2026
2025
2024
2023
2022
2021
2020
2019
2018
2017
2016
2015
2014
2013
全6件 (6件中 1-6件目)
1
今週のゲストは写真家で「聖地へ 神々の大地に祈る」を出版された稲田美織(いなたみおり)さんです。番組でも話にでましたが、竹村さんとはノーベル賞受賞の経済学者ロバート・マンデルさんを通じてのお知り合いで10年ほどになるとか。人のつながりの不思議さ、可能性を感じます。・「聖地へ 神々の大地に祈る」;http://www.randomhouse-kodansha.co.jp/books/details.php?id=591世にカメラマンは多いけれど稲田さんのように被写体を聖地に特化して世界を廻っている人はあまりいないと思う。今回の本も「聖地」の写真を主にした今までに無い非常にユニークな本ですが、どういうわけでこのようなテーマを選ぶようになったのですか、という竹村さんの問いから番組は始まります。稲田さんはニューヨーク滞在時に9.11テロに遭遇、自分の部屋からすべてを見てしまったこの大惨劇から、自分が生まれ変わったようなショックを受けたのです。「時代の証人に自分がならされてしまった」と痛感、「形あるものの儚さ」を知り、「ある時点で人の命が突然消えてしまうのをたくさん見てしまった」という無常観です。これは一体何なのだろう。ニューヨークとはたくさんの人種、民族がいろいろな文化、宗教、背景を持ちながら一緒に住む街。この世界の縮図のようなところで、人びとが平和に暮らせるかどうか、神様の実験の地のような場所で起こった悲劇に、世界を平和に導く神様とは何なのだろうと考え込んでしまったそうです。そこから「人びとの祈りとは何か、神さまとは何か」をこの目と肌で感じたいと思い、聖地を巡り、写真に撮ることを始めたのです。(竹村さんは、ミッションと呼びました)そしてネイティブアメリカンの聖地から始まり、世界中の聖地を廻ったところで、ある人から「あなたは日本人なのだから日本の聖地を撮ったほうがいいのではないか、20年に一度の式年遷宮があるのだからそれを追ったらどうですか」というアドバイスを受け、伊勢神宮とのかかわりが生れたそうです。竹村さんも伊勢神宮について西行法師の和歌「なにごとの おわしますかは 知らねども かたじけなさに 涙こぼるる」を引いて素晴らしさ、尊さを語ります。日本人以外の人も伊勢神宮に何かを感じるそうで、ダライ・ラマが何度もお参りされていたり、西洋人で「伊勢の森の中に世界の中で一番古くて新しいものがある」という方もいるとか。稲田さんも伊勢神宮に初めて参拝したとき、なぜか涙が止まらなくなるという体験をして「ここに私の問いかけへの鍵があるのではないか」と感じたそうです。「聖地の中の聖地というとほかの人からクレームがつくかもしれないが、あなたの個人体験ではそうなのですね」と竹村さん。この本では、ほかと比べるということではなくて、全ての根底につながる大事なものを書きたかったのです。ほかを批判するのではなくて普遍的なもの、離れているところでも同じような神話が現れる、というような事実から世界を一周するような本を作りたかった。伊勢神宮が一番中というのではなくて、伊勢神宮にはすべてを抱擁していくような調和の鍵を見出したような気がした。9.11の場面に二度と立ち戻りたくはないけれど、闇を知ってしまったために光がよけい光って見えるというか、闇がないと光は見えない。それを痛切に感じて、こういうことを伝えていきたいと心から思っている。伊勢神宮の祭は自然に向かって行なわれている。稲作も昔のままに行なわれ、本当に自然の一部になることを教えてくれる。塩つくりも太陽の力、月の満ち欠けを取り入れ、自然の中で1000年以上継続していることの力強さを感じずにはいられなかった。聖地としての伊勢神宮の対極はエルサレム。一神教の厳しさをそこで見たが、旧市街の狭いところに3宗教の聖地が本当に近接して対立している。このせめぎあっている緊張感を始めて体験。3つの宗教の同根にアブラハムがいてこのような状況になったのであるが、本来なら家族であるのにこれが争いのもとになっているのは残念。「兄弟だから余計激しく戦うのかもしれない」竹村さんもクリスマスのエルサレムにいて神聖な不思議な感覚を持たれたそうです。一方、非常な緊張もあり、エルサレムを案内してもらった車の中で、話をしている間もラジオはつけたまま。いつ襲撃があるか分からないから、その情報を聴くためにラジオは消せないと言われて、イスラエルという国の厳しさを感じたと語ります。ここで中間です。後半でほかの聖地の話など、軽く流れました。稲田さんは最近もウクライナのギリシア正教の教会、沖縄など世界中の聖地をまわっていますが、どこでも祈りの美しさに感動すると言われます。世界中の宗教と人々の関係は例えてみると、いろいろなところに登山口があり、登山道もなだらかなものから険しいものまで様々な道があるが、山の頂上(目指すもの)は一つと感じるそうです。そして聖地とは、神さまと一体化する場所、素直な気持ちになる場所と言われます。9.11を起こしたイスラム教も根本は平和を求める宗教であり、お互いが知り合うことを求めているのに、ユダヤ、キリスト教とイスラムの対立は続いている。一方、日本の伊勢神宮には対立はない。稲作が原点であり、水を分け合い共存してきたDNAがあるのではないか。この「分け合う」という考えが世界でも大切。さらに日本では先祖からずっと木を切ってもそのあとに植樹をしてきた。その森が清水を守り、川を通じて山の豊かな栄養分が海で魚を育てた。その魚を人が獲りそれで生きてきた。つまりすべては繋がっていてどれか一つだけではうまく生きられないということ。日本はこの自然の循環の中で生きてきて、まだ国土の70%が森のまま。これこそ古代から日本民族の叡智である。一方、同じように豊かな森を誇った中東では、すべてが切りつくされ、ピラミッドを作るのにも使われた有名なレバノン杉の森も消えてしまった。