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茨城県水戸市に降り立つのは初めてだ。常磐線は上野と仙台を結んでいるが、この間を4時間かけて走る。今回は前日に東京に泊まって上野からスーパーひたちで一時間19分で着いた。新幹線のありがたみを感じる。水戸市は人口は25万程度の県庁所在地だ。ずいぶんとモダンな高層の県庁ビルの近くに、会場となっているきれいな市町村会館があった。過去の経験では市町村会館といえば古い建物が多いのだが、この会館はかなり金がかかっている。今日は茨城県市町村保健師協議会主催の専門研究会の講師として招かれた。出席者のリストをもらう。水戸市、城里町、大洗町、小美玉市、笠間市、鉾田市、行方市、鹿嶋市、神栖市、ひたちなか市、高萩市、常陸太田市、龍ヶ崎市、守谷市、土浦市、石岡市、つくば市、桜川市、下妻市、常総市、古河市の保健師が受講者。茨城県は広く、県庁所在地の水戸市まで2時間以上かかる町も多いという。講演のテーマは「図解思考と市町村保健活動」で、丸2時間たっぷりと講義。リラックスして話したこともあり、笑いの多い講演となった。帰りに、2代目水戸藩主・徳川光圀(義公)と9代目藩主・斉昭(烈公)を祭った常総神社の義烈館を訪問するが、あいにく閉館だった。この義烈館は三大名園として有名な偕楽園に隣接していた。また、斉昭の造った有名な藩校・弘道館も訪ねた。夕刻は東京で出版社の編集者と打ち合わせ。
2008/01/31
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あらゆる分野のランキングをしている「ランキング」というサイトがある。2008年2月1日下現在で、ランキング総数は3720である。このサイトで「話の種に一度は行ってみたい、近年の人物の記念館ランキング」を昨年の7月に行っている。有効回答数1084名。男性48.25%、女性51.75%。年代は、19歳以下8.49%、20歳代16.88%、30歳代31.46%、40歳代25.37%、50歳代10.89%、60歳代6.29%。居住地は、北海道4.06%、東北4.61%、関東(東京以外)27.77%、東京17.07%、北陸・甲信越4.06%、東海11.81%、近畿18.63%、中国4.98%、四国2.12%、九州・沖縄4.89%。調査方法は、非公開型インターネットアンケート。調査対象は、「gooリサーチ」登録モニター。以下、1位から30位。かなり訪問したつもりだが、まだ未踏破の記念館が半数以上ある。--------------------手塚治虫記念館 ジョン・レノン・ミュージアム 相田みつを美術館 水木しげる記念館 長谷川町子美術館 松下幸之助記念館 イチロー記念館(THE ICHIRO EXHIBITIONROOM)岡本太郎記念館 石ノ森章太郎ふるさと記念館 棟方志功記念館 ーーーーーー司馬遼太郎記念館 石原裕次郎記念館 黒澤明記念館 やなせたかし記念館松井秀喜野球の館 ドリカム記念館 昭和天皇記念館 美空ひばり館 いがらしゆみこ美術館 植村直己記念館「氷雪の家」 ーーーーーーーーーー伊丹十三記念館 坂本九思い出記念館 田中角栄記念館 千代の富士記念館 寺山修司記念館 土門拳記念館 落合博満野球記念館 吉川栄治記念館 北島三郎記念館古賀政男音楽博物館 ーーーーーーーーーーーーーーーーあの作品をナマで! エンタメ分野で活躍した人物の記念館が大人気重厚な博物館や美術館もいいけれど、さまざまな分野で多大な功績を残した人にまつわる品物や記録を集めた 人物記念館やタレントショップのような気軽さで訪問できる ミニ記念館も数多く開設されており、観光スポットとして地域全体でPRを行っています。「話の種に一度は行ってみたい、近年の人物の記念館ランキング」の第1位は、兵庫県宝塚市が自治体として設立した《手塚治虫記念館》でした。宝塚市は、鉄腕アトムや火の鳥、ブラックジャックなど数々の名作を生んだ日本の漫画の父・ 手塚治虫が、24歳までの多感な青春時代を過ごした場所。仕事部屋を再現したコーナーや、彼の作品に登場したキャラクターの手形・足型を並べたコーナーなど見どころも多く、ファンならずとも一度は訪れてみたい記念館ですね。このほかにも4位の《水木しげる記念館》や5位の《長谷川町子美術館》、9位《石ノ森章太郎ふるさと記念館》など、漫画家の記念館が多数ランクインしています。第2位は、 さいたまスーパーアリーナ内にある《ジョン・レノン・ミュージアム》。全世界を熱狂させた歴史的なロックバンド “ビートルズ”のメンバーであり、「ラブ・アンド・ピース」を合言葉に世界平和を訴えた ジョン・レノンの足跡を、大型写真パネルやゆかりの品の展示を見ながらたどることができます。国内のアーティストとしては、 DREAMS COME TRUEの《DCTgarden ikeda(ドリカム記念館)》の16位が最高でした。スポーツの分野では、 イチローの《THE ICHIRO EXHIBITION ROOM「I fain」(イチロー記念館)》が7位に入りました。最近ではスポーツ紙のみならず、一般紙でも話題に上らない日がない和製メジャーリーガー。15位にも《松井秀喜野球の館》がランク・インしています。現在最も注目を集めている和製メジャーリーガーと言えば 松坂大輔投手ですが、彼の記念館が設立されたら、イチローや松井秀喜を上回る人気を集めるかもしれませんね。(ランキングサイト自身によるコメント)ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
2008/01/30
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社団法人宮城県経営者協会登米支部ならびに登米市産業振興会主催の新年会員懇談会から招きがあって、講演を行った。宮城県北部にあるこの市の中心である佐沼にいくには仙台から新幹線に乗って20分強の栗原高原駅で降りて、車で25分ほど走る必要がある。佐沼高校出身の学生の活躍の話や石ノ森章太郎ふるさと記念館の話題を冒頭にしながら講演に入っていった。出席者は60名ほど。終了後。同じ会場のホテルサンシャイン佐沼で行われた懇談会にも出ていろいろな人と懇談した。あさの、ウジイスーパー、大田組、川内印刷、共同印刷、県北自動車整備工業、五島電機、佐沼印刷センター、佐沼葬儀社、七十七銀行登米支店、ジョイショッピングプラザ、JEEコーメック、建、仙台銀行佐沼支店、仙北信用組合佐沼支店、高田商店、タカハシ住建、只野組、只野製作所、大伸建設、東京発条、東和砕石、東北電力栗原登米営業所、登米精巧、迫生コン、藤崎佐沼店、松島銑鋼、マルニ食品、ミナト精工、宮石運輸、宮城石灰工業、宮城広域介護サービス、ミヤギ電機、ヤマカノ醸造、山田運送、ヤマモト木材、ユアテック佐沼営業所、若鮨、渡光工務店、渡辺土建、渡辺電子。銀行や大きな企業は支店長、その他の企業はほとんどが社長である。来賓として招かれていたのは、宮城県議会議員の袋さん、登米市議会副議長の及川さん、連合宮城仙北地域協議会事務局長の渡辺さん、宮城県登米地方振興事務所長の佐々木さん、登米市産業経済部長の小竹さん、宮城県経営者協会事務局長の安保さん。これらの方とは懇談会で同じテーブルだったので名刺交換をしながら、親しく懇談した。名刺交換した方々。宮城石灰工業の佐藤幸一社長、渡辺電子の渡辺一枝社長、宮城県議会の袋正県議(大学の同僚の日野教授の同級生)、登米市産業振興会の渡辺芳夫会長、宮城県登米地方振興事務所の佐々木孝行所長(泉パークタウンの寺岡に住んでいる)、丸大商店の伊藤則男社長、登米市産業経済部の小竹秀悦部長、登米地方振興事務所の佐藤照明企画員、登米市議会の及川清孝副議長、マルニ食品の二階堂学社長、仙北信用組合の佐々木支店長、、、。写真は講演をしながら聞いている方々を撮影したもの。壇上から撮るのが一番いい。皆さんも笑っている。産業、交通、政治、中心市街地などのキーワードが頭をかすめながら、皆さんの話を聞いた。地方の悩みは深い。
2008/01/29
