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「はじめてのWii」には9つのゲームがあるが、最後のタンク破壊ゲームは、目の情報から頭を使い、左指はタンクの移動、右指は弾丸の発射を連動させるものである。 頭の体操になるが、あまりスピードを要求されないので、年寄りにはちょうどいい気分転換になる。 破壊台数累積219台まで来たとき、ブログに書いたのが、昨年の11月18日だ。 それ以降、なんべんも挑戦したが、この記録に届かない。 170台前後での敗退が続く。 特に、218台目まで来ると、敵として2台の黒いタンクが初めて登場するのだが、これが強いし、対応がなれないのでやられやすい。 昨日、ついに、217台までまた追い上げてきた。 いよいよ、黒タンクの登場段階が来た。 すでに、この段階に到達するまで小1時間ほどたっている。 そこで、少し落ち着くために、ゲームを一時停止にして、深呼吸をした。 これは、最近TV映画の「007シリーズ」で007が、パートナーに親の仇を打つときは、感情的になりやすいから深呼吸をしてから打てとアドバイスしているのを思い出しからかもしれない。 これは宮本武蔵が、仇討をする少年に「戦いの場に来たら、足元の蟻の数を数えよ」というアドバイスをしたのと同じである。 ゲームでも同じである。 鳩山首相も普天間基地問題で発言するときは、感情に走らず、その前に深呼吸してから発言すべきだったろう。 黒タンク2台の場面となったときの作戦をいろいろ事前に空想していたが、相手もやり方を変えてくるかもしれない。 あまり予測するとそれに縛られ、柔軟に対応できないかもしれない。 やってみるしかない。 ゲーム再開。 やはり、相手の黒タンク2台の位置が予想より変わっていた。 しかし、今度は対応がよかったのか、この2台を即座にやっつけた。 思わず、「ヤッタ!」と声が出る。 これでこのタンクゲームは終わりかと思ったら、また、次のシーンが出てきた。 どんどん、進んで、242台やっつけたところで、ついに力尽きた。 新記録であるが、半年かかっている。 孫は、このゲームは得意でない。 もっとスピードのいるゲームが好きで、これにはかなわない。 しかし、黒タンクを撃破したのには、「よかったね」と言って、「このゲームはエンドレスかもしれない」と言った。 人生の戦いと同じかもしれない。
2010.05.31
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わかる歴史・面白い歴史・役に立つ歴史私:どこかの書評で見て、題名にも引かれて図書館で借りたんだが、失敗したね。 書店で本を見て、少し立ち読みしてから買うのと違い、図書館での本との出会いは、図書館で本を手にして家に帰ってからだからね。 図書館の受け取り場所で立ち読みして、その場で返却するわけにもいかないしね。 予約で借りるには長所もあるが、これは短所だね。 この本の著者は、大阪大学の世界史の教授だそうだが、この本の半分は歴史教育の愚痴だね。 住む世界が違うのでほとんど読まなかった。 題名に反して、歴史がわかりもしないし、面白くもないし、役にも立たなかったね。 今日、図書館に返しに行くよ。A氏:酷評だね。 そう言えば、以前、高校での世界史の授業でごまかしがあったね。私:世界史は生徒にとっても面白くないのかもね。 まぁ、この本の後半で、東南アジア史という具体的例をあげ、詳しく書かれていたが、詳しいほど、わかりにくい。 そして愉快なことに、著者、一人が面白いと言っていることだね。 歴史の授業がこれでは、面白くなくなるのはわかる気がするね。 池上彰氏のような、わかりやすい歴史を教えられないものかね。 歴史学者には、一昨日の「読み解き『般若心経』」のように惹きつける表現力が必要だね。 それにしても、東南アジアというのは歴史的に見ても多様で複雑だね。 頭が混乱するね。 鳩山首相が「アジア共同体構想」ということを盛んに言っていたが、この複雑性を承知で言っているのかね。 後で、普天間基地問題で「抑止力について不勉強でした」と言ったのと同様に「東南アジアの複雑な歴史については不勉強でした」と言わないように、深く勉強して欲しいね。 もっとも、普天間問題で懲りて、遅ればせながら60歳代で、大きな挫折で学んだだろうから、これからは大丈夫かもしれないが、時、既に遅しかね。 本人は首相の座を降りたい気持ちかもしれないが、政権交代を放り出すわけにいかない。 ジレンマだね。
2010.05.30
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腹部の皮下脂肪が多い方に三九製薬 防風通聖散料エキス錠 120錠 (10日分) 【第2類医薬品】私:昨年の末あたりから、それまで同じ体重を維持してきたのに、2、3キロ程度増加傾向となってきた。 下腹が出てきた。 今更、メタボではないがね。A氏:何かあったのかい?私:どうも、外の用事が多くて、外食がおおかったこと、そのためウオーキングが少なかったこと、いろいろお土産などの貰いものが多く、お菓子類の間食が増えたせいかね。 そこで、4月はじめから、間食を一切やめた。 そして、前からTVコマーシャルでやっていた肥満症の漢方薬・防風通聖散を、商店街にある安売りドラッグで、衝動買い的に買った。 そんなに高価ではなかったと思う。A氏:君は別に肥満ではないだろう?私:その漢方薬の宣伝では、下腹が出ている肥満を解消できるとあったからだよ。 体重増加とともに、下腹と尻が出てきたからね。 ところがこの漢方薬を飲んで驚いた。 尾籠な話で恐縮だが、俺の便は基本的に今までずっと軟便だった。 それが急に固い便になった。 直腸を便が通過するときに、意識があるくらいだ。 だから、快便だね。 この急な変化には驚いた。A氏:その漢方の効き目かね。私:そして3度の食事はいつもの通りなのに、じわじわと体重が減ってきた。 下腹、お尻が小さくなってきた。 1ヶ月半くらいで、4キロくらい体重減。 体が軽く感じたね。 漢方薬は個人の体質によって効き目が違うというが、この漢方は俺の体質にはあっていたんだろうね。 もっとも、この漢方にはカンゾウが含まれているので、これは俺には要注意なんで、ある程度、効果が出たら、服用を制限しようと思っているがね。 一応のメタボ危機は脱したよ。
2010.05.29
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読み解き「般若心経」私:年をとると、気が若くても、肉体は確実に老いる。 いろいろなところが、今までにない異常な現象が出る。 最近、頭がかゆい。 どうもシャンプーのせいらしい。 しかし、弱酸性にしてもかゆい。A氏:一度、皮膚科にでもいったらどう?私:いや、行ってきたんだよ。 一応、ローションをもらってきたよ。 ところで、その皮膚科は混むので有名でね。 どうせ待つだろうと思い、この読みかけの「読み解き『般若心経』」を持って行ったよ。 2時間ほど待合室で待ったよ。 おかげでこの本を読了した。A氏:何頁くらいの本かね?私:200頁くらいだね。 しかし、字が大きく、経文が載っているから、詩集みたいな部分も多いので読みやすい。 なんで、俺が般若心経に興味を持ったかというと父母、近親者の葬式などで何回も聞いたからだね。 その意味を知りたいと、本やCDも買ったが積ん読だった。 それが、この本を図書館で借りて、読み出したら、吸い込まれるように、読み続けたね。 著者の伊藤比呂美氏は、50代の女性詩人で小説家だという。 アメリカ在住。 父母が熊本にいるので、ときどき、日本との往復がある。 そして、その母親の死を始め、いろいろな人の死にあう。 人生とは何か、死とは何か。 それを追求する中で、「般若心経」をはじめ、多くの経文に出会う。 自らの生活体験での疑問に合わせて、わかりやすく、経文を読み解いていく。 一気によんでしまったね。 きのせいか、頭のかゆみも消えたような気がしたね。 余命を数える年を迎えて、いい本に出会った感じだね。 勇気づけられた面もあったね。 「---- あるものはすべて『ない』のである。 『生きる』もない、『死ぬ』もない。 『きたない』もない、『きよい』もない。 『ふえる』もない、『へる』もない。 ----- 『老いて死ぬ苦しみ』もない。 『老いて死ぬ苦しみ』がなくなることもない。 ものを知らぬから老いて死ぬまで 人の生きる苦しみはいろいろあるけれども そのどれもない。 またその苦しみがなくなることもない。 ----- 心にこだわるものがなくなる。 こだわるものがなんにもなくなる。 だから。 恐怖を感じることもなくなる。 ---- 般若心経でした。」
2010.05.28
