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まだ8月というのに、なんとなく秋の気配のする気候だからでしょうか、炊き込みごはんが恋しくなりました。しょうゆ味の炊き込みごはんのことを、関西では「かやくごはん」と言います。かやく(加薬)は具のことで、「かやくが入ってへん」と言えば、料理にも比喩的にも使う表現です。松茸入りのかやくごはんは「松茸ごはん」と特別に呼ばれますが、ほかのきのこ入りごはんは、かやくごはんの範疇に入ります。とはいえ、きのこが必須なのではありません。 材料は、それこそあり合わせでいいでしょう。わたしが小さい頃は、にんじん、しいたけ、こんにゃくを米粒(よりは大きい)程度に刻み、鶏肉を入れる代わりに薄揚げの細切りを使っていました。わが家では「おから」にも、鶏肉ではなく薄揚げをよく使います。味付けは、かつおだしとしょうゆ、酒ぐらいで、しょうゆは、ごはんに色が付くように、濃い口をこころもち多めに使います。たけのこごはんや豆(えんどう)ごはんは、薄口しょうゆか塩で調味しますが。 普通に炊いて蒸らしたあと、よく釜の中をまぜてから、よそいます。釜底のおこげはいつも取り合いになっていました。先日、わたしが作ったのはエリンギ入りのかやくごはんで、エリンギは横半分にしたあと、縦に大ぶりに薄く薄く切り、しょうゆで煮付けておきます。これを入れて炊いたかやくごはんは、なんとなく松茸ごはんもどきで、楽しいものです。弁当には、きのこが表面に見えるように詰めました。ぎんなんの数粒もあれば、彩りも良かったのですが。
2008年08月30日
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ちょこっと対馬に行ってきました。博多から夜行フェリーに乗り、対馬の北の港・比田勝(ひたかつ)へ。早朝に着くのですが、7時までは船内で寝かせてもらえるので、それから外へ出ました。8時半のバスでさらに島の北を目指します。落土(おてど)にある豊(とよ)砲台跡を見たあと、鰐浦(わにうら)の韓国展望所へ。水平線の上にうっすらと、釜山の街の建物らしき白い点2つが見えました。そこから4kmほど歩いて国道に出て、対馬南部の厳原(いずはら)行きのバスに乗ろうとしましたが、その時間にはバスの便がありません。事前にネットで調べると11時台にはあったはずですが……。仕方なくタクシーを呼んで乗り、多島美が見事な浅茅(あそう)湾を見下ろす展望台や、軍艦を通すために深く掘った水路に架けた万関橋(まんぜきばし)を通って厳原へ。対馬藩に仕えて朝鮮との交流に尽くした雨森芳洲(あめのもり・ほうしゅう)の墓などを見て、午後3時半のフェリーで博多へ。8時20分に帰港しました。対馬名物といえば「かすまき」。ホットケーキのような生地であんこを巻いたお菓子です。カステラ巻きという意味なんでしょうか。ちょうど家庭の卵焼き器で焼けるぐらいの、四角くて少し分厚い皮で、白あんか黒あんを、くるっと1周巻いただけのお菓子です。何軒ものお菓子屋さんが「かすまき」を作っており、集落ごとに評判の店があるそうです。せっかくなので、お土産に買って帰り、4つぐらいに切り分けて食べました。見かけどおりに素朴な味でした。
2008年08月24日
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晩がた、近くのスーパーを覗くと、刺身用サーモントラウトの大きな腹側の身(498円)が半額になっていました。お湯割りのアテにいいかなと思って買ったのですが、うなぎほどの長さがあり、とても1回では食べ切れません。次の日は朝から出勤なので、深酒をするわけにもいきません。2/3ほどは刺身として、きゅうりの薄切りを添えていただき、残りは昼の弁当用に回すことにしました。 このところ、昼勤のときの昼食用と、夜勤のときの夕食用は、いずれも弁当を作って持って行っています(夜勤時の夜食は配給)。たいてい、のり弁当で、スーパーで買った白身魚のフライを乗せることが多いのですが、今回はさけ・のり弁当にしました。翌朝、野菜炒めを作ったあと、空いたフライパンで弱火で“刺身用の”さけを両面焼きます。脂が出て、多少カリッと香ばしく焼けたら、しょうゆをジュッとたらして火を止め、味をしみ込ませて、できあがり。 1日たったとはいえ、刺身で食べられるものですから、表面をあぶれば問題はないはずです。“一格落として”料理するのは、ぜいたくなことだと思いますね。腹側の身だったこともあり、脂が乗って軟らかく、焼けてしばらくジュウジュウ言っていました。これを、温かいごはんの上にしじみの佃煮(昆布の佃煮のときもある)とのりを乗せた上に、デンと置き、野菜炒めを添えて完成です。作っても誰に見せるわけでもないので、こうして紹介しています(^_^;)。
