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橋蔵さま第10作品目「復讐侠艶録」は、今書きますと年をまたいでしまいますので、区切りよく新年早々から始めることにいたしますので、少しの間お待ちくださいませ。門松の飾りを見ますともうすぐ・・今年もあと2日となりました。9月12日にこのブログを立ち上げましたが、どうなることかとちょっと不安でした。でも、皆さまのお蔭をもちましてどうにか自信がつきました。小さい時から夢を与えてくださった大川橋蔵さま、その橋蔵さまに関することを私が残せるものは何か、何か残したい、そうすることが橋蔵さまへの恩返しと思っています。橋蔵さまの33回忌のこの年に、やはりブログに作品を残して行くことが・・と決心した次第です。まだ始まったばかり、これから・・・です。サイドの画像もいろいろ工夫していきたいと思っています。"美しき大川橋蔵"私の想い出にいらしてくれた皆さま、今年は有難うございました。来年もよろしくお願いいたします。 橋蔵さまと共に、皆さまがおいでくださるのをお待ちいたしております。(追)そうそう、サイドコーナーでもお知らせしていた、橋蔵さまファンにはうれしいこと・・・テレビ放送がアップになりましたのでお知らせします。 BS日テレ 2017年1月10日(火) 19:00~20:54 伝説のスター 師弟物語 ~遠藤実×森晶子 ・ 大川橋蔵×京本政樹・・・人生を変えた3つの教え~◆銀幕のスターとして一世を風靡した大川橋蔵。大川といえば、国民的人気時代劇「銭形平次」の平次親分役で世間を魅了。時代劇のことは右も左も分からない若き日の京本政樹は、「銭形平次」のレギュラー出演が決まると大川に可愛がられ、時代劇の所作からメイクまで、手取り足取り教わった。そこには、大川の俳優人生としてのただならぬ思いがこめられていたことを、実際に京都の撮影所を訪れ、当時のスタッフから明かされる。さらに14年間にわたり「銭形平次」の妻役を演じた香山美子が、大川に教えられた演技の極意を振り返る。京本さんからの話は、前からのファンの方はよく知っていることが話されるのかもしれませんが、橋蔵さまに関して新しい発見もあるのではないかしら。新しくファンになった方にはすべてが興味あることですね。そしてこの番組を見て橋蔵さまっていいなと思う方ができるといいですね。
2016年12月30日
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将軍家に代わって余が成敗いたす前回は、お蝶が若さまを訪ねて来て、「和尚が喜仙を厳重に見張れと言っているから気をつけてね」と言っていましたね。おいとちゃんをからかって楽しそうな若さまでしたが、いよいよ和尚側も動き、若さまも動いての大詰めに入っていきます。忠弥が阿部の屋敷を抜けおみよが隠れている家に行くのを、伝三が着けていました。忠弥とおみよは魅かれ合う仲になっていたのです。同じころ、船宿喜仙に若さまを訪ね和尚の回し者たちが押しかけて来ましたが、二階の物干し台から次々と川に投げ込まれてしまいます。翌日、喜仙には町方の出入りがあり様子が少しおかしいようです。若さまは将棋を、おいとちゃんは小さく溜息をしたりして浮かぬ顔です。そこへ、小吉、とん平、そして伝三がやってきました。町方が喜仙から出て行くのを見たと小吉がいうと、若さまが奉行所から禁則を申し渡されてというのです。若さま「八百万石の禄を望むとは、上を恐れざる不届きな振舞い。よって向こう 三十日間禁則を申しつける、ときたんだ」小吉 「野郎、あのくそ坊主」とん平もいてこましたい、と言います。若さま「あっはは、王手飛車ときたね。敵はこのあと何をしですかと・・・」小吉がおみよの隠れ家が分かったと言います。若さま「そうかい」伝三がつき止めて知らせてくれたのです。若さま「そいつは手柄だったな、伝こう」まさかの時の生き証人だから上手く連れ出し、佐々島のところでかくまってもらうよう小吉に言います。では早速に、と腰をあげた時、若さま「おぅおぅ、待ちな。とん平は残って将棋の相手をしてくれ」 若さま「遠州屋、十分注意して動いてくれよ。敵の目が光っているからな」と言いながら立ち上がり、若さま「ここんちも、ばかに見張りが厳しくなったんだ」(小吉もおいとちゃんもキョトンとしています。)小吉「えっ?・・」・・・(小吉は何のことか分からない様子)若さま窓の障子を開けると、見張っていた編み笠の男が立ち去りました。若さま「敵は、詰めてを急ぎだしたかな」 夜になっても、黒頭巾の侍たちが喜仙の二階を見張っています。二階の窓は開いていて、若さまの後ろ姿があり、侍たちは笑みを浮かべ安心しているようです。(あまいあまい・・若さまが貴方たちの思っているように、おとなしくはしていないと思いますが。その証拠に・・ほ~ら・・ね。)阿部伊予之助の屋敷の場面になります。夜遅くに、門をうるさくたたく者がいます。門番がこんな遅くに誰だと聞きます。すると、門をたたく者は低い声で「拙者だよ、開けてくれ」と。(うん?・・低い声ですが、どこかで聞いたような声ですよ。)門を開け「あなた様はどなた様」と言いかけた門番はあて身をくらってしまいます。その者は庭の見張りをしている侍にもあて身をして、屋敷に入り込みました。高岡雄助が周りを見回しています。(侍二人が倒れているのに、曲者と騒ぎたてません。)座敷では、増山、牧野三河守と阿部伊予之助が和尚と、側妾貞代の方が懐妊したことでの今後のことを話しています。そこへお蝶が和尚に耳に入れたいことがと廊下へうながすと、高岡が誰かが屋敷に忍び込んだようだと話をします。万全の態勢で見張れといい廊下を歩いていき、お蝶と障子が開いている部屋を通り過ぎようとした時「おいおい、坊主」・・・(若さまです。