダー)
図4 アクテイブフェーズドアレー(OPA-50)
引用URL:https://ja.wikipedia.org/wiki/FCS-3#/media/File:OPS-50A_radar_on_bridge_of_JS_Kaga(DDH-184)_left_front_view_at_Port_of_Kanazawa_July_15,_2017.jpg
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(3)将来の備えとしての盾(イージス)として導入を行うべき!
イージスアショアは、単に北朝鮮弾道ミサイルへの備えだけではありません。
潜在的な脅威対象である、ロシア・中国への備えとしても機能します。
将来的に情勢が急変した場合に、多数のIRBM(中距離弾道ミサイル)を持つ両国への対抗手段となります。
事実、ロシアはイージスアショアの日本導入に反対しています。
「ロシア・中国が安全保障上問題としている」=「日本にとられたくない措置」なのです。
2050年の安全保障を考えるときに、イージスアショアは必要な装備でしょう。
2050年までに、ロシア・中国・北朝鮮・韓国という周辺国と安定的な関係を保っていられるという保証は誰もできません。
図5 ロシアと中国
引用URL:https://i.ytimg.com/vi/6BMDeT0tkmk/hqdefault.jpg
『プーチン後のロシア』『習近平後の中国』
この2人が退いた後の、国際関係の変化は全く予測が付きません。
そのためにも、イージスアショアは今のうちに配備する必要があります!
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