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おはようございます。 少し前ですが、9月19日、石北本線の歴史を巡るツアーが開催されました。私も参加しました。「JR石北本線」バックヤードツアーhttps://readyfor.jp/projects/orhps1/announcements/233082道新記事https://www.hokkaido-np.co.jp/article/750586/https://www.hokkaido-np.co.jp/movies/detail/6312542718112/ ツアー実施は地元の旅行会社ですが、企画はNPO法人オホーツク鉄道歴史保存会が行い、前日開催のプレイベントから当日のツアーガイドまで、NPOのスタッフが活躍していました。オホーツク鉄道歴史保存会https://orhps.org/https://readyfor.jp/projects/orhps1 当日は、募集上限ほぼ一杯の参加者を集め、またマスコミの関心も高く取材も入り、にぎやかな1日となりました。 当日の様子については別のソースに譲るとして、私がこのツアーに参加して感じたことが3点あります。 1点目は、少し視点を変えると、地域オリジナルの「資源」が見えてくることです。 今回のツアーの行程だけ見ると、北見から上川まで、ただただ列車に乗って往復するだけです。しかし、その途中に展開する鉄道施設それぞれに、機能や歴史があります。それを知らない人は圧倒的に多いと思います。普段何気なく通っている、外から見ている線路に、思いがけない価値がある。実際にツアーに参加した人の多くは、ある程度それを知っていると思いますが、「価値」の存在を参加者以外にも広くアピールしたのが、今回のツアーではないでしょうか。地域沿線の「価値」の発見から、それを「資源」に昇華して地域活性化につなげていくか。考え行動するきっかけになればと思います。 2点目は、沿線どうしを「つなぐ」効果が、鉄道にはあるということです。 北見駅で「ゆるキャラ」の見送りを受け、遠軽駅で名物の駅弁「かにめし」を受け取り、上川駅では地元特産品の物販がホームで展開されました。鉄道は、出発地から目的地まで、途中を「すっ飛ばす」ことをしません。現在の、実際のダイヤ編成はともかく、日本の鉄道に受け継がれてきた「思想」として、出発地から目的地までの途中で何かする・できる、あるいは途中駅と途中駅とを結ぶ、乗って降りてまた乗る、これができる前提があるかと思います。 石北本線のような規模の大きい路線では、沿線地域同士の横のつながりが欠かせません。地域の方には、日常的な朝夕の通学需要に目が行きがちになると思います。そうすると、鉄道のもたらす「効果」は限定的に見えてしまいます。しかし、より広域的な効果、そして地域同士の連携が取れる、取りやすい輸送手段として、鉄道を再認識して改良していければ。沿線全体に大きな相乗効果を生み出せるはずです。 ここが、道路交通と決定的に異なるところで、行程の自由度が圧倒的に高いはずの自動車での移動が、実はピンポイントでの移動にとどまり、地域内での広がり、あるいは地域間の交流につながっていかない現実があります。例えば「道の駅」も、そこを起点に地域内を巡るという行動には結びついていません。行きたいところへの移動の途中に寄る、といった使い方でしょう。また、道の駅どうしは「商売敵」のような雰囲気もあり、自己完結型になっています。 3点目は、公共交通への主体性を持った関わりに、新たな流れができてきたことです。 今回の石北本線バックヤードツアーは、オホーツクの鉄道の歴史を継承する目的で設立されたNPOが企画しました。全員ではないですが、NPOのメンバーに鉄道ファンが多いことは明らかです。今回のツアーは、鉄道ファンが、鉄度の歴史をテーマの一つに据え、現在の石北本線を活性化したいという思いで企画されました。 実は最近、各地で鉄道ファンが主体となったツアーが開催されています。室蘭本線https://www.hokkaido-np.co.jp/article/726541/平成筑豊鉄道https://news.yahoo.co.jp/articles/ad158b5fc0786ebb17fbb5c7e8bbd158330e258a 従来も、興味関心あるジャンルでの、鉄道ファン主体のツアーはありましたし、近年は運行会社も、鉄道ファン向けのツアー売り出しに積極的になっています。しかし最近の流れとして、鉄道そのものを社会にアピールして、もっと活用される鉄道になってほしいという願いがこもっているツアーが増えてきています。鉄道ファンは、地域を越えて移動を続ける「余所者」だとすれば、地域に新しい視点を持ち込み、地域どうしを結ぶ橋渡し役となれる可能性があります。そこに「無責任な烏合の衆」の批判はあてはまりません。 石北本線バックヤードツアーに話を戻しますと、NPOのメンバーが、沿線地域さらに運行会社に至るまで実に丁寧にフォローしていることが、肌で感じられました。その成果の一つとして、運行会社であるJR北海道から、保線車両の公開や保線職員による保線車両や災害発生時の詳しい状況の解説が行われました。 当日の天気はあまり良くはありませんでしたが、明日に向けて少し希望の持てる1日だったと思います。 当日の車内の様子から。JRの方から、石北本線が受けた災害とその復旧に関する説明がありました。路盤崩壊に巻き込まれた際の説明に、保線職員の方々の大変なご苦労を感じずにはいられませんでした。
