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またまた、「見果てぬ夢」4です。読んでくださった方は、一言、感想頂けるとうれしいです。
ちなみに、ベスとローリーという名前は、大好きな「若草物語」から、借りてしまいました。
他にもいろんな名前が出てくるけど、どこから借りたか当ててね。
それでも、早速、父に彼のことを話した。
「前から好きな人が出来たら、連れて来いと言ってたでしょ。私、好きになれる人が見つかったの。
まだ相手はそんな気ないけど、連れてくるだけでもいいでしょう。」
「ああ、もちろんだとも。パパがベスの目に狂いはないか、確かめてやる。
今度の日曜は出勤しないから、連れてくるといい。」
「このところ、休日出勤ばかりだったのに、大丈夫なの?何か研究が終わったの?」
「ちょっと一段落というとこかな。ベスは、科学に興味があるのか?」
「うん、私もパパみたいな科学者になりたいの。なれるかな。」
「ウーン。難しいけど、ベスなら大丈夫。頑張ればきっとなれるよ。
ただし、ロボットの中で人間が互角にやっていこうとしたら、並大抵の努力では駄目だ。
彼らの学習機能は、私達人間の比ではないからね。」
「そうね。本当にそう思うわ。学校の勉強でさえ、ロボットに太刀打ちできないのに、
研究なんて出来るかしら。不安になっちゃうわ。」
「え? ベスは、首席ではなかったのか? ロボットも含めての。」
「今度、凄い転校生が入ってきたのよ。勉強もスポーツも抜群なの。」
「ほう、そんなに凄いロボットなのか。どこから来たのかね。」
「なんでも、北のはずれの海沿いの町から来たと言ってたわ。」
「北のはずれだって? その町の名はなんていうのかね。
もしかして、あの町かもしれない。そうだとしたら、彼は一体何者なのか。」
「北の町がどうかしたの? 何があるというの?」
「いや。私も余り知らないのだが、機密のある町らしい。
誰もその町に出入りする事は許されていないのだ。
その中にいる者も、出る事はかなわない筈だ。彼はどうして出てこれたのか。」
「あまり詳しい事は言いたがらないの。人間嫌いなのよ。」
「そうか。私はそのロボットに会ってみたいな。好きな彼よりも。」
「今に会わせてあげるわよ。それより、彼を楽しみにしていてね。」
パパの驚く顔が目に浮かんだ。心の中で、ペロっと舌が出ちゃった。