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ひとりの孤独な青年が住んでいました
親しい友人もない彼は
毎日散歩に出かけました
同じように毎日散歩に来る顔見知りが有りますが
挨拶はしません
でも、親しみを持っていました
ところが或る日
人々は居なくなりました
みなさんは別荘に出掛けるのです
けれども、この寂しい青年には行くべき別荘はなく
誰ひとり彼を誘ってくれる者は有りません
或る日彼は運河の近くを歩いていて
ひとりの女性を見ました
彼女は小さな声ですすり泣いていました
ちょっとした危険から彼女を守った青年と彼女は
明日も此処で逢えことを約束しました
彼女は彼に
私に決して恋をしないでくださいと
約束を求めました
しかし彼はマルトに恋心を持ちました
実は、彼女マルトには恋人が有り
恋人は1年前に外国に行き
帰ってきたらこの場所で逢おうと
約束をしていたのですが
約束の日に彼は来ず
翌る日にも彼は来ません
マルトは泣きました
そんなときに
マルトはこの見知らぬ青年に出逢ったのでした
約束の日から4日経ちました
悲しむ彼女を慰める彼
そのとき、
彼女の顔に喜びの笑顔が表れました
約束の恋人が来たのでした
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