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『風の海 迷宮の岸』に始まり、 『黄昏の岸 暁の天(上)』、 そして、蓬莱を舞台とする『魔性の子』、 さらに、『黄昏の岸 暁の天(下)』へと紡がれてきたお話の続編。 18年ぶりのシリーズ新作で、しかも全4巻。 愛読者なら、狂喜乱舞の状況。 そして、実際読み始めると、その格調高い文体はまさに『十二国記』。 時空を超えて、その世界に引き込まれてしまいます。 ***禁軍中軍師帥・楚の項梁は、二十代半ばの女・園糸とその三歳ばかりの幼子・栗と共に、放浪の旅を続けていた。一方、新王・阿選の登極に際し、その経緯に疑義を呈したため誅伐された瑞雲観。その残党である去思は、騎獣を連れた二人連れを追っていた。そして、この二人連れこそ、文州を目指していた泰麒と李斎。この三者が、江州墨陽山で出会い、驍宗の足跡を一緒に辿ることに。去思の案内で、泰麒、李斎、項梁は、街道を北に向かっていたが、その途上、泰麒は李斎らを残し、項梁だけを伴って白圭宮を目指す。泰麒と項梁が白圭宮に辿り着くと、王宮全体の様子が何かおかしい。阿選は王宮の奥に閉じ籠ったままで、国のことは全て、張運とその一派が好き放題に取り仕切っているという。一方、李斎と去思らは、琳宇で驍宗の足跡を追っていた。
2019.10.22
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多くの高校生が犠牲となった責任を級友から問われ、激しく動揺する環。 その様子に、崇は環の解体師としての限界を感じ取る。 崇は曹国良と彼の所有するタンカーで会い、取引継続のための条件を提示。 それは、腕利きの解体師を自分に貸してほしいというものだった。 一方、廣瀬は、「プティシャトン事件」と加藤の兄・真人の関係を追う。 そして、桜田は、崇との決別を決意したばかりの加藤と会うことに。 桜田に加藤は、自分の兄が「プティシャトン事件」の内偵をしていたこと、 父や兄と同様、自分もそれに巻き込まれてしまったことについて、その経緯を語る。 ***プティシャトンは、元々、海外の要人、それに裏社会の人間との秘密裏の接待を行う会員制秘密クラブだった。が、そこで、ある組織が、秋光正の再生医療に関する研究成果を狙うようになる。結果、プティシャトンはその組織により乗っ取られてしまった。それが、大陸系の黒社会、軍医病院を管轄する総後勤部・曹国良のかかわる組織。その目的は、大陸を中心とした世界規模の臓器流通網構築。秋光正と加藤の父は、プティシャトン絡みで繋がっていた。加藤の父は、死んだ兄の代わりとして、加藤を秋光正に引き合わせるよう仕組んだ。そして、加藤は、自身ではなく別の人間をプティシャトンに潜入させると共に、光正の相談役として秋光家に出向くことになったのだった。 ***加藤は、桜田に、真に阿藤の敵を討つ覚悟があるのかと問いかける。そして、この事件における、自分の役割を継いでくれるよう要請する。加藤が桜田を通じ広瀬に渡したのは、プティシャトンの顧客リスト。廣瀬は、曹国良と天廻功の関係を追うことに。 ***何と、曹国良には二人のそっくりな弟がいました!浩然は宗教を司り、暁東は黒社会を統べる存在。それにしても、曹国良が臓器移植・再生医療に執着する理由にはビックリ。そして環、どうなってしまうんでしょうか?そしてそして、次巻は、2020年冬発売予定って……1年以上も先になるのは何故?
2019.10.22
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JKFBインターリーグ決勝戦、 興蓮館ペースの展開に、浮足立つワラビーズ。 そんなチームのメンバーに、試合を止めピッチの中で指示を出す曽志崎。 それは、経験豊富な司令塔がイエローカード覚悟でとったインターバル。 その曽志崎に、容赦なく突っかかる21番・藤江梅芽。 興蓮館の攻撃は、曽志崎の新たなファールを誘発。 レッドカード退場で、ワラビーズは前半で数的不利に追い込まれる。 PKもきっちり決められ、早くも3点差。 こっちに来て試合をみろ お前は学ばなくてはならない お前の退場が味方にどのように作用し 敵がどう反応するか この試合に どう影響を与え どう推移してゆくのか お前はこの試合の行く末を見届ける義務がある ここから どうやって勝つのかもな この試合 獲るぞ ネガティブな言動をとるな 折れそうでも ポジティブな言葉を吐き続けろ 選手を鼓舞し 顔を上げさせろ お前があきらめたら 試合は終わる 勝つために何をすべきか 考え続けろ それが指揮官の仕事だぜ それによ ガキ共は往生際が悪い様だぜこの深津の言葉の直後、希のシュートが相手ゴールのネットを揺らす。 まだ前半 逆転する時間は たんまりある 日本一か何か知らねーけどよ よくもウチのマロマユ泣かしてくれたな 覚悟しとけよ オメーらそして、3-1で前半終了。後半は、堅守速攻しか手がない状況。相手の攻撃に耐え、右サイドにポジションチェンジした周防のスピードに賭ける。それに対し、興蓮館は引くことなく、ボールを保持し攻め続ける。周防が敵をぶち抜き、敵を引きつけ、数的不利を覆す。そこへ希が駆け上がるも、梅芽が行く手を阻む。が、希からのパスを受けた周防が、鮮やかにゴール!!これで3-2、1点差に追いすがる。そして、ここから興蓮館の猛攻が始まる。来栖未加が放ったシュートは、ゴールに向かって一直線…… ***今巻の表紙は、周防。お話の中でも、とても目立っていました。サッちゃんは、まだピッチ外。次巻、いよいよ満を持しての登場か?
