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2019.07.18
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​​​​​​ ​​ 四方田犬彦「詩の約束」(作品社)
​​​ ​​  ​「詩の約束」(作品社)​ は、ぼくにとっては最新の ​四方田犬彦​ 。詩をめぐって、テーマを決めて書き継いできた連載をまとめた一冊。四十年前に、怠惰な学生だったぼくが、 「映像の召還」 に驚いて以来、読み続けてきた ​四方田犬彦​


​​

 「朗誦する」に始まって、「記憶する」、「呪う」、最後は「呼びかける」、「断片にする」、「詩の大きな時間」。
 その間、記述に「召喚」された詩人は ハーフィズ(ペルシャ) ボードレール(フランス)、谷川俊太郎、西条八十、西脇順三郎、パゾリーニ(イタリア、映画)、ポール・ボウルズ(アメリカ・作曲家・小説家)、谷川雁、寺山修司、三島由紀夫、萩原恭次郎、ドゥニ・ロッシュ(フランス)、入澤康夫、中上健次、永山則夫、チラナン・ピットプリーチャー(タイ)、T.S.エリオット(イギリス)、エズラ・パウンド(アメリカ)、蒲原有明、鮎川信夫、吉岡実、北村太郎、夏宇(台湾)、九鬼周造、吉本隆明、高橋睦郎、高貝弘也、ブレイク(イギリス)、アドニス(シリア) という具合で、名前も知らなかった詩人や、難しくて挫折した人がたくさんいる。
 そのなかで、 「注釈する」、「発語する」 の二つの章には登場する ​中上健次​ をめぐって、彼の「歌のわかれ」とも言うべき 「芸ごとの詩はいくら書いても仕方がない」 という発言が書きつけてあったのは印象に残った。
​ ぼくにとっては、 中上健次 も、あのころ 「ああ、すごい才能がある」 と、心底、仰ぎ見た作家だった。 ​​​ 「ああ、そうだったのか。」 と納得したエピソードはほかにもあるが、中でも面白かった話が二つある。二つとも 「引用する」 の章で記された話で、一つ目は 北村太郎 ​「冬へ」という作品の「徒然草」からの引用の話​
 もう一つは 田村隆一 「枯葉」 という詩について。​​​

   枯葉

 そして
 かれらは死んだ 緑の
 血もながさずに

 土にかえるまえに
 かれらは土の色に
 一つの死を死んだ沈黙の
 色にかわる

 どうしてなにもかも
 透けてみえるのか 日と夜の
 境界を 枯葉のなかを
 われらはどこまでも歩いたが

 星の
 きまっているものは
 ふりむかない

 一読して気付いた人は戦後詩がかなりお好きな人だと思うが、この詩には、別の戦後詩を代表する詩人が書いた有名な一行が引用されている。
   橋上の人 (第6連 部分)

 あなたは愛をもたなかった、
 あなたは真理をもたなかった、
 あなたは持たざる一切を求めて、
 持てる一切のものを失った。
 橋上の人よ、
 霧は濃く、影は淡く、
 迷いはいかに深いとしても、
 星のきまっている者はふりむこうとしない。
​   ​​​​ 北村太郎、田村隆一 とともに、同人詩誌 「荒地」 に集い、戦後詩を代表する詩人、 鮎川信夫 「橋上の人」 の一節だが、本書を読みながら、ぼくを驚かせたのは、ここに記した、この部分こそ、40年前の怠惰な青年の部屋の天井に張り付けられていた、詩句の一つだったからだ。​​​​
​​​​​  四方田 によれば、 田村隆一 の詩は、 鮎川信夫 の詩句を引用することによって、鮎川に対する友情のあかしと、同じ元日本軍兵士としての、戦死した兵士たちへの決意表明でもあったことが言及されている。しかし、何よりも驚いたことは、これが レオナルド・ダ・ヴィンチ 「星の定まれる者は右顧左眄しない。」 という言葉の、借用だという指摘だった。​​​​​
​ 40年前の青年がどういうつもりで書き抜いていたのかはもう忘れてしまったが、今の、今まで、 四方田 によって指摘された一連の事情がこの詩句をめぐってあったことなど知らなかったのだから、いい気なものだが、こういう発見が、随所に出てくる読書は時を忘れるというものだ。​
​ まあ、いろいろ言われている面もあるようだけれど、 「四方田」 読みはつづきそうだ。​ ​​ ​​ ​​
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最終更新日  2020.10.26 18:59:24
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