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こんな1冊を読みました
「字幕屋は銀幕の片隅で日本語が変だと叫ぶ」
著者は映画字幕翻訳者の太田 直子さんです
限られた字数の中に
なるべく多くの情報をいれる
字幕作りで鍛えられた著者ですから
無駄な言葉がありません
ズバズバと歯切れ良く心地よく
あっという間に読み終えました
登場人物のキャラクターづけの話も
たいへんおもしろかったです
英語では
わたし、あたし、わたくし、僕、おれ
みんな同じ言葉の( I
)で表わされますが
登場人物の性格を読み取って
上品、生真面目、べらんめえ調などと
言葉遣いを決めるのは
字幕を作る翻訳家なのですね
ちょっと楽しみな話です
禁止用語への神経過敏ぶりには笑いました
映画館に行くと
字幕版と吹き替え版が
同時に上映されていたりして
こども向きの映画でもないのに
なんで吹き替えなのかと
不審に思っていましたら
ははぁ と分りました
観客が読めない漢字が多い
常識の程度が低いなどの話にも
なるほどと反省し肯きましたが
制作会社が優秀な新人翻訳者を
使い捨てにするなんて
とんでもない話には
ゾ~ッとしました
ラーメンではないのですから
早くて、安くて、うまいと
便利に使われては、たまりません
映画には
良い字幕が絶対に必要です
こんな態度は許しがたいです
仕事ですから
利益を追求するのは当然ですが
手間ひまかけて、愛着を持って
誇りのある仕事が成された
映画を見たいと思います
高額ギャラの人気スターばかりで
映画は出来ていません
たくさんの映画を愛する人たちの
働きがあってこそ
私たちは映画を楽しめます
面白い本を読んだのに
私が怒っても仕方がないのに
腹がたった今日でした
お口直しに、今日も睦まじいカモたちの姿を
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