やはり、あの声は若さまだったのですね。)和尚 「き、貴様は」若さま「和尚、人間あまり欲を出しちゃいけねえぜ。・・どうだい、 この辺で思いなおさんか」 和尚は、何を言っているのかさっぱり分からない、思い違いをしているのではと白を切っているところへ、腰元がお酒の膳を持って入ってきました。(お蝶も和尚もこれはいったい・・・という顔つきです。)若さま「ああ、ご苦労ご苦労」和尚 「なんじゃ、これは」若さま「いいんだよ、おれが言いつけたんだよ」 和尚 「なに、貴様が」腰元が、お客様ではないのかと和尚に聞きます。和尚 「いや、かまわん。飲ましてやれ」と言って部屋を出て行きます。 若さま「いいんだよ、一人で飲むからいいよ。あぶねえから、向こうに行ってた ほうがいいぜ」と腰元に言い、お酒を飲んでいるところへ、お蝶がどうしてこんな所へ来たのだと、やってきました。若さま「そんな顔をしていないで酌をしてくれ。そうしろと言われて来たんだろう」この部屋は囲まれている、お酒がまわったところで斬り込むのだ、とお蝶が言います。若さま「和尚のやり口はそんなものさ。ふん、知恵のねえ話だなぁ」そう言って盃のお酒を一飲みします。 若さま「もう少し飲みたいが、お前に怪我をさせちゃいかんから、それじゃ、 こっちから出かけてとっちめるかな」そう言って立ち上がり、身構えて若さま襖を開けると、物々しくかまえている侍達に、若さま「あっはっはっは、ご苦労だったな。人が酒を飲んでるのを見張るなんぞ は、随分間の抜けた役目だぜ」うしろの障子が開き振り返ると和尚の姿がありました。若さま「坊主、本性を現したな」和尚 「雉も泣かずば撃たれぬものを、今宵こそは生かして帰せぬ」若さま「世の中には、そっちの都合通りばかりいかねえことだってあらぁな。 どうだ坊主、今のうちなら心を入れ替えりゃ許してやる。これ以上悪事を 重ねやがると、そのがん首が胴に付いちゃいねえぞ」和尚 「それを言いたいために、わざわざ命を捨てに来たのか」若さま「そうよ、武士の情けってぇやつだ。だが、聞かすがん首が足らねえ ようだぜ。三守はどうした、増山、伊予之助も居たはずだが」和尚の「こやつを討って捕れ」の声がかかります。若さま「お目当ての顔を揃えてくれなきゃ、また日を変えて改めて出直すぜ」 (ここから、立回りです。) ∞すごいですね。だんだん立回りの動きが長く激しい動きになってきています。スピードもあります。障子に素足が入ったり、そこから激しい動きで続いていき、廊下も走る。廊下の角に来た時廊下をまわって走らないで向こう側の廊下に飛ぶのです。(ちょっと・・障子が倒れているでしょう・・次に橋蔵さまが障子に足を入れる場面になるのには、障子がもう少し手前に出ていないとうまくありません・・そこで斬られ役の人が動きながら上手く少しずつずらしていっているのです。細かいところまで観ていると楽しくなってきてしまいます。)チャンバラの好きな人にはこういう動きあるものはたまらないです。橋蔵さまの流麗な動きですからなおのこと、いいですねぇ。それにしても、そうとう動いていても、橋蔵さまは着流し姿が着崩れません。∞ここでまたもや、若さまの前に高岡が現れます。奥の部屋の方へ追い込まれる若さま・・後ずさりをしていきます。 (危ない) その時、高岡の刀は灯していた蝋燭を斬ったのでした。若さまの姿がない・・(屋敷の外に逃げ出すことはできないはずですが。)お蝶が逃がしたのだ、裏切り者は殺せという和尚に、高岡がおとりに使ってはどうかと、牢へ連れていきます。牢に入れられたお蝶に声をかける者がいます。「お蝶、静かにしろよ、眠れんではないか」・・(若さまの声です。どのようにして牢にきたのでしょうね。)若さま「わしだよ」お蝶 「お武家様、こんな所にいたんですか」若さま「隠れるには一番いいな。誰も気がつかん」みんなが探しくたびれ諦めた頃に逃げ出すのだ、刀があるから錠前は壊すことができる。若さま「それまでお前もひと眠りしたらどうだい」お蝶「あたしは、いつまでもこうしていたい」・・お蝶が若さまにすり寄ります。若さま「これこれ冗談をゆうな、ここには酒がないぞ」・・若さま慌てます。喜仙の二階を見張っている者たちが若さまだと思っていたのはとん平だったのでした。和尚たちは、側妾貞代の方の懐妊をしり、おえんの方の寵愛が薄れるのを恐れ、安産祈願の参詣時を襲う計画を立てていたのです。護国寺に駕籠が入ると、門を締め取り囲み、和尚 「貞代の方出られませい」阿部 「仔細あって、一命頂戴つかまつる、お覚悟」駕籠から出てきたのは、若さまでした。若さま「忘れるはずはねえぜ、船宿喜仙の居候だ」 阿部 「図りおったな」若さま「阿部伊予之助とその一党、よーく受け賜われ。天下を狙うその方どもの陰謀すでに隠れし。将軍家に代わって余が成敗いたす」若さまを斬れと言われた高岡が翻えます。公儀隠し目付高岡雄助でした。和尚たちは、若さまが仕組んだ罠にまんまとかかったのでした。(ラストの立回りになります。)伊予之助を斬り、和尚との対決になり、一刀の下に切り捨てます。 祭の日、みんなを引き連れ、今回の事件についての話をしていると、「若さま」と町人になった忠弥とおみよがやってきました。一緒に行こうと楽しそうに歩く若さまを、物陰から見ているお蝶の姿がありました。 ( 完 )後ろ向きで飛び上がり向きを変え塀の上に、そして下へ飛び降りての場面が半ばにありましたね。そして、ラストの立回りで悪玉和尚との一対一の勝負、若さま宙に高く飛び上がり、おりてくる時に一刀のもとでという絵になりました。ここで、まさか・・観客はこのような演出になるとは思ってもいなかったでしょうね。映画館では「うわぁ」「おっー」という声が上がったのではないでしょうか。橋蔵さまの飛び、上手いですね、ポーズも決まっています。