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大崎市行政改革推進委員会の第5回目の会合が行われた。旧古川市と6町が合併してできた大崎市も、もうすぐ丸2年経つ。マネジメントの本質はコミュニケーション活動にあるが、合併自治体には特にこの点がポイントになる。市の行政機構という器はできたが、異なる方法論や人脈を引きずった、るつぼ型の組織を動かすコミュニケーションのインフラは整備途上である。その中で、待った無しの行財政改革を遂行するのは伊藤市長にとっても並大抵な仕事ではない。市長と二人の副市長の三役が今日も出席し議論を聞いていたが、振り返ってみると伊藤市長は行革委員会にはほぼ皆勤であるから、本気で取り組もうとしていると感じる。この行革委では私は会長を仰せつかっているが、委員には論客が多く毎回熱い議論が行われる。今日も2時間たっぷりと議論をして充実した会合となった。以下、本日のテーマ。報告事項・事業評価プライオリティ評価について・平成20年度当初予算に係る行革の成果について・集中改革プランの推進について・課内会議の開催状況について協議事項・公の施設のあり方の検討方針・総合計画実現に向けてのマネジメント体系について・行政評価の骨子について・使用料・手数料の見直しについて「行政改革は仕事のやり方の変革である」という考え方で、説得型行政から「納得型行政」への転換を図る。そして「市民ニーズ」を把握し、事務事業に「プライオリティ」をつけて、組織内外の「コミュニケーション」を良くする、この一連の流れの中で「市民満足度の向上」を目指す。これが大崎市の行政改革推進体系である。仕組みの構築や数字で成果も出てきつつあることが本日確認できた。終了後、委員と、市側は市の三役、担当部局の部課長らと新年の懇親会が催された。写真こちら側は市長・副市長の市三役その他は、委員たち。
2008/01/28
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日本には200万の会社がある。この中から自分にもっともあった一社を選ぶことはできるのだろうか?3割以上の新入社員が3年以内で辞めてしまうのは、企業も学生も失敗したということだ。辞めたいと迷っている者もいるから、新卒者の過半は就職活動に失敗したことになる。著者は、それは市場の失敗と断定する。1千億円以上のコストをかけた企業側と、3年生の後半からという大事な時期を就活に費やす学生と、そして就職関連企業と、三者の失敗である。正しい情報の提供がなく、相互の信頼関係もなく、フェアな仲介機能も存在しないのが、現在の就職活動市場である。経営コンサルタントの著者は、問題点も解決提案も歯切れよく箇条書きと数字で明示するのが特徴である。適職選びの条件1.自分がやりたいこと2.自分ができること3.社会で求められていることこの3つが重なった仕事(会社)が適職である。どのような会社でも優秀な社員は、能力と処遇がどんどん向上していく好循環になっているから、3割の相対エリートのポジションを狙え。起業の将来性を見る3つの観点1.インテリジェンス:テクノロジーやノウハウで秀でた強さを有しているか2.規制:現在、規制の恩恵を受けている分野や企業は外せ3.グローバル:小子化時代は世界市場で勝ち抜くしか道はないワーキングスタイルで選べ・人気ランキングより業種と業界で選べ面接官は3つの話題でウンザリしている。・アルバイト・クラブ活動、ボランティア合格者像1.明るく、謙虚で、落ち着いている2.野心があり、負けず嫌いなこと3.賢い上に、努力家であることそして、入社してからの心構えにも言及する。・社内で一目かれる存在になるために、一切文句を言わず、全力を挙げて、仕事をこなせ・「努力する能力」が貴重・5年間は転職しな決意で働け就職活動は、真面目に、そして賢くやれ。就活の法則10ヶ条。1.「タテ軸指向」からの脱却すること2.「相対エリート」のポジションを狙う3.現在の人気ランキングは逆に読む4.「ランキングよりも業種」「業種よりも職種」で選ぶ5.HPもOBも本当のことは語らない6.受けるのは5社で十分7.「当たり前のこと」は言わない8.人の評価は、10人中8人は同じである9.「入社後の就活」はハードワーキングである10.入社後5年間は転職しない著者の主張には同感と共感する点が多く、学生の必読書とであると推薦したいが、いくつか異論もある。就職活動はあらゆる業界の実態を知る願ってもない機会であるから、できるだけ受けてみることを私は勧めている。また面接も練習が必要であり、いくつもりがなくても実地の面接ほど教訓やヒントが得られる場はない。だから、どんどん落ちよ。たくさんの経験をすると自然に」受かるようになる。これが私の指導法だ。また、論理的にもっともあった企業に入社する方法などは本当はないのではないか。ある程度の考え方と方法を身につけたら、後は「運と縁」に身を任せることも必要だ。著者の主張で特に共感するのは、入社後の2回目の配属を希望に沿うようにするための秘訣はハードワークであること、そして5年間は転職をすべきではない、というところだ。3年といいたいところだが、5年という方が心構えがしっかりできていい。仕事を甘くみてはいけない。
2008/01/27
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書家としての石川九楊(昭和20年生まれ)の名は知っている。独特の考え方をする異才である。佐賀で見た明治の元勲・副島種臣の抽象画のような書や、函館を訪ねたときの鴎亭という書家の記念室などで書を見て、「書」という分野に関心を持ったことがある。石川九楊は、インターネット時代の今日に、横書きが主流となりつつある潮流に敢然と立ち向かう議論を展開している。奔流となって席巻するIT時代への日本人、日本文明からの反論の書である。-----------------------------------------------古来、「天」から「地」へ向かう重力と格闘しつつ、縦に文字を書き、言葉を紡ぐことによって日本人の精神は醸成されてきた。日本語を横書きにすることは、英語を縦に綴るのと同じ「愚」である。だが、その愚行が世を席巻したいま、日本人の精神は荒み、崩れつつある。その最大の犠牲者は。言葉習得途上の子どもたちである。ネット社会に狙い撃ちにされる彼らは、日々見えない血を流している。文化的な意味では人間は言葉であるから、日本とは日本語を指す。この日本語が乱れているのが日本人が。特に子どもたちが崩れている真の原因である。縦書きでは紙に文字を書く場合、天から地に向けて書くから、全体の中の個を意識しながら書くから、常に適正な自己の位置を確認することができるようになる。「書く」と「打つ」では脳の使い方に大きな違いがある。「打つ」のは分裂的、否定的に働き、「書く」のは統合的、肯定的に作用する。「秋」と書く場合は春や紅葉を思い浮かべながら書くが、akiとローマ字入力すると分裂し、「空き」がでると否定的に働く。日本語は、漢字、片仮名、平仮名という三種類の文字を使い分けながら、外来語を取り入れてきた。日本語は書き言葉(文)を中心とする言語であり、アルファベットを使う言葉は、話し言葉(言)を中心とする言葉であり成り立ちが違う。日本語、特にひらがなは横に書くようにつくられてはいない。縦書きは、歴史や社会とともにある自分という形の文体が多く、横書きでは「私」を中心とした文体になる傾向がある。横書きは、です・ます調になる傾向があり、縦書きは、だった・と思う調の文体になる傾向がある。縦書きは理論的で、筋道立てて考えるようになり、横書きは経験的、具体的な題材が多く、身辺雑記的な文章になる。人間は手である。--------------------------------------石川九楊は、この本の中で「私自身は、インターネットはもちろんのこと、パソコンを手にしない」と述べているが、書という独自の視点からの主張にはうなづける点も多い。今後、「日本人とは何か」というテーマが強く意識される時代になっていくと思うが、「書」の観点からの石川九楊の発言も重みを持つようになるのではないか。
2008/01/26
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2002年12月5日初版の著書の6刷の見本が届いた。「図で考える人の 図解表現の技術---思考力と発想力を鍛える20講」(日本経済新聞社)である。丸5年たってもまだ少しづつじわじわと売れているらしい。「細く長く」という売れ方の本だ。最近の本では、「残業はするな、前業をせよ!」も、同じく6刷だが、こちらは1年ちょっとでそこまできた。比較すると「前業!」の売れ方は「太く短く」」といえるかもしれない。「図解表現の技術」は図解関係の本の中でも思い入れの強い本である。大学の教員になって初めて大学院の講義を持ったとき、名著を題材に図解という武器を使って独特の読み方を院生として、その本質に迫ろうと考えて毎週取り組むということをずっと続けてみた。この「図による輪読」(輪読図と呼んでいる)は大変にエキサイティングで、私たちは毎週夢中になって議論を重ねた。このやり方で最初の年(2001年度)にマネジメントの神様・ドラッカーに1年をかけて取り組んだのが、「図で読み解く!ドラッカー理論」(かんき出版)でこの本も版を随分と重ねている。2年目に取り上げたのがこの本に用いたリチャード・ワーマンの「情報選択の時代」である。当初の目論見では、ゼミ形式で学ぶ「実況!図解塾」というコンセプトで、図解が進化しつつ出来上がっていく過程を生々しく見せていこうという企画だった。内容はその線でできたのだが、タイトルは2002年5月に出版し話題になった「図で考える人は仕事ができる」(日経)の余韻が強かったこともあって、標記のタイトルになった。私としては、前著の実践版としての位置づけで、いい感じに仕上がったと気に入っている本である。以下、内容を少しあげる。---------------------人間とコンピュータの能力・IQテストと人間の能力・興味と学習の関係・効果的な説明の方法・組織内のコミュニケーション・ウェブデザインの要素・エンパワーメントの構造米国経済を問う・集団から個人へ・新聞の社説・社会の人材像・菊姫の吟醸酒づくり・経営学は面白い・あなたの仕事-----------------------------じっくりと時間をかけた本が、丸5年経ってもまだ読者が続いているのはありがたいことである。
2008/01/25
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このところ、学生とゼミOBからの相談ごとが多い。それぞれ進路に関することなのだが、各人それぞれに悩みは深い。料飲関係企業で数年間勤務したが、辞めて地元に戻るか迷って相談にきたOB女性。数年間必死で働いたので、今度は海外留学で学位をとる予定で推薦書の依頼にきた男性OB。他大学大学院進学者だが、方向転換で母国・中国での就職を考え紹介を依頼してきた女性OB。飛び級で大学院に進学希望で研究テーマの相談にきている社会人学生。大学院進学か、就職活動か、起業か、それとも、、、と迷いが深い女性留学生。大学院に進学するための相談にみえた中国人社会人。低気圧でもの凄い風が吹き、後に大雪が降ってきた日だったが、この中の一人と近くの仙台ロイヤルパークホテルで会い、相談に乗る。このホテルから庭を撮影した映像を学生から送ってもらった。
2008/01/24
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開学以来、苦楽をともにした同僚の生嶋教授の定年退官の最終講義が22日に行われた。学生に向けて講義したいということで、受け持ち科目の補講という形になった。参加者は学生と同僚教員。テーマは「sustainable経済社会の構想(産業イノベーション)---Working Poorのない社会へ」だった。考えてみれば、生嶋先生の話を真面目に聞くのは初めてだったことに気がついた。宇宙創成は、147億年前(ビッグバン)地球誕生は、47億年前命の誕生は、38億年前(DNAに命が乗った)人間の文明は、1万年前(単細胞から始まって人間は60兆の細胞に) 人間の誕生以来、二酸化炭素濃度は280ppmから増え続け、今では380ppmとなった。二酸化炭素は熱を逃がさない性質がある。最近温暖化の原因の90%は人為的なものだということがわかってきた。人口は、1900年は16億人、2000年に50億超、2008年65億人。間氷期は2万年間。文明の発生が1万年前で、農業の発生が5000年前。あと1万年は地球は温暖な期間だろう。 以上を前提に現代の世界と産業を論じた。 最後のメッセージは、以下。新しい産業と事業を構想せよ、その産業は命に関係した産業である。最後に詩吟を朗々と唸った。 男子 志を立てて 郷関を出ず もし 学ならずんば 死すとも帰らじ 人間 至るとこと 青山あり (この詩吟が一番良かったかも、、、)写真は、生嶋教授と奥様
2008/01/23
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夜は仙台のホテルモントレーで「昭和医会」という開業医の団体で講演をした。名前の由来は昭和生まれの若い医者の会ということで始まったのだが、今となれば大正生まれの医者はほとんどいなくなり、現役の医者はほぼ昭和生まれとなった。中心は40代から50代で医者としては比較的若手に属すそうだ。男女のお医者さんに熱心に聞いてもらって質問も多く、7時から8時半という予定だったのだが、結果的には9時まで話をすることになった。講演のタイトルは、「図解コミュニケーションのすすめ----病院医院経営と自身のライフデザインのために」だ。開業医は大病院等で診療に明け暮れていたが、開業後は個人事業主としてのスキルも十分に準備する間もなく、すぐに自院のかじとりを余儀なくされる。多くの開業医はとまどいながら毎日の診療と経営にあたっている。勤務医時代は自分自身の医者としてのスキルアップや学会発表等を通じての医学への貢献が第一の関心事であり、扱う疾患も専門的な病気が対象である。しかし開業後は患者との良好なコミュニケーションのとり方や地域医療に貢献するかなどに関心が移るため、大きなギアチェンジが要求される。とういことで、病院・診療所経営者としての心構えや、開業後のライフデザインについてをテーマに講演を頼まれたのだ。今までの私の講演の分野でも「医療」は一つのジャンルになっている。大分医師会、青森医師会、仙台歯科医師会、東北大学医学部第二外科同窓会「ひょんの木会」、また看護協会、全国保健師協会、そしてエーザイ、第一製薬、山之内製薬、ファイザー製薬といった製薬業界、さらに医薬品卸の業界団体など過去の講演先が思い浮かぶ。私のコミュニケーションに関する考え方、図解コミュニケーション、顧客視点などを中心に話をまとめてみた。終了後は懇親会にも出席。元気のいい女性の医者が中心になっているグループに入り、様々な意見交換をする機会があり、興味深かった。図解の応用範囲、年金問題、医師会の存在感や主張、、、、など。幹部の数人と名刺交換。土橋内科病院の小田倉院長、岡部クリニックの岡部院長、松永女性クリニックの松永院長。仙台医師会の松永理事からは、医師会会報の論説の記事の執筆を頼まれた。
2008/01/22
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午後の講義は「人的資源管理」の最終回。この講義は今年で2年目。対象は2年生以上。ドラッカー経営学の叡智と本質の説明、「使う力」「職人学」「キャリアデザイン入門」「プロフェッショナル原論」など最近の人的資源管理の理論書10冊のエキスの提示、日経文庫の定番の一つ「経営組織」の人的資源管理論の解説、社会人の「私の仕事図」に見る仕事の広さと奥行き、若者の仕事の悩みの現実と解決方法、女性の仕事と生活の苦悩と解決の道、、。こういった題材を多くの図を用いて解説し、その図を巡ってグループで毎回議論をして理解と問題意識を深めていくというやり方を今年はとってみた。配った図解は毎回20枚として200枚以上になる。教科書を使って順次解説していくという方法をとらずに、ほとんど全て自分が過去に取り組んだ仕事でできた資料を用いることにした。図解に取り組んで深く理解したドラッカー経営学の図、大学院の授業でこの2年間にわたって院生と一緒に挑戦した書物の図、1年間にわたって雑誌に連載した記事、過去に蒐集した数千枚の「私の仕事図」からの抜粋、出版した女性向けの本に用いた多くの図、、、。最終レポートは受講生それぞれの「人生鳥瞰図」を描いて提出することにした。これも100枚を越える枚数になるはずだ。
2008/01/21
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このところややペースが落ちているが、今年も人物記念館を巡りたい。東北の人物記念館はそれぞれの県の主だったところはまわったが、以下残っているものを挙げて、次の目標としたい。東北では、雪が深いところにある記念館は冬季には休業しているところも多いからよく調べていかないと無駄足を踏むことになるので気をつけたい。--------------------------------------------------------------宮城県 河合敏雄(中新田) 日本画家 菅野廉(大衡町) 洋画家 千葉亀雄(小牛田町) 評論家 三宅義信(村田町) 重量挙げ山形県 松尾芭蕉(山形市) 俳人 最上義光(山形市) 武将 安達峰一郎(山辺町) 国際司法裁判所裁判官福島県 菅野伝授(岩代町) 画家 中山義秀(西白河) 小説家岩手県 芦東山(大東町) 儒者 井上靖(北上) 小説家 山口青とん(北上) 俳人 野村胡堂(柴波町) 小説家新潟県 会津八一 良寛 田中角栄 前島密 諸橋徹二 西脇順三郎 坂口安吾 宮冬二
2008/01/20
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大学入試センター試験の初日。監督業務で、朝8時半から夕方の20時近くまでかかった。初日は、「公民」」「地理歴史」「国語」「外国語(筆記)」英語(リスニング)」。70人ほどの受験生に対し、監督側は計6人。全国一斉に行われる試験であるだけに、ミスがないように監督側も緊張感があふれている。英語のリスニングでは、ICプレイヤーの音をチェックする係りだったので、30分間ずっとイヤホンで問題を受験生と一緒に聞いた。英語の力がまだ自分にどのくらい残っているかを試しながら業務をこなしてみた。
