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こんにちは。 また、久しぶりになってしまいましたが、今回も映画『空飛ぶタイヤ』のネタです。 ネットニュースを見ると、『空飛ぶタイヤ』は、現在までに興行収入15億円、動員120万人を突破するロングランヒットになったとか。 映画の興行収入についてはよくわかりませんが、きっとすごいことなのでしょうね。試写会を見たとき、この映画は大ヒットするなという確信めいたのがあったのであまり驚きませんが…。 むしろ、これだけ多くの観客から支持されながら、1位にならないことのほうが不思議だったりして。 ただ、これからが勝負ですね。今年の猛暑を吹き飛ばすような大ヒット旋風を維持してもらいたいです。 さて、前回の記事では、堺雅人演じる半沢直樹と、『空飛ぶタイヤ』に登場する高橋一生演じる銀行員・井崎一亮について述べました。 個人的には、半沢直樹に心惹かれるものの、どちらのタイプの銀行員が出世するかというと、間違いなく井崎一亮だ、と…。 一般企業でも、組織人として生きるタイプの井崎一亮は出世すると思います。特に銀行の場合は、こういうタイプでないと、どんなに能力があっても冷や飯を食わされることになりかねないのですよ。 つまり、半沢直樹タイプは、そこそこ出世しても、役員になるとは考えられない。 その理由の一つとして、前回の記事で、パンフレットのコラムに書いた、一定期間、会社勤めをした人は、「次第に枠に入れられる機会が増えてくる」との関連について触れました。 長く組織にいると、知らないうちに、自分が枠の中で生きていることに気づくことがあります。特に、銀行員はさまざまな枠の中で生きていくことが常に求められるのです。 銀行には、一般の会社に比べて、多くの枠があります。たとえば、金融庁によるさまざまな規制。銀行で仕事をする際のバイブルとも言われる規定集の数々。そして、明文化されていなくても、各銀行の職場にはさまざまな慣習があるのです。 これらの枠があるのは、不特定の人たちからお金を預かって運用するという銀行の特殊な役割があるからです。 銀行に入って仕事する際、最初はこれら数多くの枠の存在に気づく新入行員は多くないと思います。しかし、何年か経つうちに、だんだんと目に見えないプレッシャーがかかってきます。 映画のパンフのコラムの中では、これを『入社して年数が経つに従い、その企業独自の文化を吸収し、よき組織人になるよう枠にはめられる機会が多くなる。これは、かつての村社会におけるしきたりのようなものだ。』と表現しました。 個人的には、組織の枠の中で生きていく選択を迫られるのは、入社後十年目くらいが多いのではないかと感じています。 組織の枠の中で生きていくとは、個人より組織を優先させる思考方法だと言い換えることができるのではないでしょうか。 若い頃はある程度、個人としてのパフォーマンスは大目に見てもらえても、若手から中堅行員へと階段を上る際、組織人として生きていく覚悟を問われるのです。 それを拒否して、自分の生き方を貫こうとする場合は、何らかのペナルティーが科されることが少なくない。 中堅行員ともなると、『個』をいかに殺して、組織の中に埋没しなければならないと言いますか。 言い換えると、銀行員として普通に出世しようと思ったら、目立ってはダメなのですよ。 仕事ができなかったり、大きな失敗をしでかしたりするのはもちろんですが、面白いことに、仕事が出来すぎて目立ってもダメなのです。 もちろん、他人より良い成績をあげれば評価され、そこそこ出世することも多いです。ただ、銀行員人生という長いスパンで見ると、単に能力が高いだけでは役員にはなれないのですね。 事実、私の周りでも、誰が見ても、能力、人格、経験ともに申し分ない人が役員になれず、二番手、三番手の人が偉くなっているケースが続出しています。 もちろん、そうじゃないケースも少なくありません。ただ、目立っているのに偉くなる人は、東大出ているから仕方ないとか、行内屈指の有力者の推薦があるとか、周りを納得されられる理由があります。 そこから判断すると、周りを納得させる理由を持たない半沢直樹は、目立ちすぎと言っていいでしょう。組織の中で、目立つということ自体、枠にはめられるのを拒否しているように周りから見えるのです。 かつて半沢直樹のドラマが大ヒットした際、半沢を真似して上司に楯突いた部下が、何人も飛ばされてしまったそうな。 ドラマの『半沢直樹』だったら、こういう上司は大抵、隠れて違法行為に手を染めているのですが…。 ただ、現実には、脛に傷を持ちながら働いている銀行の上司なんて、ほとんどいませんからね。 これに対して、『空飛ぶタイヤ』の銀行員・井﨑の対応は、絶妙の一言。 ネタバレになるので詳しくは書けませんが、有力取引先や上司からの強い要求に対して、角を立てないよう気を付けながらうまく受け流す。 周りからは、枠にはめられながら仕事しているように見えるでしょう。しかし、結果として自分の筋は曲げない。 映画『空飛ぶタイヤ』の中で、井崎一亮は、長瀬智也演じる主人公と直接の接点はなく、イメージ的にはぼやけた立ち位置になっている気がしました。 あとでネット記事を読むと、編集段階で、井﨑の活躍部分が大幅にカットされてしまったそうですね。ホントは、隠ぺい事件を起こして窮地に陥った企業に対して救済合併の道筋をつけるという大活躍をしたらしいのですが…。 もし井﨑が、大活躍をしながらも、意図的に黒子に徹したのなら、銀行員としての鑑だと言われるでしょう。 出世する銀行員は、個人よりも組織の一員であることを優先するからです。つまり、目立たずに、組織の枠の中で最大限のパフォーマンスを演じる。 偉くなる銀行員は、自分の名前が世間に広まることを喜ばない傾向があるような。 私事で恐縮ですが、私が銀行を十年で飛び出した理由に思い至る今日この頃です。 …ということで、社会人としての生き方も学べる『空飛ぶタイヤ』は以下の劇場で絶賛上映中ですよ。 作品の満足度に関しては保証いたします。皆さま、是非、ご覧いただければ幸いです。 できれば、劇場用パンフレットもお得感満載ですので、よろしくお願い申し上げます。 劇場情報 それは、こちら。