2008年08月19日
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ときどき福岡市内のスーパーに売っているのを見かけます。茶そばが3玉と、たれが3袋入って、まるで焼きそばの麺のような感じです。というか、本当に焼きそばのように、茶そばを炒めて食べるのです。たれは、お湯で割って温かくし、ざるそばのように、炒めたそばをこの温かいたれに浸けて食べます。食べているうちに、たれ(というか、つゆ)が油でギトギトになってきそうですが、実際そうなります。牛肉の佃煮や錦糸卵も添えてあれば、なおさらです。 これは何なのか。山口県・川棚温泉の名物「瓦そば」です。本来は、温かくした瓦の上に、炒めた茶そば、トッピングとして牛ツクや錦糸卵が乗って出てきます。茶そばですが、ざるそばではないし、中華のつけ麺とも少し違います。独特の麺料理だと思いました。もちろん、家庭では瓦に乗せなくても、フライパンで炒めて皿に取れば充分です。刻みのりやごまなど、薬味もお好みでいいでしょう。面倒ならば「もりそば」よろしく、麺だけを味わう手もあります。 作ってみましたが、一度に2玉食べると、次の回は茶そばが1玉しか残りません。そこで、普通の中華麺で増量しました(^_^;)。和そばの玉でもいいのかもしれませんが、炒めた中華麺を、しょうゆ味の温かいたれで食べて、何の違和感もありませんでした。これなら、茶そばでなくてもいけそうです。家族揃ってホットプレートを囲んでの焼肉パーティーなどで、締めのメニューとして、中華麺を炒めて手許のたれで食べる「瓦そば風」も、いいかもしれませんね。
2008年08月17日
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なあに、単にちりめんじゃこなんですが、ちょっとぜいたくな、通好みの一品(逸品?)とされています。海藻を紙のように薄く乾燥させたものが「海苔」なら、「たたみいわし」はいわしの稚魚を何千匹?も集めて、紙のように乾燥させたものです。これを、できれば炭火で、なければ油を引かないフライパンで、ごく弱火でパリッとするまで香ばしくあぶって、酒の肴にします。葉書大のもの5枚で、1000円はしないでしょうが、500円よりも高いかもしれません。 こうなってくると、なんとかして作ってみたくなるのは、わたしだけでしょうか(^_^;)。スーパーで売っているパック入りのジャコだって、カリッと煎ってアテにすれば美味しい。山椒の実を混ぜたり、豆腐サラダや冷や奴に掛けたりしても美味です。そこで、「焼きギョーザの羽根」や「もんじゃのおこげ」を参考に、薄い水溶きの小麦粉にちりめんじゃこを混ぜたものを、フライパンに薄く伸ばして、弱火でじっくり、香ばしくなるまで焼いてみることにしました。 鉄のフライパンなら薄く油を引きますが、樹脂加工のものならそのままで。よく温めて、弱火にしておきます。小麦粉小さじ前半分に山盛りを、30ccぐらいの水でごく薄く溶き、ここに25g程度のちりめんじゃこを入れて混ぜます。軟らかい「釜揚げしらす」よりも「上乾ちりめん」がいいでしょう。溶いたものをフライパンにあけ、薄く広げて両面を香ばしく焼けば、疑似たたみいわしのできあがり(^_^;)。結局、手間と出来ばえを考えれば、本物を買ったほうがよかったかもしれません。ただし、1枚でいいというなら、手作りでどうぞ。
2008年08月15日
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博多や福岡の屋台が発祥の食べ物とされます。焼きそばが食べたくなったお客が注文したが、麺はラーメンしかなく、そこでラーメンを炒めて出したというのです。ラーメンの麺にもいろんな太さがありますが、福岡の長浜ラーメンは特に番手が細く、太めの冷や麦ぐらいです。それでいてコシがありますから、炒めて食べても美味しいでしょう。具は、もやしやチャーシューを使えば本当に「焼いたラーメン」ですが、実際はキャベツや薄切り豚肉が主になります。 一般に焼きそばはソース味ですが、中華料理ではしょうゆベースの味付けになることがあります。