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輿論と世論 私:象牙の塔の理性的な討議を拒否して、街頭デモと大衆団交による要求貫徹を目指した全共闘の学生たちは「市民的公共性」の確信的な破壊者だね。 東大法学部の研究室を荒らされた「市民主義者」丸山真男教授は全共闘に対して「軍国主義者もしなかった。ナチスもしなかった。そんな暴挙だ」と言ったという。A氏:われわれはもう、サラリーマン最前線にいた頃だね。私:養老孟司氏は東大医学部の助手だったが、研究室がゲバ棒を持ち覆面を被った学生達に押し入られ、「こんな一大事に研究なんかしている場合か」と非難されながら研究室を追い出された経験をしている。 そのとき、全共闘の学生たちが、竹槍で気合を入れているのを見て、氏が小学生のとき体験した太平洋戦争中の軍国主義を連想したという。私:2、3年前、ある東北の地方都市にある会社の幹部と話したことがあるが、彼は「私は全共闘世代なんですよ」と言っていたね。 地方の高校を出て日大に入ったんだが授業が途中でなく、卒業は論文だけで認めてもらったというようなことを言っていたよ。 その人はデモには参加していなかったがね。 ユニクロの柳井正氏は早稲田大学政経学部に在籍していたが、回想録に「暴力にたよりがちな学生運動にはどうしてもなじめず、映画やパチンコ、マージャンでブラブラしていた4年間だった」とある。A氏:団塊世代でもある全共闘世代の八百万人の中で一体どれくらいが、デモや暴力の「全共闘体験」をもっていたのだろうかね。私:高度成長時代は大学生の需要を高め、大学生が急増している。 エリート養成所から、サラリーマン製造所に変わった大学の価値転落が背景にあるね。 同世代の20%が大学生。 しかし、「全共闘世代」は同時に「集団就職世代」でもあることを忘れてはいけないね。 あるアンケート調査によると、「政治型学生」は全学生の2%と推定している。 読売新聞の調査では同世代の4%だけの体験にすぎないとしている。A氏:世論調査はどうだったのかね。私:1968年・69年の世論調査だけでも20件あるという。 雑誌「世界」が東大生に対して調査した内容では、1969年の東大安田講堂攻防戦で機動隊による封鎖解除の是非に対しては、「やむなし」31.2%、「遅すぎたくらい」12.8%、「学生の力で解除」12.8%、「あくまで非暴力で解除」8.1%と過半数が解除を支持している。 その前に、総理大臣官房は安田講堂に機動隊導入する前に、緊急世論調査を行っている。 最近の学生運動について「困ったことだ」52%、「厳しく取り締まれ」26%。 学外の暴力デモについては「許せない」89%。 安田講堂陥落間もない1969年2月の総理府の機動隊導入による学生排除の世論調査は、次のようであった。 「むしろ遅すぎた」15.1%、「当然だ」26.5%、「やむをえない」35.4%、「やるべきでなかった」5.8%、「ない、わからない」17.2%。 学生運動に対する警察の取締については、 「なまぬるい」29.6%、「行き過ぎだ」8.5%、「この程度でよい」37.6%、「わからない」24.3%。A氏:1969年1月の「安田砦」陥落を転機として、「世論」の支持を失った学生運動は急速に退潮する。私:1969年の年末には、すべての大学が平常に戻った。 東工大の菅首相も、留年して翌1970年に卒業する。 しかし、居場所を失った過激派は、「よど号ハイジャック」、大量リンチ事件、あさま山荘事件と続くね。A氏:ヤクザ集団になったね。私:ヤクザと言えば、日大闘争でスト破りをした体育会系右翼は「昭和維新の歌」を歌い、バリケードの中の全共闘は「ワルシャワ労働歌」を歌ったが、両者とも共通して愛したのは、ヤクザ映画の主題歌「唐獅子牡丹」だったという。 それは東大全共闘と情を通じた三島由紀夫の「楯の会」で合唱する歌でもあったという。 結局、大学改革は中途半端に終り、養老孟司氏は定年を待たずに大学をやめたとき、はじめて開放感を味わったというね。 明日は、テレビ全盛時代の世論調査についてふれよう。
2010.08.31
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輿論と世論私:1958年5月の衆議院選挙で、自民党は61.5%、社会党は35.5%の議席を取る。 岸内閣は、58年10月に警職法改正案を国会に提出する。A氏:社会党などの野党は「オイコラ警察の復活」「デートもできない警職法」と、一般受けするスローガンで東条内閣閣僚だった岸信介氏の反動的な性格の顕れとして、激しい反対闘争を行うね。私:警職法は廃案になる。 ところが、59年6月の参議院選で、自民党は大勝し、単独過半数を獲得する。 岸内閣は安保改定に自信を持つ。 反対する社会党は、警職法廃案の成功をまねて、大衆受けする条項中の「極東」をクローズアップする。 この運動のせいか、60年1月の朝日新聞世論調査では、「改定はよいことだ」25%、「よくないことだ」25%、無回答46%だった。 3ヶ月後の読売新聞世論調査では、賛成21%、反対28%、わからない・他51%。 同じ頃の毎日新聞世論調査では賛成21.6%、反対36.0%、わからない・他42.4%。A氏:「わからない」が圧倒的に多いね。私:これが後に岸首相が「声なき声」と言った日本人層だろうね。 そして、60年5月19日、自民党は新安保条約の強行採決を行う。 直後に行った朝日新聞の世論調査では、強行採決反対50%、岸内閣退陣を望むもの58%となる。 しかし、岸首相は、社会不安はなく、都内の野球場や映画館などは満員でデモの数より多いし、銀座通りも平常と変わらないと言う。A氏:岸首相は新安保条約が自然成立した4日後の6月23日に退陣するね。 これで社会党左派の扇動していた安保闘争は急速に退潮する。私:しかし、2ヵ月後の世論調査では自民党支持は半数と回復している。 岸氏はその回想録で、退陣したのは、6月15日の10万人の国会デモで東大生の樺美智子さんの死亡が引き金になったと言う。 ここで著者は、樺美智子さんの父親が中央大学教授の樺俊雄氏であることをあげ、6月15日以前まで、デモや全学連の行動を厳しく非難した議会制民主主義者の同氏が、娘の死後、デモの正当性を訴え、選挙結果が「輿論」の反映であることを否定しだす。 1940年には「言論の自由が最大限に尊重されるアメリカ」と称えた同氏は、日米安保条約を「アメリカ帝国主義を中心勢力とする世界制覇の謀略の一環」という厳しい非難に変わる。A氏:客観的な「輿論」と感情の入った「世論」の関係とよく似ているね。私:ところで、「安保闘争」という言葉は誤解を招くね。 正確には「安保改定闘争」だね。 「改定」のある無しは決定的に重要だね。A氏:改定以前の安保条約はひどい不平等条約だったんだね。 だから「安保改定反対」は不平等の維持に賛成するという変な活動になるね。 アメリカは、改定にはしぶしぶ応じている。私:著者は、岸氏はその意味では腹の底では戦前から反米の筋金入りだという。 ホンネは安保を破棄したかったが、東西の冷戦下ではやむを得なかった。 だから、当時の自民党国会議員が安保(改定)反対運動の指導者に 「もっと激しいデモをやってくれ。 そのほうがわれわれは今後アメリカに強腰に出られるから」 と伝えたエピソードがあるという。 著者は、岸氏の戦略思考を高く評価しており、その後の歴代首相にそれが欠落しているのを指摘しているね。 明日は、約10年後の全共闘についてふれよう。
2010.08.30
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輿論と世論 私:この本は図書館から借りたが、動機は朝日新聞に出た佐藤卓己氏の「夏の基礎講座・世論」(朝日新聞8月14日)を読んで、「輿論」と「世論」の違いに興味をもったからだね。 明治の「5箇条の御誓文」の「公論に決すべし」の「公論」は「公議輿論」の略語だという。A氏:「世論」のほうは「軍人勅諭」に「世論に惑わず」として使われている。 この場合、「世論」は「世の中の人が勝手気ままな論説をすること」とうような意味に使われている。私:「世論」は明治の新語で、福沢諭吉の「文明論之概略」に出てくるという。 そこでは「世論」は世上の雰囲気であり、責任ある「輿論」とは異なるとされているという。A氏:ところで、戦前では、ナチスが「輿論」指導として宣伝戦を展開するね。私:近代戦は総力戦だから、国民「輿論」の全面的な支持なくしては遂行できない。 「輿論」の誘導だね。 実はナチスの宣伝が手本としたのは、第1次大戦中のアメリカの政治広告だという。 ナチ宣伝は、文化的反動の産物でなく、アメリカ民主主義の政治技術を洗練したものであるという。 日本でも、「輿論」調査は戦争中に行なわれているが、「輿論の世論化」傾向が見られる。 しかし、戦争中の日本の世論調査技術はアメリカの方法を真似ているという。 戦後の真似でないという。A氏:そういえば、敗戦後、1946年に当用漢字表が作成され、漢字制限で「輿」が削られたね。 そして日本語では「世論ヨロン」となり、従来の「輿論」と「世論」の区別があいまいになったね。 英語での区分が無視されたね。私:「世界」はヨカイと読まずセカイというように、「世論」の場合、日本語では「ヨ」と読まない。 おかしな読み方になる。 だから、戦前の教育を受けた人は、「世論」は「セロン」と言う。 こないだテレビを見ていたら、民主党の水戸黄門と言われている渡部恒三議員(78歳)が「小沢氏の立候補は、「世論(セロン)」が許さないだろう」と発音していたね。 一時、「与論」という字にするという案があったが、「上から与える」というニュアンスがあるとして文部省がけったという。 この本では、戦後の代表的な「世論調査」をとりあげているね。 最初に取り上げているのは、憲法改正の世論調査だね。A氏:改正の必要性を認めている人が多いのではないの?私:そうだね。2007年と2008年の調査では、60%近い人が改正の必要を認めている。 ところが、興味があるのは9条については、変えない方がいいというのが60%を超えている。 しかし、自衛隊の存在は認めている。A氏:自衛隊の存在承認と第9条の改正反対は論理的に考えれば不可分だがね。 「世論」の限界かね。私:実は、自衛隊の前の警察予備隊が創設された1950年の2ヵ月後の世論調査では、日本が軍隊を持つべきだという意見が54%、反対28%だ。 翌年の講和条約調印後では、軍隊が必要が71%、反対16%となっている。 政府は国会では「警察予備隊は軍隊でない」と答弁していたが、「世論」は違っていた。 1952年の世論調査でも朝鮮戦争の真っ最中にかかわらず、9条の維持が43%であった。 この「世論」の矛盾は、その後、大きな変化がなく推移している。A氏:軍隊公認の世論調査結果は、左派にとっては異論があるだろうね。私:「世論」を惑わす「世論調査」だという批判だね。 そして調査方法に批判がいく。 当時の西ドイツの「世論調査」では、抽象的な質問でなく「あなたや家族が兵隊にとられることがあっても、それは当たり前だと思いますか」という質問だという。 しかし、結果は「当たり前だ」15%、「仕方がない」25%、「いやだ」14%だったという。 やはり賛成が多いね。 しかし、日本ではどうなるかね。A氏:軍隊の必要性の一般的な質問は「輿論」の質問、個人の感情が入る具体的な質問は「世論」の質問となるのかね。私:明日は安保闘争の「輿論」と「世論」について考えよう。
