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今週のゲストは脚本家の橋田壽賀子さんでした。「おしん」や「渡る世間は鬼ばかり」で有名な脚本家ですが、僕は日本のTVドラマはほとんど観ませんので関心の薄い方です。今回は竹村さんの共通の趣味(同行するわけではない)であるクルーズと最近出された本「夫婦の格式」のお話で盛り上がりました。・橋田壽賀子のプロフィール;http://www.tvdrama-db.com/sugako_1.htm・夫婦の格式;http://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refShinCode=0100000000000032095776&Action_id=121&Sza_id=HH橋田壽賀子さんは夫が亡くなられてから海外旅行などを始められ、クルーズで世界中を廻っておられるとのことです。先日はロシアの砕氷船に乗るツアーで北極点に立たれたそうです。ここでも目立ったのはアジアからの観光客、マレーシア、台湾、中国などですが、これは竹村さんがグリーンランドを訪れた時も相客はすべて台湾からの観光客だった、と話されていたのと同じです。(今日もその話を竹村さんは繰り返そうとしたのですが、橋田さんに話を取られてしまいました。先ほどネットで橋田さんのことを調べたら「話好き、目立ちたがり屋」とありました。納得)アジアの人たちは「おしん」をよく知っていて、同行した泉ピン子さんがモテモテだったとか。あちらの方は賑やかでうるさいくらい、だったそうです。北極点で踊った話、極点の氷でつくった氷あずきの話や南極の氷が溶けるときに聞こえる音(内部の気体が弾ける音)の話などがありました。本当にお二人の旅は世界の端から端までを巡る地球規模のビッグなものです。クルーズは荷物をいくらでも持っていける、買い物をしても全部家まで届けてくれるので気にしなくていい、などリッチな方には最適な旅行です。世界中を旅しているという橋田さんに対して、竹村さんはクルーズの先輩として「世紀を跨いで日の入りと日の出を見るツアー」に出かけて素晴らしい紫色の日の入りを見た話をして橋田さんに負けました、と言わせました。これほど素晴らしいクルーズですが、日本でのクルーズ人口は20万人ほどでアメリカの1800万人は遠く及ばないそうです。クルーズ専用船が飛鳥を含め3隻しかないと船の少ないこともありますが、長い時間休めないことも大きな理由ですね。橋田さんもこれだけ世界に出かけていても「やはり日本人ばかりがいいです。外国の人が一杯いるのは嫌、喋りかけられても英語ができないし」と素直な感想。これが普通人の感覚でしょう。橋田さんが初めてクルーズに出かけたのは15年前くらいのアラスカ、ご主人が亡くなってからだそうで、それまではどこにも行かせてもらえなかったと語ります。ご主人の話がでたところで著書「夫婦の格式」の話になりました。このところ「国家の品格」や「女の品格」など「品格」流行でしたが、流石に「品格」は避けたようです。この本がヒットすれば今度は「○○の格式」本が流行るのでしょうか?ここで橋田さんは「夫婦の間には男女平等はありえない、女は男を立てなさい。自分のために男を立てて夫婦仲良くするほうが得じゃないですか」と語ります。「この頃の若い人はお互いが相手に何かしてもらえると思って結婚するからうまく行かない。自分たちは結婚すると女は仕えるものだと思っていた」そうです。とても若々しいお声でしたが83歳と聞いてビックリ。78歳の竹村さんよりずっとしっかりしています。日本の女性は男性よりずっと長生きなのですから、夫に仕えてもあとに自分だけの時間は充分ありますね。一方、亭主も女房に一言、喜ばせるような言葉を言ってもらえれば、言うのはただですから、と橋田さん。「ところで竹村さんは奥さんに言葉できちんと伝えていますか?」「僕は古い人間だから」と口ごもる竹村さん。「いろいろしてもらってばかりで、家の中のことはなにもわからん」「やっぱり。それで何でもやってもらっていることに対して、ありがとうって仰いますか」「それがいわない。まあ、この本を読んで、ありがとうって言うようにしますよ」「その一言で女は頑張れるのですよ。機嫌が悪いときも何で機嫌が悪いんだろうな、って考えているんです。そこで、会社でいろいろあって、と言って甘えてもらうと女は嬉しいんです。お前しかいないんだ、って嘘でも言ってもらうとそのつもりで女は元気に朝から働けるもの」「俺の態度をみれば分かるだろうと黙っているより、口に出すほうが女にしてみれば働き甲斐がある。何しろ言うのはただですから」そういう橋田さんも、欧米人が絶えず口に出すのは少々度が過ぎる、と思っているようです。竹村さんのところは夫婦仲のいいことで有名、口には出さないけど、音楽会や旅行もいつでも一緒ということです。一方、橋田さんのところは、ご主人は橋田さんをおいて男の友人と出かけていたそうで、あるとき夫はハワイ、妻はオーストラリア、というすれ違いもあったそうです。ここで橋田さんの「結婚と仕事」の話が少し入りました。結婚するまでは脚本を採用してもらうために、とプロデューサーの言う通り不本意な書き直しをしていたがそれほど売れず。それが結婚で(夫の)月給が入るようになり、自分の書きたいものを書くようになった途端、売れ始めたそうです。そこから名作「おしん」も生れたのです。「この本の中で書いたような、男を立てなさいということは今の若い女性にはなかなか通じないかもしれない。でもこの本はむしろ男の人への応援歌なんです。男の人に、どうやってもらうと女はもっと働くよ、とかよく尽くしてもらえるよと教えたかった」竹村さんは奥さんにはなかなか感謝の言葉は出ないと言っていましたが、どこに行くにも一緒に行く、ということで結果的に奥さんに頼りきっていることを表明しており、それはそれで奥さんにやりがいを与えています、最高の勲章ですと橋田さん。竹村さんはここで自宅での生活の一端を紹介しますが、食事はベッドでされるそうで、動くのはトイレに行く時だけとか。それ以外は全て奥さんに任せているということでしょう。「この夫婦はもう口でいうことではないかもしれません」という橋田さんのお墨付きが出たところで番組は終わりです。
2008.08.31
