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一昨日は読書日記が制限文字数をオーバーしたので1冊分を分割しました。今夜はその配信です。◇僕がこの頃読んでいるのは、下記の通りです。○フォークソング されどわれらが日々(週刊文春編集部)○スーチ女史は善人か(高山正之)○日本人が知らない日本人の遺産(黄文雄)○とてつもない日本(麻生太郎)○日本そして日本人(渡部昇一)○言志四録(佐藤一斎)○インド式すごい勉強法(ニヤンタ・デシュパンデ)○ノーチラス号の冒険シリーズ(ヴォルフガンク・ホールバイン)○信長の棺(加藤廣)○ニワトリを殺すな(ケビン・D・ワン)○GHQ焚書図書開封(西尾幹二)◇これまでに読んだ本の感想は以下の通り。○これでいいのか日本戦後60年の失敗(上坂冬子) この本を読んで一番考えさせられたのは、「老夫婦の詩」 についての上坂さんのお叱りの言葉。 その詩とは、むかしこどもがおりましたいまはどこにもおりませんちちはひるねをしていますはははちらしをみています(中略)いまもどこかでこどもらはだれかと笑っているけれど(中略)いつかどこかでこどもらもふりかえったりするかしらこんなしずかなひとときをちちははのこでいたときをむかしこどもがおりましたえがおをわすれられません 最初はピンと来なかったのですが、上坂さんが怒っているのは 老夫婦にこのような悲しい思いをさせている子供たちです。 そしてこれは自分のことでもある、と感じました。 毎日電話してはいますが、故郷に一人残しているのは事実です。 故郷の近くに勤めているべきだった、と考えてしまいます。 少子化よりもこんな悲しい親にしていることが問題、教育を やり直せ、憲法をやり直せ、とはその通りです。 上坂さんが福田恒存さんを尊敬している、というのも嬉しい 言葉です。 愛国心という言葉は食うか食われるかの国際情勢、緊張感と セットで培ったもの。 上坂さんのようにかつてそれと無意識に接触していた世代にも 今となっては違和感あるもの。ましてや今の若者には。 取り返しようのないほど変質している。ハイヒールを白足袋に 履きかえるようなもの、といいます。 それより、自分を鍛え、親を大切にして、家族を愛して、 地元の人と協力しつつ、国内外の平穏を求める精神を保つ ことができればそれで充分。 国と郷土を愛せよ、といわれるが、靖国神社にも参拝できない 政治家に言われたくない、とは強烈。 名曲と言われる童謡の数々が実は戦争と深い関係があって 出来上がったものと知ったのも勉強になりました。「汽車ポッポ」は元歌では兵隊さんを乗せていたのですね。 「汽車ポッポ」汽車汽車ポッポポッポシュッポシュッポシュッポッポ兵隊さんを乗せて(僕が知っていたのは「ぼくらを乗せて」)シュッポシュッポシュッポッポスピードスピード窓の外畑も飛ぶ飛ぶ家も飛ぶ走れ走れ走れ鉄橋だ鉄橋だ楽しいな「里の秋」も実は南方で戦った父親の一日も早い帰国を待つ 母と子の切なる思いを歌ったものだそうです。 現在では3番はほとんど歌われないのです。僕も1番しか 知りませんでした。「里の秋」静かな静かな 里の秋お背戸に木の実の 落ちる夜はああ 母さんとただ二人栗の実 煮てます いろりばた明るい明るい 星の空鳴き鳴き夜鴨(よがも)の 渡る夜はああ 父さんのあの笑顔栗の実 食べては 思い出すさよなら さよなら 椰子の島お船に揺られて帰られるああ、父さんよご無事でと今夜も母さんと祈りますではまた来週。
2008.09.29
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今週のゲストは「いつまでも老いない脳を作る10の生活習慣」の著者、東京大学大学院教授、石浦章一さんです。竹村さんにとっても老化防止は一番の関心事のようで、アンチエージングなど、このジャンルの方が登場するケースは多いようです。・いつまでも「老いない脳」を作る10の生活習慣;http://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refISBN=489831578X「お年寄りが増えて、その中の一人、私もこういうタイトルを見ると読んでみようか、と思う。だから今日もラジオの前でこれは聴いておかないといかん、と思う人が多いんじゃないかな。皆がやりやすくて効果があるものから話を始めましょう」「それは食べ物と運動習慣です。脂っこいものを食べない、大量に食べない、ということです。また早く食べるのは良くないですね」正直言ってこれは当たり前のこと、現代では常識のようです。これに対して、竹村さんは、食べる量は減ってきたが、まだまだ早く食べているそうです。また運動では歩くのがよくて、毎日7000歩(1時間半くらい)は歩きたい、と言われます。まあ、歩くのがいいのも常識、竹村さんも家族に言われるそうですが、タクシーの利用などが多いとか。一番衰えるのが足の筋肉で、竹村さんも自分の太ももが細くなった、と言われると気にいています。僕も風呂場で自分の側面を鏡に映すと尻から太ももにかけて細くなったなあ、と実感します。自分のことはさておき、これもスクワットなどで筋肉をつけることができるそうで、しかも年をとってから始めても効果はあるそうです。番組でもでましたが、渡部昇一さんは毎日2時間くらい歩いているとか、それに逆立ちもしているようです。渡部さんで有名なのは「真向法」という体操を毎日やっておられること、あのお年で開脚してお腹を床につけることができるとか。僕も影響されて時々、この柔軟体操をやっていますが、身体の堅さを家族に冷やかされています。石浦さんはジョギングをやっているようで、適度な運動は血流を活発にして、頭の回転をよくします、と言います。ただし、やり過ぎは禁物、ドキドキするくらいの運動がちょうどいいとのことですが、これまた常識的な話。100歳を超えて元気な人が最近は増えてきたけど、この人たちを調べてみるとある程度共通する習慣があるそうです。それは70歳、80歳まで働いていた人が一番多いということ。「一病息災」(一つくらい病気を抱えている人のほうが、健康に気を使うので長生きする)と言われるが、そうじゃなくて健康な人、ずっと健康な人が長生きをするのです。ぜひ若いときから健康に気を使ってもらうといい。高齢者が増えて年金も維持できるかどうか分からないし、自分で自分を養う時代がやってきます。ゲームで脳トレなどが流行っているのも自分の頭を鍛えたい、ボケたくないという意識からでしょう。ここで竹村さんは最近の若い優秀な人の将来の希望で多いのがタレント(クイズ番組が流行っていて、ここに登場するタレントもなかなか優秀)というのは寂しい、理工系にいくのが少ないのも困る、とします。石浦さんもこれに同感。確かに「技術立国、製造力」の日本から「お笑い」の日本になるのは心配です。しかも日本のお笑いは楽屋オチやワンパターンのキャッチフレーズギャグが多くて工業製品のような競争力は全くありませんし。ここで中間です。後半は竹村さんの質問から始まります。「これとこれをやったらいかんというのは何ですか。やはりタバコですか?」そしてこれまた常識的ですが、その通り、と石浦さん。血圧、動脈硬化、癌、すべてに対してよくない。一方、一日一杯くらいのお酒は健康にいいそうです。タバコの成分の中でもタールが良くない。ニコチンは集中力を高め、寝起きをすっきりさせる効果もあるそうです。ニコチン中毒など悪印象がありましたが、微妙に修正が必要かも。