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ちょっと今の回は長くなってしまいますが、一挙に最後まで書きますね。やがては、わしのことも・・幸せでな(大広間での万太郎と吉宗の会話のやりとりから入っていきま。ここは、これからの作品の流れに大切な一コマになっていると思いますので、長い会話になりますが、その様子を感じとってみてください。))万太郎、思うところがあって、吉宗に会いに江戸城へ参ります。大広間に万太郎が、「お成り~」の声が。吉宗 「万太郎、久しいのう」万太郎「将軍の座の座り具合はいかがでござりましょう」吉宗、窮屈で、万太郎の自由の身が羨ましいと。吉宗はお庭番から手に取るように報告を受けていたので、万太郎が高麗郷へ行っていたことは耳に入っていました。万太郎「将軍家にそれほどご配慮をかたじけのうするとは、万太郎家宝ものです」いつまでも部屋住まいではいられまい、養子の話がきていることを、吉宗が持ちかけますと、万太郎「養子の口などはまっぴらですなぁ。不肖ですが万太郎、いささか志も ござりますれば」吉宗 「志ともうすと・・」万太郎「羅馬へ渡ろうと思っております」吉宗 「羅馬へ」万太郎「さよう」万太郎のような自由人には、吉宗が引く政治の日本は窮屈でいたたまれないだろう、と吉宗が言います。万太郎「そこで本日は、折入ってお願いに上がったのでござりまする」吉宗は、羅馬に行く手配のお願いと思って、手配をしてやると言うと、万太郎「その前に、当江戸城のお庭を拝見させていただきたいのです」吉宗 「なに、庭? それはいと安いが、庭ともうしても山あり谷あり、とても 一日や二日では見きれまいぞ」万太郎「暫く、お数寄屋でも拝借して、滞在の予定です」吉宗 「面白かろう。あっはっは、吹き上げの庭の方へまいると、茶座敷など ぼつぼつとある」万太郎「居候なれしている万太郎です。その辺は如才なく手ごろな貸家を探して まいります」吉宗 「あっはっはっ、江戸城の中で貸家探しか、あっははは、いや神君家康公も さぞ地下で驚いていられることであろう」万太郎「家主は新将軍吉宗公、たまり家賃のご催促もありますまい」吉宗、万太郎、大いに笑います。(相手をはばからない自由奔放な万太郎、"尾張の三男坊"で知れ渡っているのですから相当なもので、かないません。)万太郎、滞在する屋敷を何処にするか見て回っています。万太郎「なるほど広い、全く深山幽谷の趣きがある。これが江戸の真ん中とは どうしても思えんなぁ。うん、気に入った。当分ここに滞在すること にする」 (京都二条城を使っての広々とした中での撮影箇所がふんだんに出てきます。行ったことある人、城内を知っている人は、何処の場所を使っているか万太郎と一緒に歩いてみてください。)万太郎は金吾と共に絵図面の半分を頼りに、夜になると江戸城内の庭からの抜け穴、けいけつ草の場所を探し始めます。金吾がお堂を見つけました「あんな所にお堂が・・」、万太郎「石上堂」と呟きます。中に入ってみると仏像が何体もあるだけ?のようでしたが、万太郎その中の一つの像に目がとまりました。しかしそのまま他を探しに出て行きます。その頃、日本左エ門もそっ八と絵図面の一片を頼りに城内に忍び込んでいました。お堂の裏にたどり着き中に入ります。目をつけたのは、そうです、さっき万太郎も目がいった像です。左エ門も今日はここまでで帰っていきす・・と、家にはお蝶が待っていました。心を決めて日本左エ門の所に来たというお蝶、俺も孤独だからお蝶のような薄命の女を探していたという左エ門。左エ門が気を許したすきに、お蝶は絵図面と黒装束を持って・・・?何処へ行くのでしょう。場所は江戸城全体を見渡せるお堀の石垣の上・・二つの影が小さく見えます。万太郎と金吾が今夜も捜索に走り回っています。その時、堀の向こうから黒い影が走ってくるのを見つけます。我らの他に夜半歩いている人間がいるはずはない、人だとすれば怪しい奴。(入り込んでいたのはお蝶なのですが)石段を降りてきた時、黒装束の者を見つけます。 相手も気がつき逃げたので追いかけます。(お蝶は先を走って逃げていますので・・映っていなくてすみません。) 黒装束の曲者を見失ってしまい、うしろを振り返った時、日本左エ門の姿があり、邪魔をしてきました。投げて来た手裏剣をかわし、今度は日本左エ門を追います。 その様子を何故か高台から吉宗が見ていました・・何を思ったのでしょう。(お堀周り全体を見渡せるところ、京都二条城の天守閣跡のところからお堀づたいの高い石垣づたいを、西櫓のところをと走り回ったりと、二条城をふんだんに使っての場面が展開していきます。橋蔵さま、千原さん、伏見さんが走ります、若さですね。)完結迅雷篇になると面白くなってきました。橋蔵さまの二条城の天守台から石垣の上を走ったり、西櫓のところを走ったり、いくらカットが入ってもカメラテスト等で何回かは走りますから大変です。千原しのぶさんは足が速くかけることは得意だったようです。伏見扇太郎さんは、こんなにマラソン?した作品は初めてだと言ってフウフウ言っていたそうです。橋蔵さまはこのくらいなんでもありません。(ここからは、万太郎と金吾の会話になります。若殿と家臣の考え、思い、の違いが吹き出していきます。)江戸城内にどうして異相の曲者が出入りする隙があるのか、謎だと不思議がる万太郎です。金吾が20日余りくまなく探したが、ピオの軌跡は何一つ見つからない、といいます。万太郎「うーん、今のところでは、ほとんど何も得るところがない」恐らく徒労に終わるのではないか、と金吾はいいます。万太郎「何故じゃ」千蛾老人の言うことが偽りだと言うのではなく、ピオがこの城内で刑罰を受けても、死骸を埋めたあとに記しを残しておくことはないというのです。万太郎「だから、どうせいともうすのだ」金吾 「将軍家のご不審を求め、またまたご本家へ迷惑を及ぼさぬうちに 断念なされた方が、賢明ではないかと心得ます」万太郎「金吾、そちは精が切れたと見える。いやなら去れ、わしは突き止めるまで ここを去らぬ」精が切れたとは憎い言葉・・そのような金吾ではないと万太郎に反発します。万太郎「ならば、何故さような事を言いだした。わしの捜索に励みをつけぬか」将軍家のご不審があると尾張家にためによくない、それが案じられると金吾は言います。それに対して、万太郎は、何かにつけて将軍家将軍家と言うが、吉宗とは部屋住み時代からの竹馬の友だと。金児 「いや、その心持は違います」万太郎「大事はない、前もって彼の了解を得てあることだ」金児 「是非もないこと、若輩者の小利口な勇だとお聞き流し願います。・・・ もう、ご諫言はいたしませぬ」万太郎「するな、万太郎は思い立ったことを貫かずには済ませぬたちじゃ」と言って背をひるがえすのです。(万太郎と金吾の関係はどうなってしまうのでしょう。自分の思いどおりを貫く万太郎、若殿の気性を知りながらも尾張家のことも考える家臣金吾。いつの世にもある光景です。この大事な時に、仲違いをしてはいけません。そこまで日本左エ門が来ているのです。先に夜光の短剣を探さないと。)