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20万アクセス記念 いま聴きたい名曲(8)第8回: ボズ・スキャッグス「ハート・オブ・マイン(Heart of Mine)」元記事リンク: Boz Scaggs / Heart of Mine(2010年1月21日) 秋が深まりしんみりして、というわけでもないのですが、今回の“いま聴きたい”シリーズの気分としては、どうもバラード系の割合が多くなってしまっています。 何はともあれ、80年代AORの超名曲、「ハート・オブ・マイン」です。元記事でも書きましたが、巷でよく耳にするのは、ボビー・コールドウェルが歌っている方のヴァージョン。でも、私個人は断然、ボズ・スキャッグスのヴァージョン派なのです。 口パク具合といい、妙にストーリー性を持たせようとするビデオの作りは、いかにも80年代的で、今から見ると陳腐な部分がなくはありませんが、やはり名曲そして名唱に違いはありません。 有名なボビー・コールドウェルのヴァージョンと並べてみようかと思いましたが、あまりに芸がないので、ここは少し趣向を変えて、ジャズ/フュージョンのサックス奏者、小林香織が演奏する「ハート・オブ・マイン」です。途中まで若干退屈気味かもしれませんが、お時間の許す方は一通り聴いてみてください。 ハングル文字からして韓国のTV番組の出演映像でしょうか。この小林香織という人についてはあまりよく知らないのですが、この曲を聴く限りでは後半のアドリブの盛り上げがなかなかいい演奏に仕上がっているように思います。 下記3つのランキングサイトに参加しています。 お時間の許す方は、ひとつでも“ぽちっと”応援いただけると嬉しいです! ↓ ↓ ↓
2011.10.30
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20万アクセス記念 いま聴きたい名曲(7)第7回: CSN&Y(二―ル・ヤング) 「ヘルプレス(Helpless)」元記事リンク: CSN&Y (Crosby, Stills, Nash & Young) / D?j? vu(2009年10月2日) 再びニール・ヤングの登場です。 数日前に「孤独の旅路(ハート・オブ・ゴールド)」を取り上げたばかりですが、今回は、1970年、クロスビー、スティルス、ナッシュ&ヤングとしての最初のアルバム『デジャヴ』収録の「ヘルプレス」です。 当初はクロスビー、スティルス&ナッシュの3人組でしたが、ニール・ヤングがここに入るきっかけはこの「ヘルプレス」だった(この曲を前にしてメンバーはニールの加入に乗り気になった)そうです。 結局、この曲はCSN&Yという枠組みに関係なく、ニール・ヤングの代表曲の一つとなっていきます。 次のザ・バンドとの共演ヴァージョン、何ともカッコいいですね。この曲の素晴らしさと同時に、ザ・バンドの凄さを再認識させてくれる好演奏です。 結果的にニール・ヤングの曲紹介になってしまいましたが、実を言うと、最初はザ・バンド(『南十字星』)が聴きたい気分だったのです(笑)。関連のいろんな動画を見ていたら、今回は「ヘルプレス」に行き当たってしまったという次第です。 下記ランキング(3サイト)に参加しています。 お時間の許す方は、“ぽちっと”クリックで応援をよろしくお願いします! ↓ ↓ ↓
2011.10.29
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20万アクセス記念 いま聴きたい名曲(6)第6回: ゲイリー・ムーア 「スティル・ゴット・ザ・ブルース(Still Got The Blues)」元記事リンク: Gary Moore / Still Got The Blues(2010年1月17日) 今年2月、滞在先のスペインのホテルで急死した、アイルランド出身のギタリスト、ゲイリー・ムーア。結局、死因は心臓発作だったとのことですが、享年58歳はあまりに早すぎる死でした。しかも亡くなった当時は、新しいギターを入手したばかりで、次なるツアーに意欲を燃やしていたとのこと。 ゲイリー・ムーア追悼の意味も込めて、1990年の“ブルース転向”第1弾アルバム『スティル・ゴット・ザ・ブルース』の表題曲です。演歌的な泣きのブルースです。 続いては2010年、モントルー・ジャズ・フェスティヴァルでの渾身のギタープレイです。ぐいぐいひき込まれていってしまう見事な迫力のソロです。 追悼ということで、特別にもう一つ。ゲイリー・ムーアの死後、エリック・クラプトンによる彼へのトリビュートです。 贅沢を言えば、アコギではなくて、ストラトを掻き鳴らして泣かせて欲しかったところですが、そこまで要求するのは聴き手のわがままが過ぎるといったところでしょうかね(笑)。 下記3つのランキングサイトに参加しています。 お時間の許す方は、ひとつでも“ぽちっと”応援いただけると嬉しいです! ↓ ↓ ↓
2011.10.28
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20万アクセス記念 いま聴きたい名曲(5)第5回: ハート 「アローン(Alone)」元記事リンク: Heart / Bad Animals (2010年10月23日) 70年代後半に登場し、80年代に一世を風靡したハートの「アローン」です。元の記事(アルバム『バッド・アニマルズ』)では、“売れ筋路線に吹っ切れた”みたいなことを書きましたが、アン・ウィルソンが特にそうだったのかな、と思ったりします。ナンシー・ウィルソンの方はロック・ギタリストらしさをあまり消したくなさそうな映像での登場の仕方です。 さて、もう1本はシアトルでのライヴより。アンとナンシー姉妹二人だけでのアコースティック・ヴァージョンです。2003年ということですから、発表当時30歳代半ば~後半だったお二人が50歳前後の時の映像ということになります。貫録がついて年季が入った(もちろん、歌声と演奏のことですよ!)熱唱をどうぞ。 [枚数限定][限定盤]バッド・アニマルズ/ハート[CD]【返品種別A】 下記3つのランキングサイトに参加しています。 お時間の許す方は、ひとつでも“ぽちっと”応援いただけると嬉しいです! ↓ ↓ ↓
