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2024年06月01日

イージスにMT30使うの大丈夫?部品供給できる?

『ロールスロイスのエンジンには不安しかない』
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イージス・システム搭載艦に、ロールスロイス製MT30エンジンが採用されるという報道がありました。

もがみ型護衛艦にも使用しているエンジンであり、海自のニュースタンダードになりつつあります。

図1 MT30エンジン
図1 MT30.jpg
引用URL:https://www.rolls-royce.com/~/media/Images/R/Rolls-Royce/Defence/2200_banner.jpg

ただ古い護衛艦に乗っていた身としては、ロールスロイスか・・・となるくらい不安があります。

悪評を克服してLM2500を超えるGTエンジンに大化けするか?!
(前回記事):『 イスカンデルMに戦術核を搭載できるのか?
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(1)MT30は悪いエンジンじゃないんだけど!

海上自衛隊のエンジン屋さんは、今この状態かもしれません。

図2 頭を抱える
図2 頭を抱える.png
引用URL:https://irasutofree.com/illustrations/9971

またロールスロイスか!悪夢はもういやあああ!!!

1.1 MT30は夢のエンジンだぜ!

私はロールスロイス否定派ではないですよ!ホントだってば!

図3 F-1支援戦闘機
図3 F-1支援戦闘機.jpg
引用URL:https://www.mod.go.jp/asdf/airpark/GUIDE/equipment/aircraft/img/f1.jpg

F-1支援戦闘機のエンジン(ロールスロイス製)で、さんざんこき下ろしたけどさ!
(関連記事):『 GTエンジン沼にはまってみないか? 』 
MT30GTエンジンの発表当初(2000年)は、ホントに海軍に変革をもたらす!と言われました。

図4 LM2500
図4 LM2500.jpg
引用wiki

LM2500エンジンしかなかった高速高出力エンジンに、さっそうと登場したMT30!

1.2 統合電気推進などににピッタリ!

MT30エンジンが歓迎されたのは、IEP(統合電気推進)に非常に向いているからです。

海上自衛隊でも、砕氷艦「しらせ」などでIEPとなりました。

図5 あさひ型護衛艦
図5 あさひ型護衛艦.jpg
引用wiki
さらに「あさひ型」護衛艦以降では、巡航時電気推進と機械式推進のCOGLAGに進化しました。

LM2500では運転効率が悪いため、MT30は代替手段として非常に注目されました。

図6 構造
図6 構造.png
引用URL:https://www.rolls-royce.com/~/media/Files/R/Rolls-Royce/documents/country/japan/mt30-brochure-japanese.pdf

GT1本で40MWという、夢のような高出力はレーザー砲やレールガン搭載も可能にする出力です。

LM2500エンジン2本分の出力を、MT30は1基で出せます。

1.3 信頼性のある航空機用エンジンから派生!

?T30は、ボーイング777用エンジンのトレント800をコアエンジンにした派生型です。

図7 トレント800
図7 トレント800.jpg
引用wiki
信頼性についてはお墨付きと言えるだけの、非常に優れたエンジンです。

だからこそ、各国海軍の新型艦艇にMT30が採用されているといえます。

図8 各国採用艦艇
図8 各国海軍.png
引用URL:https://www.rolls-royce.com/~/media/Files/R/Rolls-Royce/documents/country/japan/mt30-brochure-japanese.pdf

順調に進めば、日本がMT30エンジンの最大のユーザーになるでしょう。

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(2)SM1A/Cの二の舞いにならなきゃよいけど!

かつてMT30の前に、夢のエンジンWR-21が英45型駆逐艦に搭載されました。

図9 WR-21
図9 WR-21.png
引用URL:https://www.researchgate.net/profile/Ji-Jeong-3/publication/267500656/figure/fig2/AS:392068531802118@1470487830978/WR-21-intercooled-and-recuperated-gas-turbine.png

結果は散々なものになっています。

2.1 大丈夫?SM-1A/Cみたいにならない?

古い海自の人間にしてみれば、あさぎり型護衛艦以降に搭載したSM1Aエンジンを思い出すでしょう。

図10 あさぎり型
図10 あさぎり型.jpg
引用wiki

最近だと、あきづき型護衛艦(19DD)がSM1Cを搭載してるほどです。

他に「ましゅう型」補給艦にも搭載するなど、海自ではロールスロイスエンジンを多く使っています。

しかし修理や部品製造に、どれだけ苦労したことか!

2.2 部品が来ねえんだよう!

海自エンジン屋さんにしてみれば、SM1A/Cほど手を焼かされるエンジンはなかったでしょう。
図11 部品
図11 部品.jpg
引用URL:https://media.licdn.com/dms/image/C5612AQGUQ857zGUnLg/article-cover_image-shrink_600_2000/0/1520208890211?e=2147483647&v=beta&t=VBxqopH4qbXHp1cYCc1ncrJQXrJj2bwjAtwbQAd79Qo

特に部品は高いわ!修理回答が遅いわ!と非常に川崎重工業も苦労しました。

あげくに本機の販売成績が英国の他にはオランダにしか売れず、日本が最大のユーザーになってしまいました。

さすがに切れたのか川崎重工業が、2012年にSM1A/Cの権利を全て買取国産化してしまいます。

図12 事業譲渡
図12 国産化.png
引用URL:https://www.khi.co.jp/corporate/timeline/pdf/125history_19.pdf