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オリンピックの観戦疲れ、なのか読書日記も滞り勝ち。娘はまだ夏休みでバイト(塾のチューター)中ですが、息子は早くも28日から新学期。みな、それぞれに頑張っています。◇僕がこの頃読んでいるのは、下記の通りです。○われに万古の心あり(松本健一)○改革者に学ぶ人生論(童門冬二)○文明の海洋史観(川勝平太)◇これまでに読んだ本の感想は以下の通り。○イギリス 衰亡しない伝統国家(加瀬英明) 加瀬さんは大のイギリスファン(自称)、その語り口はまるで 渡部昇一さんかと錯覚するほど。読んでいるとますます日本 とイギリスの類似性が浮かんできました。 またその中でも微妙に違っているところにも気づきます。 イギリスはローマ人による征服、デーン人による征服、 ノルマン人による征服と3度の大きな外部からの侵略を受けて います。 そのたびに先進的な文化が有無を言わさず入ってきて定着する のです。 日本は外部勢力に征服された記録はありませんが、実際は 何度か半島もしくは大陸からの大量の渡来者があったと 思われます。 どちらも中世、近世には大陸からの圧倒的な攻撃を受けましたが、 それを見事に撃退しています。イギリスのスペイン無敵艦隊撃滅と 元寇の撃退はよく似ていると思いました。 天候も味方し撃退に成功するところや、ドレイクと竹崎季長など 個人の奮闘が語られているところも似ています。 宗教の受入れに関しても、一度は受け入れた宗教を完全に国内で 消化して独自のものにしています。 イギリス国教会を作ってキリスト教をイギリス流に消化したことと 神道をベースに仏教を受け入れて混淆させてきたことの類似性。 歴史を尊び、古いものを大事にするという心や階級間の移動の 容易性など。 どちらも大陸での戦いに負け、大陸の領土を失い、島国に 居座らざるを得なくなってしまったのも同じ。 運命の分かれ目は徳川幕府の鎖国政策だったかもしれません。 日本が海外に出続けていれば、「文明の海洋史観」で言われた「運命のベンガル湾大海戦」が起ったのかもしれません。 もし東の海に出続けていれば、ハワイからアメリカ大陸の西海岸 を占拠して大発展を遂げていたかも。 貧しい日本移民が西海岸を開発。北海道でアイヌと付き合った ようにしてインディアンと付き合い、西海岸を自国領としたかも しれません。○「坂の上の雲」だけでは分からない旅順攻防戦(別宮暖郎)「坂の上の雲」で乃木将軍は徹底的に無能に描かれていますが、 最近「実はそうではなかった」という話をよく読みます。 この本でも「乃木大将は無能ではなかった。誰もが要塞戦の 何たるかを知らず、第一次世界大戦でも同じ過ちを繰り返した」 と語って常識(日本の中だけの?)に異議を唱えます。 乃木大将は第1回総攻撃(参謀本部の無理強い)の失敗の後、 学習して「要塞には塹壕で対応」という本道に帰るほどの 学習能力を持っていました。そして損害にじっと耐え、所期の 目的を成功させたのです。 旅順攻防戦では日本軍の損害は3万人強、これに対して ロシア軍は6万の兵員が戦死、負傷、捕虜で無効化した のであるから、3倍の損害を敵に与えたことになるのです。 大勝利と言われる奉天会戦でもほとんど被害は同数、勝ち残りで やっとこさ日本に軍配が上がりましたが、これに比べても はるかに優っています。○昭和天皇の悲劇(小室直樹) これはずいぶん前の本ですが、以前紹介した山本さんの本と同じく 天皇一人が政府の決定、国民感情、空気には逆らいようもなく、 全員で戦争に突入したもの、と語ります。 天皇とは離れますが、僕が面白いと思ったのはキリスト教と 日本の仏教の類似性を指摘している箇所です。 イスラム教、ユダヤ教との違いを挙げていますが、後者は 戒律宗教であり信者に社会生活におけるある種の形式を要求 しているが、キリスト教は心の内面だけを問題にしている、という 天です。厳密な戒律のないところは日本の仏教と同じ。 悪人でも悔い改めれば神の前では等しく救われる、というのは まさに親鸞の「念仏だけ唱えていれば皆、救われる」という考え。
2008.08.30
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今週のゲストはプロスキーヤーの三浦雄一郎さんです。今回は「冒険家75歳エベレスト挑戦記」の紹介を兼ねての登場でしたが、これだけの肩書紹介で誰と分かる日本人も少ないですね。「日本に数少ない、感心する以外言葉の出しようのない人です」という竹村さんの感嘆の言葉で始まりますが、お二人はほぼ同年輩、世界のあちこちでバッタリ会って話をしたりという旧知の仲です。「まずは75歳でエベレスト登頂を果たすようにあなたを突き動かしてきたものはなんですか」「好奇心ですね」「好奇心だけではできないこと。普段から重りを足につけて歩くなどトレーニングもやっているそうですね。まだこの先、目標をもっているのですか」「今回、75歳でエベレストに登ってみて、また80歳でもいけるのではないか、と思いまして」このような元気のいいやり取りで始まりました。今回、三浦さん登頂の前日にネパール人シェルパが76歳で登頂して、高年齢登頂者記録はもっていかれましたが、彼らの年齢は自己申告であり出生届けはかなりいい加減、78歳と言ったり77歳と言ったりぶれたそうです。もっとも最高齢を目指すというより自分にチャレンジしたことに意味がある、と言われていました。ここで世界7大陸の最高峰に登頂したディズニー社長フランク・ウェルズ(既に故人)の話が出ましたが、三浦さんも南極大陸最高峰に登頂する時は一緒にいった友人だそうです。まさに世界の三浦。世界の三浦は日本国内ではスキー連盟と折り合いが悪かったようですが(少し前、日本テレビの「波瀾万丈」に登場されたのを見ていました。スキー連盟を批判してオリンピック予選に出られなくなり、それならプロでやってやる、とプロ世界大会に出て活躍、これが三浦さんの原点です)、最近は相手が年下でまあ、いい関係になっているようです。次に父親、101歳まで現役でスキーをされていた敬三さんのお話に移ります。99歳でモンブラン氷河をスキーで滑り降りるなど生涯現役を貫いた素晴らしい方です。残念ながら転んで頸の骨を痛め亡くなられたそうですが、元気であれば104歳でモンブランをも一度滑るつもりだったとか。・三浦敬三;http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%89%E6%B5%A6%E6%95%AC%E4%B8%89「この頃は三浦さんの志を理解する人が増えてきたようだが」「志というほどのものではありませんが、年を取ってもいろいろな可能性があるということを見てもらって」竹村さんは57歳でスキーを始めて、時々は三浦さんとも一緒に滑っているそうです。年齢を重ねるにつれて、この年でもまだ滑れるという気持ちが嬉しいとか。スキー界では60歳を過ぎると転んで骨を折ったら大変、とやめていくときに、三浦敬三さんは「60歳だからやる、70歳だからやる、90歳、これからだ」そういう気持ち。スキーを楽しんでいた。スキーが好きで気づいたら70歳、100歳になっていた、ということです。「日本人には、すごいことをやる人は何か高邁な精神をもっている、と思う人もいるが、三浦さんは全然構えている感じではない」「ただ学生時代からやってきたことの延長ですから」三浦さんはこういう風に謙遜しますが、その一方、日常生活の中でトレーニングを欠かしません。いつも片足に4kgの重りをつけて歩いているそうで、普段の生活の中で自然にトレーニングができるように工夫している、と語ります。4kgの重りをつけると普通の10倍の距離を歩いているのと同じ効果があるそうです。年をとればとるほど筋力をつけ、骨密度を上げないといけないが、ウォーキングだけではなかなかできない。ところが重りをつけて歩くと筋力がついてくるのです。実際、足首に重りをつけて歩いていると膝が痛くなくなった、ということでこれは筋力がついたのと併せて、下から膝を引っ張るようになって膝の半月版が回復しているのではないか、と想像しているそうです。「中高年向けにもスキーのよさをアピールできる点ですね」また世界の心臓学会で一昨年、上りと下りとどちらが運動効果が上がり、筋力がつくかを検証した結果、(スキー場で、歩いて登りリフトで降るグループと、リフトで登り歩いて降るグループを1ヶ月追跡調査した結果)歩いて降るほうがカロリーも消費して、速筋も余計につくなど運動効果があがったそうです。