アラ還の独り言

アラ還の独り言

2014年07月01日
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カテゴリ: 新聞報道

 各社の新聞記事で、「別の論文でも改竄データに基づく図表を掲載させた疑いが強まり、薬事法違反容疑で再逮捕する方針を固めた。」ということがいわれています。

  薬事法違反の内容は誇大広告なので、この人が誇大広告をしたわけではないのにな、と思うのですが、解析以降の作業をした人はその事実を知らなければ無罪ということでしょうか。

  さて、この改竄というのは事実としてはどうなんでしょう。これはカルテと解析用のデータをみれば一目瞭然と思う人が大半だと思いますが、一筋縄ではいきません。

大橋靖雄先生の評価によれば「 キョウトハート試験など今回問題になっている試験では、プライマリーエンドポイント(主要評価項目)に医師の裁量が入る主観的な項目が多く、信頼性に難がある。そのうえ一連の試験の論文からは、データのモニタリングや監査をしっかりやっているようには見えない。それゆえ、試験結果を額面どおり受け止めることは難しい」です。

 脳卒中と一口にいっても、無症状性からすぐに治療しないと生死に関わるものまで色々です。この研究計画書にどのように定義されていたのでしょうか。

 血圧に関しても値は変えられませんが、測定時期はぶれます。医薬品の承認申請のためにデータを取る(治験)場合は、普段の治療よりも頻回に検査をするので、外来に来ていただく場合には足代が出ますし、治療に対する負担は全くありません。

しかし、この研究の場合はそういったことが行われているとは思いません。12週のデータといっても7×12日=84日目に患者ボランティアがくるとは限りません。そうするといつまでのデータを許可するかというのを計画書で決めておかないといけません。(ノバルティスの政府の報告書では最後にはかったのが、4週であろうと、8週であろうと、投与前のデータでなければ12週のデータとして取り扱っているとして問題視していますが、これにかんしては、計画書でそれが認められており、各施設の倫理委員会がその計画書を承認しているのならば、その倫理委員会も同罪と思います。)

 また、最終評価もいつするかということもあります。これも計画書に決めておかないとぶれますし、治験でもカルテと照合(監査)したときに、なぜこの日のデータで判断したのか分からない場合があります。

 要するに大橋先生のいわれていることは、キョウトハート試験だけでなく、臨床研究に共通する問題点を述べています。故にこの結果は信じられない→都合のいいデータを抜き出しているのではないか。という問題を提起していると思います。

 大規模臨床研究は改竄を行わなくても、変な結果が出てくるということです。ANDI問題は、大橋先生クラスの臨床研究に造形がある人を入れない限りは、その病気の分野でどんな優秀な人をいれても問題を生じます。東大には大橋先生の教室があるのに、第三者委員会に臨床試験の方法論に対して詳しい人は一人も入っていないのが不思議でたまりません。






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最終更新日  2014年07月01日 20時06分09秒
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