竹村さんは「ストレスのない生き方をしてきたと思うが」と続けますが、「それが一番いいのです」とこれまた常識的な長生き法が明かされます。「人に気を使うのでなくて好き勝手をやる人が長生き」だそうです。「気を使わない生き方、となると年をとって一人で住まないといけなくなるが」「これはよくありません。自分が一人だと感じることが寿命に悪影響を与えることが分かってきたのです。孤独だと感じることが良くない。反対に、人のために働くことができると感じる、人の役に立っていると思うだけでいい効果があるのです」と石浦さん。「脳を常に使っている」こともいいそうです。「僕らの仕事はそう感じることができるからいいのですね」と竹村さん。「それから、一人で家に篭らないようにして、外に仲間を作って一日一回は集まって話をするのもいいのですね」これも常識的ですが大事なことだとか。「そのためにも特に男性は若いうちから趣味を作って会社以外に仲間を作っておく必要がある」と石浦さん。竹村さんは50歳を超えてからテニス、スキー、スキューバダイビングなどいい仲間(ソニーの故盛田会長)に誘われて始めたという有名な話がでますが、やってみようと思うチャレンジ精神も立派です。「これらの老化防止方法は専門家の話ですから皆さんも拳拳服膺してください」という竹村さんの話で終わりです。(拳拳服膺;両手で物をささげ持つように、心にしっかりとめて忘れないこと)ところでこの「10の習慣」が何なのか、番組では全ての紹介はありませんでしたので調べてみました。以下のようなものが入りそうです。1.週に2~3回以上、1回30分以上運動をする2.食生活のバランスに気をつけ、食べ過ぎない3.ストレスをうまく受け流す4.好奇心を持って新たなことに挑戦する5.意識的に段取りをする6.本を読む習慣をもつでは、また来週。
2008.09.28
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◇僕がこの頃読んでいるのは、下記の通りです。○とてつもない日本(麻生太郎)○日本そして日本人(渡部昇一)○言志四録(佐藤一斎)○インド式すごい勉強法(ニヤンタ・デシュパンデ)○ノーチラス号の冒険シリーズ(ヴォルフガンク・ホールバイン)○信長の棺(加藤廣)○ニワトリを殺すな(ケビン・D・ワン)○GHQ焚書図書開封(西尾幹二)◇これまでに読んだ本の感想は以下の通り。○貞観政要に学ぶ上に立つ者の心得(渡部昇一・谷沢永一) これまで名前のみ有名で内容をよく知らない「貞観政要」ですが、 本物を読む前に渡部さん、谷沢さんの対談で勉強です。 実はこういうパターンが多くて、何冊もの名著とめぐり合って います。 唐の名君太宗と部下たちの対話集、部下の諫言を心広く 受け入れた太宗によって唐の繁栄、貞観の治とうたわれた 太平の世界が生れたのです。 お二人とも支那には空前絶後の人物、と激賞。これを 読まなかった織田信長、豊臣秀吉の政権は短命に終わり、 読んだ徳川家康や北条政子の政権は繁栄を築いた!と 語ります。 上に立つ者のなすべきことが具体的に記された世界最高の書。 本当にトップが読むべき書、とにかく部下の諫言を広く 受け入れ、贅沢やえこひいきはせず、女性を求めるでもなく、 と辛いことばかり。そこまでするなら偉くなる意味はない ではないか、と凡人たる自分は思ってしまいます。 ずけずけものを言う部下魏徴とそれに感心する太宗の奇跡的 めぐりあわせ。太宗は反省力のある皇帝。 諫言の内容が細かいのですが、それも小さな贅沢を見逃すと 必ず極端までいってしまう、という真理から。 故事を引き合いにして「具体的」に諌めるのが諫言のルール。 この本で有名なのは、創業成ったあとの守成をいかになすか。 守成を成功に導いたのは「君臣は一心同体、独裁は必ず失敗する」 という意識。 ほかにも教訓がありました。 武力頼みの統治には限界がある。治世の鍵はいかに民間を 活用するか。 人材不足を嘆くのは人探しの能力がないというに等しい。 賞罰を如何に与えるかが国家にとっての最重要事項。 現場にいる人のほうが正確に状況を把握している場合が多い。 ノウハウを大事にし、ノウハウに学ぶ姿勢がない集団は没落する。 日本海軍が優秀な司令官の話を聞かなかったこともその例。 悪を悪と知るのはやさしいことだが、それを改めるのは難しい。 誕生日とは母が苦労した日。どうして喜べようか。日本では昔は 命日を大切にしたそうです。 戦争を好み、必要以上に武力を行使して滅びなかった国は無い。 アメリカはどうか。ロシアは、中国は。 自己過信をしないこと。今の日本の若者は自己過信が多すぎる。 自分になにか潜在的な才能があるように思い込んでいる。 その自尊心があるから逆に苛められるとすぐに自殺しようかと 考える。自分自身にそんなに才能があるわけではないけれど、 時節に従って社会的な条件が整えば能力が発揮できるかもしれない。 すべては社会的環境次第であるという程度に考えていれば、 苛められても反発できる。 太宗は武力で天下を取ったけれども武力で天下は治められない ということを知っていた。 太宗は絶対に部下に責任を求めなかった。すべて自分の責任で 受け止めている。トップリーダーに不可欠の条件。○独走する日本(日下公人) 日下さんは常に日本が世界で一番、と励まします。そしてその 実例を次々と挙げます。 日本は世界最高の住み心地。ヒマ、自由、安心、心の交流。 相互信頼と相互扶助の社会。個人的解決するのではなくて、 集団的に解決するのが日本のシステム。 日本は人間(にんげん)主義ではなくて人間(じんかん)主義。 意見は人と人の間に置いて、自分のものだとも言わないし、 あなたのものだとも言わない。両方のものだという風に価値を置く。 合理的解決より平和的解決がいい。最大限利潤を求めるのは やめよう。 靖国神社は魂の同窓会。宗教の違う者たちが日本のため、家族、 子孫のために死んで再び会う場所なのだ。宗教とは別の、魂の 集まる場所、招魂社として作られたもの。 歴史ある島国日本には憲法はいらない。憲法も日本では絶対 ではない。日本人は憲法以前というか、憲法を超えた日本人の 常識でものを考えている。そういう意味でもイギリス的。 そもそも守る必要があるとは思っていないから憲法が事実上 無視されることがあってもあまり気にしない。 分かり易い例が自衛隊でどんなに言いかけても軍隊だから憲法 違反。でも有事があれば自衛隊がきちんと出動することを 日本国民は信じて疑わない。 要するに日本という国は、そのときの日本人の意志で いかようにも憲法を運用してきたのであり、法的な手続きよりも 攘夷の概念でことを決めてきたのである。 日下さんの主張は憲法改正でなくて憲法廃止です。日本は憲法が なくてもやっていける国、長い歴史の中で培ってきた慣習や 常識に照らせばよいのである。 債権大国日本は世界で一番立場が弱い国。お金はたくさん借りる と借りているほうが強くなる。取り立て能力(軍事力)のない 日本はお金を貯めるべきでもなく、貸すべきでもない。 世界中の国が国内に問題を抱えている。それがないのは日本 だけ。国内政治が文明化している国は日本くらい。 ここに書かれているお話の一部は以前、日下先生の勉強会に 参加したときにお聞かせいただいた内容です。 自分が直接伺ったお話が本になっている、ということにも少し 感動します。 勉強しようと思ったら本当にいろいろなチャンスがあるものです。 外国では国内に問題を抱えているが政権を持った人も自分の 支持勢力にメスを入れることができない。