アラ還の独り言

アラ還の独り言

2020年10月08日
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カテゴリ: プレスリリース
2020年5月20日キャプピリンが薬価が決まり、即日発売となりました。
1錠中にアスピリン100mg及びボノプラザン10mgの合剤です。ボノプラサンは武田のプロトンポンプ阻害剤でタケキャブという商品名で既に販売されています。

審査の段階で問題になったのはアスピリン100mgとボノプラザン10mg併用とキャプピリンの同等性試験でアスピリンの濃度が同等性試験の範囲に入らなかったことです。 最終的にはアスピリンの血中濃度は幅が広く、併用も合剤もその血中濃度は薬効濃度内に入っているという判断で厚生労働省は認可を行いました。(審査報告書参照)

薬価はタケキャブと同じで130.3円です。新医薬品配合剤の薬価を決める特例として自社薬の薬価×0.8+配合剤の相手の最低薬価(後発医薬品も含む)で決まります。

アスピリン100mgの最低薬価は5.7円なので、単純に計算するとタケキャブの薬価を下回ってしまいます。その結果タケキャブの薬価になったということです。

薬価算定の審議会においても議論はありませんでした。

適応は狭心症(慢性安定狭心症、不安定狭心症)、心筋梗塞、虚血性脳血管障害(一過性脳虚血発作[TIA]、脳梗塞)、冠動脈バイパス術(CABG)あるいは経皮経管冠動脈形成術(PTCA) 施行後における血栓・塞栓形成の抑制で、いずれも胃潰瘍または十二指腸潰瘍の既往がある患者に限られる。
ということです。

臨床的有効性に関する試験は行われていません。生物学的同等性試験だけです。

武田薬品工業は2014年にタケルダを発売しています。(ランソプラゾールとアスピリンの合剤)
それとの比較などには審査報告書では触れられていませんでした。薬価はタケルダが57.6円です。キャプピリンは有効性が上回る資料なしに2倍強の薬価を取ったことになります。新規合剤の特例といえば相ですが、今までの新規合剤に関しては薬剤の合剤のメリットは患者のアドヒーランスが上昇する事以外に併用することによって各々の薬価を合わせた場合よりも安くなると言う患者のメリットもありました。

プロトンポンプ阻害剤本来の価値は胃壁細胞への集積性が高いことと持続的な胃酸抑制作用を示すことからランソプラゾールよりも高いのでしょうがアスピリンの副作用の予防作用に対して師有意に高いかどうかは臨床試験によって示されてはいません。従って、薬価はタケルダと同等にするべきだと思います。単純に新配合剤の特例を利用してはいけないと思います。

製薬会社はより高い薬価を求めるのは当然ですが、審査当局は保険財政も背負っているのですから、なるべく安くすることを求めるのが当然です。しかし、全例主義に陥りすぎだと考えます。

プロトンポンプ阻害剤はアスピリンの副作用阻害剤としては不適であるという内容でブログを書くつもりでタケキャブを前説に持ってきましたが、前説だけで一つ結論が出てしまいました。(2)として、副作用は減っても他の病気で死んだら意味がないのではを次回書きます。

今日読んだ本 22巻で終わりじゃないんだ。






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最終更新日  2020年10月08日 16時06分20秒
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