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私:こないだの「日本で一番早い平成史」の中で、森達也氏が、マスメディアの嘘を見破れる「メディア・リテラシー」にふれていたね。 そのためか、この朝日新聞のGlobeの「真実を見抜き、予見をするためには」という見出しの記事があったのに引っかかった。 アメリカでは、子どもの頃から自分で考え、判断し、行動する大切さを教えられる。 マスメディアを信じないわけではないが、鵜呑みにしない人もいる。 まわりから白い目で見られようとも、自分の信念にしたがって生きる。A氏:それが、なんでニューヨークのベストセラーと関係するかね?私:2008年秋の金融危機で、大手証券会社などが多額の損失を出した際に、逆に巨額の利益を得た人々がいた。 その人々のことを書いた「ショート」という本がベストセラーの一位となっているというのと結びつくわけだ。 「ショートThe big short」のショートとは「空売り」のこと。 彼らは、サブプライムローンの危機を予測して、「空売り」で儲けた。 興味深いのは、危機を予測した人々は、周囲から見れば「変わり者」だったという。 逆に、ウオール街で世間的には「優秀」だとみられていた人々が、いかに愚かだったということがわかるという。A氏:「メディア・リテラシー」を得るには、やはり、自分の信念をしっかり持って生きていないといけないということかね。私:「変わり者」と言えば、モルガン・スタンレーのスコット社長を連想するね。 アメリカの2001年の9.11同時多発テロで、貿易センタービルが倒壊し、多くの死者を出した。 しかし、南棟のモルガン・スタンレーの社員2700人は、最初の航空機の直撃から、すぎに非難を開始し、2機目がこの南棟を直撃するまでの15分の間に、ほぼ全員がビルから退避したという。 貿易センタービル内で、このような緊急事態に備え、定期的な避難訓練を社員に義務づけていたのは同社だけであったという。 これは、同社のスコット社長の強いリーダーシップによるものであり、しかも、緊急事態に備え、予備のオフィスを3つ確保していたという。 だから、テロが起きても、予備のオフィスに移動して、平常通り業務は継続されたという。 9.11までは、スコット社長のこのような緊急事態への対応策は「変わり者」がやることだと思われていたが、9月12日以降は、天才的な対応策であると評価されたという。 しかし、その7年後の金融危機で、スコット社長がどのように対応したかは知らないがね。 そう言えば、9.11同時多発テロにからむんだが、ベストセラー第10位に、「アメリカの陰謀」というのが登場している。 いろいろなカネと権力がからんだ事件の裏をさぐっているものだが、9.11同時多発テロもブッシュ大統領の自作自演の可能性すらあるという。 この記事の筆者は、「カネと権力がからむと政府は時には嘘をつく。 それをいち早く見抜けるのは、自分の信念にしたがって生きる者たちかもしれない」として締めているね。
2010.05.27
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もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら 私:1年に1回、全国に散らばっている大学工学部の同窓会をやるんだが、もう、大多数は、定年で、余生を送っている。 皆、技術者として定年まで勤めたが、俺は異色で、若い時から、マネジメント畑に踏み込んだ。 昨年の同窓会で地方に引き込んだ同窓生が、地方の町野球のマネージャーをやっていたという話をしていた。 彼は別に野球が得意ではなかったので、地域社会のお付き合いで引き受けたのであろう。 俺はそのとき彼に「アメリカの野球では、マネージャーは監督のことだ」と言ったら、ちょっと意外だったようだった。 監督としては昔、野球選手だった中年の男が別にいるからだ。 彼は、マネージャーはアメリカでは監督だということにピンとこなかった。 俺は説明しようと思ったが、ちょっと、同窓会の酒の席では説明がむずかしい。 そのまま、別れたが、気になっていたところで、この本の書評を見た。 早速、彼に連絡したら、読んでみるという返事が来た。A氏:俺も技術系だが、なるほど、日本の高校野球でのマネージャーというのはどちらかというと雑用係だね。 女子学生がやっていることが多いね。私:この本は、実は、著者自身がその英語のマネージャーの意味の違いに疑問を持ったことから出発しているんだね。A氏:ドラッカーと言えば、「経営学の父」と言われている人だね。私:主人公の公立高校の野球部女子マネージャーが、書店で、つい「マネジメント」という言葉に釣られて、ドラッカーの本を買ってしまう。 最初は、意味がわからないが、次第に理解して、野球部の活動に応用して、ついに甲子園出場まで成果をだすというストーリーだね。A氏:マネジメント畑の君にとって、文句はあるかね。私:最初に、ドラッカーが「組織の目標には顧客を明確にすること」と言っているのに対して、主人公の女性マネージャーは「野球部の顧客と誰か」と悩む。 プロ野球では観客やファンであることは明快だがね。 主人公は最後に野球部員を顧客だとするんだね。 これはおかしいと思ったね。 野球部という組織は、学校教育の一環として存在する。 それは学生の教育の一環であり、野球部員もそうだが、学費を出す学生の親も顧客だね。A氏:この本の野球部の顧客の定義が正確でないということか。 最初から、ボタンの付け間違えかね。私: そして、顧客である選手の要望を聞くことを顧客のマーケッティングとしているが、親のマーケティングも必要だろうね。 それが出てこない。A氏:顧客が親だとすると、モンスターペアレントを含まれるのかね。私:その子どもが野球部に入っていればね。 経費のやりくりもマネジメントの重要な要素だね。A氏:甲子園出場を目指すというが、出場となると、交通費、宿泊費などの予算も立てないといけない。私:それがマネジメントでは重要な活動だね。 それがこの本では一切出てこない。 昨日の桑田真澄選手が批判した暴力的な高校野球の「飛田野球」の話もない。 暴力的な野球の練習を親は認めているのだろうか。 そこまで書くと、教育論をテーマにした大小説になってしまうね。 しかし、顧客が高校生であり、その親だとすると、野球部のマネジメントは自然に教育論になるはずだね。 まぁ、そういう深刻な話にしていないので、気軽に読めたが、マネジメント畑専門の俺にとってはムダな時間をつぶした感じだね。 今、この本はベストセラーで、その影響で、ドラッカーブームだという。 ドラッカーの本がよく売れているという。 底が浅い世の中になったね。 ドラッカーを尊敬して、それによって、成功しているユニクロの柳井正氏が書いた「わがドラッカー流経営論」のレベルでないと読む価値はないだろうね。 柳井正わがドラッカー流経営論
2010.05.26
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私:武芸家の甲野善紀氏は、人の身体能力は奥が深いから、その能力を発揮するには知的な工夫が必要だという。A氏:それは甲野氏を中心にした日本人の身体能力知的街道になっているね。 中村明一氏「『密息』で身体が変わる」、養老孟司氏・スマナサーラ氏対談「希望のしくみ」、「密息」「骨盤後傾」とサッカーW杯?、 斉藤孝著「身体感覚を取り戻す:腰・ハラ文化の再生」、斉藤孝「呼吸入門」、 矢田部英正著「椅子と日本人のからだ」、愛国心と身体文化、甲野善紀・田中聡著「身体から革命を起こす」、「孤塁の名人:合気を極めた男・佐川幸義」1、2、「『気』西野流呼吸法」、「体が変わる!『きくち体操』」、 「響きあう脳と身体」甲野善紀・茂木健一郎対談、1、2私:甲野氏は、スポーツにも個性的な工夫を尊重する。 だから、怒鳴る高校野球に大いに批判的だ。 しかし、怒鳴る高校野球が支配的なので、甲野氏のやり方を取り入れようとすると、当然、まわりから抵抗勢力の圧力がかかるらしい。A氏:プロ野球の巨人にいた桑田真澄投手は、巨人にいた頃、甲野氏の指導を受けたことがあり、同じように怒鳴る高校野球には批判的だった。私:この朝日新聞の記事によると、どなる高校野球は飛田穂洲の「野球道」からきているのだという。 俺たちの高校時代にはたしか、バッティング理論でよく聞いた名前だね。 しかし、「野球道」で高校野球では有名だったらしい。 それは「精神の鍛錬」「練習量の重視」「指導者や先輩への絶対服従」でサムライ野球だが、これには、なぐるなどの暴力や暴言を伴う。 桑田選手もグランドで殴られない日はなかったという。 PL学園時代、同級生で1年生から4番に座った清原和博はホームランを打つたびに、「また先輩からしばかれる」と泣きながら塁を回ったという。A氏:戦後も、日本陸軍のピンタが残っていたんだね。私:その桑田氏が早大大学院社会人1年制コースを首席で卒業。 最優秀論文を受賞したのが「『野球道』の再定義による日本野球界のさらなる発展策に関する研究」だという。 体罰という暴力。 汚く罵る監督やコーチや先輩の言葉の暴力。 一種のいじめだね。 この全否定だね。 桑田氏は、この論文をかくために、現役のプロ野球選手270人からアンケートをとったが、体罰経験が半数くらいあるし、多くの選手が体罰を容認しているという。 根強いね。 桑田氏の論文による提言は、これらの「絶対服従」から脱却し、「指導者と選手のリスペクト(尊敬)」を中心に据えるべきだという。A氏:大相撲では「かわいがり」で死者まで出したしね。私:この新聞記事では、桑田氏と甲野理論との関係にふれていないが、日本の高校野球界にも「政権交代」が起きるだろうかね。
2010.05.25
