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オーディオブックのラインナップに初めて加わった「残業はする、前業をせよ!」http://www.febe.jp/content/content_23288.html(大和書房)が、Febeの人気コンテンツランキングに入った。6位に入っているが、全体的には「生き方と仕事術」が人気のテーマのようだ。オーディオブックは若い人が愛聴(?)しているから、そういった分野が関心分野ということになる。時代は変わってもこの二つが大切なのは不変である。-------------------------------------------------------------------[2] 人気コンテンツランキング━━━━━━━━━━━━━━━━━━━今週もトップに立ったのは「生き方」でした!2位、3位には今週からランクインしてきた「スピードハックス」と「人は話し方で9割変わる」です。ランキングページには、150位までのランキングを表示していますので、アクセスしてみてください。あなたの知らない意外なコンテンツもあるかも!?第1位 『生き方―人間として一番大切なこと』 http://www.febe.jp/content/content_23229.html第2位 『スピードハックス―仕事のスピードをいきなり3倍にする技術』 http://www.febe.jp/content/content_23277.html第3位 『人は「話し方」で9割変わる』 http://www.febe.jp/content/content_23297.html第4位 『史上最高のセミナー』 http://www.febe.jp/content/content_23167.html第5位 『お金の脳トレ―たった4つのステップで、あなたも億万長者になれる!』 http://www.febe.jp/content/content_23255.html第6位 『残業はするな、「前業」をせよ!』 http://www.febe.jp/content/content_23288.html第7位 『稲盛和夫CDブックシリーズ いま、「生き方」を問う(1) どう生きるか なぜ生きるか』 http://www.febe.jp/content/content_23227.html第8位 『快ペース仕事術』 http://www.febe.jp/content/content_23195.html第9位 『「原因」と「結果」の法則』 http://www.febe.jp/content/content_20085.html第10位 『夢をかなえる時間術』 http://www.febe.jp/content/content_23265.html-------------------------------------------------------------------(送られてきたメルマガでは、クリックすると違う本に飛ん(ミスだと思う)だので、正しいものを貼り付けた)
2008/04/30
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仙台で、本当に久しぶりのゴルフに興じた。ホームページ内にある過去のスコアを表にしたデータをみると、最後が12月だから今年初めてのゴルフということになる。東京への転出さわぎでゴルフをやれなかったのだと改めて思った。http://www.hisatune.net/html/05-career/private/private.htm名人・安井さん、二度目のプレーとなった安田さん、そして私のゴルフの師匠・富田さんの4人で、西仙台カントリークラブでプレー。天気もよく風も少なくそして春の景色も素晴らしく、まことに気分のいい日となった。4ヶ月ぶりなので無欲でティーグランドに立ったら、最初のティーショットはいい当たりとなった。左足に体重を残す、ということを意識してプレーをしたら比較的いい球を打つことができた。それからバンカーショットがよかった。グリーン周りの小技やパッティングは勘が鈍っているのでうまくいかなかったが、次につながった気がする。一緒に回った方々は私より年上なのだが、皆さん上手で参考になった。富田さんに車で送ってもらって少し話をして新幹線で東京へ。そのまま渋谷に出る。看護師になって東京の病院に就職した娘が初給料で食事をおごってくれるということになり、家族4人で久しぶりに愉しく歓談する。病院の看護の様子やできるようになった配慮、仕事の内容などを詳しく聞く。笑いの絶えないいい時間となった。その後、ロフトの中にある中国茶の喫茶で続き。
2008/04/29
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昨日から仙台。静岡から帰った翌日の夕刻仙台へ。新幹線の中で本のゲラのチェックと加筆を済まし、唯一22時まで開いているという泉区のくろねこ宅急便集配所で21時過ぎに東京の出版社に投函。28日は宮城大学で朝9時からホームページの打ち合わせ。宮城大名物のキャンパスレンジーという学生団体の2年生の新リーダーたちが現れて、今後の活動のアドバイスを求められた。すぐに野田一夫初代学長につないだが、リーダーの沢田君と電話で話がまとまり、5月にキャンパスレンジャーに野田先生から話をしていただくことになった。午後は、ビジネス情報論の二回目の講義。多摩大リレー講座で使った「世界潮流」の図を解説し、その後実習を行う。もう一つの卒業研究は正式には二人だが、飛び級で大学院に進んだ人と外部の社会人も入れて授業を行う。就職活動をしていたS君(女性)は、大手自動車メーカーに内定をもらったということで、本当によかった。今後は、もう一人の社会人学生も含めて卒業論文に力を集中できると思う。東京で仕事をしているOBが午後の授業に出席していたが、夕刻は東京組の彼ら二人と仙台組の二人と、計5人で懇親会。東京組は先日新宿で行ったゼミ同窓会に来ていたメンバーで休みをとって仙台に遊びにきていた。仙台組はデュナミスの渡辺一馬社長とGIPという企画会社で活躍している千葉君(女性)だ。忙しいらしいが自信がでてきた顔つきになっていて嬉しく思った。25歳から30歳の年齢幅だが、それぞれ仕事を通じた専門があり話は面白かった。写真は東京に戻ってから掲載予定。
2008/04/28
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静岡から新幹線ひかりで一駅先に掛川市がある。山内一豊が城主だった時代もある街だ。タクシーで行き先を告げると山に向かってまっすぐに走っていく。途中はお茶畑の連続である。お茶は昼夜の寒暖の差が必要だが、霜が大敵らしく、小型の扇風機らしきものが目に付いた。防霜ファンという名前だった。静岡県はお茶で有名だが、それだけでは食べていけないので、就業者は減りつつあるそうだ。山あいの美しい緑の木々に囲まれた和風の落ち着いた建物に着いた。吉行淳之介文学館である。入り口を入ると暗い空間の中に庭の緑と明るい光線がまぶしく目に入る。木の香りがする大空間にはピアノが置いてあり、その脇から音楽が流れている。ソファに座ってテーブルの上にあった吉行淳之介特集の載っているサライの2007年3月15日号を手に取った。「ダンディズムを貫き通した機微の人」というタイトルだった。縁のあった作家たちが吉行をテーマにエッセイをかいている。瀬戸内寂聴によると健康雑誌を隅々まで読むという趣味が一致していたそうだ。吉行の母はNHK連続テレビ小説のモデルとなったあぐりで、11歳年下の妹は女優の吉行和子だ。和子は病弱な兄という表現で兄の思い出を語っている。安岡章太郎、遠藤周作、三浦朱門、曽野綾子などと並んで第三の新人と言われた吉行淳之介は、「人生が仕立ておろしのセビロのように、しっかりと身に合う人間にとっては文学は必要ではない」と述べている。一方で「持病というものは飼い馴らして趣味にするより仕方がない」と病弱の運命を悟った言葉も遺している。大き和風のダンディな空間の中には上質な時間がゆったりと流れている。吉行淳之介は23歳のときにある女性を入籍しているが幸福ではなかった。33歳のときに3つほど年下のミュージカル女優宮城まり子(1927年生まれ)と出会う。「私はM・Mに惚れたのであり、、、一人の女性に惚れたという情況が私の文章にうるおいを持たせた、、」と語っている。復元された書斎の机の上には神楽坂山田屋の原稿用紙があり、その上にてんとう虫の置物が置いてあった。死ぬまで愛用していた中学生用の椅子の脇にもてんとう虫の足置きがある。机の前には浜口陽三のこれまたてんとう虫の絵が飾ってある。本棚を覗くと谷崎潤一郎、室生犀星、島尾敏夫、臼井吉見、渋沢龍彦などの全集が並んでおり、吉行の好みがわかる気がする。源氏物語の訳は、与謝野晶子、田辺聖子などのものがあるが、瀬戸内寂聴のものを置いてある。この文学館に置かれた吉行の小物などには必ず宮城まり子の言葉が添えてある。吉行は病気の宝庫だった。アトピー、喘息、腸チフス、結核、躁と鬱、白内障、乾癬、肝炎、、、。病気と闘い、入退院を繰り返しながら、膨大な作品を描いた。よく70歳まで生きたという感じもする。この作家は作品に対しもらった賞が実に多い。二度の候補を経て30歳で受賞した芥川賞(入院のため受賞式は欠席)を始め、新潮社文学賞、芸術選奨賞、谷崎潤一郎賞、読売文学賞、野間文芸賞、芸術院賞、講談社エッセイ賞。作品を構想する力が大きかったということだろう。また各賞の選考委員も多い。文学界新人賞、文芸賞、太宰治賞、泉鏡花文学賞、川端康成文学賞、野間文芸賞などの選考委員をつとめた。同業の作家からの尊敬を集めていたのだろう。写真に映る吉行は憂いをまとった姿が多い。ハンサムである。