どれだけ文明が発達しようと人間が自然に生かされているということは変らない。地上の生物全てがつながっていて、人間だけが生き残るということはありえない。南米の森林伐採はそういう意味でも非常に危ない。自然に対しる畏怖の気持ちをもって方向をかえていく必要があるのではないか。このようなことを静かに語られる稲田さんに対して「ちょっと神懸かっていますね」と竹村さん。神さまのところで多くのものを得る人ではないか、とも言われました。「そのせいかどうかは分からないが、これまで危ないことにあったことがありません」と稲田さん。9.11を目の前で体験して以来、怖いものはない、と答えます。「普通の人とちょっと違う稲田さんの話を伺いました」という竹村さんの言葉で終わりです。稲田さんのHPには素敵な写真が載せられていますのでぜひお楽しみください。・稲田美織さんのHP;http://www.mioriinata.com/main.php
2008.10.26
コメント(0)
今週のゲストは物理学者の志村史夫さんです。先日、日本の科学者が物理、化学部門で立て続けにノーベル賞を受賞して、海外で活躍する日本人研究者の存在も改めて認識されましたが、志村さんも10年以上アメリカで研究生活をして大きな成果を上げてこられた方、だそうです。思うところがあって(あとで番組でも出ましたが)日本に戻り、これまでの研究、競争生活から足を洗い、静かに後進を育てているとのことです。番組でのおしゃべりはとてもエネルギッシュで愉快、また調べてみますと、なかなかユニークな本をたくさん書かれている方で図書館にもたくさん収蔵されていました。本日紹介された本はまだありませんが、読んで見たいと思う本がまた何冊か増えました。・寅さんに学ぶ日本人の生き方;http://www.fusosha.co.jp/book/2008/05728.php・静岡理工科大学HP(志村さんの自著推薦文);http://www.sist.ac.jp/lib/letter/32/index.html 番組は物理学者が「フーテンの寅さん」に関する非常に面白い本を書かれたというギャップの話と、竹村さんがかつて一度だけ飛行機で一緒になった渥美清さんのエピソードから始まりました。そのとき、渥美さんは難しい原子物理の本を熱心に読まれていた、とのことで、役柄からイメージする趣味、嗜好とのギャップが印象に残った、というようなことでした。渥美さんの読書好きは有名ですが、最先端物理の本までカバーしていたとは素晴らしいですね。竹村さんも寅さんの映画が大好きで、テレビで放映される時は見逃さないようにしているそうです。志村さんは、1983年に永住のつもりでアメリカに向かったそうで、それまでも寅さんの映画は観ていたが、アメリカ社会に暮らし、成果主義、競争、勝ち負けの毎日でちょっと考えることがあったときに、友人が送ってくれた日本の映画の中から「寅さん」を観て、初めて良さに気づいたそうです。アメリカにいて日本を眺めたことから寅さんにのめり込んでいった、ときっかけを語られました。「競争社会と義理人情の両極端の世界の真ん中にあなたがいて、この日本的なものにひかれたのですかね」「寅さんには競争原理、勝ち負けは全くありません。自分の幸せはさておいても、人のために尽くすのです。本当に対極的です。なぜ最先端の研究をしている物理学者が寅さんか?と聞かれることもあります。今、世の中で物理は難しいなということが言われますが、私から言わせれば物理ほどやさしいものは無いのです。というのは、物理で一番大切なのは自然を素直な気持ちで見て感動して不思議だな、と思うことだからです。ところが今は学校教育の中で全部暗記させられてしまうのが最悪なのです」「そこでなぜ「寅さん」かと言えば、今の世の中はマニュアル主義、価値観も偏差値一辺倒で、教科書を覚えて試験にいい点を取ればそれでいいとなっていますが、寅さんには一切、社会的な価値観、ものさしは関係ないのです。ごく素直に人と付き合っている。誰もがそうできればいいと思っているが、それはできないのです」「本当に、寅さんの台詞には素晴らしいものがあります。学生にも時々「なぜ大学にきたのか」と聞くのですが、表面的に「勉強をするため」というだけ。じゃあ、なんで勉強するのか、というのに寅さんは実にいいことを言っているのです。「なぜ学問をするのか」という甥っ子の満男の問い(40作)に答えてズバリ、「俺みたいに勉強をしていない奴は、世の中を渡っていくときいろんなことがあるが、どうしようかと迷っても、サイコロやそのときの気分で決めるしかない。勉強した奴は自分の頭で筋道を立てて考え決断できる。だから勉強をするんだよ」また同じく満男の「人はなぜなぜ生きているの」という問い(39作)に対しては、「そうだなあ。人間、生きていると、人生楽しいなあとか、面白いなあということがたまにあるだろ。だから生きているんだよ」と答えるのです。自分をまさにそのように思うが、このズバリ言う二つの言葉には恐れ入ります。志村さんはこれらの言葉をシナリオではなく、寅さんのアドリブも含めビデオを何度も観ながら、一言一言、耳で拾い上げられたとのことで、本当に大変だそうですが、熱意が伝わります。(僕がこの番組をMDで何度も再生しながらブログに書きだすのとも似ているかも。これも結構大変です)「僕も寅さんの映画が好きなのも、人間の一番根本のところを見事な表現で出してくれているからですね」と竹村さん。「素直な生き方なのでしょう。しがらみも無くて。だからオチこぼれざるを得ないのですが、今の世の中では。考えてみると、昔はそんな人が一杯いました。勉強できなくても原っぱの遊びの中では英雄になる子供もいたり、普段の生活の中で皆、それなりに存在感を持ち、それなりに尊敬されていました。今は金本位、勝ち負けの世界となると当然、その物差しから外れた人間は負け、とかオチこぼれになってしまいますけど」「確かに勝負には勝ち負けがあると思いますが、人生には勝ち負けは絶対無いのです」(いい言葉だと思います!)