だからトップが 変わると当分の間国内は不安定化する。 トップが移動しても安定しているのは日本ぐらいしかない。 日本にはこれが国家的大問題だ、というほどの大問題がない。 ○これでも朝日新聞を読みますか?(山際澄夫) 本当に朝日新聞のひどさは分かっているつもりですが、この本を 読むと改めて驚き、恐怖します。 こんな新聞がまだ日本中で800万部も読まれているとは。さらに ほとんど同じ思想で反日報道を繰り返す共同通信(全国の地方紙 に記事を配信して2000万地方紙読者を毒している)にも愕然 とします。 本当に分からないのは彼らの気持ち。自分自身を日本人と 思っていないのか。公平に中国、アメリカ、韓国、日本を 報道してくれさえすればいいのに、同盟国で自由思想を共有する アメリカを嫌い、独裁国家中国の言いなりの報道を垂れ流して、 韓国にも何も言わずに竹島問題もいわれるがまま。 これらの思想が再生産されている理由が分かりません。 普通の人格であるなら、自分の親、先祖を貶す報道に 耐えられません。 ○危機の日本人(山本七平) 山本さんの「危機の日本人」がいつものことだが考えさせられ、 面白い。 西洋人は日本人を素直に評価、一貫して最上級に位置づけている。 知的好奇心旺盛、礼儀正しい(礼儀作法の学校の如し)、 ものに耐え忍ぶ驚くべき美徳、飢渇寒暑に屈せず勤務に倦怠 せず、由紀と忍耐力はほとんど測るべからざる、災害にかかるも これを悲しまず、 信用経済の存在に驚く、先進藩と後進藩の落差、士商工農とみた、 日本人の特性は創造性と自主性とまでいわれたのには驚き(戦後の話)。 また日本が政要の文明を学べば速やかに先進国の仲間入りを して東洋は日本のものになる、と警戒されていた。 なぜ速やかに進歩するのか、それはヨーロッパ以上の教育水準 にある。しきたりに基づく奇妙な平等主義(将軍といえども 無茶な贅沢は許されず)、自然を愛しながらも物理学と数学 にはギリシア人のような興味は示さず。 個人的には怜悧、蛋白、正直だが、これが役人になると 臆病、陰険、狡猾になり、何でも懸案を先に延ばして決断しない。 ところが韓国人は正反対。看羊録で姜ハンが日本人の特性を 述べている。 朝鮮侵略に捕虜になって日本に来る。相当に厚遇され上流の 人と交わるのだが、彼が書いている日本人評はひどい。 上下の別なく威厳にかける、とか。 これは儒教的な規範と中国文化の受容度で判断しているから。 漢学が弱いことが一番のネックとしている。 一般の職人で捕虜になったものは韓国に帰ろうとはしない。 職人も尊敬されていたから。 彼が驚く日本人、何にでも日本一を作って尊敬する、とのこと。 山本さんの言う、日韓の分かれ目は鎌倉幕府成立による 封建制(地方分権、個人主義)スタートとほぼ同時に起った 李氏朝鮮による中央集権制の開始。 中央集権下では土地や権益は相続されず、官位に付属する ものとなる。従って官位をめぐる暗闘、権力闘争が永遠に 続く。 官位にいる間に利益を得ようとして収奪が始まる。 地方分権、個人財産の相続においては長く育てていこう、 という精神が生まれる。 「人鏡論」を初めて知りました。 神、仏、儒教のなかでも最後は誠がすべてを越える。 しかしその誠を超えるのが金の威力。 日本では何か「絶対的な威光」にすがる傾向がある。 直接的に機能するものは尊敬するが、しないものは 尊敬しない。 機能史上主義。宗教でも主義でも強要でも何でもかんでも 商品化する経済史上主義。 崔(チュエ)家の知恵。出世しすぎず、財産を増やしすぎず、 貧乏人を食い物にするな。「日本人は“自然化された自然”によって形成され、“御威光”によってそれが保持されている秩序を、 イデオロギーと無関係に自然的環境のように受け取り、 それを“今の掟”として受容し、柔軟かつ誠実にそれに 対応することによって摩擦を避け、その中で現実に社会に 機能するもののみに価値を認め、その結果すべてを、 経済性と有効性に還元しうる民族である」 日本の問題はその発展が極めて早いため、気づかないうち にその発展を可能とした前提(威光によって保持され、 自然的に形成された世界秩序)を崩壊させそうになる。 オイルショックで日本が莫大な貿易赤字を抱えた時には だれも黒字国を非難しなかったが、日本がオイルショックを 乗り越えて逆に対米黒字になったときは日本がやり方を 変えるべき、といわれた。 日本はそのどちらにも文句を言わず最善を尽くし、 そして乗り越えた。 しかしその時点で日本は反論できたか。そうすれば、 アメリカに成り代わって自由主義世界の安全、秩序に 全責任を負う国になるしかなかった。 経済力、軍事力のみならず科学技術も含めた総合的国力が 必要になる。 日本は取って代わる覚悟がないのであれば、自ら発展する と同時に、その発展を可能にしている政治的、経済的環境 を維持していくにはどうすべきかを同時に考えておくべき。 それなのに日本はただ理不尽さだけを胸に秘め、屈辱感を 溜めていく。それが爆発したら(第二次世界大戦のように) スッとするが破滅に陥る。 遠くは軍縮会議のときの失敗。日本から軍縮を提案すべき だった。世界の三大海軍国だった日本はイギリス、アメリカ の最終的な同盟を防ぎようがないのだから、両方を勝る海軍 を持つことは非現実的。それなら軍縮すべき。 今の経済下において日本がさらに強くなったらどうするか。 無駄に投資すべき。後進国への援助は捨て金と思ってやる。 中国にすべきではない。発展しそうもない国にする。 日本がやるべきこと、というのは今考えてみるとまさに 大正解ですね。残念ながらそうできなかった、ということ。
2008.09.27
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今週のゲストは音楽プロデューザーの平井洋(よう)さんです。最初の紹介で「仙台クラシックフェスティバルのプロデュースを担当されている」と言われたので、何となく仙台に立脚して町おこしを仕掛けている方かと思いましたが、そうではないようです。日本全国、また請われれば世界の国々で日本の音楽を宣伝するイベントを企画、運営する方、のようでした。・平井さんのプロフィール;http://musicscene.jp/musicscene/profile/・仙台クラシックフェスティバル公式HP;http://www.sencla.com/what/pnote.html最初に竹村さんが「平井さんはこの番組をずっとテープにとって聴いてくれている方」と紹介されたので、全テープを残すほどの竹村ファンかと思いましたが、普通に予約録音して毎週欠かさず聴くという僕並みのリスナーでした。今回はセンクラ(仙台クラシックフェスティバルの略称のようです)の宣伝をするわけではなく、地方の都市がそれぞれ音楽を核にして自分たちの文化をどのように発信して街づくりに役立てていくか、を話されました。また、国内だけでなく世界各国に日本の音楽を発信するためにどうプロデュースするか、さらに進んで日本文化の発信の重要性について、竹村さんのフランス留学時の体験なども語られました。地方にクラシック文化を根付かせるためには、分かり易くて短い演目からスタートして、安い値段で普通の人にクラシック音楽を提供して親しむ雰囲気を作らなければならない、と言われます。きわめて真っ当な意見です。