2010.08.29
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ケビン・コスナー[DVDソフト] チョイス!私:先日、昼にちょっと、テレビで何かおもしろい映画をやっていないか、チャンネルをさがしていたら、CSチャンネルでこの映画に出会った。 用事があったんで録画しておいて、今日、見たよ。 ストーリーは次のようにコメディタッチの面白い設定だね。 ニューメキシコ州のテキシコという地図にも載らないような小さな町で卵検査官の仕事をしている冴えない男バド(ケビン・コスナー)。 巷では現職の大統領と対抗馬の大統領候補による大統領選が話題となっていたが、全く無関心のバドはいつも行きつけのバーで飲んだくれていた。 そんな彼とは対照的に愛国心の強いしっかり者の幼い娘モリーは、投票日にバドの名前で票を入れてしまう。 しかし、この時停電が起きたせいで、モリーの投じた票が未処理のままになる。 やがて開票の結果、両者が引き分けとなり、1週間ほどの後にバドの再投票が行なわれ、バドの1票で両者の勝敗が決まる事態となる。A氏:両者の買収合戦となるだろうね。私:両者はあまりエゲツない買収はマスコミに突っ込まれるから、それとない誘導をする。 現職の大統領は、現職の強みを生かし、政策転換の発表もする。A氏:政治に無関心だと政策の良否の判断もできないだろうね。私:だから、途中からマニフェストの講義を受けるが、途中で居眠りをしてしまう。 投票日の前夜、公開テレビ討論会で、壇上の両候補に対してパドが質問者として向い合って質問するシーンとなる。 このパドの質問が秀逸だね。 まず、ひとりの人間として、そしてアメリカ国民として、政治に無関心な選挙民として、ぐうたら親父としての自己に、この1週間で気づいたという反省の説明がある。A氏:自己責任の弁だね。私:そして、その間に、パドの質問席のまわりにバドに正しい選択をしてもらうために全国から手紙の袋が何袋も置かれる。 マスコミや両陣営は、それまでこれらの手紙には気づかなかったようであっけにとられる。 真実を伝えないマスコミへの当てつけみたいなシーンだね。 彼は、質問として、その中から、ある手紙を読む。 それは、ある貧しい家族からの手紙で、要するに「世界一の経済大国のアメリカなのに、なんで私たちのように貧困で苦しんでいる国民がいるのでしょうか」というものだね。 これが壇上の2人へのパドの質問となる。A氏:両候補はどう答えたのかね私:まず、大統領が答えようというところで、このシーンは消え、翌日の投票所のシーンに切り替わる。 バドはしっかり者の娘と投票所に行き、今度は自ら一人、投票ボックスに入る。A氏:どちらに投票したのかね。私:バドが投票ボックスに入り、カーテンを閉めたところで映画は終わりだね。 この映画は、設定自体が奇抜なのでコメディ映画と言って紹介されているが、ある意味、強烈なアメリカ政治やマスコミへの批判でもあるね。A氏:制作者の意図はなんだったんだろうね。私:よく分からないね。 しかし、2008年のアメリカ映画だが、この11月の大統領選で、アメリカ初の黒人大統領のオバマ氏が選ばれたのも偶然ではないかもね。 そういう国民的なムードがあったかもしれないね。 どこかで、民主党の小沢氏が、「アメリカは絶対、黒人を大統領にしないと思っていたが、それがオバマ氏を選んだというのは、やはりアメリカは民主主義の国だと感心した」と言っていたのがテレビで紹介されていたね。 それを連想したね。
2010.08.28
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私:民主党代表選は、いよいよ菅・小沢対決となったね。 今、図書館から借りた「輿論と世論」を読んでいるんだが、この本は、戦後のいろいろな調査を紹介しているね。 その中で、ソ連が崩壊した3年後の1994年に刊行された「21世紀をどう考える。今こそ語り始めよう全共闘世代」という「全共闘白書」にふれている。 そこに、元全共闘活動家256名のアンケート調査報告がある。 「いま最も嫌いな政治家」(上位5位・複数回答可)ではダントツが小沢一郎。 しかし、「いま最も好きな政治家」でもトップの土井たか子(7.2%)に続く第2位が小沢氏(3.5%)だね。A氏:愛情表現が屈折しているね。 剛腕・小沢というイメージが一方で期待感をもたせるのかね。私:「好き嫌いは別にして、いま最も注目している政治家」で小沢氏は再びダントツの第1位だね。 「壊し屋」のイメージが共感を呼んでいるのかね。A氏:小沢氏は全共闘世代より少し前の1942年生まれだが、慶大卒後、日大大学院を中退しているから、日大紛争の政治的空気を吸っているね。私:全共闘の標語「連帯を求めて孤立を恐れず」は小沢氏にこそ相応しいスローガンかもしれないと著者はいう。 寄り合い所帯の民主党はなんだか「全共闘」の風情があるという。A氏:感情的な嫌いな政治家としての小沢氏は、今の世論調査にも現れているね。 一方で「剛腕」を期待する面が民主党内にあるね。私:この本は、菅氏が首相となるとは夢にも思っていなかった一昨年に発行されたものだから、菅氏のことはふれていない。 菅氏は1946年生まれの全共闘世代だね。 東工大で全共闘や民青からは一線を画した「全学改革推進会議」を立ち上げ、リーダーとして活躍したという。A氏:東大・安田講堂の占拠をめぐる闘争は1969年だね。私:大学紛争の影響で卒業研究が出来なかったため、紛争が収まった後できちんとやりたいとの自身の意向により一年留年し、1970年に東工大を卒業している。 仙谷由人官房長官も1946年生まれ。 東大の学生時代は全共闘の活動家であったという。A氏:全共闘世代の最も嫌いな政治家は小沢氏だね。私:基本的に好き嫌いはあるのだろうね。 さて、国民不在の民主党代表選はどうなるかね。
2010.08.27
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私:俺が愛用している横浜市立図書館には、借り出し待ち数の多いベスト50を「予約の多い本50」としてHPに載せている。 トップは、村上春樹の「IQ84」だね。 待ち数はダントツの3097とある。 俺は村上春樹氏の本で読んだのは「アフターダーク」くらいのものであまり好きでない。 文体がどうもしっくりこない。A氏:待ち数3097というと、どのくらいの期間、待つようになるのかね。私:この本は人気本だから図書館全部で100冊くらいあるだろう。 一人、平均10日間で読むとして、1ヶ月で300人。 最後の人は、10ヶ月近くは待つようになるかもね。 俺がこのベスト50の中で予約したのは、10位の「天地明察」(現在待ち数1203)と11位の「もし、高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」(現在待ち数1095)の2冊だね。 これらは、比較的早く予約したので、あまり待たないで読めた。 「もし、高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」は俺が読んだあとで、いろいろ騒がれだし、ついに、大ベストセラーになったね。 内容はたいしたことはないんだがね。 ブームというのはこわいね。 波及効果でドラッカーブームまで起こした。 38位に「それでも、日本人は『戦争』を選んだ」(待ち数424)があるが、これは俺は買って読んでいる。 図書館では、「このベスト50の中の本をお持ちで、ご不要になられた方は、ぜひご寄贈ください」と言っているので、この本はブログで記録したので古本屋に売らず寄贈しようと思っている。
2010.08.26
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私:文藝春秋には、毎号、巻頭に数名の人のエッセイが掲載されるが、エッセイのトップは筆者が固定されて連載されるという編集になっている。 現在は、阿川弘之氏だが、これが13年間続いていたとのこと。 今月号で終了ということになったね。 俺はあまり読んでいなかったがね。 先月号で擱筆を予告していたがね。A氏:阿川氏の前は、司馬遼太郎氏の「この国のかたち」が連載されていたようだね。私:それが司馬氏の急逝で、阿川氏に引き受けてくれとなった。 最初、阿川氏は司馬氏の後とは恐れ多くて格が違うと断った。 歳だから、巻頭に連載の1回目が載ったと思ったら、忽ち次の号の巻末の「蓋棺録」に名前と写真が出たらどうするんだと言って一旦断った。A氏:「蓋棺録」というのは文藝春秋の巻末にあるコーナーで、亡くなった有名人の記事だね。私:最後には文藝春秋の社長まで阿川氏の説得に来た。 社長の説得に対して「何回まで連載をやらせるつもりですか」と阿川氏は聞いた。 社長は「『蓋棺録』までです」と切り返したという。A氏:まさに絶妙な切り返しだね。私:結局、阿川氏は説得に負けて、引き受けたという。 その経緯を今月の最終回のエッセイに書いているね。 こうして「蘆の髄から」というエッセイは13年続いた。 ちなみに今月号の「蓋棺録」には、元国立民族学博物館長・梅棹忠夫氏(90歳・老衰)、シャンソン歌手・石井好子氏(87歳・肝不全)、博報堂元会長・近藤道生氏(90歳・急逝心不全)、元国鉄スワローズ監督・砂押邦信氏(87歳・腎臓がん)、元上野動物園長・増井光子氏(73歳・落馬)の5名が載っているね。 この「蓋棺録」は山田太郎の「人間臨終図巻」に似ているね。 増井氏が晩年、乗馬をしていたことは書いてあったが、何故、命に関わる落馬をしたかは書いてなかった。 山田太郎なら書いていただろうね。
