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まず、 シネ・リーブル
が閉まりました。それから、 元町映画館
と パルシネマ
が閉まりました。 2020年 4
月 10
日
ごろだったと思います。ぼくはその日から 50
日の間、 垂水
より東には移動しませんでした。マジメな 「自粛」
生活をしていたとアピールしたいわけではありません。 「行くところ」
がなくなってしまっただけなのです。考えてみれば、これは結構哀しいことかもしれません。
5月
も末になって、映画館が 「復活」
し始めました。それでも、土・日に動く気持ちにはなれせんでした。で、今日は月曜日、月も変わって 6月1日
です。
というわけで 元町映画館
、 「復活の日」
に馳せ参ずることはできませんでしたが、気持ちは高揚していました。
「こんにちは。久しぶり。今日は、久しぶりに客やで。」
「いらっしゃい。そろそろかなあって、お待ちしてましたよ。」
顔見知りの受付嬢、ベンチャラでもうれしい一言。抱きしめたい気分ですが、ビーニールのカーテンが二人の間を遮っておりました。
座席は一つ置きにシートで区切られて、おしゃべりとかお食事の 「自粛」
がスクリーンに流れていました。そこそこのお客さんで埋まっていましたが、いつもの指定席は空いていて、 「ヨシっ!」
って掛け声が出そうでした。
映画は
ジュゼッペ・トルナトーレ監督
「ニュー・シネマ・パラダイス」
、映画ファンならどなたもご存知というべき名画でした。
二日ほど前に、愉快な仲間の一人、 ピーチ姫
からメールがありました。
元町映画館で ニューシネマパラダイス しとるやん!
余裕があったらみてください!80年代のイタリア映画です。 わたしは寝ぼけ眼でしたが、そっちの家で観た映画です。なんかとてもよいものを見た覚えがあるので。
ね、何を観ようかを、あれこれ考える必要がなかったんです。見終わってつくづく、映画館の暗闇が好きでよかったと思いました。こんなに気持ちよく泣いたのは久しぶりでした。
元町映画館
の、以前からのプログラムなのか、再開にあたってのそれなのか、あれこれ詮索する前に、神様がこの日のためにこの映画をお創りになったに違いないと、素直に思いました。(キリスト教とか信じていませんが。)
ベランダに置かれた鉢植えと海。
少年トトとアルフレッドの表情。
アルフレッドのパクリの名セリフ。
何十本と出てくる懐かしい映画の断片。
パラダイス映画館に集まった人々の百態。
ここで、漸く、 「ああ、見たことがある」 と気付かせてくれた愉快で、でも、ちょっと哀しい
カンニング!
初恋。
出発。
死んでしまったアルフレッドが友達トトに残した「捨てられたはずのフィルム」。
そして、何よりも映画に木霊し続ける叫び。
この広場は俺の広場だ!
とてもよいもの!
を見せていただきました。ここは ぼくたちの広場 、 元町映画館 です。ふふふ。 さて、明日は何を観ようかな?
監督・脚本 ジュゼッペ・トルナトーレ
製作:フランコ・クリスタルディ
音楽:エンニオ・モリコーネ
キャスト
サルヴァトーレ・カシオ:通称トト サルヴァトーレ・ディ・ヴィータ (
少年期 )
マルコ・レオナルディ: (
青年期 )
ジャック・ペラン: (
中年期 )
アルフレード:フィリップ・ノワレ
1989
年 124
分 イタリア・フランス合作
原題: Nuovo Cinema Paradiso
2020
・ 06
・ 01
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