2011.10.27
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20万アクセス記念 いま聴きたい名曲(4)第4回: ニール・ヤング 「孤独の旅路(Heart of Gold)」元記事リンク: Neil Young / Harvest(2009年10月11日) 元の記事では、アルバムを“秋の1枚”として紹介しました。これのどこが秋?と思う方もいらっしゃるでしょうが、個人的にはなぜか秋の深まりや紅葉とともに思い出す(そして聴きたくなる)アルバムなのです。 名曲揃いの名盤ですが、今の気分は、「孤独の旅路(原題:ハート・オブ・ゴールド)」です。映像は動きませんが(ジャケ写のまま)、ひとまずはオリジナルの演奏をお聴きください。 こういう名曲はあまり元のイメージと違わないのがいいですね。というわけで、元のアルバム制作当時のライブ演奏(BBCのライブ)をどうぞ。弾き語りヴァージョンです。 *2026年2月、動画を差替え・追加しました。 【楽天ブックスならいつでも送料無料】【輸入盤】 HARVEST [ ニール・ヤング ] 下記ランキング(3サイト)に参加しています。 お時間の許す方は、“ぽちっと”クリックで応援をよろしくお願いします! ↓ ↓ ↓
2011.10.26
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20万アクセス記念 いま聴きたい名曲(3)第3回: べリンダ・カーライル 「輝きのままで(Leave A Light On)」元記事リンク: Belinda Carlisle / Leave A Light On(2010年7月18日) この辺で1曲ぐらいはアップテンポなものを。ゴーゴーズ出身の女性ヴォーカリスト、べリンダ・カーライルのヒット曲「輝きのままで」です。 映像からもわかるように、美人です(別に私の好みではないのですが、客観的に見て美人です)。いや、それはそうなのですが、何が美人かって言いたいかというと、容姿もさることながら、歌声が抜群に美人なのです。 声が美人と言いましたが、この人の歌い方(節回し)は独特な部分があるので、人によって好みは分かれるかもしれません。ちなみに私はこの歌声に完全にノックアウトされてしまう側です。もう1本は、当時のオーストラリアのTVショーから。 Belinda Carlisle / Runaway Horses 輸入盤 【CD】 下記3つのランキングサイトに参加しています。 お時間の許す方は、ひとつでも“ぽちっと”応援いただけると嬉しいです! ↓ ↓ ↓
2011.10.25
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20万アクセス記念 いま聴きたい名曲(2)第2回: エルトン・ジョン 「60才のとき」 過去記事で取り上げた曲、またはアルバムの中から、今の気分で選んだ“いま聴きたい名曲”の第2弾は、エルトン・ジョンです。元記事リンク: Elton John / Sixty Years On(2011年10月20日) Elton John / Elton John(2010年4月10日) Elton John / Live in Australia(2010年7月12日) つい最近(先週の記事で)取り上げた曲です。その時、DVD化された60才誕生日ライヴは見ていないと書きましたが、次の映像がありました。還暦だからかどうかはしりませんが、何だか貫録のある立ち振る舞いと歌いっぷりが印象的です(ちなみにクリップの時間が長いですが、後半は別の曲です)。 さらに個人的には高く評価している1986年のオーストラリアのライヴ(メルボルン交響楽団とのシドニー公演)から。この頃は、まだ奇抜な格好もしていました。この時は確かモーツアルトの仮装をしたとかいうことでしたね。 ともあれ、名曲です。 下記ランキング(3サイト)に参加しています。 お時間のある方、応援くださる方は、“ぽちっと”よろしくお願いいたします! ↓ ↓ ↓
2011.10.24
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20万アクセス記念 いま聴きたい名曲(1)第1回: ジョー・ジャクソン 「スローな歌をかけてくれ」 以前にも一度やりましたが、今回は20万アクセスの記念ということで、“いま聴きたい名曲”特集です。条件は“いままでの過去記事の中で曲もしくはその曲を含むアルバムが取り上げられていること”です。順不同で10曲程度取り上げたいと思います。 第1弾は、パンク/ニューウェーヴに始まり、ジャイヴ、レゲエ、ラテン、クラシック、ポップの王道などとバラエティに富んだ音楽性を持つジョー・ジャクソンのド名曲です。元記事リンク: Joe Jackson / A Slow Song(2011年1月26日) まずは2008年のライヴより。 *2025年6月、映像を差し替えました。 これももちろんよいのですが、元のスタジオ・ヴァージョンがやっぱりベストと私は思います。(残念ながら音だけで、映像はありません)。 秋の夜長にもぴったりの1曲です。 下記3つのランキングサイトに参加しています。 お時間の許す方は、ひとつでも“ぽちっと”応援いただけると嬉しいです! ↓ ↓ ↓
