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南の方で菜の花が咲き始めた。休耕田に菜の花をたくさん植えて観光の人を呼ぼうとしている町がある。春の野に花が咲き競って、人を集める。ケータイやデジカメを手に人々は菜の花の中を通り過ぎる。折れた菜の花が踏まれて、黄色は脱色してしまう。花が咲いたら花の元に集まれ。まるでミツバチのようだ。ミツバチは花を傷つけないが、人間はどうか。菜の花の黄色が雨に滲んでる故郷はいま開発途中
2009/02/28
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錆びたレールが所々外されて、枯れ草の生えた軌道跡に雪が積もっている。鎖をはずされた茶色の犬が嬉しそうに走り回る。犬は時々雪の匂いを嗅ぐように、雪の中に鼻先を突っ込んでいる。土手の向こうには、護岸工事で固められた川が静かに流れているだろう。冬の道茶色の犬が鼻面を雪に突っ込み尾を振り立てる昨日今日陽の弱ければ茱萸の木の芽生え遅れて風吹き抜ける
2009/02/21
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各地で春一番が吹いた。昔、田舎の家では、二階の部屋から、強い風で電線がびゅんびゅん鳴っているのが聞こえた。暖かい空気は身を包んで、体を前へ前へとつき動かす。寒の戻りが来るようだけれど、春は近い。今年は雪が少なくて、と誰かがしゃべっている。本当に、近頃は雪が少なくて、と相手が答える。大雪降ったら水の案配よくなるけんど、降らねば今年も不作だな。かみの池は夏前にはすっかり干上がってしまうものさな。雪でつぶれる家もなかんべ。ちいとくらい雪さ降ってくれねえだろか。夕焼けのまだ温かい湯飲みから湯気立ち上り春風の吹く
2009/02/14
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雀が二、三羽鳴き交わしながら飛んできて、樫の木に止った。木は根元からすぐに枝分かれして四方に伸び、葉をいっぱいに茂らせている。朝の風に吹かれて木は大きく揺れている。その葉に隠れて雀の姿は見えないが、枝を飛び移りながらも、まだ、お互いに鳴き交わすことを止めない。鳴き交わし飛び立つ雀春霞記憶の底の昨夜見た夢
2009/02/07
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