道中師伊兵ヱはお蝶が黒装束で江戸城内に忍び込んでいること、日本左エ門より早く夜光の短刀を手に入れたいことを知っている、見方であり、日本左エ門の鼻を明かしたいだけだ、とお蝶を待ち伏せして言います。その時、「雑魚一匹と目こぼしてやりてえが今日は許さん。動くな」日本左エ門は抜いた刀で伊兵ヱを斬り、裏切ったお蝶を睨みつけるのでした。江戸城大広間、新井白石が復元した切支丹調書が吉宗の手元にきました。目を通して吉宗にんまりとして、「これで、万太郎の目当てが分かった」と。金吾とはあのような事があり、万太郎は一人で捜索をしている時、またしても怪しい影が走って行くのを見つけます。万太郎「曲者」捕まえて見ると、「あっ、お蝶さん」 お蝶「若様」 万太郎「やはり、夜光の短刀が欲しかったんだな」お蝶は、違う、日本左エ門に取られたくなかったのだ・・一日も早くと捜索絵図の半分を万太郎に渡すのです。万太郎「かたじけない」絵図面は復元でき、二人が行きついた所の扉を開けた庭の奥に見つけました。万太郎「あっ、けいけつ草」 お蝶「あの鼻の下に夜光の短刀が」 (ここの場面は、えっ、とても早い展開、どういうルートで探したかは分からないうちに、けいけつ草の咲く場所にきてしまいましたね。)けいけつ草に二人が近づこうとした時、「裏切り者待て」とまたもや日本左エ門が登場、邪魔をします。万太郎「またしても日本左エ門め」「折角ここまで運んだ夜光の短刀を、貴様らに渡しては日本左エ門、末代までの名折れだ」と勝負を挑んできました。最後の勝負です・・いよいよ本当に最後の対決です・・万太郎かまえます。 万太郎の危ないところをお蝶の投げた手裏剣で助けを得たところで、日本左エ門を倒しました。万太郎に駆け寄るお蝶「若様」 万太郎「お蝶さん」そこへ、あの金吾も駆けつけてきました。 (第一部と疾風篇での立回りは音楽からも冒険物という感じでしたが、この最後の対決は違います。ただ、橋蔵さまの、のちの殺陣を知っている目で見てしまうと、少し物足りないのは仕方ありません。危なくなった時にお蝶の手裏剣が飛んで・・はいいのだけれどですね、折角二人の対決でと見いっていた期待をちょっと裏切られた気持ちが私には残ったの。でも、これも今の目線で見るからですよね。こども達をも考慮しての作品ですからこれでいいのです。メデタシ・・当時私は小学低学年でしたわ。)江戸城大広間、万太郎とお蝶が控えています。吉宗の前に夜光の短刀があります。吉宗 「万太郎、そなたの望み通りこの短刀を持って羅馬へ渡がよい」万太郎「はっ、では」 と受け取り、お蝶の前に行きます。万太郎「この短刀はもともとお前の先祖の物。羅馬へ渡り幸せに暮らすがよい」吉宗 「万太郎、羅馬行きの望みは捨てられたのか」万太郎「はい、私は今まで通りの三男坊で」お蝶 「若様、私は一生あなた様のおそばに使えさせていただきとうございます」万太郎、首を横に振り、万太郎「父の国へ帰れば、やがては、わしのことも日本のことも忘れる時が来る」お蝶 「若様」万太郎「幸せでな」 (お蝶は万太郎が好きだから、おそばにいたいといっているのですね。その心内を分かっていながら羅馬へ帰れと言う万太郎の本当の気持ちはどうだったのかしら。連れなく言う万太郎ですが。)そう言えば、これで橋蔵さま8作品目なのですが、作品の中に恋人のようなお互いが好きだという場面があるものは、ひばりさんとの共演の作品だけです。羅馬へ向かうお蝶を載せた船を見送る、清々しい万太郎の姿がありました。 (浜辺で風が強く吹いているところでの撮影のため、万太郎の髪がちょっと風にあおられてしまっていますが、笑顔が素敵なので何のそのです。)この作品はモノクロなので、東映ウィークリー表紙からの写真を載せておきます。(こんな感じの色合いなのかな。雑誌に載っているものを見ると地が水色ぽっく帯が黄色いものがあるのですが、こちらを載せてみました。)場面によって橋蔵さまの目のお化粧の違いが分かるところがあります。映画の撮影は順番に撮っているわけではないので、この場面とあの場面は同じ時とかね。モノクロ時代の映画ですから、カラ―になってのお化粧法とは違うときでした。クランクインして最初の方で撮っているところでは歌舞伎の雰囲気がちょっとありました。あとの方で撮っている場面の橋蔵さまには、「おっ!」と思う良さが出てきました。橋蔵さまとしても、まだご自分の魅力を出す化粧法に試行錯誤をしている時期ではなかったかと思います。万太郎の髪型ははじめてですし。江戸三国志第一部・疾風篇・完結迅雷篇 長かったですが、皆様の有難うございました。 (完)
2016年11月27日
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尾張中納言の三男徳川万太郎が盗まれた夜光の短刀の秘密を記したばてれんの口書と家宝の鬼女の面は、数奇の運命を経て、同じ夜光の短刀を探す武蔵野の奥、狛家のご隠居千蛾老人の手にありました。この屋敷に忍び込んだ道中師伊兵ヱを追っていた次郎は、眠っている間にお蝶に面を奪われてしまいました。それを探しに外へ飛び出した次郎は、偶然にも万太郎と会い一緒に面探しの旅に出ます。千蛾老人の娘月江は、結婚を迫る久米之丞ともみ合っていて崖から落ちてしまいました。その月江を助けたのは相良金吾でした。金吾を執拗に追う丹頂のお粂でしたが、金吾の最後の言葉に何を思ったのか・・日本左エ門のもとに帰って行きました。鬼女の面を奪い取り夜光の短刀を探すのに邪魔だてするものは、すべて斬れと手下に銘ずる日本左エ門。それは相良金吾、道中師伊兵ヱ、キリシタンのお蝶、そして徳川万太郎です。その万太郎は、日本左エ門をつけて近くにいましたが、感ずかれ斬り合いが始まったところまでが前回でした。1956年6月封切 江戸三国志「完結迅雷篇」いよいよ最終編、万太郎の活躍になります。それにしても場面が次々と変わります。ただ流れを追っているだけ、橋蔵さまを見ているだけではつまらない。これから、万太郎と一緒に江戸城内に入り、けいけつ草と夜光の短刀を探しましょう。「羅馬・・羅馬」お粂が金吾のもとへ走ります。万太郎が日本左エ門一味に囲まれていることを聞かされた金吾は万太郎のもとへ、お粂は番所に走り・・・捕り方が来たのを見て一味は退散。金吾 「若君、お許しください」万太郎「よいよい、そちの忠節、善右衛門から聞いたぞ。吉例のお能の日も近い。 共々力をあわし、必ず洞伯の面を取り返そう」お粂が、洞伯の面は日本左エ門が持っていて、川越の泰野屋にあることを言い・・そしてお粂は息を引き取ります。(お粂をつけて来た手下ともみ合った時に斬られて負傷にしていたのですね。)捕り方に追われながらも川越まで戻り、面を持ちだし外へ出た日本左エ門の前に、追ってきた万太郎が立ちはだかります。万太郎の剣に傷を負った日本左エ門は不覚にも面を落としてしまい、捨て台詞を残して立ち去っていきます。「おのれ、万太郎、俺は風のように天下を往来する男だ。この仕返しは必ずするぞ」追おうとする金吾に、面を拾い上げて「面さえ帰ればよい。