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2023.11.06
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​​ セルゲイ・ロズニツァ「キエフ裁判 戦争と正義Ⅱ」元町映画館
​​​​​​​​​​ 歴史資料のフィルム 編集 し、 ソビエト・ロシア ウクライナ の社会の歴史的事件の 「実相」 を描くドキュメンタリーを、立て続けに発表している セルゲイ・ロズニツァ という監督の新作 「破壊の自然史」 「キエフ裁判」 の2作が 「戦争と正義Ⅰ・Ⅱ」 と銘打ってセットで上映されています。もちろん、 元町映画館 です。​​​​​​​​​​
​​​​ 三連休の中日の 11月4日 土曜日 が初日でした。2週間の上映期間があるようですし、連休中で、人も多そうですから、まあ、昼過ぎ上映になる来・来週を待つのがいつもの シマクマ君 ですが、ロズニツァの新作というだけで、なんだか気が焦って、朝一番、10時開映4日に出かけました。先週、1週限定上映の 「竜二」 を見損じたこともあってでしょうね、とても、月曜まで待ちきれない気分でした。 ​​​​​  1本目 「戦争と正義Ⅱ」、「キエフ裁判」 でした。 1946年 、現在は ウクライナ共和国 の町ですが、当時は ソビエト連邦 の町だった キエフ で行われた ナチス の戦争犯罪者たちの裁判のドキュメンタリーでした。​​​​​​​
​  ロズニツァ のドキュメンタリーには、所謂ナレーションがありません。場所とか時間を指示する字幕も、ほぼ、ありません。現在の世相の真反対の、実にわかりにくい映像です。​
​​ ​「あんたが見てどう思うかやで!」​
​​  ​まあ、そういう啖呵を切られているえいがですから、見る側も、それ相当の覚悟がいりますが、それが ​​
​たまらなくいい!​ ​​
​  という感じ方もある訳です。​
​​​​​ 映像は モノクロ で、所謂、 人民裁判 の光景が延々と続きます。裁判ですから罪状認否に始まり、証人喚問、被告の弁明まで延々とありますが、一方で、吊し上げ的糾弾会でもあることに対して、おそらく ロズニツァ は意識的です。
「粛清裁判」 という、以前見た、 ロズニツァ の作品でソビエトロシアの裁判のドキュメンタリーと、ほぼ、同型の構成です。​​​​​

​​​​​​​ 映画は、 キエフ を占領していた ナチス の軍人、まだ少年兵といっていい若い兵士もいますが、彼らが占領地の住民に対してやった所業が、一般に知られている絶滅収容所でのホロコーストにとどまらない、まあ、耳と目を疑うような 「悪」 であり、それに対して、告発する民衆の、素朴な 「善」 が対比されているかのように、裁判が物語られているとボクには見えましたが、とどのつまりは 10数人の絞首刑 が見世物化され、その、ありさまを、おそらく千人を超える群衆が喝采しながら見物しているというシーンで幕を閉じます。
 裁判の始まりから、絞首刑の終わりまで記録として残されていたらしい映像が、みごとに編集され、実に、 ロズニツァ らしい ドキュメンタリー映画 になっていました。セリフや民衆のざわめきを音として加えることで、歴史的実況中継として、ドラマ化されているところが、この監督の手法です。実に、うまいものです。​​​​​​​

​​​​​​​​ しかし、見終えて、ほとほと、疲れました。個人的は思い込みかもしれませんが、この作品がボクの胸中に呼び起こしたのは、直接的には、ロープに吊るされた死体を、断末魔の引きつり姿まで丹念に映像化した 1946年当時のカメラマン の胸中にある 「善」=「正義」 、あるいは、実直な 「服務」 を支えていた 「勤勉」 に対する疑いでした。
 確かに ナチス による想像を絶する 所業 「悪」 でしょう。しかし、この日、この場所で、彼ら一人一人を、この形で処刑することは、はたして 「善」=「正義」 でしょうか。​​​​​​​​

 まあ、そういう、問いかけです。
​​ 殺すな! ​​
​​  そんな言葉も浮かんできました。
​奴は「???」だ、「???」は殺せ! ​​
​  ​​​​​​​ 人間の歴史 の中で繰り返し使われてきた論理です。日常的な法の中にあっても、まだ、この論理を越えることができない社会にわれわれは生きています。世界に目を向ければ、複数の戦争を、起こったことは仕方がない、それぞれに、それぞれの 「正義」 があるかのような、中立的客観性を装ったかのニュースが公共の名によって蔓延しています。
​​ 殺すな!」ただちに「戦争行為」をやめよ! ​​
​​ おそらく、それをいうために ロズニツァ はこの映画を作ったと思いました。彼は、ナチは悪だけど、人民裁判は正義だというような楽観主義者ではありません。これは 「殺すな!」 を貫くための映画でした。まあ。それが、ボクの実感でした。

​​​​​​
監督・脚本 セルゲイ・ロズニツァ
編集 セルゲイ・ロズニツァ  トマシュ・ボルスキ  ダニエリュス・コカナウスキス
2022年・106分・オランダ・ウクライナ合作
原題「The Kiev Trial」
2023・11・04・no135・元町映画館no211​ ​​​​ ​​

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最終更新日  2023.11.08 22:03:59
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