2010.08.25
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私:今年の夏は異常だね。 まず、異常な暑さが続いていることだね。 地方によっては雨が集中的に降ったりしているが、横浜は、ずっと夕立すらない。 それに、異常に夜の気温が高い。 これが連続する。A氏:熱帯夜の連続だね。私:熱中症にならなくても、体調をおかしくしている人は多いのではないかね。 俺もちょっと調子が落ちている感じをがしてきたよ。 原因は主に熱帯夜の連続のせいではないかと思う。 俺の部屋には温湿度計があるんだが、温度が26度以下くらいだと調子がいい。 よく眠れる。 ところが、28度を超えると、寝苦しさを感じて目を覚ます。 クーラーのタイマーを入れて冷やすのだが、長時間はよくないので、1時間か1時間半くらいで切れるようにしておく。 しかし、26度を維持してもタイマーが切れると、比較的短時間で28度台にもどるようだ。 結局、目を覚まして、一晩で2、3回起きてタイマーをまたセットとなる。A氏:君は寝付きがいいから、睡眠不足にならないようだね。私:いや、これを毎晩繰り返していると、やはり体調に影響するだろうね。 そこで、昨日は、日が傾きだした午後4時頃、また、2時間ほど、近所の自然公園をウオーキングしたよ。A氏:荒療治かね。 この天候では、夕方近いとは言え、途中倒れる危険性があるのではないの。私:まぁ、森のアーケードの下の自然の舗装してない小道を歩くのだから、直射日光には殆ど当たらないがね。 ときどき、涼しい風が吹くので、気持ちはいいね。 うるさいほどのセミの鳴き声を聞きながら歩く。 例のごとく、汗ビッショリ。 帰って、シャワーを浴びて、気分は爽快となる。 しかし、夕食後も喉は渇くね。 この炎暑の状態が、まだ、9月になっても続くそうだから、例年と違った生活対応を考えなくては体調を壊すことは予想されるね。 さて、どういう手を打つべきか。
2010.08.24
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私:本の選択は、書評が一番の頼りだね。 特に図書館を利用するとき、あれだけ沢山の本から1冊を選ぶということは大変だね。 つい、安きに流れて書評を参考にしてから、気にいるとその本を検索する。 「文藝春秋」には「BOOK倶楽部」というコーナーがあり、毎月、ここの書評を参考にしているが、今月は気になる本はなかったね。 朝日新聞の日曜の書評は大体、数冊の本が中心で紹介されている。 22日の書評で俺の興味をひいた本はまず、「リーマン・ショック・コンフィデンシャル」。副題は「追い詰められた金融エリートたち・倒れゆくウォール街の巨人」とある。 ジャーナリストの詳細なリポートだね。 上下2巻だ。A氏:上下ものは予約が難しいだろうね。私:それと図書館では、予約枠がある。 俺は予約待ちが多くて、現在、予約枠で使えるのは3冊だけだ。 まぁ、リーマン・ショックのことは大体知っているので、これは諦めた。 次に、気になった書評は「近世の仏教」だ。 日本の「仏教中心の中世」「儒教中心の近世」という一般的な見方を批判して、著者は、仏教は近世になって堕落していないとこの本で説明をしているという。 丁寧かつ簡潔な文章は、初心者にも読みやすいとあるので、これを図書館に予約した。 待ち数3だった。A氏:待ち数が少ないね。私:しかし、これは図書館に1冊しかない。 一人、最大2週間借りられるので、1ヶ月くらいは待つことになりそうだね。 今、俺の図書館予約待ちが溜まり、俺の手元には、3日前に図書館から借りた「輿論と世論」だけとなった。 取りあえずこれを集中して読むことにするよ。 これは書評にはなかったもので、著者のリンクから検索して借りたものだ。 輿論と世論
2010.08.23
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私:俺は、昨日は神奈川県代表の東海大相模が優勝するかもしれないと思い、優勝戦の実況中継を見ようと思っていたんだ。 しかし、両校ともゼロ点が続きだしたので、これは投手戦になるなと感じた。 両校とも好投手を抱えている。 投手戦はあまり面白くない。A氏:昔から、一番、観客にとって面白い野球は、得点が8対7の試合だと言われているね。 投手戦でなく、お互い適当に打つが、一方的な乱打戦でもない。 ハラハラする逆転、また、逆転という試合かね。私:投手戦を予想してTVを消した。 少したって、気になって再度、TVをつけたら、興南が一挙に7点をとっていた。 これで興南優勝は決まったと思って、後は、実況中継は見なかった。A氏:東海大相模の投手の疲れがあったようだね。 これにつけこんだ興南の打撃もすごいね。私:昔から、高校野球は雪の多い東北、北海道は不利だと言われていたが、それが次第に平均化しだすね。 しかし、沖縄はやはり、地の利があったね。 夏にも強い。A氏:それに「本土」を追いかけるという長い間のハングリー精神があったようだね。 県対抗でなく、「沖縄」対「本土」だね。私:今朝の朝日新聞の社説は、興南優勝と普天間問題でゆれる沖縄県を結んでいるが、どういう関係があるだろうかね。 昨日は、横浜も猛暑で、俺はウオーキングを休んだよ。 今日はどうなるかね。
2010.08.22
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私:一昨日の木曜日の午後、車で20分くらいのところにいる俺と同年輩のY氏が久しぶりに遊びに来た。 手元に日刊ゲンダイを持っていた。 会うなり、開口一番、いきなり、「民主党内のゴタゴタは面白いね」と皮肉交じりに言った。 日刊ゲンダイ(20日付)の一面トップは、「小沢激怒・政局一気に流動化・大連立の怪しい影」とあった。A氏:軽井沢の鳩山氏の別荘パーティは、小沢派決起集会になったみたいだね。 鳩山前首相は、消費税問題で、自分と違うことを菅首相が言ったせいか知らないが、辞任したら、後は後継者の判断に任すべきだね。私:それにしても、民主党が寄り合い所帯であることが「透明化」したね。 それが、かっての自民党の派閥抗争のような権力闘争となったようだね。 国民不在だね。A氏:昨年の選挙で、新人議員が増えて、これが小沢派になった人が多いようだが、それは小沢氏の功績よりも「民主党の風」が吹いただけだね。 だから、今年の参議院選では、事前に小沢氏はいろいろ動いたが、「風」には勝てなかったね。 それにしても「政治とカネ」で一旦退いたのに「小沢首相」となったら、「風」はどうなるだろうね。私:民主党の代表選は、1ヶ月後だが、民主党議員にとっても日本人にとっても「長い1ヶ月」になりそうだね。
2010.08.21
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文藝春秋 2010年 09月号 [雑誌] 私:今、中国は、いろいろな意味で世界の注目の的だね。 経済的には、リーマンショック以降の先進国の経済不振の中で、世界経済を牽引している感じだね。 日本も多少救われている。 一方で、軍事費の急速な増強、特に海軍力の増強が目立つ。 台湾、韓国、日本、アメリカが安全保障上、不安な目をもって見ている。 こういう中国だが内政の問題もいろいろ抱えている。 これが何か内部崩壊につながれば、影響が大きいね。A氏:独裁政権に対する民主化要求運動は、天安門事件で抑えてから、下火のようだね。私:その中国で、今年に入って、ストライキが多発したという。 中国では、1982年に憲法の公民の権利の中から「ストライキの自由」が削除されたという。 建前は、労働者は企業の主人であるという社会主義国家でスト権を保証する必要はないということだ。 本音は外資導入で労働者の賃金を低く抑えるためだという。A氏:そうすると、ストライキは中国では違法行為になるね。私:しかし、今年に入ってのストライキは、賃上げに成功している。 すでに、6月からストライキについての報道は規制されているという。 その中で筆者は、取材する。A氏:大変な取材だね。私:皆、口が堅いが、それでも何人かの関係者に取材する。 今回のストの主人公たちは「新世代農民工」だという。 1980年以降に生まれた若い出稼ぎ者で、出稼ぎ者の60パーセントに当たる1億人だという。 一人っ子政策で大事に甘やかされて育てられ、農村に生まれながら農業をやったことがない。 「三高一低」といって、「高い教育水準」「高い職業期待値」「高い物質的精神的要求」「低い忍耐力」を特徴とする世代だという。 これらの若者が携帯電話で情報を流し、連帯した運動になったようだね。A氏:甘やかされ、世間知らずだが、頭は悪くなく、ネットで情報を持ち、夢も理想もある。 だから、現状に不満を持ちやすく、同時に向上心もある。 だが挫折や困難を味わったとき、耐え忍ぶより自殺やストという衝動的な、あるいは大胆な行動に出るというわけか。私:こういう若者は、今後、中国では増加していくという。 政府もストの報道規制だけでなく、最低賃金の引き上げなども検討しているようだ。 政府としては、これらの世代が、民主化要求のように、政府批判に流れないように苦慮しているようだね。 中国政権が新しく抱え出した1つの爆弾だね。
