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映画のあらすじに入る前に、ちょっと寄り道を。この作品の中に出てきます、橋蔵さま扮する中村仲蔵という人物と定九郎について。歌舞伎、講談、落語で有名ですが、ご存知ない方のために掻い摘んでお話させていただきます。まず、「仮名手本忠臣蔵・五段目」で、何故仲蔵の定九郎の型が残ったのか・・から(抜粋)五段目の定九郎の役はもともと野暮ったいどてらの山賊でした。仲蔵はそれを月代(さかやき)の伸びた白塗りの着流し浪人姿という扮装に変えてしまいました。注目は、仲蔵が当時の江戸市中の風俗を舞台にそのまま取り入れたという斬新な美的感覚の写実性です。仲蔵は山崎街道にいかにも現れそうな山賊姿を、江戸の御家人の次男坊あたりが勘当され、着るものもなく拝領の御紋服を着たままで雨にあたってずぶ濡れになった浪人姿にしたのです。舞台を観ていると観客にとって、そのあたりにいそうな浪人姿は写実(リアル)なのです。これが歌舞伎の写実化の流れを作っていくきっかけとなったようです。現在上演される「五段目・六段目」の舞台は、ほとんどが音羽屋型の洗練された写実の演出です。斬新だった定九郎の型が一時的なもので消えてしまわずに、音羽屋型の中でしっかりと位置づけがされているのは、仲蔵の型がドラマの本質をとらえていたからだと考えられます。では、仲蔵が考えた定九郎はどのようにして出来たのか(実話談落語「中村仲蔵」から抜粋)中村仲蔵は、浪人の子として生まれ役者になり、いじめにあったり苦労しますが、その才能を四代目市川團十郎に認められてから人気があがり、「仮名手本忠臣蔵」五段目の斧定九郎を、現在の演出に変えて演じました。立役、女形の他、所作事を得意としました。<柳島の妙見様に願掛けを行う場面があります。>中村仲蔵は五段目の斧定九郎の役だけを与えられます。当時の斧定九郎は、仲蔵のような名題のやる役ではなく、そのこしらえは山賊でした。仲蔵は、作りを新しくしようとあれこれ考えてみたが、どうしても工夫がつきません。この上は神仏のご利益にすがるより仕方がないと、柳島の妙見様に日参します。満願の日の帰り道、法恩寺橋までくると雨が降り出したのでそば屋に入ります。食いたくもないそばをあつらえて、工夫をあれこれ考えているところへ、浪人風の男が入ってきます。その姿を見て一気に定九郎の作りを考えつきます。そして、妙見様にお礼参りに戻るのです。山中貞雄の「中村仲蔵」という本があります。一部読んでみましたが、右太衛門御大と橋蔵さまでの作品にすると、なるほど脚本が生きてきます。お二人とも花のある方ですから、こういう設定でいくのが分かります。「朱鞘罷り通る」・・仲蔵が雨の中で此村大吉の写実として定九郎を思いつく場面、舞台上での此村大吉と中村仲蔵それぞれの意地のにらみ合い・・そして此村大吉と中村仲蔵の"男の友情"が描かれている作品を是非ご覧になってください。「朱鞘罷り通る」は題名の通り、朱鞘を差した旗本でありながら奔放な此村大吉物語なのですが、当時映画館に観にいった人の中には、一瞬中村仲蔵を主とした映画では・・・と思った人達がいたのではないでしょうか。橋蔵さまの仲蔵が綺麗でとてもよかった。映画の中の舞台での定九郎、花道からかけて来て振り返り見得を張るところいいんです。歌舞伎にいた時はまだ立役でなかったので出来なかった定九郎。橋蔵さまのことですから、昔の歌舞伎役者の雰囲気とともに、歌舞伎役者であったから恥ずかしくないものをと研究なさったでしょう。ただこの作品はあくまでも主人公は右太衛門御大の此村大吉、飛び出してはいけないのですから難しいところだったと思います。右太衛門御大とは第二作品目の「旗本退屈男謎の決闘状」では顔見せでほんの少しでしたが、この作品では大切な役柄になっています。橋蔵さまは、歌舞伎役者というはまり役での出演でした。歌舞伎時代の経験を十二分に発揮し、江戸時代の名優の姿を見事スクリーンに再現して、映画ファンはもとより歌舞伎ファンからも絶賛の拍手を送られました。(私も大拍手を送ります)橋蔵さまの仲蔵の素晴らしさに驚嘆するのみでした。この役に全てを打ち込み、その熱演ぶりはスタッフ一同鬼気迫る思いがしたと言われました。橋蔵さまは、こんなことを言っていました。「旗本五人男の此村大吉に励まされながら、芸道一筋に生きる役者中村仲蔵は、私の実生活を地でいくような役柄でした。私も劇中劇で定九郎を演じました。舞台出身とはいえ、立役をやったことがない私にとっては、見に過ぎた大役というものでした」(橋蔵さまは女形で評判になった時、映画に引きぬかれてしまったのですから、立役はまだの時でした。歌舞伎にいたら、次に襲名する名も決まっていた橋蔵さまですから、女形だけでなく、美しい立役も見せてくださる役者になっていたでしょう)此村大吉と中村仲蔵を描いた作品はいくつかあります。1929年阪東妻三郎さん主演、1954年鶴田浩二さん主演で「此村大吉」という作品があります。1954年は大映でマキノ雅弘監督が撮っていますが、どうもねえ・・・私は、右太衛門御大と橋蔵さまのこの作品に勝るものはないと思っています。(欲を言いますと、88分では物足りない、もう少し心理描写も描いてほしかったと思いました)第15作品目 1956年11月封切 「朱鞘罷り通る」 此村大吉 市川右太衛門中村仲蔵 大川橋蔵花沢小えん 花柳小菊松平帯刀 進藤英太郎 房江 浦里はるみ横井甚兵衛 山縣 勲 半次 星十郎中井左吾兵衛 有馬宏治 おみつ 喜多川千鶴妙見堂八右衛門 薄田研二お松 千原しのぶ大五郎 原 健策百両出せ無法な旗本が江戸の町にあふれていました。色事師此村大吉も朱鞘を一枚看板に好きなように毎日を送っていました。大吉のことでご公儀から注意を受け、それが原因で父親が病で倒れたため、家臣の中根左吾兵衛が大吉を探し歩いています。水芸花沢小えん太夫の小屋へ入りびたりの大吉で、今日もいつものように楽屋に行くと・・楽屋には松平帯刀からの引き出物が・・それを横目に仲間の一人が江戸を去るというので帰って行った。 (旗本松平帯刀は小えんに言い寄っているが、大吉がいるためいい返事をもらえないでいるのです。この恨みから、大吉にいろいろな手を使ってきます。)小えんを帯刀に世話をしようとしている大五郎は、大吉が出入りするのが気に入りません。今も大吉の出て行くのを見てやれやれと思っているところに、子分が町でおみつと仲蔵を見たと言ってきました。大五郎は早速おみつのところへ行き、こう言うのです。「仲蔵はおめえとできたばかりに舞台へ出られなくなった。役者が舞台へ立てなくなったら死んだも同然。仲蔵が可愛いんなら、素直に俺の言うことを聞いた方がいい」と。小えんの小屋を出た大吉は、仲間の会合に遅れた理由を話します・・来る途中に、武家風の女に呼び止められ鰻屋に連れて行かれ、色仕掛けと酒だけでなく、小判まで出してきたが、途中いなくなり、小判はニセ金、一杯食わされてしまったのです。仲間で旗本松平帯刀の用心棒をしている横井甚兵衛から、一杯食わせたのは帯刀の囲い者の房江で、帯刀が仕組んだことと聞いた大吉は、目の悪い甚兵衛の治療費もあって、甚兵衛と企て松平家に乗り込みます。三十両出して金で解決しようとしたが見向きもしない。甚兵衛が帯刀に相手が相手五十両で、それでも文句を言ったら用心棒として斬ると言います。廊下で二人が・・・大吉が「貴様、拙者を斬る気か」「百両出せ。それで二千五百石のお家が安泰なれば安いものだ。百両出せ。出さなきゃ、ニセ金を使ったあの女のそっ首叩き斬るぞ」、帯刀と房江に聞こえるようにして、まんまんと百両を巻きあげました。次回は 橋蔵さま扮する中村仲蔵の登場になります。 続きます。
