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図書館で『サイバー攻撃』という新書を手にしたが・・・このところの米中、日中の安全保障の状況が。サイバー攻撃の真最中ということではないだろうか。【サイバー攻撃】中島明日香著、講談社、2018年刊<「BOOK」データベース>よりあらゆる機器がネットワークにつながるようになった今、誰しもサイバー攻撃と無関係ではいられない。重要な情報を守るためには、それを狙うハッカーたちの手口を理解する必要がある。彼らが攻撃の糸口にする「システムの脆弱性」とは何か?脆弱性を突くサイバー攻撃はどのようなものか?国際的に活躍する情報セキュリティ研究者がその原理から対策までを平易に解説。<読む前の大使寸評>このところの米中、日中の安全保障の状況が。サイバー攻撃の真最中ということではないだろうか。rakutenサイバー攻撃この本で、第7章の「7-1金銭目的のサイバー犯罪と脆弱性」を見てみましょう。p194~196<7-1金銭目的のサイバー犯罪と脆弱性> インターネット黎明期、サイバー犯罪は愉快犯によるものが中心でした。たとえば、実行されると花火のアニメーションが流れるマルウェアなどがばらまかれたりしました。非常に牧歌的ですよね。 しかし、インターネットの発展とともに、サイバー犯罪は金銭の搾取を目的とした、実害もたらすものが大きな割合を占めるようになりました。なぜ金銭目的のサイバー犯罪が増加したのでしょうか。それには3つの理由があります。■金銭目的のサイバー犯罪が増加した理由 第一に、単純にインターネットの利用者や利用企業が増加したことで、標的が増えたことが挙げられます。今やインターネット利用者数は30億を超えました。そのうちの数パーセントからなんらかの手段で金銭を窃取することができれば、それだけで莫大な金額を手に入れられます。 第二は、オンラインショッピングやオンライン銀行口座などのサービスの増加が挙げられます。これらのサービスは、金銭に直結する重要な情報(暗証番号・クレジットカード情報・個人情報)を取り扱います。こういった情報は、まさに金銭目的の犯罪者が求めるものです。第三の理由は、サイバー犯罪は非常に利益効率がよい、ということです。“利益効率”の部分をより具体的に言うと、サイバー犯罪は参入するのが容易であるにもかかわらず、得られる金銭は莫大でかつ捕まりにくい、ということです。決して犯罪を推奨しているわけではありませんが、金銭目的のサイバー犯罪はせいぜいコンピュータとインターネット環境、そして銀行口座があれば始められます。 また、インターネットを利用すれば、世界中のどこからでも、国境を越えた犯罪活動が可能で、匿名性も簡単に確保できます。また、犯罪の証拠や痕跡を隠すことも容易です。取り締まる側にとっては非常にやりにくい相手と言えます。一説によると、サイバー犯罪者が逮捕される割合は5%程度と言われています。 このように、サイバー犯罪は犯罪者にとって“おいしい”ビジネスなのです。もちろん防御側も対抗手段を講じていますが、攻撃者(犯罪者)の手口もますます洗練されてきており、なかなか被害が減らないのが現状です。■金銭目的のサイバー犯罪の手法 金銭目的のサイバー犯罪にも、さまざまな種類があります。たとえば、偽の銀行Webサイトに利用者を誘導して、実際の銀行で使っている暗証番号などを窃取するフィッシング詐欺あご存知でしょう。また、突如Webブラウザに架空請求のページを表示してお金を振り込ませる、ワンクリック詐欺も有名ですね。ほかにも、Webを介したオークションの場で、出品して落札者から代金を受け取っておきながら、商品を発送しないという手口(オークション詐欺)も存在します。 いま挙げたサイバー犯罪は、「詐欺」と名づけられていることからわかるとおり、いずれも悪意のある人間がインターネット越しに人間を騙す、という手口が中心です。そのため、注意すれば防げるものも少なくありません。 しかし、金銭目的のサイバー犯罪の中でも、技術的な穴(脆弱性)を悪用する手口は簡単には防げません。そのような手口の犯罪被害を受けても、被害者は異変に気がつきにくいという点がいちばん大きな違いです。そのため、気をつけている人でも被害を避けにくいのです。『サイバー攻撃』2:脆弱性の深刻度『サイバー攻撃』1:契機となったMorris Worm事件
2020.08.31
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図書館で『サイバー攻撃』という新書を手にしたが・・・このところの米中、日中の安全保障の状況が。サイバー攻撃の真最中ということではないだろうか。【サイバー攻撃】中島明日香著、講談社、2018年刊<「BOOK」データベース>よりあらゆる機器がネットワークにつながるようになった今、誰しもサイバー攻撃と無関係ではいられない。重要な情報を守るためには、それを狙うハッカーたちの手口を理解する必要がある。彼らが攻撃の糸口にする「システムの脆弱性」とは何か?脆弱性を突くサイバー攻撃はどのようなものか?国際的に活躍する情報セキュリティ研究者がその原理から対策までを平易に解説。<読む前の大使寸評>このところの米中、日中の安全保障の状況が。サイバー攻撃の真最中ということではないだろうか。rakutenサイバー攻撃この本で、「第2章 サイバー攻撃は防げるか」(続き)を見てみましょう。p39~41<脆弱性の深刻度> 脆弱性情報データベースでは、脆弱性の識別番号や概要とともに、その深刻度が掲載されていることがあります。ひと口に脆弱性と言っても、おの深刻さはさまざまです。 たとえば、限定的な条件下でないと攻撃が成功しないうえ、攻撃が成功したとしても攻撃者にできることが限られている脆弱性の場合、深刻度は低いと言えます。逆に、どのような条件下でも攻撃が成功するうえ、攻撃が成功した場合あらゆる操作が可能になるような脆弱性は、深刻度が高いと言えます。 このような脆弱性の特徴とその深刻度を統一的に評価する手法として、共通脆弱性評価システム(Common Vulnerability Scoring System、CVSS)が存在します。CVSSは2005年に策定され、必要に応じて評価基準などが改定されており、現在は3つ目のバージョンにあたるCVSSv3まで出ています。 CVSSv3では、脆弱性の深刻度を「基本評価基準」「現状評価基準」「環境評価基準」の3つの基準で評価します。これらの基準の違いを以下で説明します。(中略) 個々の評価基準で算出された深刻度は0(低)~10.0(高)の数値で表されます。ここで、CVSSv3の基本評価基準で算出された深刻度の具体例を示しましょう。(表2-2)。 これは。2016年に、有名なWebブラウザであるGoogle Chromeに発見された脆弱性、CVE-2016-1645の例です。 この脆弱性は、Google Chrome上でPDF(文書ファイルの形式)に埋め込まれた特定の形式の画像を操作する処理に潜んでいました。この脆弱性を悪用すると、細工されたファイルを開くだけで攻撃が成功してしまうので、深刻度は8.8と高く算出されます。『サイバー攻撃』1
2020.08.31
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図書館で『朝鮮人のみた中世日本』という本を手にしたが・・・・中国人海商や倭寇の活動が興味深いのでおます。【朝鮮人のみた中世日本】関周一著、吉川弘文館、2013年刊<「BOOK」データベース>より室町時代、使節や漂流者として日本を訪れた朝鮮の人びと。当時の衣服・髪型から倭寇、食事と酒、稲作の方法まで、彼らが観察した日本の姿を、日本史料で検証して紹介。中世日本の社会・文化を異なる視点から見つめ直す。<読む前の大使寸評>中国人海商や倭寇の活動が興味深いのでおます。rakuten朝鮮人のみた中世日本前期倭寇の跳梁に苦しむ朝鮮王朝を見てみましょう。p18~19<中世の対外関係>より■倭寇の実像 倭寇の主な略奪品は、食糧(米)と沿岸の住民たちである。食糧については、租米を運ぶ輸送船や、それを備蓄する倉庫が攻撃の対象になった。彼らが奪った米や人などは、売買された。したがって、前期倭寇は、略奪者(海賊)としての側面と、交易を行う商人(海商)としての側面とがあった。 また倭寇に捕らえられた人々(披慮人)は、案内人(諜人)として倭寇の活動に従事させる他、博多や壱岐・対馬や琉球の那覇などに転売された。当時は、人身売買が頻繁に行われ、倭寇による披慮人も商品であった。 前期倭寇の主な構成員は、朝鮮王朝は、「三島の倭寇」とよぶ、対馬をはじめ、壱岐・松浦地方の人々とみられるが、高麗朝に不満をもつ高麗の人々も含まれている可能性がある。また高麗の賎民である禾尺・才人が、倭寇をかたって、略奪をした例がある。禾尺は揚水尺・水尺ともいい、牛馬の屠殺・皮革の加工を行い、才人は仮面芝居の集団である。 このような倭寇を、村井章介氏は、境界人とよんでいる()。日朝の境界を活動の場とし、国家や民族という枠をまたぎ、日本と朝鮮という二つの世界を自由に往来する人々であった。 ■高麗との交渉 1366年(貞治5)、高麗の恭愍王は、使者として金龍一行と金逸一行とを別個に日本の京都に派遣した。目的は、日本側に倭寇の禁圧を要請することであった。(追って記入予定)『朝鮮人のみた中世日本』1
2020.08.31
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コロナ禍もなんのその、くだんの2本立て館に繰り出したが・・・・今回の出し物は「シュバルの理想宮」と「母との約束、250通の手紙」であり、館主の設けたテーマは「我が子への大きな愛」となっています。毎度のことながら、2作品を選ぶ館主のセンスには感心しているのですが、今回のテーマとしては申し分ありません。【シュバルの理想宮】ジャック・ガンブラン監督、2018年、仏制作、2020.8.29観賞<Movie Walker作品情報>より一人の男が33年かけ築きフランス政府指定の重要建造物となったシュヴァルの理想宮の誕生背景に迫る人間ドラマ。愛娘アリスのためにおとぎの国の宮殿を建てることを思いついた郵便配達員シュヴァルは、周囲から変人と噂されながらも石を積み上げ続けるが……。監督は「グレート デイズ!-夢に挑んだ父と子-」のニルス・タヴェルニエ。途方もない挑戦をしたシュヴァルを「レセ・パセ 自由への通行許可証」で第52回ベルリン国際映画祭銀熊賞(男優賞)を受賞したジャック・ガンブランが演じる。フランス映画祭2019横浜公式上映作品。<大使寸評>追って記入Movie Walkerシュバルの理想宮この映画館では毎回、幕間にお昼の弁当を食べるのだが・・・・今回も駅キオスクで買った三角おにぎりでした♪【母との約束、250通の手紙】エリック・バルビエ監督、2017年、仏、ベルギー制作、2020.8.29観賞<Movie Walker作品情報>より仏の文豪ロマン・ガリの自伝『夜明けの約束』を映画化。シングルマザーのニーナは息子ロマンが軍で功績を上げて、大作家になると信じていた。ついにロマンはパイロットとして活躍し、小説も出版されるが、母からの手紙には作家デビューを喜ぶ様子はなかった。出演は、「イヴ・サンローラン」のピエール・ニネ、「アンチクライスト」のシャルロット・ゲンズブール。監督・脚本は、「ラスト・ダイヤモンド 華麗なる罠」のエリック・バルビエ。セザール賞4<大使寸評>我が子を谷に突き落とした獅子のような孟母三遷の逸話がある。この母親も自分の死後も息子に手紙を出し続けて薫陶を与えたようです。結果、生前の母親はドゴール将軍から勲章を受けた場面を見ているので、得意満面だったようです。この映画では息子が自由フランス軍の名誉を賭けてアフリカ戦線でドイツ軍に猛爆撃を加えるシーンがなかなか迫力があります。それから、息子がときどきフランス語以外の言葉を喋ったが、あれはポーランド語だったのか、イディッシュ語だったのか?・・・この映画はユダヤ人のコンプレックスを描いてもいたようです。Movie Walker母との約束、250通の手紙パルシネマ上映スケジュール
2020.08.30
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図書館で『サイバー攻撃』という新書を手にしたが・・・このところの米中、日中の安全保障の状況が。サイバー攻撃の真最中ということではないだろうか。【サイバー攻撃】中島明日香著、講談社、2018年刊<「BOOK」データベース>よりあらゆる機器がネットワークにつながるようになった今、誰しもサイバー攻撃と無関係ではいられない。重要な情報を守るためには、それを狙うハッカーたちの手口を理解する必要がある。彼らが攻撃の糸口にする「システムの脆弱性」とは何か?脆弱性を突くサイバー攻撃はどのようなものか?国際的に活躍する情報セキュリティ研究者がその原理から対策までを平易に解説。<読む前の大使寸評>このところの米中、日中の安全保障の状況が。サイバー攻撃の真最中ということではないだろうか。rakutenサイバー攻撃この本で、「第2章 サイバー攻撃は防げるか」を見てみましょう。<2-1脆弱性情報の管理体制>p34~35 リリースされたソフトウェアに脆弱性が見つかった場合、その情報の取り扱いには注意が必要です。現在、脆弱性を発見した際には、その情報を所定の機関へ報告することが推奨されています。 その機関は、脆弱性が発見された製品の開発者(企業)と協調し、脆弱性情報の管理を担います。■契機となったMorris Worm事件 ソフトウェアの脆弱性を突く攻撃の恐ろしさが世間で初めて認識されるきっかけとなったのは、1988年に起きた、「Morris Worm」と呼ばれる一種のマルウェア(malware)の流行でした。「マルウェア」は「悪意のあるソフトウェア」という英語「Malicious software」から作られた言葉で、悪意のあるソフトウェアの総称として使われています。Morris Wormの流行当時、インターネットはまだ生れていませんでしたが、その前身といわれる「ARPANET」というネットワークが存在しました。Morris Wormは複数のソフトウェアの脆弱性を突いて、ARPANETに接続されているコンピュータの10%に侵入した、と言われています。 Morris Worm事件を機に、情報セキュリティ上の事件・事故などに対処する組織、CERT/CC(CERT Coordination Center)が米国のカーネギーメロン大学内に設立されました。CERT/CCは現在も存続しています。 設立当初からCERT/CCはセキュリティ事案の対応に加え、各種脆弱性情報の受付・分析・配信もおこなっていました。(中略) そのため当時は、製品に脆弱性が見つかっても開発企業が対応・公表しない、ということが多々起こりました。結果として、脆弱性が存在することを知らないまま、そのソフトウェア製品をユーザが使い続けてしまう、という事態が発生したのです。
2020.08.30
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図書館で『朝鮮人のみた中世日本』という本を手にしたが・・・・中国人海商や倭寇の活動が興味深いのでおます。【朝鮮人のみた中世日本】関周一著、吉川弘文館、2013年刊<「BOOK」データベース>より室町時代、使節や漂流者として日本を訪れた朝鮮の人びと。当時の衣服・髪型から倭寇、食事と酒、稲作の方法まで、彼らが観察した日本の姿を、日本史料で検証して紹介。中世日本の社会・文化を異なる視点から見つめ直す。<読む前の大使寸評>中国人海商や倭寇の活動が興味深いのでおます。rakuten朝鮮人のみた中世日本p10~13<中世の対外関係>より■中世の対外関係の特色 さて、本論に入っていくことにしたいが、実際に『老松堂日本行録』などの史料を読む上では、ある程度の予備知識が必要である。 そこで、まず古代から中世(本書では15世紀まで)にかけての対外関係について概観しつつ、特に日朝関係の特徴について確認する。ついで朝鮮王朝の集積した日本情報について説明し、本書で扱う史料や、「朝鮮人のみた中世日本」に関する先行研究を紹介しておきたい。 まず強調しておきたいことは、中性の日本は、アジア諸地域との間に活発な交流が行われ、特に経済や文化における影響を強く受けた時代であったということである。それは、民間レベルの交流が主体であり、海商や僧侶たちが主要な担い手であった。■8世紀の外交 8世紀、律令国家は、唐や新羅・渤海と外交関係を結んでいた。それに呼応して、外国の使節や遣外使節などが滞在する施設が、京(平城京・平安京)・難波(摂津)・大宰府(筑紫)に設置された。 この施設は「館舎」「客館」と呼ばれたが、9世紀になると、嵯峨朝が弘仁年間(810~824)、殿舎諸門の呼称を唐風化したことにともない、コウロ館と呼ばれるようになる。 律令国家は、唐との外交を基軸として、原則として20年おきに遣唐使を派遣した。唐からは、政治・経済・文化のさまざまな分野について学び、多くの文物が将来された。 また新羅使は、博多湾に来航して大宰府が管理しているコウロ館において応対を受けた。また渤海使は、主に日本海沿岸に到着し、平城京や平安京に迎えられた。日本からも遣新羅使、遣渤海使が派遣された。 このように8世紀は、国家と国家の間の交渉が中心であり、外交に付随して貿易が行われた。■海商の登場 しかし日本と新羅の関係が悪化し、新羅使は、779年(宝亀10)を最後に来日が途絶えた。 9世紀になると、遣唐使の派遣は激減した。実際に派遣したのは、9世紀前半の二回のみである。渤海使は、8世紀同様に頻繁に来日して活発に交渉をしたが、それも919年(延喜19)が最後になる。 こうして外交使節を派遣することによる国家間の交渉はしだいに下火になるが、それに代わる担い手が、海商であった。大宰府のコウロ館には、唐に拠点を持つ新羅海商や唐の海商が来航し、貿易を行うようになった。平安京を拠点とした律令国家は、唐物使を派遣し、高級舶来品である唐物を優先的に購入した(官司先買権)。■博多の海商と僧侶 10世紀、唐や渤海、新羅が相次いで滅んだ。中国では北宋が成立し、江南を中心とする経済の発展がめざましかった。中国人海商たちは、朝鮮半島()や東南アジアなどの中国以外の港に住居や倉庫、店舗を舞えて貿易を行った(住蕃貿易)。 日本において中国人海商たちを迎え入れる窓口となったのは、北九州の博多である。11世紀の中ごろ、大宰府管理下のコウロ館が廃絶し、その東側に位置する博多が貿易の拠点になった。博多には、中国人海商が住居・倉庫・店舗を舞え、日本人女性を妻とした。海商らの居住地区は、「唐房」とよばれた。 また商船を経営する有力な海商は、綱首とよばれた。海商たちは、九州の寺社や、京都の貴族や寺社などの権門と結びつき、彼らをパトロンとして資金の提供を受けながら、商船を経営した。 北宋との貿易では、白磁や青磁などの陶磁器、絹織物や薬などの唐物が輸入された。北宋で大量に鋳造された銅銭(宋銭)が博多にもたらされ、日本列島の各地で使用されるようになる。 日中間を活発に往来した商船には、僧侶が乗船することが多く、五台山や天台山などの中国の聖地を巡礼している。13世紀半ばからの約100年間は、日本から中国に渡来し参学する僧侶が数多く、また北条氏の招請で中国僧があいついで渡来し、鎌倉や京都の禅宗寺院に住した。■モンゴル帝国と寺社造営唐船 13世紀、ユーラシア大陸では、モンゴル(中国では元朝)が台頭し、金や西夏を滅ぼした。六期にわたる侵攻によって高麗を征服し、ついには南宋を滅ぼし、広大な帝国を作り上げた。 さらに日本に対し二度にわたる攻撃をし(文永蒙古合戦、弘安蒙古合戦)、ヴェトナムやジャワなどにも侵攻した。その一方、モンゴル帝国は陸路には駅伝制を導入し、都の大都と海路を結ぶなど、交通路の整備に腐心し、それにともない活発な交流が行われた。 モンゴル(元朝)との戦争後、日本と大陸との間の商船の往来は、むしろ活発になり、日中の禅僧も頻繁に往来した。
2020.08.29
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造本装丁に関心があるのだが・・・最近は、版画家やイラストレーターとの関係が気になるわけです。…で、この際、本に携わる職人たちにについて、集めてみました。・ワールドブックデザイン・装丁/南伸坊********************************************************************** <本に携わる職人たち2> 目次・木版画の楽しみ・『小村雪岱随筆集』・『装丁、あれこれ』・『意匠の天才 小村雪岱』・アール・デコの挿絵本・装丁列伝********************************************************************** <本に携わる職人たち1> 目次・日本橋檜物町・小村雪岱の版画がええでぇ・本の顔・鳥への挨拶・造本装丁コンクールで『gallay』が受賞・イラストノートNo.27(特集:本の仕事)・藤田嗣治、本のしごと・夏目漱石の眼・佐々木マキが描く表紙・気になる絵本作家・百田尚樹さんの職人かたぎ(その4):『ワールドブックデザイン』を追加【ワールドブックデザイン】グラフィック社編、グラフィック社、2020年刊<「BOOK」データベース>より全世界からこだわりぬいた装幀、製本、造本でデザインされたブックデザイン事例を集めたリファレンス集。歴史的なものから、現在流通されているものまで、幅広くチョイスし歴史を解説。年表でそのあゆみを分かりやすく追う。世界的ブックデザイナー3組のインタビューを作品とともに紹介。それぞれがブックデザインに対する情熱や哲学を語る。世界中からセレクトした優れたブックデザイン紹介ページでは、詳細スペックや図解とともに、コンセプトや狙いをあますところなく公開。<読む前の大使寸評>追って記入amazonワールドブックデザイン<『装丁/南伸坊』1>図書館に予約していた『装丁/南伸坊』という本を、待つこと1週間でゲットしたのです。南伸坊さんのマンガ『仙人の壷』、絵本『ねこはい』を読んで以来、その多彩なタレントにしびれているのだが・・・装丁に関しても期待できそうでおます♪【装丁/南伸坊】南伸坊著、フレ-ベル館、2001年刊<「BOOK」データベース>よりアレコレ注文つけられるのは大嫌い。「まかしたよ」といわれれば損得ぬきで夢中になる。大好物は注文主が喜んでくれること。「笑える装丁」をめざす、装丁・南伸坊は、まるで落語に出てくる大工の八つぁんみたいである。実作の現場を語る笑える職人ばなしエッセイ。<読む前の大使寸評>南伸坊さんのマンガ『仙人の壷』、絵本『ねこはい』を読んで以来、その多彩なタレントにしびれているのだが・・・装丁に関しても期待できそうでおます♪<図書館予約:(1/13予約、1/20受取)>rakuten装丁/南伸坊この本をぱらぱらとめくってみると、南さんが装丁した本のカラー写真が満載で観て楽しい本である。それらの本の2割がたは南さん自身の本であり、宣伝も兼ねたチャッカリした構成になっています。他人の本では赤瀬川原平を筆頭に、南さんの友人たちばっかりとなっています。<『木版画の楽しみ』2>図書館で『木版画の楽しみ』という本を、手にしたのです。著者の作品が目を引くのはもちろんであるが・・・技法の説明が懇切丁寧で、和綴じの製本、版画の売り方まで網羅しているという優れもんやでぇ♪【木版画の楽しみ】関野準一郎著、平凡社、1983年刊<「BOOK」データベース>より古書につき、データなし<読む前の大使寸評>著者の作品が目を引くのはもちろんであるが・・・技法の説明が懇切丁寧で、和綴じの製本、版画の売り方まで網羅しているという優れもんやでぇ♪amazon木版画の楽しみ扉(以降省略)
2020.08.29
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図書館に予約していた『上級国民/下級国民』という本を、待つこと9ヵ月ほどでゲットしたのです。この本の「はじめに」で高級官僚の存在や神戸市営バスの運転手の事件が載っているので、見てみましょう。【上級国民/下級国民】橘玲著、小学館、2019年刊<「BOOK」データベース>より「下級国民」を待ち受けるのは、共同体からも性愛からも排除されるという“残酷な運命”。一方でそれらを独占する少数の「上級国民」たち。ベストセラー『言ってはいけない』の著者があぶり出す、世界レベルで急速に進行する分断の正体。<読む前の大使寸評>この本の「はじめに」で高級官僚の存在や神戸市営バスの運転手の事件が載っているので、見てみましょう。<図書館予約:(10/24予約、副本16、予約283)>amazon上級国民/下級国民この本の「PART1 下級国民の誕生」から、見てみましょう。p34~37急落したGDP成長率 日本の社会がなぜ膨大な数のひきこもり(その3分の2は男性)を生み出すことになったかはあとでもういちど考えるとして、ここで平成の日本経済で起きたあまり知られていない事実(ファクト)をもうひとつ紹介しておきましょう。 最初に述べたように、平成が「失われた30年」になったいちばんの原因は日本経済の生産性が欧米諸国に比べて極端に低いからです。 その結果一人当たりGDP成長率は1975~90年の年率3.9%から1990~2000年には年率0.8%に低下しました。 その後、成長率はやや回復したものの、比較的景気が堅調だった2000~070年でも年率1.7%と、1990年以前に比較すると大幅に低い水準にとどまりました。(中略) 経済学者の深尾京司さんは、このような問題意識から『「失われた20年」と日本経済』(日本経済新聞出版社)で、平成日本はなぜ経済成長できなかったのかを検証しています。 そこで深尾さんが発見したのは、次のような奇妙なデータでした。 図表5は、1990年に日本国内にあった42万4535の工場を、もっとも生産性の低い「ボトムグループ」から、もっとも生産性の高い「トップグループ」まで10%単位で分類し、それが2003年にどうなったのかを示したものです(『「失われた20年」と日本経済』掲載の表を簡略化)。生産性の高い工場も閉鎖されている? これを見ると、1990年にはもっとも生産性の低い「ボトムグループ」には4万2475の工場があり、そのうち2003年までに3万1017が閉鎖されて、工場閉鎖率は73.02%になります。同様に、生産性で下位10~20%のグループには4万2448工場あり、そのうち2万8177が閉鎖されたので、閉鎖率は66.38%です。 不況期に生産性の低い工場が縮小・閉鎖され、生産性の高い工場が増えていくことで、経済全体の生産性は向上していきます。実際、アメリカやイギリスではこうした「(工場の)再配分効果」が生産性上昇の主因だと考えられています。 日本でも、生産性の低かった工場の6割から7割は閉鎖されています。しかし不思議なのは、生産性の高かった工場も同時に閉鎖されていることです。『上級国民/下級国民』2:日本のサラリーマン『上級国民/下級国民』1:はじめに
2020.08.28
