投資逍遥

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2005/04/10
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カテゴリ: 読書
晩年の安岡先生は、折にふれて「わが畢生の仕事として、古今の文献を渉猟して、東洋宰相学を書き遺したい」と洩らしておられたそうです。
もう少し詳しく書くと、「東洋宰相学」、「東洋人物学」、「禅と陽明学」の3部作を書き遺したかったとのことです。
しかし、この望みは叶わずに他界されたため、安岡先生のお弟子さんが昭和23年に刊行された安岡先生の『政治家と実践哲学』の一部を改めたものを、『東洋宰相学』と改題して刊行されました。
この本は、以上のような経緯で、昭和63年に発行されました。

この本では、 清末の哲人政治家・曽国藩(そうこくはん 1811~1872年) について書かれています。
安岡先生と交流があった蒋介石(1887~1975年)も、非常に曽国藩を尊敬していたそうです。

曽国藩は15年にわたる太平天国の乱の鎮圧に功績を挙げましたが、軍陣から子にあてた手紙の内容には、非常に感銘をうけました。
一部を以下に書き写します。

「父は官に仕えること20年になるが、別段宦官の気習にも染まず、飲食起居みな昔のごとく寒素で、倹は家風である。それでも衣食には十分である。贅沢は決してしない。官吏と謂うものは贅沢になるのは何でもないが、一度贅沢しておったものが再び倹約に返るのは容易なことではない。お前はまだ年が若いのであるから、今から贅沢の習慣をつけてはならぬ。怠惰の習慣をつけてもならぬ。何の事にかかわらず贅沢と怠惰とで破滅せぬものはない。お前は朝も早く起きて読書習字につとめ、祖先以来の名を辱しめぬ人物になる修養を積みなさい」

こういったことを書かれているわけで、哲人政治家といわれるのも最もかなと思われます。
私がこの手紙の中で特に惹かれるのは、「贅沢と怠惰とで破滅せぬものはない」という部分です。





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Last updated  2005/04/10 06:25:47 PM
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