2017年02月28日
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こちらから見せて使わそう長崎屋別宅で大宴会が開かれる夜、お七は外国に売られるくらいなら言う通りにするから、ここで働かせてくれと言います。お七はドレスで歌を披露しながら、異人に愛想を振りまきながら、忍び込んで窓の外にいる五郎八から短筒を受け取り、みんなをホールドアップさせ、異人たちを外に出したところまではよかったのですが、短筒を取られてしまいます。お七と五郎八が取り囲まれ危うし・・そこへ「待て」窓から入ってきたのは白頭巾でした。真鍋は今日こそ頭巾を取って貴様の正体をとっくりと拝見させてもらうと。源次郎「はっはっは、拙者の正体がそれほど見たいか」真鍋 「うぅーん」源次郎「悪行重ねし汝らの命も、今日が最後とあらば、もはや拙者の白頭巾も用は ないのだ・・こちらから見せて使わそう」といって頭巾をはずします。 お七 「まあ、川島先生」源次郎はお七達の方に歩み寄り源次郎「お七ちゃん、心配しなくてもいい、もう大丈夫だ」源次郎の手配により、屋敷の周囲は町奉行所の手で固められている、と真鍋と金八に言います。 源次郎「かくなる上は、神妙にしたほうが身のためだぞ」という言葉に、「斬れ」の言葉が飛びます。(さあ、立回りです) 源次郎のスカッとする切れのある太刀さばきとお七のフェンシングを使う立回りとなります。真鍋と金八が外へ逃げようとしたとき、町奉行所の撮り方達が入ってきます。お七は牢にいる人達を助けに行きます。源次郎「もはや、手向かいは叶わぬぞ。神妙に縄につけ」真鍋 「黙れ、外国奉行山田周防守様のお傍用人を務める真鍋新八郎、汝らごと き意のままになるものではないぞ」そこへ、「見苦しいぞ、新八郎。いさぎよく縄につけ」と、真鍋が「どなたかは存じませぬが、外国奉行山田周防守」と言った時、源次郎「言うな、その方、この御方を何と心得る。阿部伊勢守様なるぞ」周防守にはすでに謹慎申し付けたので、いさぎよくお縄を頂戴いたせ、・・ということで一件落着。伊勢守から、このたびの働きを褒められ、妙姫は、五郎八と川島先生の助けがあったればこそと言うと「はっ」と膝待づく源次郎を見て、「まあ、先生」といい源次郎の方へ歩く妙姫に伊勢守が明かします。伊勢守「これは、十内の息子じゃ」妙姫 「えっ、十内の」寺尾十内の次男坊で、小さい時から御玉が池の道場に内弟子にやってあったので、妙姫が顔を見知らないのを幸いと思い、監視役を申しつけた、というのです。妙姫 「まあ、爺やの子」源次郎「寺尾源次郎と申します。只今までのぶしつけの数々、何卒お許しくださ いませ」 妙姫 「いや、いやだわ。わたしには、やっぱり川島先生の方がいいわ」伊勢守「そのような無理を申すでない。だが、このたびの手地の働きにめでて、 何かそちの望みをかなえてやりたいが」妙姫 「今しばらく町にいたい」と。伊勢守「うん、うん。(にやりとします)ならば思いのままにするのがよかろう。 だが、そちの手紙のほどもよ~く分かった。もはや、源次郎をかえ添え につける必要もなかろうな」妙姫「えっ」そんな・・という表情で源次郎の顔を見ます。源次郎はその妙姫の表情に何というか・・・。(源次郎の目の表情から二人の間の心境察してくださいね) 伊勢守、二人の様子を見ていて、ニコッとしたかと思うと、声高々と笑うのでした。町はお祭り、山車の上にテコマイ姿のお七が、お七を優しく見守る源次郎がいます。顔を見合わせにっこりする仲の良い二人です。(お七は出しの上、源次郎は下にいます。やさしいな)そこへ、「親分殺しだ」と五郎八が向かえに来ます。現場へかけていく後を、源次郎がお七を見守り歩いていきます。 (お七ちゃんは、いつの間にか親分に、五郎八は子分になったのですね)幸せになれてよかった。お七ちゃんと川島先生いい感じですね。 (完)
2017年02月23日
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危ない仕事じゃないのかお七と五郎八は根津権現境内の女の死骸から水商売をしていたと見当をつけ、根津の遊郭を洗うために薬売りに変装をして潜入します。遊女たちの話から、死んだのは御舟楼のお倉という女と分かりました。御舟楼は海産物問屋の長崎屋金八が妾にやらせていて、庭奥には長崎屋の別宅がありました。その夜、お七と五郎八は長崎屋の別宅に忍び込みます。奥庭にある洋館からは音楽の演奏が流れ、洋装の男女がダンスをしています。(流れている曲はブルース見たい。この時代・・こんな音楽?とは思うけれども、そしてこんなダンスホールがあったの?と思います。昭和の初めの頃のダンスホールのような感じだな、と思いますが。でも、ストーリー的には、こういう風景が分かりますので、難しいことは考えずにいきましょう)長崎屋は遊女を使って偉人達を接待するために、町から生娘をさらってきては異人にあてがっていたのです。そしてここから逃げた女が殺されたのです。その中に幕府の外国奉行山田周防守の姿がありました。秘密の洞窟へ潜入することができたお七と五郎八でしたが見つかってしまいます。五郎八は気を失ってしまい、お七は洞窟にやってきた侍達に一人で立ち向かっていましたが、相手は大勢のため、追い詰められてしまいます。そこへ、またもや白頭巾が現れ、舟をつけてあるから五郎八を連れ早く乗るように言い援護します。 (危なくなると助けに来てくれる正義の見方・・橋蔵さまは目鼻立ちがいいので、覆面もいいですね) 白頭巾は二人が舟に乗ったのを確認すると、素早く舟に飛び乗り、艪を漕ぎます。川面を静かに漕いでいく舟の上、五郎八はまだ気を失っています。艪を黙って漕いでいる白頭巾をじっと見ていたお七が話を斬り出します。お七 「あの・・」声をかけた時、ふと夢で見た白頭巾の恐ろしい顔が、お七の頭に浮かびました。源次郎「どうかいたされたか」との問いに、「いいえ」と返事をして、白頭巾と何にも喋らずじまいのお七でした。お師匠さんもひょっとしたら長崎屋に・・と言うお七に、間違いなく長崎屋金八のしわざだと五郎八。しかし、御奉行さまが後ろ盾では、町方は手出しができないのです。お七 「そうね、御奉行さまを調べるのは・・・」(お七は何かを考えているようすです)老中阿部伊勢守が城から帰宅すると、妹の妙姫が待っていました。三つ指を付いてしおらしいお七がそこにいました。 (妙姫は半年前わがままを言って江戸市中で生活をしていたのでした)伊勢守は爺の寺尾十内を呼び、「妙がしおらしくしている時は、必ずひと魂胆ある」、妙姫を見張るように言います。寺尾十内が「姫の姿が見当たらない」と誤っています。家紋入りの空の文箱と短筒を持ちだしていなくなったのです。