「もう一ついい言葉に、お天道様がみているぜ、嘘を言うと閻魔様に舌を抜かれるぞ、というのがありました。儲かればいい、ばれなければいい、ばれても済みませんでしたと頭を下げていればいい、となったから日本中で次から次から不祥事が起きているんですね。悪いことばかりではなくて、いいことをして誰にも気づかれなくても、お天道様がみていていつか報いがあるぞ、と思っていたものです。教育改革も小難しいことを言わず、お天道様と閻魔様を復活させるだけで、日本は相当よくなると思いますが」「なかなかユニークだけど、そういうことを文科省の審議会などで言ったことはないの?」と竹村さん。アメリカから帰ってすぐの頃、その肩書に惹かれて?すぐ委員会の委員に選ばれたが、一年間、本音を言い続けたら見事に一人だけ浮いてしまったそうです。例えば、ほかの委員は「独創性を高めるためには大学の設備が古いから最先端の装置を入れてください」というのに対して、志村さんは「独創性を高めるためには、設備なんて古いほうがいい。研究をするために工夫をするし、原理から理解できるのがいい。ボタンを押したら答えが出るような設備ではダメだ」と主張されたそうです。確かにこれでは予算獲得に燃える文科省には喜ばれないでしょう。それ以来、二度と声はかからなくなったそうです。「物理学をやっている人間が非科学的な話をすると思うでしょうが、お天道様とか宇宙の摂理とか全てものは一つとして独立しているものは無い、つながっているというは現在物理学が明らかにしていることですが、仏教思想でも同じことを言ってきたことです」「私は小児結核で二十歳まで生きられないと言われていたが、何とかここまで来て「俺は生きてきたぞ」と考えていたが、インド哲学や宇宙論などを勉強すると「生かされてきた」のだということを実感します」と志村さん。竹村さんも「寅さん」だけは観逃さないと何度も仰られて、第1作のさくらの見合いシーンのことを話されましたが、僕も吉永小百合さんがマドンナとして始めて登場された第9作「男はつらいよ 柴又慕情」に大好きなシーンがあります。寅さんを胡散臭いおじさん、と避ける小百合さんたち。観客は皆、このままどうなるのか心配しますが、ここで寅さんは記念写真を撮るとき「チーズ」の代わりに「バター」と声を掛けます。この一言で一同大爆笑、一気に心の垣根が吹き飛んで仲良しになります。本当に人情の機微を表し尽くした場面だなあと思います。志村さんは外国で話をしても義理人情の説明で困るそうです。そこで彼らがキリスト教を基盤にするように日本人は武士道をベースにしているのだ、と話すそうです。そして寅さんの生き方と武士道は非常に似ている、とも思っているそうです。例えば、武士は食わねど高楊枝の「やせ我慢」、人間ときにはいい格好をしたくなるが、そのためにはやせ我慢をしなければならないのです。永住しようと思って出かけたアメリカから帰ってくるきっかけは、自分の研究分野の半導体エレクトロニクスでそれなりに成果を出して物質生活を豊かにしたが、このままでは人間が劣化してしまう、と思ったから。何も考えなくてボタン一つ押せばいい、という世界はよくないのです。竹村さんもITは苦手で携帯電話もうまく使いこなせない、といいますが志村さんに褒められて喜びます。「仕事をしていると電子メールだけは使わざるを得ない。でもITや科学の発達で生活は便利になっているが、人間ということを考えると必要な「間」もなくなり、便利さが生物としての人間にはよくない。それやこれやで居心地が悪くなり、懺悔の気持ちもあってこの分野からきっぱりと足を洗ってカッコよく日本に帰ってきた」そうです。日本に戻っても東京みたいなところには住めないと思い、田舎に移ったのです。「寅さんの映画、生き方は時代遅れかもしれないが、心をうちますよね」と竹村さん。「ぜひ寅さんの言葉に耳を傾けて、日本人に覚醒してもらいたい」と志村さん。「楽しい30分でした」という竹村さんの言葉で終わりです。何となくWILL編集長の花田さんに似た声、喋り方で、本当に楽しいひと時でした。ではまた来週。
2008.10.19
コメント(0)
昨日、文字数オーバーだったので残りをアップしました。本当に勉強になる本がたくさんあります。幸せ!◇僕がこの頃読んでいるのは、下記の通りです。○奇跡の船「宗谷」(桜林美佐)○知っておくべき日本人の底力(渡部昇一)○二十世紀を精神分析する(岸田秀)○誤訳される日本(B・A・シロニー)○発想法(渡部昇一)○激変する世界地図の本当の読み方(竹村健一)○文明の生態史観(梅棹忠夫)○新・文化産業論(日下公人)○幻の大連(松原一枝)○フォークソング されどわれらが日々(週刊文春編集部)○スーチ女史は善人か(高山正之)○日本人が知らない日本人の遺産(黄文雄)○とてつもない日本(麻生太郎)○日本そして日本人(渡部昇一)◇これまでに読んだ本の感想は以下の通り。○インド式すごい勉強法(ニヤンタ・デシュパンデ) 今、流行のインド式数学の大元、「インド式勉強法」 についての本。日本で在日インド人子弟の教育に携わる 著者の明かすインド式教育法です。 暗唱、目、耳、口を使った、身体で感じる感覚による 情報のインプットが脳を鍛える教育。 基礎学力としてのインプットの重要性を強調。つまりは 幼い頃の詰め込みでしょうか。 数学に関しては二桁の掛け算、二乗計算の暗唱。 大きな数を暗唱しているとそこに関連性を見つけること ができる。数学が好きになる。 歴史上の偉人の名言は幸福に生きるためのショートカット。 理想の人物がいる子供は絶対に伸びる。 そうなりたいと思って頑張る、工夫をするから。 日本の良さをいくつもあげてくれました。 そろばんは右脳を鍛える。計算中は頭が高速回転をしている。 数学が好きになるショートカット。 初等教育の充実。読み書き。図工。 インドでは頭脳労働をしている人が尊敬される。 征服と被征服の関係があったからかもしれない。 知恵を手に入れることが人生の目的。「人生の最大の投資は教育であり、そのショートカットが 本を読むことだと思います。