2022/11/27
こんばんは。 ここ最近、更新が止まっていました。伝えたい情報や考えは持っているのですが、自分の中で気持ちの整理がつかなかったためです。 その、気持ちの整理がつかない原因を作ったのが以下の記事です。JRローカル線の廃止を積極的に容認する考えを持つ人たちは、決して少なくありません。本来は、それを受け止めた上で、返すところは返すべきものです。(そもそも私は、人を論破したり上手く切り返すといったことが全くできない人間なので、傍から見ればサンドバッグのように叩かれていると見えるでしょう。) ところが、今回の記事は違いました。3本とも同一人物の記事です。「鉄道ファン」しかほぼ乗らない「JRの赤字路線」は廃止一択...高校へは自転車で通ってくださいhttps://gendai.media/articles/-/99894?imp=0鉄道ファンが地方を滅ぼす…!「もっと早く鉄道を廃止すればよかった」と地方町長も大後悔した「衝撃的な理由」https://gendai.media/articles/-/99894?imp=0「今こそ運賃と税金を上げて、赤字路線の拡充を」…東京新聞記者の主張から読み解く「日本社会の闇」https://gendai.media/articles/-/100902?imp=0 最近、新たなJRローカル線関連の記事を公開したようですが、ここまででいいでしょう。 この記事の筆者は、某大手週刊誌の編集長の経験があるそうです。記事の内容は、乱暴かつ雑であると感じます。JRが発表したデータを鵜呑みにして、意図的に路線を区切った区間が「大赤字」であることを以て、JRローカル線はは廃止すべきと主張しています。 昨今発表されているJR線区の利用状況や収支については、フリーきっぷや長距離旅行客の収入、そして経費の切り分けについて実態を反映しているものではないという疑念が指摘されています。そこへの切込みもなく、ひたすら現状追認に基づいた批判ならば、誰でも書ける記事でしょう。 また、記事の中で出てくる北海道の町長は、鉄道存続を目指した前町長と選挙戦を戦った人であることも、留意する必要があります。 他にも指摘したい点はありますが、当ブログでお話ししてきたことと重なるので、これ以上は触れません。 今回の記事で最も困惑したのは、鉄道ファンが地方を滅ぼす、と主張した点です。 鉄道ファンがローカル線に乗り、存続を願うことは「ノスタルジア」であり、税金の無駄遣いをしていると言っているのです。 もし、この考え方を延長していけば、例えば廃線が決まった路線に唐突にやって来て、マナー無視の行動をする輩については、廃線が決まった後で税金を使わないからOKとか、転換後のバスに乗らないことを以て、鉄道しか乗らない鉄道ファンは無責任と批判される。そんな事態に発展する可能性があります。 以前から、ネットの書き込みのレベルでは、そんな主張はありました。しかし、大手出版社の名前を背負ったメディアからこのような記事が発信されたことに、愕然としています。 日本の鉄道ファンに、行政や鉄道会社を動かす力などありません。それがメディア内部の人であっても同じです。鉄道ファンは、一般の会社など鉄道と関わりのない組織の内部では「ちょっと変わった人」という扱い以上ではありませんし、鉄道ファン本人も、政治的に大きく鉄道を動かせるなどと、思ってもいません。 恐らく筆者は「撮り鉄」に代表される鉄道ファンの悪いイメージを利用しようとしているのでしょう。現代の鉄道ファンは裾野が非常に広くなっています。数で言えば、コアなファン層よりも、ルール・マナーを守りながら、ゆるく楽しく温和に対象と接する人たちのほうが、圧倒的に多い。 その人たちが、ローカル線に乗ることは税金の無駄遣いで「悪」であると言われたら。「自己責任論」を背景に、そんなに好きなら自分で全部カネを払って列車を動かせと批判されたら。真面目な人ほど真に受けてしまいます。しかし、広く利用の門戸を開放されている、公共交通たる鉄道に対し、正当な対価(この場合は鉄道会社が指定した運賃料金等)を支払い利用することが「悪」と指弾されるならば、それは著しい(和製英語的意味での)モラルハザードを生じます。 鉄道ファンがJRローカル線を利用することは「悪」ではありません。他に先んじて、十分利用されていない線区を積極的に利用することは、公共交通の利活用と地域活性化に、具体的に貢献しています。そして、鉄道利用から得られた利用の実態を発信し、利便性の向上、あるいは利活用の推進につなげていければ、なお良いと思います。 加えて「ノスタルジア」については、公共交通としての利便性を、限られたリソースの中でいかに向上していくかを追求する前提で、「ノスタルジア」は地域の個性であり、地域活性化に大いに利用するべき(銭になる、銭にする)と考えます。 改めて自分の立ち位置の確認と、若干の意見を述べさせて頂きました。とりあえず、本件はここまでとします。