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私:こないだ用事で東海地方に行って、ホテルに泊まったとき、ホテルに無料のインターネットルームがあり、ノートパソコンが2台あった。 そこで、ブログを書いたよ。 ノートパソコンやモバイルを持参しないですむから便利だね。 そしたら、用事先の人がそれを聞いて「クラウドコンピューティングだ」と言っていた。A氏:データセンターをインターネットで使うから、利用者は高性能や大容量のパソコンを持つ必要がなくなるんだね。私:この新聞記事の欄の隅に「クラウドコンピューティング」の用語解説が載っていたが、クラウドを「雲」のことと説明していた。 俺は、最初、クラウドは「雲」のクラウド「cloud」でなく、「人ごみ」のクラウド「crowd」だと思っていたよ。 データセンターに多くの見知らぬ人が集まるからね。 ところで、岸博幸氏は、もと通商産業省の官僚で、竹中大臣の政策秘書官をやっていた。 当時は「ネット万歳派」であったという。 今、ネット帝国主義を警告するのは、自分の過去への反省もあるという。A氏:ネット帝国主義というのは何かね?私:グーグル、ヤフー、アマゾン、ツイッターなど、われわれが、ネットでよく使うサービスの大半はアメリカ企業が提供しているが、これが世界規模になり、世界中の人がこれに依存しないでいられなくなった。 結果として、ネット上では米企業にお金を吸い上げられる仕組みが世界的にできた。A氏:ネット帝国主義はアメリカ・ネット帝国主義だね。 金融帝国アメリカが崩壊したと思ったら、今度は別の帝国主義かね。私:情報はこれらアメリカ企業が持つから、情報の安全保障の問題もからむ。 また、彼らはネットに載せるコンテンツ(中身、内容)を自前で作らず、利用者が無料で見られるようにすることで成長した。 これが、コンテンツ産業が疲弊する原因となっているという。A氏:金融同様に、市場の規制が必要なのかね。私:ヨーロッパでは規制の動きがあるという。 やはり、「タダほど、高いものはない」のかね。 要注意だね。 日本政府もアメリカに独占されないように、この成長分野に振興策を打って欲しいと岸氏は提言しているね。
2010.05.24
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私:地球温暖化がどうもあやしいと思い出したのが、02年頃だね。 このブログでは、08年3月から地球温暖化知的街道がスタートして、マスメディアに騙されないように、違った視点で情報をまとめてきたね。A氏:以下のようなものが知的街道に連なっているね。「環境問題はなぜウソがまかり通るのか2」、1、2、3、「地球温暖化の陰に原発推進論」、「ほんとうの環境問題」、「地球温暖化キャンペーンの欺瞞」、「環境問題はなぜウソがまかり通るのか」、「恐怖の存在」、「地球はこれから寒冷化する」、地球環境についての社説コメント、「環境危機をあおってはいけない・地球環境のホントの実態」、「1秒の世界」、「『地球温暖化』論にだまされるな!」1、2、3、私:武田邦彦氏は、昭和時代の環境破壊が「リアル」だったのに対して、平成時代は大きく変わり、環境破壊が「創造されたもの」になったという。 「創造されたもの」というと聞こえはいいが、「意図的に作られたもの」と言った方がいいかもね。 それは平成の時代が変化のときであり、そのキーワードが「停滞」「幻想」「国際化と混乱」の時代であるということと符号しているという。A氏:昨日のマスメディア論の森達也氏の言葉だと「仮想敵」だね。 マスメディアは「仮想敵」を作りたがるから、環境問題も「メディア・リテラシー」が必要だね。私:昭和の後半は、高度成長期の負の部分が出てきて、水俣病などの公害がリアルに発生した。 そして対策が行われるが、平成時代には、そのリアルに起きた公害や環境破壊から、予測が始まる。A氏:「仮想敵」だね。私:これにマスメディアがからむ。 平成19年にNHKは特集番組を何回も組み、「南極の氷が減っている」と報道したが、IPCCの年次報告書では、「温暖化で南極の氷は増える」とあるそうだ。 武田氏は現在の「創造型(幻想型)環境破壊」は、それ自体が事実ではないので、時代の変化とともに、消滅するだろうという。A氏:エコポイント、エコ減税で騒いでいるが、それが終わると熱気は一挙にさめるかもね。私:武田氏は、それは平成30年頃であり、環境という点では、一度、平成の時代は終焉するだろうという。 この本の最後では、TVの政治問題の解説によく登場する有馬晴海氏が「政治」について書いているが、この時点では、まだ、民主党政権になっていないね。 一応、今、問題になっている小選挙区制の弊害、政党交付金を個人への交付金に変更することを提案している。 世襲議員の問題は、政治を停滞させることになっているからね。 ここ数年、安倍、福田、麻生、鳩山と続いた政権は、首相の祖父か父が首相だという異常さは、先進国の政治史にはないのではないの。 できるだけ、そういうしがらみに縛られない人が政治に参加すべきだという考えだね。 平成の時代に政権交代があったけれど、その後の政治とカネ問題、普天間問題で平成史の視点からは「政治」はどう変わるだろうかね。
2010.05.23
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私:この本の「報道」のところで、森達也氏が、「メディア・リテラシー」という言葉をとりあげている。 メディアを視聴する側が「メディアの真実を見抜く目」という意味で使っているようだね。A氏:最近、口蹄病問題で、外遊していた赤松農相が外遊先でゴルフをいていたという報道があったが、後で、事実でないとわかり、裏をとっていなかったとTVでアナウンサーが謝っていたね。 例の冷凍餃子問題も、日本では注射器の後が無いと言っていた。 それが、中国では、犯人が注射器で農薬を注入したと言っていたんで、また、中国のでっち上げた言い訳かと思ったら、日本の警察で再検査したら、注射器の針らしい穴があったというニュースがあったね。 日本警察の失態だね。私:ところで、マスメディアで問題になるのは、ラジオと映画、最近ではテレビやインターネットだね。 それ以前は、文字を書類で読む時代だから、「識字能力」がありこれを読む人は限られていて、圧倒的な少数派だったね。 ところが、1920年から30年代、ラジオや映画などの「識字能力」が不要なメディアが生まれた。 そして、これによって、多くの人が殺された。A氏:ファシズムの誕生のことかね。私:森氏は、ファシズムという政治形態が、日本、ドイツ、イタリアなどで同時多発的に歴史上に登場するのは、1920年から30年代で、この時代以前に、ファシズムは歴史に登場していないという。 ファシズムとマスメディアは車の両輪だ。 ドイツでは、国民の多くはナチスとヒトラーに熱狂し、ファシズム体制を選択した。 この裏には、選挙制度の定着があるね。A氏:その後、マスメディア側も自制するようになったのではないの?私:森氏は、1994年のルワンダの大虐殺の原因として、扇動ラジオの存在を指摘しているように、依然としてメディアの恐怖は存在するという。 アメリカのジャーナリストが初めて日本に来て、テレビや新聞などの報道に接したとき「日本は治安が良いと聞いていたのに、いつの間にか治安が悪くなったのか」と聞いたという。 事実は今、現在の日本の治安は戦後においてもっとも良好な時代だ。 彼はそれに気がつき、日本のマスコミの取り上げ方を問題にしていたという。A氏:前に、教科書問題で、沖縄県民11万人があったね。 今度の牛の口蹄病の取り上げ方もなんかおかしいね。私:森氏は、メディアは「仮想敵」を作るという。 今度の口蹄病の「仮想敵」は誰かね。 赤松大臣がなりそうになった。 「仮想敵」は誰かをイケニエででっち上げる。 今の時代こそ、マスメディアに騙されない「メディア・リテラシー」が必要なときはないという。 それが不首尾に終わるなら、近い将来に人類は、氷河期や宇宙人の襲撃や隕石の衝突などの理由でなく、メディアによって滅ぶだろうと森氏は最後に締めくくっている。 今の環境ブーム、エコブームも何かおかしいね。 これもマスメディアによるファシズムではないの? 明日は、そのエコブームに警鐘を鳴らしてきた武田邦彦氏の話題に移ろう。
2010.05.22
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私:三浦展氏は、仕事の成果で所得に差があることは否定しないが、それが格差問題になるのは、子どもに再生産される場合と、競争に負けた者に十分なセーフティネットがなく、また、再チャレンジを促進する制度が準備されていない場合であるという。A氏:その意味では、「小泉・竹中改革」は完全に不十分だね。私:セーフティネットは、改革を進める前に周到に用意されているべきものだね。 ところが、「小泉・竹中改革」は、急いで離陸しないと間に合わないとして、救命胴衣のないまま性急に飛び立ったようなものだという。 しかし、三浦氏は、非正規雇用者の多様な価値観に注目する。 団塊の世代の子どもたちは、子ども時代から豊かな消費生活を享受してきたので、社会人になると、それを失うというネガティブな見方しかできないという。A氏:失業しても、農業、林業、介護などに進んで挑戦しないんだね。私:小林多喜二の「蟹工船」がベストセラーになったりしたが、今は50年前の「資本対労働者」の図式が復活しているのでなく、50年前と違い現在は労働者側の意識や価値観が変化し、多様化しているという。 ユニクロの地域限定社員という正社員制度や、ロフトの「月20時間労働でも無期雇用の正社員になれる制度」を例としてあげている。 そして、いたずらに企業と労働者を対立させて考えるのでなく、百年に一度の危機ならば、今こそ、一丸となって危機に立ち向かうべきだとしている。A氏:そういう経営者だけではないだろうがね。私:すでに「アンダークラス」という層や子ども世代の固定した格差が拡大している。 三浦氏の見方は「平成史」としては甘いのではないかね。 この本は、8つのテーマをそれぞれの識者が担当して執筆しているが、一番、フレッシュに感じたのは、「報道」を担当して執筆している森達也氏のところだね。 これはちょっと長くなるから、明日のテーマにしよう。
2010.05.21