伊勢守の名前で偽の推薦状を作成し家紋付の文箱に入れて、お七は外国奉行山田周防守の下に潜入し、若侍山川七之助と名乗って奉行所に勤めることとなりますが、真鍋新八郎という者が、お七の顔を覚えていたような・・疑問をもったようです。(真部新八郎は根津の境内の殺人現場からずっと、お七の動向を監視していた男です)奉行所の外で、お七に呼び出された五郎八がいます。その様子を真鍋新八郎が見ています。お七は、真鍋新八郎という者が曲者、それから、別宅で宴会があるので、その時五郎八に忍び込んでほしいといいます。川島先生は元気にしているか気になり五郎八に聞きますが、お七ちゃんがいなくなったら、先生も突然雲隠れをしてしまったと聞かされ、心配になるお七です。その全貌を見ている・・真鍋の様子とお七の様子をみている、源次郎の姿がありました。(真部の方を見ていて、次にお七達の方を見て、真鍋の方にまた目をやり、ニタリとします。・・何か、これから??) その夜、お七は真鍋に麻酔をかがされ、長崎屋の別宅のお師匠さん達がいる牢へ連れて行かれてしまいます。金八の言うことを聞かない女たちは、異人の人買い船に売りつけているらしいのです。外国奉行山田周防守のところに源次郎らしき姿があります。山川七之助の件で源次郎(おや、裃姿です・・源次郎ですよね)が訪ねて来ていたのです。七之助がいなくなったこと、はっきりしたら推挙してくれた伊勢守に報告しようと思っていた、と周防守が言います。源次郎「さすれば、山川七之助は、逐電いたしたともうされるのでござりまするな」 真鍋が源次郎に、阿部伊勢守の気持ちを理解していらしたのでしょうな、と念を押します。源次郎「いかにも、何分、山川七之助は気に入りの家臣にて、殿もその後の様子を いたくお気にかけられ、一度様子を見届けてくるようにと拙者をさし使わ れた次第でござるが、さような事情なれば、拙者の一存に手良しなにご報 告申し上げるでござる。これにて御免」源次郎さっさと立ち去ります。慌てる周防守です。 周防守の屋敷外を通りかかっていた五郎八は、周防守のところから出て来た侍を見て・・おやっ、と思い声をかけます。五郎八「川島先生、側・・・」声をかけても振り向きもしなければ、返事もありません。おかしいな・・と思って後ろ姿を見つめていると 源次郎は足を止め、「五郎八親分」と声をかけふり向きます。 五郎八「あっ、な~んだ、やっぱり川島先生、脅かしちゃいけませんぜ。・・ でも、その格好どうしたんです」源次郎「いや、実は先ごろから士官していたんだが、いやはや宮遣いというも のは窮屈なものだよ。今更ながら、親分と一緒に踊りを習っていた 頃がなつかしいよ」 五郎八「でも、なかなか立派だ。お七ちゃんに一度この姿みせてやりてえなぁ・・ ところで、ねぇ先生、今度お七ちゃんと二人で、人攫いを捕まえる段取り になったんですが、・・先生も力貸しておくんなさい」源次郎「うん、うぅん、危ない仕事じゃないのか」そりゃ、危ない仕事だが、こちらがへまをやったら、お七ちゃんの命が危ない、と五郎八は言います。五郎八「お七ちゃんを助けると思って・・」源次郎「冗談じゃない、わしは危ないことと剣術の方はいたって苦手のほう、お七 ちゃんには悪いが、それだけは勘弁してくれ。・・では、失礼」 五郎八「はあ、・・あれあれ、あれでもさむれえ(侍)かな。あんな腰抜けとは思わ なかったな。誰が頼むもんかい」頼みになるのはお七ちゃんだけだと五郎八が呟きます。 続きます。
2017年02月22日
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白頭巾?何だいそりゃお七は五郎八と根津の自身番に、先日根津権現境内で見つかった女のことを調べに行きます。3日程前に、長襦袢姿の女が自身番に逃げ込んで来たのだが、すぐに片目の侍と男達に連れ返されたと聞きます。お七はあの時境内に来た忠言も片目だったと気がつきました。聞き込みの帰り道、お七たちは黒覆面の侍達に囲まれ乱闘になります。十手片手に応戦するお七でしたが、危うし!!そこへ白頭巾が颯爽と現れ、黒覆面の賊をあっという間に蹴散らしてしまいます。 (白頭巾が誰だか皆様はお分かりですね。白頭巾=源次郎ですから、台詞を書く時にややっこしいので、源次郎と書きます。でも、お七は白頭巾の正体が誰かわかっていませんから、彼女が気がつくまでお付き合いしましょう。私達は、白頭巾の源次郎と頼りにならない源次郎をどう演じるのか楽しませていただきましょう)お七 「あのぅ、本当に有難うございました。どうぞお名前を」源次郎「名乗る程でもござらん」お七 「でも、このままでは」源次郎「いや、そのようなご斟酌には及ばん。今後とも、十分気をつけられた方が よいぞ・・・御免」 と言うと、白頭巾は軽々と塀を飛び越えていなくなりました。ぼーっとしているお七です・・「素敵だわぁ」その夜お七は白頭巾の夢を見るのです。どこの人かもわからない、どのような顔の人なのかもわからない・・そのためお七の夢に出てきた白頭巾の顔は・・脅えているお七を助けに現れたのは川島先生(川島源次郎)でした。 ここからの場面はお七と源次郎の楽しい会話をお楽しみください。それにしても、この作品は、橋蔵さまとひばりさんの会話がとっても多いのですお七 「先生」源次郎「お七ちゃん、怖かったろう」そこへ、白頭巾が源次郎に斬りかかってきますが、源次郎の刃に倒れます。 (夢に出て来た川島先生は、頼りがいのある素敵な人でした)源次郎「もう、心配しなくていいんだよ」泣き出してしまうお七、「先生」とお七は源次郎に駆け寄り抱きつきます。源次郎「だから、わしが言ったろう、女だてら、つまらんまねをするんじゃない って。ほほぅ、なかなか素直になったな。さぁ、もう泣き止めて」 源次郎「女は女らしく」その言葉にかわいらしく頷くお七。源次郎「女らしいお七ちゃんを見ていると、わしは、お七ちゃんを好きになりそ うだ。好きになったらいかんかな」恥ずかしそうに下を向き、小さく首を横に振るお七、それを見て源次郎がお七を抱き寄せ、源次郎に抱かれたところで・・・ (2番目の画像・・「好きになったらいかんかな」の時のお七の表情はめ込んでみました) 目がさめて、夢であったかとガッカリしているところへ、文が投げ込まれました。「つまらぬことに手出しをするな」と書かれていました。女の死体のお灸の痕と白粉焼けから水商売の女とお七は推測、五郎八は根津の郭をあたって見ようと相談をしているところへ、源次郎がやってきます。源次郎「お仕事の邪魔をしては悪いかな」お七 「おら、先生、いらっしゃい。さあ、どうぞ」源次郎「おや、お七ちゃん、今日は馬鹿に愛想がいいじゃないか」お七「だって、少しは女らしくならなくっちゃ」源次郎「おいおい、お七ちゃん、今日は本当にどうかしてるぜ。何だか薄気味悪い みたいだな」(そりゃそうです。頼もしい先生に好きだと抱かれたのですもの)お七 「先生、夜中にこんなものを投げ入れた者がおりますの」投げ踏みを見せながら、源次郎の傍に寄り添うお七を見て、五郎八はおもしろくありません。ぶつぶつ言いながら手を打ちならします。源次郎は、どうしたのかという顔で、お七は邪魔をして、というように五郎八を見ます。 (それは五郎八はおもしろくありませんね。さっきまでは五郎八を頼ってくれていたのに、源次郎が来たら、五郎八のいることも忘れて、源次郎に頼り仲良くしているのですから)お七 「それにね、先生、夕べの帰り道、大勢の覆面に襲われたの。危なくなった 時に白頭巾が出てきて」源次郎「白頭巾?何だいそりゃ」お七 「白い覆面をしたお侍。何だか知らないけれど、あたしたちを助けてくれた の」源次郎「ふ~ん、物好きな人間もいたものだなあ。一体何者だろう」お七 「あたしも何だか薄気味わるいの」五郎八「へぇ~え、そうですかねえ。あの時は、"まあ~素敵だ~わ~"なんて言って いたくせに」源次郎「はっはっはっ、お七ちゃんの理想の人が現れたってわけだな」五郎八「そっ、そうなんですよ」お七 「そんなこと、そんなことないわ・・それより、知っている先生にでも助け ていただいた方が、どれだけ嬉しいかしれないわ」源次郎「それじゃ、わしも剣術を習っておけばよかったな。あっはっは、 そりゃぁ、わしだって、バッタバッタと斬り倒す豪傑になって観たいが、 そこまでいくには、随分道場で叩かれなければいかんからな。それに わしは、小さい時から、女の子と一緒に飯事なんかは好きだったが、 だいたい、踊りや三味線を引いてる方が性に合っているんだな」 お七 「やっぱり、夢なのね」源次郎「えっ」お七 「ううん、何でもないの」親分行きましょう。急にしょげてしまったお七を見て、五郎八が心配します。「ガッカリしちゃった」と根津の郭へ乗り込むというのに足取りが重いお七でした。 続きます。
2017年02月18日
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そう言えば、書くのがちょっとずれてしまいましたが、1956年6月に国際スタジアムで「第一回橋蔵まつり」を開催した際、大勢のファンから早く後援会をとの要望がありました。その要望に応えて、「ふり袖太平記」がクランクアップしてすぐの1956年9月に、ファンが待っていた「大川橋蔵後援会」が東京上野精養軒で発足、茶話会が開催され、橋蔵さま出席のもと千名近くのファン、福島新芸プロ社長、美空ひばりさんをはじめ、菊五郎劇団、東映、松竹歌劇団、各新聞社、各雑誌社からの人達が参加し盛大なものになったようです。本格的にみんなで応援できるところが、この後、各支部が出来、数万人の後援会員を持つ大川橋蔵後援会の基盤ができたのです。第14作品目 1956年11月封切 「ふり袖捕物帖 若衆変化」 お七 美空ひばり 妙姫 美空ひばり川島源次郎 大川橋蔵寺尾源次郎 大川橋蔵早耳の五郎八 堺 俊二 喜代文 浦里はるみ真鍋新八郎 原 健策長崎屋金八 香川良介山田周防守 堀 正夫阿部伊勢守 神田 隆 寺尾十内 水野 浩 トミイ・マミイコンビ第4弾の娯楽作品です。この作品は、ひばりさんの「ふり袖捕物帖」シリーズ第一話になります。作品の中、ひばりさんが扮する町娘お七は、実は老中阿部伊勢守の妹妙姫で、若衆姿では山川七之助と。橋蔵さま扮する頼りない浪人川島源次郎は、実は伊勢守のところにいる爺寺尾十内の次男坊の寺尾源次郎、お七が危ない時は白頭巾で出現、とややこしい・・。これぞ東映娯楽時代劇というように、橋蔵さまとひばりさんの立回りがふんだんにあり、見ている私達を飽きさせず楽しく見られる作品です。トミイ・マミイコンビ・・気の強い女の子を優しく見守るお兄様という設定は守られています。喧嘩コンビは健在です。ひばりさんの独特なお色気のある声に、橋蔵さまが優しい声音と男の色気を放つ目。お二人の表情には引きこまれてしまうくらい素晴らしいです。橋蔵さまの立回りが、またまた上手くなっています。さすがチャンバラが好きな橋蔵さま、どんどん上手くなりますね。立回りの静と動・・一瞬止まって見得を切るではありませんが、一瞬の静のポーズが出来てきています。体の線も綺麗です・・あれだけ激しい動きの中着崩れもありません。ここも見逃さないでくださいね。この作品でも、最後の立回りの時に髷が乱れるのですけれど・・私、髷が乱れた橋蔵さま好きなんです。普通あれだけ髷が乱れたら美しくは見えませんよ・・橋蔵さまは色気があり美しいのです。右側の鳶の画像も髷が乱れているでしょう。(若さま侍の時も必ず立回りの時には髷が乱れます、いいですねぇ)女は女らしく映画の始まりは可愛い漫画風絵柄を背景に配役が出てきます。祭りの御神輿、ドレス姿のお七、覆面着流しの源次郎、目明し五郎八が描かれており、流れる歌も可愛らしく、楽しそうな雰囲気を誘います。江戸市中で今評判の小町娘が14人もさらわれていました。見回りをしていた目明しの五郎八は、用たしがてら稽古の帰りにさらわれでもしたらと、内弟子の松葉屋の娘を送っていく踊りの師匠喜代文とばったり会います。五郎八は、お師匠さんが留守中の稽古は誰がしているのか気になりましたが、お七ちゃんが代稽古をしてくれているようです。三味線の音、お七の唄いに合わせ舞っているのは・・?後ろ姿では誰か分からないのですが男の人ですね。なかなか上手いですね。(後ろ姿でも踊っている方は誰か、皆様はお分かりですね・・足の運び方、扇をかえす手の動き・・そう橋蔵さまです)あっ、正面を向きましたが、扇子で顔が隠れていて・・誰なのでしょう。おぅ、扇子が取れました。(綺麗な人、踊りも上手です。髪形からして浪人のようです)・・・(橋蔵さまがスクリーンに現れると景色がなごみます。オーラがあるのです) ここまで上手く踊ってきたのですが、次の振りを忘れてしまったようです。思い出せず、代稽古をつけているお七ちゃんの方を見ます。こんな感じでね。(画面はお七ちゃんと川島先生の表情はこんな風です) ⇒ ⇒ お七 「だめね、川島先生は」と言って、ちょっとうれしそうな顔をして立ち上がり、教えにいきます。お七 「しっかりしてください、こうですよ。いいですか」"ちり ちん とん とん ちり ちん とん とん" お七が川島先生に稽古をつけているところへ、五郎八が稽古をとやって来ました。(川島先生・・川島源次郎という浪人なのですね・・品のある二枚目で、お七ちゃんが稽古をつけるのを楽しそうにする訳がわかります)その時、師匠と松葉屋の娘がさらわれたという知らせがきて、五郎八と一緒にお七も松葉屋に行くといいます。玄関を出ようとした時、お七が「先生」と呼びます。お七 「先生も一緒に来て」 (画像したお七がかわいらしくいうのですが・・)源次郎「うん、他ならぬ師匠のこと、何とか力になってあげたいと思うが・・・ 何分、わしは、これが出来んでな。あまり危ないところへは近寄りたく ないのだ」(扇子を刀のように構えて、剣術ができないというのです)お七 「まぁ、あきれた。先生ってそんなお方。あたし、見損なったわ」源次郎「こんなことは五郎八親分に任せておいて、お七ちゃんはやっぱりお師匠 さんの留守を・・・」お七 「余計なお世話です。お師匠さんの安否も分からないのに、のうのうと お稽古なんか、あたしにはとってもできない相談。誰も助けてくれなく たって、あたし一人でちゃーんとお師匠さんを助け出して見せますから ね。なにさ、臆病者、腰抜けの、へっぽこ侍。ふふーんだ」お七はぷいとして出て行きました。