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病気で子種を失った主人公の自殺した妻は妊娠していた。意志も無くただ生きるだけの日々を送っていた主人公に過去の知り合いが金を捨てるという頼みを持ち込んできたのをきっかけに、彼の周りが騒がしくなった。死んだ妻が夢想していたゴッホの8枚目の“ひまわり”を巡る人々の愛や欲の結末を描いた長編です。乱歩賞、直木賞ダブル受賞という衝撃のデビュー作「テロリストのパラソル」に続く2作目ですが、更に文章力や構成力がこなれていて、前作に勝るとも劣らない読み応えがありました。 どちらかと言えば手堅い設定ながらキャラクターの描写が魅力的で古さも感じません。 オススメ。
2002年06月30日
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エマノンシリーズ第3弾です。 公園に捨てられていたところを拾われ、施設を経て今は養父母と幸せに暮らしている主人公だったが、彼は子供の頃から自分の不思議な能力に気付いていた。 施設の頃からの全ての体験を鮮明に覚えている記憶力、時折横切る予知、そして意識の底で常に移動し続ける赤い光点・・・自分が何者なのか調べ始めた主人公は、発見された時に双子の妹が居り、しかも彼女は目を離した隙に忽然と消えてしまったということを知った。今回はシリーズ初の長編でしたが、人の存在意義や生命に関して考えさせられる内容が短編よりも描き込まれているような気がして良かったです。話としては前2作と特に繋がりはありませんが、今回は主人公がエマノンではないので設定を理解するためにも矢張り順番に読むべきですね。ってか、続編はもう出ないのかな?
2002年06月29日
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ナイトクラブ“ファッサード”に集まる主人公とその仲間たちとの夜毎の騒乱や、そこに加わったり去ったりする人々、恋愛や焦燥や悩みなどの人間模様を綴った短編連作集です。毎日楽しいし、仲間もいい奴ばかりなのだけど、その居心地の良さが逆に落ち着かないような、「ここにいたら、ダメになる」という心情がストレートでなく伝わってくるところが良いです。程よい寂しさの味わえる一殺。
2002年06月28日
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時は平成元年、老舗の全日本、新日本プロレスに加えUWFという新しい風が吹き始めたプロレス界に、何とあの力道山が蘇った! 彼は前田日明との対戦を希望し、前座はジャイアント馬場対アントニオ猪木というとんでもないプロジェクトが動き出した。時代設定を無視して伝説の英雄と現代の英雄を戦わせるという企画から生まれた破天荒な内容と、夢枕獏の太い文体が良く合っていて楽しく読むことができました。 実名を使ったことで、人によってはイメージなど違和感を覚える可能性もありますが、私にとっては納得のいく展開であり設定でした。 プロレス好きなら読む価値アリ。
2002年06月27日
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疫病が蔓延し、政情的にも不安定な平安の世、時の関白である藤原道隆が病没した。 地位的には道隆の息子である伊周が後を継ぐところだが彼には人望が無く、道隆の弟である道長と熾烈な権力争いを繰り広げることになった。世の行く末を憂える陰陽師・安倍晴明は道長を支援し、晴明に恨みを持つ蘆屋道鬼は伊周に与して対立はこの世ならぬ様相を呈してくる・・・安倍晴明を題材にした小説は数多くありますが、これはその中でも講談調と言うか、陰陽の術が圧倒的な力として描かれていて楽しみながら読めました。話としてもシンプルながらツボを押さえていて厚さを感じさせません。 続編も読んでみたいですね。
2002年06月26日
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著者の清水義範に加え、装丁は西原理恵子と見ただけで脱力感全開の短編集です(笑) 大のビール党である主人公が飲みなれていた銘柄のビールが若者向けに少しライトになってしまい、新たに自分の飲むべきビールを求めて様々な銘柄を飲み漁った結末を描く表題作の他、小さな庭を自分好みに作り上げたところ猫の糞に悩まされるようになった「猫の額」、姑と嫁の微妙な確執を感じ取る娘の心境「二人の女」など、相変わらず親しみ易い題材が楽しいです。喜怒哀楽やそれぞれの背景の生き生きとした描写と最後のオチ・・・は今イチなこともありますが、全体的に良く纏まっていてオススメの一殺。