いまより江戸へ帰り、兄上にこの面を」と言う万太郎です。 ある日、万太郎と金吾は高麗郷の狛家を訪れていました。その夜、千蛾老人が折入って万太郎に話があると言います。夜光の短刀について話があると言うのです。万太郎「おぉ、その儀は自分からも訊ねたいと思っていたところじゃ」狛家と短刀の持ち主ビオは深い縁があった様、夜光の短刀の探索には人力を尽くしてきたようです。万太郎「実は、自分もそれを手に入れようとしているのだが」老人 「まず、お聞きくださりませ」万太郎「うーん、短刀の詮議はやめよ、と言うのか」老人 「何でそのような事が、この老人に言えましょうか」万太郎「如何なる危害が身にかかるとも、わしは夜光の短刀の探索は思い 留まらぬ覚悟だ」老人「千蛾も共に、ご成功をお祈り申しておりまする」千蛾老人に野心がないのか、手掛かりを多く持っているのに、夜光の短刀を諦めたとは考えられない、と万太郎。狛家の宝としても稀代な名品、ローマの王家に持っていけば、莫大な報酬を得られるもの。狛家代々の遺志ををついで手に入れたいのはやまやまだが、仔細あってそれは万太郎に譲りたいと言うのでいす。万太郎「わしに譲る、と申してぬか喜びであろう。今もってかいもく手掛かり がないものを」千蛾老人はできる限りの助力をするというのです。万太郎「ほほぅ、そちはわしを助けて、夜光の短刀を身のものにしてみせる というのか」別室で見せたいものがあるという老人と共に行く様子を、庭先に忍び込んだ日本左エ門がずっと見ています。(また何かが起こりそうな気配がありますね。)老人が、一つお願いがあると言います。金吾を月江の婿に欲しいと・・万太郎、金吾を説き伏せ月江と添わせてやると約束をします。それで安心したと、箪笥の引出しを開け、大切にしている物を出してきました。万太郎「これは・・」老人 「これこそ、当家代々の者が筆に筆を加えた夜光の短刀の創作図 でございます」万太郎「これは御本丸を中心とした江戸城の絵図らしく思われるが」ピオの足跡が細かく分かっているのに諦めなければならない。ピオの最後の地と分かっている場所を生涯に一度暴いて見たいと思っていたが、無理なことだと分かったと。しかし、万太郎なら実行することは夢ではない、立派にその場所に近づくことができる・・・と千蛾老人は言います。万太郎「だが老人、今日まで自分が探ったところによると、ピオの最後の地は 武蔵野の中にあって、この絵図面に記しある江戸城とは大分違っておる ように思うが」老人 「それが誰しもが考え違いをしやすいところ、武蔵野とは申しますが、 今の江戸の町とても慶長の昔は、武蔵野の一部であったにそうい ございません」万太郎腕組みをして「なるほど」老人 「そこは、所詮我らが望んでも、手の届かぬ場所でございました」万太郎「手の届かぬ」万太郎なら、そこに近づくことが出来るとというのです。老人「江戸城に入りうるお方は、若殿の他にはござりません」万太郎が考えた様子でいた時、「曲者」との声が・・賊が入った方に行っている間に、日本左エ門が老人を斬り絵図面を奪ってしまいます。万太郎「おのれ、日本左エ門」左エ門「万太郎、約束通り仕返しにきた」(万太郎の気を手下たちの方へ向けておいて、簡単に奪ってしまいましたね。でも、簡単に持っていかれては面白くありません。万太郎どうにかできないか。)万太郎と日本左エ門の間に金吾が入ってきた時、左エ門が絵図面を落とし二つに割れてしまい、一片を拾って左エ門は去ります。 江戸、ある夜川端で、そっ八が客をとるお蝶を見つけ、親分のところへ連れていこうとしている所へ万太郎が来あわせ、お蝶を助けます。あの時助けていただいたお殿様、とお蝶が言います。万太郎「どうしてこんな所で・・・、その姿は・・」お蝶 ゜聞かないでください・・お慈悲でございます」万太郎「聞くなと言うなら聞きはせぬが」万太郎は困ることがあったらいつでも来るように、力を貸す、とお蝶に言う。お蝶は「それは本当ですか」今まで優しい言葉をかけられたことがない、と万太郎に感謝します。万太郎「お蝶さん、私と一緒に屋敷へ来るがよい」万太郎の身分にさわると断るお蝶に万太郎「お蝶さん」私は世の人が冷たくても、自分の力で生きて行く、この日本の国で。父の国に行くことは諦めたと、お蝶は言います。万太郎「父の国、何処だ?」 お蝶 「羅馬(ローマ)の国です」 万太郎「羅馬、・・羅馬」 そっ八が日本左エ門にお蝶を見つけたことを報告します。今夜は邪魔が入り逃したが必ず連れてくると。「邪魔をしたのは誰だ」・・・「万太郎です」。また万太郎に邪魔だてされた日本左エ門・・この後どのように展開していくのでしょう。(この作品での男女の愛の行方に関しては、先輩の伏見扇太郎さん扮する金吾におまかせになります。橋蔵さま扮する万太郎には御蝶が心を寄せてきますが、万太郎は・・・・どうなのでしょう。) 続きます。
2016年11月22日
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洞伯の面は尾州家の秘宝の品だ日本左エ門は江戸にも東海道筋にもいられなくなり、武蔵野に行っていました。万太郎はそっ八から聞き出した高麗郷へ行って、お堂に落ちた者の行方を探していました。お堂に落ちた者は狛の家に連れて行かれた事を聞きだします。狛家のご隠居に言われ、石上堂で籠を用意してお嬢様を迎えに出ていた侍達が話をしている所へ、万太郎が来合わせます。万太郎「突然、失礼であるが、そのご隠居様とか申す狛家のご主人にお目にかかりたいのだが、 ご案内くださるまいか」どんな御用向きなのか聞かれ、万太郎「先日さる者が、この石上堂へ取り落とした品、それをご隠居のお使いが持ち去ったと聞いた故、取り戻さんと存じて」その品物は、と聞かれ万太郎「身にとって大切な洞伯の面」万太郎の言葉に侍達がざわつき、「そのご案内御免こうむる、一人でいらっしゃい」万太郎「さようか」と言いその場を去り、歩いて少し行った時、先ほどの侍達が「お待ちください」と追いかけてきたので、、万太郎何事かと振り返ります。折角お迎えに来たお嬢様が帰ってこないので一緒に帰ってご隠居様に取り次ぐ、と言ってきたのです。そして、万太郎は駕籠に乗るように促されます。万太郎「これは有難い」万太郎を乗せた駕籠は途中から凄い勢いで走り出しました。駕籠に乗っている人のことなど考えていない揺れ方です。(この時のバックミュージック、聞いていてリズミカルで万太郎さんには可哀想ですが、山道を走って行く様子が楽しくなってしまいます。)万太郎「おっあっ、これは乱暴な・・駕籠の者静かに・・静かに・・あっ、もう、ほれ静かに、駕籠の者、あっ・・これ駕籠の者、、図ったな、降ろせ、降ろせ、降ろせ・・」万太郎が何を言おうと聞き耳持たぬです。大揺れの駕籠は、峠の頂上に来た時、万太郎を乗せたまま投げ落とされました。何回転もして落ちて行きます。(万太郎はどうなるのでしょう。)万太郎のことは大変心配ですが、ひとまず・・・画面はのんびりとした景色の中にある狛家へと変わります。馬春堂を助けた時に手に入れた洞伯の面とばてれん口書は、狛家の用人久米之丞によって当主の手元にありました。ばてれん口書は狛家にとっても何か関わる大切なもののようです。月江が熱海の当時から戻ってきました。馬春堂は毎日ご馳走で浮かれています。今夜もご馳走が運ばれ喜んでいると、今夜は祝いのしるしとしてと、久米之丞が言い酒を注ぎます・・・お嬢様の不治の病を治すために馬春堂の生き肝が欲しいのだと言ってきます。座敷では月江が戻ってきた歓迎の宴が開かれています。踊りの連中の中に伊兵ヱの姿が・・。ご隠居が久米之丞に合図を送ると、久米之丞は馬春堂の部屋に刀を抜いて入っていきましたが、馬春堂の姿が見えません。伊兵ヱは途中から部屋の中を探していて石上堂に続く洞窟への入り口を見つけますが、ご隠居から面を持ってくるようにいわれ取りに行っていた次郎に洞窟で出くわし逃げ出します。すると、命を狙われている馬春堂と鉢合わせをし、一緒に逃げ出します。次郎は伊兵ヱを追っているうち面をつけたまま自分の家へ帰ってしまいます。その家には、助けられたのであろうお蝶が眠っています。目がさめたお蝶は次郎がつけていた面をつけ、足早に逃げて行きます。次郎は目がさめ面のないことに気づき、「面泥棒」と叫び道を走って行くと、「あっ」万太郎がちょうど来合わせました。(傷を負わず大丈夫だったのですね。崖からでなくてよかったぁ。)次郎 「おじちゃん、面を持った人を見なかったかい」万太郎「なに、面?どんな面だ」次郎 「狛家にあった洞伯の面だ」と言う。万太郎「えっ、洞伯の面。小僧、わしもその面を探しているんだ」次郎 「おじちゃんは、一体誰だい」万太郎「わしは、徳川万太郎だ」万太郎と次郎は、一緒に面を探しに行きます。次郎を探しに出た月江は、待ち伏せしていた狛家の用人久米之丞に結婚を迫られ、振り切ろうとして崖から落ちたところを金吾に救われます。お粂はあきらめられず金吾をつけて来ていました。伊兵ヱと馬春堂はさまよっていたお蝶から洞伯の面を奪い取りましたが、また、日本左エ門一味に取られてしまいます。江戸城・・・吉宗が将軍につくことになりました。吉例の能を催したいと・・「尾州家にある洞伯の鬼女の面を一見におよびたい」と言われた徳川義道は、吉宗に力なく頭をさげます。(義道様の不安さが手に取るように分かります。その日にちまでに万太郎は面を見つけることができるのでしょうか。万太郎頑張って!!)次郎が鬼の面を被った女の通り魔が最近出るという事を耳にしてきます。それは洞伯の面をつけた者の仕業かもしれない、と万太郎。万太郎「次郎、先刻も話したように、あの面はもともと尾州家秘蔵の品、たとえ、 わしの手に帰っても、狛家へ戻して遣わすわけにはいかんぞ」次郎 「それは分かっています」万太郎「ならば、わしの申したことを、ご隠居に伝えて詫びを入れた方が よかろう」次郎、今となっては帰れない、万太郎の家来にしてほしいというのです。 崖から落ちて怪我をした月江は、助けてくれた金吾と共に医者に行っていた所へ、つけてきたお粂に呼び止められます。傷を負ったところを救ったのは誰、その後の介護をさせておいて・・と金吾に迫りますが、麻薬を飲ませておいてすべてはお見通しだと言われ、寂しくその場を去って行くのでした。途中、そっ八がお粂に一緒に親分のところへ帰ってほしいと促します。日本左エ門は万太郎を探していました。万太郎と次郎の影が・・・日本左エ門一味の近くまできていました。肝心の徳川万太郎の行先が分からないというそらっ八に「この地獄耳が聞いている」と日本左エ門。「てめえ達の居所から、ものの4.5軒と離れていねえ草むらだ」万太郎達が近くに隠れていることが分かってしまいました。万太郎、姿を現します。日本左エ門一味みんなの目が万太郎の方に向きます。 「それ、叩き斬れ」ここから、大勢の立回りです。 ⤵ ⤵ (お粂が様子を見ていて、万太郎を助けるためにかけ出して行きます。手下がお粂の裏切りを見つけます。)待ってました!と言いたい立回りシーンです。スピードあるわくわくしてしまう立回りの面白さ分かってもらえるといいのだけれど。(足場の悪い砂利での立回りですが、橋蔵さまの殺陣も様になって来て、スピードある走りながらの殺陣、やっぱりよいですね。こういう立回りを見てしまうとやみつきになります。まだ、映画デビューして約6ヵ月ですからね。当時、時代劇ファンも橋蔵さまに期待大でしたね。それに橋蔵さまは確実に答えていってくださったのです。)万太郎一人で立ち向かって居ましたが、次郎が捕まってしまい・・さあ、困った。日本左エ門とのにらみ合いになってしまいました。どうする万太郎。 疾風篇では、洞伯の面の行方に、みんなが振り回されました。ばてれん口書とけいけつ草の話は出てきませんでしたね。次の回にもってくるようですね。万太郎と日本左エ門との勝負はいかに。次回は、いよいよ完結迅雷篇に続きます。
2016年11月18日
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1956年6月封切 江戸三国志「疾風篇」 尾張中納言の三男徳川万太郎は、家宝の鬼女の面とキリシタン宣教師の口書を怪盗日本左ェ門に盗まれ、強く決心し探索に乗り出しました。家臣の相良金吾は万太郎の命により面の在処を突き止めるが日本左エ門の銃火に倒れ、助けたのは日本左エ門の情婦丹頂のお粂でした。キリシタン屋敷のころび伴天連のお蝶は、先祖ローマ王族が日本に隠した夜光の短剣を探し持って帰れば、ローマの王族になれると聞かされました。けいけつ草が咲いているところに夜光の短剣はあるというのです。けいけつ草の種を奪い逃げた道中師伊兵ヱを取り巻く日本左エ門一味。夜光の短剣と秘宝の面をめぐる乱闘の中に完全に飛び込んだ徳川万太郎。万太郎と日本左エ門が面箱をはさんでのところで第一部が終わったのでしたね。大名暮らしは・・日本左エ門と面箱を中にして戦っていた万太郎、面箱は万太郎が掴み日本左エ門一味から逃げると、「逃がすな」「面を取り返せ」という声に、キリシタン屋敷の中を捜査していた捕り方達が外へ出てきました。逃げる万太郎を追っていた日本左エ門一味が御用の提灯を見て万太郎を追うのを止めて逃げていきます。万太郎も立止まり見て逃げます。今度は大勢の御用の提灯に追われ飛んできた六尺棒をよけた時、万太郎は面箱を不覚にも落してしまい、道中師伊兵ヱに持っていかれてしまいます。相模の国の熱海、のどかな海沿いの場面に変わります。狛家の娘月江が襲われている所へ、金吾を探しに来た善右衛門が通りがかり助けます。物を訊ねると言い、若い侍と年増の女の二人連れを見かけなかったか聞きますと、月江は知らない様子でしたが、一緒にいた次郎という子が知っているような雰囲気です。月江が止まっている宿で善右衛門は金吾の姿を見つけました。しかし、お粂と一緒のため声をかけられません、何か思案したようです。金吾はお粂に不審を持ったようです。そこに、お侍さん・・お助けください・・投扇興をやっていると廊下を通りかかった悪いお侍が、その扇があたったとお嬢様に難癖をつけていると、金吾に救いを求めに来たのは次郎でした。次郎が案内して行った部屋は荒され、そこに背を向けた侍が座っています。