「だから階段を降ることは非常に効果的な運動です。速筋を鍛え、糖を燃やし、同時にバランス感を養い、緊張感ももてるなど肉体、精神両面でいいものです。同じようにスキーは降りで持続的な負荷をかけるので楽しみながら糖を燃やし、糖尿病予防運動になるなど中高年に最適です」ここから今回のエベレスト登山の話になりました。8000m以上はデスゾーンと言われ、非常に過酷な世界。どんなに強い人間でもちょっとミスをすると命の危険がある、とのこと。今回の登山でも息子さんが無理をして酸素吸入のタイミングが遅れた結果、肺水腫から脳浮腫になったそうです。息子さんは幸運と医学知識からギリギリでステロイド剤を自分で注射して危機を脱してベースキャンプまで戻れたのです。「あなたの生き方は単にスキーをするというより健康法というか、弛んでいる日本人に何か教訓にならないか」と竹村さん。「教訓はともかく、刺激にはなっているのではないでしょうか」とあくまでも謙虚な三浦さん。竹村さんは最近北海道でスキー中に転倒して脳内出血をしたそうです。出血が収まらなければ手術が必要だったのですが、回復力がすごかったのか、何とか治療もせずにもとに戻ったとのこと。生命力が強いのでしょう。「危ないことをしてそれを乗り切ることで自分に自信がついたり、ほんとに死んでしまうのはダメだが、きわどいところまでいくのは人間にとっていいことじゃないか」と竹村さん。安楽な日々の中で眠っている回復力を、時々は刺激しないと本当に衰えたまま戻らなくなりますからね。「そうです。人類の原点は冒険心ではないでしょうか。冒険心がなければ人類はずっとアフリカの1箇所にいて、疫病か何かで滅びていたかもしれない。山の向こうはなんだろう、と思って動いた連中がいたおかげで人類はまだ生き延びている」ここで竹村さんはロケット博士、糸川英夫さんの説を紹介します。「アフリカを離れた人類は東に東に旅を続け、最後に日本列島に到達した。そしてこれ以上先には進めないのでここで定着した。だから日本人は一番好奇心旺盛で、体力もある、優秀な民族なのではないか」ということです。「人類の冒険進化論、というのは個人でも言えるのではないか。自分でも何かにトライしてみよう、好奇心でやってみようというのが進歩の原動力。生物学では個体発生と系統発生を繰り返すということですから」「能力を伸ばすためには限界までいく、ということをしないと進歩しないのではないか。ところで、これからは何を目標にするつもりですか。」「次はチベット側からエベレストに登りたい」「資金的に不自由することはないのですか?」「いえ、今回も娘が自分の貯金をはたくまでになりました。というのは、予定が狂ったから。でもこれはあとで一生懸命稼げばいいこと。でもいろいろな会社が応援してくれたお陰です。サントリー、東芝、トヨタ、明治乳業さんなど」「頂上の感想は。素晴らしいものでしょうね」(アシスタント)「山の頂上はどこでも気持ちいいもの。万歳したくなりますね」「エネレストの頂上なら何回万歳をしてもいいですね」という竹村さんの話で終わります。三浦さんは本当に謙虚で素晴らしい方でした。
2008.08.24
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オリンピックも数々の感動をくれて終わりです。それにしてもソフトボールの上野投手の3連投とナインの好守による金メダル、トラック競技初の銅メダルになったリレー男子の根性、気力、団結とそれにより引き寄せた幸運には感動しました。◇僕がこの頃読んでいるのは、下記の通りです。○イギリス 衰亡しない伝統国家(加瀬英明)○「坂の上の雲」だけでは分からない旅順攻防戦(別宮暖朗)○南洲翁遺訓を読む(渡部昇一)○WILL9月号(花田紀凱編集)○昭和天皇の悲劇(小室直樹)◇これまでに読んだ本の感想は以下の通り。○女は胆力(園田天光光) 竹村さんの番組に登場された園田天光光さんの著書です。 話を聞いてユニークでバイタリティある天光光さんの生き方、 胆力に惹かれて読みました。 生い立ちから園田直と結婚するまではほぼ番組で聴いた通り です。 それにしても父親松谷正一が立派ですね。維新の志士のような 立派な人になって欲しいと四姉妹に天光光、天星丸、天飛人と 名づけ(四人目には出産時に亡くなった妻の名をそのまま つけたとか)大学に行かせるなど時代を超えていました。 結婚後、自分の代議士としてのキャリアを捨てて夫の縁の下の 力持ちに徹しての二人三脚での苦労も立派です。 それは夫、直氏の力を認めてのことでしたが、園田直氏は 中曽根さんなどと共に「青年将校」と呼ばれ、活躍した人 でした。 園田直さんが厚生大臣時、水俣病を公害と認めて10年も冷や飯を 食ったが節を曲げなかったとか、外務大臣として、成功 しなければ生きて帰らないと覚悟して向かった日中国交回復交渉 の話は感動的です。 でも日中交渉では登小平の度量の広さで成功したと述べている あたり、感動しつつも、今から考えると全員が中国にやられた、 と思うことです。 軍人として中国に対する贖罪意識があったのでしょうか。 それにしても日本人は今も昔も交渉ごとの本質、敵の弱みを みつけてそこを攻めて徹底的に自分の有利を得ることを知らない のだ、と改めて感じます。 流石の天光光さんも周恩来の妻に丸め込まれてしまうところは 悲しい。 政治家をしていて初めて可能な多くの出会い、生き神様、 中村天風、佐藤栄作、河野一郎の妻たちなどはうらやましい ものですね。○文明の生態史観はいま(梅棹忠夫編)「新脱亜論」を読んで知った梅棹忠雄さんの「文明の生態史観」 読みたいと思って図書館へ行きましたが、ちょうどなかったので 先にこの本を読みました。「文明の生態史観」自身はかなり前に出ておりいわば古典、 それに対しては多くに議論がなされており、それらを通じて 改めて文明の生態史観を考えています。「文明の生態史観」とはユーラシア大陸(ユーラシアという 言葉もヨーロッパとアジアの合成語です)を中央に位置する 広大な乾燥地帯とその両側に僅かに存在する比較的温暖で 生き易い地域に分け、中央の乾燥地帯は定期的に発する 巨大な暴力とそれへの対抗から帝国が生れては消滅する世界、 その両側はその暴力から僅かに逃れえたヨーロッパと日本、 ここにのみ連続して発展する文明が生れ、近代社会にまで 成長できた、というものです。 日本は決して運よくヨーロッパの科学技術をキャッチアップ できたのではなくて、すでに近代社会を江戸時代において 成立させていたことが急速な近代化を可能にしたのです。 同じアジアなのになぜ中国、朝鮮と違っていたのか、という よりもともとヨーロッパとの間に精神的な共通性、文明 としての類似性があったのです。 東西がよく似ている、という別の例として中央の悲惨な大陸で 生れた宗教は東西に移動してそこで深められ、大いに発展した 事実を挙げています。 キリスト教は西に移動して発展し、仏教と儒教は東の果て、 日本で発展しました。 東西の端は文明、文化、技術など全てが熟成する場所。熟成した ものを貯蔵する場所なのです。 梅棹さんははるか昔に、「日本よ縦に飛べ」と提言し、西の アジアに向かうのではなくて、同経度の地域、すなわち台湾、 フィリピン、インドネシア、ニューギニア、オーストラリア、 ニュージーランドと仲良くすべきと語っています。 その考えは安部元首相、麻生元外務大臣の「繁栄の弧」(台湾、 フィリピン、インドネシア、オーストラリア)をつないで共に 栄えようとする、「価値の外交」と同じなのですね。 アジアの大陸国家が西洋や日本のように発展するかどうか、 工業社会に成長できるか、という問いに対して梅棹さんは 言います。「インドや中国など人口の巨大な国では国民を養うためにも農業を 無視できない。自給率を高めておかないといざというとき どうにもならない。だからなかなか農業国から脱却できない」