2011.10.23
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累計アクセス数が20万を超えました。20万アクセス目は夏の介さんでした。毎度のことながら景品などはございません(笑)。 スタートしてから2年余りになりますが、無事に続けてこられたのも、本ブログをご覧いただいている皆様のおかげです。 この場を借りて、あらためて感謝申し上げるとともに、これからも変わらぬご愛顧のほどお願いいたします。 下記3つのランキングサイトに参加しています。 お時間の許す方は、ひとつでも“ぽちっと”応援いただけると嬉しいです! ↓ ↓ ↓
2011.10.23
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ロリンズ初の映画音楽はネルソンのアレンジが冴える好盤 1966年のイギリス映画『アルフィー』の音楽をジャズ界の巨人ソニー・ロリンズ(Sonny Rollins)が担当したもの。とはいえ、実際の映画では、別の奏者のテイクが使われたと言うから、要するに、映画用の音源とは別にニューヨークでミュージシャンを集め、独自のアレンジでスタジオ作として吹き込まれたものよいうことのようだ。 ロリンズは1930年ニューヨーク生まれで、既に1950年代に数々の名作(『サキソフォン・コロッサス』、『ニュークス・タイム』、『ヴィレッジ・ヴァンガードの夜』など)を残し、圧倒的人気を確立していた。華々しいこれらの時期に比して、その後のロリンズは苦悩の時を迎えたのであろうか、50年代末には自らの音楽を見つめ直すべく一時活動を停止する。そして、60年代に入ってからはアヴァンギャルド的なアプローチの作品を作ったかと思えば、本作のような映画音楽も手がけた。さらに付け加えれば、60年代末からはヨガや東洋哲学にも傾倒し、またも音楽活動を休止している。 そんな経緯を何十年も経った今から見ると、このアルバムが作られた1966年の段階で、既にロリンズのピークは過ぎ去ってしまっていたのかもしれない。したがって、このアルバムの存在は、ただ単にロリンズ絶頂期の演奏だけを楽しみたいのであれば、別段、最適盤になるという類のものではない(とはいえ、筆者は本盤のロリンズ節も好きなのだけれど)。むしろ、もう一人の主役とでもいうべき編曲者のオリヴァー・ネルソンとの組み合わせを楽しむための1枚と捉えるのがいいのかもしれない。 オリヴァー・ネルソン(この人物については『ミート・オリヴァー・ネルソン』および『ライヴ・フロム・ロサンジェルス』の項を参照)という人は、サックス奏者であると同時に、優れたアレンジャーであった。本盤では、そのアレンジャーとしての手腕が存分に発揮されている。 “ジャズはとっつきにくい”などと思う向きには、本盤なんていい入口になり得るようにも思う。別に初心者向け盤とか決めつけるわけでもないのだが、とっつきやすい盤であることは確かだと思う。その理由は、サックス奏者(ソニー・ロリンズ)が主役でありながら、この人物がアルバム全体を統率しているのではないところにあるのだろう。オリヴァー・ネルソンとの組み合わせを楽しむ盤、と上で述べたのは、ロリンズだけを集中して聴くのではなく、そのアレンジ(よって演奏の総体)にも注目がいくことになるからである。 収録曲のうち、筆者のお薦めは、テーマ部分が印象的な1.「アルフィーのテーマ」。ちなみにこの曲は別アレンジが6.「アルフィーのテーマII」としても収録されているほか、同じテーマ部分が他の曲(3.のエンディング)でも演奏されている。あと、ケニー・バレルのギターも印象的な4.「トランジション・テーマ」が個人的には結構好みといったところ。[収録曲]1. Alfie’s Theme2. He’s Younger Than You Are3. Street Runner With Child4. Transition Theme for Minor Blues or Little Malcom Loves His Dad5. On Impulse6. Alfie’s Theme Differently[パーソネル・録音]Oliver Nelson (arr., cond.)Sonny Rollins (ts)Jimmy Cleveland (tb)J.J. Johnson (tb)Phil Woods (as)Bob Ashton (ts)Danny Bank (bs)Frankie Dunlop (ds)Walter Booker (b)Roger Kellaway (p)Kenny Burrell (g)1966年1月26日録音。 【送料無料】アルフィー/ソニー・ロリンズ[SHM-CD]【返品種別A】 下記ランキング(3サイト)に参加しています。 お時間のある方、応援くださる方は、“ぽちっと”よろしくお願いいたします! ↓ ↓ ↓
2011.10.22
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INDEXページ(ジャンル別、アーティストのアルファベット順)を更新しました。 ここしばらくの記事を追加しています。INDEXページへは、下のリンク、もしくは本ブログのトップページ右欄(フリーページ欄)からお入りください。 アーティスト別INDEX~ジャズ編へ アーティスト別INDEX~ロック・ポップス編へ アーティスト別INDEX~ラテン系(ロック・ポップス)編へ アーティスト別INDEX~邦ロック・ポップス編へ下記ランキング(3サイト)に参加しています。応援くださる方は、各バナー(1つでも2つでもありがたいです)をクリックお願いします! ↓ ↓ にほんブログ村 : 人気ブログランキング: 音楽広場:
2011.10.21
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一抹の寂しさを残すエルトンの名曲たち(4) だらだらと続けていくのも何なので、“エルトンの寂しげな名曲”シリーズは、とりあえずこの4回目で一区切りとしたい。最後に取り上げるのは、前回の「王は死ぬものだ」と同じく、1970年リリースのセカンド作(ただし米国では最初のリリース作となった)『僕の歌は君の歌(原題:Elton John)』に収められた「60才のとき(Sixty Years On)」である。今回取り上げた他の曲と同じく、エルトン・ジョンとバーニー・トーピンの黄金コンビで書かれた曲である。 オーケストラをバックにした重々しい曲調だが、歌詞の内容も重々しい。主人公は退役軍人で、体が悪く犬と暮らしているが、こんな生活のまま60才(=年寄り、ということか)になりたくないという状況を歌ったものである。途中、「セニョリータ、ギターを弾いて」という詞があるが、これと呼応するように、オーケストラに加えて、スパニッシュ・ギターのバックの演奏も含まれていて、これがまたさりげなくいい効果を出している。 ちなみに、この曲は、“60才”というタイトルということもあり、エルトン・ジョンの60歳の記念にも登場した。彼の60歳の誕生日のその日(2007年3月25日)、通算60回目となるMSG(ニューヨーク、マジソン・スクエア・ガーデン)で行われたライブ“60 in 60”で、この「60才のとき」がオープニング・ナンバーになったという(DVD化されているが筆者は未聴)。 最終的にはありきたりな結論にしかたどりつけないのだけれど、やはりエルトン・ジョンは稀代のソングメイカーである。4歳でピアノを弾き始め、瞬く間にこれをマスターして、一度聴いたメロディはすぐさま再現できる神童になったという。11歳で王立音楽院の奨学生となり、クラシックの勉強もしたことで、その天才ぶりはさらに伸びたのだろう。“一抹の寂しさを残すエルトンの名曲たち”として4曲取り上げたわけだが、しばしば重要な役割を果たしていたオーケストラルな部分は、こういう素養に根があったからこそ可能になったのかもしれない。単なるポップ・ソングの作者あるいは歌い手というのでなく、より幅広いバックグラウンドがエルトン・ジョンの偉大さにつながっている。ありがちな結論だが、やっぱりそういうことになるのだろう。[収録アルバム]Elton John / Elton John (僕の歌は君の歌) (1971年)Elton John / Live in Australia (エルトン・スーパー・ライヴ) (1987年)Elton John / ELTON 60 ―Live at Madison Square Garden― (DVD、2007年[筆者は未聴])[関連記事リンク] 一抹の寂しさを残すエルトンの名曲たち(1)へ 一抹の寂しさを残すエルトンの名曲たち(2)へ 一抹の寂しさを残すエルトンの名曲たち(3)へ 下記3つのランキングサイトに参加しています。 お時間の許す方は、ひとつでも“ぽちっと”応援いただけると嬉しいです! ↓ ↓ ↓
2011.10.20
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一抹の寂しさを残すエルトンの名曲たち(3) 先にも少し述べたように、初期のエルトン・ジョンの作品には、このシリーズで取り上げている“一抹の寂しさ”というテーマに当てはまる曲が多い。アルバム『僕の歌は君の歌(原題:Elton John)』(1971年)を締めくくる曲、「王は死ぬものだ(The King Must Die)」もその一つである。 その理由はといえば、当時のエルトン・ジョンのアルバム作りがオーケストラ演奏をしばしば組み込んでなされ、壮大な曲や荘厳な演奏が収録される環境にあったからということになるだろう。繰り返し書いているように、心温まるバラードもいいが、世間でおそらくはいちばん認知されているこのイメージだけだと、エルトンのよさの何分の一にしか過ぎない。変な喩えだけれど、イチゴショートケーキのイチゴしか食べてない状態、とでも言えばいいだろうか。ポップでノリのいいエルトンもいいし(例えば「クロコダイル・ロック」などは筆者にとって永遠のスタンダードである)、今回取り上げている“寂しさ”というキーワードも彼の魅力の中で大きな比重を占めるものだと思う。 さて、この「王は死ぬものだ」は、とにもかくにも、曲の終りに向けての盛り上げが実に叙情的で、感動的な曲である。初期のライブではよく取り上げられていたようだが、80年代にオーケストラ・ツアーで演じられた後はほとんど取り上げられなくなった(2004年にオーケストラを率いてライブ・ツアーをした際には演奏されたという)。曲調からして、オーケストラとの共演が不可欠という風にエルトンが考えているということだろうが、ライブではある種“幻の曲”となっているのがもったいない佳曲だと思う。とはいえ、オーケストラを伴ってのこの曲の演奏が素晴らしいというのは、『エルトン・スーパー・ライヴ(Live in Australia)』に収録されたテイクからも伺える。 事の真相は定かではないが、1958年にイギリスで出版された教養小説(ビルドゥングスロマン)に同名の作品がある。メアリ・レノルトという作家が書いたもので、古代ギリシャを題材にした小説だったとのことである。もしこれを参考にしたのなら、この王のイメージ(服装とかいでたち)は、古代ギリシャの(社会の教科書の挿絵とかにでてきそうな)あれということなのだろうか。実を言えば、筆者の勝手な思い込みでは、主題の“キング”というのは、中世の王様のようなイメージだったのだけれど(苦笑)。[収録アルバム]Elton John / Elton John (僕の歌は君の歌) (1971年)Elton John / Live in Australia (エルトン・スーパー・ライヴ) (1987年)[関連記事リンク] 一抹の寂しさを残すエルトンの名曲たち(1)へ 一抹の寂しさを残すエルトンの名曲たち(2)へ 一抹の寂しさを残すエルトンの名曲たち(4)へ 下記ランキング(3サイト)に参加しています。 お時間のある方、応援くださる方は、“ぽちっと”よろしくお願いいたします! ↓ ↓ ↓