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今回借りた3冊です。だいたい支離滅裂に借りているけど、今回の傾向は、強いていえば、「ミニブーム」でしょうか♪<市立図書館>・朝鮮人のみた中世日本・サイバー攻撃・ワールドブックデザイン<大学図書館>・8月末以降にトライ図書館で手当たり次第で本を探すのがわりと楽しいが・・・これが、図書館での正しい探し方ではないかと思ったりする(笑)************************************************************【朝鮮人のみた中世日本】関周一著、吉川弘文館、2013年刊<「BOOK」データベース>より室町時代、使節や漂流者として日本を訪れた朝鮮の人びと。当時の衣服・髪型から倭寇、食事と酒、稲作の方法まで、彼らが観察した日本の姿を、日本史料で検証して紹介。中世日本の社会・文化を異なる視点から見つめ直す。<読む前の大使寸評>追って記入rakuten朝鮮人のみた中世日本【サイバー攻撃】中島明日香著、講談社、2018年刊<「BOOK」データベース>よりあらゆる機器がネットワークにつながるようになった今、誰しもサイバー攻撃と無関係ではいられない。重要な情報を守るためには、それを狙うハッカーたちの手口を理解する必要がある。彼らが攻撃の糸口にする「システムの脆弱性」とは何か?脆弱性を突くサイバー攻撃はどのようなものか?国際的に活躍する情報セキュリティ研究者がその原理から対策までを平易に解説。<読む前の大使寸評>追って記入rakutenサイバー攻撃【ワールドブックデザイン】グラフィック社編、グラフィック社、2020年刊<「BOOK」データベース>より全世界からこだわりぬいた装幀、製本、造本でデザインされたブックデザイン事例を集めたリファレンス集。歴史的なものから、現在流通されているものまで、幅広くチョイスし歴史を解説。年表でそのあゆみを分かりやすく追う。世界的ブックデザイナー3組のインタビューを作品とともに紹介。それぞれがブックデザインに対する情熱や哲学を語る。世界中からセレクトした優れたブックデザイン紹介ページでは、詳細スペックや図解とともに、コンセプトや狙いをあますところなく公開。<読む前の大使寸評>追って記入amazonワールドブックデザイン************************************************************図書館大好き440
2020.08.28
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「内田樹の研究室」の内田先生が日々つづる言葉のなかで、自分にヒットするお言葉をホームページに残しておきます。最近は池田香代子さんや、関さんや、雨宮さんなどの言葉も取り入れています。(池田香代子さんは☆で、関さんは△で、雨宮さんは○で、池田信夫さんは▲、高野さんは■で、金子先生は★、田原さんは#、湯浅さんは〇、印鑰さんは@、櫻井さんは*、西加奈子さんは♪で区別します)・『沈黙する知性』韓国語版序文・書評・食いつめものブルース 山田泰司・書評・白井聡「武器としての「資本論」・『街場の親子論』のためのまえがき・パンデミックをめぐるインタビュー・ホ・ヨンソン『海女たち』書評・2020年度寺子屋ゼミ受講要項・『山本太郎から見える日本』から・『人口減社会の未来学』から・「サル化する世界」についてのインタビュー・映画『Workers被災地に起つ』神戸・元町映画館でのアフタートーク・週刊金曜日インタビュー・桜を見る会再論・『Give democracy a chance』2・『Give democracy a chance』1・沈黙する知性・China Scare・[週刊ポスト」問題について・『低移民率を誇る「トランピアンの極楽」日本の瀕死』・『ネット右翼とは何か』書評・『最終講義』韓国語版あとがき・『「そのうちなんとかなるだろう」あとがき』・『参院選にあたって』・『廃仏毀釈について』・『論理は跳躍する』・『「おじさん」的思考』韓国語版序文・『市民講座』韓国語版のための序文・空虚感を抱えたイエスマン・大阪万博という幻想・外国語学習について・大学院の変容・貧乏シフト・『知日』明治維新特集のアンケートへの回答・カジノについて・中国の若者たちよ、マルクスを読もう・『街場の憂国論』文庫版のためのあとがき・直言3月号「韓国の教育と日本のメディア」・人口減社会に向けて・時間意識と知性・Madness of the King・吉本隆明1967・大学教育は生き延びられるのか?・こちらは「サンデー毎日」没原稿・奉祝「エイリアン・コヴェナント」封切り・米朝戦争のあと(2件)・気まずい共存について********************************************************************内田先生かく語りき8目次(目次全文はここ)(その25):『沈黙する知性 韓国語版序文』を追記2020/08/26『沈黙する知性』韓国語版序文よりどうして平川君や僕の本が韓国で読まれるのか・・・考えてもよくわからない(『街場の日韓論』で一応の仮説を立ててみたけれど、自分でも納得できているわけではない)。 もしかすると「あまり多くの人に同意してもらえそうもない変な所見を、教条主義的ではない言葉づかいで述べる」という作法が韓国ではちょっと珍しいのかも知れない(かの地では「きっぱり断言する」ということが知的・倫理的なインテグリティの徴であるようなところがあるから、政治や経済や人事について「もぞもぞ語る」という人はあまりいないのかもしれない。よう知らんけど)。 ともかく、そういうわけで韓国語版序文も「もぞもぞ」している。 これは平川克美君との対談本です。 平川君は僕の小学生時代からの友人です。知り合って60年近くになります。大学生の頃はいっしょに同人誌を出していました。そのあと、平川君が起業した翻訳会社に僕も加わって、20代の終わり頃は一緒にビジネスをやってました。その後僕の方は大学院の博士課程に進学したことを機に会社は辞めてしまったんですけれど、友人としての付き合いはずっと今日まで続いています。 平川君は80年代90年代にはヨーロッパやアメリカでビジネスを展開したり、若い起業家たちを支援するインキュベーション・ビジネスをしたり、国内外で大活躍していましたけれど、ある時期からふっとそういうビジネスから手を引いて、株式会社論や、経営論の歴史的意味を深く掘り下げたり、詩的なエッセイを書いたりする内省的な物書きになり、大学でも教えるようになりました。 僕が大学のフランス語教師で、彼がグローバルなビジネスマンだった時期は活動領域がずいぶん離れていたんですけれど、ふたりとも50歳を超えるころから気が付いたら「同業者」になっていたのでした。それから往復書簡本を出したり、対談本を出したり、僕が編者になったアンソロジーに寄稿してもらったり、彼が編者の媒体に僕が寄稿したり・・・とさまざまなコラボレーションをしてきました。(以降、全文は内田先生かく語りき(その24)による)
2020.08.27
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早朝に散歩する太子であるが、南東の空に月と金星が見えるのです。ちょうど三日月の内側に金星が位置しているが、これって中東諸国が好むマークではないか。また、このマークは春分と関係があるのではないか?テレビでは炎暑による熱中症の危険性について注意をうながしているが・・・このところ「小さい秋」の気配が見えてきたでぇ♪『日本のならわしとしきたり』という蔵書に二十四節季の記事があることを思い出したのです。【日本のならわしとしきたり】ムック、 徳間書店、2012年刊<内容紹介>ありふれたムック本ということなのか、ネットにはデータがありません。<大使寸評>とにかく「今日は二十四節季でいえば、何になるか♪」を知りたいロボジーにとって、座右の書となるでしょう♪Amazon日本のならわしとしきたり玄鳥去この本で、白露のあたりを見てみましょう。太子の場合は鳥の佇まいが気になるのでおます。和暦p23<白露>白い露降りて、知らせる二百二十日と秋の長雨「白露」は、処暑の次の節季で、9月6~7日頃に第1日目を迎える。期間は、次の節の「秋分」の前日までの15日間である。 『暦便覧』には、「陰気やうやく重なりて、霧にごりて白色となれば也」と書かれており、これは節季名の由来でもある。 白露のころは、空が高くなり、芋の葉や草花に朝露が降りてくるようになる。「露時雨」という季語があるが、たくさんの露が草木から滴り落ちるさまを表した言葉である。露は晴れて風のない夜に発生する。 一方では、南下した大陸からの冷たい高気圧と、太平洋高気圧との間に秋雨前線ができ、これが停滞すると「秋の長雨」となる。秋の長雨には、「秋リン」、「秋微雨」という異称があり、いずれも季語になっている。 白露の期間には、立春から数えた二百二十日(9月9~10日)があり、長雨に台風が重なると大きな災害への危険が予測される。 陰暦で暮らした時代は、風の神様を鎮めるための「風鎮祭」がとり行われていた。この風習は、富山県八尾市の「おわら風の盆」に伝承されているようだ。 白露の期間の七十二候には、初候「草露白」、次候「鶺鴒鳴」鶺鴒が鳴き始める、末候「玄鳥去」燕が南へ帰って行く、がある。二十四節季の立秋に注目二十四節季の大暑に注目『鳥と世界の意外な関係』
2020.08.27
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このところ読書術や書評や古本屋に関する本よく読んでいるのです。・・・で、それらのインデックスを作ってみました。R7:『漱石文体見本帳』を追記、内容一部見直し『漱石文体見本帳』:教育勅語はなぜ漢文調なのか『文芸誤報』2:『星の王子さま』サン=テグジュペリ『文芸誤報』2:『ツアー1989』中島京子『文芸誤報』1:『沖で待つ』絲山秋子『文学的商品学』3:平成不況下の貧乏小説『文学的商品学』2:フード小説『文学的商品学』1:浅田次郎『プリズンホテル』『ブックライフ自由自在』2:『ゴードン・スミスのニッポン仰天日記』『ブックライフ自由自在』1:蒲原までの旅『バカのための読書術』3:読まないでいい本『バカのための読書術』2:「史観」とは何か『バカのための読書術』1:蔵書派とカード派・『もっとも危険な読書』1・読書の技法・松岡正剛の書棚 ・『読書歯車のねじまき仕事』2・『三四郎はそれから門を出た』3・『第2図書係補佐』・『東洋文庫ガイドブック2』3・昭和30年代の頃・『喰らう読書術』2:新文字とは何か・『喰らう読書術』1:蔵書の効用・福岡ハカセの本棚・日本語えとせとら**********************************************************************・三浦しをんが選ぶ本・内田先生の街場本 ・本よみうり堂の書評・読書入門*****************************************************************************・気になる書棚・日本大好き異邦人の本・図書館大好き老人の読書一覧・通訳、翻訳についてR2 ・神戸関連の本・オールドウェーブSFなのかも・最強のエッセイストR3・絵本あれこれ・文学賞あれこれ ・書いて稼ぐ技術・探検本あれこれ(その2)・挿絵本あれこれ ・吉岡桂子・編集委員の書評4・吉岡桂子が選ぶ本*****************************************************************************【漱石文体見本帳】北川扶生子著、勉誠出版、2020年刊<「BOOK」データベース>より人間の内面心理を巧みに描いた作家、夏目漱石。しかし、漱石と同じ時代を生きた読者たちは、多彩な表現をあやつる「文章家」として彼を愛していた。日本語の混乱期を漱石はどう泳いだのか?漱石の小説文体を10に分類。具体的な文例を味わいながら、その効果と背景をわかりやすく紹介。明治の日本語はこんなに豊かだった!『こころ』、『吾輩は猫である』、『虞美人草』、『それから』、『門』、『文学論』、『文学評論』、『道草』ほか多数掲載。<読む前の大使寸評>いろんな文例をもとに明治の日本語が語られているようです。やや難しいが読んでみよう。rakuten漱石文体見本帳『漱石文体見本帳』:教育勅語はなぜ漢文調なのか
2020.08.26
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図書館に予約していた『上級国民/下級国民』という本を、待つこと9ヵ月ほどでゲットしたのです。この本の「はじめに」で高級官僚の存在や神戸市営バスの運転手の事件が載っているので、見てみましょう。【上級国民/下級国民】橘玲著、小学館、2019年刊<「BOOK」データベース>より「下級国民」を待ち受けるのは、共同体からも性愛からも排除されるという“残酷な運命”。一方でそれらを独占する少数の「上級国民」たち。ベストセラー『言ってはいけない』の著者があぶり出す、世界レベルで急速に進行する分断の正体。<読む前の大使寸評>この本の「はじめに」で高級官僚の存在や神戸市営バスの運転手の事件が載っているので、見てみましょう。<図書館予約:(10/24予約、副本16、予約283)>amazon上級国民/下級国民この本の「PART1 下級国民の誕生」から、見てみましょう。p18~19日本のサラリーマンは世界でいちばん会社を憎んでいる「エンゲージメント」は、会社への関与の度合いや仕事との感情的なつながりを評価する基準です。エンゲージメントの強い社員は仕事に対してポジティブで会社に忠誠心を持っており、エンゲージメントが低いと仕事にネガティブで会社を憎んでいます。当然、社員のエンゲージメントが高い会社ほど生産性は高くなります。 近年になってエンゲージメントの重要性が認識されるようになって、コンサルタント会社を中心にさまざまな機関による国際比較が公表されています。日本経済の「不都合な真実」は、ほぼすべての調査において、日本の労働者(サラリーマン)のエンゲージメントが極端に低いことです。 ・・・世界22ヶ国のエンゲージメントレベルを評価した調査では、トップはインドの評価点25%デ、メキシコが2位で評価点19%、アメリカは中間で評価点1%、日本は最下位で評価点はマイナス23%でした。 一人当りの平均年間総実労働時間を見ると、1980年代の日本は2000時間を超えて先進諸国で圧倒的に長かったのですが、2015年には1719時間まで減少しました(アメリカは1790時間で日本と逆転しています)。それにもかかわらず、15~64歳の男性にかぎれば日本のサラリーマンはあいかわらず世界でもっとも長時間労働をしています。なぜこんなことになるかというと、短時間労働の非正規雇用が増える一方で、そのしわ寄せが正社員のチュ時間労働とサービス残業につながっているからです。『上級国民/下級国民』1
2020.08.26
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図書館に予約していた『倒れるときは前のめりふたたび』という本を、待つこと半年ほどでゲットしたのです。この本の目次を見てみると・・・取りあげた本の数々がなかなか興味深いのでおます。【倒れるときは前のめりふたたび】有川ひろ著、KADOKAWA、2019年刊<「BOOK」データベース>より「有川浩」改め「有川ひろ」のエッセイ集“ふたたび”!ペンネーム変更の理由も語られる、エッセイ等41本+小説2編も特別収録。<読む前の大使寸評>この本の目次を見てみると・・・取りあげた本の数々がなかなか興味深いのでおます。<図書館予約:(2/18予約、8/16受取)>rakuten倒れるときは前のめりふたたび神戸市民として次の章が気になるので、見てみましょう。p194~198「鎮魂」の名の下に二度と対立が起こらぬように 2017年冬、兵庫県中央区のメリケンパークに、「めざせ! 世界一のクリスマスツリーPROJECT」として、高さ約三十メートルの巨大クリスマスツリーが設置されました。 企画は「プラントハンター」という肩書きでメディアにも出演する男性によるものでした。富山県氷見市に生えていた推定樹齢百五十年の木を輸送し11月17日に設置、12月2日から26日まで一般公開されていました。 ですがこのプロジェクトについては、告知された経緯や情報に虚偽があるのではという声や、またイベントが「鎮魂」を煽ったことに対しての反発、グッズ販売など商業展開への批判などが広がり、イベンント中止を求める意見も多く挙がることとなりました。 大阪芸術大の純丘曜彰教授(哲学)は、「なぜ神戸に半殺しの生木を吊るしてはいけないのか:震災死者を冒涜する#世界一のクリスマスツリーの売名鎮魂ビジネス」と題した文章をインターネット上に投稿しました。その一節に「鎮魂どころか、ようやく癒えた傷口にナイフを突き立て、心臓の中まで掻き回し、被災者を、そして、死者たちを冒涜する」という記述がありました。 この文章が「腑に落ちた」という思いから、「あくまでも個人的な意見として」綴った下記の文章は、ネットメディアである「産経WEST」に寄稿し、ツリーが公開中の12月23日に掲載されたものです。(中略) 物議を醸している「世界一のクリスマスツリー」について。 私は田舎の出身ですから、山の間伐材の重要さも、間伐材を利用することによる林業の活性かも理解しているつもりです。 割り箸をむやみに否定してマイ箸を持ち歩くことが流行ったときも、「エコだから」と誇るようにマイ箸を取り出した方に「本当に日本の林業や木のことを考えるなら、国産材を使った割り箸を使うほうがいい」と言ったことがあります。(中略) だからこそ、震災の「被害」について軽々に語ってはならないと思いました。 大した苦労もせずに震災を過ごした私が、被害の痛ましさを分かったように語ってはならないと思いました。 それは、当時、私と同じようなレベルで震災を体験した人々の間に、暗黙の了解としてあったことのように思います。 作家になってから東日本大震災が起こったとき、過度な自粛に対する危惧から、自粛は被災地を救わないという発言はしました。 曲りなりにも大規模地震を経験したことがある人間でなくては公に言いにくいことですし、これは自分の実感として確かにあったことだからです。『倒れるときは前のめりふたたび』1
2020.08.25
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<『倒れるときは前のめりふたたび』1>図書館に予約していた『倒れるときは前のめりふたたび』という本を、待つこと半年ほどでゲットしたのです。この本の目次を見てみると・・・取りあげた本の数々がなかなか興味深いのでおます。【倒れるときは前のめりふたたび】有川ひろ著、KADOKAWA、2019年刊<「BOOK」データベース>より「有川浩」改め「有川ひろ」のエッセイ集“ふたたび”!ペンネーム変更の理由も語られる、エッセイ等41本+小説2編も特別収録。<読む前の大使寸評>この本の目次を見てみると・・・取りあげた本の数々がなかなか興味深いのでおます。<図書館予約:(2/18予約、8/16受取)>rakuten倒れるときは前のめりふたたび有川ひろさんの生真面目な一面から、見てみましょう。p172~174災害時のTwitter利用に関して「熊本の避難所で水が不足しているそうです! 有川先生の力でネット上で拡散してください!」というようなお願いがTwitterのほうに来まして、これは類似の過ちを防ぐためにも、しっかりご説明申し上げておかねばならないことだと思いましたので、急遽この文章を書いております。 本人証明ができず、5W1Hがそろっていない出所不明なネット上の情報を、むやみに拡散することが、状況の打開に有効であるとは思えません。 上記のお願いは、ネット上なので本人証明がそもそも不可能ですし、 When(いつ)Where(どこで)Who(誰が)What(何を)Why(なぜ)したのか? それに対してHow(どのように)すべきか、あるいはしてほしいのか? という情報の一切が欠け落ちています。 災害時に水が真っ先に不足することは既に経験則として自衛隊を含む各救援団体が充分に承知していることで、それは早急に対策が取られているはずです。 また、「水」の運搬・分配は素人にはできないことで、それこそ救助活動に携わる関係機関の窓口に通報すべきことです。 このお願いをして来られたご本人が、本当にそのことについて危機感を持っているのなら、ネット上で本人証明ができない「有川浩と覚しき人」などに「お願いです!」と言う前に、自治体・自衛隊・警察・消防・内閣などの公的機関に通報するべきです。
2020.08.25
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図書館で『漱石文体見本帳』という本を、手にしたのです。ぱらぱらとめくってみると、いろんな文例をもとに明治の日本語が語られているようです。【漱石文体見本帳】北川扶生子著、勉誠出版、2020年刊<「BOOK」データベース>より人間の内面心理を巧みに描いた作家、夏目漱石。しかし、漱石と同じ時代を生きた読者たちは、多彩な表現をあやつる「文章家」として彼を愛していた。日本語の混乱期を漱石はどう泳いだのか?漱石の小説文体を10に分類。具体的な文例を味わいながら、その効果と背景をわかりやすく紹介。明治の日本語はこんなに豊かだった!『こころ』、『吾輩は猫である』、『虞美人草』、『それから』、『門』、『文学論』、『文学評論』、『道草』ほか多数掲載。<読む前の大使寸評>いろんな文例をもとに明治の日本語が語られているようです。やや難しいが読んでみよう。rakuten漱石文体見本帳漢文調文体とやらを、見てみましょう。p51~53文体は「内容識別記号」 日本語の長い歴史のなかでつちかわれてきた、文体にまつわるニュアンスは、言文一致体が成立したあとも受け継がれています。たとえば、「なんたる失態だ・・・私は慨嘆した」(夏川草介『神様のカルテ』)と漢文調で言うと、何だか堂々とした感じがします。また、「」(谷崎潤一郎『盲目物語』)という和文調は、現代の読者にとっても、どこかやわらかい感じがします。 言文一致体の文章しかほとんど読まない現代の私たちですら、文体にまつわるニュアンスを感じとるのですから、ましてや、このあいだまで文語体を使っていた明治人にとって、文体の違いは大きな識別機能を持っていました。どういう文体で書かれているか、が内容の理解を補うのです。「教育勅語」はなぜ漢文調なのか 実例で見てみましょう。次に掲げるのは、戦前の日本で、いちばんよく読まれたと思われる漢文調文体です。 朕推フニ我カ皇祖皇宗国ヲ肇ムルコト宏遠ニ徳ヲ樹ツコト深厚ナリ我カ臣民克ク忠ニ克ク孝ニ億兆心ヲ一ニシテ世世ソノ美ヲ成セルハ此レ我カ国体ノ精華ニシテ教育ノ淵源亦実ニ此ニ存ス爾臣民父母ニ孝ニ兄弟ニ友ニ夫婦相和シ朋友朋信シ恭倹己レヲ持シ博愛衆ニ及ホシ学ヲ修メ業ヲ習ヒ以テ智能ヲ啓発シ徳器ヲ成就シ進テ公益ヲ広メ世務ヲ開キ常ニ国憲ヲ重シ国法ニ遵ヒ一旦緩急アレハ義勇公ニ奉シ以テ天壌無窮ノ皇運ヲ扶翼スヘシ・・・(「教育勅語」1980年)
2020.08.24
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図書館に予約していた『上級国民/下級国民』という本を、待つこと9ヵ月ほどでゲットしたのです。この本の「はじめに」で高級官僚の存在や神戸市営バスの運転手の事件が載っているので、見てみましょう。【上級国民/下級国民】橘玲著、小学館、2019年刊<「BOOK」データベース>より「下級国民」を待ち受けるのは、共同体からも性愛からも排除されるという“残酷な運命”。一方でそれらを独占する少数の「上級国民」たち。ベストセラー『言ってはいけない』の著者があぶり出す、世界レベルで急速に進行する分断の正体。<読む前の大使寸評>この本の「はじめに」で高級官僚の存在や神戸市営バスの運転手の事件が載っているので、見てみましょう。<図書館予約:(10/24予約、副本16、予約283)>amazon上級国民/下級国民この本の「はじめに」で高級官僚の存在や神戸市営バスの運転手が載っているので、見てみましょう。p3~7はじめに 2019年4月、東京・池袋の横断歩道で87歳の男性が運転する車が暴走、31歳の母親と3歳の娘がはねられて死亡しました。この事件をめぐってネットに飛び交ったのが「上級国民/下級国民」という奇妙な言葉です。 事故を起こしたのは元高級官僚で、退官後も業界団体会長や大手機械メーカーの取締役などを歴任し、2015年には瑞宝重光章を叙勲していました。たまたまその2日後に神戸市営バスにはねられて2人が死亡する事故が起き、運転手が現行犯逮捕されたことから、「池袋の事故を起こした男性が逮捕されないのも、マスコミが“さん”づけで報道しているのも「上級国民」だからにちがいない」「神戸のバス運転手が逮捕されたのは「下級国民」だからだ」との憶測が急速に広まったのです。 すでに報じられているように、男性が逮捕されなかったのは高齢のうえに事故で骨折して入院していたからで、メディアが“さん”づけにしたのは“容疑者”の表記が逮捕や指名手配された場合にしか使えないためですが、こうした「理屈」はまったく聞き入れられませんでした。 2015年5月には川崎市で51歳の無職の男が登校途中の小学生を襲う事件が起き、その4日後に元農水事務次官の父親が自宅で44歳の長男を刺殺しました。長男はふだんから両親に暴力をふるっており、事件当日は自宅に隣接する区立小学校の運動会の音に腹を立てて「」などといったことから、「怒りの矛先が子どもに向いてはいけない」と殺害を決行したと父親は供述しています。 この事件を受けて、こんどはネットに困惑が広がりました。彼らの世界観では、官僚の頂点である事務次官にまでなった父親は「上級国民」で、自宅にひきこもる無職の長男は「下級国民」だからです。 「上級国民」という表現は、2015年に起きた東京オリンピックエンブレム騒動に端を発しているとされます。 このときは著名なグラフィックデザイナーの作品が海外の劇場のロゴに酷似しているとの指摘が出て、その後、過去の作品にも盗用疑惑が噴出し大きな社会問題になりました。その際、日本のグラフィックデザイン界の大御所で、問題のエンブレムを選出した審査委員長が、「専門家のあいだではじゅうぶんわかり合えるんだけれども、一般国民にはわかりにくい、残念ながらわかりにくいですね」などと発言したと伝えられました。 これが「素人は専門家に口答えするな」という「上から目線」として批判され、「一般国民」に対して「上級国民」という表現が急速に広まったとされます。(「ニコニコ大百科」「上級国民」の項より) このように当初は「専門家/非専門家」を表すネットスラングだったものがいつの間にか拡張され、池袋の事故をきっかけに、「日本社会は上級国民によって支配されている」「自分たち下級国民は一方的に搾取されている」との怨嗟(ルサンチマン)の声が爆発したのです。
2020.08.24
