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2021.12.16
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​​アッバス・キアロスタミ「クローズ・アップ」元町映画館 ​​ ​  「現代アートハウス入門」 という企画が ​「東風」​ ​「ユーロスペース」​ という二つの配給会社がタッグを組んで今年、 2021年 の2月にあったのですが、神戸では ​元町映画館​ が会場でした​
​ で、その第2弾が 「現代アートハウス入門vol 2」 と銘打って、やっぱり ​元町映画館​ で2021年の12月11日から始まりました。​
​​​​​​ 初日は ​アッバス・キアロスタミ監督​ ​「クローズ・アップ」​ です。ぼくはこの監督が評判になり始めた ​1990年代​ から30年映画館から遠ざかっていましたが、名前だけは知っていました。確か、 ​元町映画館​ が、来年 2022年 の年明けに特集を企画しているはずで、それを心待ちにしていましたが、一足早く上映されるというわけです。その上、この企画の目玉であるレクチャーが ​深田晃司監督​ ということですから、勇んでやってきました。​見たのは キアロスタ三監督 「クローズ・アップ」 です。 ​​​​ 週刊誌の記者がタクシーの助手席に座って運転手相手にシャベリたおしているシーンから映画は始まりました。
​​​​  ​サブジアン​ という男が ​モフセン・マフマルバフ​ という有名な映画監督に間違えられたことをいいことに、その監督に成りすまし、勘違いした一家をだましているらしいのだが、自分が行ってそれを確かめるという、なんというか荒唐無稽な話をまくしたてているのですが、映画は ​サブジアン​ という、仕事もなく妻にも逃げられた男の ​「成りすまし」事件​ をドキュメンタリーなタッチで描き始めます。​​​​
 裁判のシーンとか、ものすごくドキュメンタリーなイメージですが、どうも怪しいのです。虚実の薄い皮一枚、どうも ではないかと疑いながら、しかし、夢中になって見終えました。
 帰宅して、解説を読むと、話は実話であり、登場人物たちは、俳優ではなくその事件の当事者だというではありませんか。おそらく、事件の場面を再現しているのでしょうね。事件の最中に、裁判所のシーンも含めて、カメラが作動しているということ自体がありえないわけですから。というわけで、まず、この方法論にびっくり仰天です。
​ で、 実話の登場人物による事件の再現 という方法で、 ​キアロミスタ監督​ は何を描こうとしていたのでしょう。そこが問題なのですが、ぼくは、あれこれ考える以前に不思議な体験をしました。​
 裁判所で問い詰められていく ​サブジアン​ の表情がスクリーンいっぱいに広がり、口から出てくる言葉の字幕を追います。母親の訴え、裁判官の諭すような言葉も同様です。最後に被害者の許しの発言を耳にしていると画面が変わりました。
​ 何日間かの刑務所暮らしの結果でしょう、出所する ​サブジアン​ を、彼に成りすまされた、当の ​マフマルバフ監督​ が迎えます。オートバイの後ろに ​サブジアン​ を載せ、途中の花屋で ​「黄色より赤がいい」​ と赤い花の鉢植えを買わせ、被害者の家を訪ねます。40日ぶりだそうです。40日という数が怪しいとふと思いました。​
​ 監督が同行していることを知って、被害者 ​アカンカハー家​ のドアが開きます。画面には赤い花の鉢植えを抱えた ​サブジアン​ が大きく映しだされ映画は終わります。​
​ そのとき、
​「サブジアンはあなただ!」​
 ​​ という ​キアロスタミのささやき​ がぼくには聞えた気がしたのです。思わず
​「そうだよな、そうだよな。」​
 ​​ と繰り返しつぶやきながら、涙が止まりません。 ​サブジアン​ こそ、 情けなくてやりきれない、ぼくたちのような ​「人間」​ そのものだということを ​キアロスタミ​ は描いたのではないでしょうか。​​
 いやはや、すごい映画があるものですね。 ​深田監督​ のレクチャーも面白かったのですが、帰りの最終バスが終わってしまうこともあって、お話の途中で早引けしました。
 ちなみに ​40日​ というのは、キリスト教なら ​四旬節​ ですね。日本の仏教なら ​49日​ 、この映画は イラン の作品ですから、ムスリムのラマダンなら ​30日​ でしょうか?まあ、それにしても気になりますね。
​マフマルバフ​ ​サブジアン​ ​「黄色い花」​ ではなく ​「赤い花」​ を選ばせるのも意味深な気がしました。花の鉢を抱えるラストシーンにぼくは ​祝福​ を感じましたが、本当にそうだったのかどうか。ほかにも気づけていない 徴(しるし) が仕込まれているのかもしれません。

​ 何はともあれ、ただ、ただ、 ​キアロスタミ監督​ ​拍手!​ でした。​
監督 アッバス・キアロスタミ
脚本 アッバス・キアロスタミ
製作 アリ・レザ・ザリン
撮影 アリ・レザ・ザリンダスト
録音 モハマッド・ハギギ
編集 アッバス・キアロスタミ
字幕 齋藤敦子
キャスト
ホセイン・サブジアン
ハッサン・ファラズマンド
アボルファズル・アハンカハー
メハダッド・アハンカハー
ハスハング・シャハイ
モフセン・マフマルバフ
1990年・イラン
原題「Close Up」
2021・12・11‐no129元町映画館no97
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最終更新日  2024.01.06 10:28:48
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