2008/01/19
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中津の母から2冊の本が送られてきた。中津在住の二人の人の著書である。小冊子版の「対談 平成のカゲキさん」は、最近病気で教育長を退任した影木壮一郎さんの本である。大企業のサラリーマン、中小企業経営者、市の教育長という公務員と3つの仕事を体験した人だ。52歳で夫人の実家の家業を継ぐために住んだ中津での17年間の記録である。航空会社にいたこともあり、その時代の796回の飛行記録が前著「二幕と三幕の間」に記されていてその回数と記録魔ぶりに驚いたが、今回はそれが1089回に伸びていた。対談では面白い部分もあるのだが、義父の大家朝司という創業社長の語録(会議の席上でしゃべったのを記録)が興味深い。・世界に54億いる人間は皆「使命」を持って生まれてきているのだ。その使命を知らずに死んで行く人間が多い。与えられた使命を自分で探してみろ。・会社が黒字になるとバカ社長たちはまず車を外車にする、次は自宅の増改築だ、その後は女に走る。「一番大事なのは大工・左官だ。一人ひとりの大工・左官が喜んで飛んでくる会社になるべきだ」(この会社は建材会社)・うちの会社は「屋根」を捨てたら成り立たない。絶対に瓦から離れたらダメだ」・これでいいのか、という疑いをいつも持て。まずやってみるのだ。そして悪かったら後戻りするのだ」・駄馬には駄馬の生き方がある。集団になれば、サラブレドにも負けない。親しくしていた人の名前と当時の肩書きが全て記されているのは圧巻で、中小企業の経営者の交友関係の幅の広さがうかがえる。また会社の全社員の名前と肩書き、教育長時代の教育委員会、市役所、市議会、小中学校教諭などの名前も記されている。自費出版の小冊子の中に関係した多くの人の名前を記して感謝の意を表し、関係者に配るというやり方は素晴らしい。もう一冊は、松井義弘(昭和11年福岡県豊前市生まれ)さんの評伝「青春の丘を越えて 詩人・島田芳文とその時代」(石風社)である。福岡県に生まれた島田は、中津中学を経て早稲田大学に学ぶ。プロレタリア文学運動に身を投じ、民謡詩を経て古賀メロディー「丘を越えて」を初め、多くの大衆歌謡を手がけた。明治31年生まれの島田の評伝で、島田を通じて大正と言う時代を描こうとした書物である。故郷・中津の明治から大正時代の姿を知る機会にもなりそうなので読んでみたい。松井さんは、「黒い谷間の青春 山本詞の人間と文学」「仏教救世軍の旗 真田増丸の生涯」「小川独笑伝 豊前近代民衆史」などの評伝を過去にものしている。
2008/01/18
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今年の講演予定先との接触が始まっている。先週は三菱UFJリサーチ&コンサルティングの担当者と打ち合わせをした。大手都市銀行は中堅企業の二代目、三代目の経営者を対象とした会を持っているが、今回の講演依頼先もそういう会の研修会での出講依頼だった。東京、大阪、名古屋で3回行うことになっている。二人の担当者は三菱銀行出身の男性と三和銀行出身の女性だった。この研修会では、三大都市圏の元気のいい中堅企業の経営者と知り合うことができるようなので楽しみである。今週は総務省の行政評価担当の組織から講演の依頼があった。総務省からの依頼は初めてだったので、向こうの仕事の内容と依頼のバックグラウンドを興味深く聞いた。その上で講演の演題を決めた。社会保険庁のずさんな年金記録管理が大きな社会問題になっているが、この担当部局は話題の第三者機関の仕事も担当しており、現在時点では過半の人数や時間をこれに充てているとのことだった。私の考え方を組織に注入したいということなので、しっかりやりたい。今年すでに決まっているものをあげてみると、以下のとおり。・昭和医会(昭和生まれの医者の会)・最高裁判所・全国市町村職員中央研修所・宮城県経営者協会・茨城県市町村保健師協議会・総務省・静岡市女性会館・三菱UFJ(大阪)・三菱UFJ(東京)・三菱UFJ(名古屋)・全国カトリック校長会・碧南青年会議所・石川県看護協会企業や官庁、団体等からの依頼は、私にとってもさまざまな現場をみて、今起こっている問題を知るいい機会となっている。今年はどんな出会いがあるだろうか。
2008/01/17
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宮城大学一期生が社会に出たのは、21世紀のはじめの2001年だからもう7年前になる。OBの先頭世代は30歳を迎えつつある。最近ゼミの卒業生の研究室への訪問が多い。ある女性は数年間勤めた企業を退職して新しい分野にでようかと思案中だった。ある男性は勤務先を退職し外国の大学院で学び直すことを決心して具体的に動き始めた。相談や協力要請が研究室訪問の目的だが、それぞれ社会経験を積んできており、学生時代とは立ち居振る舞いが違う。現在の私の研究室にはゼミのOBが働いており、また仕事を一緒にしているOBもいる。私のゼミ(顧客満足ゼミ)はOB会をつくっていなかったから、全員の卒業後の様子は完全には把握できていない。情報交換が大事になってくるので、大学全体の同窓会ができたのを機会につくりたいと思う。ゼミのOBはまず宮城大学同窓会SNSに登録してもらいたい。
2008/01/16
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大学の同僚教授が日曜日に突然亡くなった。42歳という若い気鋭の学者だった。専門はウェブデザイン。先週は元気な姿を見ている人も多い。風邪がこじれて嘔吐を繰り返していていたが、その日の昼までテレビを見ていたが、午後2時には亡くなっていたという。虚血性心疾患。今日はお別れ会だった。故人はまだ独身で72歳のお母さんと二人暮らしだった。「本人もまだ亡くなったのが信じられないのではないだろうか」という人がいるほど、あっけない死である。やや太ってはいたが、いたって元気でいい仕事をしていたし、何より若いということが多くの人にショックを与えた。以前、互いに宿舎に住んでいたこともあり、お母さんとも顔見知りなので、妻と一緒にマンションの自宅でのお別れ会でおまいりをしてきた。ゼミ指導を受けていたゼミの学生たちの悲しみが深かった。42歳というと、「今から」という時期である。この年代は仕事も面白いし、誰もが無理をする時期でもあるが、気力と体力が充実しているから、鉄の体を持っていると信じ突き進んでいる状態だろう。これから多くの実りが予想される10年、20年が失われたのは、本人もそして組織としてもまことに残念で悲しいことだ。何があるかわからない。一日一日を大切に生きることしかない。今日は研究室は千客万来だった。卒業論文、修士論文、3年生のゼミというルーティンの教育、企画書の打ち合わせ、そしてゼミ卒業生の進路相談、20代後半の中国人の大学院進学相談などが続いた。みんなそれぞれに問題を持っているが、必死に生きようとしている。中国人の大学院進学希望者は新婚の奥さんの妊娠がわかったばかりだという。生命の誕生から生命の終焉までが今日一日の中にあった。
2008/01/15