呆気にとらわれる源次郎です。松葉屋に聞きこみに行っている時、根津権現の境内に女の死体が・・との知らせがきます。女の死骸を見てお七は殺しとみます。その様子を不審な編み笠の侍がみていました。お七が鏡に向って男髷を結っています。歌をうたい、この歌のような素晴らしい人はいないかなぁ。五郎八さんは気がよくて親切だけれども、少しいかれているし全然頼りにならない。頼もしそうに見える先生は、見掛け倒しの腰抜け侍だなんて・・・(お七も年頃、素敵な人に巡り合えるのを夢に見ているのですね)そう考えていて鏡に目をやると源次郎の姿がありました。源次郎「お七ちゃん、どうしたんだ。男髷に結ったりしてさ」 源次郎「あっはっは、まあだ怒ってんのか。ところで、何かいい手掛かりでもつか めましたかな」お七 「つかめましたよ」源次郎「ほぅ、女でも偉いもんだなぁ」お七 「ええ、その辺にいる形ばかりの日本差しよりはねぇ」源次郎「これは手厳しい。なぁ、お七ちゃん、そう怒らずに機嫌をなおして、 ひとつご教授に」お七 「おあいにく様、こちらは当分休業させていただきます」源次郎「休業?いつまで」お七 「お師匠さんが、お帰りになるまで」源次郎「それじゃ、いつになるか」お七 「うるさいわねぇ。今日から五郎八さんの子分になったんだから」源次郎「うぅん、お七ちゃんが五郎八さんの子分に」お七 「そうよ、今日これから二人で出かけるの」源次郎「お七ちゃん、もう一度考え直してみたらどうかなぁ。女だてらつまらぬ ことに首を突っ込んだって、誰も褒めてくれはしないよ。女は女らしく してるにかぎるんだがなぁ。お七ちゃんがもう少し女らしかったら」 お七 「余計なお世話よ。なによ、あなたこそもう少し男らしくなったらどう。 踊りなんか習ってやに下がっている暇に、剣術を習うとか、槍を習うと かさぁ。あたしだって好き好んで岡っ引きの三下になったわけじゃない のよ。だって誰も本気になって、お師匠さんのこと探してくれないじゃ ない・・さぁ、あたしゃこれから 出かけますからね」源次郎「なぁ、でも、お七ちゃん、えっ」お七 「先生、そっちむいてて~」源次郎「もう一度考え直してみないかぁ。お師匠さんを助けることは無論大切な ことだが、返ってお七ちゃんがさらわれるようなことになったら、 その時・・・??」その時、お七が脱いだ着物が源次郎の顔に降りかかってきたのです。 ふり向いて、お七ちゃんの岡っ引きの姿を見て・・源次郎の顔です。お七 「その時は、先生が助けてくださるぅ。でも、踊りでは役に立ちませんわよ」そう言って出かけていくお七です。お二人の得意の喧嘩シーンこの作品でも凄いでしょう。ひばりさんのポンポンと意地悪いそれでいて甘えている口調が浮かんでくるでしょう。それをうまくかわし、ソフトな口調でちょっと年上のお兄様という感じの橋蔵さま。橋蔵さまのことばってすごくやわらかいのです。語尾も強くないですしね。橋蔵さまがひばりさんに言う「女は女らしく」・・この台詞「おしどり囃子」「ふり袖太鼓」にもあります。橋蔵さまの言い方とひばりさんの言い方がお分かりになる方は、台詞を真似て見てください。私はいつも台詞を書くときは、その人になったつもりで書いていきます。(橋蔵さまのようなニュアンスで話せたらすばらしいなぁと思いますので・・今からでも遅くはない!) 続きます。
2017年02月15日
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御上意でござる第13作品目 1956年10月封切 「曽我兄弟 富士の夜襲」曽我十郎祐成 東千代之介曽我五郎時致 中村錦之助 満江 花柳小菊畠山重忠 大友柳太朗梶原景時 大川橋蔵曽我太郎祐信 中村時蔵工藤祐経 月形龍之介源頼朝 片岡千恵蔵◇忠臣蔵、鍵屋辻の決闘と共に、日本三大敵討ちとして知られる逸話で、東映オールスター物で芸術祭参加作品になります。曽我十郎五郎の物語を古風な描き方をしているので面白味はなかったのですが、東映時代劇全盛期の作品で、オールスターというだけあり出てくるスターたちを見ているには楽しめた作品でした。この時期、橋蔵さまはまだ新人でしたが、オールスターに出るまでになったのですから、不動の地位はあともう少しというところまできました。「曽我兄弟」では橋蔵さまの出番は僅かでトータルで数分、アップは1分位しかありません。とても少ないから見なくてもいいわ、とおっしゃる方もいらっしゃるでしょうね。そう言う方も機会がありましたら見てくださいね。当時東映の看板スターは錦之助さんと千代之介さんで、「笛吹童子」など少年少女向けのものを作っていました。この二人の世界であったわけです。そこに、東映が次に売り出そうとする大川橋蔵さまが出て来たわけです。この作品では錦之助さんとの絡みはありません、この後の新諸国物語では、錦之助さんとの初めての絡みがあり、看板スターとしての地位を着々とのぼっている橋蔵さまです。錦之助さんのお父様の中村時蔵さんの曽我太郎祐信と、橋蔵さまの梶原景時が二人の子を召し取りに行った時の曽我家の場面では、歌舞伎を観ているような雰囲気になりました。橋蔵さまのこの作品での役柄というと、やはり気品がある武士としての梶原景時になるのは必定でしょう。由比ガ浜での幼い二人を処刑しなければならないという、苦悩の表情、恕免の知らせが届いた時のほっとした笑顔、と橋蔵さまならではの場面です。「曽我兄弟 富士の夜襲」は昭和31年度芸術祭参加作品、カラー映画です。まだ色はあまり綺麗ではありませんが、カラー映画の時代が到来しました。二人の兄弟が力を合わせて父親の仇討ちを果たし、最後は両方とも死を持って終わるという悲しい物語が少年少女の胸を痛ませたでしょう。ヒーローは死なないはずなのに、この映画は例外で、まず、兄の十郎が仇討ちの直後死んでしまうのですから。◇鎌倉頼朝の時代、河津三郎祐泰は狩りの帰り道工藤祐経の手にかかり死を遂げてしまいます。母親と幼い二人が故郷を追われ流浪の旅に出るとき、峠に立ち領地だった伊豆の山河を最後に眺めながら、母の満江はいいました、「私達を、逆臣の妻、謀反人の子にした工藤祐経の名を忘れてはいけません」と。母満江は曽我太郎佑信と結婚をして、十郎、五郎は静かに人目を忍んで暮らせ、成人してくれることを望んでいました。そんなある日、鎌倉幕府からの使者梶原景時がやってきます。梶原「御上意でござる」曽我「はっ」梶原「河津祐泰の忘れ形見、主君の頼朝公に対し、逆用抱くのよし聞きめされ、 急ぎ両名を召し取りまいれとの御意にござる」 (右側の画像は合成です。映画の中では、カメラを流しての映し方をしていますので、一場面に二人が出ているところはありません。それで、その時の具合を画像に合わせて見ました。距離はもっとありますよ)曽我「何者がさようなことを、将軍家に」梶原「工藤佑経殿にござる」曽我「工藤殿が」梶原「数々の証拠を取りそろえ・・」曽我「お言葉ながら、まだ物ごころもつかざる幼きものが、将軍家を御恨みして ぎょくいをいだくなどと」梶原「この梶原にも、とうてい誠とは思われぬが、将軍家の言明とあれば是非も なきこと」 (いやあ、難しい難解な言葉回し、位の高いお方を言うのは大変だったのですね。