2022/11/17

更新が止まってしまい、申し訳ありません。遅ればせながら、鉄道150周年に関して。 今を去ること50年前、鉄道100周年の時、私はようやく物心ついた頃で、行動範囲も狭く、当時の鉄道の様子、あるいはイベントなども、ほとんど記憶がありません。 ただその時、母親から鉄道写真が載った小さな写真集を買ってもらったのは、鮮明な記憶にあります。母はその写真集の見開きの白紙ページに「鉄道100年を記念して」と書きました。今でもその写真集は、私の手元に残っています。 SLブーム全盛の当時、都市から地方まであらゆる線区を扱い、また斬新な切り口の写真と旅心をくすぐるエッセイが載ったこの写真集は、日本の鉄道が全国の人々の生活を支えていたことを生き生きと伝える、貴重な資料と言えます。 それから50年が経過しました。新幹線は延伸し、リニアも実用化されようとしています。技術は進歩しました。にもかかわらず、日本の鉄道は現在、最大の危機を迎えていると言って差し支えないと思います。 なぜでしょう。少子化でお客さんが減っているからでしょうか。あるいは地方では、クルマ社会になって鉄道に乗らなくなったからでしょうか。 私は、イベントやマスコミを通じての盛り上がりと裏腹に、人々の気持ち、心が鉄道から離れてしまっていることが、最大の問題だと感じています。もちろんそれは、鉄道の利用機会が著しく減った、地方の現状ともリンクしているのですが。 人々は、日々の暮らしに忙殺されています。その中で、鉄道を活かす、公共交通を活かすという事に目を向ける余裕は、なかなか生まれません。加えて、自分が直接利害を持つ(と思っている)事以外の事、例えばそれが税金を投入するようなことに対しては、冷淡、嫌悪を示す反応が、近年非常に増えている気がします。それが「自己責任論」と結びつくと、聞くに堪えない批判や攻撃につながることさえあります。 鉄道は、全国を結ぶネットワークである。このことへの疑問や否定する声も、近年特に強くなっています。これも、国鉄分割民営化やJR各社の施策の影響だけでなく、鉄道ネットワークに象徴された、日本のさまざまな地域とつながろうとする心、その先にある自然、人々のくらし、そして人々の気持ちを知ろうとする心が、何か小さくなってきているからのようにも思えます。もちろん、大規模災害時の助け合いの心は尊いものですし、道路だって日本中とつながっているではないか、鉄道のない地域にだって、という意見も当然あるでしょう。 ところが、です。強い批判、面白おかしく揶揄する、消極的な存続希望等々も含め、実は多くの日本国民に、鉄道に対する関心が、まだ残っているのではないか。最近、そのことに気づきました。 気になるからこその批判。気になるけどどうしたらいいかわからない。そう捉えたときに、鉄道を地域で生かすための考え方、物事の進め方に、道筋が見えてくるような気がします。 また、鉄道の特質として、全国概ね同一のルール(運行、接続、営業等)のもと、「駅」という接点を基に、地域と地域が結ばれていることが挙げられます。駅の規模は様々ですが、それが駅同士対等な存在として認識されることで、駅がその地域の顔、玄関となるのです。1日200万人の利用者がある駅と、1日1人も利用が無い駅と同等なのか。誰も近寄らない無人駅が地域の顔なのか。私はすべての駅がある意味同等であり、あらゆる駅が地域の接点に現在もなっているし、もっとその機能を伸ばす可能性があると考えます。駅と駅同士が結ばれる鉄道ネットワーク。これは、点と点を結ぶ道路網、あるいは通過点としての機能しか持たない「道の駅」とは、明らかに一線を画するものでしょう。 これからの鉄道は、利用者との関係もさることながら、地域との関係性、向き合い方が試される時代を生き抜くことになるでしょう。そして新幹線、在来線幹線からローカル線まで、常に全国鉄道ネットワークの中でこそ活かされていくことを、意識していかなければならないと思います。この2つの前提の下、私は日本で現在営業している鉄道路線の殆どは、未来に向けて活用される必要があると確信しています。 次の50年が地域のために、日本のために貢献する鉄道となることを願って。 JR桜木町駅前のビル内に保存されている、110形蒸気機関車。10月14日撮影。
2022/11/15
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