かなりの割合で煙草を吸っているヘビースモーカーだ。それも様になっている。多くの女性が惚れたし、今なおファンが多いのにも納得する。吉行は病気と伴走しながら多くの作品を書いた。「驟雨」「不意の出来事」「「星と月は天の穴」「暗室」「「鞄の中身」「夕暮まで」などが小説の代表作だが、エッセイの名手でもあった。「軽薄のすすめ」「悪友のすすめ」など一連のエッセイも人気があった。総計で200冊を超えている。怒涛の仕事量である。恋人まり子への手紙が掲示してあった。広い文学館だが、天井は各部屋ごとにそれぞれ異なった工夫が凝らされている。三角形に張り出した空間の先の小さな場所からは庭の緑が心を和ませる。「帰ってきたら、君のジコーキの中の手紙が着いていて、胸がきゅんとなった。好きだよ。」「君と離れていると、気持ちが荒んで困ってしまっている」吉行淳之介の作品は今まで読んだことはなかったので、「鞄の中身」を買った。最初の短編の「手品師」を読んだ。もろくはかない青春の一こまを描いた叙情豊かな作品だった。建物といい、遺品の配置といい、能を催した庭の見事さといい、見事である。ハードだけでなく、ソフトに優れていると感心した。宮城まり子の配慮が隅々にまで行き届いている上質の空間であり、宮城まり子の愛が吉行を包み込んでいる。吉行淳之介を記念した文学館であるが、宮城まり子の記念館であるとの印象も濃い。(この文章は一回書いたのだが、とんでなくなってしまった。もう一度気を取り直して書いたもの)
2008/04/27
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静岡市女性会館(アイセル21)での研修講座に呼ばれた。静岡には割合縁があって、市役所職員の女性の集まりに呼ばれたのをはじめ、清水市と合併して政令指定都市昇格時の市の職員研修も何度か担当している。この街は女性が元気で活発だという印象を持っている。女性会館は「NPO法人男女共同参画フォーラムしずおか」が昨年から指定管理者として運営している。このNPOは今回講師をつとめるアイセルカレッジの第一期生から六期生の自主活動グループから生まれた団体。平成17年度から2年間は静岡市女性会館の一部講座開設及び図書貸出業務等を受託。平成19年度から女性会館の指定管理者となった。講座応募人数が2500人、図書コーナーの貸出点数も10000点を突破するなど実績を積み重ねている。講座を受けた受講生たちが成長しこういった施設の運営ソフトを担っているのは素晴らしい。私が呼ばれたのは第8期アイセル女性カレッの就職・転職準備講座で、「キラッと輝き続けるためのキャリアデザイン」というテーマの講座だ。昨年は自己表現、文章力、コミュニケーション、女性学、ビイネススキルなどの講座を実施している。講師は、ジャーナリスト、大学教授、起業家、モシベーショントレーナー、キャリアコンサルタント、整体院院長、コミュニケーショントレーナー、新聞社部長などがつとめている。前期の半年12回の講義で受講料は3000円に設定している。性格タイプ分析の「エニアグラム」を受講生はすでに知っており、今回受講した館長以下5名のスタッフとも話が通じた。やはりエニアグラムは役にたっているようだ。朝10時から午後4時までの講座で、「図で考える女性は仕事ができる」というテーマである。30代から40歳前後の女性が受講生の中心で、会館に設けられた託児所で子どもも預かっていて、昼休みは子どもと過ごす人も多かった。今回の講座で改めて感じたのは、夫や子ども、そして同居している親や実家の両親などが占める割合が大きいということだ。女性は仕事に出る前に家族という大きなテーマを日々抱えながら必死で生きている。図を描くことを指導していると感動する。いくつか現状をブレークスルーするアドバイスもできたと思う。ライフデザインの中にキャリアデザインがあり、その中に仕事がある。キャリアとは、仕事歴を中心とした学習歴と経験歴のの総体である。文章中心にできている男社会に入ってキャリアを積み重ねていくには新しい武器として図解を用いよ。そして豊かなライフデザインを描こう。こういう趣旨の講座となった。受講者たちには土曜日の6時間は貴重な学びの時間だから大変熱心でこちらも熱が入る。女性の真面目さ、頑張りが社会を支えていると改めて感じた。
2008/04/26
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宮城大学久恒ゼミの東京同窓会が新宿で行われた。5期生の太田君が私の東京への転出を機会にゼミ同窓生を中心に連絡をとってくれて実現した。太田君は企業と大学生をつなぐ就職・採用を支援する企業に勤めている、大阪の大型アミューズパークで活躍しており今は東京で関東甲信越地区のセールスを担当している野村君、IT企業からネットリサーチ企業に出向しマーケッティングをやっている佐藤君、仙台で就職したが東京に出て今は広告会社で仕事をする青山君、大手飲料企業の法人営業本部で活躍する畠山君、今は経営コンサルタント資格を取るべく準備中で名古屋から駆けつけてきた佐々木君、最初のマーケッティング企業を卒業し楽天に入社した高橋君。30歳に届いた一期生、今回一番多かった5期生は25歳で、まだまだ今からだ。私の最新刊の「仕事は頭でするな、身体でせよ!」(大和書房)を持っていってプレゼントした。この本は彼らの年代に向けて書いたものだ。役にたてば嬉しい。最近若いビジネスマン向けの本の執筆依頼が続いているが、宮城大学時代の私の教え子にアドバイスするつもりで書いていきたい。私自身は全員を知っているが、7人は初めての顔合わせも多いので、自己紹介から始まった。ずっと勤めている人、転職を繰り返している人など様々だ。仙台と縁のある仕事をしている者も複数いる。あっという間に3時間以上たったが、先生としては実に愉しい時間だった。みんな大人になったなあ。今回、仕事の都合で来れなかった者もいるから、連絡を取り合って多くのゼミ生に会いたい。みんな若いので悩みも多いだろうから、時々会ってサポートしていきたい。写真を撮っているので、明日掲載する予定。
2008/04/25
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多摩大学の新機軸であるリレー講座の2回目は、「現代世界のつかまえ方--図解思考のすすめ」というテーマで私が担当した。社会人と今年の新入学生あわせて650人ほどに向けて1時間半の講義。「第1回講義の復習」(寺島実郎さんの講義を一枚の図解にして解説)「自己表現力の欠如と教養の不足」「図メモのすすめ」「寺島実郎論--進化する思索者」「図解思考による知的進化論」「現代世界解析講座の全体像」「図解・世界の名著」「インターネット時代と図解思考」という流れだった。学生は後方、社会人は前方の席なので、社会人の受講者の方々の反応がよく把握できて話しやすかった。講演後のアンケートをざっと読むとこの講座の受講者は一味違うという印象を持った。かなりの方が良かった点を述べた後、「ただし」という言葉を用いて質問や疑問を記してもらった。こういう受講者が多いのは珍しい体験だ。聞いていた通り多摩地区は知的レベルが高いようだ。それぞれ相当の経歴と自らの考えを持った方々であると感じた。この講座は本にする予定で、終了後すぐに写真撮影をして、そのための会議と続く。終了後は4人の新任教員と学部長と私の話した内容を巡ってラウンジで話に花が咲く。夕刻8時からは、新宿で宮城大学久恒ゼミの同窓会に出席。7人が集まってくれて実に愉しい時間を過ごした。(この件は別途書き込む予定)
2008/04/24
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電子ブックの一種であるが、書物の内容を朗読し、それを耳で聞くというオーディオブックを使った学習の仕方が支持を広げつつある。新聞や雑誌などでも最近はその話題が載ることが増えてきた。ケータイ(携帯電話)で電子的に小説を「読む」という流れもあるが、こちらは「聞く」という方法だ。iPodなど携帯用の機器のレベルアップや使い勝手がよい機器が身近になったこともあって、そういうビジネスが頭をもたげつつある。私も最近は、今年になって使い始めた「iPod touch」で、iTuneや購入したCDから講演録や本の中身を散歩しながら聞くようになった。小林秀雄、茂木健一郎などの講演、白洲正子の本の朗読、陳瞬臣のものがたり史記、岡倉天心の「茶の本」古今亭しん生の落語、ことば世界遺産、日本の名詩などを楽しんでいる。Febeという配信会社のメルマガを朝読んでいたら、私の近著を朗読した電子ブックの販売のニュースがあり驚いた。そういえば、今年に入ってそういう話があったことを思い出した。早速、ネット上で1260円払って買って聞いてみた。(著者割引はないのかな?)全部を聞くには2時間57分という時間をかけねばならないのだが、プロの朗読者が気合を入れて読んでいるので、訴えかける力は強い。耳から聞くと新鮮で、書いた本人自身が啓発されるような不思議な感覚である。自己啓発の分野の本も耳で聞くのは向いていると思う。Febeのウェブでは「サンプル」という欄をクリックすると、内容の一部を聞くことができるのもいい。製作元は「オトバンク」という名前で、ソフトバンクを連想させる面白いネーミングだ。こういった分野はまだ黎明期だろうが、通勤時間での活用や、ウオーキングなどの健康法との組み合わせ、文字離れといわれる世代への情報の浸透など、さまざまな可能性を感じさせる。-------------------------------------------------------http://www.febe.jp/top/index.html残業はするな、「前業」をせよ!* 著者:久恒啓一* 価格:1260円(税込)* 時間:2時間57分25秒* 製作元:オトバンク* 出版社:大和書房* 出版日:2007年4月* ナレーター:赤城進* サンプル:簡単な紹介:「仕事もプライベートも、無理なくマイペースですすめられる」と、多忙なビジネスマンの間で話題騒然となっている「前業(ぜんぎょう)」。前作『通勤電車で寝てはいけない!』などで、新しい知的生産術への指針を示してきた久恒啓一が、常識のウソを指摘し、ビジネスマンとして本当に必要な知恵や秘訣を説き明かします。今作も「仕事は公私混同」「上司に何でも相談する人ほど仕事ができない」「ライフプランはつくらない」「顧客満足よりも自己満足」「迷ったら"成功する方"でなく"どちらでもいい"」と、型破りな指南が並びます。できるビジネスマンの実践ルールは現場に答えがある!「前業的思考回路」のひらめきは、多忙な日々に余裕を、私生活にゆとりを作り出す一助になります。-----------------------------------------------
