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第6話「失われた記憶」

雅拉爾塔(ヤラルタ)茗薇(メイビ)として紫禁城にやって来た徐薔薇(ジョショウビ)。
広大な紫禁城で十三皇子探しは難航すると思われたが、偶然にも2人は御花園で再会を果たした。
「十三!会いたくて星に願い事をしたの」
愛新覚羅(アイシンギョロ)胤祥(インショウ)は愛しい薔薇を抱きしめ、必ず妻にすると誓った。
すると薔薇が2人を引き寄せてくれた灯籠の紅玉飾りを握りしめている。
胤祥はこれを誓いの品にしようと決め、1つずつ身に着けることにした。

しかし運悪くそこへ兄たちが現れる。

「十三弟、やることが大胆だな~新しい秀女に手を出すとは…」
ここぞとばかりに十三弟を囃し立てる八皇子・胤禩(インシ)たち、やがて四皇子・胤禛(インシン)に咎められて引き上げて行った。

胤祥は四兄と2人きりになると、急に浮かれ始めた。
実は夢の娘が本物だと伝えようとしたが、胤禛から今はやるべき事が山積みだと発破をかけられてしまう。
結局、話をするきっかけを失った胤祥、しかしそれはもはやどうでも良いことだった。

薔薇は儲秀(チョシュウ)宮へ戻る途中、こちらに歩いてくる皇子に気づいた。
見つかっては困ると慌てて茂みに隠れたが、そこで偶然、小魚(ショウギョ)と鉢合わせする。
2人はそのまましゃがみ込んで息をひそめると、ちょうど皇子の話が聞こえて来た。
<…太子爺(イェ)、今回の宴は?
<皇阿瑪が重視しているのだ、盛大な宴にしなくてはな…
薇|ω・`)<あの人が太子なのね~

小魚は急に怯えて泣き出した。

居所に戻った薔薇は小魚から事情を聞いた。
すると小魚が実は他人の名前で秀女選びに参加したと白状する。
「私の爹(ディエ)は江南の布政使(フセイシ)だった
 今年の夏、大水害が起きた時、朝廷の救済金がたびたび不足したの

 でも裏で関わる者が多く、上奏は妨害され、兄と一緒に濡れ衣を着せられて牢獄へ…」
小魚は着服の証拠から皇太子や他の皇子が関わっていると知り、家族の無実を訴えるため入宮したという。
「教えて、私はどうすればいいの?」
薔薇は家族のため1人で皇宮にやって来た小魚の勇気に感心し、力になると約束した。

その夜、薔薇の部屋に小魚が訪ねて来た。
すると小魚は感謝の印に手作りの香袋を贈る。
「絶対、なくさないでね」
「うん!そうだ、私に良い考えがあるの、身分の高い知り合いがいるから皇上に会えるかも」
小魚は喜び、小薇の優しさと恩を決して忘れないと言った。
しかし夜も更けた頃、薔薇の部屋に突然、見知らぬ女たちが現れる。
女たちは寝ていた薔薇を起こして拘束、人気のない北苑へ連行すると、そこで小魚を捕らえた納蘭(ノウラン)蓉月(ヨウゲツ)が待っていた。
「2人は仲良しね?よく見てなさい、私に逆らうとどうなるか…」
蓉月は小薇を薪小屋に閉じ込め、朝になったら北苑に入った者がいると報告するという。
その時、突如、黒装束の曲者が屋根から飛び降りて来た。
驚いた蓉月たちが逃げ惑う中、曲者は小魚を連れ去ってしまう。
薔薇は騒ぎに気づき、薪で窓紗を切り裂いて戸の鍵を開けたが、外には誰もいなかった。

翌朝になっても小魚は居所に戻って来なかった。
小春(ショウシュン)の話では北苑は陰の気が満ちて亡霊がよく現れるため、禁足になっているとか。
しかし薔薇は亡霊など信じないと訴え、明らかに蓉月の仕業だと憤慨した。
「そうだ!あの人に頼むわ!」
(๑ŏ_ŏ)でもどうやって連絡しよう?スマホがないと本当に不便だわ~ブツブツ
すると小春は今夜の宴で花火が上がるため、宮中の人なら宴席に来るだろうと教えた。

その頃、宴を任された胤禛は準備に余念がなかった。
すると十三弟が現れ、星がよく見えるように遠眼鏡(トオメガネ)をくれる。
「下心が丸見えだな…言ってみろ、望みは何だ?」
そこで胤祥は四兄と十四弟の生母である徳(トク)妃に口添えを頼みたいと切り出した。
実は御花園で会っていた秀女を娶りたいという。
胤禛は夢の中の娘よりは喜べると茶化し、時間になったので皇帝を迎えに行った。