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図書館予約で借りた村上春樹著『猫を棄てる』を読んでいるが・・・ええでぇ♪新書よりちょっと大きいサイズのハードカバーで、挿絵が多くてビジュアルな短篇である。この挿絵を描いたのが台湾出身の若い女性イラストレーター・高研さんである。【猫を棄てる】村上春樹著、文藝春秋、2020年刊<「BOOK」データベース>より時が忘れさせるものがあり、そして時が呼び起こすものがある。ある夏の日、僕は父親と一緒に猫を海岸に棄てに行った。歴史は過去のものではない。このことはいつか書かなくてはと、長いあいだ思っていた。-村上文学のあるルーツ。<読む前の大使寸評>新書よりちょっと大きいサイズのハードカバーで、挿絵が多くてビジュアルな短篇である。この挿絵を描いたのが台湾出身の若い女性イラストレーター・高研さんである。<図書館予約:(5/31予約、8/16受取)>rakuten猫を棄てるこの本の冒頭の語り口を、紹介します。p9~13 父親に関して覚えていること。 もちろん父に関して覚えていることはたくさんある。なにしろこの世に生を受けてから、十八歳になって家を離れるまで親子として、それほど広くもない家の中で、ひとつ屋根の下で、当然のこととして万一起居を共にしていたのだから。 僕と父の間には(おそらく世の中のたいていの親子関係がそうであるように)楽しいこともあれば、それほど愉快ではないこともあった。でも今でもいちばんありありと僕の脳裡に蘇ってくるのは、なぜかそのどちらでもない、とても平凡な日常のありふれた光景だ。 たとえばこんなことがあった。 我々が夙川(兵庫県西宮市)の家に住んでいる頃、海辺に一匹の猫を捨てに行ったことがある。子猫ではなく、もう大きくなった雌猫だった。どうしてそんな大きな猫を捨てに行ったりしたのか、よく覚えていない。 我々が住んでいたのは庭のある一軒屋だったし、猫を飼うぐらいのスペースはじゅうぶんあったからだ。あるいはうちにいついた野良猫のお腹が大きくなってきて、その子供の面倒まではみられないと親は考えたのかもしれない。でもそのあたりの記憶は定かではない。 いずれにせよ当時は、猫を捨てたりすることは、今に比べればわりに当たり前の出来事であり、とくに世間からうしろ指を差されるような行為ではなかった。猫にわざわざ避妊手術を受けさせるなんて、誰も思いつかないような時代だったから。 僕はまだ小学校の低学年だったと思う。おそらく昭和30年代の初めだったろう。うちの近くには、戦時中に米軍の爆撃を受けて廃墟になったままの銀行の建物がまだ残されていた。まだ戦争の爪跡が残っていた時代だ。 ともあれ父と僕はある夏の午後、海岸にそのお雌猫を捨てに行った。父が自転車を漕ぎ、僕が後ろに乗って猫を入れた箱を持っていた。夙川沿いに香枦園の浜まで行って、猫を入れた箱を防風林に置いて、あとも見ずにさっさとうちに帰ってきた。(中略) とにかく父と僕は香枦園の浜に猫を置いて、さよならを言い、自転車でうちに帰ってきた。そして自転車を降りて、「かわいそうやけど、まあしょうがなかったもんな」という感じで玄関の戸をがらりと開けると、さっき棄ててきたはずの猫が「にゃあ」と言って、尻尾を立てて愛想良く僕らを出迎えた。先回りをして、とっくに家に帰っていたのだ。村上春樹の自叙伝のようなお話しが興味深いのである。太子は香枦園の浜あたりの土地勘もあるんでなおさらでおます。
2020.08.23
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このところ、多和田葉子の作品を集中的に読んでいるのだが・・・デジタル朝日で『(文化の扉)多和田文学、ふわり越境』という記事を見て、この際、多和田さんのアンソロジーを編んでみました。・(文化の扉)多和田文学、ふわり越境(2019年)・文学界(2019年1月号)(2019年)・歓待する文学(2018年刊)・地球にちりばめられて(2018年刊)・言語、非言語、文化、異文化のはざまで言葉を編む(2016年)・献灯使(2014年刊)・雪の練習生(2011年刊)・エクソフォニー(2006年刊)・容疑者の夜行列車(2002年刊)R6:「雪の練習生」を追記***********************************************************************『文学界(2019年1月号)』2:古市憲寿とメディアアーチスト・落合陽一との対談『文学界(2019年1月号)』1:台湾人作家・温又柔との対談『地球にちりばめられて』4:「第10章 クヌートは語る3」『地球にちりばめられて』3:「第9章 Hirukoは語る3」『地球にちりばめられて』2:第6章 Hirukoは語る2『地球にちりばめられて』1:独自の言語“パンスカ”『歓待する文学』4:小野正嗣さんのフランス体験『歓待する文学』3:J・M・クッチェーの『マイケル・K』『歓待する文学』2:村上春樹の自伝的エッセイ『歓待する文学』1:雪の練習生『献灯使』4:言語の輸出入『献灯使』3:日本の鎖国『献灯使』2:「ナウマン象」『献灯使』1:『献灯使』の語り口『雪の練習生』『エクソフォニー』4:ハンブルグ『エクソフォニー』3:森鴎外とドイツ語『エクソフォニー』2:マルセイユ『エクソフォニー』1:北京『容疑者の夜行列車』2:北京へ『容疑者の夜行列車』1:グラーツへ*********************************************************************** <『歓待する文学』>図書館で『歓待する文学』という本を手にしたのです。小野正嗣が選りすぐりの作品について十三回の放送で紹介する構成であるが、取りあげた作品が、ええでぇ♪【歓待する文学】小野正嗣著、NHK出版、2018年刊<「BOOK」データベース>より文学は私たちの心にどう入り込み、個人の生活や社会に影響を与えるのか。芥川賞作家である著者が欧米、アフリカ、中東、アジアの選りすぐりの作品を紹介。書き手がどのような土地に根ざし、どういう言語で作品を生み出したのか、それが読み手にどう作用するのかを探る。<読む前の大使寸評>小野正嗣が選りすぐりの作品について十三回の放送で紹介する構成であるが、取りあげた作品が、ええでぇ♪歓待する文学『歓待する文学』1:雪の練習生『歓待する文学』3で、J・M・クッチェーが語られているので、見てみましょう。p93~96<第7回 こんな風にしても人は生きていける> このヨンヘと同じような境遇にあった男がいました。彼もまたあらゆる食物を摂取することを拒否します。栄養失調と疲労で意識を失い、医師のもとに運び込まれます。フェリシティという看護の女性が毛布でくるんだ、この40キロにも満たない小柄の老人マイケルズ(しかし本人は自分の名はマイケルだと主張します)に、医師は鼻からチューブを挿入し、糖分と牛乳を与えます。 マイケルズに意識がもどった。彼が最初にやったことは鼻からチューブを引き抜くことで、フェリシティが止めようとしたが間に合わなかった。いまはドアのそばに何枚も重ねた毛布の下で寝ているが、まるで死体のようだ。何も食べようとしない。小枝のような腕で栄養物の瓶を押しのける。「俺の食べ物じゃない」と言わんばかりに。(226頁) これはJ・M・クッチェーの『マイケル・K』の一節です。クッチェーは南アフリカ出身の作家です。ノーベル賞作家(2003年に受賞)としてご存知の方も多いでしょう。クッチェーはブッカー賞(現マン・ブッカー賞)を二度受賞している数少ない作家のひとりですが、その一度目はこの『マイケル・K』という長篇に与えられました。 僕は一度、クッチェーに会ったことがあります。2014年にイギリスのノリッチで開催された「ワールズ」という文学会議に参加したことは、これまで何度か述べました。僕はそこで『ファミリー・ライフ』の著者アキール・シャルマと親しくなったのですが、そこにクッチェーも招待されていました。 クッチェーに会えるのだから、機会があればサインをしてもらおうと持参したのが、原書の『マイケル・K』と『少年時代』でした。会議のあとの朗読会で、隣の席に座る機会がありました。そこでずっとカバンに入れてあったこの2冊を取り出し、サインをしてくださいとお願いしました。 クッチェーは快くサインをしてくれました。「実は、ミスター・クッチェーの講演を聴いたことがあります。あなたが来日されて早稲田大学で講演されたときです。あれはたしか2006年でした・・・」と話しかけていると、「あ・・・」と、僕の手渡した本にペンを走らせていたクッチェーが小さな声を漏らしました。「きみの話を聞いてたら、2006年って書いてしまった・・・」。 そのときの文学会議の主題が「ノスタルジア」であったことはすでに話しました。『マイケル・K』もまた郷愁の物語と言ってもよいかもしれません。ただし郷愁に駆られるのは、主人公のマイケル・Kではなく、彼の母親です。 南アフリカのケープタウンに暮らすマイケル・Kは、30過ぎの独身の庭師です。口唇烈があり、あまり友人はいません。彼には長年家政婦として働いてきた母親がいます。病気に苦しむ母親は死ぬ前に自分が幸福な少女時代を過ごしたプリンスアルバートという農場の多い地域に戻りたいと言います。しかし、この小説のなかの南アフリカは明らかに内戦状態です(この作品は、アパルトヘイトが行われていた1983年に刊行)。 夜間外出禁止令が出されるだけでなく、人々の移動も厳しく制限されています。通行許可証のないKと母親はケープタウンの外に出ることもできません。それでもKは母の願いを叶えたいと思います。「なぜ自分がこの世に生れてきたかという難題にはすでに答えが出ていた。母親の面倒を見るために生れてきたのだ」(13頁)。 Kは手製の手押し車を作り、それに母親を乗せ、母の故郷へと向かう旅に出発します。しかしその間に母の病気は悪化し、途中の病院で亡くなります。その遺灰を持って、Kはプリンスアルバートを目指します。『歓待する文学』4で、小野正嗣さんのフランス体験が語られているので、見てみましょう。p8~10<第1回 文学は歓待する> 1997年に僕はフランスに留学しました。パリの北の郊外サン・ドニにあったパリ第八大学の大学院です。 その翌年だったでしょうか、パリ第八大学も会場になった、文学をめぐる大きな国際シンポジウムが開催されました。そこで僕は手伝いの学生として、質疑応答の際にマイクを運ぶ係をしました。 非常に活発な議論が展開され、僕はひなに餌を運ぶ母鳥のように会場のなかを行ったり来たり大忙しでした。そのなかでとりわけ大食漢のひながいました。餌が必用なのはよくわかります。栄養が足りていないのかもしれない。頭はつるつるで目はらんらんと輝き、小柄で痩せています。周囲のひなたちもそれがわかっているのか、彼が質問のために挙手をする前から、彼のところへ行け、としきりに僕に目配せするのです。 シンポジウム終了後のレセプションで、そのひな鳥であった50代後半の大学教授がすたすた僕に近づいてきました。餌(マイクですね)を運んだお礼を言いたかったのでしょうか。開口一番こう訊いてきました。「マイクをずっと持ってたのに、なぜきみは発言しなかったの?」 戸惑いながらも僕はこう答えました・・・僕のフランス語のレベルでは機知に富んだ返事ができるはずもないので、正直に。「だって馬鹿だからです」 すると、クロード・ムシャールあ青い瞳を嬉しそうに輝かせて微笑みました。「僕もそうなんだよ!」 それをきっかけに僕たちは意気投合し、気づけば僕はちょくちょく彼が妻のエレーヌと暮らすオルレアンの自宅を訪れるようになっていました。クロードはパリ第八大学文学部教授でしたが、詩人でもあり翻訳者でもありました。 パリ第八大学は海外からの留学生が多いので、そうした学生たちと一緒に彼ら・彼女らの出身国の詩人の作品を翻訳していました。僕も彼と日本の詩人を訳すようになりました。何度も自宅に招かれて、キッチンの大きなテーブルや中庭のマグノリアの木陰にあるテーブルについて彼と翻訳をしました。 今度は餌を与えられるのは僕のほうです。クロードはお菓子作りの名人で、手製のタルト・タタンやガトー・ショコラを訪問のたびに御馳走になりました。僕はそれから1年後くらいには、彼とエレーヌの自宅の一部である建物の一室に暮らすようになり、朝から晩まで二人の家で時間を過すようになっていました。食事も二人と食べることが多かったので、居候も同然、というか家族も同然の生活でした。 二人の家は、とにかく本だらけなのですが、その書棚はフランス文学ばかりではなく、世界に向けて開かれていました・・・クロードは世界の文学につねに生き生きした興味を抱いている人でした。でなければ、留学生に好きな詩人や小説家について尋ね、それを一緒に翻訳して、フランスに紹介しようとは思わないでしょう。 彼はフランスの著名な詩人ミシェル・ドゥギーが創刊した季刊の雑誌Po&sie(『ポエジー』)の副編集長の一人でもあり、ドゥギーと仲間の編集委員たちとともに、この雑誌を世界の文学に開こうとつねに奮闘していました。 フランスの詩人や批評家、哲学者が寄稿することの多い『ポエジー』が、韓国現代詩特集号、日本現代詩特集号を刊行し、二号にわたってアフリカの諸地域の詩人たちを特集したのは、クロードのこの雑誌への大きな貢献です。つまり彼は『ポエジー』という雑誌を世界中の文学を歓待してきたわけです。***********************************************************************<(文化の扉)多和田文学、ふわり越境>デジタル朝日が「日独2言語で/言葉遊びとユーモアと」と説いているので、紹介します。この記事を紙媒体でスクラップしたのだが、電子媒体でも保存するところが、いかにも老人であるなあ。(この記事を6/24デジタル朝日から転記しました)ドイツ在住の作家、多和田葉子が世界的に注目を集めている。日本、ドイツ、米国で権威ある文学賞を受けてきた。作風は前衛的で国境や言語にとらわれないコスモポリタン。と同時に、日本語の魅力を追究した日本文学である。 多和田葉子は大学卒業後、22歳でハンブルクに移住した。現在はベルリンに暮らす。日本語とドイツ語の両方で、小説や詩を発表してきた。日本では芥川賞、谷崎潤一郎賞、野間文芸賞といった純文学の大きな賞を次々に受賞。ドイツではクライスト賞を受け、独特の文体が評価された。いま、世界で活躍する日本人作家のひとりだ。 昨秋には英語版の「献灯使」が米国の権威ある文学賞、全米図書賞の翻訳文学部門を受賞した。大災厄の後に鎖国を選んだ近未来の「日本」が舞台。訳者の満谷マーガレットさんは、「受賞作は震災後の汚染された日本を描く。決して日本だけの問題ではない。全米図書賞という重要な賞を受けたことでこの作品が世界で広く読まれ、受け止められる、その意義は大きいと思う」と話す。 100歳を超えても頑丈な老人たちが社会を支え、子どもは弱くて歩けない。「彼女のファンタジーは現実に根ざしているから力がある」と満谷さん。深刻な物語だが、ユーモアに包まれ、読後感は朗らか。理由の一つに多和田作品の特徴である言葉遊びがある。「献灯使」では「みどりの日」があるなら「赤の日」も、と休日が際限なく増えていく。すたれてきた性交を奨励する「枕の日」、「インターネットがなくなった日を祝うのは「御婦裸淫の日」だ。***********************************************************************<『雪の練習生』>図書館に予約していた『雪の練習生』という本を、待つこと1週間ほどでゲットしたのです。ホッキョクグマ三代の物語とのことで、興味深いのでおます。【雪の練習生】多和田葉子著、新潮社、2011年刊<「BOOK」データベース>よりサーカスの花形から作家に転身し、自伝を書く「わたし」。その娘で、女曲芸師と伝説の「死の接吻」を演じた「トスカ」。さらに、ベルリン動物園で飼育係の愛情に育まれ、世界的アイドルとなった孫息子の「クヌート」。人と動物との境を自在に行き来しつつ語られる、美しい逞しいホッキョクグマ三代の物語。<読む前の大使寸評>ホッキョクグマ三代の物語とのことで、興味深いのでおます。<図書館予約:(8/01予約、8/08受取)>rakuten雪の練習生***********************************************************************以降については、『多和田葉子アンソロジー』R5による。『多和田葉子アンソロジー』R5
2020.08.22
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早朝に散歩する太子であるが、南東の空に月と金星が見えるのです。ちょうど三日月の内側に金星が位置しているが、これって中東諸国が好むマークではないか。また、このマークは春分と関係があるのではないか?テレビでは炎暑による熱中症の危険性について注意をうながしているが・・・「小さい秋」の気配が見えないわけでもないでぇ♪『日本のならわしとしきたり』という蔵書に二十四節季の記事があることを思い出したのです。【日本のならわしとしきたり】ムック、 徳間書店、2012年刊<内容紹介>ありふれたムック本ということなのか、ネットにはデータがありません。<大使寸評>とにかく「今日は二十四節季でいえば、何になるか♪」を知りたいロボジーにとって、座右の書となるでしょう♪Amazon日本のならわしとしきたり地蔵盆この本で、処暑のあたりを見てみましょう。和暦p22<処暑>太陽の勢いが鎮まり、新涼の気配を感じるころ 現行の暦では、8月23日ころ第1日目を迎え、白露(9月9日ころ)に入る前日までの15日間が「処暑」となる。 ちなみに二十四節季の名称には、1日目のみを指す場合と期間全体をさす場合があり、混同を避けるため、初日を「処暑の日」、期間全体を「処暑」あるいは「処暑節季」と呼び区分している。 処暑に入ると『暦便覧』に「陽気とどまりて、初めて退きやまむとすれば也」と記されている通り、夏の太陽の勢いが徐々に鎮まり、朝夕は過しやすい陽気となる。春先のひと雨ごとに暖かくなる「三寒四温」に対して、逆バージョンの現象といえよう。 処暑の期間の行事には、教育関連では夏休みの終了と新学期の始まり。地域の催しでは、子供達の健やかな成長を願って開催される「地蔵盆」、二百十日の台風などがある。地蔵盆は京都を中心とした近隣地区のならわし。残念ながら関東以北では行われていない。 処暑の期間の七十二候には、「綿のはなしべ開」綿を包む萼(がく)が開く、「天地始粛」ようやく暑さが鎮まる、「禾乃登(こくものすなわちみのる)」米などが実る、がある。 綿花がはじけ、中の白い綿が見える。これは、収穫が近いことを表している。二十四節季の立秋に注目二十四節季の大暑に注目二十四節季の小暑に注目
2020.08.21
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痔とつきあい浅からずの太子であるが・・・ネットで有益な記事をみつけたので、見てみましょう。2020.8.20肛門名医が伝授するラクラク排便法5つの極意より 痔を予防・改善するために重要なのは、日常生活で肛門に炎症を起こす要因を、できるだけ減らすこと。ポイントになるのは、①便通の異常②肉体疲労③ストレス④冷え⑤飲酒⑥生理⑦座業(デスクワークなど)の7つだ。 特に①では「便秘」が痔の最大の原因となる。便秘になると硬くなった便が肛門を傷つけ、細菌感染から炎症を引き起こす。それに「いきんで出す」ので、肛門がうっ血して痔核(いぼ痔)になりやすいのだ。排便は本来、毎朝いきむことなく、自然な便意で出すことが理想。そのためには、もともと人間に備わった「起立反射」と「胃・結腸反射」が、朝起床してスムーズに起こることが大切になる。(中略)「日中の仕事中は、肛門周囲のうっ血に注意することを心がけてください。特にデスクワークの長時間の座りっぱなしは、肛門に大きな負担をかけます。うっ血を防ぐ簡単な方法は『10メートル歩き』です。1時間座ったら、席を立って10メートルほど部屋の中を歩くのです。しかし、仕事に熱中していると難しいので、キッチンタイマーで1時間ごとに鳴るようにセットしておくのがいいでしょう。立ち仕事で自由に体を動かせない人には『肛門体操』をお勧めしています」
2020.08.21
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新型コロナウイルス感染の初期から専門家集団の動きには不信感が漂っているわけで・・・専門家集や保健所は住民のために働いているのか? 自己保身のために働いているのか?・・・ということで調べてみました。wikipedia尾身茂より独立行政法人地域医療機能推進機構理事長(初代)尾身茂(おみ しげる、1949年(昭和24年)6月11日 - )は、日本の医師、医学者(地域医療・感染症・国際保健)、厚生官僚、国際公務員。学位は医学博士(自治医科大学)。独立行政法人地域医療機能推進機構理事長(初代)、世界保健機関西太平洋地域事務局名誉事務局長、自治医科大学名誉教授、新型インフルエンザ等対策閣僚会議新型インフルエンザ等対策有識者会議会長兼新型コロナウイルス感染症対策分科会長。 東京都立墨東病院や伊豆諸島の診療所での勤務を経て、自治医科大学医学部助手となり、厚生省保険局医療課に勤めたのち、世界保健機関西太平洋地域事務局事務局長(第5代)、世界保健機関事務局長選挙候補者、自治医科大学地域医療学センター教授、世界保健機関執行理事、独立行政法人年金・健康保険福祉施設整理機構理事長(第2代)、世界保健総会会長などを歴任した。ウーム この尾身茂さんが最も悪質なんではなかろうか?現状では、アベ政府、カリスマ知事(あるいは女帝)、専門家集団トップが好き勝手に唱えているわけで、庶民は安心して専門家集団に身を委ねていいのか? ととまどうわけです。・保坂展人区長が提唱する世田谷モデルがかなり現実的対応であるが・・・そう単純な問題でもないようです。
2020.08.20
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このところ、太子のミニブームとなっている翻訳について取りあげているが・・・柴田元幸さん訳の新連載小説『ガリバー旅行記』を見てみましょう新連載小説『ガリバー旅行記』、12日スタートより12日から夕刊小説『ガリバー旅行記』が始まります(毎週金曜に掲載)。柴田元幸さんの新訳と平松麻さんの挿絵で、18世紀イギリスの風刺小説がよみがえります。柴田さんと、今回の監修者で慶応大教授の原田範行さんを指南役に、子どもから大人まで広く知られた名作をいっそう楽しむための特集をお届けします。■英国の政界を投影 当時のイギリスは、転換期にありました。議会政治と立憲君主制ができあがり、世界でいち早く近代市民社会が形成されていく時代。ダブリン大学卒業後、ロンドン近郊で大物政治家の秘書をしていたスウィフトは、それを間近で目撃します。 ところが、スウィフトはダブリン生まれのアングロ・アイリッシュという出自もあり、結局は思い通りの官職に恵まれませんでした。出世を断たれ、失意のうちに故郷に戻った数年後に書き始めたのが『ガリバー旅行記』です。リリパット国には、トーリー党を思わせる「高踵(ハイヒール)党」、ホイッグ党の「低踵(ローヒール)党」が登場しますが、ロンドンで見聞きした政治状況を虚構にくるんで傑作に昇華させます。 ダブリンに帰ったスウィフトは、イングランドの圧政をペンの力で告発しました。中でも、貧困にあえぐ祖国の窮状を憂えた論文「慎(つつ)ましき提案(A Modest Proposal)」は強烈で、のちに夏目漱石が意気に感じて『文学評論』の中で一部邦訳しています。 第3部にはスタジオジブリの映画「天空の城ラピュタ」のモデルにもなったラピュータが登場しますが、このラピュータに搾取されるバルニバービがアイルランドを下敷きにしているのは明白です。刊行当時は、検閲をおそれて一部削除されましたが、現在の版では読むこともできます。こんにち、スウィフトはアイルランドでは英雄です。 海を越えて旅をするガリバーの造形は、西洋社会の異文化に対する興味を反映しています。当時の航海技術では、太平洋・オセアニアは西洋世界にとってまだ「未知の世界」。手が届きそうだけど到達できていない世界だからこそ、創作の想像力が広がったのです。今でいえば、月や火星を舞台にしたSFといったところでしょうか。新連載小説『ガリバー旅行記』、12日スタート2020.6.05スクラップしてデジタル記事をダブルで保管するのが・・・いかにも老人ではないかと思ってはいるのだが。
2020.08.20
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太子はこれまで、胡散臭い多目的ダムについて注目していたが・・・朝日新聞に気になる報道がありました。豪雨 4ダム過放流かより西日本豪雨などがあった2018年、19年の2年間に、台風などの際に緊急放流をしたダムは全国に14基あり、少なくとも4基のダムが必要以上の水を下流に放流していたとみられることが、管理者の国や県への取材でわかった。見極めが難しい流入量を放流量が上回る「過放流」だった可能性がある。鹿野川ダム 緊急放流は、大雨でダムが満水に近づいたとき、流入量と同じ量まで放流して水位を一定に保つ操作。この際に過放流をした場合、必要以上の水が下流に流れることになり、浸水被害につながる可能性もある。 国土交通省によると、2018年7月の西日本豪雨で8基のダム、昨年10月の台風19号では6基で緊急放流が行われていた。朝日新聞は、ダムを管理する国交省や県への情報公開請求などで、当時の放流量や流入量、水位などが記された「操作記録」を入手した。 それによると、西日本豪雨時の「鹿野川ダム」(愛媛県大洲市)と「野村ダム」(同県西予市)、台風19号時の「塩原ダム」(栃木県那須塩原市)と「高柴ダム」(福島県いわき市)で、緊急放流中にダムの水位が下がっていた。 4基のダムでは緊急放流の開始から約25分~2時間後、放流量が流入量に追いつき、水位の上昇が止まった。その後は流入量にあわせた放流が続いており、水位は一定のままになるはずだった。だが、水位は塩原ダムの約1・65メートルのほか、3基のダムでも約1メートル~約0・35メートル低下。貯水量では約166万5千~約33万トン(東京ドーム1杯分が約124万トン)減っていた。 国交省や各県の担当者によると、緊急放流の操作は、ダムを管理するコンピューターが算出した数値に従って職員が行う。水位は実測値を元に算出され、放流量も正確に把握されている。これに対し、支流などあらゆる所から流れ込む流入量は正確に測れないため、直近10分~1時間単位の流入量を元に「想定値」を算出している。 西日本豪雨時に国交省四国地方整備局の河川管理課長だった渡辺健二氏は「(想定した)流入量が実際の現象を表していなかった可能性がある。結果として、放流量が上回ったかもしれない」と説明。国交省河川環境課も「算出システムの精度が大規模な雨に追いついていない部分はある。今後、何らかの対策をとる必要がある」と話す。 ◇ 愛媛県の肱川流域にある鹿野川、野村両ダムをめぐっては、緊急放流中にダム下流域の大洲市と西予市で約3500棟が浸水し、8人が死亡。下流域の住民らは今年1月以降、「浸水被害が広がったのはダムの緊急放流が原因」として、国などに損害賠償を求める訴訟を松山地裁に起こしている。(山本孝興)豪雨 4ダム過放流か2020.8.19ウーム 要するに多目的ダムの管理者は緊急放流に慣れていないので運転が下手なわけで・・・危険であったというか許せないのだ。
2020.08.19
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『朝日デジタルの書評から』フォームや『読みたい本』フォームを作っているのだが、これを市図書館の予約に利用しようと、思い立ったのです。これまでの予約内容と予約候補は以下のとおりです。<予約中>・ブレイディみかこ『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』(11/13予約、副本19、予約534)現在89位・浅田次郎『大名倒産 (上)』(2/01予約、副本13、予約347)現在105位・浅田次郎『大名倒産(下)』(3/17予約、副本23、予約351)現在162位・内田樹『サル化する世界』(3/25予約、副本2、予約60)現在1位・川越宗一『熱源』(6/08予約、副本33、予約676)現在504位・紗倉まな『春、死なん』(6/14予約、副本2、予約30)現在19位・チャン・ガンミョン『韓国が嫌いで』(7/03予約、副本1、予約7)現在4位・メーター検針員テゲテゲ日記(7/10予約、副本1、予約12、入荷待ち)現在9位・村上春樹『図書館奇譚』(8/27予約、副本11、予約0)<カートで待機中>・N・ネフスキー著『月と不死』・8月の果て・ある日うっかりPTA(副本4、予約39)・グレタたったひとりのストライキ<予約候補>・ブレイディみかこ『ワールドサイドをほっつき歩け』・浅田次郎『草原からの使者 沙高楼奇譚』・角田光代『対岸の彼女』・白井聡『武器としての「資本論」』・小野正嗣『踏み跡にたたずんで』・多和田葉子『文字移植』・藻谷浩介『進化する里山資本主義』・雨宮処凛『ロスジェネのすべて』:図書館未収蔵・山内 一也『ウイルス究極の寄生生命体 (NHK人間講座)』・四方田犬彦『ソウルの風景―記憶と変貌』・小山鉄郎『白川静さんに学ぶ これが日本語』・高野秀行「怪獣記」・キネマ旬報(ありがとう、和田誠さん)・東龍夫『ザ・ソウル・オブ くず屋』:図書館未収蔵・橋本治『黄金夜界』・中園成生『日本捕鯨史』・高野秀行「ワセダ三畳青春記」・高樹のぶ子『アジアに浸る』・つげ義春『ガロ 1968 前衛マンガの試行と軌跡』・ディック『パーマー・エルドリッチの三つの聖痕』:図書館未収蔵・ヘミングウェイで学ぶ英文法:図書館未収蔵・内澤旬子『ストーカーとの七00日戦争』:図書館未収蔵・ジョージ・ミーガン『世界最長の徒歩旅行』:図書館未収蔵・「月夜のでんしんばしら」谷川雁、C.W.ニコル:図書館未収蔵・カズオ・イシグロ著『癒されざる者たち』:図書館未収蔵・菅野修『筋子』・デジタルエコノミーはいかにして道を誤まるか:図書館未収蔵・ネルケ無方著『迷える者の禅修業』<予約分受取:7/01以降> ・ロバート・ウェストール『ブラッカムの爆撃機』(6/27予約、7/01受取)・王力雄『セレモニー』(6/30予約、7/04受取)・宮崎駿の雑想ノート(7/07予約、7/11受取)・『“機関銃要塞”の少年たち』(7/07予約、7/11受取)・鳥類学者だからって、鳥が好きだと思うなよ。(7/15予約、7/22受取)・門井慶喜『定価のない本』(1/12予約、7/22受取)・多和田葉子『雪の練習生』(8/01予約、8/08受取)・有川ひろ『倒れるときは前のめりふたたび』(2/18予約、8/16受取)・村上春樹『猫を棄てる』(5/31予約、8/16受取)・橘玲「上級国民/下級国民」(10/24予約、8/20受取)・サル化する世界(3/25予約、8/30受取予定)【ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー】ブレイディみかこ著、新潮社、2019年刊<「BOOK」データベース>より大人の凝り固まった常識を、子どもたちは軽く飛び越えていく。世界の縮図のような「元・底辺中学校」での日常を描く、落涙必至のノンフィクション。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(11/13予約、副本19、予約546)>rakutenぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー【大名倒産(上)】浅田次郎著、文藝春秋、2019年刊<「BOOK」データベース>より泰平の世に積もりに積もった大借金に嫌気のさした先代は縁の薄い末息子に腹を切らせて御家幕引きを謀る。そうとは知らぬ若殿に次々と難題が降りかかる!笑いと涙の経済エンターテインメント、始まり、始まりー<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(2/01予約、副本13、予約347)>rakuten大名倒産(上)【大名倒産(下)】浅田次郎著、文藝春秋、2019年刊<「BOOK」データベース>より御国入りで初めて見る故郷の美しさ、初めて知る兄弟の情。若殿は倒産阻止を決意するが、家臣共々の努力も焼け石に水。伝家の宝刀「お断り」で借金帳消しの不名誉を被るしかないのか。人も神様も入り乱れての金策に、果たして大団円なるかー<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(3/17予約、副本23、予約351)>rakuten大名倒産(下)【サル化する世界】内田樹著、文藝春秋、2020年刊<「BOOK」データベース>より現代社会の劣化に歯止めをかける、真の処方箋!堤未果氏との特別対談も収録。【目次】1 時間と知性/2 ゆらぐ現代社会/3 “この国のかたち”考/4 AI時代の教育論/5 人口減少社会のただ中で/特別対談 内田樹×堤未果 日本の資産が世界中のグローバル企業に売り渡されるー人口減少社会を襲う“ハゲタカ”問題<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(3/25予約、副本2、予約60)>rakutenサル化する世界【熱源】川越宗一著、文藝春秋、2019年刊<「BOOK」データベース>より故郷を奪われ、生き方を変えられた。それでもアイヌがアイヌとして生きているうちに、やりとげなければならないことがある。北海道のさらに北に浮かぶ島、樺太(サハリン)。人を拒むような極寒の地で、時代に翻弄されながら、それでも生きていくための「熱」を追い求める人々がいた。明治維新後、樺太のアイヌに何が起こっていたのか。見たことのない感情に心を揺り動かされる、圧巻の歴史小説。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(6/08予約、副本33、予約676)>rakuten熱源【春、死なん】紗倉まな著、講談社、2020年刊<「BOOK」データベース>より「春、死なん」妻を亡くして6年の70歳の富雄。理想的なはずの二世帯住宅での暮らしは孤独で、何かを埋めるようにひとり自室で自慰行為を繰り返す日々。そんな折、学生時代に一度だけ関係を持った女性と再会し…。「ははばなれ」母と夫と共に、早くに亡くなった父の墓参りに向かったコヨミ。専業主婦で子供もまだなく、何事にも一歩踏み出せない。久しぶりに実家に立ち寄ると、そこには母の恋人だという不審な男が…。人は恋い、性に焦がれる―いくら年を重ねても。揺れ惑う心と体を赤裸々に、愛をこめて描く鮮烈な小説集。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(6/14予約、副本2、予約30)>amazon春、死なん【韓国が嫌いで】チャン・ガンミョン著、ころから、2020年刊<「BOOK」データベース>より女もすなるフェミニズム小説といふものを、男もしてみむとするなりー韓国「今日の若い作家」シリーズからチャン・ガンミョン作品を初邦訳!<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(7/03予約、副本1、予約7)>rakuten韓国が嫌いで【メーター検針員テゲテゲ日記】川島徹著、三五館シンシャ、2020年刊<「BOOK」データベース>より「あとで来てよ」「えっ」「あとで来いって言ってるだろう!」今日は332件ある。やっと82件目である。同じ家に二度も来るほどのんきなわけにはいかない。あんたね、こっちはそんなのんきな仕事をやっているんじゃないんだよ、と言いたかったが、指先は震えていた。-私は10年間を電気メーター検針員としてすごした。その経験を書いたのが本書である。<読む前の大使寸評>入荷待ちの新刊であっても、予約の先客が12人もいるのか・・・やや出遅れたか。<図書館予約:(7/10予約、副本1、予約12、入荷待ち)>rakutenメーター検針員テゲテゲ日記【図書館奇譚】村上春樹著、新潮社、2014年刊<「BOOK」データベース>より図書館の地下のその奥深く、羊男と恐怖と美少女のはざまで、ぼくは新月の闇を待っていた。あの名短篇が、ドイツの気鋭画家によるミステリアスなイラストと響きあう。新感覚アートブック第三弾!<読む前の大使寸評>追って記入rakuten『図書館奇譚』【月と不死】N・ネフスキー著、平凡社、1971年刊<出版社>より著者は日本民俗学界の異色の存在として知られるロシア人学者で,柳田国男,折口信夫らと親交を結び,沖縄,東北などの民俗を採録した。本書は日本語で発表された論文・書簡を網羅した唯一の著作集。<読む前の大使寸評>ロシア人にして、日本民俗学界の異色の存在が気になるのです。<図書館予約:(とりあえずカートに入れておこう)>heibonsha月と不死【8月の果て】柳美里著、新潮社、2007年刊<「BOOK」データベース>より日本統治下の朝鮮・密陽に生を受け、マラソンでの五輪出場を目指した亡き祖父・李雨哲。そのうしろ姿を追い、路上を駆けることを決意した柳美里。ふたりの息づかいが時空を越えて重なる瞬間、日本と朝鮮半島のあわいに消えた無数の魂が封印を解かれ、歴史の破れ目から白い頁に甦る。偉丈夫の雨哲と美丈夫の弟・雨根。血族をめぐる、ふたつの真実の物語が、いま日本文学を未踏の高みへと押し上げる。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(とりあえずカートに入れておこう)>rakuten8月の果て図書館予約の軌跡225予約分受取目録R23好書好日トップ図書館情報ネットワーク 蔵書検索システム図書館予約の運用にも慣れて、速攻で入手するコツも何となくつかんだと思うのだ♪・朝日書評欄で探すとしたら、3ヶ月前掲載くらいのモノが狙い目かも。・専門的すぎるほどのモノは、予約0となっていることが多い。・受取館に収蔵しているモノは、移送する手間が省けるので早くなるだろう。・本屋の店頭に出た直後の新刊本・ウィキペディアでめぼしい著作を探す・神戸市図書館の予約順位は毎週火曜日(午前1時~3時) に更新されます。
2020.08.19
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通訳、翻訳といえば大使のミニブームであるが・・・この際、通訳、翻訳について集めてみます。・現代女性翻訳家の揃い踏み・群像(2020年6月号)・Haruki Murakamiを読んでいるときに我々が読んでいる者たち・柴田元幸『本当の翻訳の話をしよう』・ジェイ・ルービン『村上春樹と私』・鴻巣友季子『本の森 翻訳の泉』・村上春樹『スメルジャコフ対織田信長家臣団』・村上春樹『私たちの隣人、レイモンド・カーヴァー』・鴻巣友季子『全身翻訳家』・常盤新平『翻訳出版編集後記』・工藤幸雄『ぼくの翻訳人生』・柴田元幸『愛の見切り発車』・『小川洋子対話集』4・柴田元幸『翻訳夜話』・金原瑞人『翻訳のさじかげん』・柳瀬尚紀『日本語は天才である』・『映画字幕は翻訳ではない』・読み、書き、訳すこと・関西弁の通訳・翻訳困りっ話R14:「現代女性翻訳家の揃い踏み」を追記<現代女性翻訳家の揃い踏み>8.11朝日新聞に現代女性翻訳家の揃い踏みのような記事があったので、スクラップしたのです。すなわち、小川洋子、多和田葉子、辛島デイヴィッドのお三方であり、ここに村上春樹や柴田元幸あたりを加えたら・・・現代翻訳家の勢揃いみたいなもんでんがな♪(現代女性翻訳家について8.11デジタル朝日から転記しました) 世界で最も権威ある文学賞の一つ、英国のブッカー賞の翻訳部門にあたるブッカー国際賞=キーワード=が8月26日(現地時間)に発表される。最終候補6作に小川洋子さんの『密(ひそ)やかな結晶』が名を連ねる。近年、英語圏で翻訳文学の存在感が増し、日本の女性作家の注目度が高まっている。(興野優平、板垣麻衣子)■村田沙耶香・多和田葉子ら 翻訳家育つ/「風変わり」の評価も 『密(ひそ)やかな結晶』(英題The Memory Police)は昨年の全米図書賞翻訳部門の最終候補にも残り、高く評価された。ただ、「英語圏で存在感を増しているのは小川さんだけではない」と、同作を英訳した米ミドルベリー大教授(日本文学)のスティーブン・スナイダーさんは言う。「とくにここ5、6年で、日本の翻訳作品がぐっと読まれるようになった」 そもそも、米国では翻訳文学自体、日の目を見ないジャンルだった。流れを変えたのは、村上春樹さんをはじめとする、国外の人気作家の席巻だ。翻訳文学は手間とお金がかかり、割に合わないとする業界の常識を覆したという。 村上さんによって日本人作家への期待値が高まる中で、小川さんの『博士の愛した数式』や、村田沙耶香さんの『コンビニ人間』などが見いだされ、広く支持されるようになった。川上未映子さん、小山田浩子さんらの作品も続々と翻訳された。 翻訳文学の広がりは、文学賞にも影響を与えた。ブッカー国際賞は2016年にそれまで隔年だった選考を毎年に改め、対象を作家から作品に変え、選考の幅を大きく広げた。その年の受賞者は韓国の女性作家のハン・ガンさん。全米図書賞も18年から翻訳部門を復活させ、最初の受賞作は多和田葉子さんの「献灯使」だった。 翻訳文学が評価されるには、優れた訳が欠かせない。現状について、スナイダーさんは「幸運にも、若手を中心に優れた日本語訳者たちが活躍している」と語る。それは文化庁が02年から続ける現代日本文学の翻訳・普及事業によるところが大きいという。自身も、翻訳コンクールなどを通じて、翻訳家の育成に関わってきた。 辛島デイヴィッド・早稲田大准教授(文芸創作・翻訳)は10~16年、英イースト・アングリア大学で、文芸翻訳家を志望する人たち向けのワークショップを主導してきた。ゲストで招いた作家に、訳出について直接質問をぶつけることもできる1週間の合宿形式で、毎年30~40人の応募者から10人を選抜して養成。多くの翻訳家をデビューさせた。 文芸翻訳は従来、大学に所属する学者の「副業」だった。自身の研究に関わる、既に名声が確立した作家が選ばれがちで、「同時代の若手作家が訳されることはまれだった」と辛島さん。「新世代の大学に属さない職業翻訳家が増え、自分が訳したいと思った作品を訳す。訳される作品に多様性が出てきた」と言う。 ただ、辛島さんは課題も挙げる。最近は日本文学がquirky(風変わりな)と評価される傾向もみられるという。「英米の出版界は日本の出版界以上に数字にシビア。売れるものが固定化し、日本文学が『風変わりなもの』として消費をされる懸念はある」■長年、翻訳に壁「ようやくここまで」 ブッカー国際賞の最終候補に挙がる、小川洋子さん『密やかな結晶』は、記憶の消滅が起きる島の物語。消滅が滞りなく進んでいるか、秘密警察が監視の目を光らせている。日本での刊行は94年だったが、訳者のスナイダーさんは「トランプ政権下で真実が失われ、コロナ禍で日常のあらゆるものが消え去るのを目の当たりにした。時を超え、異なる文脈で新しい意味を持った」と指摘する。 小川さん自身は、英語圏への翻訳については、長年壁を感じてきたという。「日本文学を発信したいという人たちの熱意がずっとつながらないと、なかなか出版まではいかなかった印象がありました。長い年月かかって、ようやくここまでたどり着いたなと」 読者が世界に広がることには、格別の思いがある。20年以上前、初めて自著のフランス語訳が出たとき、パリの小さな書店に見にいった。「小川洋子の本はあるか」と年老いた店主に聞くと、ぱっと指さし、そこに本があった。「本当に特別な喜びですね」と振り返る。 「ごくたまに、外国からファンレターをいただくと、自分の手元から飛び立っていった子どもが成長しているような、自分が書いた小説ではないような気持ちになります」 『密やかな結晶』について、「未来を予言して書いたわけではない」と言う。「むしろその真逆で、アンネ・フランクの日記を土台にして、過去を向いて書いた。それが、コロナの時代を迎え、じつは過去ではなかったと思うようになった。時代は変わっているようだけれど、人間は変わらなくて、小説はその変わらないところを書いていく、という気がしている」◆キーワード<ブッカー国際賞> 英語で書かれ、英国で出版された作品が対象のブッカー賞が本賞。1969年に始まった。国際賞は2005年に創設、現在は翻訳部門と位置づけられる。英国で出版された世界中の作品が対象だ。今年は、作家をはじめ、研究者や詩人など多様な選考委員5人が124冊を検討、受賞作を決める。18年に受賞したポーランドのオルガ・トカルチュクさんは、19年にノーベル文学賞(18年分)に輝いた。日本人の受賞はまだない。日本の女性作家 英語圏で存在感2020.8.11<『群像(2020年6月号)』1>本屋の店頭で『群像(2020年6月号)』という雑誌を、手にしたのです。表紙に出ている特集「多和田葉子」「翻訳小説」というコピーに太子のツボが疼くわけでこれは買うっきゃないで・・・ということで久しぶりに雑誌を買い求めたのでおます。【群像(2020年6月号)】雑誌、講談社、2020年刊<商品説明>より[小特集 多和田葉子]・インタビュー「離れていても、孤独ではない人間たちの闘争」 聞き手・構成:小澤英実・評論「多和田葉子の『星座小説』--『星に仄めかされて』をめぐって」岩川ありさ[特集 翻訳小説]・アンケート「最新翻訳小説地図」<読む前の大使寸評>表紙に出ている特集「多和田葉子」「翻訳小説」というコピーに太子のツボが疼くわけでこれは買うっきゃないで・・・ということで久しぶりに雑誌を買い求めたのでおます。rakuten群像(2020年6月号)『群像(2020年6月号)』1:翻訳小説に関する辛島デイヴィッドのレポート<『Haruki Murakamiを読んでいるときに我々が読んでいる者たち』2>図書館で『Haruki Murakamiを読んでいるときに我々が読んでいる者たち』という本を、手にしたのです。内容を覗いてみると、翻訳がテーマとなっているようで・・・これが太子のミニブームにいたく響くわけでおます♪【Haruki Murakamiを読んでいるときに我々が読んでいる者たち】辛島デイヴィッド著、みすず書房、2018年刊<「BOOK」データベース>より村上春樹と英米出版界のスペシャリストたちの冒険。A・バーンバウム、E・ルーク、L・アッシャー、J・ルービン、G・フィスケットジョン、チップ・キッド…、そして村上春樹。Haruki Murakamiの世界への飛翔までの道のりを、30余名へのインタビューをもとにたどる、異色の文芸ドキュメント。<読む前の大使寸評>内容を覗いてみると、翻訳がテーマとなっているようで・・・これが太子のミニブームにいたく響くわけでおます♪rakutenHaruki Murakamiを読んでいるときに我々が読んでいる者たち『Haruki Murakamiを読んでいるときに我々が読んでいる者たち』2『Haruki Murakamiを読んでいるときに我々が読んでいる者たち』1【本当の翻訳の話をしよう】村上春樹×柴田元幸著、スイッチ・パブリッシング、2019年刊<「BOOK」データベース>より【目次】帰れ、あの翻訳(村上春樹+柴田元幸)/翻訳の不思議(村上春樹+柴田元幸)/日本翻訳史 明治篇(柴田元幸)/小説に大事なのは礼儀正しさ(村上春樹+柴田元幸)/短篇小説のつくり方(村上春樹+柴田元幸)/共同体から受け継ぐナラティヴー『チャイナ・メン』(村上春樹+柴田元幸)/饒舌と自虐の極北へー『素晴らしいアメリカ野球』(村上春樹+柴田元幸)/翻訳講座 本当の翻訳の話をしよう(村上春樹+柴田元幸)<読む前の大使寸評>追って記入rakuten本当の翻訳の話をしよう『本当の翻訳の話をしよう』1<『村上春樹と私』5>図書館で『村上春樹と私』という本を、手にしたのです。著者のジェイ・ルービンは『1Q84』『ノルウェイの森』『ねじまき鳥クロニクル』などを翻訳していて、世界的に知られているそうです【村上春樹と私】ジェイ・ルービン著、東洋経済新報社、2016年刊<商品の説明>より『1Q84』『ノルウェイの森』をはじめ、夏目漱石『三四郎』や芥川龍之介『羅生門』など数多くの日本文学を翻訳し、その魅力を紹介した世界的翻訳家が綴る、春樹さんのこと、愛する日本のこと。<読む前の大使寸評>著者のジェイ・ルービンは『1Q84』『ノルウェイの森』『ねじまき鳥クロニクル』などを翻訳していて、世界的に知られているそうです。rakuten村上春樹と私『村上春樹と私』5:世界中の翻訳仲間『村上春樹と私』4:アメリカでの村上講演会『村上春樹と私』3:村上作品の英訳『村上春樹と私』2:翻訳者の仕事『村上春樹と私』1:翻訳の苦労<『本の森 翻訳の泉』1>図書館で『本の森 翻訳の泉』という本を手にしたのです。ぱらぱらとめくると、取り上げている作家が多和田葉子、村上春樹、水村美苗、池澤夏樹と好きな作家が多いのが借りる決め手となりました。【本の森 翻訳の泉】鴻巣友季子著、作品社、2013年刊<「BOOK」データベース>より角田光代、江國香織、多和田葉子、村上春樹、朝吹真理子ー錯綜たる日本文学の森に分け入り、ブロンテ、デュ・モーリア、ポー、ウルフー翻訳という豊潤な泉から言葉を汲み出し、日本語の変容、文学の可能性へと鋭く迫る、最新評論集!<読む前の大使寸評>ぱらぱらとめくると、取り上げている作家が多和田葉子、村上春樹、水村美苗、池澤夏樹と好きな作家が多いのが借りる決め手となりました。rakuten本の森 翻訳の泉『本の森 翻訳の泉』2『本の森 翻訳の泉』1以降は通訳、翻訳についてR12による。
2020.08.18
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リリパットアーミーとはコトバンクで検索して見ると、『日本の劇団。1986年、当時コピーライターだった中島らもが若木え芙(のちのわかぎゑふ)ららに声をかけ結成。結成時のメンバーはほかにキッチュ(松尾貴史)、漫画家のひさうちみちお、のちに放送作家となる鮫肌文殊、編集者のガンジー石原ほか。旗揚げ公演は1986年6月、中島と若木の作・演出による「X線の午後」』と、何のこっちゃである。折りしも朝日新聞で、柴田元幸訳の『ガリバー旅行記』が連載されているが、太子としてはこのあたりを引用してもらいたいところである。・・・ということで「ガリバー旅行記」をウィキペディアで検索してみると・・・第一篇 リリパット国渡航記の詳細が載っていました。wikipediaガリヴァー旅行記より リリパット国とブレフスキュ国は、ガリヴァーによる空想の冒険譚の第一篇に関わる国々である。両国は、南インド洋にあり、約800ヤードの海峡を挟んで隣接している。両国の全国民は、常人の1/12程の身長しかない小人で、彼らの関心事も小さく取るに足らぬものであるが、スウィフトの時代の典型的なイギリス国民のように、道徳には公正であり、神を畏れ、正直である。 リリパット国の社会と政治体制は、18世紀のイギリスを表現している。英国と同様に、トーリー党を表す「高踵党」と、ホイッグ党を表す「低踵党」の二つの政党が存在する。リリパット国は、二世代にわたり隣国のブレフスキュ国と交戦下にある。ブレフスキュ国にフランスを表現させることで、スウィフトは当時のイギリスとフランスの国際上の関係を示したのである。リリパット国とブレフスキュ国の戦争の理由は、「卵の殻の正しいむき方は、大きな方から剥くか、それとも小さな方から剥くか」についての意見の違いに由来する。 ウン ガリヴァーは小人の国「リリパット」で囚われの身になったのか。
2020.08.18
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8.11朝日新聞に現代女性翻訳家の揃い踏みのような記事があったので、スクラップしたのです。すなわち、小川洋子、多和田葉子、辛島デイヴィッドのお三方であり、ここに村上春樹や柴田元幸あたりを加えたら・・・現代翻訳家の勢揃いみたいなもんでんがな♪(現代女性翻訳家について8.11デジタル朝日から転記しました) 世界で最も権威ある文学賞の一つ、英国のブッカー賞の翻訳部門にあたるブッカー国際賞=キーワード=が8月26日(現地時間)に発表される。最終候補6作に小川洋子さんの『密(ひそ)やかな結晶』が名を連ねる。近年、英語圏で翻訳文学の存在感が増し、日本の女性作家の注目度が高まっている。(興野優平、板垣麻衣子)■村田沙耶香・多和田葉子ら 翻訳家育つ/「風変わり」の評価も 『密(ひそ)やかな結晶』(英題The Memory Police)は昨年の全米図書賞翻訳部門の最終候補にも残り、高く評価された。ただ、「英語圏で存在感を増しているのは小川さんだけではない」と、同作を英訳した米ミドルベリー大教授(日本文学)のスティーブン・スナイダーさんは言う。「とくにここ5、6年で、日本の翻訳作品がぐっと読まれるようになった」 そもそも、米国では翻訳文学自体、日の目を見ないジャンルだった。流れを変えたのは、村上春樹さんをはじめとする、国外の人気作家の席巻だ。翻訳文学は手間とお金がかかり、割に合わないとする業界の常識を覆したという。 村上さんによって日本人作家への期待値が高まる中で、小川さんの『博士の愛した数式』や、村田沙耶香さんの『コンビニ人間』などが見いだされ、広く支持されるようになった。川上未映子さん、小山田浩子さんらの作品も続々と翻訳された。 翻訳文学の広がりは、文学賞にも影響を与えた。ブッカー国際賞は2016年にそれまで隔年だった選考を毎年に改め、対象を作家から作品に変え、選考の幅を大きく広げた。その年の受賞者は韓国の女性作家のハン・ガンさん。全米図書賞も18年から翻訳部門を復活させ、最初の受賞作は多和田葉子さんの「献灯使」だった。 翻訳文学が評価されるには、優れた訳が欠かせない。現状について、スナイダーさんは「幸運にも、若手を中心に優れた日本語訳者たちが活躍している」と語る。それは文化庁が02年から続ける現代日本文学の翻訳・普及事業によるところが大きいという。自身も、翻訳コンクールなどを通じて、翻訳家の育成に関わってきた。 辛島デイヴィッド・早稲田大准教授(文芸創作・翻訳)は10~16年、英イースト・アングリア大学で、文芸翻訳家を志望する人たち向けのワークショップを主導してきた。ゲストで招いた作家に、訳出について直接質問をぶつけることもできる1週間の合宿形式で、毎年30~40人の応募者から10人を選抜して養成。多くの翻訳家をデビューさせた。 文芸翻訳は従来、大学に所属する学者の「副業」だった。自身の研究に関わる、既に名声が確立した作家が選ばれがちで、「同時代の若手作家が訳されることはまれだった」と辛島さん。「新世代の大学に属さない職業翻訳家が増え、自分が訳したいと思った作品を訳す。訳される作品に多様性が出てきた」と言う。 ただ、辛島さんは課題も挙げる。最近は日本文学がquirky(風変わりな)と評価される傾向もみられるという。「英米の出版界は日本の出版界以上に数字にシビア。売れるものが固定化し、日本文学が『風変わりなもの』として消費をされる懸念はある」■長年、翻訳に壁「ようやくここまで」 ブッカー国際賞の最終候補に挙がる、小川洋子さん『密やかな結晶』は、記憶の消滅が起きる島の物語。消滅が滞りなく進んでいるか、秘密警察が監視の目を光らせている。日本での刊行は94年だったが、訳者のスナイダーさんは「トランプ政権下で真実が失われ、コロナ禍で日常のあらゆるものが消え去るのを目の当たりにした。時を超え、異なる文脈で新しい意味を持った」と指摘する。 小川さん自身は、英語圏への翻訳については、長年壁を感じてきたという。「日本文学を発信したいという人たちの熱意がずっとつながらないと、なかなか出版まではいかなかった印象がありました。長い年月かかって、ようやくここまでたどり着いたなと」 読者が世界に広がることには、格別の思いがある。20年以上前、初めて自著のフランス語訳が出たとき、パリの小さな書店に見にいった。「小川洋子の本はあるか」と年老いた店主に聞くと、ぱっと指さし、そこに本があった。「本当に特別な喜びですね」と振り返る。 「ごくたまに、外国からファンレターをいただくと、自分の手元から飛び立っていった子どもが成長しているような、自分が書いた小説ではないような気持ちになります」 『密やかな結晶』について、「未来を予言して書いたわけではない」と言う。「むしろその真逆で、アンネ・フランクの日記を土台にして、過去を向いて書いた。それが、コロナの時代を迎え、じつは過去ではなかったと思うようになった。時代は変わっているようだけれど、人間は変わらなくて、小説はその変わらないところを書いていく、という気がしている」◆キーワード<ブッカー国際賞> 英語で書かれ、英国で出版された作品が対象のブッカー賞が本賞。1969年に始まった。国際賞は2005年に創設、現在は翻訳部門と位置づけられる。英国で出版された世界中の作品が対象だ。今年は、作家をはじめ、研究者や詩人など多様な選考委員5人が124冊を検討、受賞作を決める。18年に受賞したポーランドのオルガ・トカルチュクさんは、19年にノーベル文学賞(18年分)に輝いた。日本人の受賞はまだない。日本の女性作家 英語圏で存在感2020.8.11スクラップしてデジタル記事をダブルで保管するのが・・・いかにも老人ではないかと思ってはいるのだが。
2020.08.17
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今回借りた3冊です。だいたい支離滅裂に借りているけど、今回の傾向は、強いていえば、「予約本」でしょうか♪<市立図書館>・倒れるときは前のめりふたたび・猫を棄てる・漱石文体見本帳<大学図書館>・8月末以降にトライ図書館で手当たり次第で本を探すのがわりと楽しいが・・・これが、図書館での正しい探し方ではないかと思ったりする(笑)************************************************************【倒れるときは前のめりふたたび】有川ひろ著、KADOKAWA、2019年刊<「BOOK」データベース>より「有川浩」改め「有川ひろ」のエッセイ集“ふたたび”!ペンネーム変更の理由も語られる、エッセイ等41本+小説2編も特別収録。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(2/18予約、8/16受取)>rakuten倒れるときは前のめりふたたび【猫を棄てる】村上春樹著、文藝春秋、2020年刊<「BOOK」データベース>より時が忘れさせるものがあり、そして時が呼び起こすものがある。ある夏の日、僕は父親と一緒に猫を海岸に棄てに行った。歴史は過去のものではない。このことはいつか書かなくてはと、長いあいだ思っていた。-村上文学のあるルーツ。<読む前の大使寸評>新書よりちょっと大きいサイズのハードカバーで、挿絵が多くてビジュアルな短篇である。この挿絵を描いたのが台湾出身の若い女性イラストレーター・高研さんである。<図書館予約:(5/31予約、8/16受取)>rakuten猫を棄てる【漱石文体見本帳】北川扶生子著、勉誠出版、2020年刊<「BOOK」データベース>より人間の内面心理を巧みに描いた作家、夏目漱石。しかし、漱石と同じ時代を生きた読者たちは、多彩な表現をあやつる「文章家」として彼を愛していた。日本語の混乱期を漱石はどう泳いだのか?漱石の小説文体を10に分類。具体的な文例を味わいながら、その効果と背景をわかりやすく紹介。明治の日本語はこんなに豊かだった!『こころ』、『吾輩は猫である』、『虞美人草』、『それから』、『門』、『文学論』、『文学評論』、『道草』ほか多数掲載。<読む前の大使寸評>追って記入rakuten漱石文体見本帳************************************************************図書館大好き439
2020.08.17
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盛夏である。暑いのだ!・・・ということで、わが家のサルスベリを再掲します。わが家のサルスベリより朝の空気が少しだけ秋めいてきました。朝連コースには葛の花の甘い香りただよい、裏山の栗の木は実をたわわにつけています。お昼になれば、残暑の中、サルスベリとムクゲだけが鮮やかです。カンナもまだ見頃だったかな。暑さにうだる太子は、かなり手抜きにはしっております(汗)。
2020.08.16
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<裏山のテッポウユリ(再掲)>盛夏である。暑いのだ!・・・ということで、裏山のテッポウユリを再掲します。裏山のテッポウユリより裏山のテッポウユリの群落がいま盛りです。沖縄とか奄美大島あたりが原産らしいけどこのへんでよく見られます。ところで 画像倉庫が100枚になったのでこれからは どれかを削除してアップする自転車操業になります。
2020.08.15
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私のブログは、ブログ友のクマさんと付かず離れずの距離をとっているのです。昨今では、クマさんが自分用にメモするようになったとおっしゃるが・・・それは私も同様であり、首尾一貫して勉強しようというスタンスがあるのです。たまに共通の領域にいることがあるので、高畑勲の想い出のような書き込みをクマさんのブログに入れたのです。2020.8.12「十二世紀のアニメーション 国宝絵巻物に見る映画的・アニメ的なるもの」高畑勲の仮説 (1)より 高畑勲は「信貴山縁起絵巻」「伴大納言絵詞」について、そのアニメ的手法を解説する。その緻密さは、正に一つのアニメ映画を監督するくらいである。「シークエンス」「シーン」「クローズアップ」「フェイドアウト」「ズームイン、パン」などの用語を多用して、十二世紀に絵巻物が一挙に世界に例を見ない「時間の表現」「視覚効果」を自覚的に狙ったすごい映像作品である事を見せる。高畑勲や宮崎駿の関心度の深さもなかなかのものですね。私の場合は、歴史よりは美術、音楽であり・・・アルプのヨーデルなんかええでぇ♪<高畑勲が語るアニメーション美術>図書館で『伝説の映画美術監督たち×種田陽平』という本を借りたのだが・・・おお♪「高畑勲が語るアニメーション美術」と題して、高畑勲さんと種田陽平さんの対談が載っています。日本アニメの歴史や技法について、縦横無尽なトークが見られるでぇ♪ここで、高畑勲の本音トークを見てみましょう。<高畑勲が語るアニメーション美術>よりp221~231種田:高畑さんは仏文科出身で、やはりフランス映画がご自身の基礎になっていますか?高畑:そうですね。マルセル・カルネやジャン・ルノワール、ルネ・クレマンなんかにのめり込んだんです。それからイタリアのネオリアリスモ、でも、自分の身に何が相応しいのかというのは、後になってだんだんわかってくるもので、やがて、自分は日本人だなとハッキリ思うわけですけど。種田:日本映画では、どういう作品をご覧になっていたのですか?高畑:木下、今井、成瀬、もちろん黒澤も。小津安二郎は『晩春』『東京物語』『麦秋』あたりは好きでしたが、晩年の作品はあまり好きじゃなかった。 上流の連中がどうでもいいことを喋りあっているとか、リアルタイムで見て、「なんで今、こんなものをやっているの?」という感じですね。小津は映画の中でどんな工夫をしていたのかという点に目が行くようになるのは後になってからです。すると本当の面白さが見えてきました。構図の取り方や人物の捉え方の意味についてはもちろん、内容に関しても、ですね。種田:僕は高畑さんが東映動画に入社した翌年の1960年生まれで、物心ついて初めて見た映画が、高畑さんが演出助手で入られていた「わんぱく王子の大蛇退治」(63)でした。テレビでも高畑さんも演出された「狼少年ケン」(63)や「少年忍者 風のフジ丸」(63~64)に夢中になった。中でも初監督作「太陽の王子 ホルスの大冒険」(68)は特別な作品で、当時小学校3年生でしたが、映画館で3回も見たんです。今、実写の映画を作っていますが、ときどき、ふと、ホルスとヒルダが出会う湖に沈む廃村の風景を思い出したりする。あの作品が原体験的に自分の中に染みついているので、高畑さんに一度、日本のアニメーションについて伺いたかった。東映動画に入られたのは、第一作の長編『白蛇伝』に感じてですか?高畑:いえ、入社が決まった後に見たんです。しかも、それまで見ていたディズニーやグリモーと比較して、『白蛇伝』はまだまだだな、なんて思って。 ところが、いざ東映動画に入ったら、そんな見方がガラッと変わった。アニメーションを作ることがどれだけ大変かがわかって謙虚になったんです(笑)。それで、弱点よりいいシーンに目がいくようになったし、いろんな工夫にも気がついた。種田:例えばどういう工夫でしょうか?高畑:東映動画作品はみんな横長のワイド、いわゆる東映スコープで作られるんですが、動画用紙もセルもえらい横長で作業がしにくいし、実写も同じですが演出的にも構図にも特別の工夫が必要だったんです。ディズニーも『眠れる森の美女』からワイドになった。ところが第一作の『白蛇伝』は4:3の昔のスタンダードサイズ。いまではビスタサイズが映像の標準になっていますが、『白蛇伝』では、昔ながらの4:3のよさが生きていた。(中略)種田:次の『平成狸合戦ぽんぽこ』(94)の美術も男鹿さんですが、これはもう、男鹿さんの自然描写の頂点と言っていいんじゃないか。特に植物、草、木の描写の正確さ、緻密さは誰も真似できないレベルではないでしょうか。高畑:リアルということでは『おもいでぽろぽろ』の山形のほうがリアルに見えたんじゃないでしょうか。ただ、『平成狸合戦ぽんぽこ』は陰影の強調を抑えた緻密な描写が、世界の豊富さ感じさせてくれたんですね。僕は江戸初期の草花図屏風に通じる素敵な装飾性を生んだという気がします。装飾と言い方は使い方が難しく、様式化という意味で使っているわけじゃないんだけども、わかりますか?種田:ええ。あまりの緻密さゆえ、構図の中で否がおうにも観客の目に飛び込んでくる。それを装飾化と仰っているんだと、それがいい効果となり、狸の住む場所から自然が消えている話を印象付けます。これが『ホーホケキョ となりの山田くん』(99)になると、『おもいでぽろぽろ』や『じゃりン子チエ』から続いてきた引き算の漫画の極地を、ここまでやれるんだと、監督自身が強く意識して作られた気がします。高畑:それが出来たのはアニメーターの田辺修くんとの出会いですよね。美術に関して言うと、男鹿さんとは『平成狸合戦ぽんぽこ』が終わってから、折りに触れて、「リアルに描いていくアニメーション美術というのは、ずいぶん煮詰まりすぎているんじゃないか」と話し合っていた。種田:男鹿さん自身、リアルに描くという頂点まで達成されてしまったんでしょうね。高畑:『となりの山田くん』ではもうひとつ、意欲をもって取り組んだのが、キャラクターは三頭身でも、人間としての動きや表情は、普通以上にリアリティを感じさせようとしたことでした。『かぐや姫の物語』種田:高畑さんは『となりの山田くん』のあと、ずっと田辺さんとやろうとなさっていて、紆余曲折があった末、『かぐや姫の物語』になったと聞きました。田辺さんとはどういうアニメーターなのでしょうか?高畑:『おもいでぽろぽろ』のとき、原画として注目したんです。非常にまあ、頑固だし、仕事が遅いんだけれど・・・(笑)、断然上手い。感覚も方向性もすばらしい。で、『となりの山田くん』以後、田辺くんとやる以外に考えられなくなったんです。種田:高畑さんは日本の漫画の原点としてずっと絵巻物の存在に着目されてきましたが、『となりの山田くん』と『かぐや姫の物語』で日本のアニメーションの世界観をさらに一歩突き進まれ、絵物語のもつ連続性の領域に進まれたと思いますが。高畑:絵巻物とか日本的とかいうよりも前に、そもそも、せっかく線で描いているのに、それがアニメーションとして生かせていないんじゃないかという思いがあったんです。 上手なアニメーターがラフでざっざっと描いたもので動きを見ると、絵に勢いがあって心にザワッと感じる。ところが1本の線に整理してしまうと、その、今描いたばかりの躍動感が失われてしまう。どうしたら、アニメーターの新鮮な線の感じが出せるだろうかを考えていたことがまず大きいんです。 それに、僕は絵巻だけでなく、古今東西、線で描かれた絵には、独特の魅力がある、人の想像力や記憶をかき立てる力がある、と思いもしてきたんです。 立体感・空間・陰影・色彩などで画面を埋めて、本当らしさを押しつけるのではなくて、もっと抜いた、省略された、ゆとりのある画面がつくりたかった、田辺くんや男鹿さんと組んで。種田:なるほどよくわかります。一方で高畑さんの描く主人公は厳しい環境に置かれ、ドラマ的に極限まで追いつめられた時に、そこから解放される飛翔するというアニメーション的に美しいイメージがたびたび現れます。それはファンタジーというくくりとは違う、高畑さんならではの飛翔なのだと思います。高畑:もっとも常識的な世界だと僕は思っていますね。要するに、ファンタジーという言葉はイギリスの児童文学の世界でできたと思うんですけど。宮さん(宮崎峻)のはファンタジーですよね。実際にはないんだけど、実際にあるかのごとき世界を作るわけです。僕も空を飛ばすのは今回だけじゃないけど、やっぱり夢だったり、心理的な願望だったり精神的な勢いだったりね。だから乗り物はいらない(笑)。種田:高畑さんは『かぐや姫の物語』で素晴らしい飛翔シーンに挑まれた。それはアニメーションでしか到達できない「絵による浮遊感」でした。男鹿さんの余白を生かした絵と田辺さんの描くかぐや姫のキャラクターは一体化してまさに「動く絵画」になっていた。同時に、50年に渡る創作で高畑さんが到達した、キャラクターの心情を動力としたアニメーション映画ならではのアクション。その自由闊達さに僕らは魅了された、と言うこともできますね。近日公開のディズニー『ベイマックス』に危機感を抱く大使であるが・・・ディズニーの対極をなすような高畑さんの絵巻物ふうのアニメが捨てがたいのである。如何せん、ディズニーの大物量の制作システム、マーケティングには敵わないが。【伝説の映画美術監督たち×種田陽平】種田陽平著、スペースシャワーネットワーク、2014年刊<「BOOK」データベース>より映画監督・種田陽平が聞く13人の映画美術の巨匠たち。<大使寸評>映画美術監督といえば、種田さんしか知らないので・・・・13人の巨匠は、もちろん知りません。だけど、ここで語られる作品群が壮観であり、夢を紡ぐような美術監督の技が面白いわけです。大型本で5,076円(税込)という本であるが、この手の本は町の書店には置いてないのではないか?図書館相手のマーケティングで成り立つのかもしれないが・・・・そんな詮索より、つくづく図書館のありがたさを感じるわけです。rakuten伝説の映画美術監督たち×種田陽平
2020.08.14
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図書館で『C・W・ニコルのスコットランド紀行』という本を手にしたのです。おお クジラ食愛好のニコルさんの本ではないか♪・・・日本の森林を愛するとか多方面で活躍するニコルさんであるが、太子としては捕鯨、クジラ食の印象が強いのである。・『C・W・ニコルのスコットランド紀行』・アファンの森***********************************************************************『C・W・ニコルのスコットランド紀行』1アファンの森について***********************************************************************【C・W・ニコルのスコットランド紀行】C・W・ニコル著、徳間書店、1993年刊<「MARC」データベース>よりC.W.ニコルがウイスキーの源流を訪ねスコットランドで見たものは…。スコッチウイスキーの歴史と、そこにまつわる物語を求め、美しい自然に囲まれた蒸溜所を巡るウイスキー紀行。ウイスキーにまつわる歌も収録。<読む前の大使寸評>おお クジラ食愛好のニコルさんの本ではないか♪・・・日本の森林を愛するとか多方面で活躍するニコルさんであるが、太子としては捕鯨、クジラ食の印象が強いのである。amazonC・W・ニコルのスコットランド紀行
2020.08.13
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図書館の放出本のラックで『文学界(2019年1月号)』という雑誌を、手にしたのです。表紙に出ている特集に多和田葉子の名前が載ているのがゲットする決め手となりました。【文学界(2019年1月号)】雑誌、文芸春秋、2019年刊<商品の説明>より▼2019年を占うビッグ対談落合陽一×古市憲寿 「平成」が終わり、「魔法元年」が始まる多和田葉子×温又柔 「移民」は日本語文学をどう変えるか?<読む前の大使寸評>表紙に出ている特集に多和田葉子の名前が載ているのがゲットする決め手となりました。amazon文学界(2019年1月号)古市憲寿とメディアアーチスト・落合陽一との対談を、見てみましょう。p178~181 <「平成」が「魔法元年」が始まる>古市:今日はもうすぐ終わる「平成」と、次にどんな時代が来るかについて話してみたいと思っています。この並びには、僕が平成側の終りゆく古い人間で、落合君が次の元号を担う新しい人間という意図がありそうなので、その役割を担うことにします(笑)。 ただ落合君と僕に共通点があるとしたら、世間的には「平成的」と存在だと見られているけれども、実は案外「昭和的」なところだと思う。落合君はメディアアーチストとして奇抜な活動をする人だと思われている一方で、テレビで活躍したり、すごくがむしゃらに働いたら、意外と昭和的なところがある。発想自体も、1960年代の思想をアップデートして今風に見せているわけでしょう。落合君の場合、それはどういう意図でやっている?落合:どの分野にも共通する話だけど、歴史の波は繰り返しながら違った地平を連れてくる。平成の次を見てる僕は平成の人から見れば昭和に見えるかもしれない。カルチャーでも60年代や70年代のカルチャーがリバイバルするでしょう。僕らの世界でも、自分の師匠が20年前にやっていたことより、その一つ上の世代が40年前にやっていたことのほうが面白く見える。 なぜかというと、テクノロジーが進化してリソースが変わるから、話が二段階進むんですよ。過去が戻ってくる。 僕の中で衝撃的だったのは、大学一年の頃、自然言語処理の授業にでてたんです。そのときは「自然言語を翻訳するにはあと百年かかる」と言われていたんですよ。でも、十年経った今、ディープ・ラーニングのゼロショット翻訳によって自然言語がかなり翻訳できるようになった。データ量と処理能力が上ったことで、発想自体が変わってきたなという気がしてますね。 それを考えると、人間がこれまでに議論してきた知能というのは思ったほど高尚ではないのかもしれない。今の自分たちの感覚というのも、「将棋の一手にオーラが宿ると思われていた時代がありました」みたいな感じで前時代的なものになる可能性もある。古市:「AIが将棋を指す」だとあんまり人間に脅威とは思われないだろうけどAIが法律を作って裁判をしたり、病気を診断したりするようになったらどうかな?落合:どうだろう。でも、自動運転が事故を起こす確率を比較すると、自動運転のほうがはるかに低いということが明らかになる可能性もありますよね。そうすると、何十年か経つと「昔は人間が運転していた?」と思うようになっているかも知れない。人間が運転するほうが安全だというのは思い込みかもしれなくて、それは自動運転の実装フェーズが終わったあとに出てくる話なんです。そこが面白いかな、と。 つまり、高度に発達した統計処理のほうが、高度に教育された人間よりも十分機能的に振る舞う可能性もある。古市:落合:(追って記入予定)『文学界(2019年1月号)』1
2020.08.13
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図書館の放出本のラックで『文学界(2019年1月号)』という雑誌を、手にしたのです。表紙に出ている特集に多和田葉子の名前が載ているのがゲットする決め手となりました。【文学界(2019年1月号)】雑誌、文芸春秋、2019年刊<商品の説明>より▼2019年を占うビッグ対談落合陽一×古市憲寿 「平成」が終わり、「魔法元年」が始まる多和田葉子×温又柔 「移民」は日本語文学をどう変えるか?<読む前の大使寸評>表紙に出ている特集に多和田葉子の名前が載ているのがゲットする決め手となりました。amazon文学界(2019年1月号)古市憲寿とメディアアーチスト・落合陽一との対談を、見てみましょう。p178~181 <「平成」が「魔法元年」が始まる>古市:今日はもうすぐ終わる「平成」と、次にどんな時代が来るかについて話してみたいと思っています。この並びには、僕が平成側の終りゆく古い人間で、落合君が次の元号を担う新しい人間という意図がありそうなので、その役割を担うことにします(笑)。 ただ落合君と僕に共通点があるとしたら、世間的には「平成的」と存在だと見られているけれども、実は案外「昭和的」なところだと思う。落合君はメディアアーチストとして奇抜な活動をする人だと思われている一方で、テレビで活躍したり、すごくがむしゃらに働いたら、意外と昭和的なところがある。発想自体も、1960年代の思想をアップデートして今風に見せているわけでしょう。落合君の場合、それはどういう意図でやっている?落合:どの分野にも共通する話だけど、歴史の波は繰り返しながら違った地平を連れてくる。平成の次を見てる僕は平成の人から見れば昭和に見えるかもしれない。カルチャーでも60年代や70年代のカルチャーがリバイバルするでしょう。僕らの世界でも、自分の師匠が20年前にやっていたことより、その一つ上の世代が40年前にやっていたことのほうが面白く見える。 なぜかというと、テクノロジーが進化してリソースが変わるから、話が二段階進むんですよ。過去が戻ってくる。 僕の中で衝撃的だったのは、大学一年の頃、自然言語処理の授業にでてたんです。そのときは「自然言語を翻訳するにはあと百年かかる」と言われていたんですよ。でも、十年経った今、ディープ・ラーニングのゼロショット翻訳によって自然言語がかなり翻訳できるようになった。データ量と処理能力が上ったことで、発想自体が変わってきたなという気がしてますね。 それを考えると、人間がこれまでに議論してきた知能というのは思ったほど高尚ではないのかもしれない。今の自分たちの感覚というのも、「将棋の一手にオーラが宿ると思われていた時代がありました」みたいな感じで前時代的なものになる可能性もある。古市:「AIが将棋を指す」だとあんまり人間に脅威とは思われないだろうけどAIが法律を作って裁判をしたり、病気を診断したりするようになったらどうかな?落合:どうだろう。でも、自動運転が事故を起こす確率を比較すると、自動運転のほうがはるかに低いということが明らかになる可能性もありますよね。そうすると、何十年か経つと「昔は人間が運転していた?」と思うようになっているかも知れない。人間が運転するほうが安全だというのは思い込みかもしれなくて、それは自動運転の実装フェーズが終わったあとに出てくる話なんです。そこが面白いかな、と。 つまり、高度に発達した統計処理のほうが、高度に教育された人間よりも十分機能的に振る舞う可能性もある。古市:その話、半分はすごくわかる。今、人工知能が不審者を判別する仕組みが開発されているけども、それを怖いとは思わない。だって、これまでは刑事の勘で「なんか怪しそうだ」と差別されていたのが、統計的により正しい判断が下されるようになれば冤罪率が下がる。(後略)『文学界(2019年1月号)』1
2020.08.12
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図書館で『日本語と日本人の心』という本を、手にしたのです。ぱらぱらとめくると各分野の第一人者による対談で・・・ええでぇ♪【日本語と日本人の心】大江健三郎×河合隼雄×谷川俊太郎著、岩波書店、1996年刊<「MARC」データベース>より日本語のありようが、それを使う人間の心や生き方にいかに深い影響を与えているか。小説、心理療法、詩の第一人者とされる3人が、言葉と心の深い関わりについて語り合う。現代人の生き方を問う、画期的な日本語・日本文化論。<読む前の大使寸評>ぱらぱらとめくると各分野の第一人者による対談で・・・ええでぇ♪amazon日本語と日本人の心「第二部 日本語と創造性」の対談を、見てみましょう。p121~125<古典と現代>河合その点、王朝文学なんていうものは、そんな近代的自我もぜんぜん関係なく、さっき言いましたが、西洋の自我であればリアリティとファンタジーと分けるようなものが、そのままいとつの現実としてダアーッと書かれている。それを読むことは、私にとっては現代に生きることすごく関係してくるのですね。そんなような読み方をしています。だから、いわゆる文学研究家とかそういう人とは、読み方がぜんぜんちがうのではないかと思うのです。谷川:そうすると、『源氏物語』に登場してくる人物たちと同じような人物が、もう現代にはいないというふうにお感じになっているのですか。河合「同じような」という定義がむずかしいですね。どの角度で見るか。つまりこの角度で見れば同じような人はいない。だけど、別の角度で見れば完全に同じだといえるのです。だから、それをどの角度で見るかによって、非常におもしろいと思うのです。そういうふうにいうと、『源氏物語』の登場人物は現代でもすごく活躍しているといえますね。生きている。谷川:どうなんでしょうか、河井さんの立場から見ると、昔の人間はいまのわれわれみたいじゃなかったというふうに、われわれはいい意味でも悪い意味でも昔といまと区別しがちですが、よく考えてみると、人間の基本的ないろいろな欲望、いちおう食欲・性欲をはじめとして、そういう仏教のほうで、たとえば、「業(ごう)」という言葉でくくってしまうものは、ほんとに古代から現代にいたるまで変化しないようにも思えるのですが、そういう点はどうなんでしょうか。河合それはなかなか簡単に変化しないと思いますね。業とまでいわなくても、日本人の生き方のパターンなんていうのは、神代以来変わっていないというぐらいの感じもありますね。だからそういうふうな面とちがっている面とを分けて考えることがすごくおもしろいと思います。 ただ、昔がよかったからといって、昔に帰るなんてことは絶対にできません。だから、この世に生きているということは、いまの世に適合しなければいけませんから、万年筆で書くにしても、いちおうワープロを目の前においてスイッチを入れるとか、そういう両方やらないといかんという、これが大事なのではないでしょうか(笑)。谷川:大江さんは、みなさんよくご存知のように語学に堪能で、英語の本やフランス語の本を、古典、現代ものを問わず、すごく読んでいらっしゃいますね。そういうときに、日本フランス語、英語で読み書きするのとのあいだに、それこそ違和感みたいなものがないのか、それとも大江さんの場合には、それが非常に自然に自分のなかでひとつになって、つまり日本語を書くのと、たとえばフランス語を書くのとは、ほとんどちがいはないというふうになっているのか、ぼくはそのへんに興味があるのですが。大江:ぼくはフランス語で書かないです。谷川:でも、英語は書くでしょう。大江:それもそんなには書きませんけれど。谷川:でも、しゃべるのでもいいのです。大江:外国語を読むことは、毎日読みます。それは私に非常に重要なことなんです。私は、最初にも申しましたが、田舎の人間なんですが、村の中学校の三年生くらいから英語の本を読んでいました。それは松山市のお城のふもとにあった占領軍の図書館から本を借りてきて読んだのです。 そのころから私が興味を抱いていたのは、日本語を自分が書いたり読んだりして生きていく、日本語を生きていくのだけれども、その日本語が、ほかの言葉では同じことをどのように表現するのかということでした。それがほんとうにおもしろかった。ですから、いつも外国語のテキストを横において日本語を読む。 外国語の本を読むときも、私は丹念に辞書を引く人間ですが、辞書を引いて、書き込んで、これが日本語ならどうなるだろうかということを、つねに考えながら読むというのが私の読み方なのです。 それは、外国語を勉強する人にとってはあまりいい方法ではなくて、私の同級生の秀才たちは、みんなフランス語だけでものを読んで、考えていくという人たちですよ。そして、結局はなにも考えていないという人もあるんです(笑)。 私は自分と外国語と日本語の三角形のなかにずっと生きてきたと思います。それが現在の自分の自分の文学をつくっているとも思うのです。
2020.08.12
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このところ、多和田葉子の作品を集中的に読んでいるのだが・・・デジタル朝日で『(文化の扉)多和田文学、ふわり越境』という記事を見て、この際、多和田さんのアンソロジーを編んでみました。・(文化の扉)多和田文学、ふわり越境(2019年)・文学界(2019年1月号)(2019年)・歓待する文学(2018年刊)・地球にちりばめられて(2018年刊)・言語、非言語、文化、異文化のはざまで言葉を編む(2016年)・献灯使(2014年刊)・エクソフォニー(2006年刊)・容疑者の夜行列車(2002年刊)R5:「歓待する文学3,4」、「文学界(2019年1月号)」を追記***********************************************************************『文学界(2019年1月号)』2:古市憲寿とメディアアーチスト・落合陽一との対談『文学界(2019年1月号)』1:台湾人作家・温又柔との対談『地球にちりばめられて』4:「第10章 クヌートは語る3」『地球にちりばめられて』3:「第9章 Hirukoは語る3」『地球にちりばめられて』2:第6章 Hirukoは語る2『地球にちりばめられて』1:独自の言語“パンスカ”『歓待する文学』4:小野正嗣さんのフランス体験『歓待する文学』3:J・M・クッチェーの『マイケル・K』『歓待する文学』2:村上春樹の自伝的エッセイ『歓待する文学』1:雪の練習生『献灯使』4:言語の輸出入『献灯使』3:日本の鎖国『献灯使』2:「ナウマン象」『献灯使』1:『献灯使』の語り口『エクソフォニー』4:ハンブルグ『エクソフォニー』3:森鴎外とドイツ語『エクソフォニー』2:マルセイユ『エクソフォニー』1:北京『容疑者の夜行列車』2:北京へ『容疑者の夜行列車』1:グラーツへ*********************************************************************** <『歓待する文学』>図書館で『歓待する文学』という本を手にしたのです。小野正嗣が選りすぐりの作品について十三回の放送で紹介する構成であるが、取りあげた作品が、ええでぇ♪【歓待する文学】小野正嗣著、NHK出版、2018年刊<「BOOK」データベース>より文学は私たちの心にどう入り込み、個人の生活や社会に影響を与えるのか。芥川賞作家である著者が欧米、アフリカ、中東、アジアの選りすぐりの作品を紹介。書き手がどのような土地に根ざし、どういう言語で作品を生み出したのか、それが読み手にどう作用するのかを探る。<読む前の大使寸評>小野正嗣が選りすぐりの作品について十三回の放送で紹介する構成であるが、取りあげた作品が、ええでぇ♪歓待する文学『歓待する文学』1:雪の練習生『歓待する文学』3で、J・M・クッチェーが語られているので、見てみましょう。p93~96<第7回 こんな風にしても人は生きていける> このヨンヘと同じような境遇にあった男がいました。彼もまたあらゆる食物を摂取することを拒否します。栄養失調と疲労で意識を失い、医師のもとに運び込まれます。フェリシティという看護の女性が毛布でくるんだ、この40キロにも満たない小柄の老人マイケルズ(しかし本人は自分の名はマイケルだと主張します)に、医師は鼻からチューブを挿入し、糖分と牛乳を与えます。 マイケルズに意識がもどった。彼が最初にやったことは鼻からチューブを引き抜くことで、フェリシティが止めようとしたが間に合わなかった。いまはドアのそばに何枚も重ねた毛布の下で寝ているが、まるで死体のようだ。何も食べようとしない。小枝のような腕で栄養物の瓶を押しのける。「俺の食べ物じゃない」と言わんばかりに。(226頁) これはJ・M・クッチェーの『マイケル・K』の一節です。クッチェーは南アフリカ出身の作家です。ノーベル賞作家(2003年に受賞)としてご存知の方も多いでしょう。クッチェーはブッカー賞(現マン・ブッカー賞)を二度受賞している数少ない作家のひとりですが、その一度目はこの『マイケル・K』という長篇に与えられました。 僕は一度、クッチェーに会ったことがあります。2014年にイギリスのノリッチで開催された「ワールズ」という文学会議に参加したことは、これまで何度か述べました。僕はそこで『ファミリー・ライフ』の著者アキール・シャルマと親しくなったのですが、そこにクッチェーも招待されていました。 クッチェーに会えるのだから、機会があればサインをしてもらおうと持参したのが、原書の『マイケル・K』と『少年時代』でした。会議のあとの朗読会で、隣の席に座る機会がありました。そこでずっとカバンに入れてあったこの2冊を取り出し、サインをしてくださいとお願いしました。 クッチェーは快くサインをしてくれました。「実は、ミスター・クッチェーの講演を聴いたことがあります。あなたが来日されて早稲田大学で講演されたときです。あれはたしか2006年でした・・・」と話しかけていると、「あ・・・」と、僕の手渡した本にペンを走らせていたクッチェーが小さな声を漏らしました。「きみの話を聞いてたら、2006年って書いてしまった・・・」。 そのときの文学会議の主題が「ノスタルジア」であったことはすでに話しました。『マイケル・K』もまた郷愁の物語と言ってもよいかもしれません。ただし郷愁に駆られるのは、主人公のマイケル・Kではなく、彼の母親です。 南アフリカのケープタウンに暮らすマイケル・Kは、30過ぎの独身の庭師です。口唇烈があり、あまり友人はいません。彼には長年家政婦として働いてきた母親がいます。病気に苦しむ母親は死ぬ前に自分が幸福な少女時代を過ごしたプリンスアルバートという農場の多い地域に戻りたいと言います。しかし、この小説のなかの南アフリカは明らかに内戦状態です(この作品は、アパルトヘイトが行われていた1983年に刊行)。 夜間外出禁止令が出されるだけでなく、人々の移動も厳しく制限されています。通行許可証のないKと母親はケープタウンの外に出ることもできません。それでもKは母の願いを叶えたいと思います。「なぜ自分がこの世に生れてきたかという難題にはすでに答えが出ていた。母親の面倒を見るために生れてきたのだ」(13頁)。 Kは手製の手押し車を作り、それに母親を乗せ、母の故郷へと向かう旅に出発します。しかしその間に母の病気は悪化し、途中の病院で亡くなります。その遺灰を持って、Kはプリンスアルバートを目指します。『歓待する文学』4で、小野正嗣さんのフランス体験が語られているので、見てみましょう。p8~10<第1回 文学は歓待する> 1997年に僕はフランスに留学しました。パリの北の郊外サン・ドニにあったパリ第八大学の大学院です。 その翌年だったでしょうか、パリ第八大学も会場になった、文学をめぐる大きな国際シンポジウムが開催されました。そこで僕は手伝いの学生として、質疑応答の際にマイクを運ぶ係をしました。 非常に活発な議論が展開され、僕はひなに餌を運ぶ母鳥のように会場のなかを行ったり来たり大忙しでした。そのなかでとりわけ大食漢のひながいました。餌が必用なのはよくわかります。栄養が足りていないのかもしれない。頭はつるつるで目はらんらんと輝き、小柄で痩せています。周囲のひなたちもそれがわかっているのか、彼が質問のために挙手をする前から、彼のところへ行け、としきりに僕に目配せするのです。 シンポジウム終了後のレセプションで、そのひな鳥であった50代後半の大学教授がすたすた僕に近づいてきました。餌(マイクですね)を運んだお礼を言いたかったのでしょうか。開口一番こう訊いてきました。「マイクをずっと持ってたのに、なぜきみは発言しなかったの?」 戸惑いながらも僕はこう答えました・・・僕のフランス語のレベルでは機知に富んだ返事ができるはずもないので、正直に。「だって馬鹿だからです」 すると、クロード・ムシャールあ青い瞳を嬉しそうに輝かせて微笑みました。「僕もそうなんだよ!」 それをきっかけに僕たちは意気投合し、気づけば僕はちょくちょく彼が妻のエレーヌと暮らすオルレアンの自宅を訪れるようになっていました。クロードはパリ第八大学文学部教授でしたが、詩人でもあり翻訳者でもありました。 パリ第八大学は海外からの留学生が多いので、そうした学生たちと一緒に彼ら・彼女らの出身国の詩人の作品を翻訳していました。僕も彼と日本の詩人を訳すようになりました。何度も自宅に招かれて、キッチンの大きなテーブルや中庭のマグノリアの木陰にあるテーブルについて彼と翻訳をしました。 今度は餌を与えられるのは僕のほうです。クロードはお菓子作りの名人で、手製のタルト・タタンやガトー・ショコラを訪問のたびに御馳走になりました。僕はそれから1年後くらいには、彼とエレーヌの自宅の一部である建物の一室に暮らすようになり、朝から晩まで二人の家で時間を過すようになっていました。食事も二人と食べることが多かったので、居候も同然、というか家族も同然の生活でした。 二人の家は、とにかく本だらけなのですが、その書棚はフランス文学ばかりではなく、世界に向けて開かれていました・・・クロードは世界の文学につねに生き生きした興味を抱いている人でした。でなければ、留学生に好きな詩人や小説家について尋ね、それを一緒に翻訳して、フランスに紹介しようとは思わないでしょう。 彼はフランスの著名な詩人ミシェル・ドゥギーが創刊した季刊の雑誌Po&sie(『ポエジー』)の副編集長の一人でもあり、ドゥギーと仲間の編集委員たちとともに、この雑誌を世界の文学に開こうとつねに奮闘していました。 フランスの詩人や批評家、哲学者が寄稿することの多い『ポエジー』が、韓国現代詩特集号、日本現代詩特集号を刊行し、二号にわたってアフリカの諸地域の詩人たちを特集したのは、クロードのこの雑誌への大きな貢献です。つまり彼は『ポエジー』という雑誌を世界中の文学を歓待してきたわけです。***********************************************************************<(文化の扉)多和田文学、ふわり越境>デジタル朝日が「日独2言語で/言葉遊びとユーモアと」と説いているので、紹介します。この記事を紙媒体でスクラップしたのだが、電子媒体でも保存するところが、いかにも老人であるなあ。(この記事を6/24デジタル朝日から転記しました)ドイツ在住の作家、多和田葉子が世界的に注目を集めている。日本、ドイツ、米国で権威ある文学賞を受けてきた。作風は前衛的で国境や言語にとらわれないコスモポリタン。と同時に、日本語の魅力を追究した日本文学である。 多和田葉子は大学卒業後、22歳でハンブルクに移住した。現在はベルリンに暮らす。日本語とドイツ語の両方で、小説や詩を発表してきた。日本では芥川賞、谷崎潤一郎賞、野間文芸賞といった純文学の大きな賞を次々に受賞。ドイツではクライスト賞を受け、独特の文体が評価された。いま、世界で活躍する日本人作家のひとりだ。 昨秋には英語版の「献灯使」が米国の権威ある文学賞、全米図書賞の翻訳文学部門を受賞した。大災厄の後に鎖国を選んだ近未来の「日本」が舞台。訳者の満谷マーガレットさんは、「受賞作は震災後の汚染された日本を描く。決して日本だけの問題ではない。全米図書賞という重要な賞を受けたことでこの作品が世界で広く読まれ、受け止められる、その意義は大きいと思う」と話す。 100歳を超えても頑丈な老人たちが社会を支え、子どもは弱くて歩けない。「彼女のファンタジーは現実に根ざしているから力がある」と満谷さん。深刻な物語だが、ユーモアに包まれ、読後感は朗らか。理由の一つに多和田作品の特徴である言葉遊びがある。「献灯使」では「みどりの日」があるなら「赤の日」も、と休日が際限なく増えていく。すたれてきた性交を奨励する「枕の日」、「インターネットがなくなった日を祝うのは「御婦裸淫の日」だ。***********************************************************************<『文学界(2019年1月号)』1>図書館の放出本のラックで『文学界(2019年1月号)』という雑誌を、手にしたのです。表紙に出ている特集に多和田葉子の名前が載ているのがゲットする決め手となりました。【文学界(2019年1月号)】雑誌、文芸春秋、2019年刊<商品の説明>より▼2019年を占うビッグ対談落合陽一×古市憲寿 「平成」が終わり、「魔法元年」が始まる多和田葉子×温又柔 「移民」は日本語文学をどう変えるか?<読む前の大使寸評>表紙に出ている特集に多和田葉子の名前が載ているのがゲットする決め手となりました。amazon文学界(2019年1月号)『文学界(2019年1月号)』1:台湾人作家・温又柔との対談***********************************************************************以降については、『多和田葉子アンソロジー』R4による。『多和田葉子アンソロジー』R4
2020.08.11
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図書館に予約していた『雪の練習生』という本を、待つこと1週間ほどでゲットしたのです。ホッキョクグマ三代の物語とのことで、興味深いのでおます。【雪の練習生】多和田葉子著、新潮社、2011年刊<「BOOK」データベース>よりサーカスの花形から作家に転身し、自伝を書く「わたし」。その娘で、女曲芸師と伝説の「死の接吻」を演じた「トスカ」。さらに、ベルリン動物園で飼育係の愛情に育まれ、世界的アイドルとなった孫息子の「クヌート」。人と動物との境を自在に行き来しつつ語られる、美しい逞しいホッキョクグマ三代の物語。<読む前の大使寸評>ホッキョクグマ三代の物語とのことで、興味深いのでおます。<図書館予約:(8/01予約、8/08受取)>rakuten雪の練習生この本の冒頭部あたりの語り口を、見てみましょう。p8~10祖母の退化論 ものを書くというのは不気味なもので、こうして自分が書いた文章をじっと睨んでいると、頭の中がぐらぐらして、自分がどこにいるのか分からなくなってくる。わたしは、たった今自分で書き始めた物語の中に入ってしまって、もう「今ここ」にはいなくなっている。眼を上げてぼんやり窓の外を見ているうちに、やっと「今ここ」に戻ってくる。でも「今ここ」って一体どこだろう。 夜も更けて、ホテルの窓から外を見ると、前の広場が舞台のように見える。街灯の明かりがスポットライトのように地面を円形に照らしている。その光の輪を斜めに刺し切って猫が一匹横切っていった。観客はいない。あたりは静まりかえっている。 その日は会議があって、会議が終わってから参加者全員、豪華な食事に招かれた。ホテルの部屋に戻ってまず、ごくごく水を飲んだ。ニシンのオイル漬けの味が歯の間に残っている。鏡を見ると、口のまわりが赤く汚れている。赤カブかもしれない。根菜は苦手だけど、脂の目玉がたくさん浮いた濃い紅色のボルシチならば肉のうまみに導かれておいしく飲める。 ホテルのベッドに腰かけると、マットレスが押しつぶされて下のバネがきしんだ。今日の会議が特に変わっていたわけではないけれど、でもこれまで忘れていた幼少時代の記憶が今日ふいによみがえってきたのは、今日の議題が「我が国における自転車の経済的意味」だったおかげかもしれない。 芸術家たちを会議に参加させて政策に口を出させるというのは、罠かもしれないので、みんなあまり発言しなかったが、わたしだけはいつものように、胸に当てていた右の手を素早く優雅に挙げる。のびのびとして無駄のない動きを意識してみた。参加者たちの目が一斉にわたしの上に集まる。注目されることには慣れていた。 もっちり脂の乗った上半身に、最高級の真っ白な毛皮を羽織ったわたしのからだは並外れて大きく、胸をちょっと前に突き出して手を挙げただけで、色っぽい香りが光の粉のように振りまかれて、あたりを覆い尽し、生き物だけでなく、机も、壁も、たちまち色あせて背景に引っ込んでしまう。 この毛皮のつややかな白は、白と言っても普通の白とは違って、太陽の光を通す透き通った白。お日様の熱エナルギーはこの白を突き抜けて肌に達し、肌の下に大切に蓄えられる。北極圏で生き残った祖先が勝ち取った白だ。
2020.08.10
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図書館の放出本のラックで『文学界(2019年1月号)』という雑誌を、手にしたのです。表紙に出ている特集に多和田葉子の名前が載ているのがゲットする決め手となりました。【文学界(2019年1月号)】雑誌、文芸春秋、2019年刊<商品の説明>より▼2019年を占うビッグ対談落合陽一×古市憲寿 「平成」が終わり、「魔法元年」が始まる多和田葉子×温又柔 「移民」は日本語文学をどう変えるか?<読む前の大使寸評>表紙に出ている特集に多和田葉子の名前が載ているのがゲットする決め手となりました。amazon文学界(2019年1月号)多和田葉子と台湾人作家・温又柔との対談を、見てみましょう。p200~ <「移民」は日本語文学をどう変えるか?>■エクスフォニーを経由して温:私にとって、今、日本語で書いている作家の中で最も敬愛する方のうちのお一人が多和田葉子さんです。約15年前、恩師であるリービ英雄さんから熱烈に薦められて、当時刊行されたばかりの『エクスフォニー』を読んだときのことをよく覚えています。 自分と日本語の関係について真剣に考え始めた私にとって、リービさんの「日本語とは誰のものか」という問いと、「エクスフォニー、母語の外へ出る」という多和田さんの発想が結びついて、世界の見え方がガラリと変わりました。 この年の暮れ、家族と台湾に帰省したときは「三歳になるまでの自分は、こういう音の中に包まれていたんだ」ということを強く意識しました。文字を知る以前の、言葉を音声として体験していた頃の自分は、日本語ではなく、台湾人たちの話す中国語や台湾語に中にいたんだな、と。 つまり私は、『エクスフォニー』を経由して、台湾が自分の原体験と結びついていることに気づかされたんです。多和田:興味深いお話ですね。ジュリア・クリステヴァの『中国の女たち』という本の中に忘れられない一節があります。普通、子どもが社会の一員になるのは言語を話し始めてからで、言語を話せなければ言語的な社会化は起こらないはずなのに、中国語を話す人たちは、抑揚、リズムを聞くことによって、すでに赤ちゃんの時にある意味で社会の一員になっている、みたいなことが書いてあります。 台湾語と中国語の関係がどうなのか私にはよく分からないけど、そういうこともあるものなのでしょうか。 温:中国語特有の抑揚とリズムというか、うねりはありますね。生れたときからずっと中国語を喋ってきた人の中国語に備わるうねりはやっぱり独特です。大人になってから外国語として中国語をおぼえた人の場合、かなり意識しなとそのうねりを習得するのは難しい気がします。私の中国語も、全然うねりが足りない。日本語っぽいんです。 私の中国語は、耳はネイティブなんだけど、それを再現しようとしても舌はネイティブからは程遠くてじれったい。ちなみに中国語のうねりは四つですが、台湾語は八つあります。多和田:えっ、それはすごいですね。温:私はそういう激しくうねる音の中に包まれていたんですよね。もし台湾にいた幼少期があまり幸福じゃなかったら「縛られていた」と言っていたかもしれないけれど。温:多和田:
2020.08.10
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<『日中海上決戦』>図書館で『日中海上決戦』という本を、手にしたのです。現実は、台湾沖から尖閣沖にかけて中国軍の大型コーストガードの跳梁は、この小説の想定を越えているのではないかと思ったりするわけで。【日中海上決戦】喜安幸夫著、学研パブリッシング、2012年刊<「BOOK」データベース>より平成27年、トカラ列島の横当島に中国のステルスUAV(無人偵察機)墜落した。領海侵犯して残骸回収を急ぐ中国潜水艦に、尖閣沖の漁船衝突事件を契機に組織改革に成功した自衛隊が即時に反応。F-2戦闘機を護衛に島嶼防衛のレンジャー部隊・西普連を向かわせた。だが、またも記録映像を隠蔽する親中派与党政府の弱腰に乗じ、空母を就役させた中国は尖閣、さらに沖縄の領有まで宣言するー。その時、日本は?周辺諸国は。<読む前の大使寸評>現実は、台湾沖から尖閣沖にかけて中国軍の大型コーストガードの跳梁は、この小説の想定を越えているのではないかと思ったりするわけで。rakuten日中海上決戦この本の冒頭部あたりの語り口を、見てみましょう。p10~14古代帆船とステルスUAV 「あっ、見えた。あの島ですか」 船体が上昇し、ベトナムの士官が小さな島影を指さした。船体が下がり、すぐに見えなくなった。一同はなおも視線を右舷前方に向けている。いずれも半ズボンに上半身は裸で、頭にはノンラーといわれる円錐形の藁で編まれたベトナムの葉笠をかぶっている。ベトナム語でノンは笠でラーは葉の意味である。ジャカルタを出航するとき、「・・・きっと役に立ちますよ」 インドネシア在住のベトナム人から贈られたものだ。すごく役に立っている。だがチーク材の船に上半身裸で、ノンラーをかぶって甲板で手を振っていたら、通りかかったタンカーや貨物船の船員たちは、一瞬1970年代のベトナム戦争の難民船を連想するかもしれない。しかしそれは、遠い昔の出来事である。いま東アジアの情勢は、当時とはまったく異なった展開を見せているのだ。「おぉ!」 ノンラーをかぶった男たちは一斉に振り返り、視線を海上から空へ向けた。だ。(おかしい!) 海自幹部も含め海軍士官らはジェットエンジン音に直観した。やはりそうだった。飛行物体は煙を引いている。かすかに火も見える。「えっ? あれは!」 思わず谷本船長が疑問を投げたのは、飛行物体の引く火炎に対してではない。その形状に対してだった。軍人ではない谷本にも、それが数百メートルの低空を飛び、翼が本体に対して異常に長く、通常の戦闘機よりも小型であることは分かる。「ジェットUAV!」 叫んだのは海自幹部だった。無人飛行機(UAV)だ。海自幹部の声が叫びになったのは、それが自衛隊のものでも米軍のものでもないからだった。「チャイナ!」「ここは鹿児島県では!」 インドネシア仕官の声にベトナム士官の声がつづいた。係争地でもない日本の領海上空に中国のUAVが飛来・・・甲板の男たちがそれを直観するには根拠があった。 中国が自国史上初の航空母艦施ロウを浸水させたのは、今年2015年2月19日(木)だった。この日、旧暦の元旦である。中国や台湾を含めた東南アジア諸国では、この日が実感として新年の始まりである。 中国政府はわざわざこの日に、空母の進水を合わせた。この演出にチベットやウィグルを除いた中国国内は、1964年に初の原爆実験成功の時に匹敵するほどに沸きかえり、台湾や東南アジア諸国へのインパクトも大きかった。 施ロウを中心とした中国初の航母機動艦隊は、浙江省寧波に司令部を置く東海艦隊に配属され、初の外国親善訪問先に選んだのが、ロシアのウラジオストックだった。どの国に威容を示したいのか明らかである。(中略)“敵”潜水艦 ・・・中国軍はすでにジェットUAVを実戦配備し、有効につかっている ・・・相当高度なもので、攻撃能力も? 国際軍事筋で噂され、その実体はベールに包まれている。ハティ・ク・ハティ号の3ヶ国海軍士官・海自幹部たちの脳裡に走ったのは、(施ロウより発進した) 性能の優れたUAVなら考えられることだ。空母より発進し、トラブルがなければ自立飛行でまた空母に帰艦する。しかもステルスなら・・・。日中中間線からは往復およそ八百キロの距離だ。その高度な性能は、インドネシアとベトナム、日本、さらに台湾、フィリピン、タイ、マレーシアなど東アジア諸国にとっては、中距離ミサイルに匹敵する脅威となる。
2020.08.09
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<戦争遺跡 受け継ぐために>8/07朝日新聞が日本の戦争遺跡を取りあげたので、スクラップしたのです。更に、ブログにも残そうということで、コピペしたのだが・・・ダブル保管となり、いっこうにペーパーレスにならないのでおます。このところ、NHK番組と朝日新聞がこぞって鶉野飛行場跡の特攻隊員をとりあげたが、なんだかメディアとしてはちょっとなあ。(2020.8.07デジタル朝日からコピペしました) 広島に原爆が投下されてから75年。被爆者の平均年齢は83歳を超えるなど、戦争体験を身をもって語れる人たちがいなくなる時代も迫ってきた。「もの言わぬ証言者」として、戦禍を次世代へと伝える遺構や戦争遺跡の存在意義は高まる一方、老朽化も進み、保存のあり方が課題になっている。■耐震不足、一部解体に異議 広島の爆心地から南東へ約2・7キロ。ひときわ大きな4棟のれんがの建物「旧陸軍被服支廠」がある。かつての軍服や軍靴の生産拠点で、1913年に建てられた倉庫群だ。原爆投下直後は臨時救護所になり、爆心地に面した西側の鉄扉は爆風でゆがんだままで、原爆の威力を物語る。 ここに、被爆75年に合わせ、与党関係者が相次いで訪れた。 「核兵器のない世界をつくっていくための推進力として大変重要な意義を持つ」。5日に視察した公明党の山口那津男代表はそう語った。6日には加藤勝信厚生労働相が赴いた。安倍晋三首相は視察は見送ったものの、6日の広島市での会見で「広島県における議論を踏まえて、国としてしっかり対応する」と約束した。 この施設が注目を集めているのは、解体の危機にあるからだ。戦後は大学寮や物流倉庫などに使われたが、95年以降は活用されていない。 4棟のうち広島県が3棟、国が1棟を所有するが、県は昨年12月、一部解体案を打ち出した。県によると、2017年度の調査で震度6強の地震で崩壊する危険が高いとされ、全3棟の耐震改修には約84億円かかると試算している。現在でも、維持管理のため、多い年で数百万円が必要という。そこで、県は爆心地に最も近い1棟を21年度までに補修して外観を保存し、隣接する2棟は22年度までの解体方針を示した。費用は約8億円の見込みだ。 この県の方針に、全棟保存を求める声が次々に上がった。広島市内最大級の被爆建物で、原爆投下時に多くの人が亡くなった場所。築107年の鉄筋コンクリートの建物自体も貴重だという。被爆者団体は県に要望書を出し、市民団体「旧被服支廠の保全を願う懇談会」は3月までに計9130筆の署名を集めた。 75年前、学徒動員先の被服支廠で被爆した中西巌代表(90)は6日、「ここに立つと当時のことが目に浮かぶ。二度とあってはならない」と話した。「保存が決まって多くの人が見に来るようになるまで、生き抜いていくつもり」と決意を新たにした。(東谷晃平)■公開にも難題、悩む自治体 保存か解体か――。多くの遺構がそのはざまで揺れてきた。 世界遺産でもある広島の象徴・原爆ドームは、最初から保存ありきだったわけではない。「見るのがつらい」という市民の声や、壁の崩落で、広島市は解体論に傾いていた。 しかし、1人の高校生の日記が風向きを変えた。 1歳8ヶ月の時に被爆した楮山(かじやま)ヒロ子さん。「あの痛々しい産業奨励館(現・原爆ドーム)だけがいつまでも、恐るべき原爆を後世に訴えてくれるだろう」と書き残し、16歳で白血病で亡くなった。その日記を読んだ人らが保存運動を始め、広島市議会は66年、永久保存を全会一致で決議した。 もう一つの被爆地・長崎では、被爆の象徴が失われた。爆心地の北東500メートルにあり、大破した教会「浦上天主堂」だ。長崎市議会が保存を求める決議を可決したものの、58年に取り壊され、跡地に新しい天主堂が再建された。 被爆当時の同教会信者で、司祭になった片岡仁志さん(84)は「残っていれば、と思うことは今でもある。ただ、天主堂の再建は、信徒にとって復興の原点にもなった」と複雑な胸の内を語る。キリスト教が禁じられたころ、信者が踏み絵を強いられたと伝わる地でもある。「二重、三重の意味で、代えがきかない場所なんです」 活用に課題を抱える遺構もある。昨年10月に全焼した首里城(那覇市)の地下には、日本陸軍第32軍の司令部壕がある。20万人超が犠牲になった沖縄戦で、南部に撤退するまで、1千人余の兵士の拠点だった。 壕は全長1キロを超える。2013年に立ち入りを全面的に禁じたが、首里城火災などを機に一般公開を求める声が上がり、6月末、報道機関に公開された。 県は、年度内に専門家を交えて公開方法を検討する方針。だが、壕の最も深い部分は泥岩で、風が通ると急速に劣化が進むという。担当者は「自然な状態を保ちながら公開するには、安全性の面でハードルが高い」と話す。(榎本瑞希、新垣卓也)戦争遺跡 受け継ぐために2020.8.07
2020.08.08
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『朝日デジタルの書評から』フォームや『読みたい本』フォームを作っているのだが、これを市図書館の予約に利用しようと、思い立ったのです。これまでの予約内容と予約候補は以下のとおりです。<予約中>・橘玲「上級国民/下級国民」(10/24予約、副本16、予約283)現在16位・ブレイディみかこ『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』(11/13予約、副本19、予約534)現在126位・浅田次郎『大名倒産 (上)』(2/01予約、副本13、予約347)現在139位・有川ひろ『倒れるときは前のめりふたたび』(2/18予約、副本11、予約62)現在2位・浅田次郎『大名倒産(下)』(3/17予約、副本23、予約351)現在192位・内田樹『サル化する世界』(3/25予約、副本2、予約60)現在13位・村上春樹『猫を棄てる』(5/31予約、副本5、予約53)現在11位・川越宗一『熱源』(6/08予約、副本33、予約676)現在548位・紗倉まな『春、死なん』(6/14予約、副本2、予約30)現在22位・チャン・ガンミョン『韓国が嫌いで』(7/03予約、副本1、予約7)現在6位・メーター検針員テゲテゲ日記(7/10予約、副本1、予約12、入荷待ち)現在15位・多和田葉子『雪の練習生』(8/01予約、副本5、予約1)<カートで待機中>・N・ネフスキー著『月と不死』・8月の果て・ある日うっかりPTA(副本4、予約39)・グレタたったひとりのストライキ<予約候補>・ブレイディみかこ『ワールドサイドをほっつき歩け』・村上春樹『図書館奇譚』・角田光代『対岸の彼女』・白井聡『武器としての「資本論」』・小野正嗣『踏み跡にたたずんで』・多和田葉子『文字移植』・藻谷浩介『進化する里山資本主義』・雨宮処凛『ロスジェネのすべて』:図書館未収蔵・山内 一也『ウイルス究極の寄生生命体 (NHK人間講座)』・四方田犬彦『ソウルの風景―記憶と変貌』・小山鉄郎『白川静さんに学ぶ これが日本語』・高野秀行「怪獣記」・キネマ旬報(ありがとう、和田誠さん)・東龍夫『ザ・ソウル・オブ くず屋』:図書館未収蔵・橋本治『黄金夜界』・中園成生『日本捕鯨史』・高野秀行「ワセダ三畳青春記」・高樹のぶ子『アジアに浸る』・つげ義春『ガロ 1968 前衛マンガの試行と軌跡』・ディック『パーマー・エルドリッチの三つの聖痕』:図書館未収蔵・ヘミングウェイで学ぶ英文法:図書館未収蔵・内澤旬子『ストーカーとの七00日戦争』:図書館未収蔵・ジョージ・ミーガン『世界最長の徒歩旅行』:図書館未収蔵・「月夜のでんしんばしら」谷川雁、C.W.ニコル:図書館未収蔵・カズオ・イシグロ著『癒されざる者たち』:図書館未収蔵・菅野修『筋子』・デジタルエコノミーはいかにして道を誤まるか:図書館未収蔵・ネルケ無方著『迷える者の禅修業』<予約分受取:6/09以降> ・村田沙耶香『地球星人』(2/14予約、6/09受取)・塩出浩之『越境者の政治史』(6/17予約、6/23受取)・ロバート・ウェストール『ブラッカムの爆撃機』(6/27予約、7/01受取)・王力雄『セレモニー』(6/30予約、7/04受取)・宮崎駿の雑想ノート(7/07予約、7/11受取)・『“機関銃要塞”の少年たち』(7/07予約、7/11受取)・鳥類学者だからって、鳥が好きだと思うなよ。(7/15予約、7/22受取)・門井慶喜『定価のない本』(1/12予約、7/22受取)・多和田葉子『雪の練習生』(8/01予約、8/08受取予定)【上級国民/下級国民】橘玲著、小学館、2019年刊<「BOOK」データベース>より「下級国民」を待ち受けるのは、共同体からも性愛からも排除されるという“残酷な運命”。一方でそれらを独占する少数の「上級国民」たち。ベストセラー『言ってはいけない』の著者があぶり出す、世界レベルで急速に進行する分断の正体。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(10/24予約、副本16、予約283)>amazon上級国民/下級国民【ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー】ブレイディみかこ著、新潮社、2019年刊<「BOOK」データベース>より大人の凝り固まった常識を、子どもたちは軽く飛び越えていく。世界の縮図のような「元・底辺中学校」での日常を描く、落涙必至のノンフィクション。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(11/13予約、副本19、予約546)>rakutenぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー【大名倒産(上)】浅田次郎著、文藝春秋、2019年刊<「BOOK」データベース>より泰平の世に積もりに積もった大借金に嫌気のさした先代は縁の薄い末息子に腹を切らせて御家幕引きを謀る。そうとは知らぬ若殿に次々と難題が降りかかる!笑いと涙の経済エンターテインメント、始まり、始まりー<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(2/01予約、副本13、予約347)>rakuten大名倒産(上)【倒れるときは前のめりふたたび】有川ひろ著、KADOKAWA、2019年刊<「BOOK」データベース>より「有川浩」改め「有川ひろ」のエッセイ集“ふたたび”!ペンネーム変更の理由も語られる、エッセイ等41本+小説2編も特別収録。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(2/18予約、副本11、予約62)>rakuten倒れるときは前のめりふたたび【大名倒産(下)】浅田次郎著、文藝春秋、2019年刊<「BOOK」データベース>より御国入りで初めて見る故郷の美しさ、初めて知る兄弟の情。若殿は倒産阻止を決意するが、家臣共々の努力も焼け石に水。伝家の宝刀「お断り」で借金帳消しの不名誉を被るしかないのか。人も神様も入り乱れての金策に、果たして大団円なるかー<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(3/17予約、副本23、予約351)>rakuten大名倒産(下)【サル化する世界】内田樹著、文藝春秋、2020年刊<「BOOK」データベース>より現代社会の劣化に歯止めをかける、真の処方箋!堤未果氏との特別対談も収録。【目次】1 時間と知性/2 ゆらぐ現代社会/3 “この国のかたち”考/4 AI時代の教育論/5 人口減少社会のただ中で/特別対談 内田樹×堤未果 日本の資産が世界中のグローバル企業に売り渡されるー人口減少社会を襲う“ハゲタカ”問題<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(3/25予約、副本2、予約60)>rakutenサル化する世界【猫を棄てる】村上春樹著、文藝春秋、2020年刊<「BOOK」データベース>より時が忘れさせるものがあり、そして時が呼び起こすものがある。ある夏の日、僕は父親と一緒に猫を海岸に棄てに行った。歴史は過去のものではない。このことはいつか書かなくてはと、長いあいだ思っていた。-村上文学のあるルーツ。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(5/31予約、副本5、予約53)>rakuten猫を棄てる【熱源】川越宗一著、文藝春秋、2019年刊<「BOOK」データベース>より故郷を奪われ、生き方を変えられた。それでもアイヌがアイヌとして生きているうちに、やりとげなければならないことがある。北海道のさらに北に浮かぶ島、樺太(サハリン)。人を拒むような極寒の地で、時代に翻弄されながら、それでも生きていくための「熱」を追い求める人々がいた。明治維新後、樺太のアイヌに何が起こっていたのか。見たことのない感情に心を揺り動かされる、圧巻の歴史小説。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(6/08予約、副本33、予約676)>rakuten熱源【春、死なん】紗倉まな著、講談社、2020年刊<「BOOK」データベース>より「春、死なん」妻を亡くして6年の70歳の富雄。理想的なはずの二世帯住宅での暮らしは孤独で、何かを埋めるようにひとり自室で自慰行為を繰り返す日々。そんな折、学生時代に一度だけ関係を持った女性と再会し…。「ははばなれ」母と夫と共に、早くに亡くなった父の墓参りに向かったコヨミ。専業主婦で子供もまだなく、何事にも一歩踏み出せない。久しぶりに実家に立ち寄ると、そこには母の恋人だという不審な男が…。人は恋い、性に焦がれる―いくら年を重ねても。揺れ惑う心と体を赤裸々に、愛をこめて描く鮮烈な小説集。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(6/14予約、副本2、予約30)>amazon春、死なん【韓国が嫌いで】チャン・ガンミョン著、ころから、2020年刊<「BOOK」データベース>より女もすなるフェミニズム小説といふものを、男もしてみむとするなりー韓国「今日の若い作家」シリーズからチャン・ガンミョン作品を初邦訳!<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(7/03予約、副本1、予約7)>rakuten韓国が嫌いで【メーター検針員テゲテゲ日記】川島徹著、三五館シンシャ、2020年刊<「BOOK」データベース>より「あとで来てよ」「えっ」「あとで来いって言ってるだろう!」今日は332件ある。やっと82件目である。同じ家に二度も来るほどのんきなわけにはいかない。あんたね、こっちはそんなのんきな仕事をやっているんじゃないんだよ、と言いたかったが、指先は震えていた。-私は10年間を電気メーター検針員としてすごした。その経験を書いたのが本書である。<読む前の大使寸評>入荷待ちの新刊であっても、予約の先客が12人もいるのか・・・やや出遅れたか。<図書館予約:(7/10予約、副本1、予約12、入荷待ち)>rakutenメーター検針員テゲテゲ日記【雪の練習生】多和田葉子著、新潮社、2011年刊<「BOOK」データベース>よりサーカスの花形から作家に転身し、自伝を書く「わたし」。その娘で、女曲芸師と伝説の「死の接吻」を演じた「トスカ」。さらに、ベルリン動物園で飼育係の愛情に育まれ、世界的アイドルとなった孫息子の「クヌート」。人と動物との境を自在に行き来しつつ語られる、美しい逞しいホッキョクグマ三代の物語。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(8/01予約、8/08受取予定)>rakuten雪の練習生【月と不死】N・ネフスキー著、平凡社、1971年刊<出版社>より著者は日本民俗学界の異色の存在として知られるロシア人学者で,柳田国男,折口信夫らと親交を結び,沖縄,東北などの民俗を採録した。本書は日本語で発表された論文・書簡を網羅した唯一の著作集。<読む前の大使寸評>ロシア人にして、日本民俗学界の異色の存在が気になるのです。<図書館予約:(とりあえずカートに入れておこう)>heibonsha月と不死【8月の果て】柳美里著、新潮社、2007年刊<「BOOK」データベース>より日本統治下の朝鮮・密陽に生を受け、マラソンでの五輪出場を目指した亡き祖父・李雨哲。そのうしろ姿を追い、路上を駆けることを決意した柳美里。ふたりの息づかいが時空を越えて重なる瞬間、日本と朝鮮半島のあわいに消えた無数の魂が封印を解かれ、歴史の破れ目から白い頁に甦る。偉丈夫の雨哲と美丈夫の弟・雨根。血族をめぐる、ふたつの真実の物語が、いま日本文学を未踏の高みへと押し上げる。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(とりあえずカートに入れておこう)>rakuten8月の果て図書館予約の軌跡224予約分受取目録R23好書好日トップ図書館情報ネットワーク 蔵書検索システム図書館予約の運用にも慣れて、速攻で入手するコツも何となくつかんだと思うのだ♪・朝日書評欄で探すとしたら、3ヶ月前掲載くらいのモノが狙い目かも。・専門的すぎるほどのモノは、予約0となっていることが多い。・受取館に収蔵しているモノは、移送する手間が省けるので早くなるだろう。・本屋の店頭に出た直後の新刊本・ウィキペディアでめぼしい著作を探す・神戸市図書館の予約順位は毎週火曜日(午前1時~3時) に更新されます。
2020.08.08
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7/23朝日新聞が日本の宇宙政策について載せているので、スクラップしたのです。更に、ブログにも残そうということで、コピペしたのだが・・・ダブル保管となり、いっこうにペーパーレスにならないのでおます。(2020.7.23デジタル朝日からコピペしました)政府が6月、日本の宇宙政策の方針を定める宇宙基本計画を改定し、日米同盟の強化に向けて安全保障を重視する方針を強く打ち出した。米国が主導する有人月探査計画に政府一丸となって取り組むことも盛り込んだ。だが、巨額になるとみられる費用を宇宙予算のなかでどう確保するのかは不透明なままで、無人探査や天体観測といった科学予算が圧迫されるのではと懸念が出ている。(石倉徹也) 今回改定した計画は、本文中に「安全保障」が40回以上登場する。「宇宙を戦闘領域や作戦領域に位置づける動きが広がっている」とし、「平時から有事までのあらゆる段階で宇宙利用の優位を確保する」と踏み込んだ。 具体的には、事実上の偵察衛星である情報収集衛星を4基から10基に増やすほか、多数の小型衛星で弾道ミサイルの発射を探知するシステムを日米で共同開発することを検討するなど、日米連携を強める内容。日本版GPSである準天頂衛星「みちびき」には宇宙ごみの接近を知らせる米国の機器を載せる。 中国やロシアが衛星の破壊や追跡といった軍事開発を進めており、こうした衛星の接近も検知できるようになるとみられる。 日米連携のもう一つの柱として、米主導の有人月探査計画への参加も明記した。日米は今月、日本人の月着陸に向けた取り決めを作るとする共同宣言にも署名した。 課題は予算だ。有人月探査にかかる全体の費用は明らかになっていないが、日本は物資を運ぶ補給船や月面探査車など4項目で協力を決めている。文部科学省は2026年度までに2千億円程度が必要と試算する。 日本が年約300億~400億円を負担している国際宇宙ステーション(ISS)の運用も当面続く。各国の飛行士の活動機会は、技術や費用の貢献度によるとされ、萩生田光一文科相は「率直に申し上げて大きな金額を投資していかなければならない。金額的に他の予算を圧迫する可能性がある」と述べた。■ビジネスで欧米に後れ、民間育成が課題 宇宙基本計画は日本の宇宙ビジネスの出遅れも指摘し、「環境変化への対応で技術面を含め、欧米に後れを取り始めている。将来のビジョンが十分に描けず、先進技術への挑戦も停滞している」とした。 ロケットや衛星を製造する宇宙機器産業の国内市場はここ20年間、2千億~4千億円で推移している。情報収集衛星など「官需」が9割を占めており、成長がないのは当然と言える。 中国やインドといった新興国が台頭し、欧米でも安価なロケットや衛星を使った放送や通信サービスが広がる。こうした分野を含めた宇宙産業の世界市場は30兆円を超え、20年後にはさらに3倍になるとの見方もある。 そこで宇宙基本計画は、国のプロジェクトでも「民間からの調達を基本」にして宇宙産業を強化する方針を打ち出した。必要な仕様を早めに公表して民間技術を取り入れたり、ISSや有人月探査に大学や民間が参加しやすい環境を整備したりする。宇宙産業の国内市場を2030年代早期に倍増させるとする目標も明記した。 ただ、こうした目標は前回の基本計画でも掲げられていた。米国は、民間がロケットや宇宙船を開発し、国が顧客として利用する仕組みが定着した。基本計画を審議した宇宙政策委員会の委員で東京大の中須賀真一教授は「まずは対応できる民間の技術力がないといけない。民間を育てる長期戦略が必要だ」と話す。宇宙政策 米と協力、見えぬ費用2020.7.23
2020.08.07
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図書館で『ねむり』という本を、手にしたのです。ぱらぱらとめくるとカット・メンシックさんの挿絵が独特で・・・ええでぇ♪【ねむり】村上春樹著、新潮社、2010年刊<「BOOK」データベース>より覚醒する新世界。目覚めつづける女の不定形な日常を描いた短編『眠り』が、21年ぶりの“ヴァージョンアップ”を経ていま再生するードイツ語版イラストレーション、日本版のためのあとがきを収録した、村上世界の新しい「かたち」。<読む前の大使寸評>ぱらぱらとめくるとカット・メンシックさんの挿絵が独特で・・・ええでぇ♪♪rakuten『ねむり』1この本の冒頭の語り口を、見てみましょう。p7~9<1> 眠れなくなって17日めになる。 不眠症の話をしているわけではない。不眠症のことなら少しは知っている。大学生のとき一度不眠症のようなものを体験した。「ようなもの」と断るのは、その症状が世間一般に不眠症のとされているものに合致するのかどうか確信が持てないからだ。 病院に行けばそれが不眠症であるかないかくらいはわかったはずだ。でも私は行かなかった。そんなことをしても何の役にも立たないだろうと思ったからだ。何か根拠があったわけではない。直観的にそう思っただけだ。病院になんか行っても無駄だろうと。だから家族にも友人にも黙っていた。誰かに相談したら、病院に行けと言われるに決まっているから。 1ヶ月ほどその「不眠症のようなもの」はつづいた。そのあいだ私は一度としてまともな眠りを迎えることができなかった。夜になってベッドに入ってさあ眠ろうと思う。するとそのとたんに、まるで条件反射のように覚醒してしまう。どれほど努力しても眠ることができない。眠ろうと意識すればするほど、逆に目が覚めてくる。酒や睡眠薬を試してみたが効果はなかった。ただ気持ちが悪くなっただけだ。 明け方に近くなってようやくまどろみに近いものが訪れる。私は眠りの縁のようなものを指の先に僅かに感じる。でも薄い壁に隔てられた隣の部屋で、私の意識はありありと覚醒し、じっと私を見守っている。私の肉体はふらふらと薄明の中をただよいながら、私自身の意識の視線と息づかいをそばに感じつづけている。私の眠ろうとする肉体であり、同時に覚醒しようとする意識だった。 昼のあいだ、私の頭は常に膜がかかったように霞んでいる。物ごとの性格な距離や質量や感触を見定めることができない。おして柔らかな欠落が一定の間隔を置いてゆるい波のように押し寄せてくる。電車のシートや、教室の机や、あるいは夕食の席で、私はしらないうちにまどろむ。意識がいつしか私の体から離れていく。 世界が音もなく揺らぐ。いろんなものを床に落としてしまう。鉛筆やハンドバックやフォークが、音を立てて床に落ちる。私はそのままそこにつっぷして眠ってしまいたいと思う。でも駄目だ。覚醒がいつも私のそばにいる。私はその冷ややかな陰を感じつづける。私自身の影だ。 奇妙だ、と私はまどろみながら思う。私は私自身の影の内側にいる。私はその鈍い無感覚な薄闇の中で歩き、食事をし、誰かと会話をかわす。でも不思議なことに、まわりの誰もそんな異様な状態に私が置かれていることに気づかない。その1ヵ月の間に私は六キロも痩せた。それなのに、家族も友人も誰一人としてその異変に気づかなかったのだ。私が終始まどろみつつ生きていたことに。デジタル朝日にカット・メンシックさんが紹介されていたので、見てみましょう。村上春樹作品に添える奇想イラスト ドイツのカット・メンシックさんより村上春樹さんの短編に、ドイツ発のミステリアスな絵がついたアートブックのイラストレーター、カット・メンシックさんが来日した。2010年以降、『ねむり』『パン屋を襲う』『図書館奇譚』『バースデイ・ガール』の4冊を刊行してきた(いずれも新潮社)。村上作品は絵心を強く刺激する。 メンシックさんは1968年、旧東ドイツのルッケンバルデ生まれ。20代で『羊をめぐる冒険』に出あって以降の愛読者。「初めて読んだときには驚きました。文体も内容も新しさがあった。そのイラストを手がけることはチャレンジで、とにかく楽しかった」 贈り物になる大人向けの本を、というドイツの出版社の企画。メンシックさんの絵は線が強く、幻想的で、物語に登場しない昆虫や貝、クラゲが描き込まれている。「村上さんの短編には複数の層がある。書かれていないものを絵で対峙させたかった」 図書館に本を探していた「ぼく」が地下の部屋に捕らわれる『図書館奇譚』には、村上作品おなじみの「羊男」が登場する。日本では佐々木マキさんのポップなイラストが思い浮かぶが、メンシックさんの「羊男」は不気味だ。「気に入っている登場人物。悪い人なのか良い人なのか。可哀想にも見え、シンパシーを感じます」『ねむり』1
2020.08.06
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図書館で『『サイバー空間を支配する者』1を支配する者』という本を、手にしたのです。サイバー空間では、米中のサイバー戦争は熾烈な交戦状態であるわけで・・・自衛隊の担当部署も安穏としてられない事態である。【サイバー空間を支配する者】持永大×村野正泰著、日本経済新聞出版社、2018年刊<「BOOK」データベース>より未来を制するのは誰か?後退する米国、台頭する欧州、支配力を高める中国。そして国家だけでなく、企業などの組織、個人がパワーを発揮するサイバー空間。その実態、支配力をめぐる競争の構図をはじめて明らかにする。<読む前の大使寸評>サイバー空間では、米中のサイバー戦争は熾烈な交戦状態であるわけで・・・自衛隊の担当部署も安穏としてられない事態である。rakutenサイバー空間を支配する者「第1章 サイバー空間とは何か」でその定義などを、見てみましょう。p23~271 サイバー空間を構成するもの 機器、ネットワーク、および情報が構成するサイバー空間 本書では、サイバー空間(Cyberspace)が、どのようなものから構成されるかを定義する。サイバー空間といったとき、多くの解釈が存在する。今後の議論では、サイバー空間、インターネット、およびネットワークなど、多くの単語が利用されるため、本書におけるサイバー空間の定義を明確化する。 本書ではサイバー空間を、「コンピュータ(端末)、これらをつないだネットワークから構成され、情報の交換、蓄積ができる空間」として定義する。 人は利用者、運用者、管理者としてサイバー空間に関与する。サイバー空間には実体の所在や所属が明確なコンピュータやサーバーといった機器に加えて、実体の所在が明確でない情報が含まれる。 そのため、人によってはサイバー空間を実体が分からないものと位置づけてしまうことがある。しかし、これらの情報は実在の機器のなかにあるデジタル信号であるため必ず実態がある。例えば、電子メールを送信する際には、送信元のコンピュータのメールソフトで本文を作成し、送信ボタンを押す。すると、相手のコンピュータで同じ内容が表示される。(中略) サイバー空間を構成する機器は幅広い。サイバー空間を構成する機器には人々の手に触れるパソコン(PC)、通信ネットワークで接続されたサーバー、ルーターやスイッチなどの機器がある。ネットワークに接続されている機器は、互いが通信可能なように動作のルール(プロトコル)が決められており、通信の開始や終了を制御している。 PCやスマートフォンは、ネットワークに接続し、人が入力・指示した内容に基いて情報の処理、蓄積、転送などを行う。これらの機器は情報を処理する機能や暗号化する機能、通信する機能など、複数の機能を有しており、サイバー空間ではネットワークの末端に位置して人間と対話している。 一方、ネットワークに接続される機器には、産業用途に特化したものがある。例えば、自動車やプラント制御に利用されているコンピュウータの一部に、プログラマブルロジックコントローラ(PLC)と呼ばれる、機器のオン・オフなどを一定の手順で段階に応じて制御するものがあある。 これらの機器はあらかじめ手順を記録しておけば、人の手が介在することなく自動で動作する。一見するとこれらの機器は機能面で違いがあるが、PCなどと同じプロトコルで通信できるように作られており、ウィンドウズ(Whindows)から操作が可能なものもある。すなわちサイバー空間を構成する機器は、ほぼ共通のプロトコルで通信ができる機器の集合体であるといえる。(中略) 情報はサイバー空間を構成する要素のうち地理的な制約を受けないものといえる。コンピュータやネットワークの上で交換されるのは電気信号に変換された情報であり、この情報こそがサイバー空間の活用を推し進め、さまざまな問題を引き起こしている。PCやサーバー、ネットワーク機器などと異なる点は、情報は容易に編集、転送、コピー、保存、消去することが可能であり、その内容によって取り扱いが変わり、位置の特定や内容の完全性担保が難しい点である。 例えば、クラウドサービス上の情報は一般的に場所の特定は困難である。また、一般的にどこを通って通信したかをすべて知っている人やコンピュータは存在しない。いかし、これらの問題を上回るほど、情報を転送し活用する利点は大きい。『サイバー空間を支配する者』1
2020.08.06
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図書館で『『サイバー空間を支配する者』1を支配する者』という本を、手にしたのです。サイバー空間では、米中のサイバー戦争は熾烈な交戦状態であるわけで・・・自衛隊の担当部署も安穏としてられない事態である。【サイバー空間を支配する者】持永大×村野正泰著、日本経済新聞出版社、2018年刊<「BOOK」データベース>より未来を制するのは誰か?後退する米国、台頭する欧州、支配力を高める中国。そして国家だけでなく、企業などの組織、個人がパワーを発揮するサイバー空間。その実態、支配力をめぐる競争の構図をはじめて明らかにする。<読む前の大使寸評>サイバー空間では、米中のサイバー戦争は熾烈な交戦状態であるわけで・・・自衛隊の担当部署も安穏としてられない事態である。rakutenサイバー空間を支配する者「第2章 データがス配する経済活動」でバイドゥやアリババを、見てみましょう。p89~91■バイドゥ(百度)、世界第二の検索エンジン バイドゥの企業基盤は検索ポータル、バイドゥドットコム(Baidu.com)である。バイドゥドットコムは中国国内で圧倒的なシェアを誇っている検索エンジンである。2015年の中国国内の各種検索エンジンの普及率において、バイドゥは全体で93.1%、モバイル向けで87.5%となっている。 バイドゥの収益の98.9%は国内の収益によるものであり、事業基盤は国内向けの検索エンジン、ウェブポータルである。バイドゥは、モバイルインターネットが普及段階にある新興国で、人口規模が大きいインド、インドネシア、ブラジルの市場をターゲットにしており、特にブラジルに注力している。 2014年には、ブラジル向け検索エンジンサービスを開始し、2015年にはブラジルで2500万人の会員を抱えるディスカウントクーポンサイト、ペイセ・ウルバノ(Pexe Urbano:PU)を買収した。バイドゥの共同購入サイトNuomi(ヌオミー)の技術と運用ノウハウをPUに適用することで、同サイトの収益を伸ばしている。さらにバイドゥはエジプト、タイで現地向け検索ポータル開始に向けた準備を進めている。 そのほか、バイドゥが提供するサービスとして、バイドゥマップが挙げられる。(中略) ■アリババ(阿里巴巴)集団、電子商取引から決裁サービスまで アリババは基盤事業である電子商取引サイトにおいて、中国国内の圧倒的なシェアをもつ。B2Cサイトにおいては、ティーモールが62.5%のシェアを占めている。また、B2BやC2C向けにもそれぞれECプラットフォーム所有しており、ECビジネスにおいては他の追随を許さない状況となっている。近年ではアマゾンやイーベイといったグローバルなECサイトに対抗すべく、グローバル向けプラットフォームを2010年に開始、整備を急いでいる。 東南アジア市場はECサイトのグローバル展開において重要なポジションを占めている。東南アジア地域では小売り全体におけるECの利用が数パーセントであることから潜在的な市場があるといわれる。そのため、各EC大手が進出を狙うなか、各国で異なる商習慣やクレジットカード以外の決裁手段の準備、流通・宅配インフラの整備が課題となっている。 アリババは2013年、シンガポールに東南アジア向けEC運営の拠点としてシンガポールオフィスを開設した後、事業を拡大している。(中略) アリババにおいて成長しているサービスのひとつが決裁サービス「アリペイ」である。アリペイはクレジットカードに代わる決裁方法としてアリペイが開発した独自モデルに基づくサービスである。エスクロサービスと呼ばれるこの仕組みは2004年に始まった。 アリペイでは、まず商品の買い手がアリペイに代金を支払い、次に売り手は支払いを確認して商品を発送する。その後、買い手が商品を受け取ったことをアリペイに通知し、アリペイが売り手に代金を移し決裁が成立する。この支払い方法は中国において普及しており、テンセントの「テンペイ」が競合サービスとなっている。
2020.08.05
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朝日新聞の『文芸時評』という連載コラムで小野正嗣の書評を、ときどきスクラップしているのです。このたび、図書館で『歓待する文学』という本を借りて読みはじめたので・・・小野正嗣の説く文学、エッセイについてあれこれ集めてみます。紙のデータとデジタルデータを重複して保管するところが、いかにもアナログ老人ではあるが・・・。***********************************************************************【歓待する文学】小野正嗣著、NHK出版、2018年刊<「BOOK」データベース>より文学は私たちの心にどう入り込み、個人の生活や社会に影響を与えるのか。芥川賞作家である著者が欧米、アフリカ、中東、アジアの選りすぐりの作品を紹介。書き手がどのような土地に根ざし、どういう言語で作品を生み出したのか、それが読み手にどう作用するのかを探る。<読む前の大使寸評>追って記入rakuten歓待する文学***********************************************************************『文芸時評』で村田沙耶香の「コンビニ人間」が評されているので、見てみましょう。2020.1.29偉大な世界文学 僕たち誰もが「コンビニ人間」 作家・小野正嗣より 昨年10月にイギリスに行ったときのことだ。ロンドンの書店で堆(うずたか)く積み上げられていたのは、オーシャン・ヴオン(Ocean Vuong)という1988年生まれのベトナム系アメリカ人詩人のデビュー小説だった。 数々の絶賛の言葉が読めたが、イギリスの若手作家のなかでとりわけ評価の高いマックス・ポーターが、「いまやサイゴン生まれの若きゲイ詩人が〈偉大なるアメリカ小説〉を書くのは当たり前だと思える」と讃辞を寄せていたのが印象に残った。 『地上で僕たちは一瞬だけ輝かしい』とでも訳せるタイトルのこの小説は、英語が読めない母に向けて息子(作者)が、英語で書く手紙という形式を取り、ベトナム戦争を経験した祖母、彼女がアメリカ兵とのあいだにもうけた娘である母との、アメリカ東海岸の地方都市での慎ましい生活が回想され、祖母と母の複雑な過去が語られる。 そして、たばこ農園でのアルバイト(労働者は中南米からの移民ばかりだ)で出会った少し年上の貧しい白人少年との性体験、友愛が、みずみずしい文体で描かれる。語られる内容によって言葉のリズムや速度が変化するところも素晴らしい。 語り手と恋人の少年が自転車で夜の街を駆け抜け郊外の高台に至る場面は、どこにでもありそうな地方都市の風景を心奪う美しさに変える。 だが、人種差別、貧困、DV、そして語り手の大切な友人たちの命を奪うオピオイド(麻薬性鎮痛剤)依存症など、〈私〉を語ることがアメリカという社会の抱える闇をも浮き上がらせることになっている。 その意味でこれは〈偉大なるアメリカ小説〉なのだろう。ヴオンの小説は、近々翻訳されると聞いた。日本語で読めるのがとても楽しみである。 ヴオンの本の山を見て、一昨年10月にイギリスに行ったときの記憶が甦(よみがえ)る。チェルトナム文学祭というイギリス最古の文学祭に参加したのだが、そこで日本の小説の英訳が大量に積み上げられているのを目撃したのだ。 村田沙耶香の『コンビニ人間』(文春文庫)である。文学祭には村田氏も招かれていて、僕は入れ違いでの到着だったのだが、静かな田舎町なのに「コンビニ」だらけと言いたくなるほど、日本文学の話になれば、この作品に言及する人が多かった。 昨年10月の訪英の際には、二名の同僚とともに、オックスフォード大学で現代日本文学について話す機会があったが、同大の日本文学の教授もまた、『コンビニ人間』の魅力について熱く語っていた。 1月に訪米し、大学の創作学科で教える若手の作家たちと話した際も、『コンビニ人間』が話題になった。 『コンビニ人間』には、現代日本社会に固有の特殊性が描き出されて、それが日本に興味を持つ海外の読者に訴えかけているのだろうか。 決してそれだけではない。「コンビニ」という「全体」を円滑に機能させる「部品」として生きることに安らぎを見出し、コンビニ的な規範にとことん同化する主人公の姿に、グローバル化した現代世界に生きる誰もが、文化的な差異を超えて〈私〉の姿を認めることができるからだろう。僕たちの誰もが「コンビニ人間」だ。(後略)***********************************************************************『文芸時評』で翻訳文学が語られているので、見てみましょう。2019.12.07翻訳文学、閉ざされた文化に架ける橋 作家・小野正嗣より 今年で3回目となるヨーロッパ文芸フェスティバルが、11月初旬、東京にあるEU加盟国の文化施設を中心に開催された。 僕はドイツ、チェコ、ベルギー、イタリア、ポルトガルから来日した作家たちの参加するパネルディスカッションの司会を務めた。 ベルリンの壁の崩壊から30年の節目の今年、議論の主題は「壁を壊すこと、橋を架けること」だった。 実は、昨年も同様のパネルの司会をしたが、参加作家の作品の翻訳がほとんどなく、作家たちを紹介することのむずかしさを感じた。 ところが今年は、関係者や出版社、翻訳者の尽力があって、フェスに合わせて、イタリアとポルトガルの現代作家の短篇アンソロジーが刊行された。前者が『どこか、安心できる場所で』(国書刊行会)、後者が『ポルトガル短篇小説傑作選』(現代企画室)である。 両アンソロジーには本邦初訳の作家が多く含まれ、各短篇の主題も手法も実に多様である。しかし、日本社会に生きる僕たちが感じる不安や疑問に呼応する部分が随所にあって、同時代の外国文学を読む醍醐味(だいごみ)を存分に味わえる。 そもそも日本にも豊かな現代文学があるのに、なぜわざわざ外国文学を読まなければならないのか。 その問いに答えてくれたのが、11月上旬にアンスティチュ・フランセ東京で対談する機会を得た、アルジェリアの作家カメル・ダーウドだ。(後略)
2020.08.05
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コロナ禍もなんのその、くだんの2本立て館に繰り出したが・・・・今回の出し物は「ジョジョ・ラビット」と「ガーンジー島の読書会の秘密」であり、館主の設けたテーマは「ナチス、ユーモアとミステリー」となっています。毎度のことながら、2作品を選ぶ館主のセンスには感心しているのですが、今回のテーマとしては申し分ありません。【ジョジョ・ラビット】タイカ・ワイティティ監督、2019年、米制作、2020.8.02観賞<Movie Walker作品情報>より『マイティ・ソー バトルロイヤル』のタイカ・ワイティティ監督がメガホンをとり、第44回トロント国際映画祭にて最高賞である観客賞を受賞した人間ドラマ。第二次世界大戦中のドイツを舞台に、戦時下に生きる人々の姿をユーモアたっぷりに描く。主人公の少年ジョジョを、今作が初主演となるローマン・グリフィン・デイビスが務め、ジョジョの空想上の友達であるアドルフ・ヒトラー役をワイティティ監督自らが演じる。<大使寸評> ヒトラーのおばけが飛び跳ねるようなコメディーではあるが、ジョジョと隠し部屋に住むユダヤ人娘との間の戦い続くわけです。ヴィシー政権下のフランスでユダヤ人を匿うことがどんなに危険なことか10歳のジョジョにはよくわかってないようです。 でも、少年兵たちが目くらめ滅法にパンツァーファウストを撃ちまくる笑えるシーンがあったりで、楽しめるコメディーではある。Movie Walkerジョジョ・ラビットこの映画館では毎回、幕間にお昼の弁当を食べるのだが・・・・今回も駅キオスクで買ったサンドウィッチでした♪【ガーンジー島の読書会の秘密】マイク・ニューウェル監督、2018年、英仏制作、2020.8.02観賞<Movie Walker作品情報>より『マリーゴールド・ホテルで会いましょう』などを手掛けた製作陣が再結集したミステリードラマ。作家のジュリエットは、第二次世界大戦中イギリスで唯一ナチスドイツに占領されていたガーンジー島でエリザベスという女性が創設した“読書会”の存在を知り、島を訪れる。ジュリエット役に『シンデレラ』のリリー・ジェームズ、「ゲーム・オブ・スローンズ」のミキール・ハースマンらが共演。『フォー・ウェディング』のマイク・ニューウェルが監督を務める。<大使寸評> イギリスで唯一ナチスドイツに占領されていたガーンジー島ってのがあったのか。 ゲシュタポが文化活動には比較的寛大というシーンには、ヴィシー政権下のフランスのような奇妙な平和が描かれています。映画 ガーンジー島の読書会の秘密 ナチスの目欺いた島民の知恵 戦下の秘話に見る「本の力」=野島孝一より ドイツ軍はフランスに近いこの島に守備隊を置いた。ナチスにより通信が切断され、島民は孤立。家畜は召し上げられ、夜間は外出禁止。島を食糧不足が襲った。しかしナチスは文化活動には比較的寛大で、島民たちは読書会の看板を掲げ、こっそり肉料理や手製の酒を持ち寄った。ポテト・ピール・パイとはジャガイモの皮で作ったパイで、食えたしろものではなかっただろう。Movie Walkerガーンジー島の読書会の秘密パルシネマ上映スケジュール
2020.08.04
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図書館で『歓待する文学』という本を手にしたのです。小野正嗣が選りすぐりの作品について十三回の放送で紹介する構成であるが、取りあげた作品が、ええでぇ♪【歓待する文学】小野正嗣著、NHK出版、2018年刊<「BOOK」データベース>より文学は私たちの心にどう入り込み、個人の生活や社会に影響を与えるのか。芥川賞作家である著者が欧米、アフリカ、中東、アジアの選りすぐりの作品を紹介。書き手がどのような土地に根ざし、どういう言語で作品を生み出したのか、それが読み手にどう作用するのかを探る。<読む前の大使寸評>小野正嗣が選りすぐりの作品について十三回の放送で紹介する構成であるが、取りあげた作品が、ええでぇ♪rakuten歓待する文学小野正嗣さんのフランス体験が語られているので、見てみましょう。p8~10<第1回 文学は歓待する> 1997年に僕はフランスに留学しました。パリの北の郊外サン・ドニにあったパリ第八大学の大学院です。 その翌年だったでしょうか、パリ第八大学も会場になった、文学をめぐる大きな国際シンポジウムが開催されました。そこで僕は手伝いの学生として、質疑応答の際にマイクを運ぶ係をしました。 非常に活発な議論が展開され、僕はひなに餌を運ぶ母鳥のように会場のなかを行ったり来たり大忙しでした。そのなかでとりわけ大食漢のひながいました。餌が必用なのはよくわかります。栄養が足りていないのかもしれない。頭はつるつるで目はらんらんと輝き、小柄で痩せています。周囲のひなたちもそれがわかっているのか、彼が質問のために挙手をする前から、彼のところへ行け、としきりに僕に目配せするのです。 シンポジウム終了後のレセプションで、そのひな鳥であった50代後半の大学教授がすたすた僕に近づいてきました。餌(マイクですね)を運んだお礼を言いたかったのでしょうか。開口一番こう訊いてきました。「マイクをずっと持ってたのに、なぜきみは発言しなかったの?」 戸惑いながらも僕はこう答えました・・・僕のフランス語のレベルでは機知に富んだ返事ができるはずもないので、正直に。「だって馬鹿だからです」 すると、クロード・ムシャールあ青い瞳を嬉しそうに輝かせて微笑みました。「僕もそうなんだよ!」 それをきっかけに僕たちは意気投合し、気づけば僕はちょくちょく彼が妻のエレーヌと暮らすオルレアンの自宅を訪れるようになっていました。クロードはパリ第八大学文学部教授でしたが、詩人でもあり翻訳者でもありました。 パリ第八大学は海外からの留学生が多いので、そうした学生たちと一緒に彼ら・彼女らの出身国の詩人の作品を翻訳していました。僕も彼と日本の詩人を訳すようになりました。何度も自宅に招かれて、キッチンの大きなテーブルや中庭のマグノリアの木陰にあるテーブルについて彼と翻訳をしました。 今度は餌を与えられるのは僕のほうです。クロードはお菓子作りの名人で、手製のタルト・タタンやガトー・ショコラを訪問のたびに御馳走になりました。僕はそれから1年後くらいには、彼とエレーヌの自宅の一部である建物の一室に暮らすようになり、朝から晩まで二人の家で時間を過すようになっていました。食事も二人と食べることが多かったので、居候も同然、というか家族も同然の生活でした。 二人の家は、とにかく本だらけなのですが、その書棚はフランス文学ばかりではなく、世界に向けて開かれていました・・・クロードは世界の文学につねに生き生きした興味を抱いている人でした。でなければ、留学生に好きな詩人や小説家について尋ね、それを一緒に翻訳して、フランスに紹介しようとは思わないでしょう。 彼はフランスの著名な詩人ミシェル・ドゥギーが創刊した季刊の雑誌Po&sie(『ポエジー』)の副編集長の一人でもあり、ドゥギーと仲間の編集委員たちとともに、この雑誌を世界の文学に開こうとつねに奮闘していました。 フランスの詩人や批評家、哲学者が寄稿することの多い『ポエジー』が、韓国現代詩特集号、日本現代詩特集号を刊行し、二号にわたってアフリカの諸地域の詩人たちを特集したのは、クロードのこの雑誌への大きな貢献です。つまり彼は『ポエジー』という雑誌を世界中の文学を歓待してきたわけです。『歓待する文学』3:J・M・クッチェーの『マイケル・K』『歓待する文学』2:村上春樹の自伝的エッセイ『歓待する文学』1:雪の練習生
2020.08.04
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図書館で『歓待する文学』という本を手にしたのです。小野正嗣が選りすぐりの作品について十三回の放送で紹介する構成であるが、取りあげた作品が、ええでぇ♪【歓待する文学】小野正嗣著、NHK出版、2018年刊<「BOOK」データベース>より文学は私たちの心にどう入り込み、個人の生活や社会に影響を与えるのか。芥川賞作家である著者が欧米、アフリカ、中東、アジアの選りすぐりの作品を紹介。書き手がどのような土地に根ざし、どういう言語で作品を生み出したのか、それが読み手にどう作用するのかを探る。<読む前の大使寸評>小野正嗣が選りすぐりの作品について十三回の放送で紹介する構成であるが、取りあげた作品が、ええでぇ♪rakuten歓待する文学J・M・クッチェーが語られているので、見てみましょう。p93~96<第7回 こんな風にしても人は生きていける> このヨンヘと同じような境遇にあった男がいました。彼もまたあらゆる食物を摂取することを拒否します。栄養失調と疲労で意識を失い、医師のもとに運び込まれます。フェリシティという看護の女性が毛布でくるんだ、この40キロにも満たない小柄の老人マイケルズ(しかし本人は自分の名はマイケルだと主張します)に、医師は鼻からチューブを挿入し、糖分と牛乳を与えます。 マイケルズに意識がもどった。彼が最初にやったことは鼻からチューブを引き抜くことで、フェリシティが止めようとしたが間に合わなかった。いまはドアのそばに何枚も重ねた毛布の下で寝ているが、まるで死体のようだ。何も食べようとしない。小枝のような腕で栄養物の瓶を押しのける。「俺の食べ物じゃない」と言わんばかりに。(226頁) これはJ・M・クッチェーの『マイケル・K』の一節です。クッチェーは南アフリカ出身の作家です。ノーベル賞作家(2003年に受賞)としてご存知の方も多いでしょう。クッチェーはブッカー賞(現マン・ブッカー賞)を二度受賞している数少ない作家のひとりですが、その一度目はこの『マイケル・K』という長篇に与えられました。 僕は一度、クッチェーに会ったことがあります。2014年にイギリスのノリッチで開催された「ワールズ」という文学会議に参加したことは、これまで何度か述べました。僕はそこで『ファミリー・ライフ』の著者アキール・シャルマと親しくなったのですが、そこにクッチェーも招待されていました。 クッチェーに会えるのだから、機会があればサインをしてもらおうと持参したのが、原書の『マイケル・K』と『少年時代』でした。会議のあとの朗読会で、隣の席に座る機会がありました。そこでずっとカバンに入れてあったこの2冊を取り出し、サインをしてくださいとお願いしました。 クッチェーは快くサインをしてくれました。「実は、ミスター・クッチェーの講演を聴いたことがあります。あなたが来日されて早稲田大学で講演されたときです。あれはたしか2006年でした・・・」と話しかけていると、「あ・・・」と、僕の手渡した本にペンを走らせていたクッチェーが小さな声を漏らしました。「きみの話を聞いてたら、2006年って書いてしまった・・・」。 そのときの文学会議の主題が「ノスタルジア」であったことはすでに話しました。『マイケル・K』もまた郷愁の物語と言ってもよいかもしれません。ただし郷愁に駆られるのは、主人公のマイケル・Kではなく、彼の母親です。 南アフリカのケープタウンに暮らすマイケル・Kは、30過ぎの独身の庭師です。口唇烈があり、あまり友人はいません。彼には長年家政婦として働いてきた母親がいます。病気に苦しむ母親は死ぬ前に自分が幸福な少女時代を過ごしたプリンスアルバートという農場の多い地域に戻りたいと言います。しかし、この小説のなかの南アフリカは明らかに内戦状態です(この作品は、アパルトヘイトが行われていた1983年に刊行)。 夜間外出禁止令が出されるだけでなく、人々の移動も厳しく制限されています。通行許可証のないKと母親はケープタウンの外に出ることもできません。それでもKは母の願いを叶えたいと思います。「なぜ自分がこの世に生れてきたかという難題にはすでに答えが出ていた。母親の面倒を見るために生れてきたのだ」(13頁)。 Kは手製の手押し車を作り、それに母親を乗せ、母の故郷へと向かう旅に出発します。しかしその間に母の病気は悪化し、途中の病院で亡くなります。その遺灰を持って、Kはプリンスアルバートを目指します。J・M・クッチェーの『イエスの幼子時代』読んでいたので、紹介します。【イエスの幼子時代】J・M・クッツェー著、早川書房、2016年刊<「BOOK」データベース>より初老の男が5歳の少年の母親を捜している。2人に血の繋がりはなく、移民船で出会ったばかりだ。彼らが向かうのは過去を捨てた人々が暮らす街。そこでは生活が保障されるものの厳しい規則に従わねばならない。男も新たな名前と経歴を得てひとりで気ままに生きるはずだったが、少年の母親を捜し、性愛の相手を求めるうちに街の闇に踏み込んでゆく―。人と人との繋がりをアイロニカルに問う、ノーベル文学賞作家の傑作長篇。 <読む前の大使寸評>過去を捨てた人々が暮らす街てか・・・・なんか面白そうやでぇ♪<大使寸評>この世界では「自分だけが例外なのか、自分だけが適応できていない」と主人公はいぶかるのです。 読み進めるうちに、どうしようもないもどかしさと不安が膨らむわけで、並外れたSF作品のようでもあり・・・それが著者の筆力なんでしょうね。<図書館予約:(7/27予約、11/05受取)>amazonイエスの幼子時代イエスの幼子時代byドングリ『歓待する文学』2:村上春樹の自伝的エッセイ『歓待する文学』1:雪の練習生
2020.08.03
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