2008/04/23
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大学院での第二回目の講義のため夕刻に品川に向かう。品川駅に隣接したインターシティという高層ビル群の中に大学院キャンパスがある。この大学院は社会人大学院で、土日と夜間の開講となっている。火曜日の夜には4つの講義が同時に行われている。田坂広志先生の「社会起業家論」、原田保先生の「ビジネスモデル論」、広瀬一郎先生の「スポーツマネジメント」、そして私の「実践知識経営」だ。それぞれが興味深く自分が受ける立場だとどの授業をとるか迷うだろう。登録者は先週の出席者17名に5名加わって22名となったので、もう一回り大きい教室に変更になった。今回加わったのは、大手商社や大手電機メーカー勤務のビジネスマンたちだ。登録者は08年度春季生10名、07年度秋季生6名、07年度春季生6名である。出張での欠席者、そして2名の遅刻者もあり、30代のビジネスマンは大変だ。前回の講義時にとったアンケートに書かれてあった質問への回答などを終えて、まず、「知識経営」を担当している紺野登先生の最近著「知識デザイン企業」の第5章「知識デザインの方法」と「「補論 知識デザインの実践:コンセプト・デザインにおける応用」の部分を解説し、私の授業との関連を説明する。また、先週の多摩大リレー講座の寺島実郎さんの講義「21世紀に入って7年間の世界潮流」をまとめた一枚の図を使って短い時間で要旨を講義してみた。後は実習でグループワークと全体でのワークと続く。それぞれが豊かなバックグラウンドを持つビジネスマンなので、私自身も大変に楽しめた。次回までの宿題も出したが、色々な先生たちから個別の宿題が出るから、院生の負担は大きいだろう。エレベーターでの会話を聞いたことがあるが、睡眠時間は3-4時間の人が多いらしい。午後6時半から始めて、終了は午後9時40分。終了後、残っている受講生たちと少し話をしてから自宅に向かう。
2008/04/22
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環境の大きな変化の中で、このところ数年間没頭している「人物記念館の旅」に集中できなかった。二つの小さな雑誌に連載していて人選と執筆に入っている。今回は樋口一葉と東山魁夷を組み合わせることにした。毎回二人づつとなると、何か共通性、関連性を考えながら人選することになる。今までは、蘇峰と蘆花のような兄弟や、著名な画家同士、同じ地域というように組み合わせてきたが、源氏物語千年紀に関係した樋口一葉と、オリンピック聖火リレーで話題になった長野善光寺の話題に関係する東山魁夷を組み合わせることにした。また、両方とも、記念館や企画展を含め複数回訪問したこと、そして著書をじっくり読んだことなども共通している。だから初めての時系列での日付入りの原稿となった。「あの源氏物語は立派な作品ですが、書いた人は私と同じ女性です」と日記の中で紫式部のことを述べた樋口一葉は、1年と2ヶ月の間に「たけくらべ」などの10本以上の名作を一気に書き、「奇蹟の十四ヶ月」と言われたが、その1年後には24歳で他界している。日本最高峰の風景画家・東山魁夷は、「時が過ぎ去って行くのでは無く、私たちが過ぎ去っていくのである」という名言を残しているが、この人の作品は長野信濃美術館・東山魁夷館で最初に観た。この館は長野の善光寺の近くにあった。今週末には講演で静岡に行くので、資料を調べてみた。まず、静岡市には、中勘助文学記念館と芹沢けい介美術館があった。中勘助(1885年ーー1965年)は大正ー昭和時代の小説家で詩人。「銀の匙(さじ)」などの名作を書いている。漱石の弟子の一人だ。芹沢けい介(1895--1984年)美術館は仙台の東北福祉大学の中にあったので、私にとっては比較的馴染みが深い染色家である。柳宗悦の民芸運動に加わって優れた作品を多く残している。静岡は生誕地である。また、静岡から少し関西寄りにある掛川には吉行淳之介文学館がある。吉行淳之介(1924--1994年)は、戦後後期から平成時代に活躍した小説家で、今でも雑誌などで特集が組まれる人気作家である。近くに、宮城まり子のねむの木こども美術館があるそうなので、そこも訪れたい。吉行淳之介と宮城マまり子は恋人同士だった。しかし、スケジュールからみて全部は無理だなあ。どれを選ぼうか。
2008/04/21
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才能を磨かず、才能を育てずして、注文のままに書き続けていると、けっして卵や雛以上には成長せず、時間の問題で朽ち果ててしまうのは自明の理である。よしんば感性の低い多くの読者に支えられて作家生命を少しばかり長らえさせることができたとしても、結局は初期の作品を超えられないばかりか、ただ単に職業としての寿命が延びただけの価値しか認めるものがない、とても残念な文筆生活に堕してしまう。羽ばたける成鳥になるまで才能を育て得るのは、編集者でもなければ、読者でもなく、ましてや評論家でもない。むしろ、かれらこそがその真っ当な道を妨げている張本人である場合が多いのだ。書き手自身が目覚め、没頭と継続というひたむきな歳月を本気で送ろうとしない限りは、まずもって不可能だろう、そうするには、おのれの実力を他人の評価によって判断するのではなく、あくまでえ当人の眼力によって正確に冷静に把握することが肝心。その上で、少し無理をすれば手が届きそうな高さに次の作品の目標を設定し、そこへ肉薄するためのより具体的な計画を立て、果敢に挑んでゆく習慣をしかりと身に付けなくてならない。そうした地道な努力の積み重ねの彼方に待っているのは、押しも押されもしない、真の実力に裏付けられた才能の開花である。もしくは、それよりもさらに高きを目指す、創作者として貫き通さなくてはならない姿勢の確立である。しかし、その道は険しく、行く手にはさまざまな誘惑と堕落が待ち構えている。まずは人気と人気に伴う高収入。次に名声や名誉。あるいは暴飲暴食のたぐいの不摂生。そして孤独に耐えきれない心の弱さ。、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、---------------------------------------今日の日本経済新聞文化欄に掲載されていた作家・丸山健二(1943年生まれ)の「尽きない文学の天空」の最初の書き出しである。この作家の作品は読んだことはないが、この文章には心を動かされた。40代後半に狙いをつけた長編小説。テーマも構想も充分だったが敢えて書かなかった小説が60代半ばでようやく完成したという。「あれくらいの長い年月を費やさなければ、これくらいの作品は書けないのだということが、また、この喜びを味わうための四十数年んお助走であったということが実感された」というその作品を早く読みたい。
2008/04/20
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毎年ある季節になると、親しい仲間と日帰りの旅をしている。正式な名前はないが、「秩父で富田勲先生を囲む絶品の蕎麦と大吟醸を愛でる会」とでも説明したらいいだろうか。富田先生とはシンセサイザーとして有名な音楽家で、「新日本紀行」などの素晴らしい音楽をつくった方だ。この先生は日本酒愛好家(愛酒家)としても知られており、ビジネスマン時代日本酒に関するプロジェクトでご一緒して以来、親しくお付き合いさせていただいている。例年冬の季節に、西武池袋線の終点の秩父にある「こいけ」という知る人ぞ知る蕎麦屋に十数人の仲間とでかけ、富田先生が自ら選んだ絶品の大吟醸と日本一の蕎麦を堪能する会である。今年でこの会も15周年となった。15回のうち10回以上は仙台から駆けつけたことになる。今年は17名の参加があった。今回は珍しく開催が4月にずれ込んだのだが、土筆や山葵などの山菜のおつまみも出たのは新鮮だった。毎年のことだが、小池さんのつくる蕎麦は実においしい。真摯で誠実な職人肌の人柄がそのまま出ているような素晴らしい蕎麦だ。今年のお酒は、金沢の菊姫大吟醸、栃木の四季桜「聖」、そして酒田の上喜元だった。いずれも名酒だが、私の中では常に第一位は「菊姫」である。一杯飲むと夢幻の境地に入っていく。富田先生の大吟醸のような人柄に接しながら、人事や関心事項、やっていることなど互いの近況を報告しあい、打ち手の小池さんの解説を聞きつつ、今年一番出来のいい酒と絶品の蕎麦を食べる時間は至福のひとときである。往復とも富田先生の隣に座って話しを聞いた。源氏物語絵巻、マイクロフォンの比較の話、NHKで放映された「ぶっぽうそう」の番組秘話などが話題になった。この会は毎年冬の季節に開催してきたが、それぞれの季節にそれぞれの魅力があるようで、もっとここには通いたいと思う。