そのためセンクラでは素人のボランティアを活用して、大会の運営費用を削減し収益を上げる(これが継続の第一条件)、また各自のワークライフバランスの中で、写真好きの人が大会の写真撮影を担当するなど、自分の趣味を運営に生かして一人ひとりのライフ部分の充実を図ることもやっているようです。竹村さんは遠い昔、パリに留学した際、普通の人が普通にオペラを楽しみ(もちろん天上桟敷ですが)、異国の学生(竹村さん)に席を譲ってくれるような文化的余裕、日本会館で非常に安く食べることのできたフランス料理などについて語ります。これらについては、ちょうど昨日読み終わった名著「新・文化産業論」の中で日下公人さんも語っていますが、当時フランスは自国の文化普及に年間500億円を使っていたそうです。(対する日本は数十億円)だから日本も各国の主要都市に日本式庭園、日本語教室、文化普及センターをつくるのはどうか、と提言しています。これは1973年9月、今からちょうど30年前の本です。日下さんの先見性には驚くしかありません。もう少し「新・文化産業論」から引用すると、世界の文化伝播攻勢に晒される日本で決して譲らないものが、日本語、日本食、日本の歌謡曲としています。これらはやがて世界に広まっていくのではないか、としていますが、日本食、歌謡曲(カラオケ文化)は確かに世界を席捲しています。それ以外でも日本の文化創造力の高さを評価しており、マンガ、ゲーム、TVも日本から世界に発信できるものと語っています。これらも多くは既に実現しています。日下さんは所得倍増論の次は文化倍増論でいくべき、と続けますが本当にその通り。自信を持って日本文化を創造(そのためには僕たちがそれを楽しみ、お金を使えばいいだけです)していきましょう。ということで今回はあまり番組と関係ない内容で終わります。
2008.09.21
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正直言ってかなり読書日記が遅れています。書けども書けども読むスピードに追いつかず。読むべきか書くべきか(書くことで勉強するのが重要と思っていますので)それが問題です。つい先日読んだのは麻生太郎さんの「とてつもない日本」です。たまたま図書館で借りてきたら、翌日、福田首相の辞任発表。この偶然に驚きました。また高山正之さんの本で、年金問題の当時の責任者がそのまま最高裁判事になっているのはけしからん、というような話を読んだと思ったらその当事者、横尾和子さんが辞任するというニュースも飛び込んできました。これも僕にとっては、「プチ偶然の一致」です。という舞台裏はさておき、 ◇僕がこの頃読んでいるのは、下記の通りです。○言志四録(佐藤一斎)○インド式すごい勉強法(ニヤンタ・デシュパンデ)○ノーチラス号の冒険シリーズ(ヴォルフガンク・ホールバイン)○信長の棺(加藤廣)○ニワトリを殺すな(ケビン・D・ワン)○GHQ焚書図書開封(西尾幹二)○貞観政要に学ぶ上に立つ者の心得(渡部昇一・谷沢永一)○独走する日本(日下公人)○これでも朝日新聞を読みますか?(山際澄夫)○危機の日本人(山本七平)◇これまでに読んだ本の感想は以下の通り。○「坂の上の雲」だけでは分からない日本海海戦(別宮暖朗)「坂の上の雲」では分からない旅順攻防戦」で乃木大将とその 司令部は無能という通説(その多くは司馬遼太郎の「坂の上の雲」 で定着した)に具体的事実と世界の軍事常識から反証を試みた 別宮さんが再び日本海軍の通説に挑んだ快作です。 詳細はぜひお読みいただくとして、通説への反証として いくつか納得したものを挙げてみます。 一般に山本権兵衛を日本海軍の父といい、東郷平八郎を 連合艦隊長官に抜擢した慧眼が讃えられますが、山本権兵衛は その職務において当たり前のことをしただけ。 日本海軍のオーナーのようなもの、と持ち上げる司馬遼太郎に 対して、オーナーは明治天皇と国民、という著者。 明治時代の国民の熱狂的な支援があって初めてできたもの。 明治人は自分の家がみすぼらしくても東京湾に浮かぶ連合艦隊 があればそれで満足だった。軍官僚の一人の山本を褒めすぎる 必要はない。 なにより彼は、日露戦争直前に海軍軍令部を強引に作って陸軍、 海軍の長きに渡る軋轢、競争を作った張本人。また、戦時に おいては陸軍参謀総長が海軍軍令部長に優先する、という 世界の常識に逆らった海軍セクショナリズムの生みの親。 一方、東郷平八郎の人事は順当なもの。当時の序列から 言っても薩摩主流の海軍人事からしても東郷は決して抜擢 ではないとします。 なにより東郷平八郎は国際法を熟知した経験豊富な司令官 でした。 連合艦隊が対馬海峡かどうか分からず東郷の心が揺れ動いた、 というのも当てにならない、とします。実際、東郷の気持ちは 揺るがなかったのではないか。何より連合艦隊がどっしりと 鎮海湾を動かなかったのがその証拠。 大本営との電報のやり取りは参謀たちの手柄狙いとしています。 東郷平八郎は司令官として自分の心の動きを読み取られるのを 恐れ、細かいことは話さず、無口。回想録などを書くことも なかったとか。サイレントネービーの伝統を守る。再現役の 覚悟もしていたのではないか、と。 日本海海戦ではロシアに後詰めはなく圧倒的な優位に立つ 日本海軍のことは両司令官とも知っていた。 黄海海戦のときこそ、後詰めのない日本海軍はパーフェクトに 勝たなければならなかった。 敵前T字回頭は危険の多い作戦、しかしそれしかなかった。 旗艦三笠には相当の命中弾があったが、当時の技術では戦艦を 沈没させる徹甲弾はなかった。だからこの作戦が成功した。 しかしいずれにしても勇気の必要な作戦だった。 また、ロシア将兵も最後まで諦めず、圧倒的に不利になっても 頑張った。 日露戦争で日本軍が用いたのはソフト(一斉射撃など)も ハード(無線、大砲、機雷、火薬など)も世界第一級、 その上を行くものだった。これが第二次世界大戦時と違うこと。 海軍の条約派と艦隊派に関しても逆の見方をしています。 通説ではどちらかというと艦隊派が悪役ですが、実は条約派は 反陸軍の急先鋒で統帥権二元化のもとだった。 また軍縮や宥和外交をとれば平和維持が可能、との 念仏平和主義に陥っていた。 早めに支那に軍隊を派遣していれば上海事変など防げたかも しれない。 抑止力としての海軍という考え方も失うべきではない、 とします。 ロンドン、ワシントンの軍縮協議は不自然なもの。戦った国が 軍縮協議をするのなら分かるが、第一次世界大戦の戦勝国同士 の軍縮がかえってお互いの間に隔意を生じたとも言える。 途中で席を立って軍縮を決裂させていたほうが、後年の戦争に つながることを避けえたかもしれない。危機感から節制が続き、 日英同盟も続いたかも。 条約派は「軍隊は国の独立のために保持するものであり、 政策に使うのは邪道と見ていた」が問題は国の独立の保持を 誰が判断するか、でそれを軍人と考えた。 東郷平八郎は立憲君主制と法治国家の概念を生涯、重要なもの とし、天皇の命令、政策に忠実にあるべきだと信じた。英米の 介入について考えるのは政治家の仕事。 条約派は地中海にも駆逐艦を出すべきでなかった、といった。(それが第一次世界大戦における、連合国に対する数少ない 日本の貢献だったのである) 最後に著者の言葉をそのまま載せました。 日露戦争における将兵の写真は皆、ニコニコしている。まるで おもちゃの兵隊さんを連想させる。その点で現代の自衛隊と 共通性がある。 だが昭和の軍人は明らかに異なっており、考えるあまり、 苦痛の表情を浮かべている。明治維新から日露戦争までの 日本は成功した国、そして戦後もそうだろう。 しかしその間では失敗した。 