橋蔵さまは運動神経抜群、歌舞伎での鍛錬し見も軽いし高くジャンプするのはお手のもの、そして特殊技法を伴っての絵になります。今の時代に見ても違和感なくよく出来ていると、私は思いました。よく、橋蔵さまが宙に飛ぶ最初の作品は「若衆変化」の中で飛んで塀を越える場面といわれるのですが、その前にこの「魔の死美人屋敷」で飛んでいたのです。橋蔵さまの立回りは体全体を使っての動きとなっていますね。伸び、そり、と体の線もちゃんとしています。プラス舞踊で鍛えた膝の使い方でより柔軟性が出てきています。時代劇の立回りは、動、静、綺麗さ、力強さがないと、、見ている側には満足感が伝わってきません。橋蔵さまは、力強さはもう少しといったところです。まだ、橋蔵さまは女形として保ってきて細かったですから、いたし方ないです。その分、舞踊的立回りの流麗さがきわだっているのでしょう。どんどん立回りが上手くなっていますから、「魔の死美人屋敷」から立回りが多くなっています。それに、若さま出ずっぱりですから、橋蔵さま大好きの人にはたまらない作品です。「若さま侍捕物帖」シリーズの面白さは、とあなたが聞かれたら何と答えますでしょう。橋蔵さまの持っている二枚目半の軽妙さが引き出されているし、二枚目であり色っぽさがあり、颯爽としてスピード感ある殺陣で魅了させてくれる。船宿をねぐらとして着流し姿の浪人であるが、品位があり高貴なのに、べらんめえな江戸っ子口調の若さまは、橋蔵さまとそっくりなところがある。と、人それぞれにいろいろあることと思います。原作の若さまは、橋蔵さまが映画に来ることをよくぞ待ってくれました。主人公「若さま」のイメージにこれほどピタリという人は、橋蔵さま以外にはこれから先も出て来ないでしょう。品位がないといけないし、所作も見についていなければならないし、二枚目で華があり色っぽさもなければいけない。・・これだけ揃った人は・・橋蔵さま。若さまシリーズ第4作品「鮮血の晴着」は少しあとになりますが、女形の体型から立役としての体型になってきた、そしてちょっとお顔が丸くなり、橋蔵若さまもよい意味での若さまらしい貫禄が磨かれて、歩き方、殺陣、台詞にも安心して見ていられるようになります。新しい剣道の形を教えてもらい立回りにも研究中だったようです。皆様ご存知の"一文字崩し"は、お目見え間近・・ということになります。
2016年12月23日
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お蝶の恋心につれない若さまお蝶は、和尚が話があるからと若さまを下屋敷へ連れていきます。二百石三百石に縛られて和尚の言いつけを聞くなんて出来るかという若さまに、この屋敷から出ることは出来ないと和尚が言うと。若さま「ほほう、そりゃ不自由なことだな、あっはっはっ」殺気を感じた若さま、刀に手をかけると同時に、四方を囲んでいた侍達が現れました。⇒若さま、左側の襖を開けて出て来た侍達の方から右手の障子を開けてかまえる侍達に目を配り、和尚に目をやり、後ろに控える侍達の方に・・・そして、若さま「ふん、とんだ見世物だな。和尚、阿部伊予之助と言えば三千五百石 の旗本だ。それにしちゃ、家来が多すぎるようだな」 (この時の目の配りはすごい。ここまで綺麗に目が動くのには感心させられます。何コマもあるのですが全部を追ったら大変。後半3ヵ所アップします。橋蔵さまは本当に、流し目は勿論ですが、こういう目の動きを見ても、他の人にはまねをしたくてもできない。目千両といわれたのは当然ですね。)( ここから立回りです。)部屋の中から屋敷の庭の方へ移動していきます。(一回目の立回りです・・・立回りシーンが多くなってきました。動きも大きく見え上手くなってきました。でも、橋蔵さまの動きとしてはまだ序の口です。)ここで、用心棒の高岡雄助が若さまの前にまた現れ、若さまをじりじりと追い詰めていきます。塀の方へ追い詰められた若さま、飛び上がったと思うと塀の上に飛び乗り、塀を越えて逃げることができました。 和尚から、若さまに一服もれと言われたお蝶が家へ戻ると、若さまが来ていました。もう来てくれないのかと思ったというお蝶に、若さま「おまえからは、まだ、お暇がでていないからな。あっはっは、ひやでよい、さっそく頼むぞ」台所でお銚子に酒を注ぐお蝶の手が震えています。お銚子に渡された毒薬を入れるのです。毒薬を入れた冷酒を持って行き、お蝶 「何もないんですよ」若さま「ああ、いいよ」お蝶が支度している様子を若さまは何気なくか?何かを感じてか?みているのです。 若さまにお猪口を渡し、お銚子を注ぐのですが、お猪口への注ぎかたそしてお蝶の顔色を見て、 若さま「お蝶」お蝶 「えっ」若さま「なにを驚く」お蝶 「驚いたりしませんよ」若さま「あっはっはっさは、お前、わりと人がいいな。心からの悪党には なれねえな」藪から棒にどうした、盃にボーフラが湧くというお蝶。若さま「この酒を飲めって言うのかい、そりゃ、悪い冗談だよ」お蝶の表情が変わりました。若さま「それともお前、毒身をしてくれるかい」お蝶観念し申し訳ないと、・・従わないと私が殺されるので、と白状します。若さま「坊主の差し金だろう」帰り支度をしている若さまを見て、許してくれるのかというお蝶「なかったことにしようぜ」と若さま。お蝶 「お武家様、なんてお人柄なんだろう。その方にこんなことを してしまって、あたしはどうしたらいいんだろう」若さま、お蝶の様子をじっと見つめていたが、「達者で暮らせ」といって帰ろうとした時、お蝶 「お武家様」と呼び止めます。若さま「念のために言っとくがな、あの坊主とは縁を斬ったほうがいいな」と言って帰っていきます。お蝶が喜仙に若さまを訪ねてきました。おいとちゃんは、若さまは出かけていない、では待たせてもらいたいとのお蝶に、いつ帰るのかも分からないと言うのです。