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私:「成長神話の崩壊」から始まった知的街道だね。 この本は、「成長神話の崩壊」のTV番組で出ていた小幡績氏を検索して、この本が得られた。 昨年刊行の本のせいか、図書館で予約者ゼロですぐ借りられた。 経済、教育、雇用・暮らし、宗教、女性、報道、環境、政治の8分野を担当して執筆した8人の共著だね。 ゴマブックス編集部の企画らしいが、平成の日本の過去と、現在の閉塞感からの脱失を考えようというものだね。A氏:昭和天皇が逝去されたのが、1989年1月7日。 1月8日、昭和から平成に改元。 早くも翌年からバブル経済崩壊が始まり出す。 その後、日本経済は一喜一憂を繰り返すが、2008年9月のリーマンショックでまた、大きな危機にぶつかるとうことかね。私:8人の人に共通するのは、閉塞感脱却の効果的な処方箋がないことだね。 それほど、現状は、かっての高度成長期と違い、先が見えない深刻な時代になったと言える。 唯一、教育問題を担当して執筆している和田秀樹氏が「義務教育の全寮制」を提案しているが、これは、実行はなかなか難しいだろうね。 「失われた10年」というのは、1993年から2002年までの10年間をいうらしいが、途中の経済回復は本物の回復でなく、今は「失われた20年」と言われているね。 まず、「経済」を担当して執筆している小幡績氏は、1980年代前半のオイルショックのときに、高度成長期に作り上げた経済体制モデルから、新しい経済モデルに転換しなくてはならなかったのが、転換が大きく遅れているのが行き詰まりの原因だという。 遅れの原因は、バブル崩壊のとき、「我慢していれば、すべてのものはいつか再び戻るだろう」と思っていたせいだという。 地価や株価の下げだけでなく、すべての経済システムは、もとに戻って、うまく回り始めると思っていた。 だから、政府の経済政策は常に「景気回復」。 全力で財政出動をして、公共事業と交付金をばら撒く。 平成の20年間を振り返ってみると結局、経済全体として、新しいシステムは存在していないという。 著者は「現在の閉塞した経済情勢を打破する方法はありますか」という質問を受ける機会が多いという。 そのときの著者の提言は「打破するのを諦める」ことだという。A氏:水野和夫氏の「動かない」と似ているね。私:必要なことは、GDPを押し上げることではなく、雇用の確保だという。A氏:ハコよりヒトだね。私:問題はそのヒトだね。 「教育」がからむ。 「教育」問題は、和田秀樹氏が担当して執筆しているが、教育の格差が拡大してきていることを問題にしているね。 「団塊の世代」は大学も少なかったので、学力の競争は激しく、学力格差はあまりなかった。 すなわち、エリートと非エリートの学力格差はあまりなかった。 それが、その後、少子化と大学の増加で、勉強しない層が拡大してきた。 これが平成の「教育」の大きな特徴だ。A氏:「名ばかり大学生」の出現だね。私:だから、エリートと非エリートの学力格差が拡大し、エリートは勉強し、努力しない非エリートを見下すようになる。 そういえば、こないでNHKのニュースで、今年、就職できない大学生が8万人もいるということで中学生が議論していたが、番組の予想では「社会が悪い」「政府が悪い」という結論が多いと思ったら、「大学生も努力していない」という批判が多かったね。 そして「そのような大学生にならないように、中学、高校のときから努力する」という発表を中学生がしていたね。 いずれにせよ、学力格差をなくすには、子どもが育つ家庭の格差をなくさないといけない。A氏:そこで、和田秀樹氏が「義務教育の全寮制」を提案しているわけか。私:すぐに実行できないだけに深刻な問題だね。 明日は、同じ格差問題だが、雇用の格差に話題を移そう。
2010.05.20
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今日、用事で会った40歳代の人が、先週、中国に行ってきた話をした。 中国と言っても広い。 彼は、仕事で大連に行き、その後、観光で飛行機で2時間ほど乗って北京に行ったとのこと。 大連は、まだ、昔の日本都市的な面影が残っていたらしいが、北京はオリンピックのせいか、すっかり近代的な都市になっていったようだ。 北京に行けば万里の長城はすぐだ。 万里の長城の大きさには感嘆していた。 私は、30年ほど前に万里の長城に行ったことあるが、トイレが汚かったという印象があり、有料トイレを使った記憶があるが、今は綺麗だと言う。 どんどん変わりつつあるようだ。
2010.05.19
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昨日、東海方面に用事で来た。 上空に雲一つなく、富士山が五合目あたりから頂上まできれいに見れた。 それより下は、霞のような雲が漂っていた。 まだ、五合目あたりまで雪がきれいにかぶっていた。 夕方、ホテルに入る。 以前、仕事で関係していた自動車部品を作っている中小企業の幹部の現役の人たちと夕食。 夕食の雑談で、その会社の幹部の人から、ゴールデンウイークは、社員旅行で中国に旅行したという。 そして、そのスケールの大きさに感嘆したと話していた。 その中国と相手に競争するのは大変であることを実感したようだ。 社員旅行にハワイなどに行くよりは、はるかに有意義であろう。 私が中国に行ったのは、1980年前後であって、その頃の中国はまだ、大きく産業が遅れていた。 この30年ほどの中国の躍進は話で聞くだけでもすごいものである。 一度、行ってその変化をこの目で確認してみたいものである。
2010.05.18
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組曲虐殺私:井上ひさし氏は今年4月に76歳で急逝された。 当時の新聞広告に、この本の広告が出ていた。 小林多喜二を扱った戯曲だとあった。 図書館の検索にはない。 調べたら、集英社の月刊誌「すばる」の今年1月号に掲載されていた。 これを図書館から借りたよ。 集英社は、井上氏が逝去されたので、5月に単行本にしたようだね。A氏:「蟹工船」を扱ったものかね。私:それが読んだら、違うんだね。 舞台劇では難しいだろうね。 多喜二の生い立ちが出だしにからむが、特高警察につきまとわれ、最後は地下にもぐる生活などが中心だ。 取調べのシーンはあるが、拷問などのシーンはない。 これも舞台劇にはなじまないだろうね。 最後は、多喜二がなくなった後のシーンで終わっている。 多喜二担当の2人の特高も戯画化されているね。 彼らも個人としてみれば、貧しい官吏だね。 それも井上氏は描いている。 この戯曲の初演は、東京で2009年10月とある。 「ムサシ」が同じ09年の初演だから、この「組曲虐殺」が戯曲では最後ではないのかね。A氏:井上氏は徹底した「天皇制反対」論者だったそうだね。私:この戯曲でも、多喜二の「蟹工船」から「カニ缶詰の献上品に『石ころでもいれておけ!かまうもんか!』」という漁夫の言葉を引用しているね。 しかし、文化功労者を辞退せず、その後天皇主催の茶会に出席したり、反体制文学者が辞退した藝術院会員になったりしたので、一貫していない姿勢を批判された一面もあったようだね。 ご冥福をお祈りします。
2010.05.17
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私:井上ひさし氏が亡くなった直後、新聞で「蟹工船」をもとに書いた戯曲「組曲虐殺」が新聞広告で出ていた。 早速、図書館を検索したがない。 そこで、図書館にあった「ムサシ」を借りることにした。 前にリストアップした図書館予約14冊中の1冊だね。 これで6冊目読了。 「ムサシ」は劇の脚本だね。 脚本を読むのは初めてだ。 偶然、本を読む前にWOWOWか何かで、この舞台劇を紹介していたのを見た。 主役の宮本武蔵役の藤原竜也と佐々木小次郎役の小栗旬の座談や、演出の蛭川幸雄氏のインタビューもチラッと見た。 井上ひさし氏が、まだ元気な姿で演劇のリハーサルでしゃべっているところも出ていた。 しかし、舞台劇そのもののTVは見ていない。A氏:武蔵と小次郎の巌流島の決闘から始まるようだね。私:そうだね。 吉川英治の「宮本武蔵」は巌流島の戦いで終わっている。 しかし、この舞台劇は、その巌流島の対決シーンから始まる。 そして主題は、その6年後の物語だね。 吉川英治の「宮本武蔵」をうまくひねって、人が死ぬという無意味さをテーマにしている。 TVで紹介している時の井上ひさし氏がそんな話をしていたので、大体ポイントはわかっていた。 吉川英治の「宮本武蔵」を読んでいる人には、この小説から引用しているセリフがわかるから面白いね。 この脚本を見ながら、TVの舞台劇を見たら、楽しめた舞台劇になると思ったね。 俳優が脚本をどのようにこなして演技するか、演出家がどのように、脚本を料理するかが、興味があるね。 脚本を読む面白みがわかってきたような気がする。A氏:そう言えば、今月の「文藝春秋」(6月号)に「追悼・こまつ座が見た井上ひさし」というタイトルで座談会の記事があったね。 井上氏は、舞台稽古を見にくるが、演出については、演出家任せだったというね。私:氏は俺たちと同世代だね。 氏は、戦争中はお国のために20才までには死ぬだろうと自然に思いこんでいたという。 氏の戦争責任の考えをこのブログでとりあげたが、氏は、大人が東京裁判に無関心だったのは、戦争は裁判されている戦犯の責任としたためで、一部の人に責任を負わせ、遁走したのだという。 氏は、東京裁判はその「線を引く」ことだったという。 氏は、東京裁判の3部作では「あのときはしょうがなかった」「ああいう時代だった」というところを突きたいということらしかった。 井上ひさし氏の知的街道として、小林多喜二の「蟹工船」を扱った戯曲「組曲虐殺」を図書館から借りられたので読む予定だ。 しかし、東京裁判3部作はついに未完成で終わったのだろうか。 探してもなかったね。
2010.05.16