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ある仕事で、自伝や評伝を調べている。自分が読んだもの、影響を受けたものを選んでいる。現時点で選んだものを並べてみると、次のようになった。正確には、評伝もあれば、自伝の部類に入るかと思うものも含まれているが、とりあえずあげてみた。本人が自分のことを語る自伝は興味が尽きない。-------------------福沢諭吉 「福翁自伝」--フランクリン自伝と並ぶ世界の自伝の傑作。軽妙な語り口フランクリン「フランクリン自伝」--今なお読み継がれる世界最高峰の自伝。勇気をもらう本多静六 「本多静六自伝 体験八十五年」---努力の素晴らしさ。励まされる梅棹忠夫 「裏返しの自伝」--いくつもの可能性で自己を豊かに語る名文の楽しみ横松宗 「大正から昭和へ」---戦前・戦中・戦後の時代の激動を生きる行動力と眼力鈴木健二 「30代に男がしておかなければならないこと」-名アナウンサーの生き方に学ぶ渡辺崋山 「渡辺崋山」(キーン著)--家老・蘭学者・絵描き。江戸のマルチ人間の人生渋沢栄一 「渋沢栄一自叙伝」(1938年)--日本資本主義の父の考え方・生き方ウェルチ 「ジャック・ウェルチ わが経営」-GEを率いた名経営者の波乱万丈の回顧録サッチャー 「サッチャー回顧録」 ---「幸運だったのではない。私はそれだけの努力をしてきた」-------------------この過程で梅棹忠夫先生の「裏返しの自伝」(講談社)を久しぶりに繰ってみた。この先生の本はどの本を読んでも目からうろこが落ちる感覚を味わうことができるが、この本も面白い。「人生には無数のわかれ道がある。」「こういうものになりたいとおもい、またその機会と可能性もじゅうぶんにあったのだが、けっきょくはそうはならなかった。あるいは、なれなかった人生の話なのである」実人生では、動物学、生物学を経て、民族学、文化人類学に目覚め、京都大学で社会人類学の教授となり、国立民族学博物館の初代館長となった。自伝を書いた時点では72歳。内容は6章に分かれているが、それぞれが実に面白い。「わたしは大工」「わたしは極地探検家」「わたしは芸術家」「わたしは映画製作者」「わたしはスポーツマン」「わたしはプレイボーイ」最後の「わたしはプレイボーイ」では、「そもそも人生に目的なんかあるものか、といのがわたしの実感であって、」「人生のそれぞれの時期に、これはおもしろそうだというものを発見するとそれに熱中した。つまり一所懸命にあそんだのである。」「ひとつのアドベンチャーがおわたtら、つぎのアドベンチャーの計画にとりかかる。それは連続してなにかある究極の目的につながるものである必要はまったくないのだ。そのときそのときに、全身全霊をあげてあそぶだけのことである」梅棹先生をある雑誌が取り上げて、「知のプレイボーイ」と評したことがある。それを先生は気にっていた。民博に訪ねたときこの雑誌が話題になって「よう見た」と筆者を褒めていたことを想い出す。「この道一筋というのは私は嫌いや、私は10本くらいの筋を追っている」と言われた。だから知のプレイボーイなのだろう。
2008/01/14
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蒼穹の昴(1)人気作家・浅田次郎の本は今まで読んだことがなかった。中国史関係の本にはずっと興味はあったのだが、正月の読み物として講談社文庫「蒼穹の昴」全4冊を本日読み終わった。1996年の作品を文庫化したものだ。清朝末期の中国を描いた壮大な作品で、時代は九代文宗帝の側室であった、傑物・西太后の絶頂期にあたる。李春雲。河北省静海県の貧農の子から宦官としての最高位にまで出世する。梁文秀。同じく静海県の地主の次男。遊び人だが科挙を受験し、挙人、進人と進み、状元という第一等の成績をおさめ文人官僚として活躍する。最後は志敗れて日本に亡命する。西太后。三代にわたり政(まつりごと)を行う晩清の女傑。この小説では国を閉ざすという宿命を背負った人物として描かれている。李こう章。科挙出身の優れた漢人将軍。日清戦争時の下関講和条約の立役者。李蓮英。高位の宦官。西太后の寵臣。白太太。タルタンの占星術師。李春雲と梁文秀の二人の数奇な運命を予言する。以上が主要な登場人物だが、六代高宗乾隆帝、十一代光諸帝、曹国藩、袁世凱、楊喜チェン、康有為、毛沢東などの中国史を飾る人物や、宣教師で絵師のカスチョリーネ(郎世寧)、そして伊藤博文、黒岩涙香、柴五郎、などの日本人も登場する。中国の歴史は複雑怪奇でなかなか頭に入らないが、浅田次郎が小説で描く中国史は抵抗感なく読めるのがいい。満州族の建てた清国の末期の様子が、庶民の暮らしから紫禁城での権力闘争までよく描かれている。「珍妃の井戸」「日輪の遺産」など一連の中国ものも引き続き読んでいきたい。
2008/01/13
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脳科学者・茂木健一郎の講演をFeBeというオーディオブックのインターネットサービスで入手して聴いてみた。FeBeはビジネス書や自己啓発本などの書籍、講演などを耳で楽しむオーディオブックのポータルサイトで、「ビジネス・教養」「実用・趣味」「文学」「講演会等」がメニューとして揃っている。寒かったが、2回の散歩で1万歩歩いてiPOd touchで1時15分程の講演を聴く。耳で聴きたいために歩くという感覚。-------------------------------脳研究でわかってきたこと。創造性とコミュニケーション力が人間らしさ創造性=体験X意欲欲望のエデュケーション感情の大切さ天才モーツアルトの音楽環境情操教育に力を本物に触れさせること同じパターンの棋譜は打たないという羽生と谷川の約束座談と講演の名手・小林秀雄本居宣長の古事記研究の偉業科学的(数量化できるものを対象)から非科学的な分野の解明へ脳内現象と説明できるものは存在するということクオリアがライフワーク。抜けるような空の青さ、草原の輝き、、が科学の対象。クオリア研究は100ノーベル(ノーベル賞を100回受賞するほどの業績)の難しさ質感。感覚------------------------------創造性とコミュニケーション力と茂木は並べて「と」」という言葉でつないでいるが、コミュニケーションとは、他人とのコミュニケーションと自分とのコミュニケーションがあり、この自分とのコミュニケーションが企画、創造という分野ではないか。だから大きくまとめると、人間らしさの本質はコミュニケーションにあり、そのもっとも重要な部分が創造力である、ということではないか。非科学的な分野の解明というが、科学自体が数値に置き換わるものしか対象としてこなかったのであり、科学の扱う分野が小さかったこということではないか。非科学的というより、茂木の言う科学的と非科学的を合わせて超科学的といった方が実態に合っているのではないか。小林秀雄の講演録CDを新潮社が出していたからそれを入手して聴こう。小林秀雄の本居宣長研究本も持ってはいるが読んではいないので改めて読みたい。というようなことを考えながら聴いた。歩きながら聴くのは、頭が活性化して集中して聴けるような気がする。
2008/01/12
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今年の初詣の御神籤(おみくじ)は「中吉」だった。中身をみるとあまりいいとは言えない。吉と中吉とはどちらがいいのだろうか?調べると、大吉、吉、中吉、末吉、小吉、凶と、運気がさがっていくらしい。御神籤、九星気学、六星占術で私の今年の運勢を占ってみたが、随分と違う。御神籤では、良くも悪くもない。九星気学では、「衰極の厄年」で最悪。しかし六星占術は「再会」という絶好の運気。みんな違う。今年は六星占術の「再会」を頼りにすることにしよう。------------------------------------------------御神籤・運勢 中吉・心を決めて いろいろとさわがず 迷わず 今までの事をつとめればよし 何事にも手を出してはいけません つねにひかえ目にして事をなさい・苔むせる 山の岩が根 千代へても 動かぬ ほどの 心ならまし九星気学(一白水星から九紫火星までの九つ)・衰極の厄年に当たり、万事に塞がって通じない完全運休の年回りとなります。経済的にも窮乏し、病難なども起こりやすく、近年の中でも最も警戒を要する年といえます。したがっていままでの平穏・順調が今後も継続するだろうなどと楽観視するのは何より禁物です。要するに天運味方しない低迷運の時であり、事業や商売上では行き詰まりや疑問も生じ、個人的にも厄介事や悩み事が多発する傾向となります。旧態堅持で万事に消極策に徹し、自己研鑽に励みながら好機到来を待つ、というのが唯一の対策でありましょう。建築一切、開店、開業などは見送って可。泌尿器系、循環器系、消化器系疾患に注意。発病は即治困難、慢性化の傾向がt口調。・理想を追いすぎると軌道を外し諸事渋滞を招く。思わぬ事態が生じても冷静な対応が大切。急速な建て直しを図ると裏目に出て効果なし。経済面は要注意で金銭の貸借、投機は慎重に。体調に要注意。六星占術(土星人、金星人、火星人、天王星人、木星人、水星人)・新しいスタートを切るには願ってもない「再会」という運気を迎えました。昨年は中殺界の乱気だったこともあり、精神的に滅入ったり、人間関係でのトラブルに悩まされた人も少なくないでしょう。しかし今年は気がかりだった問題にも解決の兆しが見えてくるので、心の中のモヤモヤも晴れてきて、本来のあなたらしさを取り戻すことができます。長所である人づき合いのよさが最大限に発揮され、あなたの周りには多くの人が集まってきます。そうした出会いの中から、ビジネスでも恋愛面でも新しい展開があるかもしれません。巻き返しをはかるには絶好のチャンスですから、どんなことにも勇気を持ってチャレンジしてみてください。
2008/01/11