2008/04/19
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この2週間で新しい職場での最初のサイクルが回った。入学式、大学院オリエンテーション、大学院講義、学部教授会、研究科委員会、講義、ホームゼミ、リレー講座、そして今日の戦略会議と主要な行事と教育のプログラムに接したので、大学の様子がおぼろげながらわかった感じがある。同僚の先生たちの顔も見えたし、学生の顔も見えたし、自分の役割もだんだん見えてきた気もする。多摩、品川(大学院)、そして仙台(宮城大学)と、行動と移動の範囲とリズムも体が覚えた。昨年度から継続している出版のプロジェクトは、一つがゲラの段階、一つは内容が固まった段階、一つは目次まで決まったので書き始める段階、、そして新しい二つの企画が姿を現した段階と、新天地でも始動してきた。昨年度から決まっている講演も、今までは秘書経由だったが、直接依頼者といくつか事務的なやりとりが始まってきた。隔週で受け持つことになった仙台の宮城大での講義も第一回目の講義を終えて、新しい立場(非常勤)での様子も体験した。大学の研究室は、荷物は運び込んだが、ボックスが積みあがっている状態なので、こちらは連休中に何とかする予定。多摩川沿いに借りた家の方も何とか住めるようになってきたが、快適さを求めて一層の工夫が必要という段階だ。知研の仲間との接触、来週に予定されている宮城大の東京での顧客満足ゼミ同窓会、古い友人たちからの接触も始まっており、職場以外の関係の糸もしだいにつながり始めた。変化を「進化と深化」に変えていきたい。
2008/04/18
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寺島実郎監修リレー講座「「現代世界解析講座」-いま、世界潮流と日本のあり方を考える」が、いよいよ始まった。「いま、我々が生きている時代を認識することは、自らの生き方を構想するために不可欠である。しかし、自分が生きている時代を的確に認識することは容易ではない。そのための基本的作業のために企画したのがこのリレー講座である。この人の話を聞くべきであるという人物を厳選し、その人物の専門性に裏づけられた時代認識に耳を傾けることで時代への眼を開いてもらいたい」(寺島)第一回は、「21世紀に入って7年間の世界潮流の変化について--世界経済、政治の基本構造の変化を知る」という寺島実郎さんの講座である。多摩大学の700人入る会場は、ほぼ満杯となった。今年の経営情報学部新入学生400名、一般社会人280名がこの講座の受講生だ。壇上に近い前方は社会人、後ろの方は学生という配置をとっている。この会場が満杯になるのは入学式と卒業式だけだろうから、この盛況は一つの事件であるともいえる。私も入っているが、酒井啓子(イラク)、沈才彬(中国)、金美徳(朝鮮)、明石康(アジア)、江川詔(メディア)、浅野史郎(地方)、中谷巌(日本文明)、堀田力(小子化)、というラインアップによるリレー講座は、多摩大学20周年記念企画として、書籍にすることにもなっており、講義の始まる前には寺島さんを含む関係者と出版社との会議も行われて、私も出席した。講義が始まってまず、寺島さんはこの講座の狙いを述べた。一つは新入学生にそれぞれの分野の一流中の一流の講師によってわれわれの生きている時代のダイナミズムを伝えること、もう一つは多摩大学20周年にあたり東京西地区へ向けての社会貢献を果たすことと整理した。物事の本質を考え抜く力を「脳力」(ノウリキ)を養うために、現場感覚からくる印象と統計からみえる数字を結びつけて考えるという方法論を提示し、このやり方で1時間半の講座を通した。以下、キーワードだけをざっと拾ってみた。大中華権圏(中国・香港・台湾・シンガポール)を中心としたアジアとの日本の貿易構造の一大変化、下部構造(体)はアジアで上部構造(頭)はアメリカであることの混乱、世界港湾ランキングの変化による物流の変化、固定観念と視野狭窄症に陥った日本、太平洋側が表日本で日本海側が裏日本というのが戦後日本人の固定観念だが21世紀はオモテとウラの反転も、若い人はユーラシア大陸が舞台に、出入国統計にみる人流の変化、人流はアメリカからアジアへ、内陸のアメリカ(健全なアメリカ)を知らない日本、21世紀初頭の7年間でアジア各国通貨に対しての大幅な円安によってアジアからみて日本は物価の安い国になりアジア人がショッピングに来る時代、エネルギーをてこに蘇るロシアは大ロシア主義に回帰、小泉改革(20年遅れのサッチャー革命)の先行モデルとしてのイギリスの25年後の現実、産業のウインブルドン現象、外資による成長力の達成と技術を基盤とした産業力の疲弊、1989年のベルリンの壁崩壊による冷戦後20年の時期に日本の立ち位置を見直す時期、次回(5月29日)はIT革命が日本にもたらしたインパクトを語る予定、、、、。会場は講義が始まると水を打ったように静かになり、緊張した空気が1時間半続いた。前方の社会人の席に近いところにいたのだが、真剣にうなづきながら聴くひとが多かった。終了後、舞台裏の控え室で講師を囲み関係者でお茶を飲みながら歓談。来週の次回の講師は私で、「現代世界のつかまえ方---図解思考のすすめ」という大きなタイトルで話をすることになっている。このリレー講座における私の役目は、各講師の発する膨大で良質な情報をいかに受け止めるかということを指南するということである。「「現代世界」を把握しようとするとき、私たちは個別・具体的な事実や数字を組み合わせ、自問自答しながら一貫した物語をつくる必要に迫られる。そのためには、体系化、構造化、相対化、全体像、位置づけ、遠近法など、「関係」を表現する技術が求められる。図は全体の構造と部分同士の関係を表わせるため、「わかった!」という腑に落ちる感覚を味わうことができる。本シリーズを血肉化するための「図解思考」の考え方と技術を学ぶ。」今回の毎週の講座は春学期のラインアップだが、秋学期も山内昌之、カンサンジュン、などの論客が顔をそろえる予定。会場に来ていたNPO法人知的生産の技術研究会(知研)の仲間と合流。八木さん、近藤さん、秋田さん、小林さん、私と妻とで聖蹟桜ヶ丘のビルに入っているレストランで食事をしながら、いろいろと話が弾んだ。
2008/04/17
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「マネジメントデザイン1」の初回の講義が一限の9時からあるのでその準備のため、8時過ぎに大学に到着。資料を少し刷ってパソコンを準備する。この講義は2年生向けでマネジメントデザイン学科は必修、経営情報学科は選択になっている。120人ほどの男女学生が受講。新任教員なので興味があるのか、私語もなく熱心に聴いていた。11時から1時間半は事務局の黒瀬さんとホームページに関する打ち合わせ。大学の持つ経営資源の確認、大学の全体像、社会との関係などを資料をもとに図解も用いて分析する。この人は多摩大学の卒業生だが、今まで会った事務局メンバーにもOBがかなりいて、みんな愛校心が強い。13時半からはD出版社の編集者が見えてとりかかっている企画の相談をする。「大学へ来る途中の雰囲気は宮城大に似ていますね」というのが彼の第一印象だ。この企画もメドがたったのだが、次の企画の仕込みも浮上。14時半からは、D’出版社の二人の編集者がみえる。編集部長のTさんとは古い知り合いだ。現在42歳ということだが、付き合っていたのは彼が27歳の時だそうだ。当時二冊ほどの本をつくってもらったが、確実な仕事ぶりが印象に残っている。同行の若い女性編集者から新企画を提案いただいたが、相談しているうちに方向が変わってきた。また知研としての出版の可能性も出てきた。16時20分からは、「ホームゼミ」の初回。4人の男子の2年生が教室で待っていた。自宅から通っている学生が3人で、沖縄から来ている学生が一人。昨年行われたゼミ説明会に出席できず顔見せができなかったので少ないメンバーでの出発となったが、ゼミの初代メンバーなのでしっかり育てていきたい。ホームページのトップページに新しい試みで「多摩大へのアクセス」という欄を設けている。グーグルマップに3つのキャンパスを表示して、「大きな地図で見る」をクリックするとキャンパスを上空から見た写真が現れる。「ルート検索」で「ここへ到着」や「ここから出発」などの検索機能があり、来訪者には便利だと思う。http://www.hisatune.net
2008/04/16
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仙台への往復の間に「文芸春秋」と「中央公論」という二つの雑誌の近いテーマの特集を読み比べた。双方とも「革命」という言葉がついている。文芸春秋5月号は「総力特集 脳力革命--脳を鍛えれば世界が変わる」で、4人の発言がインタビュー形式で載っている。茂木健一郎「ひらめきの回路を強化しよう」川島隆太「「前頭前野」が思考力向上の鍵」神山潤「国民よ、脳のためにもっと眠れ」藤原正彦「天才を作る六つの条件とは」茂木健一郎は読者にあわせて、「中高年の知識や経験こそ創造性の源だ」とのサブタイトルで、生まれつきの得て不得手はなく、経験が創造性を生む条件だと述べている。川島隆太は「毎日の読み・書き・計算でボケも改善」とのサブタイトルで、読み(音読)、会話(コミュニケーション)、目的を持って指を使うことをの3つを推奨している。「脳トレ」ゲームの本当の狙いはコミュニケーションであり、「早寝・早起き・朝ごはん」には実験で根拠があることが確かめられたそうだ。神山潤は、「ひらめきも学力も生産性も睡眠で決まる」というサブタイトルで、眠りが「ひらめき」を促すからよく寝ること、そして「禁酒・禁煙・禁宵っ張り」を提案し、筋肉運動と朝食を食べることが必要だと述べている。藤原正彦は、「野心、知識、執着心、楽観、論理的思考、そして、、」というサブタイトルで、「そして、、」の部分は「美的感受性」でそれが一番大事だと述べている。「中央公論」5月号は「特集 知的整理法革命」で、6人の発言を紹介している。野口悠紀雄「日本で知の産業革命は起こらない」梅田望夫「グーグルに淘汰されない知的生産術」外山滋比古「何歳になっても思考力は鍛えられる」佐藤優「獄中で会得した読書ノート作成の極意」勝間和代「あなたのパソコンを「補助脳」化する方法」茂木健一郎「すべてを脳に任せよう」野口悠紀雄は、グーグルの「Gmail」が革命をもたらしつつあると述べ、組織はこれを活用できないから、個人の時代が来ると期待を持っている、梅田望夫は、情報を要約した情報の「肝」にあたる部分を非公開設定のグループウェア上のブログに蓄積している。今後は組織に属していることは重要ではなく、学習の高速道路が敷かれた今となっては知的生産に費やす時間の多さの勝負になる(唯時間論)から、個人や在野の時代になると主張している。情報を選択・抽出するためのミクロな技術と自分がなすべきことかどうかを判断する俯瞰的なマクロな技術というグーグルが担わない技術の確立が大事で、そういう人がグーグルを使いこなせるという。外山滋比古は、知ること(知識)と考えること(思考)の違いを強調した上で、思考力を磨くには外国語の読解と本をあまり読まないことをすすめている。知識が増えるのはよくないことであり、人間としての勉強をすべきだと語っている。佐藤優は、毎日読書とノート作成時間を6時間とっているそうえで、読書のとき重要な部分を2Bのシャープペンで囲み付箋紙をつけておく、跡で役に立ちそうな部分をノートに書き出しておく。基礎知識のメンテナンスが大切で、歴史を重要視している。「岩波講座 世界歴史」(第一期・全31冊)を繰り返し読むことが大切だという。勝間和代は、IT機器の第一世代と自らを位置づけた上で、中高年とはネットの使い方が違うという。グーグル、特にGmailは情報の貯金箱であり、iGoogleも使い勝手がいい。パソコンは一種の「補助脳」と考えよ。良書にあたるために一月50-100冊を買って読んでいる。そして2004年春から始めたというブログを書くという武者修行を勧めている。両方の特集に出てくる茂木健一郎は、グーグルの時代になった今、個人の整理法などは草野球に過ぎず大リーガーとは勝負できないと言う。現代ではアクセスできる情報の量と質が段違いに違ってくるため「英語」が重要になると述べる。朝から晩まで余計なことをしている暇はなく、「学べ、学べ、なお学べ」(ウラジーミル・レーニン)の言葉を最後に贈っている。どちらの特集も面白かったが、文春が「脳力」というやや抽象的な概念に着目したのに対して、中公は「整理法」を特集したため、より具体的で実践的な内容となっている。この勝負は中央公論の判定勝ちとしておこう。
2008/04/15
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宮城大学で非常勤講師として初の授業。自宅からタクシーで出勤したが、知り合いの運転手さんで四方山話をしながら大学に到着。自分が先日までいた大学だが、違う立場で入るととまどうこともある。8時前と時間が早かったので一階の売店でインスタント食品を食べて、並べてある教科書を確認する。8時半過ぎに事業構想学部のある4階に出向くと、講師室が開いており事務局の女性の説明を受けた。出勤簿のつけかた、パソコン関係、部屋の使い方、、、、。それからすぐに教務班の旧知の職員と新任の職員二人が来て、辞令をもらったり、スケジュールを確認したり、授業での配布資料の受け渡しなどを行う。9時からは私のホームページを受け持ってくれている株式会社デュナミスの塩田君(宮城大学OB)がきて、1時間半ほど打ち合わせをする。今後のHPの企画、載せるべき資料の確認、細かな意思決定などを済ませながら、パソコン画面で細かな説明を受ける。懸案事項が次第に整理されて統一感のあるHPへと一歩一歩進化していく道筋が見える。10時半にはパソコンのネットワーク関係でアドバイスをもらっている平山君(宮城大学OB)がきて、ネットワークHDの件や、ノートパソコンのセッティングなどの相談をする。少し時間があったので英語の日野先生の研究室を訪問。私の研究室の向い側にあり仲良くしていた先生だが、互いの近況報告をしあう。12時50分からは「ビジネス情報論」という講義。2年生向けで100人ほどの学生が集まった。1年生のときに私の講義を聴いた学生がほとんどだが、4年生もちらほら受講している。終了時に全員にアンケートを書いてもらったので、読むとよく理解しているし、意欲が強い。次回からは実習を交えて鍛えていきたい。14時半からは、4年生の「卒業研究」の指導。私のゼミで3年生から飛び級で大学院に入った社会人もきて、いろいろと話をしたり聞いたりする。終了後、講師室で他の先生にご挨拶。「国際取引」という科目を教える先生で、平たく言うと貿易実務を講義している方だった。豊田通商出身で、昨年度に採用の書類で知っている。「学生はどうですか?」と聞くと、「最初の30分は英語で京都議定書などの話を「したが、後で質問するとよく理解しているので驚いた」とのことだった。18時26分の新幹線を予約していたが。一つ前の便で帰ることができた。宮城大では隔週で講義をして、7月末に二日間の集中講義というスケジュールになっている。この前後に旧友たちとも交流をはかることにしたい。
2008/04/14
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14日(月)の宮城大学での講義のため、朝9時半くらいの東北新幹線で仙台へ。まず、駅前のさくらの百貨店の紳士服コーナーに向かう。11年前にふと立ち寄った店でセンスのいい見立てで一気に買う洋服が決まって感激して以来、毎年春と秋にはスーツなどをこの店でずっと買ってきた。この人は山浦さんといって絵を描く趣味人であり、紳士服売り場の一角に小規模な展覧コーナーがある。東京転出の挨拶をしていかなかったので、事情を説明しながらスーツを選んでもらい、すぐに2セットを買った。風景画と人物画の展覧を観たが、自宅に飾りたくなるような絵もいくつかあった。山浦さんには仙台の私の自宅を描いてもらいいただいて、飾っている。今までどおり洋服は仙台で山浦さんに見立ててもらうことにしたい。さくらの百貨店でやっていた倉田日出克さんの「美濃陶芸・黄瀬戸百景」を観る。桃山時代に美濃で生まれた黄瀬戸に魅せられて以来40数年かかって到達した独自の黄瀬戸を鑑賞。16時からは、私の研究室にいた岩澤君と打ち合わせ。彼女は6月に挙式をするということで、その話を聞きたり、独立した後の仕事ぶりについての様子を聞く。その後、二つのプロジェクトを吟味して2時間ほど過ごす。その後、時間が少しあったのでヨドバシでノートパソコンを見たり、書店で何冊か本を買う。19時からはホテルJALシティで読売新聞の記者と食事。この人は私のJAL時代にアルバイトできていた学生で、大学卒業後新聞記者になり、この4月から東北総局勤務になった。15年以上ぶりに会ったがすぐにわかった。いろいろな話題が出て実に楽しい時間だった。東北でもこれを機会に何かが始まりそうだ。
2008/04/13
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10時40分から、今年度最初の教授会があった。冒頭には野田学長代行からの強烈なメッセージが30分ほどあり、この大学の過去と現在に思いが及ぶ。その後は、委員会人事、20年度活動計画、中期活動方針、委員会報告などの議題が淡々と進んでゆく。12時に終わったから実質の時間は1時間に満たない。3月下旬に行われた熱海の合宿にも参加しているから、ほとんどはすでに顔見知りである。12時10分からは大学院教授会にあたる研究科委員会が同じ場所で行われた。学部兼務のメンバーと大学院専任のメンバーとはほぼ半々くらいだろうか。昼食の弁当を食べたあと、承認事項、報告事項、今後のスケジュールと続く。こちらも1時間弱で終了する。13時過ぎからは、学部長による新任専任教員オリエンテーションを受ける。三井物産戦戦略研究所からきた沈才彬先生、小論文の神様として受験生に広く知られている樋口裕一先生、会計と財務を担当する金子邦博先生、室蘭工大・高知大を経て着任した菅野光公先生と私の4人が対象。勤務、教務、研究費などの説明を受けた後、疑問に思っていることなどを質問してていねいに答えてもらう。終了後、樋口先生と私の研究室でいろいろと情報交換をする。この大学では教授会は土曜日となっている。学生の教育を最優先すると平日に会議で講義ができない日や時間があるのはまずいということになるから、当然のように土曜日になる。宮城大では水曜日が会議の日だったから、実質4日でカリキュラムをこなしていたからきゅうくつだった。ここでは土曜日も教職関係の講義があり、この日も新入生の授業も行われていて、事務局も開いている。建学時の学生満足を中心に組み立てられた仕組みが生きていると感じた。来週からいよいよ講義が始まる。
2008/04/12