2011.10.19
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一抹の寂しさを残すエルトンの名曲たち(2) エルトン・ジョン(Elton John)のバラードには温かさが伝わってくる曲も多分にある。けれども、一部の(決して少なくない数の)彼の曲からは、どこか寂しげな気配が伝わってくる。1970年代の楽曲にとりわけその傾向が強いように思うけれども、後々のエルトンの作品群にもこの手の曲はときおり顔を覗かせる。 「ビリーヴ(Believe)」は、1995年発表のアルバム『メイド・イン・イングランド(Made in England)』の冒頭を飾る曲である。1970年代前半に人気絶頂を迎えたエルトンは、1980年代後半から90年にかけて、喉の手術、友人や知人のエイズによる死去、さらには薬物依存とアルコール依存、過食症とトラブルを抱えていた。91年のアルバム『ザ・ワン』で何とか復活を果たすが、この流れの中で、気合の入ったアルバムとして出てきたのが『メイド・イン・イングランド』だった。このアルバムでエルトンは原点に立ち返り、ちょうど70年代前半の作品群(『ホンキー・シャトー』、『ピアニストを撃つな!』、『黄昏のレンガ路』)と同じ方法でこのアルバム制作を進めていったという。 前回の「悲しみのバラード(Sorry Seems To Be The Hardest Word)」では、愛の絶望が主題となっていた。その時から20年近く経ち、上で述べたような経緯を乗り越えた46、47歳のエルトンは、今度はこの「ビリーヴ」では、“僕は愛を信じる”、“僕たちにはそれしかない”と堂々と歌う。この曲での“愛”というのは、いわば人類の、人としての“愛”である。 だからといって、決して明るいトーンで愛を説くわけではない。1990年代半ばの世界を見ながらの悲痛な叫びにも聞こえる。第二次大戦を引きずった二大大国の冷戦構造が消えて平和な世界が訪れたかというと全くそうではないし、多くの国々が数十年前とは違う豊かさを手に入れても差別や殺し合いは消えない日常がそこにはあった。結局、この状況って、エルトンがこのアルバムを作った後、21世紀に突入した今も変わってはいない。つまり、この楽曲でのエルトンの“愛”は、自信を持ちたい気持ちはあるものの、どこかそれにすがるような心地といったところであろうか。 実際、この曲の発表よりも後の例は枚挙にいとまがない。“テロリスト”を創り出し国民感情を煽って盛り上げた少し前の米国。人類が未経験の放射能事故を前に思考不全に陥り“風評”を創り出して同じく国民にそれを支持させようとした日本。そこにほんの少しの“誠意”や“愛”があれば、とつくづく思う。エルトンの「ビリーヴ」が単に明るい希望の曲に仕上がらず、寂しさと空虚感の中の一筋の希望の曲に仕上がっているというのは、こういう現実を日々見ている(あるいは見てきた)現在のアメリカ人や日本人(もちろんそれ以外の世間の虚しい現実を見つめる人たち)へのメッセージにもなっているような気がする。[収録アルバム]Elton John / Made in England (1995年)Elton John / Elton John’s Greatest Hits 1970-2002 (2002年)*ベスト盤[関連記事リンク] 一抹の寂しさを残すエルトンの名曲たち(1)へ 一抹の寂しさを残すエルトンの名曲たち(3)へ 一抹の寂しさを残すエルトンの名曲たち(4)へ 下記ランキング(3サイト)に参加しています。 お時間の許す方は、“ぽちっと”クリックで応援をよろしくお願いします! ↓ ↓ ↓
2011.10.16
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一抹の寂しさを残すエルトンの名曲たち(1) 世の中にはランキング好きな人も多いようで、“最も売れたアーティスト”なんてランキングを作りたがる人たちもいるようだ。シングルの枚数なのかアルバムの枚数なのか、ビデオやDVDも含むのか、基準によってあまりに尺度が適当なランキングにしかなり得ないと思うのだけれど、どうやらダントツの売り上げはビートルズ、エルヴィス・プレスリー、マイケル・ジャクソンの三者のようだ。ローリング・ストーンズは?レッド・ツェッペリンは?というロック・ファンも多いだろうが、彼らよりも上にポップ、ロック/ポップ系アーティストがもう少し続く。その一人がエルトン・ジョン(Elton John)である。 エルトン・ジョンと言えば、心温まる、あるいは心安らぐバラード系を思い浮かべる人も多いだろう。けれども、彼のバラードには結構寂しい雰囲気を湛えたものも多いように思う。過去の膨大な作品群から筆者の独断と偏見で、今回はそうした“寂しい系バラード”をいくつか取り上げてみたい。 第1弾はその名の通り「悲しみのバラード」。原題は「Sorry Seems To Be The Hardest Word(ソーリーというのは最もつらい言葉だと思う)」。1976年、エルトンが自ら立ち上げた新レーベル、ロケット・レコードからの最初アルバムとなった2枚組『蒼い肖像(Blue Moves)』に収録された曲である。