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2023.12.11
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カテゴリ: スターツ出版文庫


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2023年11月刊
スターツ出版文庫
著者:皐月なおみさん

天涯孤独の村娘・翠鈴は、国を治める100ある部族の中で忌み嫌われる「緑族」の末裔であることを理由に突然後宮入りを命じられる。100番目の最下級妃となった翠鈴は99人の妃から虐げられて…。粗末な衣装しか与えられず迎えた初めての御渡り。美麗な龍神皇帝・劉弦は人嫌いの堅物で、どの妃も門前払いと聞いていたのに「君が宿命の妃だ」となぜか見初められてー。さらに、その契りで劉弦の子を身籠った翠鈴は、一夜で最下級妃から唯一の寵姫に!?ご懐妊から始まるシンデレラ後宮譚。



登場人物
 緑翠鈴=寒村で診療所を営んでいたが、皇帝の百の妃として後宮に召喚された。
     人を癒す力を持ち劉弦に寵愛される。
  劉弦=水凱国の皇帝。人界に降りた四代目の龍神であり、盟約による縛りの影
     響で日に日に神力が衰えていた。
 黄福律=水凱国の宰相。
 黄華夢=福律の娘で一の妃。翡翠の手を持つと言われている。
  芽衣=地方部族の娘で九十九の妃。翠鈴と親しくなる。
  蘭蘭=翠鈴付きの侍女。

後宮ものです。

三千年前、人々の願いによって天界から降りて来た龍神は皇帝となって国を治めた。国中を見渡す目を持つ皇帝のおかげで国は栄え平穏な日々は続いた​。
龍神は人と盟約を結んだ際、百の妃を迎えることを承知。暫くは上手く共存していたのだが、時が経ち繁栄が続くと人々の心の欲深さや汚い心に龍神の力を弱らせて行く。
そんな龍神を癒す「翡翠の手」を持つ妃が寄り添うことでなんとか平安は保たれていた。だがそれも昔の話。四代目の龍神の皇帝・劉弦の頃には当代の「翡翠の手」の持ち主である華夢の力を以てしても回復は見込めなかった。
劉弦は諦めの心境となり、未だ揃っていない百番目の妃を後宮に呼び寄せるよう命じ、建前でも盟約を果たしたとして天界に帰ろうとしていた。

その百の妃である翠鈴は国の外れの寒村で診療所を開いていた女性だった。彼女は数十年前に都から追放された緑族の者で敢えて召喚リストから除外されていたのだ。
そもそも自分が該当者だとは露ほども知らず、都から使者が来た時はビックリ。
自分がいなくなったら病をいやす者がいなくなると翠鈴は抵抗したが、一先ず百の妃として皇帝に会ってくれさえすればすぐに村に帰っていいと言われ渋々承諾。

三日三晩かけて皇宮までやって来たものの、追放された緑族の上、田舎者丸だしな服装から場違いな女認定されされ後宮では針の筵状態。
早々に皇帝の渡があるそうで、衣装を用意されれば嫌がらせで汚されて着ることも出来ず作務衣姿で会うことに。まぁどうせ会うだけらしいしどうとでもなれ、と開き直り待っていたら、やって来た皇帝の様子がおかしい。
侍女の蘭蘭の話によればあの美しい華夢さえ、寵愛を受けたことは一度も無いと言っていたのに、どうして愛しい者を見るような目で私を見るのだろう。
そして劉弦もまた味わったことのない感覚に戸惑っていた。まさかこの娘が自分の「宿命の妃」?お互い不思議な感覚に陥り、二人は夜を共にした。

翌朝、後宮では皇帝がついに妃に寵愛をお与えになったと大騒ぎ。
しかも、それが昨日やって来た緑族の末裔の百の妃と聞いて華夢始め、妃たちの妬みは凄まじかった。反対に大はしゃぎの蘭蘭は自分の主人が誇らしくて仕方ない。
皇帝と共寝した妃は懐妊定めの儀を行うと言う。術者の力で妊娠したかどうかすぐ判るのだそうだ。いくら龍神様とは言え、昨日の今日で判るもの?と翠鈴は半信半疑だったが、儀式ではっきり懐妊の判定が出て驚愕。あと暫くすれば悪阻の症状も出るだろうとのこと。
この発表に劉弦は大喜び。彼女と寝てからというもの頗る体調も良くなり千里眼の力も復活。天界へ帰ろうとしていたのも忘れる程であった。
腹心にそのことを指摘された彼は、翠鈴が死ぬまで人界に留まる事を告げ彼女を溺愛。妊娠しているので行為はしないが毎夜呼びつけては一緒に眠っていた。

その間、翠鈴は持ち前の性格と診療所での知識から間近に住む九十九の妃・芽衣の不調を見抜いてからというもの、妃の中でも下位に当たる貴人たちと親しくなっていった。
貴人たちは皆、地方部族の娘ばかりで野山を駆け回っていたようなお転婆揃い。しかも彼女が劉弦に貴人たちの待遇改善をして欲しいと願い出てたことを聞きつけ一層翠鈴の株は上がった。外面は良いが性格の悪い華夢よりも翠鈴が皇后になるべきと皆が応援してくれていたが、当然面白くないのは華夢を含め高位の貴妃たち。
堂々と翠鈴に嫌がらせするようになって、毒蜘蛛に噛まれたりと彼女は散々な目に。
劉弦が激怒し、犯人を厳罰に処すと審議が開かれた際は翠鈴は必死に止めた。慈悲深い彼女の姿に一層彼女の人気は上がり、その治療の腕からある妃が翠鈴こそが「翡翠の手」の持ち主なのではと呟いた。実は、劉弦との最初の夜から彼女は他人の不調が一目でわかるようになっていて戸惑っていたのだ。その頃、華夢ではなく翠鈴を皇后にと推す声も多くなり、劉弦は彼女を皇后にすると宣言。焦った宰相は背に腹は代えられぬと娘を犠牲にする恐ろしい企みを実行に移し・・・。


この宰相が今作の悪役に該当するんですけど、まぁどクズでしたね。
娘が皇后になれないと知るや、翠鈴の養父になると宣言。華夢殺害を目論みます。こいつマジで胸糞過ぎる。とはいえそんな企みが上手くいくはずもなく、劉弦すら殺めようとしたことで報いを受けることに。宰相の自白によって緑族こそが「翡翠の手」の力を受け継ぐ者と判り、その末裔の翠鈴は皇后に相応しいと誰もが納得。晴れて彼女は立后するのでした。
でもまぁ、翡翠の手って名前からしてヒロインが該当者なのは一目瞭然だったんですけど、追放されたのも濡れ衣で宰相の黄一族のやらかしが本当に許しがたい。
劉弦が弱って行ったのは妻となるべき者が都から遠く離れた地にいたからだったと言うオチ。
芽衣始め、貴人たちは皆いいい子達だったし、宰相以外は憎めない人ばかりだったので、モヤモヤ度はほぼ無し。後宮ものはドロドロしてるのがちょっと、って方にもおススメです。


評価:★★★★★
読後感の良いお話でした。





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最終更新日  2023.12.11 09:00:07
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