2010.08.20
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番号書名プログ予約掲載日掲載日待ち数8/19現在待ち数(読了日はブログ掲載日)1「野球を学問する」6/3 198/12読了2「アジアの隼」6/316/18読了3「仕事漂流」6/3128/10読了4「密約」6/336/24読了5「プライド」6/310029→266「天地明察」 6/32918/13読了7「『環境主義』は本当に正しいか?」6/3106→58「天国は水割りの味がする」6/3106→59「日本政治思想史」6/3117/28読了10「下り坂社会を生きる」6/362→212「学歴の耐えられない軽さ」6/275339→3813「この命、義に捧ぐ」6/2775キャンセル14「天安門のパンドラ」6/2757/31読了15「ホームズ聖地巡礼の旅」6/2742→216「習近平の正体」6/2795→517「メディアは知識人をーー」6/2717/9読了18「農民国家中国の限界」6/2753→319「虐殺器官」6月追加 24→2020「幻の甲子園」8月追加 4→321「ホワイトハウス・フェロー」8月追加 11→1122「六十年安保」7月追加 5→523「モスクワ攻防戦」7月追加 15→1524「『若者論』を疑え!」7月追加 1→125「残夢整理」8月追加 28→2626「輿論と世論」8月追加 貸出準備完 上の本のリストを見ると、「天地明察」は待ち数が多いのに、早く読めたね。 これは、図書館(横浜市立図書館は18あると思う)の本の購入数が多いからだね。 少ないと、当然、待ち時間は長くなる。 例えば「下り坂社会を生きる」は1冊しかないから、待ちが長くなる。 また、書評に載った本は人気があるから予約者が多く、待ちが長くなる。 人気本は図書館も予約を予想して多めに購入するだろうが、何冊にするかは難しい予測だろうね。 書評になく、「夏の基礎講座・世論」(朝日新聞8月14日)からのリンクで俺が勝手に予約した「輿論と世論」は予約ゼロだったので早く借りられる。 明日、借りに図書館に行く予定だ。
2010.08.19
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私:一昨日と昨日は、午後3時半ぐらいから、近所の自然公園をウオーキングしたよ。A氏:猛暑で熱中症があちこちで報道されているが、大丈夫かね。 注意してよ。 「年寄りの冷や水」でなく、「年寄りの熱気」だぜ。私:暑いからと言って、外に出ず、家にいてクーラーで過ごすのは、体を動かさないので、かえって不健康だと思ってね。 そういえば、われわれの学生時代は、熱中症と言わず、日射病と言っていたような気がするね。A氏:昔は、暑い中、運動しても、「水を飲むな」と言われたね。 それでよく持ったね。私:こないだの桑田真澄氏の「野球を学問する」では、学校の野球の練習中、喉が乾いて苦しくて、桑田氏はコッソリとトイレの水を飲んだという話があるね。A氏:今は、運動中は水の補給は絶対必要だとオープンに変わったね。私;だから、俺もウオーキングに出かけるときは、ドリンク剤と、それから250mlくらいの小さいペットボトルに水を入れ、これに少し食塩を混ぜ、食塩水を作って持参することにしている。 まず、少しずつ、ドリンク剤を歩きながら飲み、次に、ペットボトルの食塩水をちびちび飲む。A氏:直射日光対策はどうしているの。私:自然公園には、森の中の小道が長く続いていて、これがアップダウンをしている。 森の葉がアーケードのように覆っていて、日光は直接当たらない。 しかし、気温が高いから、汗はドンドン出るね。 Tシャツは汗でビッショリ。 2時間近く歩いて、約1万1千歩。 帰ってすぐにシャワーだね。 そうすると、気分が爽やかになる。A氏:一つの猛暑の過ごし方かね。私:そういえば、森はもうセミの鳴き声でうるさくなっているね。 ウグイスも鳴いているのだが、ほとんど聞き取れないくらい蝉の鳴き声のほうがうるさい。A氏:来週も、まだ、この暑さが続くようだね。私:問題は、夜もあまり温度が下がらないことだね。 仕方なく、クーラーにタイマーをセットして寝ているよ。 しかし、タイマーが切れて冷房が止まると、すこしたって、また熱くなる。 部屋の温度計が28度を越えると蒸し暑く感じて、目を覚ます。 湿度は、60から70%台だね。 夜中に3回くらい起きて再セットする。 起きてもすぐ寝つけるので、睡眠不足にはならないがね。 昨年の夏は、あまりそういう経験をした記憶がないね。 今年は異常だね。
2010.08.18
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まず、ISO 70問の克服からA氏:たまたま、今朝の読売新聞を駅スタンドで見ていたら、一面の下の書籍広告の欄の中央辺りに、君がこないだブログで3日間にわたりとりあげた「まず、ISO 70問の克服から」1、2、3の広告が出ていたね。 俺は関東版を見ているから、関西版は明日かね。 広告にはISO取得企業・経営者必見に加え、内部監査員必見とあったが、この内部監査員というのはなんだったろうね。私:君はもう忘れたのかね。 ISOでは、内部監査と言って、企業側が自主的に、自社のマネジメントシステムがきちんと行なわれているかをチェックしないさいという要求があるんだね。 その内部監査を行う人を内部監査員と言うんだ。A氏:資格がいるのかね。私:ISOの教育機関には、内部監査員研修コースがあるが、別に、公的な資格があるわけではない。 しかし、監査する以上、会社のマネジメントシステムをある程度、把握していないといけないから、規格とマニュアルなどは概略知っている必要があるね。 幸い、ISOマネジメントシステムでは、システムの運用内容をマニュアルで文書に示すことになっているから、内部監査員はそのマニュアルにそって審査すればいいことになる。 別に社外の研修で一般論を学ぶ必要はないと思うね。A氏:企業の監査役のようなものと違うんだね。私:通常、専門は置かないね。 年1回か、2回くらい、日程を計画して、各部門に対して監査員がその部門の責任者に質問したり、書類や記録がマニュアル通りかをチェックしたりという方法をとるね。 内部監査は客観性を重視するので、できるだけ、自分の部門は監査しないで、他の部門の人に監査してもらう。 この本では、ISOマネジメントシステムがうまくいかないときは、内部監査員を充実させて、この圧力で定着をせよという考えは反対だね。 マネジメントシステムがうまくいかないのは、ムダな書類が多く、形式化しており、日常の活動に円滑に効果的に吸収されていないからだね。 そのムダなシステムを内部監査という厳しい言葉で強制しようというのは本末転倒だというわけだ。A氏:警察ISOになるというわけか。私:その点の自覚も内部監査員がもって、無理なシステムは指摘するくらいの「知的体力」を持てということだろうね。
2010.08.17
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文藝春秋 2010年 09月号 [雑誌] 私:「文藝春秋」は、芥川賞が決まると、その全文を雑誌に掲載することが多い。 今年の受賞作は「乙女の密告」という赤染晶子氏のものだね。 今月の「文藝春秋」を買ったのは、この受賞作を読むためでなく、「『勝つ日本』40の決断」だった。 しかし、特記すべきものはなかったね。 芥川賞のほうは、いつも読むのは、受賞作でなく選考委員会の選評だね。 今回は9人の委員が2時間にわたる討議を行って決まったという。 ところが選評を読むと、この受賞作を推薦していない委員もいる。A氏:全員一致ではないんだね。私:選評を読むと、まず、村上龍氏が推薦していない。 川上弘美氏もそうだね。 石原慎太郎氏は「日本の現代文学の衰弱を表象する作品の一つとしか思えない」と厳しい。 高樹のぶ子氏も、あまり評価しておらず、他の作品を推している。 宮本輝氏も授賞に賛同しなかったという。A氏:あれっ?5名が推していないのなら、過半数は反対となるのではないのかね。私:5人のうち、誰かが、まあ、いいかとして推薦に回ったのではないかね。 村上龍氏と石原慎太郎氏は、明確に最後まで反対だろうね。 俺は芥川賞の発表のとき、いつも選評を必ず読む癖があるんだが、この2人は、このところの芥川賞受賞作品には反対の意見が多いね。 この作品は、有名な「アンナの日記」をベースにして、アンナをユダヤ人として密告したのは誰かというミステリアス風な小説になっているらしいが、最後に密告者が分かるという。 村上龍氏は「アンナの日記」にまつわる「誰が密告者か」という有名な謎が、文章が正確さを欠いているために分かりにくく、誤解を生みやすいと批判しているね。 そこで、この掲載してある全文の最後の頁だけを読んだよ。A氏:ミステリーで最後を読んではダメだろうよ。私:俺はこの作品は読むつもりはないが、ミステリーの最後には興味があったね。 村上龍氏が言うように、確かに次の文章のように「密告者」は曖昧だね。 「ついに、密告者の正体を知った。密告者はわたしだ。密告者に名前はない。わたしに名前なんかない。」 確かに、分かりにくいね。A氏:昨日、本屋に行ったら、もう、今年の芥川賞、直木賞の作品だとして、本が積んであったね。私:出版社も本屋も売らないといけないからね。 芥川賞、直木賞の受賞発表後にはどの本屋にも見られる風景だね。
2010.08.16
