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2024.09.19
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カテゴリ: 気になる本
図書館で『走り続ける力』という本を、手にしたのです。
おお 山中先生のiPS細胞が出ているではないか。興味深いのである♪




山中伸弥著、毎日新聞出版、2018年刊

<「BOOK」データベース>より
ノーベル賞科学者の「人間力」に迫る!iPS細胞による再生医療の実現に向け、京大iPS細胞研究所(CiRA)を率い、苦闘する日々…ノーベル賞科学者の栄光と挫折を、山中伸弥が自ら語る!周囲の証言を交え初めて描く、「人間力」の秘密。

<読む前の大使寸評>
おお 山中先生のiPS細胞が出ているではないか。興味深いのである♪

rakuten 走り続ける力


最後に永山悦子さんが説く「解説」を、見てみましょう。
p201~205
<解説:永山悦子>
 山中教授の好きな言葉の一つに、「人間万事塞翁が馬」がある。人生における幸せや不幸は予測が難しく、不幸だと悲しんでいたことが幸せに、幸せと喜んでいたことが不幸に、いつ転じるか分からないのだから、安易に喜んだり悲しんだりするべきではないというたとえだ。

 山中教授の人生は、まさにこの言葉通りといえる。iPS細胞ができるまでの道は平坦ではなかったし、これからの臨床応用が実用化するまでの道はさらなる困難が待ち構えているかもしえない。だからこそ、後輩たちや研究所の行く末、iPS細胞の行く末が頭から離れることがないのだろう。

 一方、常々感じるのは、山中教授の基礎研究への思いの強さだ。「化学は驚きに満ちている。常識を覆したり、皆が信じていたことが違ったり、そういうことにワクワクする。私はそのワクワク感が大好きで研究者になった」と話す表情は明るい。

 2018年4月、東京都内で開かれた新経済連盟の「新経済サミット2018」で、山中教授は人気ロックバンド「X JAPAN」のYOSHIKIさんとともに登壇した。そこで、科学と芸術の共通性が話題になったとき、山中教授は「私は『サイエンス=アート』だと思っている。YOSHIKIさんと同じように革新的なものを創造する作り手が科学者であり、科学者はアーティストだと考える」と話した。

 神も想像していなかったに違いない「iPS細胞の発明」は、まさにアーティストの作品といえるのかもしれない。山中教授が続けて話したのは、基礎研究の魅力と研究環境の重要性だ。
「私たちは、研究資金のために論文を書くのではなく、クリエイティブかつイノベーティブな仕事をするために論文を書ている。そのような基礎研究に没頭するためには、自由な時間が必要だ。それにもかかわらず日本には『失敗は恥』というような文化があり、失敗を許さない直線的な文化だと感じる。米国は円のような文化で、失敗も成功につながる過程の一環と考えられている。日本の文化も変わらなければならないのではないか」

 自分自身の研究だけではなく、後に続く若手の研究も考えての発言のように聞こえた。だからこそ、iPS細胞研究を支援するための基金のPRにも自然と力が入るのだと感じる。
 毎日新聞の連載コラムのタイトル「走り続けて」は、山中教授のアイデアだった。私たちもいくつか提案したが、「走り続けて」に対する山中教授の強い思いを感じ、決定した。今振り返ると、このタイトルにして良かったと思う。

 思い返せば、2007年にヒトiPS細胞の作製の論文を発表した際の記者会見で、山中教授は「マラソンだとゴールが見えた感じで、再生医療研究が一気に進む可能性がある。でも日本がそのままテープを切れるかどうかは分からない」と語った。2012年にノーベル賞を受賞した翌日の記者会見では、「研究開発は本当にマラソンに似ている。マラソンの間も水分や栄養の補給が必要だが、今回のストックホルムにはそういった栄養補給のような意味があった」と話していた。山中教授の頭の中では、「研究」と「走ること」は重なっているようだ。

 本書でも書かれているように、山中教授は、常にビジョンに向かって走り続けている。国内外のマラソンにも参加し、走り続けている。日々のランニングでも、耳に付けたイヤホンから流れているのは、音楽ではなく英会話のプログラムだ。「米国へ行くといまだに英語で苦労しているから、少しでもうまくなりたい」からだという。そのまじめさには感服するしかない。

 私がインタビューした際、山中教授は「自分と同じ経験をした前任者はいない。CìRA所長の難しいところは孤独なところ」と明かした。そんな孤独感、iPS細胞研究への患者や家族の皆さん、社会からの大きな期待、そして研究所トップとしての責任を背負いながら、山中教授はビジョンと信念へ向かって今日も走り続ける。iPS細胞の生みの親として、CìRA所長として、先頭を走り続ける山中教授が見る風景を、これからも追いかけたい。


『走り続ける力』2 :素顔の山中伸弥:永山悦子
『走り続ける力』1 :臨床応用というゴール





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Last updated  2024.09.19 00:07:19
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