アラ還の独り言

アラ還の独り言

2017年07月28日
XML
カテゴリ: プレスリリース
塩野義製薬は2017年7月25日にS-033188という抗インフルエンザ薬の第Ⅲ相試験の成功を プレスリリース しました。

対照薬はプラセボとオセルタミビル(タミフル)です。エンドポイントはインフルエンザ症状の罹病期間。プラセボに対して有意な罹病期間の短縮を示し、オセルタミビルとは有意差はありませんでした。(オセルタミビルと同等性試験になぜしなかったのかは現在のところ不明)。

忍容性はプラセボと同等で、オセルタミビルよりも副作用の発現率は有意に低かった。

さて、ここで考えるのは、耐性ウイルスの発現を防ぐためにS-033188は製造販売承認はとれるが、タミフル耐性ウイルスのパンデミック(世界的大流行)に備えて、発売は政府から抑えられるのではないか党いう想像です。

現在、タミフルは政府としてパンデミックに備えて、備蓄が行われています。ここで、S-033188の耐性ウイルスの発現を抑えるために、タミフルなどが効果を示している間は備蓄のみにするという政策もありではないでしょうか。

リスクを持たない人にタミフルを使ったためにタミフル耐性ウイルスを発現させたことから、新しい作用機序をもつS-033188は日本では発売しない方がいいという考え方です。日本では抗生物質の新薬がすぐに使用が広まり、現在、耐性菌の問題が大きくなっています。手順通りに使えば耐性菌が減るということが明らかになりつつあるので、インフルエンザで新薬の使用を広げることは得策ではないと考えます。

インフルエンザの場合には罹病期間は3~4日程度で、タミフルを使うとそれが1日短縮するだけです。リスクのない大人に使うことは耐性菌を増やすだけと私は思っています。

企業にとっては大きな収益を望めないことになるので、問題かもしれませんが、備蓄ということで薬価で政府が買うのならば、値引き交渉など必要ないのである意味初期投資が抑えられます。

問題は市販直後調査が実施できないことです。第Ⅲ相試験のプレスリリースではタミフルよりも安全性が高いようですが、一桁違う人々に使用したときに重篤な副作用の発生を否定することはできません。

それでも私は売るのは備蓄だけか、リスクの高い人に限るということにすべきだと考えます。(リスクの高い人での安全性はプレスリリースによればロシュとの提携下で、グローバル試験が実施中です)





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2017年07月28日 21時32分55秒
コメント(0) | コメントを書く
[プレスリリース] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

© Rakuten Group, Inc.

Create a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: