全3件 (3件中 1-3件目)
1
こんばんは。 前回紹介した、根室本線廃止「再考」を求める声明の中でも触れられていますが、国土交通省が「鉄道事業者と地域の協働による地域モビリティの刷新に関する検討会」を立ち上げています。https://www.mlit.go.jp/tetudo/tetudo_tk5_000011.html このホームページによると、人口の減少、マイカーへの移行、そして昨今の新型コロナウイルス感染拡大、これらのことによる鉄道利用者の減少が急速に進んでいる。このため、利便性、持続性の高い公共交通機関の再構築のため、国などの具体的な支援方法を決める有識者会議を立ち上げた。このように記されています。 ここでは明確に示されていませんが、JRが運営するローカル線のあり方を中心に、議論されるようです。もちろん、それ以外のローカル線の運営にも、大きな影響を及ぼすでしょう。 現在、第2回まで開催されていて、第1回ではJR東日本、JR西日本が説明を行っています。 本検討会に対する報道や研究者の受け止めは、JRの閑散線区が今後大幅に廃止されるであろうという論調が主流となっています。 そして、鉄道存廃の基準は「輸送密度2,000人以下」、鉄道から「新たなモード」への変更は、ほぼ100パーセントバス転換。このように受け止められています。https://tabiris.com/archives/chiikimobility/https://tetsudo-ch.com/12231463.html JR(本州の2社)が本検討会で発言した事実は、昨今のJRによるローカル線存廃への積極的発言の一環だと考えてよいでしょう。JR会社内の内部補填だけで鉄道は維持できない。そこまでJR各社は行き詰っている。そう主張したいのでしょう。そしてその主張にも、理解できるところはあります。 そしてJR各社が気にしている(ように見える)のは、地元自治体を「即座に」交渉のテーブルに載せてほしいということです。前回の書き込みでも指摘しましたが、地元が反対、交渉のテーブルに乗らないという過程も、実は廃止に向けての足馴らしとして重要な要素です。これを省略して一気に廃止、少なくともJRの手から離したい。そんな思惑が見て取れます。 そもそも、一方の当事者であるJRが公表した、輸送密度や維持経費について、専門知識を持ち合わせない地元自治体(市町村)が判断できるのか。鉄道を活用することに対して地元が受ける便益はどのくらいなのか。経営主体や路線維持の金銭問題以前に、真にその地域に鉄道が必要なのかを議論する必要性はないのか。残念ながら、今までほとんどの地域での存廃議論では、このことがしっかり話し合われた形跡がありません。自治体側も、鉄道を活かす産業振興やまちづくりを行ってきたのか。この疑問は厳然と存在します。 国は、輸送密度何人以上以下などという基準を示したり、鉄道事業者側優位の一方的な議論の枠組みを法制化するのではなく、この街の、地域のグランドデザインをどうするか、そこに鉄道がどのように関わるか。幅広いステークホルダーがこの議論に参加し、十分に議論し尽くすことができる仕組みこそ作るべきだと考えます。 このようなことを書いていたら、もっと優れた記事が書かれていました。赤字ローカル線存廃問題 「輸送密度」だけで足切りするなhttps://www.itmedia.co.jp/business/articles/2203/18/news066.html 「輸送密度」のデータとしての危うさ、費用便益の重要性、そして地元自治体(市町村だけでなく都道府県レベルでも)の、鉄道を活かすプランニングの重要性についても指摘しています。従来からの議論に一石を投じています。是非お読みください。
2022/03/20
おはようございます。 災害発生により運休が続き、加えて路線の存廃について沿線町村が鉄路存続「断念」を表明したとされる、根室本線富良野~新得間に関してです。 去る3月7日、道内の鉄路存続にかかわる3団体の連名で、鉄路存続「断念」の再考を求める声明を発表しました。https://www.okhotsk.biz/gingasen_net/ 3団体のうち、2団体は沿線地元の団体、1団体は北見で石北本線の存続を目指し活動している団体です。 この声明の中では、4つのポイントを掲げています。私はその中から、特に2つの点に注目したいと思います。 ひとつは、鉄道の必要性について「徹底的な議論」が今までなされていないことへの指摘です。鉄道廃止に至る時間軸を考えると、突然の廃止発表→地元自治体(市町村)の反対表明→進まない協議→時間が経過→都道府県レベルの自治体の財政援助不可の意向(「無い袖は振れない」)→運営会社からの「最後通牒」(これを逃せば転換バスへの支援は不可)→地元自治体(市町村)が廃止容認 このパターンになるかと思います。既成事実を積み上げ、兵糧攻めで落とすやり方です。よく、存廃議論が進まない、時間がかかると言われていますが、この図式に当てはめると、議論を止めて時間が流れるのを待つのも、織り込み済みの戦術だと思います。 しかし、この図式には、鉄道が必要なのか代替交通でよいのか、代替交通に変わったらどのようになるのか。鉄道を活かすとすればどのような地域発展のグランドデザインを描くのか。その「本気」の議論が全く出てきません。 もうひとつは、費用負担の問題を通じて明らかになった、当事者は誰かという問題です。ここでも「財政負担10億」という言葉だけが先行し、それがあたかも沿線市町村のみが負担すべきとの議論になっています。国も道もお金を出さないと言っているから、地元市町村が鉄道なんかやめた、となるのは当然です。これは額の問題もさることながら、根室本線当該区間の存廃が地元市町村だけの問題なのかという、本質的な問題をあぶり出しています。道央、道北から道東への回遊ルートを形成する本区間は、大きなポテンシャルを秘めています。逆に言うと、この区間の問題は、全道の鉄道ネットワークの問題につながるものです。だからこそ、石北本線沿線も黙っていなかったし、3者連名も実現したのだと思います。別にロイヤルエクスプレスを通すために鉄路を残すのではありません。ロイヤルエクスプレスの運行が、道内鉄道ネットワークの価値を再度明らかにしたのです。 声明文の中では、鉄道の持つ機能を5つに分けています。その内、地域住民の生活移動以外の4つの機能維持についてまで、すべて地元市町村に負担させることについて「著しい社会的不正義」と言っています。この言葉の持つ意味を、もう一度かみしめたいと思います。
2022/03/20
こんばんは。 本ブログ、昨年末から更新が滞ったままとなっていました。 恥ずかしながら今までも、このような事が度々起こっていましたが、新型コロナウイルス感染拡大による公共交通利用への影響、そして道内ローカル線に対する沿線自治体の相次ぐ「廃止容認」など、重大な局面に差し掛かっているこの時に、ブログ更新を通じた意思表示を行わなかったことは、大変申し訳なく思っています。 正直、心が折れそうになっています。特に道内ローカル線に関して申し上げれば、人々の心がここまで鉄道から離れてしまった。あるいは鉄道を残したいと公言できない雰囲気が作られてしまった。そのことを痛感する報道に接すると、自分は今まで何をしてきたのか、と自問自答する日々です。新型コロナウイルスに関しても、全国的な公共交通の輸送需要減から、最早公共交通の時代ではない、自家用車の無人運転が実現すれば交通問題は解決、という意見さえ見られます。 それでも、私は公共交通、あるいは鉄道の持つ力と未来を信じます。公共交通には、人々の心と英知が重なることで、人々を豊かにする、幸せにする力を持ちます。誰も見ていない、弱小ブログですが、もう一度私も力を込めて、公共交通の必要性、将来性を発信していきたいと思います。
2022/03/15
全3件 (3件中 1-3件目)
1