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海を渡る“土兵”、空を飛ぶ義和団私:中国は、ついに上海万博まで成長してきたが、この百年は大きな変革の歴史だね。 俺は、中国の最期の王朝である清末期の西太后の頃の西欧の列強の侵略に興味があって、浅田次郎の「珍妃の井戸」を読んだ。 その関連で、この本もどこかの書評から興味を持って、図書館に予約したよ。 こないだの図書館予約14冊のうちの1冊だね。 これで5冊目だ。 著者の吉澤南氏は、この本をほぼ書き上げた頃、亡くなっている。 遺稿だね。 義和団事件が問題になるのは、丁度、1900年だね。 年が覚えやすい。 今更ながら、驚いたのは、この頃、中国には列強が清を食い物にするためにひしめいていた貪欲さだね。 そして義和団に対抗するために、列強8ヶ国が連合する。 歴史始まって以来のグローバルな連合軍だね。A氏:8ヶ国というと---。私:イギリス、フランス、ロシア、ドイツ、オーストリア、イタリア、日本の8ヶ国だね。 義和団は最初、反キリスト教運動が絡んでいたので、日本は他の列強と違って、キリスト教国家でないので、参加には消極的だった。 それが、途中で、積極的に参加するようになる。 理由は、列強に一人前としての仲間入りをしたかったからだね。A氏:1900年だとすると、日露戦争は1904年だから、当時は、まだ、日本は国際的に一人前として認められていない面があった頃だね。 日本は必死に一人前として扱ってもらうように努力するわけだ。私:驚くのは、列強の兵隊のグローバルなバラエティだね。 当時は、日本を除く列強は世界中に植民地を持っていたから、その植民地の土着の兵を派遣してくる。 例えば、イギリスはベンガル歩兵、ボンベイ歩兵、シーク歩兵、パンジャーブ歩兵、グルカ・ライフル歩兵などだね。 フランスもアルジェリア歩兵、ベトナム歩兵がいる。 その他の国も同様で、人員だけでなく、軍艦をはじめ、武器、弾薬、食糧などの物流が世界規模で移動した。 物流のネットワークは次のように世界を股にかける。 イギリスは、天津本国イギリス→南北アフリカ→中東・スエズ→インド→オーストラリア→シンガポール→香港→天津のネットワーク。 アメリカは、本国アメリカ→キューバ→中米・南米(パナマ)→太平洋諸島→マニラ→天津 フランスは、フランス本国→北・西アフリカ→中東・スエズ→トンキン(ハイフォン)・サイゴン→天津 ロシアは、本国ロシア→地中海→中東→中央アジア→シベリア(シベリア鉄道)→ウラジオストク→旅順・大連→天津 ドイツは、本国ドイツ→アフリカ→中東→太平洋諸島→膠州湾(青島)→天津A氏:まさにグローバル経済のはしりだね。私:この頃、電信・電話網も整備されたから、今のグローバル経済のIT効果と同じ役割を果たしたね。 この本は、連合軍の北京占領(西太后の北京脱出)までは著者が亡くなったせいかでふれていないが、それまでの経過は実に詳細な資料に基づいての説明だね。 しかも、ときどき、わかり易い説明を加えているのでスラスラ読めた。 惜しい人を失ったと思うね。 それにしても、中国は、このような欧米列強の侵入から、100年を超える歴史が過ぎて、1997年の香港返還で屈辱の欧米列強からの侵入の負の遺産解消の幕を一応、閉じることができたね。 中国には沖縄問題はなくなったね。 まだ、独裁国家という問題はあるが、上海万博まで来て、とりあえず大きな前進だね。
2010.05.15
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私:「日本人論」で日本人の特殊性にふれたが、そのとき「文藝春秋」6月号のオシム氏の寄稿の中に、日本のサッカー選手の特徴にふれていたのを載せたね。A氏:オシム氏は、外国選手と比較して、日本選手は自ら判断すること、リスクをおかすこと、責任をとることを回避する傾向があるというわけだね。 他人の判断に従属し、責任の所在があいまいでリスクを冒そうとしないと指摘している。私:そしたら、今朝、朝日新聞を読んでいたら、岡田監督の対談シリーズを見つけた。 今日で9回目となり最期だという。 今まで気がつかなかった。 ここで岡田監督は「日本人論」の視点から興味あることを言っているね。A氏:朝日新聞のサッカー欄だね。私:岡田監督がイタリアとオランダの親善試合の映像を後から見ると、戦術的には日本とそっくり同じ。 何が違うかというと、単純にボールを詰めるとき、日本人は2メートルぐらい前で止まる。 しかし、イタリア人は取る気でスパッと相手に行く。 取れないけれど、相手が怖がりながらプレーするためにミスを呼び込めるという。A氏:選手の闘争心のレベルの違いかね。私:テクニック以外の何か人間的な根源が違うのかね。A氏:肉食人種と草食人種の違いかね。私:それにしても、今度のサッカー選手の選抜で、おとなしい選手が多いとセルジオ越後さんが酷評しているのは、気になるね。 おとなしいというのはなんで分かるのかね。 俺たち世代は野球世代だからよく分からないがね。
2010.05.14
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私:普天間基地問題では、俺は基地をどこにするかということより、鳩山首相の言動に目がいってしまうね。 鳩山首相は、今年、63歳かね。 一人の人間として成人していないのに、首相になってしまったという感じだ。 利害関係が複雑な交渉では、決着納期を一方的に公言するのは、相手があるからまとまるものもまとまらなくなる。 だから、普通の人の常識では腹にしまって交渉を水面下でやる。 これは、ビジネスではイロハのイの字だが、ついに、予想通り、こじれ出したね。 若い時の苦労は買ってでもしろというが、63年間の人生にその苦労がなかったのかね。 中西輝政氏の「英国『政権交代』失敗の教訓」で警告した、民主党政権の短命説が現実化しそうだね。 鳩山首相の幼さが一人でそれに拍車をかけている。A氏:もっとも、安倍、福田、麻生、鳩山と日本人は不幸な首相を連続していただいて来たね。 ところで、一昨日の朝日新聞の夕刊の文化欄に池澤夏樹氏が、「水俣と沖縄の長い夜」という見出しで、寄稿していた。 その中で「アメリカ軍の占領によって住民が住む土地を追い立てられてから65年になる」と書いている。 ところが、こないだテレビで池上彰氏が、やさしく普天間基地問題を解説していたのを見ていたら、「戦争中、戦火で荒廃した土地に米軍が空港を作り、その後、終戦となってから、住民がもと住んでいたところ戻ってきて住むようになった」と解説していたね。 池澤氏と事実認識が違うね。 どっちが正しいんだろうね。 終戦後に日本本土にできた横田、厚木、三沢などの基地と基地のでき方が違うのではないの?私:ダワーの日本戦後史には、占領が長引いてきたので、講和条約の早期締結が日本側からも言われ出し、日本政府と皇室がともに、早い段階から日本本土の占領の早期終結と引き換えに、沖縄の主権を売り渡す腹だったとある。 ダワーは、さらに、1952年に発効したサンフランシスコ体制は、日本を世界の列国として、軍事・外交面で二等国に位置づけたという。 日米安保条約は不平等条約だし、沖縄はアメリカの唯一まぎれもない植民地となったと書いている。A氏:日本としても安全保障上必要な日米安保条約があるかぎり、沖縄は依然として、アメリカの占領状態、植民地状態にあるのではないかと錯覚を起すね。 1972年の沖縄本土復帰はなんだったんだろう。私:塩野七生氏は、イタリアが第2次大戦でとられたトリエステが未だにイタリアに返還されないのと比較して、沖縄返還というのは国際上でも例の少ない平和時の返還であると書いている。 塩野氏は、「密約」があったからこそ、沖縄は、そこに住む人々ともに日本への帰還が実現したという。 A氏:今朝の朝日新聞に「『差別』沖縄に広がる」と大きく取り扱っているが、「いまだに沖縄は本当の復帰はしていない。差別は続いている」という復帰のときの沖縄の事務局長の発言が載っている。 新崎沖縄大教授は「日米安保条約は、沖縄を踏み台にしなければ成り立たないという意味で、戦後日本には『構造的沖縄差別』があった」という。 沖縄返還で苦労して自殺した若宮敬氏のことを思うべきだね。私:鳩山首相には、その歴史的な重い認識がないようだね。 この問題が半年で片づくと思っていたようだね。 中国は、香港返還を苦痛の99年で待って全面返還となった。 それを思うべきだね。
2010.05.13
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「日本人論」再考私:「日本人論」は、日本が「近代」の正統な走者ではないという疑い、西洋「近代」の外部のものとして、その近代を受けて入れることが可能か、正統か、または「正しい」ことなのか、という問題をめぐっての議論だね。A氏:去年の「日本人論」は、アメリカなどの市場原理主義を真似して取り入れようとしてきた日本の行動への疑念から生れているね。私:だから、日本が危機に陥った時と、逆に、好調な時も何故好調なのかという疑念から「日本人論」がブームになる。 最初の日本の高揚期は、日清・日露戦争の頃で、著者は、その頃の代表的な「日本人論」の本として志賀重昴「日本風景論」、内村鑑三「代表的日本人」、新渡戸稲造「武士道」、岡倉天心「茶の本」をあげているね。 高揚期に書かれているから、日本の特殊性を西洋と独立させて明確にしているが、西洋との共通点もあげている。 しかし、大正・昭和になると、「日本人論」はあまり盛んでなくなる。 「昭和のだらだら坂」となる。A氏:そして敗戦後の「日本人論」になるね。私:司馬遼太郎は、「昭和のだらだら坂」を明治のリアリズムを失った魔法の10年と言っていたが、著者は、別な解釈だね。 それは、魔法の10年の軍国主義を推進した日本のリーダーたちは、その前の世代に育てられたという解釈だ。 それで、こないだ読んだ中西輝政氏の「日本人として知っておきたい近代史」とリンクした。 明治リアリズムの代表者の児玉源太郎は1852年生まれ。 明治維新は1867年だから、児玉源太郎は15歳。 明治維新のリーダーである岩倉具視や大久保利通は当時40歳台。 児玉源太郎が活躍する日露戦争は1904年。 源太郎は52歳。 東条英機は1884年生まれ。 日露戦争の時、彼は20歳。 日露戦争に勝利して、日本は列強の仲間入りができる。A氏:東条英機世代は、その先輩の遺産を受け継いだことになるね。 受け継ぎ方が悪かったのかね。私:このへんが、この本ではスッキリしない。 「日本人として知っておきたい近代史」の中西氏は、児玉源太郎などの明治の3太郎が若くして亡くなったことが、問題だとして、歴史にイフは許されないが、もし、彼らが昭和始めまで生きていたら、馬鹿な戦争はしなかっただろうと言っているね。 同様に、今の若い世代も、高度成長を成し遂げたすでに引退しつつある親で育てられた世代だね。 この辺の世代論と「日本人論」の関係がスッキリしなかったね。 いずれにせよ、グローバル化はローカル化も促進するだろう。 「日本人論」はなくならないと思うね。