金吾「湯治客を痛める奴は貴様か」と言い、肩に手をかけた相手は善右衛門でした。「若君のお使いで迎えに来た」お粂に感ずかれてはいけないのでついて来いと言って行こうとする時、お粂に呼び止められますが、金吾は「今の私はもうお前とは逢わないつもりだ。この先まで一緒に逃げるなどということは考えていない。日本左エ門のところへ帰れ」とすがりいてくるお粂に言うのです。そして、「日本左エ門は終生忘れられない敵だ。若君にとっても、わしにとっても。お粂、貴様はわしに取れば敵の片割れだぞ」善右衛門と浜辺に出た金吾は、色香に迷っていたのではない、一時も早く洞伯の面のことをお詫びにあがらなくてはと思っていたがこの身体が・・。善右衛門からお粂に南蛮の眠薬を飲まされていたことを聞きます。すると、金吾は若君に申し訳ないと腹を切ろうとしますが善右衛門に止められます。道中師伊兵ヱと易者の馬春堂が、面箱を隠しておくには御誂え向きとやって来たのは高麗郷にある神社、そこの賽銭箱の下にある穴でした。隠すのに入れたはいいが空井戸で深かったようです。どのくらい深いのかと伊兵ヱの持つ帯紐を頼りに馬春堂が降りようとした時、その様子を見ていた日本左エ門の手下のそらっ八が「賽銭泥棒だ」と大声で叫んだため、伊兵ヱは逃げ出し馬春堂は井戸の中に落ちてしまいます。江戸城を見つめている万太郎の後ろ姿がありました。万太郎「大名暮らしは退屈だろうなぁ」万太郎が歩いていますと、慌ただしく早馬、大名行列が江戸城内に入っていきます。ある行列が来るところを何とも思わず通ろうとする万太郎が止められます。 万太郎「待て」狼藉もの、控えろ、と囲まれます。万太郎「お前たちの主人は誰だ」無礼な、吉宗公のお通りである、頭が高い控えろ。万太郎「おお、吉宗か」供のものをはらいながら駕籠に近づいていきます。 吉宗 「これはこれは、誰かと思えば、尾張のいたずら殿か」万太郎「あぁ、しばらく」将軍家が危篤なのにそのように呑気にしていてよいのか、という吉宗に、万太郎「はーて馬鹿らしい、危篤の病人の所へこうみんなで押しかけてはかえって様態を悪くしてしまおうに」吉宗 「あいかわらずだなぁ、兄上はそうは呑気におられまい」万太郎「兄は兄、わしはわしだ」吉宗 「今日は火急の登城ゆえ、いずれ」万太郎「自分も今日は急ぎの出先だ、御免」日本左エ門の子分達が居酒屋で八代将軍は誰がなるのか酒の肴にして話しています。万太郎の姿があります。紀州の吉宗か尾張の万太郎か・・・そっ八゜いけねえ、あいつは俺たちには鬼門だ」(その話を聞いている時の万太郎の表情です)居酒屋から日本左エ門の子分の後をつけた万太郎、そらっ八を捕まえて聞きだします。日本左エ門の行先は分からないと、洞伯の面は武蔵野の奥、高麗郷の石上堂の下にあると白状します。万太郎「高麗郷、石上堂・・」高麗郷に行く決心をする万太郎です。 (疾風篇になって、万太郎の表情、仕草に、橋蔵さまらしい魅力がだんだん出てきて、見ていて引き込まれて来ました。この後が楽しみになってきました。) 続きます。
2016年11月13日
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おのれ、日本左エ門万太郎に鬼女面を探すように言われた相良金吾はどうしたのでしょう。万太郎は兄の徳川義道に、簡単に見つけられるような顔を見せていましたが、金吾は見つけることができたのでしょうか。鬼女面を探しに市中を探していた金吾が来たのは盗人市が開かれている町でした。お粂という女スリが、金吾に目をつけぶつかってきました・・何か思惑がありそうです。金吾の姿を見た日本左エ門は、由緒ある面だと言って鬼女の面を競りにかけさせます。面を見つけた金吾は、皆が競っているいるところへ入り競り落とそうとして、財布がないことに気がつきます。(そう、さっきお粂がぶつかった時に掏られたのです。)そんな金吾の傍へ、お粂が何食わぬ顔で私が落してやるが頼むことがあるかもしれないと言います。(金吾はお粂に掏られたとは全く思っていない様子。)お粂が競り落とそうとしたその時、日本左エ門が「お前には売らねえ」と声をかけました。金吾 「その方は何者だ」左エ門「夕べ尾張家へ忍び込んだ日本左エ門だ。昨日邪魔された返礼だ。屋敷に 帰って万太郎にそう言え。あの面は尾張六十万石張ってもわたさねえ」(お蝶が日本左エ門から逃げ、万太郎の行列に助けを求めたことを言っているのでしょうね。)日本左エ門と金吾の騒ぎの中、鬼女の面が入った箱は、道中師伊兵ヱに持って行かれてしまいます。金吾は傷を負って・・・お粂は・・・。根津の別邸で謹慎の身の万太郎は、身なりを変えてそーっと出て行こうとしています。が、爺の善右衛門に見つかってしまいます。金吾がいつまでも帰らないし、面を探しに行くのだと善右衛門を振り切り出かけるのです。お蝶はキリシタン屋敷の官庫から秘宝を盗み出しては町へ出て売り、普通の娘たちのように気飾りたいとの思いで、自分の身につける物を買って歩いていました。遅く帰ってきたお蝶は父から言われます・・バテレンの娘は日本の男との結婚は許されないと。お蝶にも幸せはくると言い、父は今まで黙っていた話をし始めます。お蝶の父はピオの家を再興するために、夜光の短剣を求めて日本へ来たこと、お蝶はローマの王族ピオの血を引いている。夜光の短剣を探し出しローマへ帰れば、ローマの王族になれると身分をあかすのです。牢に押し込まれているヨハンというものが騒ぎだしたので、お蝶がそちらに行った間に、忍び込んでいて話を盗み聞きしていた道中師伊兵ヱに父は殺されてしまいます。金吾は傷を負い長屋のお粂の家で寝込んでいました。「万太郎君がどんなにご案じなされているか、それを思えばこうしては・・」と思うが、お粂が金吾に分からないように飲ませている麻薬で起きようにも起きられない状態なのです。同じ長屋にいる易者の馬春堂がお粂のところにやってきます。鬼女の面と一緒に入っていた「ばてれん口書」の謎を解くため金吾の力が借りたかったのですが、お粂に断られてしまいます。金吾をかくまっていることを親分に言っても・・・というところへ、親分が来たとの声がします。親分の日本左エ門はお粂の家の窓越しから寝ている金吾を暫き見ていたと思うといなくなりました。伊兵ヱと馬春堂が夜光の短剣を探しローマへ行けば王様になれると話をしているところへ、日本左エが現れ鬼女の面とばてれん口書を奪い取っていきます。道中師伊兵ヱが易者馬春堂に、今夜もう一度キリシタン屋敷に忍び込み夜光の短剣の手掛かりをつかむ、と話していると、何やら商売になる客が来たので邪魔になるからと・・伊兵ヱを追い払います。頭巾の侍が「許せ」と言い川端に出している易者馬春堂の所へ。万太郎「実は家宝の品を紛失したのだが、それよりも気にかかるのは、それを 探しに行ったものの帰らぬ家来がおる」馬春堂「ご家宝、ご家来、うーん・・」と言い葵の紋が目に・・、伊兵ヱも影から葵の紋を見て、伊兵え「失礼ではございますが、もしや尾張の若殿万太郎様ではございませんか」万太郎「その方は」伊兵ヱはご家宝とは洞白の鬼女の面、ご家来とは相良金吾という若い侍でしょうと、万太郎に言います。万太郎「よく存じているなぁ」伊兵ヱは盗人市で見ていたのだが、金吾が面を取り返しに来られると、日本左エ門がいきなり短筒を発して・・と、万太郎「なに、日本左エ門」 万太郎は掛け軸に書いてあったのを思い出します。 万太郎「で、洞白の面は」日本左エ門が持っていて、盗人市の噂では今夜にもキリシタン屋敷に忍び込むとか言っていた、と万太郎に言います。万太郎「そして、金吾はどうしておるのだ」長屋のお粂のところで養生していると。万太郎「すまぬが、案内してくれ」万太郎達がお粂のところに行った時には部屋には誰もいなく、隣のおかみさんの話から熱海へ養生に行ったことを。万太郎は寝床にあった薬を見つけます・・金吾はこの薬で体の自由を奪われていたようです。万太郎「南蛮渡来の麻薬・・・」万太郎、いらつき瓶を叩きつけます。(モノクロ映画で、灯りがない部屋の場面なので、見ずらいかとは思いますが、この時の万太郎の気持ちを感じとってくださいね。)お蝶は、ヨハンから夜光の短剣のある所に必ずけいけつ草が咲いていると教えてもらいます。日本左エ門の一味が夜光の短剣を探しにキリシタン屋敷の官庫に押し入っていますが見つかりません。ヨハンがお蝶に渡したけいけつ草の種が入った本を、庭に忍び込んでいた伊兵ヱが奪い取り屋敷の外へ出た時、日本左エ門の一味が待ち受けていました。万太郎と馬春堂は伊兵ヱのもとへ走ります。(ここから、走るところと立回りのところのバックに音楽がずっと流れますが、とても軽快なものです。少年少女達が画面にのめり込んでいくのにはとてもいいタッチの音楽です。) (画像がある程度はっきりしたところを乗せました。なにしろ、すごい勢いで走っていますので・・。東映の時代劇は本当に、信じられないほどスターであれ走らせましたね。橋蔵さまは、特に作品の中で走っています。この作品から随分そういう作品がありますから、お楽しみに。)そこへ、日本左エ門が立ちはだかります。 万太郎「何者だ」左エ門「徳川万太郎、お前が探し求めているこの洞伯の面、尾張六十万石を 相手にしても渡さん」万太郎「おのれ、日本左エ門だな」 万太郎が先に刀を抜きました。 伊兵ヱを囲んでいた手下が、今度は万太郎を囲みます。➾➾日本左エ門と万太郎が組み合ったいる時、左エ門が面が入っている箱を落としてしまいます。 万太郎がそれを拾おうとすると、面の入った箱が人から人へと宙を舞います。➾➾万太郎も面箱を負います・・右へ走っていったり左に走ったりと大変です。(そういえば、大切なものが次から次へとまわされるというのはよく使いますね。橋蔵さまの「若さま侍捕物手帖べらんめい活人剣」でも、ラストの立回りの時お皿が舞っていまいた。思いつくところでは、このあとの12作品目の「ふり袖太平記」でも鍵になっている鏡の取り合いの時に飛んでいます。)(それにしても、東映の映画はよく走らせました。スターの人もどんどん走らせました。これからの橋蔵さまの作品にもすごいスピードで走る場面が沢山出てきます。カットが入ったとしてもリハーサル、本番と、体力がないと持ちません。昔のスターは大変でした。この「江戸三国志」の中でも走るところが、この後に出てきます。)そして、面箱を持っていた者が転んで、万太郎と日本左エ門との間に面箱が舞い降りました。 にらみ合う二人、さあ、どちらの手元に面は行くのでしょうか。 次は「疾風篇」に続きます。(場面が目まぐるしく変わっていましたが、皆様大丈夫でしたか。)私は、個人的にはこういう冒険物的映画は好きでない方なので、はじめて第一部を見た時は正直言って、橋蔵さまもあまり出て来ないし気乗りがしなかったというのが本当のところでした。でも、ここを把握しておかないと先へ進んでも・・と思い数回も見ました。いよいよ、疾風篇から作品の筋が読めて来るのです。第一部と次の疾風篇は、最後の場面で日本左エ門と万太郎を戦わせることで、次回へと惹きつけるわけです。大人は勿論少年少女たち見ている人達を、次に何が起こるのか、何が待ち構えているのか、と惹きつけている訳です。橋蔵さまの立回りが見られるのは次回へとの最後の場面のみになっていますね。その後の作品を知っていらっしゃる方々には物足りなさを感じるでしょうが、この「江戸三国志」は「若さま侍」で人気になった橋蔵さまが、ここで人気を確実なものにした作品です。橋蔵さまの立回り身体が流れるところが所々ありますが、この作品の立回りは走りながら相手を斬っていくというものなので仕方ありません。ここというキメの部分のポーズはだんだん良くなってきています。
2016年11月10日
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吉川英治原作「江戸三国志」三部の壮大な時代劇活劇になります。吉川英治は幼少期から「三国志」に親しみを持ち、「江戸三国志」とタイトルを付け、江戸時代を舞台にした伝奇ロマン小説は報知新聞に連載になりました。内容は三国志とは全く関係はないようですが、三国志に愛着があったことが分かります。尾張徳川家の三男坊万太郎の屋敷から、将軍家拝領の鬼女面を大盗賊日本左エ門が盗み出したことから物語は進んでいきます。面箱の底には「御刑罪ばてれん口書」が隠されていたのです。その口書によると、日本で客死し羅馬(ローマ)の貴族ピオの遺品"夜光珠の短剣"には、莫大な富と名誉が秘められているようです。その行方をめぐり徳川万太郎と側近の相良金吾、ころび伴天連の娘お蝶、丹頂のお粂、他にも入り乱れての伝奇ロマンの作品です。映画は第一部・疾風篇・完迅雷篇の三部作になっています。 では・・1956年5月封切 「江戸三国志 第一部」この頃の時代劇映画は、あとに橋蔵さまも出演の「新諸国物語」もそうですが、少年達がスクリーンを通してわくわくするようなものが多く制作されていた時です。ロマン時代劇とかスペクタクル時代劇とか。橋蔵さまが映画界に入る前の1954年~1956年頃は東映の売出し中の俳優、錦之助さんと千代之介さんは「笛吹童子」「里見八犬伝」「紅孔雀」を、伏見扇太郎さんは「百面童子」「天平童子」と、大人は勿論ですが少年少女達も楽しんでもらえる作品も多く作っていました。橋蔵さまはこの「江戸三国志」で少年少女達にもお目見えです。大川橋蔵の名が子供達の間でも広まっていきました。第一部は、これから起きて行く中の人物紹介を兼ねながら進んでいきます。日本左ェ門という大盗賊がいたる所に出没して揺さぶっていきます。ばてれん口書と夜光の短刀がどう関わってくるのかは、まだはっきりとはつかめません。第二部になる疾風篇で分かってくるのでしょうか。武州(武蔵の国)、相州(相模の国)、甲州(甲斐の国)の三国を舞台にし、江戸城という所と羅馬の秘宝を絡ませて展開させ、入り組んだ人物設定が事件を複雑にしていくのです。見ている側は引きこまれて筋の展開を推理し始めてしまうのです。小説を呼んだ人は呑み込みやすいでしょうが、映画で初めてという人は・・深く考えず楽しみましょう。まず、事の発端は日本左エ門、相良金吾、お蝶が作っていきます。