仕方なく帰って行くお蝶の姿を、小吉達と話を終わって出て来た若さまが見つけお蝶を追って声をかけます。若先「おいおい、お蝶」お蝶 「お武家様、今お訪ねしたんですけど、お留守で」若さま「お留守?なんの用できたんだい」知らせたいことがあって来たのだと言うのです。(おいとちゃんは、若さまを女の人が訪ねてくると、必ず嫉妬の気持ちが湧くのですよね。モテる人を好きになると・・大変ね。)和尚が喜仙を厳重に見張れと言っているから、くれぐれも気をつけてほしいと言うお蝶に、若さま「そんなこと、敵方のおれに喋っていいのかい。お前に難儀が かかるんじゃねえか」お蝶から、和尚は阿部伊予之助の兄上だと聞きます。一体何を企んでいるのかと若さまに聞かれるが、そのことは一つも言ってはくれないというお蝶です。若さまが考え込む顔を見てお蝶が近づいたところに、おいとちゃんがちょうど通りかかり、角からその様子を見て誤解をしたようですよ・・。(この感じを見たら、おや、いい感じと誰でも思います。) (二人のこの姿、雰囲気が・・ありますね。橋蔵さまの後ろ姿は素敵だし色気を感じます。ヒップの形もきれい。千原さんはこのような役はお手のもの。その二人がこのように立っているとほんと誤解をうけますね。)若さま「じゃ、気をつけて帰んなよ」お蝶 「ええ、くれぐれもご用心なすってね」若さま「ああ。お前もあまりおれに近寄らない方がいいぜ」 と、若さまに言われたお蝶は、うなだれ肩を落とし、悲しい思いで小走りに帰っていくのです。 お蝶の後ろ姿を見送って振り返ると、おいとちゃんの姿が・・・駆け寄っていく若さま。拗ねてみせるおいとちゃんです。(若さま、お蝶はあなたにほれちゃったんですよ。分かっているのでしょう。いくら、彼女の身が危なくなるからといっても、あの言い方はちょっとつれなくありませんか。、、悲しくなってしまうのが分かります。) 続きます。
2016年12月19日
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そうよなぁ・・八百万石野ざらしの伝三は町でお蝶を見かけ、この前武家屋敷で見たことでゆすろうとしましたが、2、3日したら家の方へ来てくれとあっさりあしらわれてしまいます。江戸おかまいになりまだ年数が経っていないところを江戸に戻っていた伝三は、小吉に捕まり見逃してもらうため、いいネタを教える・・大奥の女中を連れ込んで役者に口説かせるという一見の話をします。武家屋敷にいる和尚と言われる者は、大奥の女中おみよを役者が口説き落とせなかったので、今度は忠弥という若者に口説き落とすように依頼します。忠也はおみよに助けてやると言うのです。その夜、段取り通りおみよを牢から連れ出し屋敷から逃げようとした時、二人の侍が「待て、裏切ったな」と忠弥とおみよを追います。追って来る二人の侍を斬っておみよを連れて逃げます。二人をつけていたとん平が忠弥とおみよをつけて行こうとした時、先ほど斬られた二人の侍が起きあがったのにはびっくり。「貴様見ていな」とん平が追い詰められたとこへ、若さま「あっはっはっ」と笑いながら近づき若さま「面白かったな。だが、今の芝居は何のためだい」斬りかかってきた侍二人が若さまにやられたところへ、高岡雄輔という浪人が若さまの前に現れ刀を抜きます。(なかなかのかまえです。彼は和尚とどのような関係なのでしょう、気になります。)小吉に「親分どきな、こいつは出来るぜ。おめえ、斬られちゃうぜ」といい若さま身がまえるが ・・・暫くすると、刀を投げ捨て(若さまが持っていた刀は、先ほどの侍の刀ですから、ご心配なく)若さま「今夜のところは、五分と五分で幕にしようぜ」と言って去っていきます。 若さまを追おうとする二人の侍に、高岡「まて、だめだよ。きゃつもなかなかの腕だ。俺一人じゃ斬れん」と言います。その帰り道、小吉の調べて来たところから、例の下屋敷はおえんの方の父親旗本阿部伊予之助の持ち物だと聞き、若さま「すると、親父が娘の腰元をかどわかしたことになるが」与力佐々島を阿部のところへ調べに行かせることになりました。佐々島が旗本阿部伊予之助を訊ねて聞くと、屋敷は二年ほど前から空き家であると。その腰元どもがおえんの方の付き添いのものだとすると、ひょっとして、過日娘のおえんの方が流産したのも、それらの魔の手がのびたのかも知れないといいます。伊予之助は和尚や増山と会い、何とか言いくるめて佐々島を帰したが、これ以上町方が出てきては面倒になるかもしれない、というと、和尚が同席していた牧野三河守に、大目付松平和泉守にお役差し控えさせ、三河守の名において町方の探索を打ち切らせてほしいというのです。船宿喜仙の二階佐々島と小吉が来ています。若さまはお酒を飲みながら佐々島の報告を聞いています。若年寄牧野三河守からのお達しで、表面はおえんの方様の名に傷がつくということで、町方の探索を打ち切るようにという中止命令が出たというのです。これは容易なことではないと話しているところへ、おいとが取り次ぎます。阿部伊予之助の用人永井保というものが若さまに会いたいと訪ねて来たのです。佐々島に阿部の用人の名を確認すると、山崎というものだと聞いて頷く若さま・・何か??・・永井が部屋に入ってきましたが、若さまは知らぬふりでお酒を飲み、佐々島と小吉も・・知らん顔。 永井「当船宿のご浪人と申されるのは」若さま「わしが居候さ」永井が挨拶をするが、若さま相手にせず酒を飲んでいるので・・永井むっとしたように永井「貴殿のご姓名は」若さま、それには答えず、若さま「用は何だい。わしの身元調べにでも来たのかい」永井の用件は若さまを召し抱えたいとやって来たというのです。若杣「わしを召し抱える?・・・お前をよこしたのは伊予之助か、それとも 生臭坊主か・・どっちだい」永井からの返答なし。若さま「さては、わしを抱きこむこんたんだな。おえんさんの女中子に首を 突っ込んだからな。