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大学は今週は新入生オリエンテーションで、健康診断や入門講座である「多摩大道入門」などが行われており、新任教員には出番はない。トップからホームページについての特命があったので、担当の若い事務局職員と相談を始める。内部の求心力と外部へ向けての広報力が課題だと思うので、私にできる貢献を果たしていきたい。仙台時代からの続いている仕事に関する外部からの接触が始まってきた。今日は書籍の発刊関係で編集者たちが訪ねてみえた。この大学はしっかりした秘書室があるので、外部の人に来てもらうには不都合はない。応接室で2時間ほど企画を練る。来週からはこのスタイルで仕事をこなしていくことにしたい。「ナンバー」というスポーツグラフィック雑誌の4月10日号が、「永久保存版 ナンバーに刻まれた700の名言 1980-2008」という特集を組んでいる。ゴルフ、プロ野球、自転車、サッカー、バレーボール、柔道、相撲、フィギュアスケート、体操、F1、テニス、スピードスケート、ボクシング、空手、レスリング、水泳、冒険、格闘技、ゴルフ、、。極限状況で戦い続ける中ででてきたトップアスリートたちの言葉は実に興味深い。ピッチャーは一球で地獄を見る。バッターは一振りで天国へ上がれる。しかもピッチャーは一球では天国へ上がれない。(江夏豊)頂上であって、同時に崖っぷちなんだよ。(千代の富士)一番よりも「唯一」という言葉のほうが僕の人生では大切な位置を占めてきた(ノーラン・ライアン)希望はあるが、不安はない。(野茂英雄)もう「ベテラン」じゃない。「プラチナ」にしよう。(三浦知良)器用な人はもう一工夫、もう少しの地道な努力が足りないことが多いので、長期戦になれば最後は必ず不器用が勝つんです、(野村克也)偶然を必然に近づけるのは、そこに顔を出す回数ですよ。(中山雅史)もっと先にはもっと違う自分が現れるんじゃないかという期待が常にあります。(イチロー)共感を持つ言葉には自分が表われる。
2008/04/11
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竹橋の東京国立近代美術館で行われている「東山魁夷展-詩と遍歴の山河」を観る。1908年生まれの東山の生誕100年を記念する展覧会だ。代表的な本制作101点、スケッチ・習作53点で、過去最大の回顧展である。昨年の夏に長野市の長野県信濃美術館で東山の風景画を見て感動したのだが、今回は二十数点の代表作について、本人の解説を耳から聞くことができるのが良かった。制作の意図、そのときの心境、構図の説明、などが淡々と語られる。特に印象に残った作品。「道」。1950年。八戸の種差海岸。「雪降る」。1961年。ブナの森。やわらかさを少し角ばって表現。「映象」。真中に線が水平線、上下対象。常識を破る意図。「冬華」。「緑響く」。年の初めに今年描く題材を考えていた時に、モーツルトのピアノ協奏曲第二楽章を聴いていたときに白い馬が現れた。「花明り」。「桂林」などの墨絵「白い朝」。雪景色の中の鳥。どこへどういう旅をしようかと思案している。「夕星」。1999年の絶筆。すでに旅がかなわぬようになった。タテとヨコの線を用いた単純な構図が多い。こういう単純な構図を使うには相当の力量が要求されると感じた。圧巻は、唐招堤寺御影堂の障壁画だ。現実にふすまに描かれた姿の全体を観ることができた。「濤声」「揚州薫風」など。一つの作品は12枚の大小のふすまが合わさってできているという壮大な画である。左右6枚づつで、ふすまは中央によるほど大きい。こういう障壁画は、全体の構想がきちんとあって初めて一枚一枚の風景の断片が描ける。鑑真和上の生まれた中国、そして日本の風景を織り込んだ大きな仕事である。「無常と流転。流転とは生きているということ」。耳から流れてくる言葉からもこの絵描きの豊富な教養を知ることができる。平生からの信条は「生かされている」であり、この風景画家は天の声に従って日本の風景を生涯にわたって描き続けた。東山魁夷展を観たその足で夕刻の雨の中を歩いて大手町の三井物産ビルに向かう。三井物産戦略研究所に寺島実郎さんを訪問。近況報告といくつかの案件を30分くらいで済ます。1980年に寺島さんが中央公論に書いた「われら戦後世代の坂の上の雲」を読んで衝撃を受けたのがこの人を知る最初機会で、それからまもなく本人と遭遇したことなどを思い出した。寺島さんの柄の大きな超人的な活動を図にしようと試みているが、政界・官界・財界・学界・言論界という現代の5つの権力にそれぞれ確固たる基盤を築き、まっとうな議論を展開する全体知をまとった姿が浮かび上がってくる。10年近く前に図を描いたことがあるが、大きな進化を遂げていることがわかる。今回は、そういうことも含めていくつかの案件に意見を求められた。その後、神田小川町にある酒店・神田和泉屋さんを久しぶりに訪問する。15年前に日本航空が日本酒の精華である大吟醸をファーストクラスに搭載するプロジェクトがあり、そのときシンセサイザーの富田勲先生と一緒に走り回ったときから、この神田和泉屋さんとの付き合いが始まった。日本酒の学校をやっていてすでに卒業生は2000人を超えたとのことだ。一期が10数人で、もう20年近く続いている。私もアル中学(アルコール中学)、アル高校、アル大学と進み、学歴だけは大学卒という肩書きを持っている。横田校長とおかみさんに東京への転居のご挨拶。この日は、アル中の今年最初の講義日である、またおかみさんの料理教室の最初の日といういい日だった。このため、アル高校同期の加藤さんと会うことができた。アル高校同期生との同期会を開いてくれることになった。この神田和泉屋の二階は「くら」という店になっていて、日本最高の酒と素晴らしい料理が楽しめる。同行の妻と日本酒と料理を堪能する。運勢によると、今年は「再会」の年だった。さまざまな形で友人たちと再会ができるようになるのは楽しみだ。
2008/04/10
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私の話をがまん強く聞いてください私を信じて。私はいつでもあなたの味方です。私とたくさん遊んで私にも心がることをわすrないでケンカはやめようね言うことを聞かないときは理由がありますあなたは学校もあるし友達もいるよね でも私にはあなたしかいません私が年をとっても仲良くしてください私は十年くらいしか生きられません だから一緒にいる時間を大切にしようねあなたとすごした時間を忘れません 私が死ぬときねがいしますそばにいて。インターネット上でブームになってる作者不明の短編詩「犬の10戒」が日本映画となった。愛犬との10年間を描いた物語だが、この8年間犬を飼っている私の心にも深く響いた映画だった。山と海と坂道で彩られて品があり美しい函館の町の四季の風景は、昨年訪れたことがあり楽しめた。成人したあかり役の田中麗奈、少女役の福田麻由子はそれぞれ美しい演技だった。母親役の高島礼子、父親役の豊川悦司もよかったが、特に豊川悦司の演技は素晴らしかった。音楽は韓国の円延世大学哲学科教授でもあり、韓国で最も活躍している音楽家のチョ・ソンウ。監督は「釣りバカ日誌」「ゲゲゲの鬼太郎」の本木克英で、心温まるいい映画をつくった。俳優などのキャスティングは犬好きであることが条件だったというから、ロケ中はハプニングと笑いの連続だったという。動物にあまい愛情を感じなかった私だが、犬との生活が長くなってよくわかるシーンが多く、たくさんの涙を流した。大学病院の医師で将来を嘱望されている父、突然の病気で早世する母、14歳から24歳までの10年間を演じる今は獣医として旭川動物園に勤める娘、その幼馴染で恋人になるギター奏者、愛犬との生活、、、、。母の病気以外は、役どころが私の家とそっくりなので身につまされながら鑑賞した。今後はもっと映画を観るなど人間的な生活をしたいと思った。帰りに整骨院に寄って身体をほぐしてもらう。そして初めての美容院にで髪を整えてもらう。最後は、書店で本と雑誌を数冊買い込んで自宅に戻る。今日はスケジュールが空いていたので、映画ではココロを癒し、整骨院でカラダをほぐし、美容院で髪を整え、書店でアタマを活性化させるというコースとなった。何か総合的な日だったなあ。
2008/04/09
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大学院経営情報学研究科での「実践知識経営」の初講義。品川駅に隣接したインターシティA棟にある多摩大学ルネッサンスセンターでは、平日の夜に大学院の講義が行われている。社会人経験3年が入学の条件であるので、現役で仕事をする30代から40代前半が院生の中心である社会人大学院。18時半から20時まで、20時10分から21時40分までという2時限連続講義を隔週で受け持つ。どのくらい集まるのかと思っていたが、今期春入学生と昨年秋入学生を中心に17名の受講生が受けた。博士課程の在籍者もいる。仕事を終えて夕刻6時半に駆けつけてくるということなのでこの年齢の人達の大変さは容易に想像がつく。受講生と名刺交換を行ってどういう人物が来ているのかを講義の始まる前に確認してみた。大手電機メーカー社員、コンサルティング会社代表、病院の事務長、メーカーの営業課長、大学病院の看護師、デザイナー、大手旅行会社に勤める女性大学教員、システム開発担当者、大手運送会社係長、短大准教授、シンクタンカー、医療関係企業営業部長、薬局チェーン執行役員、韓国企業の韓国人取締役、医科大学勤務の医師。このうち5名が女性。メールで初回欠席の連絡をもらった人もいるからもう少し増えるかも知れない。多彩な受講生で熱心に聴き入ってくれたので、私自身も随分と熱が入った講義となった。終了時に今日の講義の印象や感想と一緒に今後取り組みたいテーマをアンケートで聞いてみた。部下とのコミュニケーションのとり方、イノベーション、自分の仕事に関係したテーマ、顧客向けマニュアルの作成、日本の食の安全問題、eビジネス、ウェブ技術等による知識管理、システム開発、日本の産業連関、ウェブ時代、修士論文の骨格、観光戦略による地域財政の立て直し、日本の医療システムや高齢化社会における医療と介護、ウェブ進化論、組織の上下関係を円滑に行う方法、コミュニケーション能力の向上、、、、、。社会の第一線で働きながら勉強しキャリアを磨こうという志を持った人たちと接触するのは気持ちがいい。どのような展開になるか、私自身も楽しみだ。
2008/04/08