上記の右の画像は梶原景時と曽我太郎祐信が話している様子です)(歌舞伎役者の時蔵さんとつい1年前まで歌舞伎役者だった橋蔵さまでの台詞場面。格式高い台詞にぴったりのお二人です。「赤穂浪士」の橋蔵さまをご覧になった方なら、内匠頭が詮議を受けている時の口調浮かびますか、あのような感じです)幼い兄弟は、源頼朝から由比ガ浜で処刑するように命を受けた使者梶原景時に曽我の里から連れて行かれます。鎌倉の館では、頼朝に兄弟の助命を嘆願する畠山重忠の姿がありました。どうしても助けたいという畠山に、頼朝は自分の幼い時の事を思い出し、畠山の思い通りにすることを許します。弓ヶ浜に引き立てられた二人・・五郎が砂浜を一匹の蟹が歩いているのを見ています。景時はその光景に目を止めやりきれない様子です。 処刑をする自国の太鼓がなります。景時は、知らせが届くのを待っているようですが、梶原「だめかっ、どうしても、この子らを殺さねばならんのか」 知らせはまだか、どうしても助けられないのか、と気をもむ景時ですが、梶原「是非もない・・・討て」 その時、「待て、お使者でございます」という声がした方を見ると、畠山重忠が馬を飛ばしてやってくるのが見えました。景時の顔がほころびます。 畠山「まてぇ、その処刑、待て」梶原「おぉ、畠山殿」畠山「恕免じゃ、兄弟は許されたぞ」梶原「はっ」梶原景時も安堵してうれしく、畠山重忠も景時に笑みを返します。 (橋蔵さまの出番は、残念ですがここまでになります)(すみません、ここからあらすじ紹介が早くなります。ご承知おきください)12年の間、母とも兄とも会えなかった五郎は、仇討ちを果たすことだけを念願に、20歳になるまで修行を積んでいました。兄の十郎は、元服し曽我家の跡取になっていました。十郎は、仇討ちを誓い合った弟を思い続けていました。(十郎に会って元服するまでの五郎の稚児のようなスタイルは、いくら23才の錦之助さんでも、申し訳ありませんが、ちょっと違和感がありました)畠山重忠は兄弟のために、門鑑と工藤の定紋を手に入れてくれました。兄弟は雨をついて目指す工藤の陣屋に忍び入り怨敵祐経を打ち取ることが出来ます。群がる武者の中で十郎は重忠の情の下に自刃し、五郎はとらわれて頼朝の面前に引き出されます。(捕えられ頼朝の御前に引き出され、仇討ちを果たした後の晴れがましさと誇りに満ちた五郎。この場面は、錦之助さんの独壇場になります。千恵蔵さんを相手に引けを取りません。頼朝をいましめる台詞まわしと表情には、23才とは思えない貫禄があります。ただ、この作品の五郎は若いのですから、ちょっと入れ込み過ぎたと思います)富士の山を見る五郎の顔がありました。 (完)この作品の監督、佐々木康さんの自伝「悔いなしカチンコ人生」の中に、記憶に残っている映画として「曽我兄弟 富士の夜襲」のことが書いてあります。(要約で)曽我兄弟物は、最後が悲惨なので芝居でやっても当たらない、映画でも作られなかった。マキノ光雄さんはこの企画で、中村錦之助と東千代之介の二人を、もっと人気俳優に育てようという目論見があった。金をかけていい、撮影は絶対富士の裾野でやるんだ。だが、予算以上は出せないという大川社長の一言で、富士の裾野でのロケは実現せず、滋賀県にある安曇川で行われた。そこでカメラマンの三木滋人の考案した「ポリテバル」を使って、富士の裾野の感じを出した。(ラストの場面の富士山・・よーく見るとおかしいと思いますが、当時映画を見た人達には、本物の富士山に見えたでしょう。当時に、このような手法を使っていたとはすごい)
2017年02月11日
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新太郎様と一緒にいられるだけで幸せ新太郎と保品で会おうと約束した小浪が保品に着くと、駒木飛騨が先回りをしていました。田沼意次の失脚で陰謀が全て崩れたため、十万両を奪い取ることしかないという訳です。新太郎が今に来ると言う小浪に、飛騨はこの短筒で死んだと言います。その頃、保品に向う新太郎の母かねと源八郎を、次郎吉が待ち伏せをしていました。鏡を源八郎に持たせ走らせ、次郎吉に追い詰められたかねを小市郎が助けます。途中源八郎はおえんに鏡を取られてしまいます。そのおえんから鏡を奪い取ろうとする飛騨の前に小市郎が立ちはだかりますが、乱闘に紛れて鏡は次郎吉が持って逃げます。保品の代官所の入口に戻ってきた次郎吉は、早速、鏡に書かれた文字をたどりながら宝の場所を探し始めます。周りを見渡し塀の瓦屋根をみると、仁と書いてあるのを見つけます。鏡を字に合わせながら白壁をたどって行きます。仁、義、禮、智、忠、信まできた時、沼の岸にある石碑に孝と書いてありました。宝の場所が推測できた次郎吉の前に、駒木飛騨が立ちふさがります。ここは里見家の隠棲地で宝の隠し場所はここしかないはずと、飛騨は邪魔な次郎吉を撃とうとしたので、次郎吉は鏡を底なし沼に投げると脅します。十万両は山分けにしようということで、二人は舟で沼の奥地に入っていきます。次郎吉が石灯篭に刻まれた悌という字に鏡を合わせて、その下のところに鍵を入れて回すと、なななんと、沼の水が沸き上がり、底から小判が入った箱が現れたのです。喜ぶ次郎吉に短筒を突き付ける飛騨、抵抗する次郎吉。もみ合って地に落とした短筒を取りあっているところに、死んだはずの新太郎が現れます。飛騨 「新太郎、貴様どうして」新太郎「うっはっはっは、地獄の底から汝らを迎いに参ったのだ」 飛騨 「なあに・・」新太郎「駒木飛騨、不忠不義、天神共に許さざる汝の所業も、遂に最後の時が来た のだ。この新太郎が、天になり変わって成敗してくれようぞ」 新太郎、襷をかける。 (袖の襷がけ3秒・・・綺麗です、格好いい) 逃げようとする小吉を見て、新太郎「小吉、汝も本来ならばお裁きを受けて、打ち首になっているところ、飛騨の助けで籐丸籠を破り、生きながらえた命で悪の片棒を担ごうとしたが、もはや汝の命も尽き果てたぞ」飛騨と小吉が新太郎に斬りかかってきました。そこへ、黒覆面の飛騨の手下どもがやってきました。(ここから立回りになります。)そこへ、小浪もやってきます。「新太郎様」「あっ、お嬢様」 次郎吉は新太郎に斬られ残るは飛騨一人、追い詰め新太郎と小浪が太刀をあびせます。新太郎「お嬢様」 小浪 「新太郎様」 二人は抱き合います。 そこへ、小浪の父、かね、源八郎が舟でやってきます。小浪の父は田沼の失脚で無実の罪がはれたこと、継母とは離別したことを告げる。小浪の父は、新太郎に頼みがあると言います。「わしのたった一人娘を、そちの手でどうか幸せにしてやってほしいのだ」はにかむようにお互いを見る二人です。鏡を小浪に二人のものだ、と渡すと、小浪は何を思ったのか、沼に捨ててしまいます。小浪 「お父様、あのようなものがあればこそ、人がいがみ合い殺し合うような 争い の もとになるのです。小浪は、あのようなものがなくとも、新太郎 様と一緒にいられるだけで幸せです」故郷へ戻る一行の姿がありました。(ここで主題歌「ふり袖太平記」の歌が流れます。)手をつないで幸せそうに微笑みあう新太郎と小浪の姿があります。 (右側の画像は雑誌からのものです。)清々しく気持ちのよいコンビのハッピーエンドで締めくくる作品でした。ハッピーエンドはよいですね。 ( 完 )ひばりさんとの作品としては、「ふり袖太平記」と「ふり袖太鼓」が橋蔵さまの凛々しさの中に色気が出てき始め、よいところが自然な感じで出て来たときで心に打つもの、魅かれるものがあります。初々しく、橋蔵さまの魅力である、子供が人を恥ずかしそうに見つめるような"はにかみ"がよい感じで出て来た頃のです。今回の作品もそうですが、お二人が芝居をすれば、思う以上のお色気がでるということを分かってのものなのですね。息の合った楽しくかわいらしい台詞での会話が多いのも頷けます。橋蔵さまの魅力に圧倒され、お二人のこれでもかと見せつけてくれる作品。時代劇で、こんな風に甘い雰囲気を出して、爽やかでかわいらしく思え、自然に受け入れられるのは、橋蔵さまとひばりさんのコンビならでしょう。そのコンビが冒頭から見せつけてくるのですから、たまったものではありませんね。