2010.05.12
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「日本人論」再考私:この本はどこかの書評で読んで興味を持ち、図書館に予約した。 こないだの図書館予約14冊のうちの1冊だね。 7年ほど前の2003年の出版なので、新刊ではない。 この本の最後では、新しい戦後世代の時代になったので、「日本人論」の最期は始まっているとしている。 「日本人論」を必要とした日本人の、終わりが始まっているとしている。 ところが、この本の著者の予測に反して、その後、「日本人論」が再燃しているね。A氏:2005年に藤原正彦氏の「国家の品格」がベストセラーになり、国会でもとりあげられる。 小泉政権時代は、改革の後の日本の国家像が見えないとして、次の06年からの安部政権では「美しい日本」というスローガンが出たね。 当時の安倍首相は、国会の答弁で 「明治・大正期に外国人の多くが日本を称賛した。 アインシュタインは、謙虚さと質素さ、純朴で静かな心、これらを保って欲しいと述べた。 質素でも立ち居振る舞いが美しい日本人でありたい」 と答えている。 これは「国家の品格」から、引用したのかね。私:この背景にも、「失われた10年」の日本の危機からくる「日本人論」があったね。 そして、安倍政権以後、小泉政権の市場原理主義的な政策で格差拡大となり、沈滞ムードの日本社会を問題視した。 同時に、リーマンショックでアメリカの市場原理主義的なモデルの崩壊で、09年頃から、また、「日本人論」が登場する。 それは、この知的街道では、昨年の09年2月の小泉改革の揺れ戻しで扱っているね。 それは、西部邁、中谷巌、桜井よしこ、姜尚中の4氏が田原総一郎を司会にして行った座談会だ。 出席者4名のいずれにも、共通しているのは、アメリカ金融資本の崩壊にともなって、再度、「日本のよい点の見直し」がポイントになっていることだね。 桜井よしこ氏は「武士道」を持ち出している。 中谷氏は、「資本主義はなぜ自壊したのか」で、自分の市場原理主義崇拝を反省し、日本社会の伝統や日本型経営の良さの見直しを提唱している。A氏:そうすると、この「『日本人論』再考」の論理的予測は外れたことになるね。私:この本の言わんとしていことは、全体的によく理解できない点が多かったね。 ただ、些細なことかもしれないが、勉強になったのは、日本を論じたルース・ベネディクトの著書の題名の「菊と刀」の「菊」は天皇の紋章の菊でないことだね。 日本人には 「平和な菊作りに工夫をこらす人」でありながら、同時に「刀を崇拝する人」という側面があるという意味なんだね。A氏:題名が一人歩きしだしたんだね。私:「菊と刀」でベネディクトは、「日本の小学校では競争の機会を最小限にとどめている」と指摘しているそうだ。A氏:手をつないでゴールするというのは戦前からあったんだね。私:ただ、戦前は「失敗から恥辱を招く機会を避ける」ためで、戦後の「悪平等」とは目的が違うようだね。 中根千枝氏の「タテ社会」も誤解されているようだね。 「タテ組織は排他的であるとか、自由な活動の場を個人に与えていない」というのは「タテ組織」の間違った解釈であるという。 タテ組織は、開放的に加入は簡単だが、ヨコ組織は、イギリスの「クラブ」のように閉鎖的であるという。 タテ組織では、「序列偏重で、一見非常に弾力性がなく、硬直した組織のようであるが、これは同時に、驚くほど自由な活動の場を個人に与えている」という。 ただ、タテ系列なため、セクショナリズムになりやすいという欠点もある。A氏:面白しろかったのは、今月の「文藝春秋」でサッカーの元日本監督だったオシム氏が、「なぜ日本指揮官はかてないのか」という寄稿をしているね。 これも一種の「日本人論」だね。 オシム氏は、外国選手と比較して、日本選手は自ら判断すること、リスクをおかすこと、責任をとることを回避する傾向があるという。 他人の判断に従属し、責任の所在があいまいでリスクを冒そうとしないと指摘している。私:「日本人論」はなかなか、消えそうもないね。 明日は、この本で述べている世代による日本像の違いに興味がったのでふれておこう。
2010.05.11
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今日は近親者の3回忌なので新幹線で地方都市に行ってきた。 子供は皆、それぞれの別の家に家庭を持って独立しているし、連れ合いも、老人ホームに入ってしまったので、死んだ後の家は空き家となっている。 最近、子供たちが片付けに入ったが、布団や本で大変だったという。 帰宅したら、知人のK氏(学生時代からコーラスをやっていたという)から昨日の「老人の価値」のブログを読んで、次のようなメールが来ていて、感動的な歌を紹介して頂いた。 「肌着1着を残してこの世を去るのが理想ですか。流石......。 時に、こんな詩もあります。故・武満徹氏の作曲になる下記の日本の合唱曲の名曲ですが、小生はとうとう歌いそびれました。死んだ男の残したものは谷川俊太郎:作詞 武満徹:作曲死んだ男の残したものは一人の妻と一人の子供他には何も残さなかった墓石ひとつ残さなかった死んだ女の残したものはしおれた花と一人の子供他には何も残さなかった着物一枚残さなかった死んだ子供の残したものはねじれた足とかわいた涙他には何も残さなかった思い出一つ残さなかった死んだ兵士の残したものはこわれた銃とゆがんだ地球他には何も残さなかった平和ひとつ残せなかった死んだ彼らの残したものは生きてる私 生きてるあなた他には誰も残っていない他には誰も残っていない死んだ歴史の残したものは輝く今日とまた来る明日他には何も残っていない 他には何も残っていない 」http://www.youtube.com/watch?v=XmM2T45adWk&feature=related このK氏のメールに対する私の返事「「肌着1枚」は、有馬稲子が1年前に読売新聞のインタビューに答え、引っ越しのガラクタに往生し、ある女性の「夏羽織1枚残してなくなった」という死に感動していたという記事をもじったものです。」 これは知的街道的には、このブログの引越し体験記・2の2、「物欲消滅」日経ビジネス09年5月25日号特集につながっている。
2010.05.09
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老年の価値私:この本は、先の図書館に予約した14冊以外の本だね。 NHKのテレビで読書案内をしているのも見たら、2つの本を紹介していた。 1つは、4月から社会人として参加した若い人向けの本。 もう1つは、定年などを迎えて、老人社会に新人として参加した人向けの本だね。 この老人向けの本が、ヘルマン・ヘッセの「老年の価値」だね。 早速、図書館にインターネットで予約したら、待ちなしで借りられたよ。A氏:ヘルマン・ヘッセと言えばノーベル賞をもらった詩人だけれど、これも詩集なのかね。私:ヘルマン・ヘッセは1877年生まれで、85歳でなくなるが、この本は、晩年の老いに関するエッセイ、手紙、詩などを集めたものだね。 400頁を超える厚い本だが、すらすら、読めた。 非常に、庶民的な晩年で、風光明媚な田舎暮らしで庭いじりをしたりする生活が背景にあるね。 家族などのいろいろな人と交流しながらの生活だね。 質素だけれど、心豊かでうらやましいね。 豊富な写真が掲載されている。 ただ、書斎は膨大な書籍の棚で囲まれていたが、インターネットの現代では不要かな。A氏:老人ホームなどで死を迎えるのとは違うね。私:ヘルマン・ヘッセは老年のそれなりの価値を見出しているんだろうが、彼の考い方で老年を過ごすことができるのは幸福と言えるね。 老年とは個人個人にとっては人生の総括みたいなもので、人それぞれだろうね。 画家パブロ・ピカソは、91歳の時、「若くなるためには、われわれは非常に長く生きなくてはならない」と言ったそうだ。A氏:日本では、聖路加国際病院理事長の日野原重明氏が、98歳の高齢で元気で活躍されているね。私:やはり、いい老年の基礎は日頃の好奇心とウオーキングや軽いストレッチによる体力の持続、そして狭い範囲だが、人との楽しい会話だろうね。 後、残り少ない人生だ。 ちょうど、日本は低成長時代だ。 経済成長時代の浪費の癖を直し、質素に余生を送ろうと思う。 日本は家が狭いのに、消費経済のガラクタが山のようにある。 去年、引っ越したとき、大分、本を古本屋に売ったが、まだ、かなりある。 第1歩は、この残った本や衣類を綺麗に売却することだね。 そして、理想は肌着1着を残してこの世を去ることだね。 ヘルマン・ヘッセの生き方とは多少違うからもしれないが、この本を読んでも俺の考え方は変わらなかった。 ただ、羨ましかったのは、ヘルマン・ヘッセのような風光明媚な田舎での庭仕事ができないことだね。 別荘のある身分ではないからね。 まぁ、これは時には旅行をして我慢するとするかね。 もっとも、水野和夫氏が「動かない」時代だというから、日帰りバスツアーくらいの旅だね。