昭和の軍人たちは、日本は外国に対して政治も経済もずっと 遅れていると考えていた。この確信が政府の決定=政策に 従わないという誤った考えにつながった可能性を否定 しきれない。 一方、東郷平八郎や明治の軍人は日本や日本人に自信を 持っていた。 井上成美のいう軍人にとり「喜んで死ねる状況」をみつける ことは、「青い鳥」を探すようで難しい。だが、暗い表情を せず、近代人としての自我を捨て去る勇気も戦場に臨むときの 必要な資質かもしれない。○歴史を動かした名言(武光誠) 武光誠さんの本だったので何となく手に取りました。僕が引かれた 言葉を書き写してみました。・世の中の人はなんとも言わば言え。我が為すことは我のみぞ知る(坂本竜馬)・一燈を提げて暗夜を行く、暗夜を憂うるなかれ、ただ一燈を頼め(佐藤一斎)・自分が立案した政策が大きな成果を上げるのを見ることは、子供の 成長を見る親の喜びに似た、人生最大の楽しみである(松平定信)・下足番を命じられたら、日本一の下足番になってみろ。そうしたら、 誰も君を下足番にはしておかぬ。(小林一三)・毀誉褒貶は人生の雲霧なり。この雲霧を一掃すれば、すなわち 青天白日(佐藤一斉)・順逆は人生の陰陽なり。死生は昼夜の道なり。何をか好み、 何をか悪まん(熊沢蕃山)・決断する前には長く思案する。しかし、一旦決断した後で二度と 後戻りをしない。思案に思案を重ねた上で得た決断であるからだ(小早川隆景)・器用というのは、他人の思惑の逆に出ることだ(織田信長)・人間の社会において最も堕落するのは、いつも最上層の富者と、 最下層の貧者であって世の中の退廃はまずこの二者から始まり、 漸次、社会一般に移り広がるのである。(丘浅次郎)・気は長く、心は広く、色薄く、勤めは堅く(勝小吉)・楽しくなるのに、元手はいらぬわい(謡曲福の神)○日本人のための歴史学(岡田英弘) 岡田さんのユニークな歴史学、日本人が常識とする世界史、 中国史そして日本史に異議を唱える、というもの、 というかその分化を批判するものです。 岡田さんは以前も紹介した通り、中国の国家の始まりを交易で 繋がった都市国家のネットワークとみています。そして、古代の 日本はその人口の多さと物産の豊富さから、彼らの有望な マーケットになっていて、中国人、朝鮮人の交易都市も多く 築かれていたとします。 それら多くの都市国家群の集まりであった当時の日本列島に 日本国が建国されたのは、白村江の敗戦から唐の襲来を 恐れて多くの国が合体したところに始まったとします。 それ以外にもいろいろ面白い話がありました。 アメリカについてユナイテッド・ステイツ・オブアメリカを「合衆国」と訳すことの是非も面白かった。 昔、本多勝一が「アメリカ合州国」という本を書き、その中に アメリカは単に州が集まった国であって、本当に民衆の集まった国 ではない、とあって妙に納得した覚えがありました。 でもこの本では「ステイツ」とは「州」(本来の意味は中国皇帝の 巡視するところ)ではなくてイギリス国王の財産の意で、それを 押収して独立した人民のもの、民衆の国を意味するらしい。 つまりユナイテッドステイツとは民衆の国=衆国の集まったもの、 ということで合衆国でいいというのです。なるほど。 中国語には時制を含め文法がない、ので昔の偉い人の書いた 文章を繰り返して書くしかない、というところも興味深いです。 だから過去にこだわって新しいものを生み出せないのかも しれない。○誠は天の道なり 山田方谷の生涯(童門冬二) これは幕末の儒者、山田方谷の生涯です。「われに万古の心あり」 で読んだ小林虎三郎のライバル、「峠」の河井継之助の師匠であった備中松山藩の山田方谷の ことを知りたいと思っていて、たまたま見つけた本です。 山田方谷は農民(実際は油問屋ですから商人的)に生まれ、 学問で藩主板倉勝職に見出され、世子であった勝静の 教育係あります。 彼は学問だけでなく実務においても商売をしていたことで優れて おり、間違いのないやり方をして信用を得ていた。 実務能力を生かして藩政を見事に立て直し、松山藩の藩札は一番 信用できる、というところまでになります。 藩主板倉勝静は幕末の老中として中央で活動をしますが、(そのような老中がいたことを初めて知りました。 薩長と対立して大政奉還に追い詰められている幕閣の中心だった のです)その間、山田は方針を授け、地元をまとめて心置きなく 活動させます。 河井は山田の考え、手法を用いて長岡藩を富ませ、独立を目指す が失敗。しかし財政改革は見事。 山田の教えは、単に経済をよくすることを目的としてはいけない、 民を幸せにする。そこに義がなくてはいけない。 誠は天の道なり、誠ならんとするは人の道なり(中庸)が山田方谷 の目指すこと。 義を明らかにしなければ利だけ得てもなんにもならない。 佐藤一斎のもと、佐久間象山の同門で議論をしていたということ。 幕府の方針についてあくまでも幕府、将軍を守ろうとした山田と 雄藩連合による共和制(天皇の下の)を考え、主人である 松平春嶽を導いた横井小南のせめぎあいもあったのですね。 明治10年まで生存しながら世に隠れたのは残念。このような人 がたくさんいたのです。小林虎三郎も秋月悌次郎も同じです。 パラダイムシフト。 もし緩やかな改革が成功していたら素晴らしい才能がもっと たくさん生かされたのではないでしょうか。 その分、武士、農民などの体制が残り、明治維新の真の爆発は なかったかもしれないし、難しい選択です。
2008.09.15
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今週のゲストは「中国が笑う日本の資本主義」の著者、慶應義塾大学商学部教授の跡田直澄さんでした。娘の通う大学の教授ということで何の関係もなくつい親近感を覚えてしまうのはへんなもの。でもお話の内容、社会主義国家以上に社会主義化された日本の問題点、特に財政赤字の原因と対策についての提言は親近感を持って正解でした。竹村さんが「東京大学の移転」に話題を集中しましたので全体は聴けませんでしたが、著書の目次を見るとなかなか面白そうです。今度、借りて読んでみたいと思います。・中国が笑う日本の資本主義;http://www.honya-town.co.jp/hst/HTdispatch?nips_cd=9983437066・目次から;第1章 年収600万円の人が1億円の借金第2章 借金1100兆円の内訳第3章 天下りは悪ではない第4章 こんなにひどい日本の食糧政策第5章 首都東京のムダはこんなにある第6章 巨額の資産をためこむ日本政府第7章 社会保障問題はこうすれば解決する第8章 日本の借金を半分にするとにかく竹村さんが「日本の問題点をユニークな角度から、しかも分かり易く書かれた本。皆さんも読んでください」と勧めて「こんなこと、誰も言わなかった」と例に挙げたのは、東京大学の地方移転論です。東京都内の一等地にある東大の広大な敷地を売り、そのお金で北海道の苫小牧工業団地へ移転すれば、最新の施設を作っても多額の売却益が残り、そのお金をファンドで廻せばその利益だけで大学も運営でき、余剰の資金で世界中から優秀な学生を集めることもできる、というものです。(ここには竹村さん自身の思い、ファンドでお金を廻して利益をだし、税金に頼る部分を減らすということも入っています)・苫小牧工業団地;http://www.tomakomai-web.tv/kigyoyuti/index.htm繰り返しになりますが、東大の北海道移転案には多くの魅力があるようです。