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図書館の本を愛用し出してから、本をあまり買わなくなった。 図書館で予約待ちして読む本が増えたので、過去からの経緯を含め下の表にまとめておく。 番号書名プログ予約掲載日掲載日待ち数現在待ち数(読了日はブログ掲載日)1「野球を学問する」6/3 198/12読了2「アジアの隼」6/316/18読了3「仕事漂流」6/3128/10読了4「密約」6/336/24読了5「プライド」6/3100296「天地明察」 6/32918/13読了7「『環境主義』は本当に正しいか?」6/31068「天国は水割りの味がする」6/31069「日本政治思想史」6/3117/28読了10「下り坂社会を生きる」6/36212「学歴の耐えられない軽さ」6/27533913「この命、義に捧ぐ」6/2775キャンセル14「天安門のパンドラ」6/2757/31読了15「ホームズ聖地巡礼の旅」6/274216「習近平の正体」6/279517「メディアは知識人をーー」6/2717/9読了18「農民国家中国の限界」6/275319「虐殺器官」6月追加 2420「幻の甲子園」8月追加 421「ホワイトハウス・フェロー」8月追加 1122「六十年安保」7月追加 523「モスクワ攻防戦」7月追加 1524「『若者論』を疑え!」7月追加 125「残夢整理」8月追加 28 本棚には新しい本は少なく、百冊ほどある本は昨年、引越しの時、「積ん読」のままだった本や、全集もの、辞書類が多い。 これもあまり見ないので、また、去年の引越しの時の古本出張買取業者と同様、古本屋に第2回の出張買取を依頼して、きれいにする予定。 これで「死ぬときは、本1冊残して死ぬ」目標に近づいた。 電子図書は、追い風だね。
2010.08.15
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私:5回連載のコラムで、昨日は3回目で「市場」がテーマだったが、今日は4回目でテーマは「世論」だね。 朝日新聞のスポーツ担当者の西村欣也記者が、京都大学大学院准教授佐藤卓己氏に質問する形式でまとめているね。A氏:俺も読んだが、興味をもったのは「世論」と「輿論」の違いだね。 広辞苑では、同じに意味になっているが、佐藤氏は明確に使い分けているね。私:大正時代までは、明確に使い分けていたという。 戦前にはヨロンは「輿論」で、「世論」はセロンとかセイロンと読んでいたという。 佐藤氏によると、「輿論」は、パブリックオピニオンで、理性的討議による合意、真偽をめぐる公的関心。 「世論」は、ポピュラーセンチメンツで、情緒的参加による共感、美醜をめぐる私的心情だという。A氏:新聞の「ヨロン」調査は「世論」調査であって「輿論」調査ではないということか。私:「菅首相を支持するか」という調査で俺が聞かれても、政界にいるわけでもないし、彼の行動はマスコミでしか知っていないから、感覚的な回答になるね。 「空気」だね。 「空気」は怖い場合があるから、それを知るには意味があるとしているね。A氏:佐藤氏は、「世論」調査を否定しているわけではないが、任期が固定している大統領制のない日本では、ころころ内閣が交替するマイナス面もあるとしているね。 「気分」しか数量化していない「世論」調査によって政治が動かされているのは問題だとしているね。私:「輿論」は「世論」の感情的な歯止めになるという。 しかし、では、今、「輿論」はどこにあるのかね。 菅首相の「輿論」はどこにあるのかは、説明がなかったね。 先生に「正解」をもとめてはいけないかもしれないがね。 しかし、しっかりしないと我々は自分の首を締めることになるね。 最近の「世論」調査では、菅首相続投が多いという。 菅氏に対する「好み」という「感情」よりも、ころころ首相が変わるのは問題だという「理性」が働いたのではないかね。A氏:「メデイア・リテラシー」のことを言っているのだろうね。私:ついでに「輿論」の「輿」という難しい漢字を見たので漢和辞典をひいたが、元の意味は「こし」と言って、人がかつぐ車のことなんだね。 だから、この漢字の中央に車の字がある。 漢和辞典では、2人の人が前後で、人の乗ったかごをかついでいる絵が載っていた。 ついでに、「輿誦」という言葉があって、「庶民のことば」とある。 「輿地」という言葉があって、「大地、地球、世界」を意味し、大地は万物をのせるので車にたとえたという。
2010.08.14
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天地明察 私:2ヶ月ほど順番を待って、図書館から借りた。 横浜市図書館全体では、100冊くらいあるのだろうが、今はすでに1200人を超える待ち数だという。 このため、図書館は買い増しをしたというお知らせが載っていた。 俺の予約申し込みは早く、6月3日のブログを見ると待ちが291番目だったね。 手元に2週間は借りていられるのだが、待っている次の人に早く読んでもらいたいと思い、2週間も手元に置かず、読み終わったら、すぐに図書館に返却したよ。 この本を読もうという動機は、ほめている書評を見たからだね。 吉川英治新人賞を取り、本屋大賞1位になったという。 470頁の大著だね。 ところで、俺は先日、ちょうど、3ヶ月ぶりにある医者に行くことになった。 待ち時間が長いので有名な医者だ。 腹を決めて、この「天地明察」持参で、待合室で読んだ。 待つこと、約3時間だよ。A氏:本も待たされ、診察も待たされだね。私:おかげで、「天地明察」は待合室で集中して一挙に半分読めた。 久しぶりの時代物で、面白いので、そのまま、帰っても読み、翌日も、読んだ。 2日間で読了した。 医者の待合室の時間がなかったら、こんなに集中して読めなかっただろうね。 日本独自の暦、大和暦をつくりあげるまでの渋川春海の活躍が中心だね。 現代でいう天文学のはしりだね。 日食、月食を正確に予測できるかが「天地の明察(正解)」だね。 時代は、江戸幕府の4代将軍家綱、5代将軍綱吉の頃だね。 武士が力でとった政権だが、すでに戦はないから、武士階級の存在意味が問題になってきた頃だね。A氏:「日本政治思想史」の徳川政権における武士の役割の変化だね。 朱子学などの儒者の登場があるね。私:「日本政治思想史」を読んでいたので、「天地明察」の背景がよく理解できたね。 この本では、「芸」として「碁」「神道」「朱子学」「算術」「測地」「暦術」などがあげられている。 これらの「芸者」が上司の求めに応じて、技能を発揮する。 これらの「芸者」のほうが、「芸」を通じて直接、老中などと接することができる。 普通の下級武士の身分なら考えられない身分を超えた自由があるね。A氏:時代が求める人材が変わってきたのは、こないだの「仕事漂流」と似ているね。 だから、この「芸」の世界の中から、江戸時代に革新的な人材が生まれたんだろうね。 この「天地明察」に渋川春海と同年齢の「和算」の創始者関孝和が出てくるが、これも武芸でなく、算術という「芸」の世界から生まれるね。私:この本によると、渋川春海には、すでに地動説や地球が球形であることは、知っていたようだ。 しかし、アマゾンの読者評で点が辛いものは、それは史実でないとしている。 碁の打ち方も、間違いが多いとしているね。 専門家にはこういうミスが気になるのだろうね。 しかし、一方で物語の展開のうまさはほめているね。A氏:吉川英治新人賞だというが、大作家吉川英治に対して「宮本武蔵」の刀に研ぎの話が出てこないと刀の研ぎの専門家の岩崎航介氏が吉川邸に乗り込んだくらいで、吉川英治は、新聞連載小説の「宮本武蔵」の後半で刀の研師を登場させる。 時代小説は難しいね。 時代小説の大家海音寺潮五郎は日本刀の話を小説に入れると専門家に文句を付けられるので、刀にふれないほうが無難であると言っていたという。私:著者もその点で弱点があるが、大筋では歴史にそっているのだろう。 俺はそういう専門的な細かい点はとばして読んだね。 辛い点をつけた読者は、時代小説でなく、歴史小説だという批評もある。 物語は、渋川春海の若い頃より始まり、挫折もあるが、22年余で目標である大和暦を完成する。 それまでは、中国の輸入中心の戦国時代のようだった日本の暦の文化が一本化される。 この功績により、渋川春海は幕府の初代天文方として士分に取り立てられる。 これがメイン・ストーリーだね。 これに徳川政権初期の政権の不安定な政治問題をからませながら、楽しい時代物にしているね。 著者は、まだ、44歳。 今後の活躍が期待されるね。
2010.08.13
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野球を学問する私:PL学園の先生が「清原というすごいのがいて、これも一緒に入学する。 桑田、清原で甲子園の優勝は確実だ。 一度会わないか。」 と言って、PL学園に入学前に、学校で2人は落ち合った。 桑田氏は、清原の体の大きいのに驚いたという。 そして、2人で練習をした。 バッティング練習で清原は10本全部場外ホームラン。 ピッチングもすごい。 そこで桑田氏は「俺は小さいな」と思って挫折感を持ったという。 清原は、入学してすぐに4番になるが、桑田氏は一時退部することも考えたという。 それがあるとき、監督から投げるように言われて投げたら、シャットアウトゲームができ、それでエースまでいくようになったという。 桑田氏は運もあったという。 しかし、ピッチャーは頭脳がいるから、桑田氏にはピッタリのポジションだったんだろうね。A氏:PL学園の練習時間はどうだったのかね。私:最初、9時間だったらしいね。 高校1年で優勝したとき、桑田氏は監督に「練習時間を3時間にしましょう」とお願いしたという。A氏:たしか、当時の監督は中村順司氏だろうね。 甲子園で一番多く勝っている監督だというね。私:「もし、今度、優勝しなかったら、もとに戻してもいいです」という桑田氏の説得で、監督は全体練習を3時間として、後は個人がやりたいランニングとかバッティング練習をするようにした。 体調が悪い人は休養するということになった。 「自己責任」だね。 これがこれ以後、PL学園が圧倒的に強い原因になったという。A氏:桑田氏がとてつもない練習量をこなしたからプロでも活躍できたと思うのは誤解で、高校時代から効率的で合理的な練習に取り組んでいた成果なんだね。私:ところで監督の体罰や先輩のいじめだが、桑田氏は、小学生の頃より野球をやっているが、体罰はあたりまえだったという。 毎日のように監督からなぐられたという。 PL学園では、1年生から4番だった清原選手がホームランを打つと、涙を流しながら塁を回ったという。 妬んだ先輩のいじめが待っているからだね。