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東京駅大丸で開催されている「近代日本画 美の系譜 横山大観から高山辰雄まで」という企画展を観る。水野美術館は信州飯田出身の菱田春草の作品蒐集に力を入れており32点と全国一のコレクション。長野県にある近代日本画をテーマとした水野美術館の所蔵画400点の中から60点を選んで展示する企画展である。水野正幸氏は、ホクト株式会社会長の実業家で、「日本画の醸し出す奥深い世界に魅かれ、仕事の合間にあちこちの美術館を巡り歩くうちに、この素晴らしさを多くの方々と共有できないものだろうかと考えるようになりました」と美術館創立の事情を語っている。----東京帝大で講義のため来日したアーネスト・フェノロサは、中国においては唐宋の時代が最も善美を極め、その流れを引く狩野派の系列を基軸に置くことを主張した。美術の本質は「妙想(アイデア)」であり、芸術一般の本質的属性である「「形状」と「旨趣」の上に、絵画には「湊合」と「華麗」という二つの属性がある。形状は絵画の場合、図線、濃淡、色彩の3つである。 1.図線の湊合 2.濃淡の湊合 3.色彩の湊合 4.図線の華麗 5.濃淡の華麗 6.色彩の華麗 7.旨趣の湊合 8.旨趣の華麗これに次の二つを加える。 9.意匠の力 10.技術の力以上の十格が絵画成立の基本的条件となり、これが絵画の鑑識と批評の基準となる。油絵は写生的だが、妙想(アイデア)がなく、文人画の妙想は文学の妙想だから評価できない、と当時もてはやされていた油絵と文人画を排斥した。狩野芳崖と橋本雅邦の二人がフェノロサに見出され、新時代に相応しい「日本画」創造に邁進することになった。これが近代絵画としての日本画誕生劇の開幕である。そして橋本雅邦、横山大観、菱田春草、下村観山、川合玉堂らによる日本美術院の活動につながっていく。-----------------以下、巡った作品。上村松園「かんざし」横山大観「不二霊峰」 「無我」(我の存在を否定すること。大観の出世作。無我を童子の姿で表現)橋本雅邦「寒山拾得」下村観山「春秋」(「線の観山」。天心の頭脳が観山の手を動かした) 「三猿」(「見ざる、言わざる、聞かざる」を目、口、耳が不自由な男として描く) 「獅子図屏風」西郷狐月池田蕉園と池田輝方の美人画菊池契月「歌舞図」川合玉堂「晩帰」「清流釣魚」(「水を描く時には自ら水となる)児玉希望「春月」奥田元宋「月明秋?」池上秀畝「歳寒三友」秋山寧「三夕」「晶」岩橋明治「実」「春座敷」奥田元宋「上高地」「月明秋耀」高山辰雄「牡丹」「里」「朝凪の浜」平山郁夫「静夜鹿苑寺金閣」大山忠作「遊鯉」加山又造「雲晴れる」「猫と牡丹」「千羽鶴」(「又造の猫」と言われた)横山操「赤富士」山本丘人「紅葉の季」堅山南風「朝の月」 「横山大観先生」山口蓬春「留園馬駘」「夏蔭」川合玉堂「帆影」「渓村春雨」「鵜飼」伊東深水「鏡獅子」「夜長」鏑木清方「大川の虹」「花吹雪・落葉の時雨」上村松園「汐汲み之図、、」夕べ」菱田春草「羅渓山」大観・春草の合作「旭日静波」-------------------------------全作品を通じて印象に残った作品は下記。・横山大観「無我」---1897年 ・下村観山「三猿」---1924年・児玉希望「春月」---1948年・奥田元宋「月明秋耀」---2000年 米寿記念・堅山南風「横山大観先生」---1957年・上村松園「夕べ」---1935年
2008/01/10
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広報室ミーティング、総合情報センター会議、臨時学科会、臨時教授会、臨時大学院教授会、学科会、そして夜の学科新年会に出た後に東京へ。ちょうど大学生の息子が東京で動いていて宿泊予定だったので、一緒に同じホテルに泊まる。1時間ほど二人でよもやま話をして零時過ぎに就寝。私は翌朝は8時から会議だったので、早く起きたが息子は眠っていたので、そのまま会計をしてホテルをでる。11時のチェックアウトまでには起きただろうか? やや不安、、、。
2008/01/09
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今年も人物記念館をせっせと巡る予定である。2月末には新潟を制覇することにしているが、1月はどうしようかと思案中だ。東京に出る機会に、いくつかまわってみたい。前もって候補を挙げておくとアンテナが立って実際にいけるケースが多くなるので、記しておきたい。それぞれ収穫がありそうで楽しみだ。-----------------------------------ちひろ美術館・東京 いわさきちひろ(1918-1974年)。児童画家、絵本作家。牧野記念公園 牧野富太郎(1862-1957年)。植物学者。三木安正記念館 三木安正(1911-1984年)。教育心理学者。 永瀬義郎資料室 永瀬義郎(1891-1978年)。版画家。植村冒険館 植村直己(1941-1984年)。登山家、冒険家。田河水泡・のらくろ館 田河水泡(1899-1989年)。漫画家。海音寺潮五郎記念館 海音寺潮五郎(1901-1977年)小説家。熊谷守一美術館 熊谷守一(1880-1977年)。洋画家。吉川英治記念館 吉川英治(1892-1962年)。小説家。
2008/01/08
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実質的な仕事始めの日。9時から研究室の秘書、アシスタントと、新年の挨拶の後、スケジュールの確認と調整。10時から、新年最初の学長補佐会議。学長、2人の副学長、3人の学長補佐(私を含む)、事務局長、2人の次長が正式の構成員で、総務・企画・教務などの各班長が陪席。この場で全学的な課題解決に向けて議論をし、方向付けを行った上で、全学の正式な意思決定機関にはかっていく。懸案事項が多いので、終わりはいつも13時近くになる。年賀状をチェック。一昨年からメール年賀状にしているのだが、葉書の年賀状も多い。e-mailのアドレスを書いてある人には、一括して事情説明と年賀の挨拶を出すことにして準備をする。それ以外の人にはどうするか、、、。明日、考えよう。今日は大学院の修士論文の最終提出日なので、要約について何度も添削を繰り返し、ようやく終了。15時からは、東京からM出版社の若い編集者が見えて、本の打ち合わせ。提案を受けた案とは完全に逆の方向の企画になった。結局、18時までかかった。夜は年賀状をもらった先輩たち数人にご機嫌伺いの電話で、近況を報告。
2008/01/07
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新年になってウオーキングの習慣が戻りつつある。正月恒例の箱根駅伝のドラマを見ていたら、体を動かしたくなって歩いたのがきっかけでまたスイッチが入ったようである。駅伝の上りで選手が途中棄権する姿が頭にあったので、近くの小山を上るコースに再び挑戦する。平地を歩く時とは筋肉の使い方がまるで違う。ややきつい勾配の上りに差し掛かるとずいぶんと息が切れる。両足のふくらはぎが緊張して軋んでくる。駅伝の選手の疲労が少しわかったような気がした。しかし数日同じコースをとっていると不思議なことに息の切れ方や筋肉の軋みが見る間に減ってくることを実感する。この感覚はスイミングに通うときの感覚と同じである。毎回少しづつ息があがらなくなってくる、あの感覚だ。今度のウオーキングがまずまず続いているのは、一つ理由がある。年末に手に入れた「iPod touch」が大きな推進力になっている。以前購入してそのままになっていたCDの中身を移して聞きながら歩くようにしてみたら、内容を聞くたくなることもあり、ウオーキングに出ようという気が起きる。そして移りゆく景色を眺めながら美しい詩やきれいな音楽、素晴らしい言葉に触れていく。ただ健康のために歩いているという感覚は失せて、頭が冴えて、心が動く、実に得がたい貴重な時間を過ごしている。iPod touchに入れたのは次のCDだ。「美しい日本語」シリーズ 「愛唱したい日本の名詩」朗読:加藤剛・渡辺美佐子・壇ふみ他 「心にひびく大切な人生の言葉」:朗読:北村和夫 「ことば世界遺産」朗読:江守徹「小林英雄エッセイ集」朗読::山本学「白洲正子の世界」朗読:奈良岡朋子「日本の名詩」はさすがにいい詩ばかりだが、いくつか心に響く詩をあげる。 新川和江「わたしを束ねないで」 谷川俊太郎「二十億光年の孤独」 茨木のり子「わたしが一番きれいだったとき」 北原白秋「落葉松」 まど・みちお「そうきん」 石垣りん「表札」 与謝野晶子「君死にたまふことなかれ」
2008/01/06