2018年07月19日
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こんにちは。 前回の記事では、映画『空飛ぶタイヤ』のパンフレットのコラムを執筆させていただいたと書きました。 映画の制作とは全く関係ないのですが、ネットニュースなどで「大ヒット上演中」の文字を見るとやっぱりうれしい。 映画のパンフレットも、高い評価をいただいているのですか。 ファンにとっては、長瀬智也やディーン・フジオカ、高橋一生のイケメン三人衆の写真だけでも買う価値はあるでしょうね。 写真の色彩が素晴らしいと思ったら、パンフの印刷所の名前を見て納得。 私が銀行員時代、担当させていただいた印刷会社で、当時から写真製版の技術には定評があったのを覚えています。 当時の社長さんをはじめ、担当者さんたちの仕事に対するこだわりを思い出してノスタルジックな気分に浸ることができました。 パンフには、そんな魅力的な写真にプラスして、映画版・空飛ぶタイヤを楽しむアイテムはすべて盛り込まれておりまする。最初見たとき、本かと思ったほどのボリュームも人気の理由のひとつかも。 内容も充実していて、お得感半端ないって…。 前に書いた「作品の満足度に関しては保証いたします」のフレーズが、パンフでも実証できて良かったです。 まだ、『空飛ぶタイヤ』を見ていない方は、映画館へGO!ですよ。 劇場情報は、こちら。 ところで、作品に対するレビューを拝見すると、やはりテレビドラマの半沢直樹と比較されている方が多いような。 確かに、池井戸潤氏は銀行出身だけに、彼の作品には銀行員が数多く登場します。『空飛ぶタイヤ』では、イケメン三人衆の一人、高橋一生演じるホープ銀行の井崎一亮が注目を集めていますね。 半沢直樹と違って、井崎一亮は主役ではありませんが、元銀行員としてはどうしても両者を比較してしまいます。 ちなみに、半沢直樹の原作は、『オレたちバブル入行組』と『オレたち花のバブル組』。最初、半沢直樹をテレビで見たときは、原作をよくここまで脚色したと思いました。 テレビドラマの半沢直樹と映画の井崎一亮を比較すると、銀行員として対極の人物造形がなされています。 今回は、その視点で『空飛ぶタイヤ』を考えてみようか、と…。 最初に言っておきますが、堺雅人演じる半沢直樹も、高橋一生演じる井崎一亮も、個人的に好きなタイプの銀行員です。 ただ、両者の好きな基準は、大きく異なります。 元銀行員の視点で見ると、テレビドラマの半沢直樹は、SFやファンタジーなどのジャンルのヒーローのイメージ。 だから、見終わった後は、非現実の世界にどっぷり浸かって日頃のストレスが発散できたという感じです。 荒唐無稽だけど、それがわかっているからこそ、見終わった後はスカッとするのですよ。 それに対して、高橋一生演じるのタイプは、リアル銀行員として、あるあるです。意識高すぎ高杉くんもとい、銀行員でありすぎ井﨑くん、かも。 実際のエリート銀行員は、半沢直樹より井崎一亮タイプが圧倒的に多いでしょう。 しかも、どちらのタイプの銀行員が出世するかというと、間違いなく井崎一亮だろうと感じます。 個人的には、半沢タイプの銀行員にあこがれますが…。 ただ、半沢タイプは仕事ができるし、人としてもカッコいいのだけれど、リアルの銀行では偉くなる前に、周りから潰されてしまいます。 それはなぜか。 その辺の理由は、今回の映画パンフレットで書かせていただいたコラムの内容とも微妙にかかわってくるかもしれませぬ。 ちなみに、コラムのタイトルは、「大企業に隠ぺい体質が生まれるのはなぜか」と「融資のとき、銀行員は何を考えているか」の二つ。 前者のコラムでは、一定期間、会社勤めをした人は、「次第に枠に入れられる機会が増えてくる」と書きました。 長く組織にいると、知らないうちに、自分が枠の中で生きていることに気づくことがあります。 それをプラスと考える人も多いですが、中には枠の中で生きていくことに戸惑いを覚える人も少なくありません。 個人的には、それに気づくのは入社後十年目くらいが多いのではないかと感じています。 十年目に、組織人として生きていく覚悟を問われる転換点があるような。 なぜかというと、自分の身にもそれがありましたから。 そういえば、池井戸潤氏も十年目で銀行を退職されていると聞きました。 枠にはめられて生きるメリットは数多くありますが、当然、手離さなければならないものも少なくありませぬ。 企業で、役員や支店長まで経験してから作家になる人も多いですね。 その人たちの作品と比べると、池井戸作品にはまったく違う傾向があるような気がします。その大きな理由のひとつは、組織の枠がはまる寸前にフリーの立場になったからではないか。 それが池井戸作品の魅力を支える源泉の一つだと思えるのです。 この続きはまた次回。 …ということで、『空飛ぶタイヤ』は以下の劇場で絶賛上映中ですよ。 是非、ご覧いただければ幸いです。 永嶋 信晴 劇場情報 http://soratobu-movie.jp/theaters.html
2018年07月02日
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