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東京での宮城大学顧客満足ゼミの同窓会の日程が固まってきた。4月24日に新宿で行われる。幹事は人材関係の仕事をしている三期生の太田君。仙台を離れるときに結成された地元でのゼミ同窓会に刺激されて、始まった動きである。名古屋からも駆けつけるOBもいるらしい。宮城大学事業構想学部の卒業生は6割以上が首都圏での就職を果たすので、対象者は多い。彼らに会うのは非常に楽しみだ。第一期生がようやく30歳に到達しつつある頃だから、そろそろ本格的に仕事に精を出し始める時期だろうか。最初の職場でずっと頑張っている者、すでに転職して新しい職場で活動している者などのうわさは風の便りで聞いているが、どのようなキャリアになっているのか、聞いて励ますことにしたい。最近、出版社からの執筆依頼が多くなってきたのは20代から30代のビジネスマンに向けての仕事の進め方や心構えなどに関する書籍だ。ちなみに今年一月以降に出した本を挙げてみる。 「勉強はやめて、けもの道を走ろう!」(ビジネス社) 「通勤時間「超」活用術」(三笠書房・知的生き方文庫) 「仕事は頭でするな、身体でせよ!」(大和書房)若いビジネスマン向けの本だが、考えてみれば私の教え子たちがこういう本を読む世代になってきたということになる。こいう系統の本は今年も引き続き刊行予定もいくつかあるが、今後は教え子たちに向けてのメッセージのつもりで書いていこうと思う。多摩大学経営情報学部教授としての肩書きで初めて書いた「仕事は頭でするな、身体でせよ!」(3月刊行)の前書きを拾ってみる。 ------- 本書は、私が現場のたたき上げとして身につけた、いわば「凡才のための成功法則」である。 誤解を恐れずに言えば、「バカ」とは若さの特権である。 育ち上がって固まってしまったバカはどうしようもないが、若いうちのバカは人にもチャンスの神様にも好かれやすい。 逆に言うと、若いうちから優秀な人は、頭だけですべてわかってしまうので、かなり損をする。 何もやらないうちから「そんなこと知っている」と思ってしまうたえ、冒険せず、失敗せず、ソツなく仕事をこなして、こじんまりとまとまってしまうのだ。 その点、凡才は頭が良くないぶん、身体を使って仕事をするしかないんで、様々なメリットがある。大きな巻き返しだって図れる。 だったら大いにバカになり、大いに失敗するべきなのだ。 頭ではなく、がむしゃらに身体を使って仕事をするべきだ。 成功というものは、日々、現場からしか生まれない。 本書で紹介するルールは、すべて実践的なものばかりである。 机上の空論は、誰にでもできるものを厳選して書いていくつもりだ。 いまひとつ伸び悩んでいる人。 まわりが優秀に思えて仕方ない人。 今までの仕事のやり方に行き詰っている人。 この本が、かつての私のような「凡才」のあなたのブレイク・ポイントになれば、著者としてこれほど嬉しいことはない。-----------若いビジネスマンへの応援歌という私の最近の出版のジャンルは、教え子たちがその対象であるというステージに入ってきた。同窓会ではこの本をプレゼントすることにしようか。仕事は頭でするな、身体でせよ!作者: 久恒啓一 出版社/メーカー: 大和書房 発売日: 2008/03/19 メディア: 単行本(ソフトカバー)
2008/04/07
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私のウェブ時代を生き抜くためのインフラは、ホームページとブログとメルマガの三本柱で成り立っている。4月からの新生活にあわせてそれぞれ刷新を図ることにした。ホームページは多摩大バージョンに「変更し、ブログはメインを「はてな」に変更したので、7日に出すメルマガのタイトル変更でこのプログラムも完成する。メルマガはいつのまにか7日に出す次号で588号となり、配信数は8000となった。この間、主として「ビジネスマン教授日記」というタイトルで日々の動きを報告してきたが、ビジネスマンから大学教員に転身したという意味合いを強く出して、このタイトルを使ってきた。ここしばらく588号に及ぶ配信でいったい何を語ってきたのだろうか、「日記」の中身は何だったのだろうか、と自問してきた。私自身が日々さまざまな人々と会い、プロジェクトを行い、旅に赴く、それを記してきた。それは毎日の「学び」の記録ではなかったか、それが本質だったのではないか、と最近思い当たった。それなら、「学びの軌跡」というタイトルがふさわしいし、内容も焦点を絞っていける。これからの10年は、新天地での学びの記録を発信していこう。こういう考えから「久恒啓一の「学びの軌跡」」というタイトルで新たな出発をすることにした。タイトルや名前は重要である。子供の名前はその子の将来に深い影響を与えるし、組織の名称も仕事の出来栄えに大きく影響を与える。ホームページ、ブログ、メルマガといったIT時代の武器は、それぞれ始めると毎日進化していく。最初の構想、ネーミングに沿って着実に深まっていく。だからあだやおろそかにタイトルをつけてはいけない。成果がまるで違ったものになるのだ。「図解ウェブ」(HP)、「今日も生涯の一日なり」(ブログ)、「学びの軌跡」(メルマガ)とそろうと、統一感が出てきた感じがする。書斎の窓から撮った多摩川の写真。
2008/04/06
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新しい職場である多摩大学での最初の公式行事である入学のつどいがあった。今年は歩留まり率が高く経営情報学部では天津の大学からの留学生を含め405名が入学した。野田一夫学長代行(1989年ー1995年初代学長)は意気軒昂で、次期学長予定者である寺島実郎さんの代行としてつとめると挨拶した。原稿なしの挨拶で、80歳とは思えぬ精悍な表情で場を支配した。声にはりがあり、内容も心をうつ。野田先生は優れた教師であることを改めて実感した。洞爺湖サミット会場の北海道のホテルでの準備会合出席のため出席できなかった寺島実郎(副学長)はビデオによるメッセージで登場。多摩大学将来構想委員会座長として活動するなど多摩大との縁が深まっている。20歳にならんとする入学生だが、1989年から1990年生まれが多いと思うが、1989年はベルリンの壁の崩壊、91年はソ連崩壊という時代だった。グローバル化とIT革命の掛け算の20年だった。人は環境の子である。人生で何をやるか?大学時代は人生の基盤づくり。リレー講座では6回講義をする予定で、一流の発信者の主張を聞いて欲しい。ものごとを深く考える力を身につけた社会人となって時代と正面からぶつかって欲しい。新入生代表の挨拶もよかった。経営情報学部の代表は不登校をテーマに入学した女性で、メモをみながら笑みを浮かべて挨拶。人生の充実、仲間づくり、社会に向けての朝鮮を宣言。グローバルスタディズース学部代表は、ペルーから来日した学生で英語のスピーチコンテストなどで優秀な成績をあげ、将来は国連やNGOなどで子供の教育に関わる仕事をする夢を持っている。在校生はサークル連合本部長をつとめる3年生でゆったりした口調で、大学には挑戦する歌いや環境がそろっていると話す。グローバルスタディーズ2年生の一期生は、英語でのスピーチだった。スポーツジャーナリストとして世界を舞台に活躍することを考えている学生だった。設立母体である田村学園の田村邦彦理事長は、日本は場当たり的な対応に追われているとして「荘子」にあるわだちの中の鮒の逸話をあげて、差し迫った問題に対処すると同時に根本的、構造的な問題解決にあたれと、問題解決能力の養成を訴えた。表彰式では大学の名誉を高めた集団や個人の表彰。そして全教員の紹介が壇上で行われた。その後、学園歌斉唱。学園歌「この輝ける日々よ」は、阿久悠作詞、三木たかし作曲である。これも初代学長の野田先生の人脈のなせる業だ。ちなみに宮城大は、野田先生の友人の小椋桂による作詞・作曲だった。壇上に新入生代表などの学生が最初から座っている点など自由な雰囲気が満ちているとの印象を持った。その後、引き続き大学院の入学式に出席。博士課程2名、修士課程32名。野田代行からは、この大学院は専門職大学院のさきがけという位置づけであること、対象はビジネスでそれぞれの専門家が役に立つことを教えるのがこの大学院の考え方であること、入るより出ることに価値があることなどが語られた。田村学園の田村嘉浩常務からも励ましの挨拶。研究科長は総合する力を強調、同窓会副会長からは説得力のある励ましがあり年間240万円の奨学金の説明もあり、院生会代表からは成長するチャンスを得たこととモチベーションの維持についてのアドバイスがあった。多摩大学大学院は700名の卒業生のネットワークがあり、同窓会が活発に活動している。。実務経験3年以上が入学の条件になっているため、会場にいる大学院生は全員が30代から40代初めの社会人である。壇上から眺めていると目が違う。意欲にあふれている表情をしていてすがすがしい。春と秋に入学できて一学年60名定員。ラウンジで野田先生を囲んで大学院の先生たちと昼食の弁当を食べながら懇談。午後は大学院生に対するガイダンスに出席。各先生たちが自分の講義の内容を説明するという時間である。各先生の説明を聴いているとかなり高度な内容であると感じた。サントリー、日本郵船、電通などの実務経験豊富な専門家が多く、実に興味深い。わたしはナレッジマネジメント・情報デザイン分野に属すことになっており、「実践知識経営」という講義を通年で持つことになっている。図解コミュニケーションは知識経営にあたっての有力な武器であるということでこの講義名になった。企業経営、コミュニケーション、考える社員、全体と部分、構造と関係、問題解決などをキーワードに説明をした。朝9時から夕方までびっしりと続くプログラムだった。いよいよ新しいステージが始まる。