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著者の勝間和代さん(38歳)は、物心がついた時からIT機器を使ってきた第一世代の旗手である。中学1年生だった26年前にパソコンを買ってもらった。1980年を少し過ぎたあたりで中学生になったということは、1975年頃から始まるIT時代の黎明期から今日まで四半世紀をパソコンとともに過ごした世代である。だから旧タイプの本の世界を前提にしながらもIT機器を空気のように使いこなすことができる。その仕事術(最近はハックスというらしい)を公開したのがこの本である。仕事というものは、具体的な問題を解決するために情報を収集し、整理・加工し、新たな情報として解決策を生み出し、実行するというサイクルで回っているのは、今も昔も変わらない。IT時代以前は、著名な学者や売れっ子評論家、切れ味の鋭い新聞記者などの知的生産者が本というメディアで情報の問題を扱った。その後、情報機器を使いこなす知的生産者が登場してきたが、一段と高いIT技術力で登場しつつある最初の世代がこの世代である。一流の経営コンサルタント会社で働いた経験を持ち、「世界の最も注目すべき女性50人」、「エイボン女性大賞」を受賞するなど社会的に優れた仕事をしつつ、子ども3人を育てている最中であることが、著者の主張に強い説得力を与えている。空中戦や地上戦という現代の情報戦争を生き抜くための武器が凄い。巻頭と巻末に情報武装した著者の姿があり、性能の高い武器の数々が紹介されている。スポーツ自転車、GPSつき携帯ナビ、SPD専用ぺダル。これで都内を毎日走り回っているそうだ。こういうプロ用の自転車は、調べてみると男性用では30万から90万円する。小型パソコン、デジカメ、ICレコーダー、オーディオプレイヤー、ウオークマン、ドキュメントスキャナ、快眠プログラムマット、カラダスキャン、万歩計、心拍数を管理できる腕時計、ストレッチ用CD、、、、。GPSつき携帯は46,800円、ドキュメントスキャナは42,290円、快眠マットは262,500円、、と調べていると、武器を揃えるにはお金がかかることを痛感する。しかしこういう武器で戦う成果は大きいから投資効率は高い。こういうハードの形をした武器は、無限の広がりと深さを持つ使い勝手のいいソフトにつながっていて、仕事の効率は総合的に高まっていく。Gメール、Firefox、SNS、マピオン、名刺OCRソフト、Paperport、アマゾンプライム、オーディオブック、iPod、フォトリーディング、親指シフトキー、マインドマップ、、、。現在使っているものもあるが、今回初めて知ったハードやソフトも多い。著者は本のサブタイトルに「自分をグーグル化する方法」とあるように、徹底した情報戦の優れたサイバー兵士であるという印象を持った。今日よりは明日をよりよく生き、貴重な人生の経営資源をである時間を大切にし、目の前の仕事を高いレベルで大量にこなしながら、自分を高めていく姿はさわやかだ。この本で紹介されている機器やソフトは実践で使えることが証明されているので、使ってみたい。今後は著者に代表されるフロントランナーたちの思考、行動、ライフスタイルなども学び、吸収して自分なりの独自のスタイルを築いていきたいものだ。
2008/01/05
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阿川弘之「大人の見識」(新潮新書)は、オビによると「軽躁なる日本人へ 急ぎの用はゆっくりと 理詰めで人を責めるな 静かに過ごすことを習え、、」「作家生活六十年の見聞を温め、人生の叡智を知る。信玄の遺訓と和魂・国家の品位・幸福であるための条件・ユーモアとは何か・大人の文学・われ愚人を愛す・ノブレス・オビリージュ・精神のフレクシビリティ・ポリュビオスの言葉・自由と規律・温故知新」となっている。1920年(大正7年9生まれの阿川弘之は東大国文科を繰り上げ卒業し、海軍に入り中国で終戦を迎える。戦後、志賀直哉に師事し海軍をテーマとした名作を数多く発表し、99年には文化勲章を受章している。最近では、文藝春秋の比較的長い随筆のコラムを書き続けており、文春を開く時にはコラムを読むことが多い。今回の「語りおろし」の本は、大人の見識を持った人々のエピソードで、テーマを洒脱に語っていて共感する部分も多い。まだビジネスマンだった40歳頃のこと、この阿川先生にお目にかかったことがある。広報の責任者をしていたときに、頼んだ原稿の件で、部下の対応に問題があって謝りにご自宅に伺った。ご本人も自ら「瞬間湯沸かし器という綽名をもらっている」とこの本の冒頭の「老人の不見識---序に代えて」で述べているように、怒りっぽいことは知られていた。電話でアポイントをとろうとしたら、体調を崩されて入院から戻ってこられたばかりだったことがわかったので、まずお見舞いの花束を贈っておいた。そして数日後、約束の時間の5分前にご自宅の呼び鈴を押した。阿川先生の本では海軍の習慣である「五分前の精神」のことを書いておられたので、私もこれにならった。応接間でお詫びを申し上げて、先生の本の話題をする中で、五分前の精神のことを話題にしながら、日本海軍について話していたら、「あなた海軍ですか?」と嬉しそうに言われて驚いた。「いえ、私はそんな年ではありません」と答えて大笑いになった。前の職場で人事関係の仕事をしていたので、海軍の人事制度の勉強をしていたのが役に立った。その後、会社の創立記念の論文募集の審査委員長をお願いしたが、このときは、担当課長である私の意見と社長の意見が食い違っておかしな雰囲気になったが、阿川先生にうまくおさめてもらった記憶がある。その後、アメリカに居た長男の阿川尚之さんから電話をもらって何かを頼まれたことがある。尚之さんは1951年生まれで、ジョージタウン大学ロースクールを卒業した弁護士だった。「アメリカが嫌いですか」という本を書いて話題になり、慶応義塾大学の教授、その後は日本政府のアメリカ公使を引き受け、「憲法で読むアメリカ史」で2005年度の読売・吉野作造賞を受賞している。今は慶応の総合政策学部長。長女の佐和子さんはエッセイストとして大活躍していて、同世代の独身の壇ふみとのやり取りの本も面白い。仙台で阿川先生の末っ子(三男)に出会ったことがある。この本では高校一年生になったときに「五分間論語」を強制されている。晩飯の前の五分間、親子差し向いで論語の素読をするという趣向だったが、お互いに忙しくなって途中で終わっていて、阿川先生は「惜しかった」と悔やんでいる。この末っ子は私の勤務していた会社に入って一時仙台支店にいた。まだ20代半ばの青年だったが、阿川生先生のご自宅を訪問した時のことを話題にして一緒に飲んだことがある。阿川家は文才があることは明らかなので、そろそろ世の中に出てくるかもしれない。「大人の見識」を読みながら、そういう懐かしい思い出がよみがえってきた。新書の和服を着た著者近影を見るとまだまだお元気の様子だ。味わいのあるエッセイやこの本のような語りおろしというスタイルを使って、私たち若い者を諭していただきたいものである。大人の見識
2008/01/04
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NHKラジオ「21世紀 日本の自画像」第3夜。-------------------------------------------------------・21世紀の7年間、世界の成長率は3.5%と異例の高さだった・2001年「9・11」同時多発テロによって逆上したアメリカは、4400人の兵士を死亡させた・19世紀の100年間での3度の戦争でもアメリカの戦死は4000人に過ぎなかった・この7年は、イラク、アフガン、パキスタンとアメリカの求心力低下の7年だった・年間の株の価値総額は14%の上昇。金融経済の肥大化が進んだ・立ちつくしている世界・グローバリズムは世界をし幸せにしたか?・豊かになったのはごく一部、冷戦の終焉から世界はフラット化した・テロは希望のないところから生まれる・日本はアメリカに負けたのでなく中国に負けた。中米の連携に負けた・テロ特別措置法は何のためか。外国では知られていない。年間100億円、6年間で600億円、その他でインド洋の補給には1000億円かかっている。・日米同盟のコストは、思いやり予算6500億円を7年間で約4兆円。その他を含め6兆円。・アメリカの相対化、多極化の中での日米同盟の再構築に失敗した・適正な同盟コストはいくらか。多くの選択肢があるはずだ・日中米のトライアングル時代では、アメリカは日本も中国もと、ならざるを得ない・中国における留美派の台頭・国際刑事裁判所(ICC)への積極的参加とポスト京都議定書の新しいルールづくり・京都議定書では日本は1990年対比CO2を6%減少させると決めたが実際は7%の上昇・軍事力でない国際政治を動かす力をソフトパワーというが、環境、流通など技術力が大事だ。その技術力は人によっている。日本はここに力を注ぐべきだ・日本は総合力・統合力であるガバナンスが課題だ。