徳川万太郎はまだ本格的には動いてはいません。わしは将軍にはならん人が大勢出ている江戸の町、盗人市(ぬすっといち)の競りにひと目を気にしながら、古渡の珊瑚を競りにかけて欲しいと御高祖頭巾の女お蝶が現れます。正真正銘の伊太利珊瑚だと競りにかけていると、親分と呼ばれる日本左エ門が百両と声をかけました。百両を持って急ぎ帰るお蝶を、日本左エ門は先回りして待ち伏せます。何処から珊瑚を持って来たと言い寄り、もっと金目の物があるはず、家へ案内するよう強要します。お蝶は見逃してほしいと頼みますが、「まあ、歩こう」と言ってお蝶を帰さない。少し歩いたところで日本左エ門が足を止めました。正面に葵の御紋をつけた行列が目に入ったのです。隙を見てお蝶は助けをもとめ、行列の方へ近づいていきます。「無礼者、盗賊です、盗賊です」とお供が騒ぐ声に、万太郎「なに、盗賊。それは面白い」・・籠の中から声がして顔を出したのは、徳川万太郎。万太郎、籠から降りお蝶の方に行こうとするが、お供に引き止められているところへ、側近の家来相良金吾が駆けつけて来ます。万太郎「金吾か、よいところへ来た。賊に襲われた娘だ、送ってやれ」(橋蔵さまは、横顔も素敵でまいっちゃう。) 金吾にお蝶を送らせるが、途中でお蝶は金吾をまいて足早に逃げていく・・金吾が後をつけた先にあった屋敷は切支丹屋敷ででした。場面は変わって先ほどの盗人市に・・・おやおや、場違いな身なり、みんなが振返る中、葵の紋が付いた着流しの侍が歩いていきます。編み笠をかぶった日本左エ門がすれ違いました。万太郎の後ろ姿をずっと追っていきます。とても優雅に美しく歩く姿は、「若さま」を思い浮かべてしまいます。橋蔵さまご自身も言っていらしたことですが、歩く時に気をつけてはいるとのことですが、どうしても歌舞伎時代の女形の癖が時々出てしまうということでした。一つは、そうは目立ちませんが少し腰を振ってしまうことです。舞台では女形は女を強調するため大げさに腰を振らないといけませんので、その癖がなかなか抜けなかったようです・・・ここでの歩く後ろ姿をよーく見ると少し感じられますね・・でも、でも嫌らしくはありませんよ。この感じがあるから、着流しの歩き方が綺麗で色気も感じるのだと思います。万太郎、出店で足を止め何かしら地図に目を通したり、興味が湧いているようです。爺と呼ばれる善右衛門が向かえに来ても、万太郎「爺、ここはとても面白い所じゃ」と言いながら動こうとしません。善右衛門「何と仰せられますか、幕府御三家の一、尾張家の若君徳川万太郎様 ともあろうお方がおこしになる所ではございません。ささぁ早う早う」万太郎 「じい、わしは窮屈な御殿暮らしがいやなんだ」善右衛門「さようなことを大殿がお聞きになったら何となさいます。大殿は、常々 将軍家明日にでもご他界とならば、八代将軍となるのは若様か紀州の 吉宗様と仰っていますぞ」万太郎 「わしは将軍にはならん、いやだ。わしは常々将軍にはならぬと 言っているのだ」 善右衛門は、私が叱られると万太郎の手を取って強引に連れて行くのでした。(自由奔放なわがままな三男坊ですね。でも、可愛いな。)近くにいて話を聞いていた日本左エ門が「あれが尾張の三男坊か」と呟きます。(ほら、万太郎様善右衛門さん、こんなところでそんな話をしているから、聞かれてしまったではないですか。何も起こらなければよいですが、相手は日本左エ門ですから・・・ね。)屋敷に戻った万太郎は、金吾からお蝶が切支丹に関係するものだと聞き、大事な手掛かりになったのに惜しいことをしたと。金吾に見せるものがあると奥の部屋に行き、鬼女面の下に隠されていた御刑罰「ばてれん口書」を見せます。万太郎「これを知るものはわしとお前の他にはないだろう。他言はならぬ」金吾 「はっ」万太郎「金吾、かねてそちだけに話している、わしのローマの国をあたるための 手掛かりじゃ」金吾 「若君、そのような事を。八代将軍を継ぐ者は若君か紀州の吉宗公と 騒がれている大切な時ではありませぬか」万太郎「わしは将軍などなりたくたい」その時、ろうそくの灯りが消えた。万太郎「何者だ」 金吾「曲者」金吾が灯りを持ってくる。警戒厳しい屋敷に誰も入れるはずはない。万太郎、奥の部屋が気になった。先ほど開けて見ていた鬼女の面箱が・・万太郎「やっ、面箱がない」万太郎が目をやった掛け軸に、日本左エ門頂戴と書置きがありました。 (いよいよ日本左エ門が大盗賊の実力を現しました。何のために万太郎の屋敷に押し入ったのでしょう。)翌朝、兄の徳川義道が万太郎の部屋にやってきました。当家の重大な宝の鬼女の面を取られたと言うのにまだ寝ているとは何事だ、毎年能の催しには必ず持参しなければならない物、知っているであろうと言われ、万太郎「お能の日までに取り戻せばよいのでしょう」この返答が、義通の苛立ちを余計にしてしまいます。義道 「面がかえるまで根岸の別邸において謹慎じゃ」万太郎「謹慎の身では探せません」義道 「黙れ」万太郎「きょとんとして義道の顔を見ます。 (ちょっとの違い分かるでしょうか。) (この時のアップになった橋蔵さま綺麗です。)呑気な万太郎様ですが、大丈夫ですか。日にちは余りないですよ。金吾一人で鬼女の面を探しに行かせましたが大丈夫? ・・・心配になりましたね。 続きます。
2016年11月07日
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あたしたち二度と離れないのよ菊次とおたねはいよいよ京都に入ります。志賀近江之丞を訪ねて行った二人をいつ来るかと待っていたという。菊次が姿を現すのを今日か明日かと待っていた・・早速引き合わせたい人がいる、と案内される。菊次とおたねが連れて行かれた別室には、師匠の総右衛門が待っていたのです。菊次は、師匠の顔を見てこらえきれず、「師匠・・・。面目ない・・・」師匠「苦労したなぁ」菊次「へっ・・」師匠「でも、おたねさんに会えたのはよかったよ」菊次「はい・・」(本当に、菊次は破門は覚悟してたとはいえ、神楽を舞い諸国を歩くという修行をしながら、博打を打つまでに身を崩してしまっていたのですから、辛かったですよね。いい時におたねと会え救われました。)師匠「事情は聞いただろうな」菊次「へっ・・」能見三之丞の免罪を申し立て大目付に訴えたところ取り上げてくれた、と師匠から聞きますが、菊次「えっ、しかし、大庭は健在、上洛の供に加わり、大手を振って京都に 来ています」大庭の証拠がなかなかつかめないでいるらしい。師匠が、証拠を残すような大庭ではないが、御上では内々のお調べが進んでいると言うが、菊次「そんな手ぬるい順序は待っちゃおられません。私はひとおもいに・・」 菊次の気性からそんなこともあろうかと、わざわざ京都まで来たのだ、ここで無分別をしでかしては、能見のお家再興も水の泡になってしまう、との師匠の言葉に、菊次「私は我慢できやせん、できやせん。師匠、許してください」と、立ち上がり部屋を出た時、師匠「待て、証拠を掴むんだ。大庭の悪事の証拠さえ掴めば、また思案は いくらでもある。