はっはっはっ、ところで、女中を殺したり連れ 込んだりするのはどうしてだい。お前知ってるだろう」 知らないという永井に、それでは用人としての手落ちになるのではと。若さま、いくらで召し抱えると言うのか、永井に問います。永井「いかほど望まれる」若さま「そうよなぁ・・先ず・・八百万石」) ⇒ ⇒ 同席していた佐々島と遠州屋小吉は吹き出しそうになってしまいます。無礼なものは当方に用はないと永井は帰っていきました。三人は大笑いします。(若さま、徳川家八百万石の金額を面白半分に言うのはきついですよ。誰だってびっくりしてしまいます。若さまの素性を知らないのですから。)若さま「さて、わしを抱きこもうとするやつが下屋敷の坊主が言うならいいが、 この間山城屋にいた増山という女中が一枚加わっていると・・・」おえんの方様の身辺にまで敵の勢力が延びているということになると・・小吉が、これは容易ならんことですと・・佐々島が言います。若さま「そのくらいでなきゃ、奉行所まで思いのままに操ることはできめえよ、 あつはっは」喜仙に行った永井という侍が、和尚と増山に、召し抱えるといっても無礼な奴でと。和尚はたかが浪人、強がってみせているだけ、味方にすると役に立つかもしれないといいます。同席していたお蝶が、自分に任せてくれないかと斬り出します。永井を使っての若さま攻略に失敗した和尚の次の手段は、お蝶の色仕掛けに賭けます。喜仙から若さまが出てきました。と、そこにお蝶が駆け寄って声をかけてきます。お蝶「ちょいとお武家様、お一人でどちらへ。お伴してかまいません? 聞いてほしいことがあるんですけど、お武家様お暇?」若さま、いぶかし気な顔をしましたが、例の調子で若さま「わしは浪人だよ」お蝶 「どうでしょ、ちょいと相談にのっていただけませんか」若さま「何の相談だい」お蝶 「いえ、お頼みなんですよ」少し義理の悪いことがあり、悪い奴にゆすられているというのです。若さま「何をゆすられてるんだい」 お蝶 「おあしですよ」若さま「くれてやるんだな、引き目があるんなら」引け目はない、ただ独り者だから脅しに来るとお蝶が言います。 若さま「独りもんか」(若さまは、お蝶さんが独り者だと知ったら、何か興味を持ったのですかね。) ということで、お蝶は若さまを家に連れて行きました。お蝶のお酌で若さまお酒を飲み、ゆすりはいつごろ出るのか聞きます。夕方頃、そろそろ・・。若さま「出るかい」 (若さま楽しそうです。)お酒がなくなったとお蝶が買物に出て行ったあとに、野ざらしの伝三がやってきました。若さま「ゆすりってえのは、おめえかい」伝三 「ゆすり?ははーん、お蝶がしゃべりましたね」若さま「夕方になると出てくると言ったよ」伝三 「コウモリだね、それじゃ」若さま「おめえ、いくらほしいんだ」伝三 「お武家さんが出してくれるわけではないでしょう、それとも出して くれますか」若さま「叩きだせと、お蝶がいたよ。腕の一本もへし折ってくれとな」伝三が叩き出してもらおうじゃないかと居直ります。若さま「お蝶に頼まれ、お前に催促されちゃ、これはどうしてもやらなきゃ ならねえな」本当にやるのかという伝三に、お蝶がかえるまで慌てることはないという若さ、暗くなったから灯りを伝三につけさせたりして。お酒を飲みながら楽しんでいるのです。お蝶が帰ってきました。伝三は悪党でもないようなので今日はおとなしく帰すが、今後ゆすりに来たら叩き斬ると、若さま「伝こう、分かったな。うんと言え」伝三 「うん、いえ、へい。へっへっへ、お武家さんには逆らえないね、全くぅ」長居をしている伝三を呼び気をきかせろと言うお蝶。若さまその間に横になって眠ってしまった?・・・ようです。いや、寝たふりかしら??、いや本当に酔って寝てしまったのかしら。お蝶が横になっている若さまを膝枕してお蝶 「ねえ、お武家様、あたしお武家様に惚れちゃってもかまわないかしら」すると、(若さま本当には寝ていませんでした。)お銚子を手に持ち、 若さま「お蝶、空だぞ」 お蝶は溜息をつき、すっかり調子がくるってしまった様子です。橋蔵さまの寝ているというか、目を閉じているアップって作品に多いですよね。目のお化粧がとても綺麗で上手いから魅力があります。茶目っ気が可愛いいし、自然に受け入れられる色気がでてきました。着物のきかたも粋になりました。そして、目の動きが物語ります。目の動き、眼差しに、ますます磨きがかかってきています。このように目を使えて、魅了出来る方は橋蔵さまだけと思います。この作品の「若さま侍」の作品から多く見られます。橋蔵さまの目の動きにも注目してついて行ってください。いよいよ若さまが敵地に乗り込んでいきます。どのような若さまが見られるか楽しみです。 続きます。
2016年12月14日
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1956年6月封切 若さま侍捕物帖「魔の死美人屋敷」 若さま侍捕物帖シリーズ3作品目になります 若さま侍第一作、二作の評判がよく大ヒット、「若さま侍」がシリーズものにすることが完全に決まりました。デビュー早々大川橋蔵の十八番になりました。「魔の死美人屋敷で、橋蔵若さまの魅力が出てきた作品です。東映と正式契約をして「おしどり囃子」「江戸三国志」三部作で力をつけた橋蔵さま。何事にも真剣に打ち込み習得の早いお方ですから、橋蔵若さまが出来上がってきました。一つ一つの表情といい、いたずらっぽい目も生きてきています。そして、橋蔵さまの素晴らしい"あの声"が出来上がってきたことだと思います。ですから、べらんめえ口調の流れもいい感じになりました。小畑実さんの「若さま侍」という軽快な歌声で物語が始まります。第五作までこの歌がテーマソングになっていました。こいつはどうでも許せねえぜ若さまは、おいとちゃんととん平と一緒に縁日からの帰り道です。