2008.08.23
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今日はマラソン、ソフトボール、卓球と応援してきましたがソフト以外は今一。これで夏休みもおしまいということで来週からは気持ちを切り替え、お仕事です。今週のゲストは「地方の逆襲「格差」に負けない人になれ!」の著者でサッカーJ1リーグ「アルビレックス新潟」会長の池田弘(ひろむ)さんです。初めて聞くお名前ですが、地方で活躍する若手実業家として有名な方でした。今日のお話にも通じる興味深いインタビューも見つけ、池田さんの背景、これまでの活躍についても分かりました。・インタビュー;http://www.dreamgate.gr.jp/feature/inteview/bestlife/65/・プロフィール;http://www.nsg.gr.jp/ikeda/profile/index.html・地方の逆襲「格差」に負けない人になれ!;http://www.honya-town.co.jp/hst/HTdispatch?nips_cd=9983221853最初に竹村さんも紹介していましたが、宮司さんであり、アルビレックス新潟の社長で、学校経営者であるなど様々な顔を持つ池田さんが一貫して中央に負けない地方の自立、活性化の具体策を語られました。地方よ、中央の負けるな、ということで地方は苦しくなるとすぐ中央から援助をもらおうという人が多いからちょっと喝を入れてもらいましょう、という竹村さんの言葉で始まります。日本が明治以降中央集権の仕組みを作ってこれだけ発展してきた功績はあったが、ここにきて仕組み自体が問題になっていると思います。江戸の終わりから明治の初め、新潟県は豊かな越後平野を背景に人口180万人で日本一人口の多い、東京を上回る地方でしたが、その後、日本の人口が4倍になる中、新潟は240万人と2倍にもならず差し引き400万人もの人口を首都圏に出すことになっているのです。東京の住民のうち新潟出身者が一番多い。新潟県人会は日本一の組織。またダムによる水力発電も盛んで、エネルギー供給県として山手線の電力をすべてまかなっているくらい。産油量は日本一、ガスの生産でも相当の貢献をしていて、食料自給率も100%です。これらを考えて「新潟県よ、もっとプライドを持とう」というのが池田さんの考え。そしてこれは中央集権の仕組みの中で首都圏に貢献してきた新潟以外の地方にも言えること。これら新潟の歴史を知り、また新潟アルビレックスというサッカーチームを自分たちの町がもつ、ということで新潟の人も誇りを持てるようになってきたのです。アルビレックスは現在、J1リーグで浦和についで集客数で2位ですが(なかなか勝てないので客も増えない)、J2リーグの時代、世界一の観客動員力を誇っていました。中央は地方のことを知らない。マスコミもそれほど報道しない。こういう時代だからこそ地方も自分たちをPRしていかないといけない、と竹村さん。そうですね。日本がこれだけ発展できたのは、いろいろな地域の文化の違った地方から優秀な人材が出てきたから。これが首都圏に集中して均質になってしまったら、日本は近い将来衰退する。だから各地方が経済的に成り立ち、文化的にも自立して、互いが切磋琢磨して人材を出していく仕組みが必要。このとっかかりにサッカーのチームがあるのですかね。同時にそのベースに学校事業があり地方で人材育成をやっている。主に専門学校を運営していて、新潟にしかないような特色のある専門学校をやっています。例えばウィンタースポーツ、アウトドアの専門学校など。新潟から東京を見るのではなくて、世界で一番発展したシステムを導入することを考えています。例えばアニマルセラピーという分野では、世界でNo 1のデルタ協会(アメリカ)というところから直接講師を招いている。デザインについては最初からパリ、ロンドンと提携するなど。だからアニマルセラピーの分野では日本中から新潟に学びに来ている。介護でもスウェーデンの大学と提携して、人間の尊厳をケアするという概念を日本で最初に導入した。あくまでもスペシャリストを育成する、日本一を達成する。そのために世界で一番のところを提携するという戦略を最初から取ってきたのです。とかく地方は東京を見ていつかは東京に行きたい、東京が一番、というイメージがあったがそれを乗り越えていますね、とアシスタント。まだ中央集権的、あらゆるものの認可や70%の大企業が東京に集中しているなどあって、地方でやると言うことには相当の困難さがある。しかしスポーツではJリーグができて、地方の総合型スポーツクラブという地方を尊厳したシステム、ヨーロッパ型の概念を導入して地方がプロのスポーツチームを持てるようになってきた。あらゆるスポーツでそういうことが可能になってきて、バスケット、野球などプロリーグ、北陸・信越リーグを提唱して作ってきた。「オラがチーム」が皆、持てるようになってきた。地方のチームには普通の人が熱く燃えてきてくれる。Jリーグの概念が地方密着、地方の誇りを持つということなので、日本全国で新潟を目指して企業チームでない、地域密着のチームがJ2リーグの80%くらいできてきた。さらに30チーム以上が手を挙げて参入したいといってきている。ただ残念ながらJ1チームは実業団からの流れで大企業由来のチームが多い。新潟、大分、札幌の3チーム/18チームだけが地域密着型。まだ日本は企業社会、中央集権の社会。地方振興のためにスポーツを考えるというのはいいこと、と竹村さん。バスケットでもプロリーグを作って既存の協会からいろいろ邪魔もされたが、今、ものすごく発展して逆に中央の組織のほうが大混乱を起こしているそうです。最初、Jリーグで川渕さんが頑張って、新聞・テレビでもいろいろ叩かれたが信念を変えず、ついにこのような隆盛につながった。ヨーロッパとアメリカではスポーツは完全に地方密着。ヨーロッパは100年以上かかって、独立した地域が自分たちの総合型スポーツクラブを作ってきた。ここではあらゆるスポーツがプロリーグになっている。アメリカは歴史が浅いので、地域を活性化させるのにスタジアムや競技場を作り、補助金まで出してスポーツチームを誘致した。スポーツは人種、宗教を超えて皆で盛り上がれる、地域づくりに一番いい戦略と為政者も分かっているのです。そうじゃないのは日本、韓国、台湾だけ。ところが日本のように企業名がついているチームは世界では希。「日本ハム」という名前ではほかのメーカーの人は心底からは応援できない。「千葉ロッテ」も同じでは。地域・地方を発展させる起爆剤になるのがまずはスポーツそして教育、ということなんだね。どういうところからそういう発想を得たのでしょうか、と竹村さん。