2002年06月25日
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「おもいでエマノン」に続く第2弾です。地球に生命体が発生してからの全ての記憶を受け継ぐ少女、エマノンを中心とした短編集という作りは前作と同じですが、今回はこの世ならぬ存在が多く登場するのが特徴的ですね。己の利益のために地球に負荷を強いてきた人間たちの末路というような重い内容が多いものの、最後は生命に対する愛のようなものが感じられて何か穏やかな読後感がありました。 SFに抵抗が無ければ是非。
2002年06月24日
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どこか人生に醒めていて惰性と瞬間の欲望だけで日々を送っていた主人公だったが、ある若い殺し屋に出会ったことで何かが変わり始めた。両親が離婚し、母に連れられて流れ着いた大阪で良く遊んでいたアパートの隣の町工場の秘密や様々な人間関係を知るにつれ、主人公も少しずつ深みへ足を踏み入れてゆく・・・全体的に暗く重いのですが、所々にある不思議な爽やかさが独特の雰囲気で悪くなかったです。同性愛でもなく、友情とも違う描写もわかったようなわからないような感じながら最後が綺麗に纏まっているので読後感は良いですね。
2002年06月23日
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「まるで不作の生大根をかじってるようだ」という言葉と共に男に捨てられ、自分に自信が持てず陰鬱な日々を送っていたお松はある日、捨てた男を見かけて逆上し、殺害してしまった。 我に返り、逃亡したお松だったがその途中で暴漢に襲われたところをある男に助けられてから運命が変わり出した。鬼平犯科帳番外編ということで鬼平も事件に関わってきますが、それよりもお松を中心とした周囲の変遷を描くことで女の強さや人間の不思議さを感じさせられました。 捕り物の爽快感は少ないものの、しみじみと読める一殺。
2002年06月22日
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それぞれの月について印象や出来事を綴った「ハラダ式歳時記」、好きなものについて書いた「好きなものは好きなんだ」、映画にまつわる体験や感想「V的人間講座」など、幾つかのジャンルに分かれたエッセイ集です。個人的で趣味的な内容ながら、「エッセイはこれでいいんだもんね」といった雰囲気が楽しく、著者の体験が興味深く読むことができました。程好い本数で纏まっているため読み易く、飽きもこない作りでお気楽に読むのに適した一殺。
2002年06月21日
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大学生として名古屋に移り、マンション生活を始めた主人公が出会い、別れてゆく人々とその周囲の情景を描いた長編です。相変わらずの親子関係が気持ち良く、外界(?)との対比も面白く、それでいて色々と考えさせられました。大学生になって太郎が少し分別臭くなっていたのが多少物足りないけどオススメの一殺。話としては連続していないけど、世界観や設定を掴む上で高校編から読んだ方が良いです。
2002年06月20日
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地球上に生命が発生してからの全ての記憶を代々引き継ぎ、常に進化の先端をゆく存在。 現在は人間の少女の形を取り、「No Name」を逆から読んだ“エマノン”と名乗るそれと人々の触れ合いや感情を描いた短編連作集です。記憶というものを通して進化や人間という存在を考えさせられながらも、柔らかい雰囲気が重さを感じさせず心地良く読めました。 設定やキャラに多少好みが分かれるでしょうが、オススメ。これが好きなら「リバティ・ランド~」じゃなくて「ラストリーフ~」を読ませてみるか・・・(謎)
2002年06月19日