遠州屋小吉が慌てたように縁日に行った若さまを探していました。小吉 「あっ、若さま」若さま「遠州屋、慌ててどうしたい。何か難しい事でも起きたのかい」小吉 「へっ、実は殺しがありましてね」若さま「殺し? 」 喜仙の二階で、小吉が事件の詳細を話しています。将軍の愛妾の奥女中おいくが、実家山城屋に宿下がりをしていて、土蔵の中で胸を矢で射ぬかれて死んだ。それを見つけたのは、土蔵の鍵を開けて入った許嫁であった文次郎。女中奉公に行ったおいくがどうして身ごもったか、誰にどうして狙われたのか、全く見当がつかない、と遠州屋小吉が事件の経緯を若さまに話します。若さま「死人に口なしではなあ、・・でっ、そのおいくっていう娘は、大奥の誰の 部屋付きになっていたか分からねえかい」小吉 「たしか、おえんの方様のお付きと申しておりました」若さま「おえんの方?」小吉 「へっ、将軍様がことのほか御寵愛の方だと聞きました」若さま「将軍家の愛妾か」 若さま、唇をぷるんぷるんとさせて、・・可愛い子供みたいね。(何を考えているのでしょう・・若さま・・小吉もおいとちゃんもキョトンとしていますよ。)若さま「遠州屋、この事件案外いただけるぜ」小吉 「じゃ、ご出馬願いますんで」若さま「乗り出そうぜ。ぐっと歯ごたえがありそうだ」 (さあ、若さまのご出馬となります。事件はどのように動いてゆくのでしょう。橋蔵若さま自然体でとってもいい感じ・・このような眼差しはどうですか。)奥女中の増山が山城屋の主人に、おいくは乱心して自害したのだと言い含めているところへ、若さま参上。増山 「何者じゃ」若さま「わしか、わしは喜仙という船宿の居候だよ」居候がどうしてこの席に、という増山に若さま「お前さんの話が面白いからだ。矢が飛んできたのではないと判断した ところなんぞ、大したものよ。お前さん、なかなかの知恵者じゃねえか。 そうかい、殺されたんじゃねえのか」増山、下がれと若さまに言います。若さま「だがなぁ、お前さん、一概に自殺と決めつけるのは、こいつは考えように よっちぁ、下手人をかばうようにもとれるが、いいのかい」 男子禁制の大奥で身ごもったのは、出入りの厳しい大奥から抜け出したのではなく、何処から逃げて来たのか、と増山を問い詰める若さま。山城屋の主人に、大奥の女中にこのような客あしらいをして、このままではすまないぞと腹を立て帰っていく増山に、若さま「相手を間違えるな、相手はわしだよ」と、そして若さま「おいくは自害したんじゃねえ、殺されたんだ。下手人は草の根わけても 探し出すから、そう思え」と増山に言い放します。 小吉が文次郎を連れてきました。最初に土蔵の中のおいくを見つけたのは許嫁の文次郎です。土蔵で実証件分が始まります。小吉がおいくの矢が刺さった死体の様子を説明・・・とすると、明かり取りの窓からかもという若さまに、小吉が窓の外はすぐに川だと。外に回って様子を見た若さま、土蔵まで戻ってくると、文次郎にその時の状況を聞きはじめます。(ここから、若さまが文次郎の話から事件の推理に入っていきます。一つ一つ若さまの目の配り、表情、台詞から・・私たちも若さまと一緒に行動をしているような気分になりますよ。作品是非見てほしい。)若さまと文次郎のやりとりです。若さまの推理が的中かな。若さま「一番最初においくさんの死骸を見たのはお前なんだ。お前が中に 入った時、おいくさんは殺された間のねえ様子だったかい、それとも、 相当間のある様子だったかい」文次郎「はい、あの・・・」若さま「もしくは、目の前で殺された」文次郎の顔色が変わりました。文次郎「いえ、ち、ちがいます」おどおどしてないで、素直に詳しく話さないか、と小吉に言われるが、文次郎「申し上げられません、どうしてもいえないのです。言えば私が殺される」と。若さま「誰に」それも言うことは出来ないという文次郎に若さま「言うことはできねえが、聞いてる分には差しさわりはねえだろう」 文次郎「はい」と答える。土蔵の中に入り、若さま「じゃ、聞いていてもらおうぜ。 明り取りの窓が一つある、おいくさんはあの窓に向って矢を射こまれ ここに倒れた。だが、矢が飛んできた窓の外は弓を引く足場がない。 従って、あそこからは矢は射こめない」と若さまが話してきた時、つかさず文次郎が、あの窓以外矢の射こめるところはないと言ってきました。若さま「じゃ、おめえ、ここへ入ってきた時、窓の所にそれらしき人影でも 見たのかい」文次郎「いいえ、そんな。それどころか、もう、私はびっくり仰天して」若さま「何だってびっくり仰天なんかしたんだ」おいくさんの胸に矢が刺さって血が・・・と文次郎。若さま「確かに見た時、突き刺さっていたかい」文次郎、小吉親分が検死をしたから間違いないと言います。若さま「だからさ、おれが言っているのは、その検死以前、つまりお前がここへ 来て飛び出す間のことさ」おいくは土蔵に入る前に死んでいた、と言う文次郎。若さま「入る前には土蔵の戸は締まっていて鍵がかかっていたはずだ。他に矢を 射こむ場所はねえ」文次郎「ですから、あの高窓から」若さま「あっはっはっ、上手の手から水が漏れるってね」高窓は見たように外には足場がない・・・文次郎「下手人は何か上手いことを考えて」若さま「そうだよ、上手いことを考えたんだ」文次郎が最初に土蔵の戸を開けた時、敵は文次郎の後ろから矢を射ったのだ、と若さま。すると、入口には屏風があっておいくの姿は外から見えない、と文次郎。若さま「あっはっはっ、いろいろ教えてくれるんで助かる。 そうかい、するとおれの考え通り。 矢は射るものだと決めてかかるから分からなくなる。 矢は手にもって突き刺すことだって出来るんだ」 (若さまの顔つきが厳しくなりました。)頭脳明晰な若さまの推理いかがですか。事件の経緯説明、テンポがよくついついこちらも引きこまれていきます。