今週は素直に聞き役です。私は神主なので氏子さんや地域の発展が神主のポイント。社会というのは「社で会う」とこじつけていますが、日本のコミュニティの基本は神社なのです。お宮を継ぐことを決意したときに新潟という地域を活性化したいと思いました。地域活性の起爆剤になるのが神社だと考えている、ということ?そうです。地域、津々浦々に神社があります。これらが皆、地域を活性化できれば。ここで竹村さんは持論である「神道を世界に広げるべき、世界も和を尊ぶべき」と語ります。先進国と言われる国で多神教なのは日本だけ。他の国は全て一神教で殺戮の連続。日本はいろいろな価値を吸収しながら発展してきた。その根本にあったのが神道で、仏教も多神教の一つとして入ってきた。ただ実態として、キリスト教も多数の分派に分かれていて全部価値観、概念が違う。それらが融和しないとどうしようもなくなっている、つまり多神教化しているのではないか、と思う。これからの世界の宗教が神道的になっていく、というのは面白い考え、と竹村さんも同意します。神主としてお祭りをするのが本来だったが、それだけで生活するには厳しい環境だったので教育事業を始めた。珍しい人ですね。地方はすぐに補助金をくれ、という風になる。それは中央集権の仕組みの中で地方の人がそうなるように作られたからだと思います。陳情政治という仕組みを作り上げ発展させた、その古いビジネスモデルに問題がある。地方の役人さんは補助金をもらうのが一つの大きな仕事だった。今週は神社を中心に各地を発展させる、という面白い発想を聞きました、という竹村さんのまとめで終わりです。
2008.08.17
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今日は盆休みです。先ほどは北島選手の金メダル、感動の涙に僕も興奮、感動しました。バドミントンでも世界ランク1位に逆転勝ちするなど日本勢の活躍が続いています。今回のオリンピックには否定的ですが、日本人の活躍はやはり嬉しい。今週のゲストはテレビでもおなじみの榊原英資さんです。早稲田大学教授で「没落からの逆転 グローバル時代の差別化戦略」の著者としての登場ですが、竹村さんが仰るように元大蔵省財務官で「ミスター円」と言われたそうで、有名な方です。・「没落からの逆転 グローバル時代の差別化戦略」;http://www.honya-town.co.jp/hst/HTdispatch?nips_cd=9983369443「今回は日本の将来の大構想を考えた本を書かれたそうで」と竹村さんは褒め言葉のあとに、先日の産経新聞正論に「消費者庁不要論」を書かれていたのでその話から始めましょうと続きました。ここで榊原さんの論旨は明確で「消費といっても幅広く、食品、金融、医療サービスも含まれるというのにどんな人材を集めるというのか。消費者の苦情を受け付けるセンターを作るという程度なら分かるが、GDPの6割をカバーする省庁を作るなんて馬鹿な話はない」と語ります。これについては僕もその通りだと思います。「いま大事なのは食料、エネルギーなど資源の確保。消費者庁を作るより資源エネルギー庁を省に格上げして食料、資源の確保を考えることが緊急の課題。メディアに媚びている」と続けます。「マスコミは世の中の小さなことを非常に大きく言うが人の噂もなんとやら、ですぐに消えてしまう。本当に日本の将来にとって大切なテーマを語るべき」と竹村さん。「例えば中国産のうなぎを食べてもお腹をこわす人はいないわけ。偽装問題は良くないことだが、天下国家を論ずる問題とは違うのです。どちらも養殖もの、蒲焼にしたら分からない」と言うのももっとも。ニュースには取り上げるべきだが、政治の主力をかける問題ではないでしょう。「これは大きな世間の流れに抗して言ったこと、それこそ産経の正論にふさわしい」と竹村さんも評価。ここで著書の話に入ります。「なかなか力をこめて書いているようだが」「このままいくと日本は没落するのだと思います。インドや中国に行くと大学生たちが目を輝かせて勉強しているわけです。おそらく日本の学生の10倍くらいやっている。勉強することによって出世も起業もできるのです。ところが日本では学生がなりたいのはスポーツ選手かタレント、これらは勉強しなくてもいいのです」「今、タレントでも賢いのがいるが、皆がタレントになっても困るしなあ」と竹村さん。我が家でもよく見ますが、有名大学卒のタレントがクイズで競う番組が多いですね。よく勉強しているなあと思う反面、映画になった「クイズショウ」的なところはないのか、若干疑問もあります。「今、日本で顕著なのは技術系に行く若者が少なくなっていること。高校生で調査をすると文科系志望が8割。ところが外国では優秀な人はたいてい理系にいくのです。中国のトップはどちらも理系。ところが日本の政治家は文系なので資源問題の重要性が分からない」政治家にどれだけ理系の知識が必要かは疑問ですが、理系志望者が減るのは心配です。我が家でも娘は文系ですし、息子も理系にはあまり興味を示しません。でもこれは日本の企業、官僚のトップがほとんど文系なのだから仕方ありません。ちなみに僕は工業化学専攻です。ここでアメリカ留学談義。昔の日本人留学生はよく勉強したが今はダメ。竹村さんは当時も自分の好きなことをやっていたそうですが。ここで本題に入ります。「日本はある意味で特殊な国。千五百年侵略を受けていないが、このような国はない。しかもかなりの期間平和だったので文化、教育のレベルが非常に高い。千年前に紫式部が小説を書いているほど。ただずっと占領されず同質なものだけでやってきたので、異質なものを理解する能力が低い」「日本人はほかと違うことを意識しなくてはいけない。ただ違うことでいいこともある。美的センス、音楽センスなど非常にいいものがある。しかし異質なものを排除する傾向は問題。だから出来るだけ早い時期に留学して異質なものと触れ、理解することを勧めている」「冒頭であなたが言ったように、本当に日本の生きる道は食料とエネルギーをどう獲得するかだが、一次産品がこれほど高くなるとは思わなかった」と竹村さんは話題を変えます。「まだまだ高くなります。例えば小麦はこの一年間で倍以上になりました。この小麦をどう確保していくか、休耕地で小麦をつくるなど農業のあり方を変えなければいけない。難しいことだが、これができないと10年後の食糧確保はできない」「せめて食料自給率を50%までは上げてほしい。そういった構想を政治に出してもらいたい」「そうです。これが政治の課題です。消費者庁なんて作っているときではない」「今まではお金を出せば買えたが、これからは技術と交換で資源を得ることを考えないといけない」「途上国と一緒に農業をやるとか鉱山を開発する、というようなことをやるべき。商社は既に始めているが国ももっとバックアップしないといけない。三菱商事はトヨタより利益率がいい。商社の利益率がいいのは一次産品の値段が上がったから。偶然そうなった、というのではなく21世紀を見て構想を練らないといけない」「これまでに日本は売ることに専念していたが、これからは買うことに注力していかないといけない」「資源国に投資をして一緒に開発して行くという構想を立てていかなければ」「日本は世界で一番債権、お金をもっているのだが、その多くはアメリカの国債などに消えている。これを資源国との共同開発などに向け、資源確保のために使わなければいけない。