これにより資金がものすごく豊かになって現在老朽化している施設も整備できる、東大が移転することで阪大ほか都会の大学も続く可能性があり、北海道の活性化にも繋がる、千歳空港は東京以上にアメリカ、ヨーロッパに近いので交流も活発になる等々です。東大を民営化してしまえば、これら一切が国のお金を使わずに済むということです。世界の一流大学の多くは大都会ではなく自然豊かな地方にあり、寄付やその他の資金を有効に運用して年10%以上の利益を上げ続けているとも強調されます。例えばエール大学ではここ30年間で損失を出したのは3年だけ、あとはすべてプラスだったそうです。ただ、東大の移転案は学生の支持を得られるでしょうか。今の大学生は地方の旧帝大より東京の一流私大を目指す、それが適わなければかつては二流といわれた私大でもいいという傾向にあるので、個人的にはうまく行くか疑問です。また、慶応義塾の方針として聞いた「入学金、授業料制度を見直して奨学金制度を整え、世界中から優秀な学生を集める」という学長の話にも違和感があります。僕が大学に求めるのは、僕たちのお金で優秀な(他所の国の)学生を慶応大学に集めることではなく、僕たちの子供、普通の子供たちを優秀な学生、社会人に育ててもらう、ということです。それが一流大学の責務でしょう、と言いたいです。それはさておき、国有財産の民営化は国が最も嫌うもの。官僚たちは自分たちのポストを増やすこと、天下り先を確保すること、そのためにお金を使うことばかり考えていて、稼ぐという発想はまるでない、と跡田さん。その意図は隠しても隠し切れず、国民にもばれているが、まだ大目に見ているところがあるとも言われます。国家公務員70万人、地方公務員が300万人いて、これと同じ数の天下りが関連団体にいることを考えると日本には800万人くらいの公務員がいることになる。これらを食わせてやらないといけないのです。だから今議論になっている道路会計などよりもっと問題のある支出をしているはず。これらを搾り出していかなければならない、と跡田さん。ここで無駄に使っているお金を国民のものにしないといけない。そこいらを理解するのに非常にいいのがこの本です、と竹村さんのお墨付き。また入るときは優秀だった学生が官僚になると省益、省の論理だけの狭い思考になり、たとえば財務省では法学部的発想は強いが、経済的な発想が出てこない、という状況になっています。そんな環境のなかで、専門的な勉強もせず、専門知識のない集団になってしまう、日本ほど博士号などの資格を持つ高級官僚がいない国はない、と嘆きます。大きな変化に対応できない素人集団になっているのが役所の実態、と非常に手厳しい指摘です。そうした枠にはまらない、意欲をもって勉強して専門性を高めた官僚たちは組織からはじき出されてしまう、という話もありました。ここは先日読んだ「日本そして日本人」のなかで渡部昇一さんがいう日本人の「ドン百姓根性」、特別な能力を持つものを仲間内から排除する日本人の嫉妬心、特性とも合致します。竹村さんも完全にこの話に同意しています。ここでもう一度、日本国がもつ資産の有効活用に話を戻します。例えば国立大学93が持つ広大な土地などを有効活用する。それによって資金を捻出して、赤字をこれ以上出さないようにするのです。いつかは消費税値上げも必要でしょうが、それで当面はしのげるとも言われていました。国鉄がJRに変ったお陰で、駅のスペースを徹底的に活用して利益を上げることで、サービスも良くなり運賃も上げないですむように、道路公団も所有する土地を有効活用できればずっとよくなるのです。国鉄の民営化は99%いいことばかり、と竹村さん。それが国の管理下にあるところはお金をもらうことばかり。東大の話をしましたが、実は私学も補助金をもらうことに熱心。教育界もお金をもらうことしか考えていないのです。国も経営であり、大学も経営、自治体も経営なのです。これまでは管理しかしてこなかったが、管理からマネジメントに頭を切り替えないといけない。これまではお金をばら撒くことしか考えなかったが、これからは稼ぐことを考えなければならない。そのきっかけとして、東京大学を北海道に持っていくということですね。今度、東大を売ったらいくらになるか、国会で国会議員に言わせましょう、と竹村さん。それくらいの影響力はあるのでしょうね。さすが竹村さん。ここで竹村さんは「話題をまるで変えますが、日本で国際派がなかなか主流になれないことを考えると明治との違いがわかる」といいます。そして、新渡戸稲造や岡倉天心など明治の知識人は英語で世界に日本を発信できた、と続けます。それはなぜかというと、明治の官立の学校は皆、英語で授業をやっていたから。だから本気で国際的なレベルの大学にしようと思ったら、授業を全部英語でやるくらいのことをしないといけない、これが私の提案です、と竹村さん。正直言ってこれに僕は全く賛成できませんが、残念ながら時間切れ、ここでおしまいです。母国語で世界中の文化から最先端技術まで勉強できるのは世界の中でも僅か、これは古代以来、先人たちがせっせと海外の文献を日本語に翻訳して国内で教育するという仕組みを作り上げてきたからです。ここは断じて日本が失ってはならない特色だと思います。そういえば、以前、日本人と英語に関してショートショートを作ったことがあります。日本人が英語を下手なわけ。お楽しみください。「英語の世界」2019年。世界は英語で統合されようとしていた。レベルの違いはあったがほとんどの国で英語が公用語となり、良好なコミュニケーションによって戦争、テロなど国家、民族間の争いは過去のものになっていた。そして最後に残った一国がこの英語クラブに入ることができれば、人類は文字通り一つになり世界は無限に発展していくのに、と語られていた。最後に残った一国、日本がこの英語の輪に参加しさえすれば。そう、この時点でもまだ日本人の多くは英語で流暢なコミュニケーションができる状態にはなかった。そして日本ほど経済的、社会的に影響力の大きな国が英語を喋らなければ、世界の統一は完成しないのだ。世界が日本を待っていた。世界で一番英語の下手な日本人。なぜだろう?学ぶ努力が足りないのか。いや、日本ほど熱心に英語を学んでいる国はない。世界中の国が英語学習に掛けたお金、時間、熱意を全部あわせたより多くのものを日本人は注ぎ込んできたと言っても過言ではない。では学ぶ能力がないのか。いや、英語以外の全てにおいて証明してきた日本人の能力を考えると、そのようなことはありえない。 では一体?なぜ一体、日本人は英語が喋れないのか?喋ってはいけない理由があるとでも言うのか。しかし日本人は諦めなかった。わが身の不幸を嘆きながらも必死の勉強を続けていたのだ。努力は必ず報われると信じて。そしてそのときは訪れた。2020年、突然のように日本人全員が英語を喋り始めた。これまでの努力は無駄ではなかった。日本人が幼稚園で、学校で、塾でそして会社で、家庭で英語に注ぎ込んだ全てのエネルギーが地下のマグマのように日本人の無意識の底に溜まっていたのだ。そしてそれらが遂に臨界に達したのである。最後の決め手となったのは普通の人たちの地道な英語学習の努力だった。これが日本人の前に立ち塞がっていた言語の壁を打ち砕いて、エネルギーは一気にほとばしり出た。このパワーに触れたものは誰も彼も瞬時にして英語をマスターした。あれほど苦労したLとRの発音もノープロブレム、時制、前置詞、仮定法も自由自在に操って老いも若きも男も女もみんな一斉に英語を喋り始めたのだ。あちこちで同じような会話が繰り広げられた。「You speak English! I’m so glad to hear that, Grandma」「I’ve always wanted to speak English!」誰もが世界の人と自由にコミュニケーションできる喜びに胸を震わせた。英語を喋るようになった日本人はたちまち「和」を広め、世界は本当に一つになったのだ。「人間たちはまた言葉を統一してしまった。かつて言葉によって世界を統合して思い上がった祖先たちが天を目指して建設したバベルの塔がどうなったかを忘れてしまったらしい。まだ懲りないのだな。折角、“言葉の下手な日本人”という安全装置を与えてやったのに。今度は何をしでかすことやら。私への挑戦は許されない!」神は静かに杖をふり、世界の言語はまたバラバラになってしまった。
