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2016.05.11

ぼく、牧水！

カテゴリ：読書・映画

【はじめての方限定！一冊無料クーポンもれなくプレゼント】ぼく、牧水！歌人に学ぶ「まろび」の美学【電子書籍】[ 伊藤　一彦 ]

おもしろかった。
堺さんは語彙が豊富で、借り物ではない言葉で表現し、
独自の思考ができる人で、
普通の役者さんだと思っていたけど
哲学の素養まであるところに驚いてしまいました。

伊藤一彦さんは、歌人にして「現代社会」の先生で、
宮崎県立宮崎南高等学校で、堺雅人に教えているうちに
堺さんが伊藤先生になついて、
哲学や文学の話までするようになり、今でも慕いつづけているそうです。

堺雅人は伊藤先生の影響を受けて牧水を読むようになったそうですが、
牧水全集まで持っていて、
牧水の朗読劇もやったことがあるそうです。知らんかった。

（私の実家には牧水全集があります。
全１３巻あり、教材校正で初出を確認するときに一回だけ使ったかな。
素人が読むようなものじゃないと思ってたけど
短歌だけではなく、書簡もかなり面白いことがわかったので
読んでみようかなぁ）

伊藤一彦さんの、ひもとくような丁寧な牧水の解説が心地よく、
短歌入門にもいい本かも。

牧水はお酒で持ちくずした人だと誤解していたけど、
周囲に愛されながら、死ぬまで楽しく
大好きなお酒を飲み続けた幸せな人だとわかりました。

牧水は旅をしながら、わらじの足裏に自然を感じ、
筋肉の動きが風を動かすことを感じ、
自分自身が自然の一部であるということを心から実感していたようです。

自然を愛する人はたくさんいますが、
自分自身が自然の一部であると確信するに至る人は少ないのではないでしょうか？

また、ひとことではいえませんが、お酒の飲み方って深いものなのですねぇ。
「楽しいお酒」は人と人とをつなぐ、すばらしいものだと感じました。
ココロを緩ませるような独酌の域には、私はまだまだいけそうもありません。