まだ始まったばかりです、これからが楽しくなってきますね。文次郎私ではない、私は殺されると言いながら、慌ててその場を逃げだした。追いかけようとする小吉ととん平に、文次郎は誰かに脅され操られただけだと。若さま「その脅したやつがホシだ」今度は文次郎が狙われる、とん平に文次郎を見張るように言います。小吉には、ぐるりとひと回りして、おいくが身を寄せていたと思しい所をあたるようにいいます。 小吉は提灯に灯りをつけずに行く不審な駕籠に出会いました。駕籠はおえんのお方様付きの女中の乗ったものだというのです。後をつけていくと駕籠は屋敷に入っていきました。その様子を野ざらしの伝三という男も見ています。そこへ周りの様子を見て屋敷に入って行く女がいました。伝三の知っているお蝶という女のようです。翌朝、喜仙の二階駕籠に乗っていた女中が入った武家屋敷を一晩中張り込んでいたが、朝になっても奥女中の駕籠は出てこなかった、と小吉が若さまの所へやって来ています。若さま「おえんの方付きの奥女中が夜更けからあさまで、誰の屋敷とも知れねえ 屋敷へ 担ぎこまれたまま出て来ねえ。遠州屋、死んだ山城屋のおいくも、 たしかおえんの方付きの女中だったな」小吉 「へい」若さま「匂ってきたぜ。その化け物屋敷に、何かからくりがありそうだな」そこへ、とん平が慌ててやってきました。文次郎が殺された。直ぐに出かけようとする小吉に若さま「無駄だよ、手遅れだよ。相手も今度はよっぽど用心してかかっている だろうから、手掛かりなんか残しちゃいねえ。 文次郎も気の毒なめぐりあわせの男だよ。おいく可愛さから悪人の うまい口車に乗せられて、おいくが殺されるなんて夢にも知らずに、 犯人を土蔵の中に誘い込んだ。犯人はおいくを殺した後で、動かぬと 今度はお前が死ぬ番だとかなんとか脅かした。 だから小心の文次郎には何も言えなかった、何も出来なかった。 そして、おれ達の調べを受けたので、とうとう殺された」おいと「可哀想に」若さま「遠州屋、誰かのくだらねえ企みの犠牲になって、罪とがもねえ人間が 二人までも殺された。こいつはどうでも許せねえぜ」小吉、どうでもホシをあげないと「若さま、お願げえします」若さま「うん」 (若さまの正義感が燃え上がりました。)(それにしても、若さまの台詞が長いです。べらんめえ口調も台詞まわしも、凄い完全に「若さま」をものにしてしまっています。橋蔵さまに惚れ惚れしてしまいます。)続きます。
2016年12月10日
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12月7日は橋蔵さま三十三回忌、苦しみのない極楽浄土にいかれます。いにしえの橋蔵さまをもっともっと思い出すことでご恩返し。 笑顔が素敵なのは当然なのですが、このような雰囲気の橋蔵さま・・・たまらないでしょう私の好きな写真です。(ご自宅の庭にて) 12月になると必ず見たくなるものがあります。それは、「鯉名の銀平 雪の渡り鳥」1983年5月放送になった長編ドラマです。1984年にお亡くなりになっているから、その後見るたびに、このドラマが私の胸をしめつけるのです。それが最後のキャストが流れる時の映像にあります。お市と卯之吉のため、親分の敵打ちのために帆立一家を斬りお縄になるために去って行く銀平。お市と卯之吉に無言の別れをして雪の中を去って行く。この場面、私は橋蔵さまの希望の映像だと思うのです。椿は橋蔵さまの大好きな花・・・雪がかぶった椿と橋蔵さまの銀平・・・哀愁が・・絵になりますね。銀平が去って行くシーンの表情を見ていると、橋蔵さまのメッセージが入っているように感じてしまうのです。いつも目が潤んで胸がつまってしまう私です。(実際はこの場面キャスト名がずらっと流れるので見ずらいので、私なりに編集いたしました。) 橋蔵さまと12月、これも忘れられない催し物でした。1967年から1982年の東京歌舞伎座「恒例大川橋蔵特別公演」がありました。芝居、歌舞伎演目の舞踊と俳優の大川橋蔵と歌舞伎役者の大川橋蔵がぎっしり詰まった内容でした。(特に歌舞伎役の大川橋蔵を見せつけ唸らせました。)歌舞伎座公演の時は、神田明神での「平次まつり」も恒例でした。平次親分のにこやかな笑顔が集まった人達を和ませていました。
2016年12月07日
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江戸三国志・第一部、疾風篇、完結迅雷篇と長かったので、第9作品目の「若さま侍捕物帖」に行く前に、ここで一息つきたいと思います。ファンの方は橋蔵さまが忙しい中、毎年「橋蔵まつり」を催していたこと覚えていらっしゃいますか。その第一回が、デビューしてまもなくあったのです。その時の事に少し触れてみたいと思います。(私が掲示板の方に書いたのをご存知の方も、再度思い出していただければ幸いです。)1956年映画の撮影が詰まっている時間を割いて、開催されました。江戸三国志・完結迅雷篇が封切られた1956年6月8日の2日後の6月10日、所属している新芸プロ主催の第一回「橋蔵まつり」が国際スタジアム(旧両国国技館)で開催されたのです。この後、毎年1回から2回開催されてきました。そしてこの時、是非"後援会"をとの要望が強くあり、この年の9月に"大川橋蔵後援会"が発足することになりました。大川橋蔵ファンが待ち望んでいた、スクリーンを飛び出した橋蔵さまに会うことができるのですから大変。早朝4時頃には待っている人達が、9時にはスタジアムを二巻にし、約2万人に近い女性ファンが押しかけ、警官の出動もでたほどでした。美空ひばりさん、雪村いづみさん、星美智子さん、浦里はるみさんが応援出演して橋蔵さまを祝福してくださいました。楽屋では、花柳啓之先生も来ていて確認のお稽古。