焼きラーメンは、炒めた上にラーメンのたれを少し乗せ、お湯少々でゆるめたもので味付けします。仕上がりにニラを加えて軽く混ぜ、皿に移してごまをたっぷり振り、紅しょうがを添えていただきます。ラーメンにごまと紅しょうがを入れるのが博多流です。とんこつスープのこってりした味に合うのかもしれません。ご来博(来福)の際はぜひ食べられてください。 ……とはいえ、インスタントラーメンがあれば、似たものは簡単に作れます。フライパンに薄く油を引いてキャベツ1枚分の細切りを炒め、水かお湯250ccを入れます。沸騰したら麺を入れ、1~2分煮て裏返してほぐし、水気が少なくなれば添付の粉末スープを半分弱(ここが肝心!)入れて、よく混ぜます。全部入れると味が濃すぎます。さらに炒めれば、できあがり。他の野菜や肉を入れても可です。とんこつ味などでお試しを。残った粉末スープは捨てるか、もったいなければマグカップにあけ、お湯200ccを注いでお吸い物にでも。
2008年08月13日
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かつて飢饉に苦しんだアイルランドには、救荒作物だったじゃがいもを使った料理がいろいろありますが、ボクスティー(boxty)もその一つです。クレープのような薄い皮を焼いて、それで煮込んだ野菜などを包んで食べますが、この皮を作るときに、小麦粉だけでなく、すりおろしたじゃがいもも混ぜるのが特徴です。いわば、じゃがいもで増量したパンケーキです。野菜を包んで食べるのは、肉じゃがオムレツのような感じでもあります。1994年、ダブリンで食べたときの感想を、わたしは「いわば、西洋風春巻き」と書き記していました。アイルランドの伝統料理を紹介した「リトル・アイリッシュ・クックブック」によると、生のじゃがいもをすりおろしたものと、その時に出た汁から取ったでんぷん、さらに別に用意したマッシュドポテト、それら全部を溶かしバターや牛乳各少量とともに小麦粉に混ぜ合わせてタネを作り、それをフライパンやグリドルで、薄いパンケーキ状に焼きます。中に包む具は、特に制約はなく、にんじんやじゃがいも、羊肉などのほか、ブロッコリー、鶏、鮭でもOKです。実際は、じゃがいもを使わないほうが、手間がかからずにボクスティー風のものが作れます。本場ではもちろん、ナイフ+フォークでいただきますが、箸でもまったく問題ありません。先日、福岡のアイリッシュ・パブで、アイルランド料理をいただきながら講師のお話を聞く催しがあり、ボクスティーが出てきました。このときは、中身に野菜やむきえびが入り、包んだ全体の周りにはきのこの入ったホワイトソースが掛かって、おしゃれな一品になっていました。
2008年08月05日
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分類からいえば押しずしでしょうが、雰囲気はばらずしです。錦糸卵の黄色いトッピングが鮮やかで、見た目が華やかなおすしです。大村というのは長崎県の地名で、その地方でよく作られる郷土料理、家庭料理といった感じです。卵以外には、必ず使う具も決まっていないそうです。赤いにんじん、緑のいんげん豆、茶色いのはごぼうかしいたけか、あと何か酢〆の魚を用意しましょう。 押しずしの型があればいいですが、なければ四角い容器にクッキングシートを上手に折って内側を覆い、そこにすし飯を詰めていきます。できあがりの高さは、普通の押しずしよりやや高めで、ボリュームを出します。まず半量のすし飯を型に詰めてならし、そこに、細切りのにんじんをしょうゆ味で煮いたものや、同様に味付けしたいんげんなど色鮮やかなものを、多めに並べます。その上を残りのすし飯で覆い、その上に酢〆の魚、しいたけなど、地味な色の食材を並べたら、錦糸卵をいっぱい乗せ、全体におもしをかけて数時間置きます。 落ち着いた頃に型から出し、よく濡らした包丁で切り分けます。一口大よりも大きめにするほうが、切るときに崩れにくく、見た目も豪華です。また、切り口は、ちょうど真ん中ぐらいに赤や緑が見えており、てっぺんは真っ黄色で、見ていて楽しくなります。食べるときは、一切れを端からかじるか、箸で少しずつ崩しながらでも、やむをえないでしょう。1人前ならそんな感じですが、大人数のときはバットででも作るんでしょうか。それもまた豪快でいいですが。
2008年08月03日
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