このアルバム自体、全体として抑えられたトーンの作品なのだが、その中でも名曲なのが、この「悲しみのバラード」である。ちなみにシングルとして発売された際のジャケットはアルバムと同じデザインでアルバム名の部分の文字が曲名に変えられていた。そのことから想像するに、やはり制作者側にもアルバムを代表する曲という意識があったのではないかと思う。 詞の内容は“愛してもらうには、僕は何をすべきなのだろうか”、“すべてが終わってしまった後で、僕は何を言えばいいのだろうか”、“ソーリーというのは最もつらい言葉だと僕には思える”という、何とも悲しいシチュエーションのラヴ・ソング。演奏面では、ストリングスとアコーデオンの使い方が悲しげなマイナー調を実に盛り立てて(?)いる。あとバックに鳴っているヴァイブ音も印象的で効果的な使い方がなされている。 曲を作ったのはいつもの通り、エルトン・ジョンとバーニー・トーピンのコンビである。この二人の曲作りに多いのは、トーピンが詞を書きエルトン・ジョンがメロディをつけていくというパターンだが、この「悲しみのバラード」は例外的で、エルトンがメロディと歌詞の一部を先に作り、バーニー・トーピンがそれを曲として完成させたという。[収録アルバム]Elton John / Blue Moves (1976年)Elton John / Live In Australia(1987年)←オーケストラ共演のライヴ・ヴァージョンもおすすめElton John / Elton John’s Greatest Hits Volume II (1977年)←この他、各種ベスト盤にも収録[関連記事リンク] 一抹の寂しさを残すエルトンの名曲たち(2)へ 一抹の寂しさを残すエルトンの名曲たち(3)へ 一抹の寂しさを残すエルトンの名曲たち(4)へ 下記3つのランキングサイトに参加しています。 お時間の許す方は、ひとつでも“ぽちっと”応援いただけると嬉しいです! ↓ ↓ ↓
2011.10.15
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夜を彩る名盤 トム・ウェイツ(Tom Waits)は1949年生まれの米国のシンガーソングライターで、1970年代に西海岸のシーンに登場した。“酔いどれ詩人”の形容が有名で、本人も得意楽器は“ヴォキャブラリー”だと言う。その言葉に違いなく、トム・ウェイツはとにかくストーリーの“語り手”であり、いかにも一般受けしなさそうな(?)ダミ声でそうしたストーリーを紡ぎ出す。 デビューは1973年で、本盤『ハートアタック・アンド・ヴァイン(Heartattack and Vine)』は1980年発表の第7作目で、アサイラム・レーベルから発表した最後のアルバムとなる。これがダントツのベストというわけではないが、トム・ウェイツらしさという点では、かなり上位に来るアルバムだと思い、取り上げる次第である。 全編にわたって“酔いどれ詩人”の本領発揮な曲が居並ぶ。それと同時に、デビュー当時と比べると、1980年代に次第に姿を表し、1990年代に本格化していく“実験的音づくり”の芽生えも見て取られる。とはいえ、実験的な音の部分は後々の作品を思えばそう目立つわけではないので、トム・ウェイツらしさを初体験する向きにも適当な作品だと個人的には思う。 アルバムの聴きどころは全体に統一された雰囲気ではあるが、筆者の好みも含めつついくつか挙げてみよう。1.「ハートアタック・アンド・ヴァイン」はファズでかつブルージーなギター音が印象的で、アルバム全体のトーンを確定させるかのような出来栄えの曲。他方、バラード系(といっても、トム・ウェイツの歌声ではいわゆる美しいバラード系のイメージにはならないが)の3.「セイヴィング・オール・マイ・ラヴ・フォー・ユー」や5.「ジャージー・ガール」も印象的。とりわけ、5.の方は、このアルバムの発表後に結婚するキャサリン・ブレナンを歌った曲とのことで、B・スプリングスティーンがライブ・アルバム(1986年発表の5枚組『ザ・ライブ』)に収録して話題になった曲でもある。 そういえば、どこぞのドラマ(もちろん日本製)で、このアルバムが全面的にBGM使用されていたりもした。個人的には、このアルバムの使用を思い立った制作者の趣味趣向(?)を素晴らしいと思う一方で、やはりこのアルバムは特定のストーリーを持った番組(要するに連ドラ)にフィットしないという印象も同時に受けた。そう、このアルバムは特定の文脈に放り込むには“濃すぎる”のである。これが放り込まれて許される文脈は、敢えて言えば、一つしかないだろう。場末の酒場であれ、多少洒落たバーであれ、あるいは暗い自室なり、“酒とともに”ではないだろうか。まあ、そのようなわけで、お酒を飲む方々にはとりあえず飲酒時のBGMには欠かせないレパートリーになると思うので、未聴の方はぜひお試しいただきたい。[収録曲]1. Heartattack and Vine2. In Shades3. Saving All My Love for You4. Downtown5. Jersey Girl6. Til the Money Runs Out7. On the Nickel8. Mr. Siegal9. Ruby's Arms1980年リリース。 【輸入盤CD】Tom Waits / Heartattack & Vine 【K2018/3/23発売】(トム・ウェイツ)
2011.10.11
