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「きつとまだ当分元気」と決め込みて十年間有効のパスポートとする(佐藤紀子 コスモス六月号より)原作は「きつとまだ当分元気」と決め込みて十年用のパスポートとるであったが、下の句を添削していただいた。自分では情況がよくわかっているものだから、とかくこういうことがおきるのだが、「十年用」は不正確だし、結句の「パスポートとる」も、それは結果であって、決め込んだ段階では、「五年用にしようか、十年用にしようか」と迷ったのだから、やはり「パスポートとする」が、字あまりになっても現状に即した表現ということになるのだろう。何年勉強しても、短歌はむずかしい・・・が、表現の話は別として、十年用を手にしてみて、なんだか自信過剰なような、恥ずかしいような気持ちになったのだが・・・そういう気持ちになったのは、今回が初めてである。(これは、まさに「トシのせい」である。)実際のところ、前回は、「あと十年」に何の抵抗もなかったし、「十年後も、飛行機に乗れるかしら」などと、冗談以外では考えたこともなかった。わざわざ歌にするところが、自信のない証拠・・・というか、微妙なところである。ところが、ひと月ほど間をおいて、コスモス七月号を読んでいたら、パスポート十年間をえらびたり二〇〇九年八十のわれ(松尾佳津予)という、親しくしていただいている先輩の作品があった。「まあ、松尾さんも10年用をおとりになったのね」と頼もしく、また、同じような歌を出した偶然も嬉しかったのだが・・・まてよ、同じことを歌っていても、こちらの方が、テレみたいなものがない直球でずっと気持ちがよいではないか。さすが・・・・「パスポート十年間をえらびたり」のすっきりとしていること!しかも、「二〇〇九年八十のわれ」とはっきり述べたので、「ああ、八十歳でこういう考え方をなさるのは、お元気でよいなあ」と読者はわかるけれども、私の場合、 「「きつとまだ当分元気」と決め込みてと詠まれたって、私のことをご存知の方は、「まあ、あの方は78歳まで元気で、海外旅行もできるときめもんじゃうのね」と思われるかもしれないが、そして、コスモスの選者の先生も、投稿用紙に年齢が書いてあるので、その辺はわかってくださったのかもしれないが、誌上で歌だけをみたら、作者の年齢がわからないので、何も微妙なところが伝わってこない。ここでは年齢は必要な情報であった。(恥ずかしがって書かなかった私はワルイ。)元気と決め込んだことなどは、読めばわかるので、書く必要のない情報であった。そう思ってみると、私の一首にくらべて、松尾さんの一首は、情報が整理されていて簡潔で、気持ちもよく伝わる。 添削も勉強になるけれども、同じ内容で、ずっと巧みに詠まれている作品を読むことはとても勉強になる。まして、それが、普段から尊敬している方の作品だとひとしおである。また、今日、お手紙をいただいたところによると、ブルガリアのコスモス会員のMさんも、最近10年用のパスポートをおとりになったそうだ。「気持ちはまったく同じです」と書いてくださったが、Mさんも、私と3歳くらいしか年齢が違わないのを知っておいでなので、詠まれていない情報も補って読んでくださったのだろう。うちの夫も、最近10年用パスポートを取ったが、彼の場合は、健康がどうこういうことよりも、またとりにいく手間がひたすら面倒であるからだろうということは、45年連れ添った経験から理解している。
July 1, 2009
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