本ほど知恵のつまった宝物 はありません」 パーソナルディベロップメントのショートカットは読書 である。 インドでは英語で学問をしているので自然に英語ができる ようになる必然性があります。日本にはその必要のない のが幸いですが、英語を身につけるうえでは不幸かも。 しかし世界中の人がすべて英語で思考する世界というのは 絶対おかしくになると思います。○ノーチラス号の冒険シリーズ(ヴォルフガンク・ホールバイン) ドイツ人が書いた「海底二万マイル」の続編、のような話で ネモ艦長の息子が主人公です。 ジュブナイルですが、軽く読めて面白いです。 現在5巻まで読破。 ○信長の棺(加藤廣)「信長公記」の作者、太田牛一を主人公にして、信長暗殺の 謎に迫る話です。 この本ではネタバレですが、天皇の権威を奪われることを 恐れた太政大臣近衛前久が綸旨をほのめかせて光秀に信長 を裏切らせた、とします。 一方、秀吉はこの陰謀を事前に知りながらも信長には 知らせず、自分自身はいつでも引き返せるように毛利勢 との講和を交渉していた。 さらに、信長が本能寺に設けていた抜け穴を途中でふさいで そこで信長を死なせたというもの。 さらに秀吉は丹波衆であり、その情報網と交渉力により 今川義元と信長の間を取り持ち、降伏すると見せかけて おびき出した義元を討ち果たす、というもの。 ここまで来るとちょっとどうかな、と思うが状況証拠から 考えられないものではない。 この本の中に面白い言葉があったので書き残しておきます。 それは「捨万求一」という言葉。何か自分の求めるものが あるときはそれ以外の全てを捨ててそれを求めよ、という もの。これは徒然草188段の一文にあるとか。 一事を必ず成さむと思わば、 他の事の破るるをもいたむべからず 人の嘲りをも恥ずべからず 万事にかへずしては 一の大事成るべからず○ニワトリを殺すな(ケビン・D・ワン)「チーズはどこにいった」と同じようなものと思ったがその通り。 登場人物名は外国人のようだが、舞台はモロに日本。 本田宗一郎の思想とワイガヤなどホンダの企業理念を 紹介しています。 創造のための7つの教訓1.失敗を奨励せよ・経験のないことをやって誤るのは本当の失敗ではない・進歩のためにはまず第一歩を踏み出すこと。試してみよ、だ・ただし、失敗したら原因を追究して、正しく反省せよ・正しい失敗、正しい反省をした人を攻撃してつぶすな2.商品は絶対にうそを言わないと思え・商品には会社の思想がすべて現れると思え・消費者の目を侮るな・本質的に解決すべきことは、どのようにしても本質的に解決せよ3.人の心を知れ・人間を相手に商売をしていることを忘れるな・したがって、人の心を知ることが創造の根元であると心得よ・そのためには、直接生身の人間と触れ合え・そして、何ごとも相手の立場に立って考えるようにせよ4.真実の前では公平かつ平等であれ・良いアイデアが上司やベテランから生まれるとは限らないと考えよ・お客さんは社員の面子ではなく、アイデアに対してお金を 払っていることを忘れるな5.時間という概念を大切にせよ・時間とアイデアは切り離せないと考えよ。いかに優れた アイデアでも時間というタイミングがずれればタダ同然である・いかに時間を稼ぐか、つまりはスピードが勝負だ6.創造=アイデア×情熱・真の創造とはアイデアと情熱の掛け算によってうまれるもの である。したがって、 四のアイデア・十の情熱は、十のアイデア・一の情熱に勝る と思え7.力いっぱい人間を愛せよ○GHQ焚書図書開封(西尾幹二) 西尾さんの新刊、GHQの新書検閲、言論統制については知って いましたが、あの時期に日本で焚書を実行していたとは初めて 知りました。 アメリカは日本を恐れたとはいえ、本当に民族の心を滅ぼす 恐ろしい仕掛けをたくさん残していたのですね。 そしてそれに積極的に協力した日本人がいたことが悲しいです。 ここで紹介された本はそれほど過激でも異常でなく、ただ冷静 に日本と世界を見ている本がほとんどです。 いくつか気になる内容を上げてみました。・「戦争」の凶悪性はいうに及ばぬ。ただしかし、「平和」に 世界の不均衡を是正する力のないこともまた戦争と同様に凶悪 である。・「平和」は現状維持であり、アンバランスを正す力がないのは 問題、ということ。・大東亜戦争はもともとアジアにおける英国との戦争であった。 そこにアメリカが代理で飛び込んできて全てをひっくり返した。・当時の日本は限定戦争と総力戦との区別がなかった。 従来の通り、国家の意志を通すために戦い、その結果勝てば わが方の意志が通り、負ければいくばくかの賠償を払う、 そのような戦争をイメージしていたのです。・当時、白人はオーストラリアでどんなひどいことをしていたか、 ハワイでも。それを当時の日本人たちは知っていた。 だから彼らの脅しに屈服できないと思っていたのです。・「真珠湾は奇襲ではなかった」とアメリカ人の書いた本が 昭和18年、既に日本で翻訳、出版されていたのも驚き。 日本人は何度も太平洋戦争を紙上シミュレーションしていた。 そして絶対に不利とは思っていなかったのです(もちろん、アメリカでも同じことをやっていたのです)。
2008.10.14
コメント(0)