2008.09.14
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◇僕がこの頃読んでいるのは、下記の通りです。○「坂の上の雲」だけでは分からない日本海海戦(別宮暖朗)○歴史を動かした名言(武光誠)○日本人のための歴史学(岡田英弘)○誠は天の道なり(童門冬二)◇これまでに読んだ本の感想は以下の通り。○われに万古の心あり(松本健一) 小泉さんの「米百俵」で有名になった小林虎三郎の伝記を 僕の好きな松本さんが書き上げています。維新から明治を 勉強していくと、実に多くの現代では埋もれてしまった、 偉大な人材が数多くいることに感動を禁じ得ません。 小林虎三郎は佐久間象山の門下で吉田松陰(寅次郎)と並び 称された逸材です。長岡藩では河井継之助の武装中立論と 対立しますが、長岡藩は河井に率いられ、薩長軍と戦い、 落城、敗北します。 明治維新後、本当に長岡藩が禄を減らされ苦しい中で「米百俵」の逸話が生れますが、この本でも概ねそのような 史実があったようです。 虎三郎は健康に恵まれず、維新後はあまり活躍できません でしたが、今、小泉首相のお陰で脚光を浴びたというわけ です。 本の中で興味深かった言葉から。 小林虎三郎と河井継之助の対立を単純に保守と革新に レッテル分けしてはいけない。幕末のパトリオットたちが 何を考え、そういう選択をしたかを考えるということが「歴史に学ぶ」ということなのだ。 わたしたちは「歴史を学ぶ」のではなく、「歴史に学ぶ」 べきなのである。 河井継之助は中立を望みながらも得られず、ついに武士の 一分を立てるために薩長と戦います。河井自身勝てるとは 思っていなかったはずです。 これはまさに同郷の後輩、山本五十六が敗北を承知で アメリカに挑んだことと同じ。 これが真珠湾奇襲の真実かもしれませんね。すごい考え。 この本で佐久間象山の素晴らしさ、先見性、天才がよく 分りました。どちらかというとほら吹きで自意識の強い 変人のような印象を持っていましたが、変わりました。 惜しい人を失ったものです。 それにしても、幕府はペリー来航の1年前にオランダから 情報を入手していたのに何もせず、無作為のまま1年間を 無駄にしたのです。 これは直近の後期高齢者医療制度の変更を数年前に 決めながら、周知する手間を取らずに実際始まって 大揉めに揉めるというのとまったく同じ。 基本的に日本人は何も変わっていないと思います。 特に役人は。 戦後悪くなったというものではないことを理解しておく 必要があると感じました。○改革者に学ぶ人生論(童門冬二) 童門さんの本を読むと毎回、すごい日本人との出会いが あります。 今回、登場する農学者、日田出身の大蔵永常の人生も なかなか興味深かいものでした。 農業改善によって農民を豊かにすることに熱意を燃やし、 九州諸国、特に薩摩藩内を歩きます。ここで門外不出 であった砂糖製造のノウハウを手に入れ、それを オープンにしようとしたのです。 しかしこれは砂糖製造によって莫大な富を得ていた 薩摩藩の歓ぶところではなく、幕府に圧力をかけてこの ノウハウブックの出版を禁止させました。 本来は砂糖製造技術がオープンになることは幕府の 利益でもあるはずですが、すでに薩摩と幕府はかなり 親密になっており、婚姻関係もあって仲間になっていた ようです。 薩摩は沖縄、琉球諸島の農民の搾取によってこの富を 築き、幕府にも献上して首脳を篭絡していたとか。 こんなところにも一本調子の幕府と薩長対決という構図 だけでは見えない歴史の面白さがあるのです。 もう一人は長州藩を立て直した毛利重就(しげたか)、 彼はなんと故郷長府の出身でした。彼が見出した人材は 坂時存(さかときもり)、当時80歳を越えていましたが 期待に応えて見事に産業を興し藩を活性化。 維新時の倒幕資金もここから生み出したとのことです。○文明の海洋史観(川勝平太) この本は梅棹忠夫の「文明の生態史観」の触発されて 出された多くの研究のひとつ、というか発展させたもの だと感じました。(実際はまだ「文明の」を読んでいません。借りては いますので、もう少しあとで) 著者は本論に入る前に西洋の唯物史観(マルクス)と 日本で発生した西田哲学、さらには今西錦司の自然学まで 紐解いています。 これは今西錦司の弟子である梅棹忠夫がフィールドワーク から生み出した生態史観への著者の答え、海洋史観を だすための準備段階でした。 西田哲学もカント、ヘーゲルも難解で分りませんでしたが、 その根本がいかにも西洋と日本の違いのようで面白かった ので書き残しました。 西洋哲学では主体が重要でそれは「考える自分」「我思う、ゆえにわれあり」の世界。 一方、西田は考える自分がいる場(これを無と定義して いるようだが)を重要と考えているようです。 それ自身は何もせずただ存在である場=無がすべての源 であるという考え。 そこで誰が何を考えようとそれはすべて場に影響された 考え、思想ということでしょうか。 そんな場など関係なく、どこでも自己を主張するのが 西洋の考える主体。 その場の空気を重要視する日本人はまさに場を優先して います。西田がこの考えを発表する以前から日本人は こうだったのです。 日本人だから西田もこの考えを生んだのでしょう。 肝心の「海洋の文明史観」も非常に納得感がありました。 ここで著者は東洋と西洋の間、ユーラシアの乾燥地帯 からインドにわたる地域を「中洋」と名づけます。 そして日本とヨーロッパはほとんど同じようにこの 中洋文明とかかわってきたのです。その違いは僅か。 日本も秀吉が明との間の朝鮮海戦に勝っていれば、 南シナ海を自分の海として海洋に乗り出していったので はないか、とします。 ヨーロッパがレパントの海戦に勝利してイスラムから 地中海を取り戻したように。 明に破れた日本は明の海禁を見習って鎖国をしたのです。 中国の自給自足モデルを日本は採用した、ということ です。 ここで自然の恵み豊かな日本は自活できたのですが、 自然に乏しいヨーロッパは自給できず、アメリカを結んだ 三角貿易を選択して、自給自足の鎖国を選んだ日本と 決別しました。 ここで日本の勤勉革命と西洋の産業革命の違いが生じ ました。 土地に限りがあり、人口の多い日本では土地の生産性を 挙げる勤勉革命。 ヨーロッパは土地を海外に求め、人には限りがあったので 労働力を補うために産業革命を進めたのです。 東洋からみても西洋からみても、東南アジアの海が 世界の中心。すべてがそこにあったのです。ここは 繁栄の海、豊饒の海。 海を通じた世界の交流とそれに干渉する大陸文化、 乾燥地帯の暴力のせめぎあいが現在の世界を産みました。 著者は、日本がこれから目指すべきは庭園国家、と主張 します。 実は明治の日本を訪れたイギリス人達は揃って日本の 庭園文化に感動し、それが彼らの公園文化につながって いったのです。 彼らの理想の世界が江戸時代の日本に既に存在しました。 ほかにもいろいろユニークな発想が載るこの本も お勧めです。