A氏:8月10日の朝日新聞の甲子園の記事で「いじめ克服 再開の夏」という記事があったね。 甲子園の三重県代表の「いなべ総合」の松嶋選手と、埼玉県代表の「本庄一」の塗木選手が、偶然、宿泊所のエレベーターでばったり会ったという。 2人は、以前、ある私立高校の同級生として野球部にいたが、寮で先輩たちのいじめにあった。 そして、それぞれ現在の高校に移ったのだという。私:それが、両校の甲子園出場で再会できたわけだ。 新聞のその記事を読むと、松嶋選手は、今度の寮の生活は楽しいという。 ここで野球ができて嬉しい、いう。 塗木選手の高校は須長監督の「常笑野球」を掲げるチームで、野球が楽しくて仕方がないという。A氏:「常勝」をもじって「常笑」とは愉快だね。私:罵声と体罰といじめ中心の高校野球が変わりつつあるようだね。 まだ、その両君が以前いた私立高校のようなところもあるがね。 8月10日の甲子園第1試合で、本庄一は明徳義塾に6対2で敗れる。 しかし、打ち込まれた本庄一の田村投手は「逆転されても笑顔でやれた」と朝日新聞にマウンド上での見事な笑顔の写真が出ていたね。A氏:「常笑野球」だね。私:塗木選手はレフトでトップバッター、1安打1得点。 松嶋選手の「いなべ総合」は第3試合で、福井商に6対0で敗れる。 松嶋選手は代打で出ているね。 両君とも、3年生だから、これで甲子園の夏とはお別れだが、いじめを克服し、高校野球の夢である甲子園の土の上で野球のプレイが出来たという「主体性」を貫いた経験をした。 これは、今後、これからのグローバル化した世界で生きるために大きな力を与えてくれるだろうね。 ところで、桑田氏のPL学園→甲子園優勝→早大→ジャイアンツのエースという中学生の時に立てた目標は、最後の順序は違ったが、果たすことが出来た。 これからは、桑田式野球を通じて、サッカーのような日本野球の統合という目標があるね。
2010.08.12
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野球を学問する私:この本も「仕事漂流」同様、図書館に予約して、2ヶ月くらい待って、借りられた。A氏:この本で扱っているポイントは、すでに「野球を好きになる七つの道」桑田真澄筆・7月20日朝日新聞オピニオン欄についてのブログでふれているね。私:2006年に早稲田大学大学院スポーツ科学研究科に1年間の社会人コースができた。 桑田氏はこれに入り、スポーツ全体も含めて広い視野から野球の研究するのだね。 平田竹男氏は、その学科の教授だね。 この人は日本サッカー協会の専務理事をしたという人だね。 ハードな授業を受ける。A氏:今、夏の甲子園で高校野球が行なわれているが、桑田氏がエースしていた頃のPL学園はすごかったんだね。 清原和博もいた。 5大会連続出場、優勝2回、準優勝2回だね。私:この本には、こないだの新聞コラムにはなかった面白い話が載っているね。 それをピックアップしておこう。 まず、彼は、小学校時代、勉強もせず、野球をしていたが、その野球も体罰野球だから挫折する。 中学に入ってから母親から「このままじゃあ、人生だめになるよ」と言われる。 自己責任の追求だね。 そこで「高校はPL学園に行き、甲子園で優勝し、早稲田大学に行き、そしてジャイアンツのエースになる」という目標を立てる。A氏:昨日のブログの「仕事潮流」の「主体性」だね。 中学校に入ったときは、同級生が230人くらいいたが、成績はビリ。 しかし、努力すると順位が上がっていく。 うれしい。 桑田氏は野球よりも「努力することの大切さ」は勉強から学んだという。A氏:野球の練習の間によく勉強できたものだね。私:練習が終わると夜9時になる。 それから毎日30分勉強をちゃんとやる。 中学や高校の授業中は一度も寝たことはないという。 野球と同じで授業に集中した。 宿題は休み時間や昼休みにした。 ついに学力ではトップクラスを維持するようになる。 野球も中学生の時にぐんと伸びる。A氏:養老孟司氏は脳と筋肉は連動しているとして文武両道だと言っているが、まさにその通りだね。 それで目標通りにPL学園に入ったわけか。私:それが簡単にいかなかったんだね。 中学生の時に野球部に入り、準硬式野球で大会制覇をした。 PL学園から特待生で来てほしいという。 ところが、別の高校では桑田氏がくれば、他の野球部員を全部まとめてとってやるという。 PL学園は全国区だから、桑田氏だけほしい。A氏:昨日のブログの「仕事漂流」ではないが、「主体性」で第1次目標を達成しようとしているのだね。私:先生は、たくさん部員をとってくれる別の高校を選択したい。 だから、先生は、桑田氏のPL学園入学はダメだという。 反抗する桑田氏に「友情がないのか」という。 PL学園に入るのが長い夢だったと言っても先生は絶対許してくれない。A氏:結局どうしたの?私:父親の了解を得て中学3年の3学期に隣の中学に転校した。 そして、そこからPL学園に入学出来た。A氏:先生に反抗してまで「主体性」を貫いたわけだね。 親も偉いね。 そんな先生がいるから、日本にはグローバル化時代の人材が育たないんだね。 一種のガラコバス現象だね。私:明日は、そのPL学園時代の野球についてふれよう。 野球の練習時間では意外なことがあるんだね。
2010.08.11
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仕事漂流私:この著者は「あとがき」である本を引用して、今、企業が求める人材像は「主体性」「自己責任の観念」「独創性」の3つが求められているとしているね。 「主体性」とは 「他者の定めた基準に頼らず、自分自身の目標・意思に基づいて、進むべき道を自ら選択して行動すること」 「自己責任の観念」とは 「個人の自由で主体的な選択が、野放図とならずに、社会的意義、価値を持つものとするには、個人一人ひとりが選択に伴う責任を引き受けること」A氏:君の言う「3+2=?」型の秀才でなく、「A+B=5」型の独創型の人材かね。私:昨日、日曜日の午前9時からのNHK日曜討論の最後の方を見たが、野口悠紀雄氏が、「経済成長は民間がやるのであって、政府がやるわけでない。 政府は民間が成長しやすいように、環境を作るべきで例えば、人材育成だ。 しかし、政府の政策にそれが明確に出ていない」と発言していたね。 ここで野口氏が言う人材は「A+B=5」型の独創型の人材だろうね。 この8人の若者も、その意味では社会に出て、それに気がついて、別な職場で「主体性」「自己責任の観念」「独創性」を発揮できるようにと模索しながら転職しているとも言えるね。 それを自分の性格、持っている知識をそれぞれの組織の中で発揮しようとしているね。 「良い大学、良い就職、良い会社、良い家庭、良い老後」という見通しのよいレールは消えたと言えるね。 決まったレールがあった時代と比べ、先のことは明確に描けないが、毎日を着実に生きるのが重要だということかね。A氏:俺たちの時代は、まず、食わないといけなかったから、ともかく就職した。私:養老孟司氏がどこかでそう書いていたね。 自分探しというのはおかしいので、仕事をしながら自己ができていくのだと言っていたがね。 それに仕事はどんどん来た。 今は、仕事は自分で作らないといけない。 多様な8人の転職の実態でも、それは共通して言えるのではないかね。 低成長時代に入り、企業の人材像が変化いく中で、社会人として飛び込み、その変化に適応する中で葛藤、悩み、焦り、喜びは、今後、企業組織で働く人の当たり前のものになるのではないかと著者は言うね。A氏:君は2回転職しているね。 彼らの先輩かね。私:いや、最初の会社には十年ちょっといたよ。 食うに精一杯の時代だからね。 十年ほどたって、選択ができるようになったね。 だから、自分がやりたい方に転職した。 その意味で、今は、最初から贅沢になっているのかもね。 ところで、この8人の話では不思議に政府の雇用政策が悪いという話は一切出てこないね。 ある意味、生きるに必死だね。 若さだろうかね。 しかし、同じ世代の秋葉原無差別殺傷事件の加藤智大被告も転職を繰り返したがどこで道を踏み違えたのだろうか。
2010.08.10
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仕事漂流私:この本はすでに6月3日のブログの図書館待ちリストに掲載されていたものだね。 当時、待ち数12だったが、2ヶ月近く待ったね。 ようやく借りることができた。 そのときのブログには、この本の要旨として 「東大、慶應、早稲田...。なぜ学歴エリートたちは会社を辞めたのか。 「転職」というひとつの切り口から、8人の「働く若者」を取材したノンフィクション。 史上最年少大宅賞作家が描く「氷河期入社組」の群像」 とあるね。 このブログでは、朝日新聞の書評をみて図書館に予約したという記録があるね。 大企業に入社した者、キャリアとして官庁に入った者なども含め、それぞれ就職氷河期に「良い大学から良い就職」というレールを走った8人の若者の転職の足跡だね。 だから、350頁くらいの本だが、8人、1章ずつ、8つの章に分かれている。 最初、ブログで、8人の生まれから小学校、中学校、高校、大学という学生生活とその時の家庭生活からはじめ、転職の内容など、個別にまとめておこうと思ったが、途中で諦めた。A氏:何故?私:個別にそれぞれの事情がいろいろあるからだね。 8人だけでもこれだけ事情がいろいろあるんだから、何万人という氷河期入社組の事情もその人数分だけ違うだろうね。 これだけ個別性があると、「良い大学から良い就職」というレールを一律に想定することはすでに意味が無いようだね。 入社した企業の人間関係もいろいろだし、マネジメントもいろいろだし、上司もいろいろだね。 ただ、8人を扱った8つの章のそれぞれのタイトルがうまくできているので、下記並べておく。 1・長い長いトンネルの中にいるような気がした (都市銀行→証券会社) 2・私の「できること」っていったい何だろう (菓子メーカー→中堅食品会社) 3・「理想の上司」に会って会社をやめました (中堅IT企業→人材紹介会社) 4・現状維持では時代と一緒に「右肩下がり」になる (大手電機会社→大手電機会社) 5・その仕事が自分に合っているかなんてどうでもいい (中堅広告代理店→大手広告代理店) 6・「結婚して、子供が産まれ、マンション買って、終わり」は嫌だ (大手総合商社→ITベンチャー) 7・選択肢がどんどん消えて行くのが怖かった (経済産業省→ITベンチャー役員→タイルメーカー役員) 8・常に不安だから走り続けるしかない (外資系コンサルティング会社→外資系コンサルティング会社→MBA留学)A氏:3の「『理想の上司』に会って会社をやめました」というのは、逆ではないの?私:前の上司に代わって、新しい上司が来たら、職場のヤル気や雰囲気がガラリと変わって良くなった。 これが「理想の上司」だね。 そこで、人によってこんなに効果が違うなら、人材を適所に紹介する仕事が重要だと気がつき、紹介会社を探し、転職したというわけだね。 この8人に共通しているのは、孤独になることはあっても「ひきこもり」的な要素を感じ無いね。 考えて実行していく。 ただ、俺達のように高度成長の入り口に就職した世代とは、明らかに企業が必要とする人材が違っているようだね。 これについては、明日、語ろう。