連休もあっという間に終わりました。この頃の株の暴落、少なからず影響を受けていますが、果して明日からの市場はどうなることでしょう?◇僕がこの頃読んでいるのは、下記の通りです。○奇跡の船「宗谷」(桜林美佐)○知っておくべき日本人の底力(渡部昇一)○二十世紀を精神分析する(岸田秀)○誤訳される日本(B・A・シロニー)○発想法(渡部昇一)○激変する世界地図の本当の読み方(竹村健一)○文明の生態史観(梅棹忠夫)○新・文化産業論(日下公人)○幻の大連(松原一枝)○フォークソング されどわれらが日々(週刊文春編集部)○スーチ女史は善人か(高山正之)○日本人が知らない日本人の遺産(黄文雄)○とてつもない日本(麻生太郎)○日本そして日本人(渡部昇一)◇これまでに読んだ本の感想は以下の通り。○言志四録(佐藤一斎) 佐藤一斎は江戸末期の昌平講最高の学者。 山田方谷、佐久間象山など多くの幕末の偉人の師匠である。 朱子学と陽明学、両方を学び、教えた学者。1772年、 美濃岩村藩に生れ、江戸で学んで1793年、林大学頭の門に入り、 1805年林家の塾長になる。 晩年は、ペリー来航後の国事多忙な時代と重なり、外交関係 の文書も作るなど活躍をして、1859年、88歳で亡くなる。 ここに佐藤一斎のエキスが含まれています。僕がいいなと 思った言葉を記録しておきます。 マキアベリ、パスカルと同じ言葉や地球を宇宙から眺めた ような視点で語る言葉など驚きます。 西郷隆盛もこれを愛誦し、中から百一条を抄録して金科玉条 とし、常に座右の銘として心の糧としていたそうです。 はたして、西郷さんと気に入った言葉が重なるかどうか。 言志録・言志後録・言志晩録・言志耄録をもって言志四録 というのです。(言志録)10;省察すべし:天はなぜに自分をこの世に生み出したのか。 天はわれに何の用をさせようとするのか。自分は天の生じた物 であるから、必ず天の命ずる職務がある。 この天職-使命を果たしていかないと必ず天罰がくる。19;面背胸腹:顔面(頭)が冷静になれば正確な判断がなされる。 背中があたたかであれば、人を感じ動かすことができる。 胸中何のわだかまりもなければ、人を寛大に受け入れることが できる。 腹が充実してしっかりしておれば、泰然として物に動じない。26;綿密と簡易:物事をよく考える場合には、あまねく 行き届いて詳しく細やかであることが大切である。 熟慮した上ことを行なう場合には、容易でしかも簡単なること が大切である。41;富貴は春夏、貧賤は秋冬:金持ちや身分の貴いのは譬えて みれば、春夏のようなもので人の心を怠けさせわがままにする。 貧乏や身分の低いのは秋冬の季節のようなもので人の心を 緊張させる。(耐え忍ばせ、忍耐力を育てる) そこで人が富貴にいるときはその志を薄弱なものにさせ、 貧賤の逆境にあるときは、その志を堅固なものにさせる。58;生きた学問:机の上の学問だけでは駄目、山に登り、 川を渡り海に船出して遠方まで旅をして時には野宿をして 寝られないこともあり、また時に空腹でも食べ物のない こともあり、寒くても着る物のなかったりすることがある。 これこそ、実際の生きた学問、実学となる。92;遂に咲く花:やむにやまれないことになって初めて蕾を 打ち破って外に開くのは花である。108;性は天に受く:人の本性は天から受け、身体は地から 受けたものである。天はまじりけがなく、善一つになること ができる。地はごたごたに入り交じってそれゆえに善と悪を 兼ねている。地は天から受けて地としての働きをするもの であり、風雨を起こして万物を生成するし、また時には 風雨でものを破壊することもあるのがそれである。 つまり悪というのも真からの悪ではなく、過ぎたり 及ばなかったりして、中正を得ないがためにそのように なるのである。118;古今第一等の人物:世間第一等の人物になろうとする ことは、その志はちいさくはないが、おそらく達成しがたい ことではない。しかし過去を見るとそこには聖人・賢人・ 英雄・豪傑が数え切れないほどいる。志ある人は、古今 第一等の人物になるべく、決心すべきである。171;自然現象は一大政事:天地を仰ぎ伏していると、 日月は煌々と光り輝き、無数の星はきらきらとあやなして 輝きわたり、暖かい春風はやわらかく万物を育て、 雨や露は万物に恵みを施しており、霜や雪はその寒気 身にしむほどに厳しく、雷は威勢よく鳴りわたり、山岳は いつも泰然として変わらず、河や海は広大にしてよく物を 納め入れ、谷は深くて測ることができない。 野原は広々として隠すところもなく、天地の精気は生々 として休むことなくその間をほどよくとりもっている。 これらの諸現象は天地における一つの大きな政事であって、 天道の至大なる教えである。風雨や霜露も教えでないもの はなく、人君たる者は、このことを充分会得して立派な政治 を行なうことが望ましい。(自然にも教えを得ようとする 謙虚さは西洋と好対照)197;万物は地から成る:今、ためしにしばらくの間、心を この天地の外において、広大な世界を見おろしたとした ならば、ただ世界は一個の小さい黒い球のように見える だけで、人も万物もその姿を見ることはできない。「この小さい黒い球の中には、川も海も山も谷も禽獣も 草木も人類もことごとく存在している。これらの物が一つ に凝り固まって、この小さい球を形成している」233;子弟の教育:充分に子弟を教育することは、一家の 私事とはいえない。これは主君に仕える公事である。 いや君に仕える公示ではなくて天に仕えるところの 重要な本分である。(言志後録から)8;過去を追想すべし:人は過去において自分が経験した事柄 を思い出してみるべきである。あるときに自分がなしたこと は正しかったか、正しくなかったか。またある年に計画した ことは穏当であったか、出過ぎていなかったか、ということ を考えてみる。 抗して将来の手本をし、戒めとするのが望ましい。 ただいたずらにこせこせあくせくして、まだ来ない先先の ことを考え、計算したとて、それが何の益になろう。 また人は自分が幼少であったときのことを思い出してみる べきである。父母が自分を養い育てたり乳を飲ませてくれた 恩、何度も振り返って自分をいたわってくれたり、 懐に入れたり、抱いてくれた苦労、撫でさすってくれたり、 可愛がってくれたりした厚い情、教え諭し戒めてくれたり した親切心など、およそ父母が艱難辛苦を重ね、自分を 成長させ養育してくれたことなどすべてを思い出して みるならば、いま自分がわが身を大切にし、軽はずみなこと をしないようになるだろう。20;宇宙は我が心:宇とは空間的な広さを意味し、万物が 互いに交わりあって対立して存在している。 宙とは悠久な時間的な長さを意味し、そこには万物が絶えず 流行し、変化し続けている。