2008/04/05
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4月に入って昨年度に発生した仕事(講演や執筆)の連絡が入り始めた。人事異動で担当者が変わりその挨拶も兼ねた確認、日程の調整、執筆スケジュールの再調整、などで、メールアドレスの関係や連絡方法の確認なども多い。以前のメールアドレス(秘書のへのメールも含む)、新しい大学のアドレスも一緒にGmailで受け取れるように設定してあるので、連絡漏れはないはずだ。新年度に発生した新しい仕事もあるが、これによって懐かしい編集者との再会を果たせることになるなど、楽しみもある。そういえば今年の運勢は「再会」だった。まだ仕事をする態勢にはなくその整備の途上だが、本日は来客が多かった。自宅のネットワーク環境の一段の整備のためのサポーター(仙台から)、税理士事務所の担当者(仙台から)、書斎の家具の組み立て人などが同じ時間帯にかち合って賑やかだった。互いに若干のかかわりがあるから便利だ。自宅内の無線LAN、そしてネットワークハードディスクを用いて外出先のノートパソコンから自宅のパソコン内の書類を呼び出し扱えるシステムの設定などがテーマで、うまくいけばネットワーク環境も一段のレベル向上になるはずだ。こちらで買った机と椅子、そして書類整理の棚が書斎にそろい、ようやく戦闘態勢になりつつある、というところか。夜には東京で大学病院に看護師として勤務し始めた娘が戻ってきて、妻と3人でレストランで食事。この一週間のできごとをなどを詳しく聞く。こちらの気のせいだろうが、社会人らしい顔になってきたような気もする、、、。新しい生活が順調にスタートしたようで、一安心。写真は大学の研究室の窓から撮った風景。見晴らしがいい。
2008/04/04
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陽気に誘われて、多摩丘陵にある百草園と高幡不動を訪ねた。百草園(もぐさえん)薄紫のミツバツツジの色の美しさにおもわず声をあげた。写真はミツバツツジ。ウメはバラ科サクラ属だったのは意外だった。この百草園では早稲田在学中の若山牧水が恋人の園田小枝子と訪れて歌を詠んでいる。 小鳥よりさらに身かろくうつくしくかなしく春の木の間ゆく君まるで情景が目に浮かぶようなほほえましい歌である。歌碑に刻んでいる歌。 積みてはすて摘みてはすてし野のはなの我等があとにとほく続きぬ 拾ひたるうす赤き梅の実に木の間ゆきつつ歯をあてにけり芭蕉の句碑もある。 春もやや希し紀調ふ月と梅 (けしきととのふ) 志ばらくは花の上なる月夜かな くたびれて宿かる頃や藤の花----------------------------------高幡不動(たかはたふどう) この町には新撰組の土方歳三の影が多い。この高幡不動尊金剛寺は土方家の菩提寺であり、壇頭格の旧家だった。 殉節両雄之碑(近藤勇・土方歳三顕彰碑) 上選者 大槻磐渓(仙台藩の儒者) 筆者 松本良順(幕府の侍医) 篆額 松平容保(会津藩主) 真言宗智山派の別格本山高幡山明王院金剛寺。関東三不動のひとつ。 真言宗だから宗祖は弘法大師。 この身 このままの ほとけ道 同行二人の 遍路道
2008/04/03
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このところ仙台から東京への生活の切り替えをを順次行っている。今日は、研究室への荷物の搬入の日だった。仙台で私が不在だったが、31日に秘書たちが40-50箱のボックスを引越し業者に渡してくれて、2日の午後に東京の新しい勤務先である大学に到着した。比較的大きなスペースの研究室だったので、なんとか荷物が入ったが、小さめの研究室だったらはみ出ていただろうと冷や汗をかく。入り口に近い棚は宮城大学関係の書類や私自身の著書を並べておく「これまで」のコーナー、机の脇にある奥の棚は多摩大学での「これから」のコーナーと設計する。当面必要なボックスを開けて取り出したが、本類は積み上げておくだけということになるだろうか。南側か西側かまだわからないが、この研究室には窓が大きく一面にとってあり景色がいい。また奥にあるので秘書室への行き来の途中に同僚の先生たちと交流ができるのもいいと思う。この大学には秘書室があり5人ほどの女性たちが働いており、教員の世話をするというシステムを採用している。大学にかかった電話は教員が外にいてもすぐに連絡をくれるので、外からのアクセスは非常にいいらしい。また秘書室と研究室の間は、ラウンジとなっており、学生たちとの対話もできるし、接客のスペースも兼ねている。来客があればここで話ができるし、部屋やミーティングルームも用意されている。大学教員にはなかなか連絡がつきにくいといわれているが、この仕組みは互いに便利だ。社会に出る教員が多いということを考えたシステムになっている。春休みなので研究室にいる先生は少ない。今度一緒に新任となる先生の部屋はもうきれいに片付いている。ちょうど部屋にいらっしゃったので、ご挨拶。この先生は、自宅は遠いので学生との接触に便利なように大学からほど近いところにマンションを買ったとおっしゃっていた。時間を気にせず交流ができるからとのことで、その心がけはすばらしいと感心する。聖蹟桜ヶ丘駅から都立桜ヶ丘公園の見事な桜景色を見ながら車を走らせると、10分弱で尾根の頂点に沿って建物がある大学に着く。この大学の周りには3つのゴルフ場がある。桜ヶ丘カントリークラブ、米軍多摩Gタマヒルズカントリークラブ、多摩カントリークラブと接しているから環境はいい。昨日からリニュアルしたホームページの右側にグーグルマップで表示しているから、大学の周りの環境がよくわかる。訪ねていただく方には便利なはずだ。
2008/04/02
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東京での新しい生活にあわせてホームページの大幅なデザイン更新を行った。http://www.hisatune.net/教育者、研究者、社会貢献の三本柱は変わらないが、教育と研究が土台になって「大学教授としての社会貢献」を支えるという構成にした。中央の「久恒サロン」は、メルマガとブログとサロンの三本柱にして情報発信とコミュニケーションをテーマとする。右側は、従来は宮城大学近辺のイラスト地図を用いていたが、グーグルマップで多摩大学をセットしてみたので、周辺情報がわかるようになった。「今日の格言」は、自動的に私が感銘を受けた言葉が自動的に表示される仕組みにしたので、私自身もそうだが訪問者にも見て欲しいコーナーだ。上部は、「最新刊」は3つほど並べてみた。「最新情報」はこのホームページの更新情報とブログの更新情報が表示されるので動きが多くなる。また「RSS」機能をつけたからこれを登録してもらえば、登録者はこのサイトの最新情報を自動的に入手できる。グーグルで私の名前をいつでも検索できるようにしているが、これはインターネットの世界での存在感(時価総額)の変化を追うためである。フレッシュアイでは、インタネット世界での最新のうわさを見ることができるので併用している。igoogleという便利な機能を用いてニュースやRSSで取得したブログ、yutube、乗り換え検索などを配置して使う。「学生と共に成長する教育者」では、「多摩大学」での学部と大学院での講義やゼミを重ねている。まだ始まっていないが、講義の名称やシラバスも掲示してある。「宮城大学」をクリックするとすべてのデータをみることができる。「さよなら講義」では、11年間の宮城大学の総決算を参照できる。「中国・吉林大学」は、客員教授をつとめる様子がみえる。今回の異動を機会に誕生したゼミ同窓会は仙台と東京で開催することになったが、ウェブ上で常時卒業生とのコミュニケーションがとれる仕組みを考慮中だ。「社会と共に歩む研究者」では、二つのライフワークである「図解コミュニケーション」と「人物記念館の旅」の二眼レフ構造にした。大学の講義では、「図解コミュニケーション」系は、マネジメントデザイン1(ビジネス情報デザイン論)、ビジネス情報デザインスタディに生かし、「人物記念館の旅」系は、マネジメントデザイン2(ライフマネジメント論)に生かす。大学院では、ナレッジマネジメント分野の科目である「実践知識経営1・2」で、二つの流れを統合していくというプランである。ここ数年没頭している「人物記念館の旅」が講義の中にビルトインされたので、現場を歩くことを継続して新しい情報に触れる必要がある。「大学教授としての社会貢献」は、従来は「県立大学教授としての地域貢献」というコーナーだったが、視界を広くとったネーミングに変更した。「メディア」、「講演」、「著作」という3つの武器で社会に向かって発言していく意向をあらわしている。中央ピンクの「久恒サロン」では、ブログは従来は楽天ブログをメインにしていたが、将来性や今後の発展を考えて「はてなブログ」を表示することにして新しい読者も獲得することにしたい。メルマガは「ビジネスマン教授日記」というタイトルで8000の配信を週2回行ってきたが、ビジネスマン教授を卒業して、大学を移る機会に新たなタイトルで再出発することにしたい。このところずっと考えていたが、いいタイトルが浮かんだので4月7日発行のメルマガから新タイトルで発行する。「掲示板久恒サロン」は、ヨーロッパの宮廷で流行したサロンをイメージしている。このサイトのオーナーでサロンの主宰者である私と訪問者の交流を目指し、気楽に書き込んでもらえるような工夫をもっと考えていきたい。大まかに説明すると以上だが、新しい考え方に細部がまだ追いついていないので、こまめに改善を図っていくことにしたい
2008/04/01
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