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失踪から戻ってきた後、死亡した弟が残したメモに書かれていた村。 そこは“大鏡”と呼ばれる存在が支配する不思議な世界であった。 弟が大鏡の側近だったことを知り、その近辺を探り始めた主人公だったが、彼の周辺で謎の殺人事件が続発し・・・何かわけわかんないっス(笑) 精神世界系のかなり大掛かりなトリックで、話を掴めるかどうかで評価の分かれそうな内容ですね。 私はあまり得意ではありません。 雰囲気だとか、個々のパーツについては興味深いのだけど全体的には評価不能。
2002年06月18日
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電車の中で一目惚れした彼女に再会したのは精神に異常をきたした父の新しい担当医としてであった。見舞いにかこつけてまめに病院へ足を運び、彼女と少しずつ打ち解けていった主人公だったが、年の差や彼女の前の夫が自殺していること、更に主人公が現在付き合っているのが彼女の妹であったなど、主人公が思いを遂げるのは不可能に見えた。それでも自分の心にまっすぐに進み、ついに結ばれた2人だったが・・・一部で“こっぱ系”と呼ばれる、読んでいて赤面するような主人公の想いが伝わってくる作品です。ストーリーや設定が優れているわけではないけど直球勝負で少年から青年へ移る主人公の感情が生き生きと描かれていて良かったです。ストレートな恋愛小説に抵抗が無ければオススメ。
2002年06月17日
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タイトルでわかりますが、逆ハンぐれん隊シリーズの2冊目です。 ある事件に巻き込まれたせいで諜報機関から狙われる身となり、九州へ渡った逆ハンぐれん隊の3人だったが、そこで頼ろうとした昔の知り合いが財宝の隠匿に関係していることを知り、彼等と対決することになる。んー・・・・・五木寛之はもっと落ち着いた作品の方がいいですね(笑) 車を絡めた設定は面白いものの内容的には安っぽい勧善懲悪系で厚みに欠けます。軽いノリが好きならまあ読めなくはない、程度。
2002年06月16日
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ルポライターである著者が取材の本質や報道の解釈、事実をどう掴み取るかを中心に、記者の姿勢なども含めて考えたことを綴ったエッセイ(?)集です。ちょっとした立場や視点の差で左右されてしまう表現を、いかに事実に沿って主観や予測を交えず記すべきかということや、その大切さが伝わってきました。 書き手、読み手ともに同じ事柄でも同じ認識をすることは有り得ないので表現や伝達の限界はあるでしょうが、それを出来うる限り誤差の少ないようにしようという姿勢が良いですね。やや堅苦しいけど読み応えのある一殺。
2002年06月15日
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山本太郎という、あまりに平凡な名前に時折憤りを感じつつもたいていのことには暗くならずに向き合う主人公と、やや世間ばなれしているが筋の通った父、基本的に放任主義だが常に家で仕事をしている母の関係を中心に、太郎の学生生活を描いた作品です。悩みがあってもくよくよせず、自分なりの解決を見出す主人公に雑草の強さのようなものを感じました。ちょっとできすぎだけど一家それぞれに気持ちの良いキャラクターで重い展開になっても読み易かったです。大学編も読んでみたいですね。そうか、ひ○さんてこんな感じなのか・・・
2002年06月14日
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妻の不倫に気付いてしまった夫と、必死で隠そうとする妻の会話を描いた表題作の他、男女や夫婦の間の関係や愛憎を題材にした短編集です。若くもなく、老いてもいない微妙な年齢の心理描写が憂鬱な雰囲気を出していて読後感はやや重めですが、内容とのバランスは取れていて悪くないです。女性作家ならではの一殺。
2002年06月13日