総合設計する力が問われている・ガバナンスの中心は人である。・不条理の解決が歴史の進歩である・歴史を動かすのは人ではないか---------------------------------------------------------最後の木村アナの総括では、この番組は5年間のシリーズだったそうで今年で終わりとなる。この番組を私なりに総括すると、この3日間の番組は寺島実郎さんの様々なメディアでの発言、雑誌や書籍での論考の集大成だった。ワーキングプア、グローバリズム、IT革命、社会保障、分配、労組、NPO、中間層、参画型社会、モノづくり立国、基盤産業、三位一体改革、移動人口の増加策、議員という民主主義のコスト、プラットフォームづくり、金融経済の肥大化、テロ特措法の意味、ICC、日米同盟再構築、中国をどうみるか、教育のありかた、、、、。一つ一つの主張に綿密な調査に基づく裏づけとそれを示す数字が示されており、それをもとに考え抜いた後があるから、低く太い低重音で腹に響いてくる。この番組は企画・人選・取材の全てにわたって寺島さんの関与が濃厚だ。日本を外から内からみて立体的な自画像を描き、それぞれの課題に処方箋を考え、21世紀に日本が進むべき方向を一つの全体像として提示しようという意図を感じるが、それが見事に結実していた。多くの人に感銘を与えたのではないだろうか。
2008/01/03
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新春特集としてNHKラジオ第一放送が意欲的な番組を3夜連続(21時30分から23時)で展開している。元旦の初日は「安心と希望の社会」。進行は木村知義アナで、3夜連続の出演者は寺島実郎。今回のゲストは慶応大の金子勝。・日本社会は豊かさと自由を得た。にもかかわらず不安と苛立ちの中にあり、幸福ではない。・ワーキングプアを年収200万以下とすると(生活保護世帯が届かない数字。失業手当は200万以下)、2007年の最新データでは、正規雇用労働6400万人のうち年収200万以下は2190万人(34%)、つまり三人に一人になった。・非正規雇用労働者1742万人のうち、12998万人(75%)、つまり4人に3人が200万以下。(労働者8132万人の43%の3488万人が生活保護世帯や失業者レベルに近い年収200万以下という現実)・原因は、IT化とグローバル化。IT革命によって仕事の中身が変化した。仕事の平準化が行われ熟練を必要としない労働が増加した。つまり労働の喜びが得にくい作業への従事だ。グローバル化によって起こったのは、メジャーリーグに松坂(年収10億円)に代表されるスキルとノウハウの高度化したかけがえのないハイエンドの仕事と、中国はじめ途上国でもできるため賃金が下に引っ張られるローエンドな仕事の増大の同時進行という二極化である。若者の労働環境は変化し、新しい貧困、新しい格差が生まれている。・生活保護世帯107万のうち、高齢者は44%。・日本の社会保障は人口増加を前提とした後世代負担とインフレを想定していた。しかしすでに毎年70万人が減っていくという少子高齢社会が始まっている。ナショナルミニマムに代わってローカルミニマムという議論もでてきた。各地域地域での最適水準で暮らしなさいという考え方である。社会保障制度の底がすでに抜けている。・わかりやすいフラットな社会保障制度と年金・医療・介護などのシームレスな連携が必要だ。公正な社会制度の設計が必要。・社会主義が崩壊した1990年あたりから資本主義のおごりが生じた。資本主義の勝利えはなく社会主義が自壊したのだ。・労働組合の存在という緊張感がなくなった。労組の組織率は20%をきっている。700万人を擁する「連合」は大企業正規雇用者と公務員が大部分となって、雇用の現実に立ち向かう力を失った。労働組合としての新しい動きが必要である。・こういった時代にあって、個人は受身ではいけない。力のあるNPOを育てていくべきだ。生活のための仕事と、感動と充実のためのNPO活動など、多彩な生き方、働き方が大事だ。産業界は新たなプラットフォームを提供うべきだ。自動車産業以降の新しい有望産業は見当たらない。事業、プロジェクトの受け皿となるプラットフォームをつくり中間層のしっかりした国をつくらねばならない。・創造的環境を設計し、人を育てる。いい意味での帰属意識のある参画型型市民社会の構築と、見識・度量・方向感覚を備えた覚悟と展望を持ったリーダーを育てなければならない。・今、日本の金は外国に流れ、日本へは外資が投資をしている状態。1200兆円の個人資産を日本のために使う智恵が必要だ。--------------------------------------------------------2日の夜は、地域の自立・活性化がテーマだった。寺島。、そしてもう一人のゲストは一橋大学の関満博。・日本には雇用の場がなくなった。・右肩上がりを前提とした分配の構造が成り立たなくなった。それが地域間格差につながった。・エネルギーと食料という基盤産業は惨憺たる現状。エネルギーは外から買ってくる、食糧自給率は4割。農業はGDPの1%、農業人口は4.4%しかない。これは日本全体のバランスの問題だ。・3兆円の地方への移譲、3兆円のカットという三位一体改革の結果は、首都圏のみ黒字で、35県のますますの赤字を招来した。これへの地方の怒りと反発が先の参院選挙に現れた。・日本には人材しかない。故郷に人が戻る流れ、それに事業が追いかけてくるという人材立地の提案。アジアではできない研究開発型のアナログのワザと技能。・先端的アカデミズムとの連携が重要。・移動人口で人を引き寄せ、活力を出す・九州全域の観光協会が連携するなど広域連携の出現。県内に2つの政令指定都市がある県が4つとなった。(福岡・静岡・・・)県の機能とは何か?という議論になる。・祭りができなくなってきた。・中央との関係の見直し。地方同士は知恵比べの時代。一方で大きなプラットフォームをつくることが大事だ。・志、命がけで取り組む人づくり-------------------------------------------------------ラジオというメディアはじっくりとテーマを追うという企画には大きな力を発揮する。正月のテレビ番組には見るべきものはほとんどないが、こういう企画を行うなどラジオには存在感がある。NHKは「ゆく年、くる年」で数年番組をつくってきたが、今回の企画と人選と内容は出色である。3日の夜も楽しみだ。
2008/01/02
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新年あけましておめでとうございます!皆さん、初詣はどうされますか?私は今年は仙台の自宅でゆっくりしているので近所の加茂神社にいくつもりです。一昨年の加茂神社の初詣では「末吉」、(風さわぐ秋の夕は行船も いりえしずかに宿を定めて)昨年の1月1日の初詣のおみくじは「吉」、9月の宇佐神宮のおみくじは、同じく「吉」でした。(ゆきくれて まよえる野辺のほそみちに さやけき月のかげはさしけり)今年はいかなる運命となるでしょうか。ある占星術によれば、今年は「再会」の年となるとのことですので、それを信じて進んでいくつもりです。年末年始には、年始に細かく記した「今年の希望」項目を、年末に◎○△×と総括し、翌年の年始にはやるべきことを書き出すという作業を行っています。この習慣も28年ほど続いており、私にとっては年末年始の大切な行事となっています。今年は何を目標としようかと考えていますが、新しいことにもチャレンジするつもりです。今年は出版ラッシュが予定されています。ここ5年ほどメインテーマだった図解コミュニケーションに加え、昨年あたりから若手ビジネスマンを励ます本の流れがでてきました。また3年で200館を超えた「人物記念館の旅」で学んだことも今年は書籍として結実する予定なので、楽しみにしています。最近「継続は力なり」の意味が本当にわかってきた感があります。・ブログの連続記録は1200日超。(今年の目標1500日超)・メルマガ(週2回発行・配信数8000)の発行も560号。・「人物記念館の旅」は217館。(年内300館が目標) http://www.hisatune.net/kinenkan/kinekan_list.htmまた、ここ10年ほど長期低落傾向にあった健康診断の数字ですが、ここ2年ほど反転しつつありますので、勢いを持続していきたいものです。(皆さんは、いかがですか?)最後に、年末に手に入れたiPod touchを休み中に使いこなせるようになりたいと思っていじくっています、これも楽しみです。(^^:)では、皆さん、よいお年をお迎えください。
2008/01/01
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