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ヴォーカルで勝負の長いキャリア リンダ・ロンシュタット(Linda Ronstadt)は、1946年アリゾナ生まれの米国の女性シンガー。先祖にはドイツ系やメキシコ系の血も引くという。60年代後半、大学を中退してバンド活動をはじめるものの、ソロとしてスカウトされて1969年にデビュー。当初はカントリー・フォーク色の強い楽曲をやっていたが、次第にロック的な音楽も手掛けた。この頃、バックバンドが発展して西海岸ロックの雄イーグルス(参考過去記事)が結成されたのは有名なエピソードである。さらに80年代途中からはジャズ・ヴォーカルのアルバムを出したり、はたまたラテンのトラディショナル曲の盤(上記メキシコ系の血を引くことからスペイン語でレコーディング)を制作したりと多様な活躍をしてきた。 こうしたリンダ・ロンシュタットの長いキャリアを振り返っての大きな特徴は、“ジャンルにこだわらない”ことと“オリジナル曲がない”ことである。ジャンルをまたいだ活躍というのは、よく言えばマルチタレントだが、悪く言えば節操がなく、心から響かないうわべだけの音楽という印象を与え得る。オリジナル曲で勝負しないというのも、うがった見方をすれば、単なる歌い手じゃないかと思われるかもしれない。 けれども、リンダ・ロンシュタットの場合はそういう疑念をまとめて一気に吹き飛ばしてしまうだけの歌唱力がある。それだけに、どの時期のどのアルバムを聴いても、概ねその凄さが伝わってくるという、ある意味では稀有なシンガーだと思う。 こういう言い方をすると、本盤『夢見る頃を過ぎても(We Ran)』を選んだ理由は何なのかということになってしまうが、要は筆者のお気に入りの一つであるというだけで、他にも愛聴盤やお勧め盤はある。敢えて言えば、リンダにとって原点回帰的なカントリー・ロック、フォーク・ロック志向のサウンドでとっつきやすく、若い頃の盤とは違って円熟と言える味も加わり、しかもジャケットも魅力的(さりげなく瞳が美しい!)という三拍子そろっているからということになるだろうか。 演奏メンバーといい、取り上げている楽曲といい、豪華なアルバムである。ブルース・スプリングスティーンの2.「イフ・アイ・シュッド・フォール・ビハインド」、ボブ・ディランの5.「親指トムのブルースのように(Just Like Tom Thumb's Blues)」、ジョン・ハイアットの1.「夢みる頃を過ぎても(When We Ran)」や10.「氷のようにブルーな気持ち(Icy Blue Heart)」といったように、アメリカのロックのエッセンスが完璧な歌唱で展開されている。演奏では、マイク・キャンベル(トム・ぺティ&ザ・ハートブレイカーズのギタリスト)、ジム・ケルトナー(元ビートルズのメンバーをはじめ様々な大物に起用されているセッション・ドラマー)など渋い面々が名を連ねている。 発売元のレーベル(エレクトラ)の記録によれば、リリースから10年間でたった6万枚しか売れなかったという“記録”をもつアルバムだという。これだけの好盤なのに何とももったいない話ではないか。上でも述べたように、これがリンダの最高作というわけではないのだが、初めて彼女のアルバムを聴く人や、人気絶頂だった70年代のイメージしかない人には、一度耳を傾けていただきたい1枚だと思う。[収録曲]1. When We Ran2. If I Should Fall Behind3. Give Me a Reason4. Ruler of My Heart5. Just Like Tom Thumb's Blues6. Cry 'Til My Tears Run Dry7. I Go to Pieces8. Heartbreak Kind9. Damage10. Icy Blue Heart11. Dreams of the San Joaquin1998年リリース。 【中古】 Linda Ronstadt リンダロンシュタット / We Ran 【CD】 下記ランキング(3サイト)に参加しています。 お時間の許す方は、“ぽちっと”クリックで応援をよろしくお願いします! ↓ ↓ ↓
2011.10.08
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2011.10.06
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ライブ演奏の解体と再構築から生まれた“動”の1枚 マイルス・デイヴィス(Miles Davis)といえば、音の革新者であった。モード奏法やエレクトリックなどジャズの音の進化を思い浮かべる人も多いだろう。その一方で、マイルスのトランペッターとしての真骨頂はリリシズムにあるという意見の人も多くいる。マイルスの演奏は、確かに時に極めて繊細で、その様子は、『カインド・オブ・ブルー』や『ラウンド・アバウト・ミッドナイト』などといった有名どころの複数の作品でとくに顕著に感じ取ることができる。 だが、マイルスの演奏のすべてがそうした一側面だけで語り得るということはない。言い換えれば、“これぞマイルス”という盤を選ぶのは不可能に近く、選ぶとすれば、“○○という面でのマイルスのこの1枚”とう選び方にならざるを得ない。 さて、今回は“勢いと激しさ”という観点から、筆者として真っ先に思い浮かぶ1枚、それが本盤である。トランペットのソロ奏者としての迫力がじかに伝わってくるという意味においての、マイルスのベスト盤と評してもいいかもしれないのが、この『フォア・アンド・モア(Four & More)』であると思う。 1.「ソー・ホワット」(元は『カインド・オブ・ブルー』に収録)にせよ、2.「ウォーキン」(元は『ウォーキン』に収録)にせよ、かつてのスタジオでの録音のヴァージョンに比べると、一気にたたみかけるようなスピードに乗って演奏されている。といっても、ただただアップテンポなだけというわけではなく、モードに向かっていったマイルスが暗中模索しながら辿り着いたメンバーでこの演奏が繰り広げられている。