その夜、宮中では盛大に観星の宴が開かれた。
薔薇と会うため宴を抜け出した胤祥と十三皇子を探して観星台を目指す薔薇、2人は奇しくも同時に御花園の池にかかる橋を渡り始める。
しかしその時、ちょうど流星群が現れ、胤祥と薔薇は思わず足を止めて空を見上げた。
…安定性や持続性はまだ証明されていない
…戻らない可能性や転送されることで、人は記憶を失う可能性もある
その瞬間、胤祥と薔薇は天象の影響により、時空を超えて出会った記憶を失った。

胤祥はふと秀女に会いに来たと思い出した。
視線の先には確かに秀女が立っていたが、それが誰なのか分からない。
…なぜ私が秀女など相手に?どうかしているぞ…
胤祥はきびすを返し、宴に戻ってしまう。
一方、胤祥の後ろ姿を見ていた茗薇は、自分がなぜここに来たのか思い出せずにいた。
…地球の磁場と流星群が私の記憶に何か影響を?…
その時、花火が上がり、御花園を明るく照らす。
すると茗薇は池に浮いている死体に気づいた。

衛兵が引き上げた水死体は小魚だった。
そこへ知らせを受けた十三皇子が駆けつける。
「身元は誰だ?」
「秀女です、十三爺(イェ)」
茗薇は橋で見かけた男が″鉄帽子の胤祥″だと驚く。
すると小魚の手には香袋が握りしめられていた。
茗薇は慌ててもらった香袋を隠して立ち去ることにしたが、胤祥はそんな娘を怪しんで引き止める。
「姑娘(グゥニャン)、待て、訪ねたいことが…」
胤祥はあの時、橋に立っていた娘だと気づいた。

娘の名前は雅拉爾塔茗薇、亡くなった小魚の友人だった。
胤祥はすぐ英禄(エイロク)の娘だと分かり、儲秀宮まで送って行くことにする。
そもそも秀女が勝手に儲秀宮を抜け出し、偶然にも御花園で友人の死に出くわしたとは不自然だ。
「第一発見者が遺体と顔見知りだった、どう思う?」
「疑っているの?!私は殺していません」
「他殺だと?事故でも自害でもなく?」
「ぁ…私は何も…」
茗薇は慌てて緒秀宮に入ろうとしたが、十三皇子に引き止められてしまう。
「質問に答えろ、何を知っている?」
「その~(はっ)あの日、どうして私を娶ると言ったの?」
「(え?)記憶にない」
「確かに私を娶ると言ったわ!知り合いでもないのに…」
胤祥は自分でも理由が分からず、思わず妻というより妾の顔だとからかったが、茗薇に足を蹴られてしまう。
「うっ…」
「器が大きいから怒ったりしませんよね~?ふふ」

十三皇子は茗薇が気になり、緒秀宮の中までついて行った。
すると中庭で待っていた小春が駆けつけ、茗薇に小魚の訃報を伝える。
そこへ蓉月が怯えながらやって来た。
茗薇は怒り心頭で蓉月に詰め寄ったが、蓉月は小魚の死とは無関係だと訴える。
そこで茗薇は十三皇子がこの件を調べていると教え、一番怪しいのは蓉月だと名指しした。
「違うわ、私じゃない、黒い人影が小魚を連れ去ったのよ!北苑にいる亡霊だそうよ?」
「下手な言い逃れね!…小魚を北苑に連れて行ったのは誰よ!」
しかし十三皇子は興奮する茗薇をなだめ、騒ぎが大きくならないよう秀女たちを解散させてしまう。
茗薇は不満そうに下がることにしたが、十三皇子が引き止めた。
「尋問がうまいな、私の調べを手伝え」

茗薇は部屋に戻り、小魚の死を悼みながら香袋をながめていた。
その時、ふと小魚も香袋を握りしめて死んでいたことを思い出し、気になって香袋を開けてみる。
すると中から小さな紙切れが出て来た。
…証拠は寝台の梁(ハリ)に…
茗薇は小魚が部屋に残した着服金の証拠を見つけた。
関わっていたのは皇太子と九皇子、これを皇帝に見せれば小魚を殺した犯人も見つかるだろう。
そこで翌朝、茗薇は皇太子の寝宮に向かった。

十三皇子は毓慶(イクケイ)門の前にいる茗薇を見つけた。
茗薇は皇太子が小魚の死に関係あると訴え、小魚が皇太子を恐れていたのには理由があるという。
すると十三皇子はいきなり茗薇の手を取り、本人に直接、聞こうと言って引っ張って行った。

皇太子は風邪を引いていた。
すると十三弟がひとりで見舞いに現れ、今は出歩かない方が良いと助言する。
「宮中もいささか不穏なので…実は小魚という秀女が御花園の池で溺死したのです
 その娘は殺されました…それが下手人を捕らえたところ、太子の指示だと言い張って…」
「何だと!デタラメに決まっている!」
皇太子が憤慨すると、そこへ黒い外套を頭からすっぽり被った茗薇が入って来た。
「なぜお前が…隠れていろと命じたはずだ!」
皇太子が動揺する様子を見ると、茗薇が外套から顔を出した。
「今度は私を口封じしますか?」