ロールスロイスエンジンをめぐっては、海自は強い恨みを持っています。

2.3 MT30も押し付けられるかも?

MT30については、海外販売成績がいまいち伸び悩んでいます。

図12 コンステレーション級
図12 コンステレーション級.png
引用wiki

米国の次期フリゲート「コンステレーション級」でのエンジン受注に失敗しており、MT30のさらなる受注が見込めない状況です。

日本はFFMにて22隻+ASEV2隻と、順調にMT30搭載を増やしています。

またまたSM1A/Cのように、日本が最大ユーザーとなってしまうかもしれません。

エンジンの形態管理も、とてつもなく大変なんですよ!
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(3)MT30採用を素直に喜べない

MT30もカタログスペック上は、ホントに良いエンジンなんですよ!

ただロールスロイス製と言うだけが、不安の種です。

3.1 GCAPも大丈夫か?

航空自衛隊の次期戦闘機(GCAP)の共同開発も、いよいよ本格化しました。

図13 GCAP
図13 GCAP.jpg
引用URL:https://www.mod.go.jp/j/policy/defense/nextfighter/images/nextfighter_06.jpg

機体やレーダーはともかく、エンジンはロールスロイスが主開発企業となるでしょう。
(やはり戦闘機用エンジン開発ノウハウのあるロールスロイスは強みがある。)

かつてのT-2/F-1で、非力なアドーアエンジンに散々悩まされた悪夢がよみがえります。

MT30も気が付いたら日本がメインユーザーになっているかもしれません。

今後も情報に注意していきましょう。
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この記事へのコメント
からあげさま、コメントありがとうございます。

GCAPのエンジンについては、2021年からRRとIHIがXF9-1をベースにした実証エンジンの開発を進めています。

コア技術はXF9-1になるでしょうが、トータルのエンジンシステムとして戦闘機の機体に統合させるノウハウをRR社が担う形になるでしょう。

あくまで共同開発ですが、やはりエンジンの経験値とノウハウの差ではRR社が主導になるでしょう(タイフーンのEJ200もRRが原型エンジンを製造してます。)

エンジンの他に、熱交換器・発電機など各種付属品をパーッケージにして十分な性能を出すにはノウハウのあるRR社が強いですよ。

Posted by 管理人 at 2024年06月05日 10:57
ゆうゆうさま、コメントありがとうございます。

やはり欧州製品については、部品不足や部品単価が非常に高いのが難点です。
川崎重工としても、苦渋の決断だったといえます。
Posted by 管理人 at 2024年06月05日 10:47
日本に配備される次期戦闘機のエンジンの担当がロールスロイスになるなら35年配備に間に合わないんですが?
IHIがエンジンの詳細設計をしてますよ
Posted by からあげ at 2024年06月05日 07:11
管理人様、更新お疲れ様です。事業譲渡して権利取得したと中々興味深いなと思いました。海外製だと部品とかやってくるの時間かかるの仕方ないですね…
Posted by ゆうゆう at 2024年06月04日 21:49
snowさま、コメントありがとうございます。

RR製エンジンには、各国とも非常に悩まされていいます。
MT30エンジンは、LM2500エンジンを上回る高出力エンジンとして非常に魅力的です。
ただトラブルも多く、減速機ギア破損などが報告されています。

ただWR−21よりもトラブル報告は少なく、何とかガマンの時期かもしれません。(川崎のM1AGT発電機のように!)

やはりGTエンジンは、なかなか難しいですね〜。
Posted by 管理人 at 2024年06月04日 12:03
確かにRR製エンジンは不安がつきまといます(笑)。
MT30の元になったトレントで、設計や製造ミス(改修済み)でB-777を全損させ、A-380を墜落させそうになる事故を起こした記憶があるので、信頼性もどうかなぁと?
とは言え3軸式など優れた技術もあるので上手く乗りこなせればいいエンジンになりそうとは思います。
川重も参加しているP&Wの航空機エンジンも絶賛トラブル対応中との事で、エンジン開発の難しさを感じます。
Posted by snow at 2024年06月04日 07:33
サイサリスさま、コメントありがとうございます。

GTについては、最初ハイテクだ!と思っていざ機関科実習で起動に〇分もかかる現実を見て、幻滅するところがあります。
「はつゆき型」のTM3B・RM1Cは、ホントに時間がかかるものでした。

蒸気タービンエンジンより起動時間は短くなったから(震)!

MT30は、ライセンス生産に移行すればおそらく部品供給は何とかなるでしょう。
コアパーツも生産できるだけの技術力があるため、米フリーダム級LCSの搭載が終わったら、日本に全面的なライセンス生産承認の目があるかもしれません。
今後の海外艦艇への搭載次第で、コアパーツを含めたライセンス生産が決まるかもしれませんね。
Posted by 管理人 at 2024年06月03日 12:06
パワーはいいんでしょうけど、
「起動に〇分もかかるのなんか使えませんよ!」
って仕事できるGT員が行ってたのが引っ掛かりますね・・・・

でもブレード周りなんかはIHI製なわけで・・・
ライセンス次第では、コアパーツの供給は楽そうな気がしますがどうなんでしょう?
Posted by サイサリス at 2024年06月02日 22:47
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