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あくまで巨大で強力で荘重というコンセプトのもとに国王や国家元首向けの車として作られたメルセデスの怪物グロッサー。 ナチスの総帥ヒトラーも愛したその車が一時期天皇の御料車として使われており、うち一台がベンツの自動車博物館に展示されているということを知った主人公は、取材のために向かったドイツで更に衝撃的な情報を入手した。ジルバーン・グロッサー・・・銀のグロッサーと呼ばれる車がヒトラーの発案のもとに作られ、日独伊三国同盟の記念に日本の宮内庁に贈られたというのである。 しかし、日本側に受け取った記録は無く、銀のグロッサーの消息を追って調査を始めた主人公の前に姿を現したものは・・・車に造詣の深い著者ならではの題材が非常に魅力的で引き込まれました。 人にもよりますが、男というのは幾つになってもごつくてでかくて強そうなものが好きというポイントを良く押さえながら、小説としても起伏があって良い出来です。 オススメ。
2002年06月12日
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8年前に密輸から足を洗い、お互いに消息も知らせ合わずそれぞれの生活を営んでいた2人の男。しかし彼等の持っていた密輸ルートを復活させて使おうとする人間が2人に圧力をかけてきた。それぞれのルートで調査を進めるうちに出会った2人は協力してその圧力をはね返そうとする。ストーリー的には至って単純ですが、堅気として平穏な日々を送っていた2人が少しずつ昔を取り戻してゆく過程と、熱くて冷静なキャラクターが北方謙三独特の文体と良く合っていて憧れるような気持ちで読めました。 こじーん的にはオススメ。
2002年06月11日
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両親が離婚し、幼くして伯父に引き取られて育った兄と妹だったが、母が住んでいるという駅だけは教えられており、思うところがあると電車に乗ってそこを訪ねては親や故郷、心の依り所について考えていた。 しかし、伯父が死亡し、女に養われるような生活を送っている兄に代わって妹が伯父の持っていたサークルを引き継ぐことになってから2人の生活は少しずつ動き始め・・・あとがきで述べているように、“人間の依りどころ”について描いた作品で、愛憎や信念を通した人間の様々な生き方が考えさせられながら読めました。度々出てくる“生命の傷”という表現が、私の辞書には無い考え方だったので少し戸惑いましたが読み応えがある割に穏やかな読後感が良かったです。次は何貸してくれるのか楽しみにしてます(私信)
2002年06月10日
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歩くよりは当然バスの方が早いけど、バス停で10分以上待たされるようだと歩く方が早い、そんな微妙な距離でバスを待つ主人公の心理を描いた表題作の他、出張先で自分の吸っている銘柄の煙草を求めて探し回る「マイルド・ライト・スペシャル」、強烈な冷房で冬より夏の方が寒いくらいになってしまった「恐怖の寒冷地獄」など、人間観察眼に長けた著者の面目躍如とも言える短編集です。丁度、うちから駅までの距離が表題作と同じような状況なせいもあって共感を覚えたり、人間描写に感心しながら読めました。 ストーリー的にも面白く、清水義範の作品の中でもオススメの一殺。
2002年06月09日
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競輪、競艇、オートレース、競馬と公営ギャンブルの選手達を主人公に、勝負の世界や人間関係、彼等の悩みなどを描いた短編集です。トップクラスではなく駆け出しでもない微妙な位置で自分の目指すものを探し続ける様子が重すぎず軽すぎない筆で描かれていて程好い読後感でした。タイトルも内容に良く合っていると思います。
2002年06月08日
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東京タワーを筆頭に通天閣、浅草のストリップ、日光江戸村、ホモ映画館など、存在は知っているのになんとなく(?)行きそびれてしまう場所や、著者がふと足を運ぶことになってしまった場所についてその状況や考えたことなどを綴ったエッセイ集です。着眼点に加え、トホホな展開ながら鋭いところを突いている内容が面白く読めました。筋肉少女隊の楽曲はかなり人を選びますが、エッセイは安定してオススメできるかも(笑)
2002年06月07日
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一応、フィクションということになっていますが進退を汚した何人かの銀行会長達をモデルにしているらしく、当時を体験した人にとっては憤りを新たにするのではないかという程に細かな内部事情が描かれていて読み応えがありました。何故か政治家だけは実名が出ているのですがそれも時代を把握するには効果的だったと思います。ページ数の割りには一気に読める作品です。経済小説が嫌いでなければオススメ。