圧巻はトニー・ウィリアムスの激しいドラミングとハービー・ハンコックのピアノの個性。ここにマイルスの勢いのあるトランペット演奏が重なることで、この高揚感は可能になったのだろうと思う。 あらためて驚くべきは、姉妹盤『マイ・ファニー・バレンタイン』との対比である。『マイ・ファニー・バレンタイン』のところでも述べた通り、『フォア・アンド・モア』と『マイ・ファニー・バレンタイン』は同じコンサート音源(1964年2月12日、リンカーン・センター、フィルハーモニック・ホール)から作られたアルバムである。同じ日、同じ時にこういう二種類のまったく異なる方向性のプレイを完璧なまでにライブでできてしまっているというのは、マイルスのミュージシャンとしての懐の深さというほかない。しかも、その二方向の異種の演奏は、意図的に編纂されて、我々が耳にするアルバムに仕上がっている。今さらながら、“ジャズでリラックス”という風に気軽にしかジャズを捉えていないリスナー(別にジャズを軽く聴く行為自体を全否定するわけではないけれど)には、ぜひ聴いて欲しい名盤。“ジャズは疲れる音楽”でもあるというのが、このマイルスの二枚から伝われば、そうした方々のジャズの聴き方、ジャズ観は変わるに違いない。[収録曲]1. So What2. Walkin’3. Joshua=GoGo4. Four5. Seven Steps To Heaven6. There Is No Greater Love=GoGo[パーソネル・録音]Miles Davis (tp)George Coleman (ts)Herbie Hancock (p)Ron Carter (b)Tony Williams (ds)1964年2月12日録音。 【送料無料】フォア&モア/マイルス・デイビス[CD]【返品種別A】 下記3つのランキングサイトに参加しています。 お時間の許す方は、ひとつでも“ぽちっと”応援いただけると嬉しいです! ↓ ↓ ↓
2011.10.04
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ライブ演奏の解体と再構築から生まれた“静”の1枚 マイルス・デイヴィス(Miles Davis)の本盤『マイ・ファニー・バレンタイン(My Funny Valentine)』は、1964年2月12日、リンカーン・センターのフィルハーモニック・ホールにて行われたライブ演奏をアルバム化したものである。このコンサートの音源から特定の5曲を編み、1枚のアルバムにまとめて発表されたのが本作というわけである。 ライブ盤とはいえ、このアルバムは単なるコンサートの再現ではない。そこには明確なコンセプトがある。同コンサートの曲目の中から、スロー~ミディアム・テンポのスタンダード系ナンバーの演奏を集め、とにかくじっくりしっとり聴かせるという趣旨が明確な一枚なのである。いずれの曲も長めの演奏(9分程度が1曲、残りはいずれも11~15分感の演奏)である。 ゆったりとした長尺の演奏が続くからといって、ぼーっと聴いていると眠ってしまうというような類のものではない。逆説的ながら、本盤は聴き手にとってある種“疲れる”一枚だと思う。それはマイルスの、あるいはこのメンバー一体の演奏姿勢そのものに由来するのだろう。 ところどころにアンサンブルのパートを含みつつも、基本的には個人演奏の聴かせどころがしっかりしている。1.「マイ・ファニー・バレンタイン」などはある種その典型で、予定調和のようであって実は全くそうではなく、グループとしての演奏が練り上げられていった末にこの境地に辿り着いたことを伺わせる。寂しげに吹くマイルスは、緊張感を保ったままフリーに演奏しているが、決して孤立しているのではなく、バックの演奏と一体化している。その聴かせ方の最大の特徴は、“甘くない叙情性”である。叙情的な演奏は甘くなるというのがよくあるパターンではないかと思うけれど、緊張感が持続されているところがこの曲だけでなく本盤全体の特徴と言えるように思う。 ちなみに本盤での筆者のイチオシは、4.「オール・ブルース」。この曲の初演はアルバム『カインド・オブ・ブルー』であるが、元のアルバムの演奏とこの『マイ・ファニー・バレンタイン』収録の演奏は全く異なっている。テンポを速め、とはいっても独自の叙情性は保ちながら、実にスリリングな演奏に仕上がっている。特にピアノのハービー・ハンコックの特徴がよく出ていて、本盤でいちばんの聴きどころになっているように思う。 なお、このアルバムのもとになったコンサート音源からはもう1つ別の盤が編まれた。『フォア・アンド・モア』という、本盤『マイ・ファニー・バレンタイン』とは見事な対比を成すアルバムである(なおかつ『フォア・アンド・モア』の方が有名盤としての地位を確立している)。こちらについては、あらためて別だてにして取り上げることにしたい。[収録曲]1. My Funny Valentine2. All Of You3. Stella By Starlight4. All Blues5. I Thought About You[パーソネル・録音]Miles Davis (tp)George Coleman (ts)Herbie Hancock (p)Ron Carter (b)Tony Williams (ds)1964年2月12日録音 【Aポイント+メール便送料無料】マイルス・デイヴィス マイルス・デイビス / マイ・ファニー・ヴァレンタイン[CD] 下記3つのランキングサイトに参加しています。 お時間の許す方は、ひとつでも“ぽちっと”応援いただけると嬉しいです! ↓ ↓ ↓
2011.10.02
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