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2017.03.10
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カテゴリ: 気になる本
図書館で『韓国巨文島にっぽん村』という本を手にしたのです。
ぱらぱらとめくってみると「にっぽん村」の成立、日韓庶民の友好的な交流が興味深いのです。



韓国

中村均著、中央公論社、1994年刊

<「BOOK」データベース>より
朝鮮半島南方の多島海にある島のひとつ巨文島は、古来海上交通の要衝として、また豊かな漁場の拠点として知られていたが、歴代為政者の空島政策により、長く無人島であった。それが、日露戦争の直後から日本人が移住して「にっぽん村」を作り、さらにそこへ韓国人も加わって漁業を中心とした一大生活圏を生み出すに至った。本書は、歴史に翻弄される島と人々のようすを描写しながら、一小島が日韓関係を考える素材たりうることを示す。

<読む前の大使寸評>
ぱらぱらとめくってみると「にっぽん村」の成立、日韓庶民の友好的な交流が興味深いのです。

amazon 韓国巨文島にっぽん村


巨文島

巨文島の「にっぽん村」形成あたりを、見てみましょう。
p84~86
<なぜ後続部隊が巨文島を目指したか>
■国策と移民
 移民といえば、労働の目的を持って自国の国境を越え他国に移り住む人をいう。朝鮮半島に移住した人たちが果たしてこのような定義に入るかどうかだが、朝鮮の場合、1910年の日韓併合前から日本の保護権(事実上の統治権)が行使されており、一般の外国移民とは性質を異にし、しかも政治的支配関係を背景とする官吏、軍人や会社員、中小自営者が移住の主力であったため、ハワイやブラジルへの官約移民、ありは満蒙開拓民とは別のジャンルに入るであろう。

 しかし、日韓併合前後に朝鮮に移住した人たちも大部分は国策に沿った官権主導下の渡航者であった。そのほとんどは都市の日本人居住区に住み、朝鮮の人たちとつきあうことはほとんどなかった。

 1945年の日本の敗戦までに朝鮮半島には約80万の日本人が居住したが、朝鮮の暮らしの中に入っていった人がどれほどいたか、疑問である。この地の一部のエリートと学校や職場で一緒だったという人はいても、民衆レヴェルでの共通体験を持った人は少なかったであろう。

 この点、敗戦まで巨文島にいた日本人が評価できるのは、朝鮮の人たちと比較的分け隔てなく暮らしていたことである。また移住に当たって何がしかの補助金をもらった人がいても官権主導の渡航ではなく、自らの判断で、この地へ移り住んだのであり、初期ほど総督府などの政治権力から遠い、自前の暮らしであったことは評価してよい。

 巨文島への初期の移住者のうちには、木村忠太郎のような山口県からの直行組のほか、釜山からの転進者もいた。この人たちは何らかの理由で、いったん釜山に移住したものの失敗したりしたため、巨文島の将来性に再起をかけて移って来た人たちである。

■釜山から転身の大野栄太郎
 釜山は、李朝時代の15世紀に富山浦として倭館が置かれ、「恒居倭人」がここに住んで以来、日本とは最もなじみの深い港町であった。1876年(明治9年)に締結された日朝修好条規(江華条約)により、現在の釜山の中心部である中区に「日本専管居留地」が設けられると、日本からの居留民が急増し、1867年に82人だった日本人が日露戦争後の1905年には1万3364人と十倍以上となり、日韓併合の1910年には実に2万1928人にも膨れあがっている。

 朝鮮半島を縦断する京釜鉄道および京義鉄道は日清戦争が始まった1894年(明治27年)に日本が敷設権を得、日露戦争時から戦後にかけて完成。下関と釜山を結ぶ関釜連絡船は1905年から就航している。

 釜山が日本からの渡航者で沸き立っていたころ、木村忠太郎に半年ほど遅れて、すなわち1906年の秋、山口県阿武郡三見浦(現・萩市)出身の大野栄太郎が妻ナツおよび長女タワ、次女ツネ、次男栄作、三男又一の4人の子供を連れ、釜山から巨文島へ移住して来る。

 もともと大野栄太郎の家は代々農家であったが、長男の栄太郎は農家を継ぐことを望まず、父親が亡くなると田畑を売り払い、そのころブームになっていた大敷網を仕掛ける漁業に転業した。ところが、大敷網そのものがリスクが高いうえ、俄か漁師の悲しさから、大敷網は失敗する。そこで栄太郎は家族を連れ、釜山に移り住むことになるが、木村忠太郎が巨文島で大敷網に成功したと聞き、再度こちらへ転身して来たのである。

 大野栄太郎は大敷網を東島から内海に向けて張った。しかし、木村ほどの漁獲は得られなかったようである。これにはやはり年季の入れ方の違いがあったというべきか。
 それでも大野はあきらめない。その後、木村と大野は巨文島の勢力を二分するほどの力を持つ両雄となっていく。大野の面倒見のいい豪傑肌の血は次女のツネに受け継がれ、ツネは中村吉蔵と結婚すると、この島で中吉商店や長門屋旅館を経営し、女傑ぶりを発揮する。





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Last updated  2017.03.10 05:30:33
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