2002年06月06日
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大手都銀に勤める主人公は寝耳に水の渉外班への異動を命じられた。 特に落ち度も無く総会屋対策という部署への配属に憤る主人公だったが、その異動は表向きのもので彼はある不正融資の交渉を手伝わされることになる。しかしそれは氷山の一角でしかなかった・・・バブル崩壊期の銀行や住専、政治家の腐敗ぶりをドキュメンタリーのような迫力のある筆で描き上げた経済小説です。感想は下を読んでから(笑)
2002年06月05日
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緻密なノンフィクション作家として有名な著者が米スリーマイル島で起こった原発事故を克明に綴り、小さなことが積み重なった結果が大事故に繋がる様やパニックに陥った人間の弱さ、機械と人間の関わりを考えさせられるドキュメントです。柳田邦男というとお堅いイメージがあって敬遠していたのですが、その堅さが内容に良く合っていて息詰まるような展開が伝わってきました。しかし、これだけの事故が今はもう過去のものとして殆ど忘れ去られ、相変わらず原発や原潜絡みの事故が絶えないのは情け無いような・・・
2002年06月04日
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著者が偶然に発見した論文に対する考察を通して名古屋と東京の人間や風土の違いを描いた表題作の他、初版、改訂版、完全版、全著作集、文庫版とそれぞれの序文から時代の変遷を感じさせる「序文」、昔話であるさるかに合戦の裏側を描いた「猿蟹の賦」など内容だけでなく設定や文体も独特の短編集です。作品によっては奇をてらいすぎて逆に冷めてしまう部分もありますが、短編の様々な可能性を追求する姿勢は流石だと思いました。 評価は難しいけど色んな意味で面白い一殺。
2002年06月03日
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偉大な父の後を継いで土佐二十二万石の領主となった長曾我部盛親には他家へ養子入りしたとは言え2人の兄が居り、家臣の中でも派閥や対立が暗い影を落としていた。 そんな折、関が原の戦いにおいて関東への使者が間に合わず、石田方に与することになって敗れた盛親は領地を召し上げられてしまった。浪人の身になって却って肩の荷が降り、退屈だが安穏な日々を送っていた盛親だったが、秀頼が成人し、天下に戦乱の気配を嗅ぐと自分の裡に潜むものを抑えられず、活躍の場を求めて大阪城へと向かう・・・武将としては優れたものを持ちながら、大名としてのふてぶてしさや貪欲さに欠け、進退を誤った主人公の戦雲に流される様や心理が興味深く読めました。爽快さは無いものの侍の生き様が感じられる一殺。
2002年06月02日
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その洗車の丁寧さと車への愛情を見込まれて、超売れっ子漫画家の車の整備を任された主人公はそこで同じように洗髪と運転の腕を見込まれて車慣らしを任されている少女と共に車の面倒を見ることになった。そんなある日、彼女が慣らし走行で200キロ近く出している時に横を追い抜いていく車に出会ったと言う。 半信半疑ながら調査を始めた主人公達の目の前に再び現れたその車を運転していたのは“逆ハンの竜”と呼ばれる政府公認の運び屋だった。彼は国家の庇護のもとリスク無しに走り回るのに物足りなさを感じており、主人公達を誘って公認ではない運び屋をやろうと持ちかけてきた。という経緯で結成された逆ハンぐれん隊シリーズの1作目です。 五木寛之らしからぬ(?)軽い文体とおちゃらけた設定は評価が分かれるかも知れませんが読みやすいのは確かで続編も読んでみたいところ。カバーがわたせせいぞうというのもかなり意外。
2002年06月01日
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全30件 (30件中 1-30件目)
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