21世紀になってすでにパラダイムシフトが起こっている。20世紀は資源が安くてハイテク製品が高かったが、これが逆になっているのだ」「パラダイムシフト、という言葉だけは頭において欲しい。抜本的に仕組みが変わるということ」と竹村さん。「こういう考えが主流になってくれればいいのだが、政治家は選挙にしか目が行かない」「選挙でこういう問題を議論してもらえばいいのです。日本の食料政策をどうするのか、疲弊している地方をどう再生するのか、そういうことをマニフェストに載せて選挙を戦って欲しい」「日本人もお金を持っているのだから、資源を確保するための仕組みを作って海外に金を出したらいい」「日本は今、海外の金融機関をどんどん買っている。世界的な金融危機の中で正常なのは現在は東京だけ」「こういうことをもっとマスコミは報道して欲しい。どうしたら本質的なことを報道するように変えられるのか。政治家にはマスコミという批判者がいるが、マスコミにはいないからな」竹村さんの嘆き節。「僕はそれを企業がやるべきと思う。スポンサーとして番組を選択すればいい。トヨタはそれをやっている。大企業がやってくれればマスコミも変わる」その通りでしょうが、商売優先で国益を損して中国との付き合いをしている大企業も多いので心配です。「あなたや考えは違うが竹中さんなどがもっと前面に出て、日本を今、変えないといけないと訴えるべき」「今、変えないと10年先には間違いなくだめになる。学生が全く勉強をしていないから。また若い人が海外に行きたがらない。日本でのんびりしていたいと思っているようだが、これではいけない。日本のほうがいい、という部分もあるがそれでも敢えて外に出るのが若者でしょう」「日本では英語が上手だったり、海外経験が豊富になるとかえって出世しない」「そういうところがある。自分も出世したほうだが、海外通はナンバーワンにはなれない。ナンバーツーまで。平家、海軍、国際派といういい方があるがこれはナンバーツーということ。源氏、陸軍、国内派がナンバーワンになる。三菱グループのトップがロンドンで投資家向け説明会をやったが、半分は日本語でプレゼンテーションをやった。ロンドンに来たら英語でやってください!」「丁々発止言葉でやりあって、トップ同士で決められないといけない。これは学生だけの問題ではない。英語ができないと始まらない」「日本では英語ができると通訳に使われてしまう」と竹村さん。「ぼくも20台で大蔵大臣の通訳をやりましたよ」と榊原さん。「清華大学の学生の英語のレベルが高かったので聞くと缶詰で特訓をしているとのこと。しかも授業の20%は英語でやっていて50%まで持っていくことを予定している」「日本でも明治時代は外国人教授の授業を英語で勉強していたので、昔の人のほうが英語もよくできた」と竹村さんも同意します。でもこれは逆ではないでしょうか。すべての学問が日本語で教えられるのは素晴らしいこと。外国では英語で勉強せざるを得ないのです。「日本人も決して英語が下手というわけではない。言葉漬けにすれば、英語はできるようになるのです。集中していると頭の中に回路ができるのです」ここで番組は終わりです。でも今週はいろいろ気になったので書いてみます。中国、インドの学生たちが眼を輝かせて勉強している、という言葉。正直言ってこの「眼を輝かせている」というのは曲者だと思います。本多勝一さんの「中国の旅」で眼を輝かせていた子供たちは?アフリカで眼を輝かせている子供たちは今どこ?決して真実を知らず、国家や社会の犠牲になっているだけの目の輝きではないでしょうか。日本の子供たちがかつてそうであったからと言って同じとは思えません。英語がすべて、という言い方にも自分の英語力、アメリカでの学問が生かしきれなかった悔しさが混じっていませんか。いみじくも語ったように「通訳として使われた」という悔しさが。英語が流暢に喋れるようになれば次は発想の根底にある英米思想を学ばねばならぬ、とか言い出されて歴史も西洋の歴史を学べ、となってしまいます。そのうちに日本の歴史が日本人の中から希薄になっていくのが怖いです。日本の歴史を熟知して初めて、たどたどしくても海外と対等に話せるのです。なぜ日本が有色人種の中で最初に近代国家を形成できたかを語れれば、話を聴きたいと思っている国は世界に150以上はあるでしょう。誰かが言っていましたが「日本人は英語が下手で、グローバルスタンダードを知らなくても世界第二位の経済大国になれたのだから、英語が喋れないと国は没落する、というのは全くナンセンス」なのです。豊かになった国の子供たち(そしてもちろん大人たちも)が怠けるのはある意味で当然でしょう。それをいまだに中国、インドが必死でやっているから負けないように日本の子供たちも頑張れ、というのはちょっと違うのでは。誰のために頑張れ、というのでしょうか。日下さんが書いていますが(近々紹介する「独走する日本」などで)「一生懸命稼いでお金を貯めてもそれでどうだった?結局、外国に貢ぐだけだったのでは。それを学んだ日本人は今、貯めるより使っているのです」とやや皮肉をこめて語っていますが、その通りだと思います。そんなわけで今日のお話にはほとんど納得できませんでした。だいたい「ミスター円」と呼ばれて悦に入っている様はなんでしょう。結果から見れば日本は相変わらずの円高です。名前からこじつけてみれば、「英資」は「英米の資本の手先」とも読めます。尊敬する政治家が宮沢喜一さんだというのも榊原氏の本質をよく表わしている気がしてなりません。今回は否定的なコメントが多くなってすみませんでした。ではまた来週。
2008.08.11
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いよいよ北京オリンピックが始まりました。開会式のマスゲームはまあ予想通り、聖火点火式の宙吊りパフォーマンスは流石に体操金メダルの元選手にして初めて可能でしょう。谷選手は惜しかった。北島選手は見事予選通過、女子の400m自由形も日本新記録ですごい。早くもアメリカ人が殺害される事件勃発、ということでどんな展開があるのか。いろいろ興味はつきませんね。高校野球、木更津総合は残念、敗退です。◇僕がこの頃読んでいるのは、下記の通りです。○女は胆力(園田天光光)○文明の生態史観はいま(梅棹忠夫編)○南洲翁遺訓を読む(渡部昇一)○WILL9月号(花田紀凱編集)◇これまでに読んだ本の感想は以下の通り。○恋の隠し方 兼好と徒然草(光田和伸) 最近新聞で宣伝されていたのでこの本には興味を持っていました。 それを図書館で見つけたので迷わず手に取り、一気に読みきって しまいました。とても面白いほんでした。 学校で必ず一度は勉強する「徒然草」の各段(全部で244段ある ことを初めて知ります)に、著者である吉田兼好の秘めたる恋の 顛末が書かれているというユニークな仮説?を光田和伸さんが 講演している内容を本にしたもので、なかなか楽しかったです。 こういう話が学校の授業でもっと語られるようになれば学生も 古典が好きになるのではないでしょうか。 僕も学生時代、先生が国語の時間に自分の研究テーマであった 万葉集を一年間講義してくれたことを思い出します。 歌人であり、進学校の教師であった先生が非常勤講師ということ で高専という受験に関係ない学校にきて、自分の好きなことを タップリ語っていたのです。 