2010.05.08
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白村江の真実新羅王・金春秋の策略私:図書館に予約していた14冊のうちの3番目の本で俺の朝鮮知的街道の1つだね。A氏:君の朝鮮知的街道を時代的に分けてみた。 1.日本がまだ倭と呼ばれていた頃から秀吉の前までの日韓関係 「飛鳥・その光と影」直木孝次郎著・1.2 2.秀吉以降、日本が鎖国時代の日韓関係 上垣外憲一著「空虚なる出兵・秀吉の文禄・慶長の役」 3.明治維新から、日本敗戦までの日韓関係 角田房子著「閔妃暗殺・朝鮮王朝末期の国母」、 福沢諭吉と朝鮮、山本七平著「洪思翊中将の処刑」、「創氏改名・日本の朝鮮支配の中で」水野直樹著 「ベルリン・オリンピック1936」クレイ・ラージ著・3(マラソンで韓国選手が日本代表として1位、3位を占めたこと)、「キムはなぜ裁かれたのか・朝鮮人BC級戦犯の軌跡」内海愛子著・1.2.3 4.日本敗戦後の日韓関係 朝鮮戦争のこと、「アジア冷戦史」下斗米信夫著・1.2.3、「和解のために」朴裕河(パク・ユ・ハ)著・1.2.3.4、韓国軍によるベトナム人虐殺、「日韓和解・朴裕河氏が込めた思いとは」、「民主化の韓国政治」木村幹著 5.時代共通 朝鮮人の主張の強さ、朝鮮と日本の関係、日韓歴史共通教材「日韓交流の歴史・先史から現代まで」1.2.3私:知的街道の足跡を見ると敗戦後のどん底だった日本経済を生き返らせた朝鮮戦争が出発点で、この本は、上の分類からすると、最初の分類1に属するもので、ご承知のように、663年の白村江の戦いは、日本(大和朝廷)が唐を相手に惨敗した戦いだね。 この本は、何故、当時の強大な唐の軍隊に天智天皇の日本が無謀な挑戦したのかというミステリーとなっているね。 著者は、袖井林二郎氏の「マッカーサーの二千日」という本を引用して、日本が無謀な戦争をしたのは、マッカーサーの「オレンジ作戦」という第1次世界大戦直後から立てられた遠大な戦略に乗せられた結果であるとしている。 そこで、白村江の戦いも、マッカーサーと同じような重要人物の深謀遠慮が背景にあったのではないかという推理だが、そのマッカーサーに当たる人物が新羅王の金春秋(武烈王)でこの本の主人公だね。 654年に新羅の王位につき、661年に亡くなっている。私:この頃は、朝鮮半島は、北の高句麗、南東の新羅、南西の百済の3つの国があり、それぞれが朝鮮半島統一を狙っているが、中国本土のほうは隋を倒して、唐が勢力を拡大しているが、高句麗へ戦いを挑むが抵抗が強く、なかなかうまく進まないので、そのすきに百済は、盛んに新羅を攻撃する。 そこで金春秋が考えた戦略は、唐に訴えて軍を派遣してもらい、百済を倒し、最終的に高句麗を倒し、朝鮮半島を統一するという構想だが、唐に助力をしてもらうと、逆に、唐に朝鮮半島全体をとられる危険性もある。 そのときは、唐と対立することが予想される。A氏:親唐的な日本が背後にいるとまずいことになるね。私:そこで、日本(大和朝廷)を唐と仲悪くさせるために、百済のために日本を引っ張り込むという戦略で、唐も、最後は新羅の要求に応えて、軍を出して、百済を倒す。 百済王の親族が日本にいるので、日本はこれを王として、百済再興軍を起こす。 日本は引っ張り込まれ、唐とぶつかったのが白村江の戦いだね。 その後の新羅の朝鮮半島統一は、歴史の示す通りだね。 金春秋の戦略は引き継がれていったことになるね。
2010.05.07
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サルコジとは誰か?私:この本は図書館に予約していた14冊のうちの1冊だ。 他に予約がなく、早く借りられた。 フランス大統領サルコジについての内容だと思ったら、違っていたね。 著者は、日本では、あまり知られていないようだが、フランスでは有名な哲学者とのことで、しかも、政治的には共産主義者だね。 だから、サルコジ大統領はクソミソだね。 A氏:サルコジは2005年の大暴動の頃の内務大臣で、郊外の移民の若者たちを「社会のくず」と呼んだので有名になったね。 その移民に対する強硬な姿勢が逆に、支援を得たのか大統領になるね。 フランスは、いろいろな人種が移民している「移民大国」だが、大きな悩みになっているね。私:著者はこの選挙結果に落胆しているね。 これについては、著者はフランス人には2つの恐怖があるからだという。 1つは、支配階級の権力が永久でないことの恐怖。 もう1つは、それから派生する外国人に対する恐怖だという。 この本では次のように書いている。 「フランス人はアフリカ人より優れている」 「フランスはフランス人の国である。 フランス語を解さず、フランスを愛さない者はフランスを去るべきである」 しかし、「われわれは、街路を清掃する単純労働者は求めている」 これが、まさに経済格差と人種主義が結合した、現在のフランスの移民政策の論理だという。 ヨーロッパ、特にフランスで広まるこの移民排斥を、ヨーロッパにおける「アパルトヘイト」という人もいるが、著者は、「戦争状態」と捉える。 それは、アメリカのブッシュ政権やイギリスのブレア政権が、国外での戦争、国内での貧富の格差への容認という政策へと傾いていったのと同様に、著者はサルコジ政権はまさに「戦争状態」に陥っているという。A氏:グローバル経済による貧富の格差を肯定しているわけだね。私:東西ドイツを西側、東側に隔てていたベルリンの壁は崩壊したが、経済のグローバリゼーションによって、今度は、富める者と貧しき者との間を隔てる経済格差という新しい壁が建設されたと著者は言う。 そして、この壁を前提とした労働の強制がある。 それに、結びつく徳目は、家族と祖国である。A氏:そのサルコジに対して、著者はどのような改革を提言しているのかね。 私:著者は、経済格差という新しい壁によって世界は、分断されている。 富の多い少ないが、人々の心の中に壁を作る。 さらに、荒れ狂う資本主義が、人々を「文明側」と「テロリズム側」へと分断する。 資本家・労働者、富める者・貧者、文明・テロ、優生人種・劣性人種、自国民・外国人、男・女、などと人間を疎外・分断させる「壁」を崩壊して「世界を一つ」にしなければならないという。 それには、荒れ狂う資本主義を倒すためには、共産主義が必要だと著者は主張する。A氏:それはソ連で失敗したのではないの?私:氏はソ崩壊で共産主義は崩壊したのではない。 理念としての共産主義は常に新たな解放という「未来の地平」を築くものであるとしている。 哲学者の本なので抽象的な説明が多く、訳も直訳調で読みにくかった。 「失見当識」という言葉がやたらに出てくる。 君は分かるかい?A氏:?私:「見当識」を失うことらしい。 「見当識」は広辞苑で心理学用語らしく、「時間や場所など今自分がおかれている現実をきちんと把握すること。見当感。指南力。」とある。 しかし、フランスの有名な哲学者が考えていることを大体、知ることができたね。 フランスではベストセラーになったというが、日本ではあまり読まれていないようだね。 日本共産党はこの考えをどう思っているのかね。
2010.05.06
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私:田原総一郎氏のテレ朝のサンデープロジェクトがなくなり、ちょっと、淋しい感じがしたが、こないでBSテレビの8チャンネルを夜、何気なく、回していたら、政治経済を始め、いろいろな社会問題を政治家や識者を招いてLIVEで議論しているのを知ったね。 これはウィークディの夜、毎日、やっているようで、なかなか、知的刺激を与えてくれる。 連休前に、経済成長神話の崩壊についてやっていたので、簡単にメモをしておきたい。 ゲストは、水野和夫氏、松原隆一郎氏、小幡績氏だった。A氏:成長神話の崩壊とは、先進国での経済成長は今後期待できないということかね。私:水野氏の分析によると、日本の労働者の収入は1997、8年以降、一貫して下降しているという。 これは回復しないという。 基本原因は、グローバル化の影響による原油の値上がりなどによる変動費の増大だ。 価格は上昇していないので、今まで固定費だった人件費を変動化させ利益を出す。 低賃金の中国の経済成長も大きく関係しているね。A氏:派遣労働者の増大、正社員の減少だね。私:昭和の経済成長モデルは崩壊しているので、発想を百八十度転換することが必要だと水野氏はいう。 1998年に自殺者が従来の2万人台から、一挙に3万人台になるのは、自殺した本人は気がつかないが、この成長モデルの崩壊による価値観の裏切りが原因としているね。 最後に、今後、どういう考えで対応したらよいかという提言として、水野氏は「動かない」と簡単にフリップに書いていた。A氏:「動かない」?私:要するにわれわれの経済は、アチコチ「動き回る」ことを基本としていたね。 欧米型の経済活動は、活発に動き回ることを基本としてきた。 その発想の基本的な転換だね。 グローバルに「動く」のでなく、足元の地域社会内では「動く」のだがね。 だから、経済指標として、GDPの成長率は意味が無いとしているね。 アップダウンを繰り返し、一喜一憂だが、トレンドは下降しているだけだから、その対策を急ぐべきだという。 必要なのは雇用関係の指標と国際収支だけをあげていた。A氏:政権交代でなく、発想交代だね。私:なんでもすぐに経済成長戦略というが、その発想から脱却すべき時代となっているんだね。 「上向き経済志向」の昭和の夢からの脱却かね。 現在は「下向き経済」の時代となった。 だから、グローバル化が進むほど、ローカル化が必要になるということかね。 水野氏は道州制を提唱しているね。 今後、この「下向き時代」の知的街道が生まれそうだね。 早速、図書館に小幡氏の著書を予約したよ。