2017年02月09日
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落ち合う先は保品で、きっと行きます峠で新太郎と会えた小浪ですが、前途多難。宿場町には小浪の人相書きが立てられ、捕り方は町の中を見廻っていました。新太郎と小浪が人目を避けるように宿場町に入ってきました。あとをつけた次郎吉と小市郎とおえんも宿場町にやってきました。少し路地に入った所にある客引きをしている旅籠に入ります。いよいよ明日は保品に着くところまでやって来ていたのです。新太郎は母かねが、鏡の謎を保品の代官に聞いてみるように言っていたことを小浪にいいます。小浪は「どんな謎でしょう」と言い、新太郎に鏡をと言います。新太郎「拙者は持っておりません」新太郎「)^o^( ご心配には及びません」母と源八郎があとから保品へ持ってくることになっている、敵の意表を突いたのだといいます。二人の様子を覗いている次郎吉の姿がありました。宿の婆さんがお風呂にどうぞと部屋にやってきます。 (見るからに一癖ある意地悪そうな婆さんです。ここらあたりで何かが起こりそうな気配がうかがえます)新太郎「お嬢様、気をつけください。あなたは男であるということを、片時もお忘 れにならぬよう」 小浪 「分かってます。新太郎・・いや、兄上こそ、拙者のことをお嬢様など」新太郎「はぁっ?」新太郎「あっ、そうか」 ヽ(^o^)丿ヽ(^o^)丿、と笑う二人です。 旅籠の風呂場です。新太郎は脱衣所に、風呂に入ってる小浪が歌を歌い出したので慌てる新太郎(小声で)新太郎「これ、お嬢・・浪之介、聞こえたら女と分かるじゃありませんか」 宿の婆さんと息子がひそひそ話している様子を見て、新太郎が大きな声で漢詩をうたいだします。(漢詩楓橋(ふうきょう)夜泊(やはく)の一小節を歌うのです。私、漢詩を勉強してしまいましたわ。橋蔵さまがうたっています) 月~落ち~烏~啼いて、霜~天に~満つそこへ婆さんが様子を見にきて、新太郎が風呂に入っていないのを見ると「ご一緒ではないので」と。息子はさっき歌っていたのは女だ、もしやと人相書きを見ます。新太郎は部屋に帰ると、湯からあがった小浪に、感ずかれたことを耳打ちし、旅籠を発つ支度をして部屋を出ようとしたとき、婆さんが酒を持ってきて、息子が町方を連れてくるまで引き留めようとします。新太郎「わしは下戸じゃが、弟は酒好きでなぁ」小浪は婆さんから酒を勧められる。どうしたらよいか、新太郎の顔を見る小浪です。(ねえねえ、新太郎どうするのよ。わたし飲めませんよ、どうすればいいの。何とかして・・こんな感じの小浪の顔つきですね。新太郎は、さぁーて、どうしたものかと思案中ですね)(新太郎、何か思いついたようです)新太郎「うん、猪口など面倒だろう。これで飲むがいい」といって、湯呑を差し出します。小浪 「これで・・」 (ますます困惑する小浪)目で合図をする新太郎です。湯呑に注がれた酒を飲めずにいる小浪を見て、新太郎は婆さんに歌をきかせてやりなさい。というのです。新太郎「なあ、婆さん、弟は女子に負けぬぐらい上手いぞ」と新太郎が言いながら体で遮っている間に、小浪は湯呑を取り変えます。黒田節を歌い終わった時、新太郎が外の気配を感じ廊下へ出た時には、捕り方が二階までやってきていました。 ⇒ ⇒ 小浪に手が回った、早く逃げるように言い、捕り方と立回りになります。屋根伝いに逃げますが、四方八方囲まれてしまい、落ち合う先は保品でと・・新太郎「きっと行きます」と・・二人は別々に逃げることにします。新太郎は、捕り方を蹴散らしながら川沿いに出たところで、飛騨の短筒で撃たれ、川に落ちてしまいます。小浪は飛び込んだ芝居小屋の大夫に助けられ、逃れることができました。飛騨の短筒で撃たれた新太郎は、大丈夫でしょうか。ここで死んでは、新太郎と小浪の人生が余りにも可哀想です。新太郎の保品へ「きっと行きます」・・の言葉を信じて、次回に期待してまいりましょう。 続きます。
2017年02月08日
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主命? もしや貴殿・・風がひどい夜のことでした。次郎吉が菅谷家に再度押し入りますが鏡が見つからず、薬殺を考え抹茶に仕込みます。小浪は祖母に眠れそうもないのでお茶を点てるようにいわれます。その点てたお茶で祖母がなくなります。藩医から小浪が祖母を殺害したという報告があり、取調べをしたいので小浪を引き渡してほしいと・・・新太郎が応対しています。江戸表からのお達しで菅谷家の領地は近々召し上げられる。沙汰あるまで藩にお預けになるというのです。小浪をここに呼んでほしいと言われ、新太郎「しかし・・」その時、誰かが部屋の方に来るのを察し、新太郎がそちらの方を見ます。(この時のアップの橋蔵さまの横顔美しいでしょう。橋蔵さまの目の動きがすばらしいから横顔がより生きてきます。私この横顔好きなんです) やって来たのは母のかねでした。新太郎に、小浪がいなくなったことを耳打ちします。「えっ」慌てて新太郎は小浪の部屋に行きます。そこには、新太郎に宛てた手紙がありました。今捕まっては駒木飛騨の思う壺、公平なお裁きも受けられないと思うので、しばらく父が信頼していた保品の代官大村陣内のところに身を隠す。菅谷家の大切な鍵形の鏡を新太郎に預けるという手紙でした。「この世の中で、私の一番信頼できるお方は、やっぱり新太郎様ですもの」・・小浪、と書かれていました。(この場面も、橋蔵さまの目の動きに注目!本当に目がものを言うのです) その新太郎の様子を見ている小市郎の姿がありました。(ここから、新太郎と小市郎の二人の場面を書きますね。小市郎の目的を明かすところですので)男装した小浪の姿が山道にありました。土煙を上げ馬を飛ばして行く侍達が、その後から同じ方向に馬を走らせる新太郎が、そのまた後ろから小市郎が、皆、小浪とは気づかずに脇を通り過ぎていきます。小市郎が新太郎に追いつきます。