同じプロのひばりさんは、一生懸命橋蔵さまのために動いてくださっていました。 「若さま侍」の橋蔵さまが颯爽と登場した時は割れんばかりの喝采が・・殺陣などを披露しました。これだけでも橋蔵さまに魅せられているファン。そこへ極め付けの舞踊「藤娘」です。これには歌舞伎時代を見ていた方も初めて見た方も、その美しさにうっとり。長唄囃子連中は菊五郎劇団の方達、息も合い橋蔵さまは晴れの舞台を飾りました。橋蔵さま、映画に来てから初めてファンにお披露目した舞台での舞姿でした。ファンはここから、橋蔵さまの多彩な面を映画、舞台で見ていくことができたのです。ここで一言、橋蔵さまの命日も近いので橋蔵さまは映画俳優になりましたが、大川橋蔵は歌舞伎役者として生きましたね。そのことは「大川橋蔵特別公演」に、必ず歌舞伎での舞踊が入っていたことで分かります。六代目から学んできたことを忠実に守り、映画俳優になっても歌舞伎を忘れなかったのです。そして、藤間勘之丞として、舞踊家としての道も歩んでいたのです。橋蔵ファンは幸せでしたね。デビューから三年経った頃の雑誌のインタビューで、橋蔵さまはこのようにおっしゃっていました。「橋蔵まつり」は年に1回~2回開くようになりましたが、ひばりちゃんの応援を得て開催した「第一回橋蔵まつり」のことは忘れられません。ファンの皆様のお蔭と感激の涙に人知れずくれたものです。「藤娘」を踊ったり、ぼくの十八番「若さま侍」の殺陣をやったり、とにかく華やかな「橋蔵まつり」で、未だにその日のことをはっきりとぼくの脳裏に焼き付いているのです。俳優として映画をはなれ、個人のお祭りみたいなこういう実演で、大勢のファンの方が集まってくださると言うのは、俳優冥利につきるものといつも心にしております。歌舞伎の世界から映画に入ったぼくのことですから、舞台というものがそれがどこの小屋であろうとやはり懐かしく、いまでも実演というと心おどるものがあるぼくです。デビューしてから間もない「橋蔵まつり」で、いまその頃の顔を見ますと、やはりいろんな意味で心労するものが今より多かったからでしょうか。少し痩せていたようですが、それが人一倍懐かしいのも、やはり「橋蔵まつり」が盛大に僕の前途を祝福してくれたからといってよいでしょう。その「橋蔵まつり」で「若さま侍」の一コマを上演するということで依頼されたシナリオライターが当日面白い光景を目にした事をはなしていました。彼が打ち合わせで初めて会った時の、橋蔵さまに対する第一印象はちょっと僕は驚いた。あまりにも役者らしくないからである。この人が、丁髷をつけて剣をとると、あの颯爽たる大川橋蔵になるのかと思うと、何だか不思議な気がした。素顔の橋蔵君はそんな第一印象だった。前日に立稽古を簡単にしていたが、当日も開演前に稽古をするというので、彼が国際スタジアムに出かけた時に見た光景でのことでした。もの凄い人垣がスタジアム前の広場に群がり、行列は両国橋の近くまであったそうです。祝って各社の人気スターがゲスト出演するため会場前の広場にスターの自家用車が止まるたびに、〇〇よ、〇〇だわと、橋蔵ファンが車のまわりへ殺到し、大変な騒ぎようだったようです。ここから、物事が起こるのでした。この騒ぎの最中に、誠に妙なことが起こったのだ、といっています。彼だけが気がついたことで、他の人は誰も気がつかないし全然知らなかったようだった、といいます。橋蔵ファンの人達がゲストスターが到着のたび取り囲んで熱狂している時、当日出演者の控室になっていた国際スタジアムの前の旅館から何と橋蔵君が出て来たのです。そして、橋蔵君は大騒ぎをしているファンのひと浪を平然とした態度で「ちょっとすみません」とか言いながら巧みに掻き分けて、スタジアムの事務所の方へ歩いて行ったのです。ところが、その周りにいた誰一人気がつかなかないのです。自分たちが身に来ている当の橋蔵君がすぐ傍らを通っているのに気がつかないのです。まさかそんなところを歩いているとは思わなかったのでしょう。橋蔵君は、ゲストスターが自分のファンにもみくちゃにされている間に、悠々と事務所に入ってしまったのです。橋蔵くんが、ファンの心理の盲点を突いたような光景を目撃して、本当に変な気がしました。もし、ファンの一人が気がついたらどんな騒ぎになっていたのでしょう。恐らく橋蔵君は一瞬のうちにファンの攻撃を受け、クタクタにされてしまったに相違ありません。どうして、あんなに大勢の人達が、一人も橋蔵さまの通ったことを知らなかったのでしょう。彼にはそれがよく分かったそうです。橋蔵君は背広を着て道を歩いていると、いかにも当たり前なサラリーマン風の青年なのだ。強烈な個性を感じさせない代わりに、我々の身辺によくいるような、親しみやすい好青年である。だから、ファンもうっかりしていたのだろう。橋蔵君の魅力はこの辺にあるのではないか。余分な話になりますが映画、舞台の橋蔵さまは端整な顔立ちでお化粧映えします。ご自分の魅力を知っています。映画スター大川橋蔵は素敵ですが素顔の橋蔵さまを知らない人は近寄りがたいと思います。優しい人懐こいそして明るい素顔の橋蔵さまを知るとたまりません。撮影の合間にファンに接する時、集いでの時等の橋蔵さまを知ると、スターとしてだけではなく素顔の橋蔵さまの魅力にもファンは魅かれていったのです。その良さが、映画の中にも見られるのですよ。私は、役の上の橋蔵さまに今でも映像で魅せられているのは当然ですが、橋蔵さまを想い出すのは、後援会のお手伝いをしたりして直にお話をしたりしていた時の素顔の橋蔵さまが、大きな財産になっています。だからこそ、作品にもっと深く入り込んで、一コマ一コマから橋蔵さまの良さを探っていこうとする気持ちが多いのではないかと思います。
2016年12月01日
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