2008.09.10
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今週のゲストは「「ひとりの老後」はこわくない」の著者でNPO法人「SSSネットワーク」代表の松原惇子さんです。最初の紹介で何となく、女性高級官僚の一人が「女性の品格」の坂東真理子さんに続いて出したような本かなと感じましたが、まるで違いました。そういえば聞いたこともある、「女が家を買うとき」以降数々のシングルの女性向けに本を出し、ある意味で現代女性の「結婚しない症候群」をリードしてきた筋金入りの民間シングルウーマンです。・松原惇子;http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%BE%E5%8E%9F%E6%83%87%E5%AD%90・「ひとりの老後」はこわくない;http://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refISBN=9784759309928・SSSネットワーク;http://www.geocities.jp/majumeko/#厚生労働省の調査では、2030年には全世帯の37%が一人暮らしになるといわれ、少子化で寂しい社会になるという予想がありますが、「そうではない、結構楽しいもので一人でもいけるよ」という本を書かれたようで、という竹村さんの問いかけで始まります。「いや本当は大変難しいのですが、こういう知恵があれば大丈夫ですよ、ということを書いたのです」と松原さんは答えます。現代で当たり前になってきた生涯独身という女性が老後をどう幸せに過ごすか、シングルキャリアウーマンも現代のトレンドですから、今一番ホットな話題を第一人者に語ってもらう、という番組の趣旨にはあっているのでしょうが、正直言って「このオバサン、いい年して竹村さんにタメ口きいてどうするの」という感じもありました。「昔は私みたいな結婚しない女性は変人でしたが、今は普通になっちゃったんです。また結婚しても別れる人がすごく増えて4組に一組、大丈夫ですか?」の問いは鈴木純子アナウンサーへのものでしょうか?(今回、初めてアシスタントのお名前を調べて鈴木純子さんということを知りました)10年前、松原さんは50歳の時、結婚しない女性が増えていることに気づき、自分も含め、今は大丈夫だけどさらに20年経って70歳になり、健康面の不安、家族、友人とも死別し、仕事もなくなり、となったときにどうやって生きていけばいいのか、ということを考えて、このSSSネットワークというNPO法人を立ち上げたそうです。SSSは「シングル・スマイル・シニアライフ」の略称。人は家族や周りの人に支えられて生きているのに、仕事をしていると一人で生きている、と勘違いしてしまう。でも実際は年を取ると周りの助けがないと生きてはいけない。そのとき、同じ境遇にある個人が家族の代わりに連帯して助け合う、そのためのネットワークをいざというときの前に作っておく、というもののようです。だから、シングルの男女をくっつけて家族を再構築する、などという活動ではないそうです。あくまでも現実を認識し、受け入れて、そこで一人の老後をどう生きるか。SSSネットワークは今、会員が600名くらいで会員間の連携を考えているが、そこで問題は、一人暮らしをしてきた人は普段は繋がりたくないこと。わりと意固地で頑固で対人関係が苦手な人が多いそうです。でも災害時はそれでは困る。避難所でもみんな家族単位。一人だとトイレも食事も大変になる。そこでこのネットワークの仲間が助け合う、というシステムのようです。(正確には600名のうちの200名が作っている災害ネットワークの仲間の間のこと)この本は50代向けに書いたのだけれど反応のいいのは40代で、若い人のほうが老後を心配しているそうです。社会で差別されるとか、寂しいとかそんなことはほとんどないが、年取ったらどうしようか、ということを考えているのです。竹村さんが「男性のシングルもいるでしょうが」と問いますが、基本的に男性は眼中になし、男性シングルにもこのようなネットワークが必要なら必要と感じた人が立ち上げればいい、とこれまた本音でズバリ。実は女性だけでもいろいろあって大変。さらに男性は初対面でのネットワーク作りも苦手だし、セックスへの依存度など男性と女性は生物学的にも全然違うので、一人がダメな男性は再婚すればいい、と言い切ります。「孤独が寂しいというのは間違い、と断言していますが、そんなものですか?強がりでなく」と竹村さん。「だって強がっていないと生きていけません、一人は。寂しいって言い出したら終わりでしょう。怖くないわ、と言い聞かせながら」と本音もチラリ。番(つがい)になるのが本能なのに、それに反したわけですから。松原さん自身、子供を作らなかったことを今になってみれば愚かだった、家族を持つことの大切さが分かると認めています。会員を含めて一人の人はお金にものすごく依存している。30代から貯めて、普通のOLが5000万円からの貯金を持っている。使わずに貯めて、老後に備えている。老後の不安解決のために若いうちから生きているという感じ。松原さんは個人的にはお金に依存してはいけないと思っている。いい仲間、尊敬できる人、愛する人など人が一番、だそうです。「あなたは非常に率直に話してくれますね。気取ってもいないし、強がってもいない」「私はどこでも素のまま。会員にもはっきり言うのです。気に入らないならやめてもらってかまわないと。そうしてもやめないんですよね。とくにやめて欲しい人に限って」とここからしばらくはSSSネットワークのメンバーについての不満?のオンパレード。この放送を会員が聞いたら、あとで揉めないだろうか、と他人事ながら心配します。ただ、松原さんの声と喋り方に愛嬌あって、妙に憎めないのも事実です。「会の運営を修行と思っています。死んだら何かいいこともあるでしょう」とか「会員にも文句の多い困った人と、欲求は控えめで静かに応援してくれるいい人がいて、今、いい人のリストを作っているんです。何かあったらいい人から助けたい」なんて冗談でしょうが面白い。定期的な会合のほか、スマイル通信という会報も出しているそうです。この場を情報交換や友達を作ることの使っているのです。いい病院の情報とか介護のやり方等々も。これで年会費が1万円、それでも高いという人がいるんです。信じられないでしょう、とまた冗談のような声。ここで松原さんが強調しているのは、お金を使いなさいということ。会員にはわがままでケチ、という人が多い。でも友情を結ぶとか友人を作りたいのであれば、おごってやりなさい、と語ります。松原さんがよくおごってもらっていた先輩に言われたという「お返しはいらない、その分を今度はあなたが若い人にご馳走してやりなさい」という話は僕も昔、先輩に言われたことがあります。「こんな私でよかったら、会に入ってください」と松原さん。「非常に率直に語ってくれる人です」と竹村さんも感心して終わりです。
2008.09.07
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