皇太子は小魚を連れ去ったことは認めたが、殺していないと訴えた。
あくまで着服の証拠を取り返したかっただけだという。
あの日、小魚を捕らえた皇太子は証拠を渡すよう迫ったが、小魚は家族を守るために拒んだ。
そこで証拠を渡せば家族の命を守ると条件を出すと、小魚がようやく承知したという。
しかし次に会いに行った時、小魚が溺死したと知ったのだった。

十三皇子は皇太子を信じ、茗薇を連れて毓慶宮をあとにした。
納得できない茗薇は潔白の証拠がないと反発、権力者ほど嘘が得意だと批難する。
「では私は?私を信じるか?…太子を信じる私を君が信じれば潔白だろ?」
「何そのロジック?」
「ロジ…何だって?」
「ロジ…つまりあなたは兄弟だから信じているだけよ、裏付けがないわ」
茗薇は苛立ちを隠せず、怒って行ってしまう。
しかし十三皇子が腕をつかんで引き止め、皇太子の話を聞けば殺していないと分るはずだと迫った。
「他に何か隠しているだろう?言えよ」
「めいよー」
「私の目を見て言えるか?」
↓ジー

すると偶然、十四皇子・胤禵(インテイ)が通りかかった。

十四皇子は十三兄が白昼堂々、秀女と戯れているとからかった。
驚いた茗薇は掟に従って拝礼し、名乗ったが、十四皇子はなかなか免じてくれない。
そこで十三皇子が茗薇を立たせ、間に入った。
14「娶りたいと言っていた娘か?」
13「そうだ、だから?」
(ヾノ・∀・`)<イヤイヤ…冗談ですから、真に受けたりしませんて~
14「面白い、相手にはその気がないようだな」
13「女心を知らないな~口と心は裏腹なのだ」
すると十三皇子は十四弟に近づいて耳元で囁いた。
「手を出すな…私がもらう」
十三皇子は十四弟を牽制し、茗薇を連れて去って行った。

一方、八皇子一派も小魚が持っていた着服金の証拠が見つからず焦っていた。
ただ小魚が布政使の娘だと知っている者はいないはず、八皇子は心配ないと楽観している。
しかし十皇子は十三皇子と秀女が嗅ぎ回っていると教えた。
九皇子はたかが秀女に何もできないと鼻であしらったが、八皇子は確かに勘が鋭い十三弟を侮れないと釘を刺す。
そこへ突然、十四皇子が現れ、いきなり九皇子の手を捻りあげた。
「誰に尻拭いさせる気だ?」

十四皇子は四皇子と同腹の兄弟でありながら、八皇子一派だった。
しかし救済金の着服や口封じの殺人はあまりに卑劣だと嫌悪し、愛新覚羅の名が汚れると呆れる。
「同じ穴の狢になれと言うのなら、私はお断りだ」

十四皇子が出て行くと、激しく非難された九皇子は呆然と立ちすくんだ。
十皇子は切れ者の十四弟が抜けるのは痛いと訴えたが、八皇子はあれが十四皇子の性格だという。
「許せないと思う相手には決して服従しない…」

その夜、茗薇は諦めきれず、密かに緒秀宮を出た。
すると突然、黒装束の刺客が現れ、取り囲まれてしまう。
しかし危ないところで十三皇子と十四皇子が駆けつけ、驚いた曲者は逃げて行った。
13「なぜここに?」
14「そっちこそ?」
十四皇子は茗薇が心配だったと告げ、小魚を殺した犯人も知っているという。
「九哥派の人間だ、小魚は九哥の罪の証拠を握っていた 
 私は自分で判断して行動している、太子をかばうよりマシだ
 太子をかばうお前か、己に正直な私か、どちらを信じるかは彼女しだいだ」
急に振られた茗薇は驚き、どちらも信じられないと答えて寝宮に戻ってしまう。

十四皇子は刺客に襲われた茗薇が例の証拠を持っていると気づいていた。
果たして茗薇はどちらを信じ、その証拠をどうするのか。
十四皇子は十三皇子を挑発した。

つづく


|ω・`)あぁぁぁ…話が全く分からない…
2人の記憶がなくなっただけで、タイムスリップしたことは分かってるのね?
確か紅玉の飾り、1つしか外さなかったよね?
で13はもう茗薇が好きになったの?
そしてなぜか14も茗薇が気になるのね?
そもそも勝手に出られないのに出かけっぱなしだけど…( ̄▽ ̄;)

ひとまず記憶がなくなったところで薔薇は茗薇=小薇に移行します
皇子たちも名前だと分からないので基本、数字で統一します





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最終更新日  2021.04.05 21:08:00
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