何十年も経って内容は忘れてしまいましたが「万葉集が一番 素晴らしい」と語られていたことは覚えていて、万葉集には 親しみがあります。 この本の中で語られる、東人と京人の意識の違い、文化の違い、 考えの違いも面白かったです。 兼好は鎌倉出身の京人であったから両方の気持ちが分かった、 と解釈しているところもユニークでしょう。 吉田兼好が生き、「徒然草」を書いた時代は東と西の文化が 邂逅し、新しい日本の文化、今につながる日本の伝統的な文化、 芸術が生れる直前だったのです。 吉田兼好はこれらの文化を知らずに逝ってしまった、という ところには感慨深いものがありました。○朝河貫一とその時代(矢吹晋) 日清日露戦争当時、アメリカにて日本の立場を説明しながらも 日露戦争後の日本の増長に見切りをつけ、それ以後は封建制 の研究で世界的に評価を受けた朝河貫一の本来の仕事に重点を おいて語られた本です。 日露戦争後のポーツマス条約交渉の舞台裏で日本のために 協力したということも初めて知りました。アメリカとのパイプ という意味では金子堅太郎が有名ですが、実はそれ以上に 影響力のあったのが朝河貫一とのことです。 ただ彼はその後の日本の方向に反対して、交渉に関与した事実 を封印したので日本人から忘れられた、のです。 薩摩の豪族、入来氏の研究から西洋と日本だけに封建制が成立、 発達したことを証明した朝河さんの世界的業績がその後日本で 評価されていない経緯など、いわゆる学者同士の足の引っ張り 合い?は残念ですね。○蘇我氏の古代史(武光誠) 図書館でたまたま見つけて手に取った本です。古代日本において 仏教受け入れを推進して最強の豪族となりながら、大化の改新 で滅ぼされてしまった謎の一族の運命に惹かれて読みました。 これはただ蘇我氏の運命だけでなく著者(武光誠さん)の考える 古代史を朝鮮との関係、大王から天皇に成長していく大和朝廷の ドラマとしてとても面白かったです。 武光さんの本は何となくユニークな気がして僕の好み。 推古天皇の皇太子であり、摂政として活躍した聖徳太子がなぜ 天皇になれなかったのか。これまでよく分かりませんでしたが 今回、聖徳太子は蘇我氏系の皇子であって、もっと嫡流(母親も天皇につながる)の皇子たちがいたことでなれなかった のだということが分かりました。 蘇我馬子、蝦夷父子のとき、ほとんど朝廷を支配した蘇我氏 でしたが、その隆盛の陰で蘇我氏系でない皇子たち、中小豪族 たち、さらに蘇我氏の傍流の一族たちが密かに蘇我氏転覆を 企んでいたのです。 このあたりのドラマも読み応えがありました。 大化の改新以後、次第に衰亡して中小豪族の間に埋没して いった蘇我氏、天皇の外戚になって勢力をさらに揮おうとして 排斥されたということですが、その手法は藤原氏に 引き継がれました。 蘇我氏とは時期が早すぎて藤原氏になれなかった豪族です。 まだ天皇の系統に嫡流が多く存在し、尊ばれた時代だったのです。
2008.08.09
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このところ暑いですね。今週は広島、長崎と原爆投下の悲劇の日を迎えます。一昨日の産経新聞には広島の焼け跡の火をずっと守り通した山本さんの話がありました。過ちを繰り返しません、というのは簡単だけど、敵をとってくれ、という無言の叫びに応えるのは本当に難しい。◇僕がこの頃読んでいるのは、下記の通りです。○恋の隠し方 兼好と徒然草(光田和伸)○朝河貫一とその時代(矢吹晋)○雨を降らす男(スージー・マローニー)○蘇我氏の古代史(武光誠)○日本人はなぜ戦後たちまち米国への敵意を失ったか (西尾幹二と路の会)◇これまでに読んだ本の感想は以下の通り。○遥かなるケンブリッジ(藤原正彦) アメリカに続いて、今度は藤原さんのイギリス滞在記です。 ここでは藤原さんは家族を同伴しており、息子のいじめの問題 などもありますが平均的には落ち着いています。そしてアメリカ でのたった一人の葛藤と比べ、より深くイギリス人を見ている なあ、と思いました。 正直言ってイギリスにはかなり甘いのかな、とも感じました。 基本的にアメリカの成果主義的な大学の仕組みよりイギリスの 理想主義に親しみを抱いているようでもありました。 またイギリス人が穏健で中庸であるのは考え方の特徴として 教義への距離感があるからだ、と語ります。 状況、対象と距離感をもって接しているので、大陸のような 熱狂もない。 つまりは長く段階的に発展していくことが出来たのです。 英語はゲルマン語とラテン語の複合語、だということを読んで なるほど、と思いました。さまざまな言葉をフランス語や ラテン語から借用しているところは知っていましたが、その結果、 イギリス人は同じアングロサクソンでありながらドイツ人と 違う思考形態を持つようになったのでしょう。 日本人も大和言葉と漢語と2ヶ国語を用いることにより、 複合的な思考形態をもつようになったのです。つまり、大陸の 東と西で同じ。 このあたりは最近気になっている「文明の生態史観」と 関連します。 日本とイギリスの宗教改革の類似性も考えました。 ヘンリー8世と織田信長のやったことは教条的な宗教を嫌い、 世俗的なものに変えていったことではないでしょうか。 織田信長にエリザベス1世のような後継者がいれば日本も 変わったことでしょう。○新脱亜論(渡辺利夫) 明治維新以後の大陸との歴史を語るなかで、福沢諭吉の「脱亜論」をスタートにして、いかにして日本はアジアの国 と離れていったかを述べている本です。「脱亜論」を書いてアジアを差別したように思われることも ある福沢諭吉ですが、最初、福沢諭吉がいかに朝鮮の独立を 援助したか、を読むと考えはまるで変わります。 諭吉の応援にもかかわらず、清や韓国自身の問題で自立は ならず、逆に友人、弟子を殺されて諦めざるをえなかった のです。 これほどやったのに分かろうとしないのか、 もう俺は知らんぞ、そんなところでしょうか。 陸奥宗光は朝鮮よりなにより、日本の自主独立のために決然と 清国に戦いを挑んでいきます。弱い日本には世界の好意が必要と 認識し、世界を相手によい子になるための策略をめぐらせ、 その計画に交渉を進めていくのです。これぞ外交交渉!という お手本。 それに続く小村寿太郎もロシアの危険を見抜き、またアメリカの 戦略も熟知して、彼ら列強のなかで日本の権利を守り抜きます。 戦う時は戦わねばならないのです。 もともと日本がアジアの国と一体である、と考えること自体が おかしい、という話には納得。圧倒的な人的災害が定期的に 繰り返される大陸と自然災害が繰り返される周辺島国民族の 精神構造の違い。 東洋と西洋で民族を分けるより、大陸民族と周辺民族に分類して 考えることが重要。 なぜ、ユーラシア大陸の東と西の端だけに近代文明が育ち開化 したか。これを梅棹忠夫は中央アジア的暴力、乾燥地帯の暴力 として「文明の生態史観」のなかで語ったそうです。(恥ずかしながらこの名著を読んでいませんでした。さっそく読む 準備) 日本では人的災害の少なさから歴史の蓄積があったことが一番 大きいのです。自然災害だけでは文明を徹底的に破壊すること はできません。 人との交渉が上手にならざるを得なかった大陸民族と自然と 付き合うことがうまくなった周辺島国民族、という構図も 見えます。 周辺国家同士で比較すると、ヨーロッパはどちらかというと 自然災害は日本より小さく、人的災害が大きかったのではない でしょうか。 だからキリスト教を受入れ、人文科学が発達、交渉力も同時に 磨くことが必要だったのです。日本はその逆。 従来から近代日本躓きの一つと言われる「シベリア出兵」に ついても見直しが必要と語っています。 もともとイギリスの要請でシベリアにあるドイツ軍の物資を 押さえるために出兵したもの。それにチェコ軍を救うために 出兵するアメリカと共同歩調をとったものなのです。 ところがアメリカが勝手に撤兵したため日本だけが残り、 結果的に多くの被害を出して何ら得るものもなく、しかも 国際的批判まで浴びてしまった。 しかしここには「防共」という重要な意味があったのでは ないでしょうか。もし日米がシベリアできちんと対応して いれば、ソ連の共産主義はあれほどの害を世界に及ぼさなかった のではと思いました。