早まってはいかん」それを聞いていたおたねが「証拠・・・」・・何か考えを思いついたようです。 夜、おたねは文を小竹に渡し呼び出します。おたねが小竹と一緒に歩いてゆくのをお巻が見ていて後をつけて行きます。料亭座敷で、おたねは、ここへ来たのは死んだ気になって来たのだから、小竹にも死んでくれと・・死んだつもりになって大庭の悪事の証拠を話して、能見様の無実をはらしてほしいと頼む。が、死んだ者を相手の色ごとをするほどもの好きではない、と小竹は首を振らない。調べたところで証拠はないと言う。おたねは、能見様切腹の日、あれは大庭の使い込みとはっきり言った事などを言い、強引に小竹に迫るがいい返事をしない。そのとき、隣の部屋で飲みながら様子をうかがっていたお巻が助けに入ってきます。お巻「おたねちゃん、悔しいけどあたしゃお前さんに一本まいりましたよ。」そして小竹にどっちに転んでも助からないのだから、思い切って正しい者の味方になっておいた方がよいのではと言う。小竹が、小鉢に酒を注ぎ飲もうとしたとき、お巻はおたねに目で合図を送り、「お酒の相手なら私が」と一息で飲みほした。それを見ていた小竹は二人の顔を見て観念したのか何やら思った様子です。大庭をもてなしての宴席。本日のご祝儀に近江之丞の獅子舞を見せることに・・都一番の神楽師で江戸の神楽とはまた違うと・・獅子舞が始まった。獅子が舞ながら、座敷を上がって大庭の前までやってくる。獅子舞が頭を取った。菊次「やい、大庭、おいらの顔をよぉーく見ろ」大庭 「下郎、何奴だ」止めに入った侍をはらい、菊次 「おぅ、俺はおめえに詰腹切らされた、能見三之丞の忘れ形見、 菊次郎というもんだ」 おたね「あたしの顔覚えておいでだろう・・」 ⇒ 能見三之丞は役目の落ち度を恥じて自決したのだと大庭。菊次「侍ってぇやつは嘘つきだ、新御番の御用度金を使い込み、その罪を 擦り付け、親父に腹を切らせたのは大庭おめえだ」根も葉もない言いがかりをつけ証拠もないのに、と大庭。菊次「証拠が見たくば見せてやろう、あれを見ろ」小竹が出てくる「人の正はこれ善なり。つい正義の味方をしたくなった」大庭にもう諦めた方がいいと言ったので、狼藉ものと小竹を斬れと大庭が言う。かかってきた侍を押さえつけ、菊次「おっとまった、お侍でも命は二つねえはずだ。粗末に扱っちゃばちが 当たりますぜ」菊次に抑えられていた侍が菊次に向って「おのれ、芸人の分際で」と言う。⇒菊次「芸人だから弱いとはかぎらねえ。さあ、目指すは大庭ただ一人。うぬら、 邪魔をして怪我をするんじゃねえぞ」抑えていた侍を離すと大庭に向ってゆきます。 この場面の橋蔵さま決まっていますねすごい、綺麗橋蔵さまがアップになると心奪われてしまいます。そして、目です・・目の使い方が・・このころから目がいきていたのです。この後の作品ごとに、だんだん橋蔵さまらしくなっていきます。ここまでの綺麗な目の動きの使い方はなかなか出来るものではありません。立回りの時の目の動きも、映画を見ている女性をつかんだのです。橋蔵さまは「目千両」といわれ、流し目がいいのは当然なのですが、目の動きでがものを言うのです・・演技が出来てしまうのです。ですから、画面をボォーと見ている訳にはいきません。目のひとつひとつの動きが演技なのですから。これからの作品一つ一つに目が生きてきています。ここから菊次とおたねの立回りになります。 ⇒ ⤵➾ ➾ 立回り・・橋蔵さま「若さま侍捕物帖」での殺陣で大分上手くなってきてはいますが、第5作品目、まだまだ序の口です。舞踊的動きの殺陣の動きですが、動きが大きくスローになり、ちょっと流れ気味のところがあります。(厳しすぎ?かな)でも、おたねが詰め寄られたところを助けに行ったところの殺陣の動きとあのキメの部分は、橋蔵さまの上手さが出ていて、惚れ惚れしてしまいます。運動神経のいい、歌舞伎で鍛えたことが身についている橋蔵さまだから、この上記画像のシーンが生きていると思うところです。ですから、まだ完全ではない立回りも、私にはこの場面で帳消しになるのです。皆様は、この場面を見てどうですか。画像では流れが分からないと思いますので、作品見て見て。なるほど、と思いますよ。橋蔵さまに惹きつけられるようになります。あまり気にしていなかった方は、再度作品をご覧になるとき、ちょっと目を凝らしてみてください。大庭が逃げようとしたところへ所司代登場。用度金の件、能見坂の情の件を調べたいということで大庭は逃げ道がなくなり、突然菊次に斬りかかるが、菊次の一刀ではてます。所司代「菊次郎とやら、追って沙汰をする。それまで合い待つように」菊次郎「はい」所司代「聞くところによれば、亡き父の無実が証明されたあかつきには、 その方の舎弟をもって能見家の家督相続さし許されるよしであるぞ」菊次郎「はっ、有難う存じます」菊次郎とおたねは手を取りあって喜びます。(菊次郎は侍にはならず、神楽師の菊次で生きて行くのですね。)茶店で一休みの師匠と菊次郎とおたねがいます。おたね「あなたを幸せにしてくれって言って、お巻さんは笑って何処かへ 行ってしまったけど、私はあの人が泣いていたのを知っています」菊次郎「許してくれ、おたねさん」 おたね「いいのよそんなこと。あたしたち、これから二度と離れないのよ」菊次郎、首を「うん」と言うように。(幸せな二人の陰で、いい男を好きになり泣く女が必ずいるのですね。お巻さん有難う、あなたがひょんなことから菊次さんを助けてくれたおかげで、彼はそれ以上、身を落とさなくて済みました。二人がお互いに好きあっていることが分かると、本懐を遂げるのを助けてくれて、さっと身を引き旅立ったあなたの姿に、ほろっと涙が出てきてしまいました。)(ひばりさんが歌うおしどり囃子の中)馬に揺られながら、江戸へ帰る三人の晴れ晴れとした姿がそこにありました。 めでたしめでたし、心がハッピーになりました。(二人の仲の良い明るい笑顔がとても良いです。)如何でしたか。「おしどり囃子」の歌でyoutubeに動画がのっていますので一応載せておきますので筋書のどこの部分になるのか見てください。(youtubeの画像が何らかの理由で削除された場合はごめんなさい🙇)娯楽時代劇はこうでなくちゃ。橋蔵さまとひばりさんは、映画は大衆のもの、楽しめるもの、ハッピーにならなければと考えていました。長いものになってしまいましたが、「おしどり囃子」にお付き合い有難うございました。 (完)トミイ・マミイのコンビは「笛吹若武者」で多くのファンを掴みましたが、本格的なブームはこの作品からでしょう。橋蔵さまも映画に馴れ、橋蔵さまの持つお色気とひばりさんの持つお色気がとてもうまく合うお二人だったのですね。このぐらい、相乗効果でお互いの色気をだしたコンビはいなかったでしょう。それがはっきり出ているのは「おしどり囃子」でピックアップした部分の画像にも表れているお二人の絡みのシーンです。(このことに関しては、後のコンビの作品あとにでも、お話出来ればと思っています。)
2016年11月02日
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