2010.08.09
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A氏:君のブログでとりあげた「天安門のパンドラ」の著者劉剛氏は中国の民主化を求め、天安門事件を起こして牢獄生活の後、アメリカに亡命してからこの本を書いたのだね。 それと関連して、8月7日の朝日新聞を見たら、余傑(ユイチェ)氏のインタビューが登場していたのにアンテナがひっかかったね。 中国国内で温家宝首相の批判の書を8月中旬に香港の出版社から発売するという。 中国人の活動家が国内にとどまりながら、指導者を名指しで批判する著書を発表するのは極めて異例だという。 私:余傑氏は中国の著名な人権活動家でベストセラー作家だという。 89年の天安門事件をラジオで知り、人権意識に目覚めたという。 ブッシュ大統領とも会ったこともあるという。 劉剛氏も天安門事件を起こす前から民主化や人権問題でアメリカ大使や欧米のジャーナリストなどとの交流が多いね。 現在、国家政権転覆扇動罪で服役中の劉暁氏が起草した民主化を求める「08憲章」にも中心人物の一人として署名したという。A氏:この本では、温首相は、一見温厚なようで「平民総理」として人気があるが、国民はその演技にだまされているとして、民主化はむしろ後退していると指摘しているという。私:現政府批判だから、当然、公安当局から出版中止を要求されている。 7月5日、出版すれば逮捕だとして自宅から近所の派出所に連行され、4時間拘束されたという。 これは産経など日本の新聞でも報じられているね。 余傑氏は言論の自由を主張してあくまで出版するという。 圧力に屈したら、たとえ投獄されなくても、心は投獄され、作家生命は終わるという。A氏:今、中国は経済面で国際的に期待されている。 そのために、中国の民主化については国際社会の関心が薄れがちだという。 そんな環境への警鐘ではないかと言われているね。私:すでに獄中にいる劉暁氏は6つの文章で懲役11年の判決を受け、服役中だ。 8月中旬の出版で、余傑氏にはどういう運命が待っているのかね。 氏の自宅前には公安車両2台が24時間態勢で張りつき、尾行されるという。 「天安門のパンドラ」と比較すると、20年前の天安門事件の頃の状況とあまり変わっていないようだね。
2010.08.08
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A氏:こないだ君のブログで沖縄の基地問題で沖縄に行った菅首相の「沖縄県民感情逆撫で発言」をとりあげていたね。 ところが、今朝の朝日新聞では、菅首相が広島の平和記念式典後の記者会見で「核抑止力は我が国にとって引き続き必要」と発言したと、大きく扱っているね。 核軍縮を結党以来叫んできた民主党の流れと逆行するだけでなく、「一方で核軍縮を言いながら、二枚舌を使うなんて情けない」と原爆被害者の感情を逆撫でしたような発言になったと報じているね。私:菅首相は、記念式の挨拶の原稿は忙しい国会の中、「原爆だけは例外」と自ら原稿に手を加えたいたという。 それなのに、よりによって、原爆忌に核兵器を肯定するかのような言い振りになってしまったと新聞は報じているね。A氏:言いたいことはわかるが、どうも「KY(空気が読めない)」癖があるようだね。私:今日は土曜日なんで、朝日新聞はbe紙がつくが、ここでは毎週、ユニクロの柳井正氏の「希望を持とう欄」がある。 今日は、見だしが「菅さんにはがっかり」となっているね。 柳井氏は、発言のブレをあげているね。 「消費税発言」も一貫していない。 「小沢さんには静かにしていた方がいい」と言いながら、今度は「会いたい」。A氏:そして小沢氏に一蹴される。私:柳井氏は、選挙で負けたのは、鳩山前首相からの発言に対する一貫性の無さだという。 氏は、今の民主党を見ていると、ポピュリズム、国民を馬鹿にした衆愚政治にしか見えないという。A氏:氏は「みんなの党」と連携するより、吸収してもらったほうがいいのでないかと厳しいね。私:菅首相は空気が読めないのでなく、何か一貫した政治的な信念が欠けているようだね。 9月の代表選でどうなるかね。 また、首相交代かね。 そうなると「菅さんにがっかり」ですまなくなるね。
2010.08.07
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私:今朝の朝日新聞では、所在不明の100歳以上の高齢者は49人と報じているが、テレビでは60人を超えたと報じているね。 今、自治体で調査中だから、今後増えるかもしれない。A氏:朝日新聞では不明の経緯を3つのパターンに分けているね。 1つは自治体が死亡・不在を知らなかったこと。 2つには、知りつつ住民票修正を怠ったこと。 3つ目には家族が警察への捜索願をしていたのを把握できなかったこと。私:しかし、この分類では原因として知りたい親子関係が出てこないね。 どうして親子関係が崩壊したのかだね。 こないだテレビであるコメンテーターが、日本は大家族時代を経て、高度成長時代の核家族時代となり、コミュニティの中心が会社になった。 それが崩壊して今、それを補うコミュニティがないとしているね。 30年くらい前に、ある中小企業では、社長は社員の墓場まで用意していたというくらい、企業一家だった例もあった。A氏:定年退職しても、終身雇用の大手の人は、同僚といまだに集まっているケースが多いね。私:しかし、会社がコミュニティになろうと、核家族時代となろうと、離れていても共通しているのは親子関係だね。 これは時代を超えて共通だ。 だから、未だに盆暮れには民族大移動で都会から親元のいる田舎に帰るわけだよ。 その視点から見ると、今朝の朝日新聞では「高齢者不明 見えぬ実態」とあるが、不明者の親子関係が見えないね。 親が行方不明でも捜索願いも出さなかったり、20年以上も会っていなかったりしても、平気だという原因だね。 それが見えないね。 俺は教育勅語12条を思い出したね。•1. 親に孝養をつくそう(孝行)•2. 兄弟・姉妹は仲良くしよう(友愛)•3. 夫婦はいつも仲むつまじくしよう(夫婦の和)•4. 友だちはお互いに信じあって付き合おう(朋友の信)•5. 自分の言動をつつしもう(謙遜)•6. 広く全ての人に愛の手をさしのべよう(博愛)•7. 勉学に励み職業を身につけよう(修業習学)•8. 知識を養い才能を伸ばそう(知能啓発)•9. 人格の向上につとめよう(徳器成就)•10. 広く世の人々や社会のためになる仕事に励もう(公益世務)•11. 法律や規則を守り社会の秩序に従おう(遵法)•12. 正しい勇気をもって国のため真心を尽くそう(義勇)A氏:当時は外国の評価も高かったというね。 戦後の反動でこれをすべて捨てたね。 しかし、内容はいいので、今も、教育勅語を教育理念の中に取り入れ、生徒に暗唱させている学校(南港さくら幼稚園)もあるという。私:いや、これだけでないね。 5か条のご誓文もいいことをいっているよ。<現代語訳>一、政治のことは、会議を開き、多くの人の意見を聞いて決めよう。一、身分に関係なく、みんなが心を合わせて、国の政策を行おう。一、公家や武士、庶民の区別なく、みんなの志がかなえられ、失望のない社会にしよう。一、これまでの悪い慣習をやめ、国際社会のルールに従おう。一、新しい知識を世界の各国に求め、国家の繁栄をはかろう。A氏:やはり、昭和は三島由紀夫の自刃で終わったのかね。 彼の予言を再度、載せよう。「日本はなくなり、無機的な、からっぽな、ニュートラルな、抜け目がない経済的大国が残るであろう」 マスコミも「何故、親子関係が断絶したのか」という観点から取材してほしいね。 あるいは、特異な現象であって、戦前もそういうケースがあったが、老人が急増したために表面化したに過ぎず、多くの国民の基本的な親子関係は崩れていないのかもね。 「雇用の常識『本当に見えるウソ』」の冒頭で「未成年による凶悪犯罪が昨今急激に増えている」という風説にのって「戦後の日本的道徳が乱れた」などというコメントが出ているが、著者は「データによると未成年の凶悪犯罪は激減している」と指摘しているね。A氏:高齢者社会を迎えたマスコミの騒ぎ過ぎかもね。私:ある外人のジャーナリストが、日本は安全な国だと聞いて来たが、毎日、日本のテレビを見ていると逆だではないかと言っていたという。 メディア・リテラシーを持たなくてはね。
2010.08.06