かかる無限な宇宙は、すなわち 我が心にほかならない。45;難問題の解決法:非常に困難な事に出会ったならば、 心をあせらせて解決してしまう必要はない。しばらく そのままにしておかなければいけない。 一晩そのままに留めおいて、寝て枕もとでざっと半分くらい 考え、そのことを考えながら寝て、翌朝心がさっぱりして さわやかな時になって、引き続いてこれを考えてみると、 必ずぼんやりと一条の解決の道が見えてくる。 それから、ゆっくりと難問題を一つひとつ処理していけば、 たいていは間違いを起こさない。48;歴史の書を読め:人間の一生は幼少時と老年になってから を除くとおよそ四、五十年間にすぎない。その見聞する事柄 はほとんど歴史の一部にも及ばないほど僅かである。 それだから歴代の歴史の書を読むのがよい。そうすれば、 古から現在までの上下数千年の事柄が、自分の胸中に羅列 されることになり、なんとも痛快なことではないか。49;古人を友とする:古い人の語録を読むと中には納得する ところもあるし、納得できないところもある。疑わしい ように思えても疑うことのできないところもある。 それで繰り返しこれを読むと、ほとんどこれらの賢人たち と同じ部屋で親しく向かい合って議論しているような心地 がする。まことにこれは古の賢人を友とすることであって、 益するところが多い。55;充実と向上をはかれ:気概は鋭くありたく、行いは正しく ありたく、品位や人望は高くありたく、見識や度量は広く 大きくありたく、学問や技芸を究めることは深くありたく、 物に対する意見・見方は真実でありたい。141;修養が最良の薬:小さい薬とは草の根や木の皮 (煎じて呑む薬)であり、大きい薬は飲食や衣服 (毎日摂るもの、つけるもの)である。薬の根本というのは、 心を治め身を修めることである。142;ときどき精神を奮起せよ:時折り精神を奮い起こしたり、 時折り戒めて自覚したり、時折り自分の行動をかえりみたり、 時折りむちを打って励ましたりするがよい。152;気質と風土:人の気質というものは、土気-土地から 受ける気質と習気-習俗から受ける気質とがまじり合って できたものである。土気というのはその土地によって 結び集まったもので、これが主なる気である。 習気は主たる気ではなく外からきたる客の気である。 客気は追い払うこともできるが主気は追い払うことが できないものである。186;自重自愛せよ:物が唯一であって二つとないものを 最上の宝とする。考えてみるがいい、自分の身もまた これ物であるが、はたして二つあるかどうか。 人がこの一つしかない自分の身体を自重自愛することを 知らないのは、思わざるも甚だしいことである。
2008.10.13
コメント(0)
今週のゲストは久々の大物?竹中平蔵さんです。現在は慶応大学グローバルセキュリティ研究所所長をされているそうです。竹村さんは20年前に大阪大学助教授をしていた竹中さんの才能を見出して番組に呼ばれたとか。竹村さんが世に紹介した方々の多くが今では大臣や有力な経済人、評論家になっておられるのは有名ですね。僕は、竹村さんは言論界、政治界の名伯楽ではないかと思っています。竹村さんが紹介した中でも竹中さんはピカイチと語ります。とくに経済に対する考え方は竹村さんと似ている、と評価しています。前半はまず、竹中さんの新刊「竹中式マトリックス勉強法」についてです。竹中さんは「勉強」をいくつかに分類していますがまず、受験のようにこれだけ覚えたら大丈夫という「天井のある勉強」と人生の中で次々と起こる問題に対応する「限りのないことに対する勉強」という分け方があるとします。またMBAをとるなど「戦うための武器としての勉強」と人間性を高めるなど「人と人とを結び付ける共通の基盤としての勉強」という分け方があると解説します。これらをマトリックスに分類して、それにふさわしい勉強法でやるのがいいそうです。「天井のある勉強」で有効なのは早く始めること、そしてとにかく基礎を徹底的にやることです。日進月歩、次々と新しい知識や手法が登場する現代は流行を追う勉強をしていたのでは振り回されるだけ、しかし基礎がしっかりしていればついていくことができる、と言われます。なかなか難しいことですが、その通りだと思います。基礎はあまり面白くないものと考えられていて、なかなかやらないのではないか、と竹村さんは語ります。ここで思い出したのは学生時代の物理の教授です。授業で難しい公式を使う時、「こんな式を一つひとつ覚えていなくても、基礎が分かっていたら必要な時に自分で導くことができるんだ」と言いながら黒板の上で数式を展開していました。また最近読んだ日下さんの「逆・読書法」で「経済の本にしろ歴史の本にしろ、最もやさしく書かれているのは原典である。解説書は権威付けするために難しく書いていたり、解説者自身がよく理解していなくて難しくなっていることがある」と語っていました。竹中さんは、政治家にも耳学問だけの人と基礎をきちんと勉強している人があるが、基礎の分かっている人は変化が起こったときに対応がきちんとできる、その差はものすごく大きい、と語ります。年をとって記憶力が衰えてきても基礎がある人はそこに経験が加わってどんなことにも対応していけると続けます。さらに勉強の仕方として大切なのは時間のつくり方です。その時間のつくり方として「宴会のうまい抜け方」を伝授してくれました。宴会自体は人と付き合う上で必要悪ですが、時間を作るためにはコミュニケーションをとった後、いかに早く抜け出すかです。その方法とは1.遅れて行ってはダメ、最初から参加していること、2.出口に近いところに座ること、2.寒い時でもコートは着ていかないこと、3.もしカラオケがある場合は、最初に2曲歌ってしまうこと、だそうです。いずれも自分の存在をアピールできて早めに消えられる、なかなかユニークな技ですね。そこまでして気を使う理由として、個人のリスク管理をあげていました。どこの社会でも能力のある人は足を引っ張られ易い。それらの防御法として、みんなと適度に付き合っていくことは重要。