アラ還の独り言

アラ還の独り言

2020年12月08日
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カテゴリ: 妄想
COVID-19の大都市での感染拡大によって本来すべき治療ができなくなっているという話を聞きます。

臨床検査を行い、処方箋を書くだけで実際に変化がない病気である生活習慣病に関しては、外来数の減少は本来望ましい状態でないでしょうか。しっかり問診すべき患者の時間を奪ってまで問診する必要はあるのでしょうか。

高血圧の場合には血圧は家庭血圧で十分だと感じています。また、血圧が安定しているのだから、薬をちゃんと飲んでいて偉いですねなんて医者や看護婦が患者にいうのは間違いではないでしょうか。血圧は安定しているのだから薬をやめる方向に持っていくあるいは効果の弱いものや薬価の安いものに変えていくという話をするべきかと思います。

実際に高血圧に介入して脳、心臓血管障害のリスクを下げることを証明した研究や薬物治療を始める血圧値を決めた試験で使われているのは利尿薬やカルシウム拮抗薬のみです。今高薬価を取っている高血圧用剤は、比較試験をやって結果がいいものが出ていると思ったらそのデータはねつ造でした。しかも対照薬はプラセボ。本当に心血管障害のリスクが上がると考えているならば利尿剤かカルシウム拮抗剤を比較薬として使うべきで、エンドポイントでは価格から考えて、非劣性ではなく、優越性を示す必要があると思います。

脂質異常症に関しても、血液検査で異常値が出ていても自覚症状が全くない場合に外来は必要でしょうか。動脈硬化による脳、心血管障害のリスクが高くなるのは分かっていますが、実際に明日にもの脳、心血管障害が発生することを予測可能になっているのでしょうか。そのリスクが高くなってから外来に通う形にしてもいいのではないでしょうか。

いやそんなことはない、外来に通うことによって、脳、心血管障害を未然に防いだ人はこれだけいる、とデータで示していただけば私も納得するのですが、異常高脂血症(Ⅰ型はのぞきます)で、そのような介入試験により、効果を示した研究はみつけることはできません。

糖尿病に関しては、腎不全、網膜症を防止しなければ薬として価値は非常に低いと考えています。腎不全や網膜症になるとQOLが極端に下がるからです。

血糖を厳密に制御しようとした研究はたくさん行われています。しかし、ほとんどの研究がインスリン使用群を作ることによって、厳密な血糖管理がインスリンによる低血糖を招いてしまう事から試験が中止になっています。

糖尿病に対しては新しい作用機序の薬が色々と出てきています。高血圧の場合には、発症機序が不明で本態性高血圧として名前がついてそれに対してさまざまな機序の薬が使われています。
しかし、糖尿病は血糖値が経時的に測定可能になってきたことから、病態分類としてインスリンの分泌不足、インスリンの受容体の感受性不足と大きく二つあるようになってきていると思います。さらにインスリン分泌不足には処理すべき糖の量が多いことによる相対的な不足とインスリン分泌刺激回路に問題があってインスリンが分泌されない絶対的な不足があると思います。発病機序によって、治療方法は変わると思います。相対的不足な場合には薬物療法よりも食事療法や運動療法の方が効果があると思われます。他の発病機序には、薬物療法の進化により望ましい薬物が出てきていると思います。

糖尿病に関してはⅡ型糖尿病を発病機序によって細部類すれば、食事療法(含む運動療法)の方が望ましい病型は明らかに存在すると思います。食事制限がいやという人に関しての薬剤は糖の吸収阻害剤を用いることになるかもしれません。

糖尿病用薬の場合には承認を受けるために他の薬剤との併用臨床試験が求められています。しかし、細分化することによって、適応も絞れルことになると思います。また、血糖値を下げることが主要目的の場合にはプラセボ対照試験よりも標準薬対照試験を求めることを望みます。当然エンドポイントの評価は優越性です。効果は同等で作用機序が違うので、薬価算定は生存原価というのはおかしいと言うことです。

こんなことをすると新薬開発の意欲が失われると言われるかもしれません。先ほど2型糖尿病を再分化しろといったのは新しい作用機序を持つ薬が優越性を見いだせる可能性があるからです。基礎的な研究が必要ですが、それに関しては公的な研究費を使えばいいと思うし、製薬企業が合同で金をプールしてそこから研究費を出すことによって利益相反になることを少しでも低くすることが考えられます。今のぬるま湯ではゆでカエルになるだけです。

コロナ感染価でも通常の手術や治療を行わなければならないということを、思いつきでなくきちんとデータで示したのが「 新型コロナウイルスによる受診控えで患者の病状が悪化するケースも ~適切なタイミングで、必要な医療の提供が重要~ 」というプレスリリースです。

コロナウイルス感染による危険性を鑑みて、肝臓移植手術を先延ばしにすると移植受ける側の状態が明らかに悪くなるので、コロナウイルス感染防御を行った上で手術は予定通り行うべきだというデータです。

がんの手術はどうでしょう。虫垂炎の手術はどうでしょう。胃潰瘍の手術がβ2ブロッカーの出現によりほとんど無くなったことを思い出す必要があると思います。

COVID-19感染のリスクを理由に手術を延期するのは止めませんか?COVID-19の感染を防いで手術を実行するか、手術のかわりの治療を探すということに目を向けて欲しいと思います、





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最終更新日  2020年12月08日 14時53分00秒
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