新太郎「おぉ、幾井氏、貴公、確か江戸へかえられるとか」小市郎「実は、江戸に帰るにつき、是非貴殿にお願いしたい義がある」新太郎「どのようなことか存ぜぬが、何ゆえいままで」小太郎「それが、貴殿と二人きりで、しかも人里離れたところで、お話いたしたき ことなれば」新太郎「なっ、なんと」小市郎「露木氏、拙者が館山まで赴いたのは、さるお方の依頼により、貴殿が懐に 所持される鍵形の鏡」新太郎「えっ、貴殿も鍵形の鏡を」とうてい尋常には渡してもらえないことは覚悟の上という小市郎に、新太郎「待て、貴殿が鍵形の鏡を狙う一味とはどうしても拙者にはげせぬ。詳しく 事情を話されい」 理由は言えない、助けられた恩と友情は忘れないが、主命とあれば、と小市郎が言います。新太郎「主命? もしや貴殿」武士の情け、それ以上は聞かないでくれと小市郎。新太郎「では、どうあっても」(橋蔵さまが、笠の紐を取るところから右側の画像のように笠を取るところまで、ずっと映しています。橋蔵さまの所作は一つ一つ見ていて綺麗です。一瞬、笠を頭から外すとき、「笛吹若武者」で平家が船で逃げていく浜まできた時に、兜をかぶりますね。その時に一瞬見せたあの表情と同じ表情をするのです。あの一瞬の表情は素の橋蔵さまの表情ですね・・あっ、可愛い) 腕ずくでも、鍵形の鏡を江戸へ持ち帰らなければならないという小市郎に、新太郎「だが、それだけは拙者も渡すことは出来ぬ」小市郎「露木氏、溶射はいたしませぬぞ」新太郎「やもおえん、お相手いたそう」馬から降りた二人は・・・「参るぞ」「いざ」刀を抜きます。新太郎の太刀に足を取られ、山道から下に落ちそうになった小市郎に刀を振りあげた時、男装の小浪が止めに入ります。 新太郎が何者だという顔をして見た時、小浪が笠を取ります。新太郎「あっ、お嬢さん」 (どういう訳か?・・ここだけ「お嬢様」ではなく「お嬢さん」と私には聞こえるんですが。うぅ~ん??)小浪 「新太郎、どのようなことがあろうと、幾井様は命の恩人、斬ってはな りません」新太郎「お嬢様、だがこの男もやはり、下記形の鏡を奪いに参った一味ですぞ」小浪 「えっ、幾井様が」「斬ってくれ」という小市郎、刀を鞘におさめる新太郎、それを優しい眼差しで見つめる小浪がいました。 宿場町に小浪の手配がまわります。新太郎と一緒に、保品まで行きつけるのでしょうか。 続きます。
2017年02月07日
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新太郎様!江戸へ行くのに一人では危ないから、と新太郎がついて行くというのを、意地を張って断った小浪は、源八郎をお伴に連れ江戸へ向かっていました。父を訪ねて行った屋敷の帰り道、二人のやくざに襲われます。源八郎は簡単にやられ小浪に二人がかかっていった時、編み笠をかぶった着流しのお侍が小浪を助けます。 お侍が小浪の腕を掴んだまま離さないので振りきろうとしますが、離してもらえません・・源八郎が向っていきますがムリです。小浪が観念した様子でおとなしくなったところで、編み笠のお侍は笠を取りました。 「どうです、だから一人ではいけないと言ったでしょう」・・新太郎でした。小浪 「恩にきせるきなの、あんな弱虫の二人ぐらい・・」新太郎「その弱虫に捕まえられて、青くなっていたのはどなたでしたっけ」小浪 「知らない。早く国へお帰り」 新太郎「帰りません。危なっかしくて見ておれないじゃありませんか」小浪 「そなたの助けなどいりません」ヒステリーを起こして行こうとする小浪を見ていて苦笑いをする新太郎です。源八郎をと歩く小浪の後を見守るようについて行く新太郎。 二度ほど振り返り、新太郎がついてきてくれるのを見てにこりとする小浪です。 新太郎がついてきてくれるとばかり思っていたが、次に振り返ると、新太郎が帰って行くのを見て、新太郎を追って駆けだします。それを察した新太郎が振返ると、また先へと歩き出す意地っ張りの小浪です。真剣に小浪をガードしていく新太郎です。 新太郎と小浪の可愛い喧嘩シーンもこのあたりで・・・いよいよ本筋に入っていきます。旋風の次郎吉が盗んだ里見家改易次第書には、財宝十万両の隠し場所の謎を解く鍵形の鏡の所在が記されていました。一足先にひとり占めをと考え、安房(あわ)の館山へ向かう次郎吉でした。駒木飛騨は濡髪おえんを安房に向わせ、田沼意次は飛騨を差し置いて十万両を・・と考え、鍵形の鍵を手に入れるため隠密の幾江小市郎を安房に向わせることにします。小浪は、途中いなくなった新太郎を見つけ出し、今後のことを相談しようと江戸の町を探し歩いています。隠密幾江小市郎が阿波へ向かおうとしていた夜、飛騨のまわした刺客に襲われます。そこに通りかかった新太郎が助太刀に入ります。新太郎「事情は存ぜぬが、理不尽な曲者と見た。助勢つかまつる」小市郎「かたじけない」(立回りです。橋蔵さまの殺陣と表情決まってきました。舞踊でつちかった体のしなりが素晴らしい。このような体の動きをできるチャンバラスターは他にはいません。でも、橋蔵さまは、こんなくらいで満足する方ではありません)小市郎「いや、何とお礼の申しようもござらん。急ぎの旅ゆえ、せめてご姓名を」新太郎「いや、当方も旅の者でござる。いささか、人を訪ねますので御免」不思議な人だというような小市郎です。 小浪は新太郎を見つけ会うことが出来なかったので、菅谷家に戻ってきていました。祖母のさよから新太郎はどうしたのだと聞かれ、小浪は、心配して追ってきてくれたのに意地悪をして・・と泣きじゃくります。新太郎の母かねは、心配しなくて大丈夫、江戸でお嬢様を探しだせなかったら、一旦帰ってくるに決まっている、と小浪に言います。祖母から菅谷家の先祖里見家の時から受け継がれてきたという鍵形の鏡を、小浪の幸せのため、菅谷家のために、大切にしまって置くようにと渡されます。その話を縁の下に忍びこみ聞いていた次郎吉は、その夜部屋に押し入りました。同じ頃、新太郎が菅谷家に戻ってきました。新太郎を迎えに出た母かねに「母上、お嬢様は」と聞き、辺りを見回し雨戸が開いているのを見つけ、「曲者」と叫びます。小浪の部屋にちょうど入っていた次郎吉は、鏡を盗みましたが、新太郎に阻まれ逃げる時落してしまいます。次郎吉「野郎、覚えてやがれ」追おうとする新太郎に小浪 「新太郎」と。新太郎「お嬢様、ご無事でしたか」小浪 「新太郎様」 (小浪の新太郎に対しての本当の思いがわかりましたね)新太郎に抱きついた小浪でしたが、ふと気づき、新太郎が何か言おうとしたとき離れていきました。(この時、新太郎も小浪に何かを伝えたかったのです・・よね) 神社のお参りに来ていた小浪を、次郎吉一味が鏡ほしさに拉致しょうとするところを幾江小市郎が助けます。小浪が落したかんざしを見て、菅谷家の小浪とわかりびっくりしているところへ、源八郎から知らせを受けた新太郎がやってきます。新太郎「お嬢様、ご無事でしたか」小浪 「この方に助けていただいたんです」小市郎と新太郎は、お互いにびっくり。小市郎「貴殿はあの時の」新太郎「いゃぁ、奇遇でしたなぁ」新太郎と小浪が乳兄妹と聞き、小市郎の顔色が変わりました。小市郎は田沼意次から、菅谷家から鏡を探すように言われている隠密です。その彼が菅谷家に滞在することになります。新太郎と小浪とどのように関わってくるのでしょう。次郎吉はどこまで執拗に狙ってくるのでしょう。 続きます。
2017年02月05日
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