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枯葉
そして
かれらは死んだ 緑の
血もながさずに
土にかえるまえに
かれらは土の色に
一つの死を死んだ沈黙の
色にかわる
どうしてなにもかも
透けてみえるのか 日と夜の
境界を 枯葉のなかを
われらはどこまでも歩いたが
星の
きまっているものは
ふりむかない
橋上の人 (第6連 部分) 北村太郎、田村隆一 とともに、同人詩誌 「荒地」 に集い、戦後詩を代表する詩人、 鮎川信夫 の 「橋上の人」 の一節だが、本書を読みながら、ぼくを驚かせたのは、ここに記した、この部分こそ、40年前の怠惰な青年の部屋の天井に張り付けられていた、詩句の一つだったからだ。
あなたは愛をもたなかった、
あなたは真理をもたなかった、
あなたは持たざる一切を求めて、
持てる一切のものを失った。
橋上の人よ、
霧は濃く、影は淡く、
迷いはいかに深いとしても、
星のきまっている者はふりむこうとしない。
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