リーダーの最大の仕事は自らのリスク管理をすること。リーダーには必ず敵ができるから、その敵から自分の身を守ることが必要。宴会に顔を出すのも一種のリスク管理です。ただそれにおぼれてはいけない、ということです。(一同笑い)ここで中間です。「勉強法については本を読んでいただくとして、竹中さんにでてもらったら、今の日本の状況、世界の状況はどうなのか、どういうことをしたらいいのか話してもらわねば」という竹村さんの言葉で後半が始まります。「さっきも山崎さんが、これまでは先進国の経済を見ていればよかったが、これからはインドや中国のような国をみていないといけない、日本もそこに出て行かないといけない、と話していたが」と続けます。先週の山崎さんの収録に続いて竹中さんだったのですね。我々は根本的に考えを変えないといけない。先進国、中進国と発展途上国があって段階的に発展していく、という考えはそうではなくなっている。昨年の世界経済は4.4%成長したが、その半分はBRICs4カ国が生み出したもので、先進国は全部で1%しか成長していない。日本企業も、苦しい苦しいといっているが、その中で圧倒的な収益を上げているのはこれらの国に乗り出しているところです。これは大企業、中小企業に関係なく当てはまることなのです。我々が気づかないといけないのは現在、グローバル化というとんでもないことが起こっているということ。我々は今、韓国から学ぶことがたくさんあると思う。韓国は1997年のアジア通貨危機で本当にひどい目にあったが、そこでグローバル化に正面から向きあっていかなければならないことを認識した。その結果、韓国で面白い社会現象が起こっている。それは「グローバル化に生き残るのはグローバル企業である。そこで働けるのはグローバル化した人材である、としてわが子を小学生の頃からアメリカに留学(母親が付き添い、父親は韓国に一人で残る)させること」だそうです。いいことだとは思わないが、韓国はそれだけ必死になっている。一方、考えてみると日本はそこまで必死になっていない。日本には大きな企業があるので、そこが税金を負担してくれれば何とかなる、というメンタリティがあると思います。以前のように先を日本が行ってそのあとを韓国、中国がついてくる、という構図は崩れています。英語教育でも韓国や中国のほうが日本よりよほど優れています。日本が健全な危機感を持てば心配ないのですが、危機感を持たないと将来は厳しい。分かれ道です。先日、ブラジルにいったが、ここでは日本の電気製品、自動車の存在感はない。それは自動車で言えば、ブラジルで主流のバイオエタノール燃料のエンジン開発で遅れを取ったから。日本はブラジルなどあまり眼中にないからかなあ。僕がよく言うのは「日本の両側にはアメリカと中国という巨大な山が聳えているので、その向こうが見えない」ということ。案外それでビジネスチャンスを逃している。最近ようやくインドに目が向き始めたが、と竹村さん。 「日本には本当に優れた技術、たくさんの資本、かなりの人材があるので今、体制を整えれば日本の将来は明るい、と思います」と竹中さんも強調。技術面ではそうだと思うが、金融面は遅れている気がする。1500兆円という資産を持っているのに生かされていない、と竹村さんの持論が続きます。せっかくこれらの資産を有効に動かそうという動きが出始めたところで、このサブプライムローン危機などが出てまた反対が強くなるんだろうなあ、と竹村さん。自動車と金融を比べてみればこの問題の本質が分かる。自動車は最初から世界で競争したので強くなった。しかし金融はついこの間まで護送船団方式で守られていてひ弱なまま、おまけに不良債権までつくって最近ようやく、不良債権がなくなった段階。これから世界に出ていかないといけないのに、まだ護送船団を懐かしむ空気が業界だけでなく、日本全体に残っている。しかし今、アメリカがこうなってしまい、そこに日本の金融機関がお金を入れようという動きになったのはいいと思う。野村がリーマンを買収、三菱UFJがモルガンスタンレーに資本参加するというのは画期的なこと、ぜひうまくいって欲しいと思っている。ここで竹中さんが「中国で行なわれた夏のダボス会議で、日本の動きは評価されていた。しかし経験不足の中で、これから人も出すのか、経営に口を出すのか、金だけかなど日本の方針がまだわからないと言われています」と言うのは何となくいただけません。これだけのピンチにあってもまだ日本の金融機関を評価してやる、という見下した態度を是認しているように感じます。こんなことを平気で伝達するので竹中さんはアメリカの手先、などと言われるのでしょう。さらに竹中さんが期待しているのは、民営化された郵政公社が中東の国家ファンドのようにアメリカに金を出していくことだそうです。これは世界に対して前向きのメッセージになります、と語りますが僕はあまり評価しません。それよりアメリカの金融危機に連動で暴落している日本の株に投資することこそ、郵貯の役目だと思います。昔は軍事力で世界を動かしたが、今は金融が世界を動かす時代。そういうことも視野に入れたお金の使い方をすべきではないでしょうか、と竹村さん。結局、お金をうまく使うにはノウハウ、知恵がいる。世界にはその知恵とお金が一体化したものがモゴモゴとうごめいているのだが、その知恵は時々間違うのです。だからサブプライムのような問題も起こるのですが、日本がそのお金を正しい知恵で使えば世界に貢献できる。中国も株価が1/3まで下がって厳しい状況。だから日本はこれまでの汚名を挽回すべく本当に頑張ってもらいたい、と竹中さんの熱弁が続きます。ここも何となく引っかかります。サブプライム問題が単なる間違いで起こった仕方のないこと、とか中国の株に投資しなさいと言っているようで不満。さらに竹中さんはこのめまぐるしく動く世界ではエージェンシー、株主に対する代理人としての経営者の役割(大きな権限を持って素早い情勢分析、決断をする)が非常に大きいと語ります。そしてこれは日本のリーダー、政治のリーダーにも言えることです、と続きます。ここはその通り。竹中さんは数ヶ月前にインドのビジネスのトップに招かれて凄まじい経験をしたそうです。日本からは竹中さん、アメリカからはサマーズ前財務長官、イギリスからも経済界のリーダーのような人が呼ばれてトップと徹底的に話し合ったとか。いまやトップはそれだけ世界情勢が分かっていないと企業の運営はできないのです。翻って考えると日本にこれができるトップがいるだろうか、と厳しい指摘。そこにあなたが選ばれたということが凄いですね。あなたとならいつまでも話していたいけど、もう時間です、という竹村さんの言葉で今日は終わりです。最後は竹中さんのちょっとした自慢かもしれません。ではまた。
