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2019.05.19
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​「コレクション日本歌人選 全4期80巻」(笠間書院)​


 週に一度だけ女子大生の皆さんが、高校とかの授業の練習をやっているのをみています。そこで、二学期最後のテーマ「古典短歌』の授業をやってもらうことになりました。
​​ なんといいますか、偶然ですね。ちょうど軌を一にしてというか、ほんとは何の関係もないというか、 笠間書院 が出し続けていた 「コレクション日本歌人選 全80巻」 が完結しました。​​
​​ 現代詩であれば 「現代詩人文庫」 という旧シリーズから 「新選 現代詩人文庫」 まで、300巻を越えようかという 思潮社 が出し続けている叢書があって、近代以降の詩人の主要作品を読むことができます。
 短歌についても 「現代歌人文庫」 というシリーズを 国文社 が出版していますが、これは昭和以降(?)というべきか、戦後というべきか?、その時代の現代歌人に限られていました。​​
​​  笠間書院 「コレクション日本歌人選」 は短歌と解説がセットという便利な本で、その上、万葉歌人から現代歌人まで網羅しているのですから、教科書でしか短歌などというものにはお目にかかったことはないが、それなりに興味はあるとか、教科書の短歌を高校生相手に解説しなければならないというような人にはうってつけのシリーズだと思います。
 当然、学校の、せめて高等学校の図書館には並べてほしい本だと思います。
​​ 現代歌人の、いやもう昭和の歌人のというべきでしょうか、ここにあげた 「前川佐美雄」 がほぼ最終の出版らしくて、図書館の新刊の棚に見つけて読み始めました。
 いわゆる、 アララギ 系というか、 正岡子規 から 斎藤茂吉 と連なる写実派の歌人グループとは異なる歌風の歌人で、 日本浪漫派 の人たちや、作家の 三島由紀夫 と親交があった人として知られている人なのですが、高校の教科書などにはあまり登場しません。​​ 

顔やからだに レモンの露を ぬたくって すっぱりとした 夏の朝なり

切り炭の 切りぐちきよく 美しく 火となりし時に 恍惚とせり


二階より 雨降る庭に 灯を差し向け 夜ひとり見をり 虚しさのはて

 ​ まあ、こんなふうな短歌の人です。ぼくの好みは次のような短歌ですね。

いますぐに 君はこの街に 放火せよ その焔の何んと うつくしからむ

運命は かくの如きか 夕ぐれを なほ歩む馬の 暗き尻を見て


「顔やからだにレモンの露を」 のような短歌​
になると、ウへ、どんな男前やね、チャールズ・ブロンソンかとなってしまう程度の読み方しかできないのは、ぼくの問題でしょうが、 まあ、ここでは内容よりも本の作り方の工夫を案内したいと思います。
 どの歌人についても同じ編集方針らしいのですが、それぞれの歌人の伝記的な経緯をなぞるように、およそ五十首の歌が鑑賞、解説されています。

​​​  前川佐美雄 の場合は 楠見朋彦 という歌人で小説家が書いていて、単なる素人向けの入門解説ではないところがよいところですね。読みごたえがあるというのだでしょうか、歌人 前川佐美雄 の短歌の肝に触れんとしている意欲を感じる解説です。


​ 一冊読み終えて棚を探していると、面白いことに、この叢書には 「ユーカラ」 とか 「今様」 「おみくじの歌」 なんていうのもあることに気付きました。和歌とは縁がないと思っていた 夏目漱石 「漱石の俳句・漢詩」 と題して俳句二十句、漢詩二十編で一冊の本になっていました。​​
​ 解説、鑑賞は漱石研究者で評論家の 神山睦美 です。早速、二冊目を借り出して読み始めましたが、解説が少々くどいところが好みではないのですが、漱石の漢詩を解説現代語訳付きで読めるので、便利な事この上ありません。出かけるときのお供にするのにかさばらないし、二ページから三ページで一首完結の体裁なのでばっちりです。​


​​​ 新古今の歌人 「式子内親王」 が、借り出した三冊目です。 丸谷才一 おススメの歌人で、 「のりこ」 と読むのが正しいそうですが、ぼくは、この人の和歌はかなリ好みなのです。
 例えばこんな和歌があります。​​​

​​わすれめや 葵を草に ひきむすび 仮寝の野辺の 露のあけぼの​​

 ​この和歌に対しての 平井啓子さん 解説はこんな感じです。

​​ 葵祭の祭主をつとめる内親王は、祭の前日、潔斎のため、みあれ野に作られた仮屋に泊まる。葵を枕に結んで眠った夜が明け、いよいよ神事に臨む朝の情景》。​

 ​こういう調子からこうなります。​

​​​ 葵祭といえば、源氏物語の六条御息所と葵の上の車争いのくだりが有名だが、彼女は主催者としての、ういういしく清らかな「心の張り」を詠んだ。​​

​ と続けられて納得すると思いませんか。。​
 みなさまも、お出かけにご利用なさってはいかがでしょう。(S)​​​​​​​​​​​​​​​​​​​

追記2020・09・03
 こんな紹介を書いて、二年以上たちましたが、最近読んでいた 北村薫 「本と幸せ」(新潮社) の中に「次代の子供たちにとって、前の世代からの大きな贈り物になる。これはそういう叢書だ。」という文章を見つけてわが意を得たりの気分になりましたが、2012年の「リポート笠間』の記事だったことに気付いて、ちょっとショックもありました。気付く人は遠の昔に気付いているのですね。



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最終更新日  2024.03.19 10:58:01
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