アラ還の独り言

アラ還の独り言

2021年01月12日
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カテゴリ: プレスリリース
大阪大学のプレスリリース 「日本人特有の難病「脊髄小脳失調症31 型」の治療へ道開くRNA 毒性を緩和する低分子化合物を発見」

常染色体優性の脊髄小脳変性症 はリピートRNAとタンパク質の凝集体形成することによって起こります。日本国内には2000〜4000人の患者いると推定されています。(典型的な稀少疾患)手足の震え、歩行時のふらつき、呂律が回らないなどの運動失調を症状とする神経難病で現在のところは治療法はありません。

病気の原因は 16番染色体のBEAN1遺伝子イントロンにTGGAAリピートが存在する ことで、それが RNAに転写されるとUGGAAリピートRNAになり、これが神経細胞核内にRNA fociと呼ばれる異常な凝集体を形成する ことまでは分かっています。

今回の研究はGGAAリピートRNA結合低分子の探索を行い、NCDを発見し、モデル動物(SCA31モデルショウジョウバエ)でRNA毒性(複眼変性)を抑える事を確認したものです。




直接DNAを切り貼りして、遺伝病を直す療法は既に日本でも薬価収載されています。しかし、なんといっても値段がべらぼうに高い。抗体医薬品も高いですが、その一桁上をい来ます。

医薬品になるためにはこれから、動物による毒性試験、大量生産の方法、臨床試験のハードルが並んでいます。動物における毒性試験が一つの山と思います。これがクリアできれば次は効果の持続性のハードルが構えているかもしれません。

しかし、 この方法で薬になれば、遺伝病に対する治療に高額な遺伝子の切り貼りが必要なくなるかもしれません、期待しましょう。

サイエンスに文献発表されています。
Tomonori Shibata,1 Konami Nagano,2 Morio Ueyama,3 Kensuke Ninomiya,4 Tetsuro Hirose,4,5 Yoshitaka Nagai,3 Kinya Ishikawa,6 Gota Kawai,2 and Kazuhiko Nakatani1
1. 大阪大学 産業科学研究所 精密制御化学研究分野
2. 千葉工業大学 先進工学研究科 生命科学専攻
3. 大阪大学 大学院医学系研究科 神経難病認知症探索治療学寄附講座
4. 大阪大学 大学院生命機能研究科
5. 北海道大学 遺伝子病制御研究所
6. 東京医科歯科大学医学部附属病院 長寿・健康人生推進センター
“Small molecule targeting r(UGGAA)n disrupts RNA foci and alleviates disease phenotype in Drosophila model”
DOI: 10.1038/s41467-020-20487-4

この方法が応用さえる可能性があるのは、リピートRNAによる神経障害である筋 強直性ジストロフィー、脆弱X関連振戦/失調症候群、31以外のSCA(脊髄小脳失調症)、筋萎縮性側索硬化症 が上げられています。





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最終更新日  2021年01月12日 13時23分43秒
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