2019.10.21
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本著は、2017年6月に刊行された『今こそ、韓国に謝ろう』に 加筆・訂正を施し、2019年3月に文庫版として発行されたもの。 2017年に比べ、文庫版発行時点で日韓関係は確実に悪化していたし、 その後、好転する気配の全くないまま現在に至っている。 本著は、「併合時代」に何が起こっていたかを詳細に記述した一冊。 こういった事柄について知る機会は、実はなかなかないもので、 「そうだったのか」という内容が目白押し。 「読んでよかった」と思える一冊であることは間違いない。もちろん、百田さんが書いたものであるから、そのあたりのことは、十分念頭に置いて読み進めるべきだし、ここに記載されている内容が、すべて事実かどうかは分からない。それでもなお、次の記述には驚かされた。 韓国出身の拓殖大学教授の呉善花氏の著書 『韓国 倫理崩壊1998-2008』(三交社)によると、 韓国語文教研究会による一般人四十名を対象とした調査で、 「竪穴式石室発掘」および「高速道路慶州駅舎予定地」を ハングルで書いてまともに読めるひとは一人もいなかったそうです。 中には前者を「人を殺してその血を墓の中に入れること」と答えた者もおり、 後者を「慶州にある歴史遺物を一か所に集めて保管する予定地」と 答えた者がいるなど、 いずれの理解も奇想天外なものばかりだったといいます。(p.127)これは近年になって、韓国で漢字をほとんど追放し、すべてハングルで記述するようになったためと、同音意義語が多い韓国語を、ハングルだけで記述するとすぐに意味が読み取れないことが多いからだとのこと。日本における近年の語学教育の動向を見ると、とても他人事とは思えない。
2019.10.20
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映画を見たのですが、 ラストシーンがよく理解できなかったので、本著を読んでみました。 細かいとことまでは分かりませんが、映画のお話がそのまま活字になっています。 本著を読み進めながら、映画の各シーンが蘇ってきました。 そして、ラストシーン。 やっぱり、よく分からない…… でも、そういうことなのかも、と 是枝監督の『あとがきにかえて「声に出して呼んで」』を読んで、思いました。
2019.10.13
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副題は「公安警察、公安調査庁との三つ巴の闘い」。 公安警察は、日本の警察組織における公安部門。 全国約10万人の公安警察官によって組織され、 その司令塔は、存在を完全秘匿とする「警察庁警備局警備企画課」。 一方、公安調査庁は法務省の外局で、公安警察のような強制捜査権は持たない。 破防法を執行する行政機関として誕生し、団体規制請求のための調査権を持つ組織。 そして、官邸官僚たる内閣情報官をトップとするのが内閣情報調査室。 国家公務員試験を受験・突破した約250人のスパイが、国内外の情報収集に当たっている。この三つの組織には、その調査対象において競合する部分があり、現場では激しい攻防が繰り返されているという。その一端が、本著において紹介されているが、やはり扱っている内容が内容だけに、やや表面的なところで記述は留まっている。本著は、これらの組織や活動の概略を知るには適した一冊だと思われるが、私は読み進めるのに、かなり労力を要した。しかし、外務省主導の「対外情報機関」設置論が、浮かんでは消えてしまうのも、一筋縄ではいかない諸々の事情があるからであろうことは読み取ることが出来た。
2019.10.13
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月原一整は、店主から預かった桜風堂経営に勤しむ。 書店主の孫・透との生活も順調。 一方、銀河堂書店の書店員たちは、一整が推していた『四月の魚』を 様々な手段を用いながら、星野百貨店を挙げて売り出しにかかる。 卯佐美苑絵は、『四月の魚』の手作り帯やPOP絵を描く。 苑絵の母の友人である女優・柏葉鳴海も一役買う。 そして、三神渚砂は、地元FM局での作家・蓬野純也との対談を通して 『四月の魚』のPRをするが、その際、蓬野純也から一整が彼の従兄弟だと聞かされる。『四月の魚』の重版が決まった頃、著者・団重彦が桜風堂を訪れる。さらに、柏葉鳴海までが現れ、かつての脚本家と女優が久方の再会を果たす。 ***というわけで、上下二巻を読みましたが、結局、お話としては「序章」部分が展開されただけでした。桜風堂店主の正体・名前は伏せられたままですし、一整と苑絵、渚砂との関係性も大きな進展がないままで終わってしまいました。著者は、最初からこのお話を、シリーズものとして書き始めたようです。ちょっと肩透かしを食ったような気分ではありますが、今後の展開を待つ楽しみが出来たのも事実です。続編を気長に待つことにしましょう。
2019.10.06
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