2010.05.05
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私:この論稿は、「戦争と平和のなかの天皇・欧米からの観察」と「過去、現在、そして未来としての昭和」の2論稿からなる。 欧米人のある人々は、戦前は天皇制を封建的な制度と考えていた。 1945年の日本敗戦後の世論調査では、アメリカ人の70パーセントが天皇の処刑か厳罰に賛成していた。 しかし、戦争中でも英米両国の支配層の間に根強い親天皇感情が存在していた。 天皇を攻撃することは禁じられていた。 皇居と伊勢神宮など皇室ゆかりの神社をはっきりと目標から外していた。A氏:皇居は爆撃され、一部損傷したのではないの?私:それは誤爆だという。 天皇を守る理由は、もし、皇居やそのゆかりの神社という神国日本の象徴を攻撃することは、日本国民を死ぬまで戦うように追い込むことになると考えていた。 しかし、戦後、連合国が天皇をどうするかは意見が分かれていたが、これはご承知のようにマッカーサーが擁護に成功する。 そして、新憲法で天皇は軍国主義のシンボルから民主主義のシンボルに変身する。 ダワーは、昭和天皇は、軍国主義が権力の座にあるときは超国家主義を、真の改革が行われているときは民主主義を、そして、昭和の最後の経済大国になったときは、ブルジョア主義を映す鏡だとしている。 そして、天皇がなくなったときの葬儀、後継者の即位式、新しい年号の採択などにまつわる高度の宗教性と神秘性の存在を指摘しているね。A氏:「天皇は神聖にして侵すべからず」のときと儀式は同じというわけか。私:ダワーは、日本では国家と宗教が依然として密接に結びついていると危惧しているね。 しかし、平成になっても、ダワーが危惧した事態にはなっていないね。 むしろ、ダワーが心配した天皇の政治利用のほうが問題だね。A氏:今年、例の小沢一郎氏の「天皇の政治利用」が久しぶりに問題になったが、ダワーの危惧が少しは当たったかね。私:昭和は、戦争では始まり、破壊的な敗北を喫したが、最後は輝かしい経済大国で終わったね。 しかし、平成はバブル崩壊、リーマンショック、政権交代など混乱の時代になったね。 「失われた20年」が今までの平成の特徴だね。 国の借金増大、格差の拡大、労働賃金の減少、自殺者年間3万人台に突入と続く。 昭和末期の1人当たりGNP世界1位が、平成の20年の間で20位以下に転落。 平成の日本人はいまだに、昭和の経済成長の夢を見ているのだろうか。 ダワーは、平成の日本をどうみているだろうかね。 もう、年だが今後の著書に期待したい。
2010.05.04
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私:ダワーは、今年、72歳になる。 MIT の教授だという。 妻は日本人だね。 ところで、この本の原本は1993年に発行されているので、17年前の本だ。 翻訳の遅れは翻訳者が過半を訳したところで、急逝されたためという。 しかし、この17年間で、日米関係や世界は、大きく変わった。 ダワーが、この章の論稿を書いた頃は、日本は経済大国になり、アメリカ経済を脅かしていた。 だから、この論稿はその頃のそういう日米関係を前提としている。A氏:そうすると、その後の金融資本によるアメリカ経済の復権、日本経済のバブル崩壊による転落、そして、ついで、アメリカのリーマンショックによる転落、世界経済の混乱、アメリカ大統領に黒人がなったことなどが織り込まれていないわけだね。 日本では政権交代となった。私:そうだね。 この十数年で日本を含め、世界は大きく変わったね。 昭和の頃の日本の経済大国時代を思い出すが、今となっては夢だね。 残念ながら、この章の論稿は、読む必要がなくなってしまったね。 それは、昭和と平成の違いとも言えるね。 だから、日本訳のとき、この章は削除すべき内容だね。 昭和は、1989年1月7日、昭和天皇の逝去で幕を閉じた。 そして、厳しい平成の時代が始まる。 明日は、その昭和の象徴でもあった昭和天皇についてのダワーの最後の論稿に移ろう。
2010.05.03
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私:この章の論稿は、日米の政治漫画が19点掲載されている。 図1は、真珠湾攻撃前夜の1941年11月のアメリカ紙の漫画で、大きな体躯の3人の紳士(アメリカ、イギリス、フランスの三国を示す)を軍服姿の小人が遠巻きにぐるぐる廻っている絵だね。 小人が日本でこの軍人はメガネをかけている。A氏:東条英機をもじっているんだね。私:図2と3は、敗戦後と講和条約後の日本を描いているが、いずれも小人だね。 図4は日本の再軍備を描いている。 大きな男に抱えられて、少年がピストルを撃つのを教えられている絵だ。 大きな男がアメリカで、日本は少年だね。 図5は、湾岸戦争への日本企業の対応について論評したものだが、小人として、個性の欠片もない群として扱われている。 図6は、動いているベルトコンベアの上を数人の秀才顔した容貌の何人かのサラリーマンがカバンを手に、脇に図面を抱えて乗っているものだね。 日本のサラリーマンが個性のないロボットのように描かれているね。 1980年代の漫画だね。A氏:日本が経済大国になった頃だね。私:真珠湾攻撃以後、日本の進撃を恐れた頃、今まで小人として描かれていた日本は、ゴリラのような醜い顔をした巨大な兵隊の姿になる。 これが図7で、これと同じ現象は、1980年代の経済大国になった日本も、図8では大きな相撲取り、図9、10、11ではサムライとなっている。 図12からは日本側の漫画だね。 まず、1943年のものでは、ルーズベルト大統領が軍事マシーンのように描かれている。 図13は、パパ・ブッシュ大統領がアメリカの自動車メーカーを引き連れて来日したときの絵で、ブッシュは自動車部品から成っている絵だね。 戦後、欧米人が日本の指導者を「トランジスター・ラジオのセールスマン」と中傷したことを揶揄するように、日本の小人の首相が「ようこそ、自動車・自動車部品セールスマン大統領」と口ごもりながら言っている。A氏:当時の首相は宮沢喜一首相だね。私:図14は、湾岸戦争のときの漫画で「空恐ろしいアメリカ」という絵だね。 図15は、日本側も被害者意識を持つときは、自らを小さく描くことがある例をあげている。 図16は、それと同じく、湾岸戦争のときの日本、図17は1987年の「日本叩き」の時の日本でレーガンが中曽根首相を殴り倒している絵、図18は1990年にアメリカから構造改革を押し付けられている日本、図19は、欧米列国のテーブルに、ちっぽけな海部首相が物欲しそうに見つめている絵だね。 ダワーは、特にこの論稿では、なにもまとめを言っていないが、昨日のテーマと同じ結論だろうね。
2010.05.02
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私:今日、どのような意味で第2次大戦が人種差別的で残虐だったかとアメリカ人にたずねたなら、その圧倒的多数はナチによるユダヤ人の大量虐殺をあげるだろうとダワーは言う。 しかし、戦争が進行していたとき、アメリカ人がもっとも残虐と考えていた敵は、ドイツ人でなく、日本人であったという。A氏:それにドイツも白人だから、それは人種的には「身内の戦い」だが、日本との戦争は東洋人との戦いだね。私:アメリカ人は日本人を軽蔑するときは、日本人は猿の一種だということで猿を用いた。 そして、進化の遅れた人種だと軽蔑した。 ところが、真珠湾攻撃で見せた軍事力、ゼロ戦、東南アジアの欧米の植民地への電光石火の多面的な攻撃は、白人優越説の神秘性を粉砕させたね。 こうして今度は、日本人はスーパーマンになる。 今度は過剰に反応するようになる。 一方、日本でもアメリカ人を野蛮な人種として扱っていた。A氏:鬼畜米英だね。私:敵は鬼として扱われていた。 欧米の白人優位説の根拠は社会学的なものからきているが、日本人の人種差別的思考の中心的な考えは「純潔」か「不純潔」であった。 その源は神話にあり、「大和民族」の優位説であった。 これが、人種差別的なものと排他的なものと結びついた。 これは1981年に明らかになった1943年の厚生省の研究報告で検討されている。 その報告書は「大和民族を中核とする政界政策の検討」だ。 この対象はアジアが中心であった。 アジア諸国に対して日本人は優れた「大和民族」として父親のように君臨し、その他のアジア諸国は子供のように従属するものであったという。A氏:しかし、不思議なのは、敗戦後、日米のお互いのののしり合いが消えるね。私:ダワーは、アメリカは勝者として、父親のように振る舞うようになったためだという。 しかし、戦後、もう一回、日米が憎み合う時期が到来する。A氏:1970年代に日本が経済大国になりアメリカ経済を脅かし出した時だね。私:アメリカでは日本の成功により「エコノミックアニマル」という非人間的な軽蔑した慣用句を再燃させた。 同時に、日本側でも「大和民族」的な日本人の特性を優秀性として持ち出す人たちも現れた。A氏:「歴史は繰り返す」かね。私:ダワーは、今日、国際関係の先は見えないとき、これらの日米の人種差別的な言辞はおなじみになっているが、その言辞が慰めとなることはないとして結論しているね。
2010.05.01
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