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「すみません、ちょっと留守番してもらってもいいですか?ぼく、朝から何も食べていないので、コンビニでおにぎりを買ってきます」 このとき、 鬼海さん の中にある、あの句会に対する厚い信頼を、全身で感じました。たぶんただそれだけの理由で、親戚でも友だちでもない、まだ二度しか会ったことがない私に留守番を頼まれたのです。私もビックリしましたが、 鬼海さん の頼みならきいてしまいます。しばらくしておにぎりとお茶を提げて帰ってきた 鬼海さん は、受付に座ると、美味しそうにおにぎりを召し上がりました。無邪気といってもいいような姿に、でも、私は、目の前の写真との齟齬を感じることはありませんでした。奥まで見通しているようなまなざしで人や世界を見る人だから、この行動があるのだろうと思ったのです。
「浅草にでかけると、境内の近くを三、四時間ほどうろついている。だが、実際にファインダーを覗くのはほんの十分にも満たないだろう。ほとんどの時間は、ただ待つことだ。 鬼海さん は、このあとがきの中で 「人が他人にもっと思いを馳せていたり、興味を持てば、功利的になる一方の社会の傾きが弛み、少しだけ生きやすくなる」 のではないかと書いて、写真家として人を撮ることの意味を探りながら、 「もっと人を好きになればいいのだと……。」 と結んでいます。
だが、カメラは出会いがあれば一瞬にして写し取れる「魔法」なので、待つことができる。そんな無聊な時間は、見慣れたはずのものをただただ繰り返して見続けることの面白さをそっと教えてくれたりする。ふと、日常の時間の襞に潜む驚きやふしぎを見つけたり感じたりすることで、生きることの謎を浮かび上がらせるからだ。」
「日常の時間の襞に潜む驚きやふしぎ」 があります。小さな灯が点るような温かさと、同時にきらりとさびしい光を放つ鬼海さんの文章を、私はときおり開いて読むのです。
追記2024・03・17
100days100bookcoversChallenge
の投稿記事を
100days 100bookcovers Challenge備忘録 (1日目~10日目)
(11日目~20日目)
(21日目~30日目)
(31日目~40日目)
(41日目~50日目)
(51日目~60日目))
(61日目~70日目)
(71日目~80日目)
という形でまとめ始めました。日付にリンク先を貼りましたのでクリックしていただくと備忘録が開きま す。
追記
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