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私:昨日のブログで学校の英語教育のやり方を問題にしたんだが、何気なく、先週の日経ビジネスの最後の頁にある「有訓無訓」欄を見たら似たようなことが談話として書いてあった。 土屋了介氏は、国立がんセンター前中央病院長で現在は癌研究会顧問だという。 話題は、女性の子宮頚ガンのワクチン接種のことだね。A氏:早くからワクチン接種をすると約7割、子宮頚ガンを抑えられるということだね。私:そこで土屋氏は、ある中学校と高校にその話をして、続いて、その姉妹校もやろうかとしたら、姉妹校から「女子生徒たちに直接話すのはまかりならない」と拒否の回答だったという。 どうもワクチン接種を医者が「強制する」というようにとったらしいという。 そこから、氏が読み取ったのは、学校教育の場の先生と生徒の関係だね。A氏:なるほど、医者が客観的なデータの説明を教壇からしようとしても、それは「強制」だと先生が受け取ったわけだね。 はからずも、自分たちの教室での生徒との関係が「強制」関係にあることを暴露したというわけか。 土屋氏は、それを読み取ったのだね。私:ワクチン接種は副作用もあるから、十分な知識を持って女子生徒と家族で最終的に判断することだから、「強制」ではない。 世の中、赤か白かしかではない。 ンクもある。 本来、先生は赤と白という色が存在するという事実を教えて、それをどう混ぜるかあるいは混ぜないかは、生徒が悩みながら自分で決めていくべきだと氏は言う。A氏:受験のための勉強ではそれはだめだね。 正解は赤か白かの一つだからね。 それは先生が与える。 解答の「強制」だね。私:土屋氏は「最近ゾクッとした私の思いが、勘違いであることを祈るばかりです」と談話を締めているね。A氏:今、日本の経済は閉塞感に満ちているのは、人材が正解は1つで育ったせいかね。 君のブログにあるA+B=5式の自分で考える算数問題でなく、3+2=?という正解1の教育で育っているから、「知的体力」が育っていないのかね。 このグローバル化の時代に企業も「知的体力」がある人材がいないと新しいビジネスモデルなど期待できないね。 新市場も、それにしたがってできる新しい雇用も生まれない。 国の危機と教育者の危機感が一体化していないね。私:今朝の朝日新聞でこないだこのブログでもふれたハーバート大学のマイケル・サンデル教授のインタビューが載っているね。 氏の授業は、討論中心だね。 ハーバートはかなり前から、実際進行中のビジネス問題を討議するという、ケースメソッドというのがあるね。 過去の事例分析のケーススタディとは違う。 教授は、今月末来日して、東大の安田講堂で公開授業を開く予定だという。A氏:俺もこのインタビュー記事は読んだが、教授は、インタビューの最後でハーバード大の授業でも、アジア出身の学生は概しておとなしいから、東大生は活発な意見を言ってくれるか心配していたね。私:3+2=?式の受験勉強で鍛えられてきたからね。 A+B=5式の多様な解答がある授業についていけるかね。 どうなるかね。
2010.08.05
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私:楽天やユニクロの英語を社内公用語にするという企業の動きに並行するように、文科省も2013年から高校は「英語の授業時間は英語で行うことを基本とする」と指導要領を10年ぶりに改訂するという。 中学も授業数を増やすし、指導する英単語も増やす。 小学校も5年生と6年生で週1コマが必修になるという。A氏:それを受けて、今朝の朝日新聞では、「英語助手と話せぬ教師」と見出しのニュースで、今、教育現場で起きている問題と、オピニオン欄の争論「これでいいのだ 学校英語」をとりあげているね。私:「英語助手と話せぬ教師」というのは、外国語指導助手という制度があって、日本に来たネーティブスピーカーが雇われる。 問題は、コストの関係で、業務委託するケースだね。 その場合、教員がその助手と打ち合わせたり指示をしたりすると偽装請負となるというケースだね。 これが授業を円滑にすすめるための障害になっているということだね。 ニュースは小学校の例をあげているね。A氏:偽装請負とは製造業の問題と似ているね。 ばからしい制度でだね。私:オピニオン欄の方は、2人の大学教授が正反対の意見だね。 反対意見の大津由紀雄慶大教授は、英語の文法・解釈・作文によって、英語の言語構造をきちんと知ってからでないと、英語によるコミュニケーションを生徒にせよと言っても無理だという。A氏:一方、松本茂立大教授は、授業を生徒中心の英語のコミュニケーションの場にすべきで、英語で自分の意見を言う、英語でお互いに質問する、議論する、意見や感想を英語で書くという場にすべきだという。私:松本教授の言うような場にしても、英文法として間違った発言をしたら、そこで教師が訂正すれば、文法の勉強になるのではないかね。 先生が一方的にルールを教えるのでなく、「使わせて教える」ということではないかね。 受験英語の勉強の方法と全く違うがね。A氏:英語の文法・解釈・作文は基本だけれど、それをどのように教えるかだね。私:ユニクロでは英語はあくまでもツールだとしている。 道具の使い方は、使いながら、失敗もしながら覚える。 誰も最初から自転車に乗れない。 間違って運転して転んだりして体で覚える。 理屈がすべて先ではないね。 だから、両氏の意見は英語だけでなく、国語の授業にだって言えるね。A氏:塾のないフィンランドの学校教育は読書とその感想文を書かせることが中心だというね。私:好奇心を持たせて、自分で考えながら、知識を得るという方法だね。 「ケンカ読法」でなく「ケンカ学習」だね。 英語だけでなく、受験中心の学校教育が問われているのではないかね。
2010.08.04
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私:日本の消費税論の根拠に、「直間比率の是正」がよくあげられるね。 日本は直接税中心の税制で、間接税比率はイギリス、ドイツ、フランスの半分以下だというわけだ。A氏:この記事は俺も読んだが、20年経った今では、これらの国と大体、同じ比率になっているんだね。 10パーセントにすると主要国のトップクラスになるという。 原因は、直接税の中心となる所得税、法人税がピークに比べて半減以下になったことだね。私:それに、消費税を3パーセントから5パーセントに引き上げるときに、他の税負担が軽減された。 法人税もそうだし、相続税もそうだね。 相続税は激減した。A氏:富裕者優位の税制だね。私:日本では法人の7割が赤字で、法人税を払う企業も少ない。 これが日本の法人税の特徴だね。 かって、西武は法人税を払わないように、経費を増加していたようだね。 日本の企業は全体で約570万社。 しかし、従業員300人以下の中小企業が99.8パーセント。 100人以下の小企業は99パーセント。 このような企業では利益を出して税金を払うくらいなら、高級車を買って、経費で落として赤字にすることもバブル時代にはあったね。 筆者の言うように、消費税だけ議論するのでなく、税制全体の矛盾をなくす改革をすべきだね。
2010.08.03
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各地で大雨の被害や、ゲリラ的な大雨が報じられているが、7月の横浜は晴天の日が多く、夏の日が毎日照りつけていた。 昨日は、すこし薄曇りだったので、午後3時過ぎ、近所の自然公園にウオーキングに行った。 長く続く森の中の小道は、アップダウンしているが、緑のアーケードの下を歩くようで、日はささない。 湿度だけ高い。 柔らかい土の道は足にやさしい感じだ。 この暑いのに相変わらず、ウグイスの元気な声がする。 「春はウグイス」というが、別にウグイスは春とは関係ないようだ。 セミがまばらに鳴いている。 まだ、最盛期ではない。 リスが1匹、小道の横の棒に止まって、こちらを見ていたが、近づくとさっと近くの木の幹に跳んだ。 テレビでさかんに熱中症を警告しているので、小さなペットボトルに水を入れて、ときどき飲む。 昼なのに、遠くで、救急車のサイレンの音がする。 熱中症患者でも出たのか。 汗はよく出る。 Tシャツは、肩から胸にかけてビッショリである。 この姿では街は歩けない。 2時間ほどで家に帰り、シャワーを浴び、クーラーの風で体を冷やす。 酒好きは、ここで冷たいビールでも飲むのだろうが、酒好きでないのでそれはやらない。 今日は、天気予報では、午前中は曇で昼頃には晴れるというが、今のところ、雨が来そうな感じの雲が空全体を覆っている。 最近は予報も狂うことが多い。 それにゲリラ雨もある。 これから、出かけるが、折りたたみの傘は持って行ったほうがいいだろう。
2010.08.02
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私:見出しに「上」とあるから、来週「下」があるんだろうね。 「上」は短所の指摘から開始だね。 短所の第1は表示できないウェブサイトが多いことだという。A氏:小型の制限があるから、いろいろ制約があるんだろうね。私:重さも中途半端で、約700グラムでは持つ手が非常に疲れるという。 500グラムが限度だろうね。 落とすとこわれるので神経を使う。 パソコンなしでは写真の整理も不便。 バックアップにも問題があるという。A氏:読書好きの君として、本を読むにはどうかね。私:バックライトの液晶は目が疲れるという。 eインクを使ったアマゾンのキンドルのほうが、数倍疲れが少ないという。 ビジネス用としては、日本語環境が整っていないらしい。 エクセルを使っている人には完全互換アプリがないという。A氏:社内公用語に英語を使う会社が増加するだろうから、ビジネス用はそれでいいではないの。私:それにしても、俺はこの2年くらい、図書館派に移行しつつあるんだが、読みたい本は予約が集中するので、待ちが長いのが欠点だね。 俺のブログでは6月9日に図書館に追加予約した7冊のうち、2ヵ月近くたって順番がきたのがまだ、「天安門のパンドラ」の1冊だよ。その前の6月3日にまとめた予約した本の10冊のうち、順番がきて読んだのは「密約」「日本政治思想史」「アジアの隼」の3冊で、後は2ヶ月たつがまだ順番は来ない。 現在図書館から借りた本はすべて読了して手元になし。 予約待ちは13冊。 早く電子図書館ができないかね。 そしたら、キンドルを買うよ。
2010.08.01
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