アラ還の独り言

アラ還の独り言

2018年03月01日
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カテゴリ: 妄想
今から話をする生活習慣病とは脂質代謝異常症、高血圧、2型糖尿病です。
この3種類の病気は生活習慣が健康的でないとかかる病気といわれています。

ではその生活習慣を正常にすることが1番の治療と考えます。しかし、非健康的な生活による脂質の異常値、血圧の上昇、ヘモグロビンA1cの上昇(インスリンの抵抗性)がモトに戻るかというと、10年間の不摂生は10年かけないと治らないという具合に考える人が多くて、脂質や血圧、ヘモグロビンA1cを下げる薬による治療を行います。

生活習慣病の薬が承認されるためにはプラセボあるいは標準薬と二重盲検比較試験を行い、先ほどの指標がプラセボより上回り、標準薬と同等あるいは上回るエビデンスがでることが必要です。

しかし、これだけでいいのでしょうか。生活習慣病の最終目的は先ほどの指標を下げることではなくて、心疾患や脳血管性疾患や失明、神経性疾患を予防することが最終的な答えです。

高血圧の薬が使われるようになって心臓や脳の血管性障害による死亡率は年々減っています。

脂質異常症に関してははっきりとしたエビデンスが出ているわけではありませんが、スタチン系の薬剤が出現してから心臓や脳の血管性障害は減っているようです。

糖尿病の薬に関しては糖尿病性腎症や神経症、眼疾患は減っているかどうかわかりにくく、返って心臓や脳血管の死亡率が増えるという試験もあります。

私が問題と考えるのは2つあります。新しい作用機序をもつ薬剤に関してはプラセボとの比較試験を行って高薬価がつくことがたくさんあります。しかし、生活習慣病の薬は既に多くの種類が出ており、その中で標準治療といわれているものも出ていると思います。その薬との比較試験を承認条件にすることが一つ。これで同等性しか得られなければ高薬価をつけることができないはずです。

もう一つは本来のエンドポイントに関する試験の必要性です。オランダなどでは日本のマイナンバー制度と同じようなものがあり、それらが全ての処方せんと死因と紐付けすることが可能になっています。そのためかなり精度の高い疫学データを得ることが可能です。

今のところマイナンバーは日本では脱税防止目的にしか使われようとしていませんが、処方せんと死亡報告書とできればカルテが個人を特定することなく、紐付けすることは仕組み的には可能になっています。国は早急にマイナンバーのコストを医学的なメリットによって回収することを考えてはいかがでしょうか。

日本は中途半端に色々できるから、中国のように蛙跳びで進歩を受け入れることはできないのでしょうかね。





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最終更新日  2018年03月01日 14時14分26秒
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