2008.10.12
コメント(0)
今週のゲストは「高速道路無料化」の山崎養世さん、毎回、日本を元気にする処方箋を提案してくれます。今回、アメリカの不動産バブルは崩壊したが、次の世界的なバブルがインド、中国の大発展と共に始まり、それにうまく載りさえすれば日本は今後も発展を続ける、と語ってくれました。・次のグローバル・バブルが始まった!国際マネーはこう動くhttp://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refShinCode=0100000000000032096032&Action_id=121&Sza_id=C0&Rec_id=1008&Rec_lg=100813現在、アメリカのサブプライムローン問題で大騒ぎ、「日本でもこの先、大恐慌が始まるというような話があるが、そうはならないと思う」と山崎さんは始めます。あくまでもアメリカの不動産関係のバブル崩壊であり、その痛手は決して小さくないが金融全体に及ぶものではなく、1929年から始まった世界大恐慌のようなことは起こらない、と続けます。当時のアメリカは何も手を打たず、金融機関はどんどん潰れ、その結果、世界中が不況になってドイツにはヒトラーが生まれ、日本でも軍部の台頭から戦争が始まった。しかし今回は、各国が協調して金融不安を解消しようという行動を起こしていることと、今回のサブプライムローンの痛手を比較的被っていないインド、中国が経済発展を続けるだろうから、というのが論拠です。(中国が影響を受けていない、というのはちょっと?ですが)竹村さんも、1926年から現在に至るアメリカ株価指数を説明して2000倍以上に上昇しているといいます。この話は株式投資の有利さを示すわりと有名な話ですね。しかもこの間に世界大恐慌、第二次世界大戦を挟んでいますから、本当にすごいことです。それから見たら昨今のインド株、中国株の半値以上の暴落も大したことではない、これからの大発展の前のさざなみ程度ということでしょう。ただ、株価2000倍はあくまでも平均ですから、適切な会社を選んでいなければ紙くずになっているかもしれませんし、日本の会社の株価はどうなのか?も分かっていないので丸ごとは納得できません。僕がやっている株式投資は500万円が一時は1000万円程度まで上昇しましたが、今は700万円まで下落と正念場です。輸出株は軒並みダウンする一方、内需関連は頑張っている、というところです。山崎さんはインド、中国を高度成長前の日本と同じとしており、インドは日本の1955年、中国は1965年のレベルでこれからどんどん発展していくとします。一方で、アメリカがインド、中国を途上国と呼ぶのはおこがましい、4000年からの歴史があり、ほんの100年前までは世界のGNPの半分をこの二国で生み出していたのが、ようやくもとの形になろうとしているだけ、と褒めます。特にインドは25歳以下の人口比率が多数を占めますが、これから彼らが都市に住み、家を持とうとし始めれば不動産のバブルが沸騰するのは必至、と断言します。これらの国々が最も必要としているのは日本の省エネ技術であり、現在、両国の9倍のエネルギー効率をもつ日本の技術を取り入れることで原油の消費量を減らさないと国が成り立たないといいます。日本の銀行、証券会社などはアメリカの金融機関救済に多額の資金をつぎ込むというチャレンジをしているが、それに加えて日本の金融市場をオープンにしてインド、中国の企業を呼び寄せなさい、と提言します。ハゲタカファンドのようなマネーゲームをする会社ではなくて、実業を持つ途上国の企業に日本企業の株を持たせることで提携関係を強化して各国に乗り込んでいくという戦略を取るのがいい、と聞かされます。日本の技術と相手国の資本、販売ルートを活用できれば、日本企業は復活すると語ります。とにかく驚くのは山崎さんの「アメリカなど眼中にない」という考え方でしょうか。確かに次世代を考えると中国、インドが有望なのです。しかし中国はご覧の通り、反日でありしかも、国内はエネルギー問題、毒食料問題、不動産バブルの崩壊などどん底、またインドも、単純にパール判事以来、日本の最大の理解者、世界最大の民主主義国と考え、一方的に思いをかけるにはしたたか過ぎる国です。ただ、いずれにしても、日本がこれから有力国として継続してゆくには中進国に投資し、また国内に投資を受け入れるという国際化を目指さなければならないのでは、と思います。ここでウィンブルドン現象(大会はイギリスで行なわれるが、出場して活躍するのは外国人)にも言及します。日本もイギリス流儀でやればいいじゃないかと語りますが、それはイギリス人が自国の優位性を信じ、国民を守るためには血を流す決意をしているからです。そこが曖昧な日本で同じことをしたら大変なことになります。(最近、イギリスでさえ移民受け入れからイスラム教徒が増え、対立が深まっている、というブログ記事もあります)そういう意味でもまずは教育改が必要ではないでしょうか。阿比留さんのブログに中山元国交省大臣記者会見での本音のやり取りが載っていますが、日教組相手の戦いは続くのです。ということで、少し日本に希望が見えて今週は終わりです。
2008.10.05
コメント(0)
全6件 (6件中 1-6件目)
1

![]()