2008.08.04
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千葉はこのところ雨が全然降らず、暑い毎日。昨日は郷土の下関工業が甲子園に登場しましたが残念、敗退。まあ、春夏通じて初めての出場ですから熱戦を見せてくれただけで満足。もっとも僕の友人にも卒業生がいますが、彼らは不満かも。今日は久々に渡部さん、日下さんとの鼎談で「読書術」について語られました。お話の内容は多くの本を読んでいる僕にはなじみのものですが、三人の元気な声を聞くことができるだけで幸せな気持ちになります。ぜひ皆さん、いつまでもお元気で活躍ください。さて、今日はお三方が番組で語られた言葉を書き上げていきたいと思います。番組は竹村さんが佐藤優さんを語られるところから始まり(竹村さんは今、佐藤さんを一番、買っているのではないでしょうか)、情報を得る手段としての「読書術」に移ります。渡部;内藤湖南の言葉が非常に有益でした。湖南曰く、人が一つのテーマをもって関係する本を集めていると、だんだん考えがまとまっていく、調べるときも手元に参考書があるわけだからすぐに確かめられる。本代は決して高くない、コーヒー代程度であり、ある意味で書斎が大事ということです。つまりは渡部さんの持論「積読」の勧めです。日下;昔、渡部さんから「書きかけの論文をもっていると必要な資料、本はむこうのほうからピタリピタリ吸い付いてくる」と聞きました。これを一般の人に当てはめると「議論する友達がいればいい」ということです。あいつに負けたくない、と思えばいろいろな本を読むし、読んだ中身を忘れない。だから友達が大事。渡部:読書は人にとっての食べ物、インターネットによる情報収集はサプリメントを摂るようなもの。即効性はあるが、サプリメントだけでは人間の身体は作れない。食べ物を咀嚼することで初めて自分の血肉ができるように、本を読みこむことで初めて自分の精神、思想をつくることができる。竹村;自分は学問的に何かをやったわけではなく、30年以上マスコミの中にいただけ。そこでいろいろな人と会って、ヒントを得てそれを広げるために読書をしてきたような気がする。情報を得やすかったことでは恵まれていた気もするが、反面、系統的にならなかったともいえる。渡部;以前、「発想法」という本の中で、竹村さんのやり方を「井戸をたくさん持つ」やり方だ、と書いている。普通の人は持っている井戸(思想、情報、考え方)が少ないのですぐに涸れてしまう。でも竹村さんはたくさんの井戸を持っているので、発想が涸れることがない。竹村;人が掘った井戸を使うので涸れることはないし、あまり労力を使うこともなかった。自分で井戸を掘ったことはなかったと自覚しています。(謙遜ですね)日下;何にでも興味を持っているので、自然に井戸が掘れてしまうのです。アシスタント;エッセンスを取り上げてくれるので、聞くほうも分かり易い。竹村;二人とも本を読むのは早いほうではないですか。渡部、日下;本によります。つまらないものはすぐ読んでしまうし、いいものは何日もかけてじっくり読みます。(ここは佐藤優さんも「速読はつまらない本に時間をとられないようにするため」と語っています)竹村;渡部さんは英語学の世界的泰斗、日下さんは斬新な発想で他に追従を許さない。日下;自分では分かりませんが、ただ学生の時マルクスを読んで、こいつはよほど貧乏をした、世の中に恨みが溜まっている奴だと思いました。また、カントを読んで大学教授になりたい一身で書いている奴だなと思いました。だから教授になった途端、俄然、気楽な本を書き始めたのです。マルクスも「資本論」を書いても売れなくて貧乏のままだったので、ついに世の中をひっくり返さないとダメ、と言い出した。この辺りから議論が粗雑になっている。まだ若いなあ、と思いました。このような読み方もあるのですね。一人の著作を年代ごとに読んでみて初めて分かることです。竹村;偉い人の本を読むとき、普通の人は最初から跪いて読んでいるが、同じ目線で読むことも大事。日下;そのような冷静な見方ができたのは、偉人と言われる人をじかに眼にする機会が昔はあったから。大臣、大将のような立身出世した人が地元の学校に来て語るという教育法があった。そのような人に直接接すると自分もこれくらいならなれるぞ、と発奮できたものです。ここで竹村さんは渡部さんとの共通点である英語について話を移します。渡部さんが英語学研究の最初にドイツに留学したことは有名ですが、つまり当時、英語研究の主流はドイツにあったということです。一つは母国語を学問的に研究するというのはなかなか進まない(普通の読み書きに文法など不要だから)のと、もともと英語はドイツ語(ゲルマン語)の方言(アングロ・サクソンはゲルマン民族の一派だから)だからです。僕は渡部さんの「ドイツ留学記」はこのあたりのことをよく書いていますし、最高の青春記だと思います。日下;日本でも日本語の文法というのはいい加減。明治以降、西洋の文法をみて無理やり作ったものです。渡部;明治以降はその通りだが、ただ国学者は江戸時代、動詞の活用形を発見した。それによって活用(変化)のない支那語に対する自信を持つことが出来た、そうです。ここで渡部さんの蔵書の話になります。渡部さんの蔵書、書斎の立派なことは有名ですが、世界に何冊かしかない英文法の本も所有されており、個人の蔵書としては有数のものだそうです。「英語の稀少本は渡部さんが日本で一番持っているのでは」という竹村さんの感嘆に対して「おそらく、と言いましょう」はスマートな肯定の仕方です。竹村;渡部さんのことを右寄りの論客としか思っていない人もあるだろうけど、本職は英文法の泰斗です。同じ英文科と言っても、私とはえらい違い、と尊敬しております。渡部;私の勉強は英文法の歴史から始めたが、それがイギリス人の歴史の研究になり、そこから日本の歴史に興味が広がったのです。竹村;僕が日下さんを稀有の才能と思ったのは、「文化産業論」からです。「新・文化産業論」で第1回サントリー学術賞をとりましたね。日下;佐治さんがこの本を見つけてこの本に賞をやるためにサントリー文化財団をつくったのです。(話半分でもすごい!)渡部;当時、ウィスキーは産業でも一番川下、川上の鉄鋼業などがもてはやされていた時代。話は弾んでいますが、ここで今週はおしまいです。
2008.08.03
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